履物を利用した警報装置
【課題】 人が体の自由が利かない状況下において、また、犯人に知られない状態で操作することができる、履物を利用した防犯装置が求められる。また、製作の容易性、使用の簡便性、使用時における違和感の軽減を図り、誤動作を防ぎ日常の混乱を招くことがなく、お年寄りや子供が安心して使用できる履物を利用した防犯装置の提供を図る。
【構成】 本発明は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は足の指、踵及び/又は足全体による確実な操作で作用し、かつ前記単一操作では作用せず、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【構成】 本発明は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は足の指、踵及び/又は足全体による確実な操作で作用し、かつ前記単一操作では作用せず、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物を利用した警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、履物を利用した警報装置として、文献1がある。文献1は、靴に装着され、物理的な衝撃が加えられたことに応答し、信号を出力する感圧センサを入力手段に備えた警報装置である。また、文献1は、靴に装着され、物理的な衝撃が加えられたことに応答し、信号を出力する感圧センサを入力手段に備えた警報装置であり、操作者が入力手段の装着された靴で物を蹴る等して、感圧センサに衝撃を与えることにより、警報命令を発する構成である。
【0003】
また、従来、複数のスイッチ機構を有する構成として、以下のものが知られている。文献2は、多段階プッシュスイッチである。文献2には、複数の内部スイッチを多段的に作動させる構成が示されている。文献3は、メンブレンスイッチである。文献3には、複数のスイッチを任意の順序または同時に作動させることのできる構成が示されている。文献4は、ゴム・スイッチである。文献4には、順次時間差をもって接続することができるスイッチ機構が示されている。文献5は、多段スイッチの誤動作防止装置である。文献5には、スイッチを多段目に切替えることにより誤動作を防止する構成が示されている。文献6は、スイッチ装置である。文献6には、2種類のスイッチを作動させる構成が示されている。文献7は、ドームスイッチである。文献7には、二段階で電極と回路体の接点とが接触する複台スイッチが示されている。文献8は、二段スイッチ機構である。文献8には、押圧型の二段スイッチ機構が示されている。文献9は、二段スイッチである。文献9には、上方から押圧することで上下のスイッチ接点を順番にオンせしめる二段スイッチが示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−344681
【特許文献2】特開平8−22738号
【特許文献3】特開平9−63412号
【特許文献4】特開平9−106733号
【特許文献5】特開平10−106378号
【特許文献6】特開平10−302570号
【特許文献7】特開2002−245895
【特許文献8】特開2002−279853
【特許文献9】特開2003−123587
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献1は、靴を履いた足で物を蹴る等して、足を動かし、物理的な衝撃を与え、それに応答し、信号を出力する感圧センサ等を備えた警報装置であり、スイッチの操作に際し、犯人に刺激を与え、悲惨な状況を引き起こしかねない。そこで、履物の中で足を動かして操作するスイッチを設けた構成により、人が体の自由が利かない状況下において、また、犯人に知られない状態で操作することができる、履物を利用した警報装置が求められる。
【0006】
また、強盗事件、通り魔事件といった凶悪な犯罪に対応するためには、警報装置からの通報を受けた警察、コンビニエンスストアー本部又は近所の人等の判断が重要であり、誤動作がたびたび起こるのでは、通報を受けた人の判断を迷わせ、誤らせる。ゆえに、誤動作を防ぎ、日常の混乱を招くことがない本発明の効果は、警報装置において、必要不可欠のものである。
【0007】
上記課題を解決する構成として、左右の靴、靴の中敷等の履物に装備された、この左右の履物の中で両足を動かして操作するスイッチ及び/又はバイブレーターの感知部を備えた、履物を利用した防犯装置がある。この両足の履物を利用した防犯装置は、誤動作の回避を図り、日常の混乱を招くことがなく防犯装置の機能を果たす発明である。
【0008】
さらに、上記課題を解決する構成として、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置が考えられる。この構成は、両足の履物を利用した防犯装置と同様に、誤動作の回避を図り、さらには、装置の構成が簡潔であることより、製作の容易性、使用の簡便性、使用時における違和感の軽減を図る。そして、お年寄りや子供が安心して使用できる履物を利用した警報装置の提供を図る。
【0009】
また、従来の複数のスイッチ機構を有する構成において、単一操作では作動しないスイッチ機構は開示されていない。
【0010】
上記に鑑み本発明は、誤動作を回避する単一操作では動作しないスイッチを、履物内に装備し、緊急時に防犯機器として有効な防犯用の履物を利用した警報装置を提供し、この緊急時の早期の解決と、最も重要な人命等保護・救助・手当て等の救援、犯人の検挙、或いはこのような状況を一刻も早く把握して適切な処理が図れること等を意図する。また本発明は、従来の各種の機器を有効利用し、また確実に選択することで、前述の要望を図り、或いは低価格で、操作の容易な防犯用の履物を利用した警報装置の提供すること、防犯の抑止力として機能する防犯用の履物を利用した警報装置を提供することなどを意図する。本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、一個又は複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。さらに、履物の内部での足の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を図る構成を提供することを意図する。さらには、製作の容易性、使用の簡便性を意図する。
【0012】
請求項1は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は足の指、踵及び/又は足全体による確実な操作で作用し、かつ前記単一操作では作用せず、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0013】
請求項1の発明において、履物とは、例えば、靴、サンダル、草履、スリッパ、工場等で使用する安全靴、これら履物の中敷がある。これらの履物は、原則、右足又は左足に使用する、片方の履物を利用する。また、右足及び左足に使用する、両方の履物を利用するとしてもよい。また、スイッチ機構とは、警報装置の操作者の操作に対応し、通電等の作用を起こす感知部を少なくとも有するものをいう。単一操作では作動しないスイッチ機構とは、スイッチを作動させる操作を、例えば、二段、三段と設定し、これらの操作の過程を全て経て、初めて作動するスイッチ機構をいう。また、作動とは、スイッチ機構から警報信号が発せられることをいう。また、警報信号とは、スイッチ機構が作動した場合発せられる信号であり、他の機器を作動させ、他者に救済を求めることを可能するものをいう。また、足の指、踵及び/又は足全体とは、スイッチ機構を操作する部位の例示であり、履物内に所在する部位である。ここで足全体とは、履物内に所在する、足の甲、足の指の付け根といった、足の各部位をいう。また、当該スイッチ機構からの誤報とは、操作者が意図せずに、誤ってスイッチ機構を作動させ、発せられた警報信号をいう。
【0014】
請求項2の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。また、履物の内部での足の指及び踵の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指及び踵で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。
【0015】
請求項2は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令でスイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0016】
請求項2の発明において、履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、履物の踵側とは、足に履物を装着させた場合、足の踵が触れる箇所をいう。また、足の指と踵による指令とは、スイッチを作動させるための足の指と踵の動作をいう。
【0017】
請求項3の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。また、履物の内部での足の指の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。さらに、少なくとも二つのスイッチを区画して配置することにより、単一操作では作動せず、多段階の確実な操作で作動するスイッチ機構を提供することにより、誤作動を防止することを意図する。また、区画された配置により、操作者がスイッチを作動させたことを感知することを容易とし、誤作動を防止する構成を提供する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。
【0018】
請求項3は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に区画して少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0019】
請求項3の発明において、履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、区画とは、壁片などを利用して、各々のスイッチ機構を分画して配置することをいう。
【0020】
請求項4の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。また、履物の内部での足の指の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。さらに、一体形の少なくとも二つのスイッチを配備することにより、単一操作では作動せず、多段階の確実な操作で作動するスイッチ機構を提供することにより、誤作動を防止することを意図する。また、一体形の構成により、スイッチの作動を容易とし、より確実な警報装置の利用を図ることができる。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。
【0021】
請求項4は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に一体形の少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0022】
請求項4の発明において、履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、一体形の少なくとも二つのスイッチ機構とは、各々のスイッチ機構を押下部材を同一のものとするなどして、配置することをいう。
【0023】
請求項5の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。また、スイッチ機構を溝を設けて溝内に配置することにより、操作者が意識した確実な動作でのみ作動するスイッチを提供することにより、誤動作を防止することを意図する。
【0024】
請求項5は、請求項1に記載のスイッチ機構が一個であって、前記履物の指側に、溝を設けてスイッチ機構を配備し、このスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0025】
請求項5の発明において、履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、溝とは、スイッチを格納する構成であり、操作者が本発明の履物を装着した場合、スイッチ機構が操作者の足の指に触れないという機能を奏するものである。
【発明の効果】
【0026】
請求項1は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は足の指、踵及び/又は足全体による確実な操作で作用し、かつ前記単一操作では作用せず、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0027】
請求項1の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、一個又は複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することをを特徴とする。さらに、履物の内部での足の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を図る構成を提供することを特徴とする。さらには、製作の容易性、使用の簡便性等を特徴とする。
【0028】
請求項2は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令でスイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0029】
請求項2の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを特徴とする構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。また、履物の内部での足の指及び踵の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指及び踵で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを特徴とする。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを特徴とする。
【0030】
請求項3は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に区画して少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0031】
請求項3の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを特徴とする構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。また、履物の内部での足の指の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを特徴とする。さらに、少なくとも二つのスイッチを区画して配置することにより、単一操作では作動せず、多段階の確実な操作で作動するスイッチ機構を提供することにより、誤作動を防止することを特徴とする。また、区画された配置により、操作者がスイッチを作動させたことを感知することを容易とし、誤作動を防止する構成を提供する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを特徴とする。
【0032】
請求項4は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に一体形の少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0033】
請求項4の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。また、履物の内部での足の指の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを特徴とし、また、足の指で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。さらに、一体形の少なくとも二つのスイッチを配備することにより、単一操作では作動せず、多段階の確実な操作で作動するスイッチ機構を提供することにより、誤作動を防止することを特徴とする。また、一体形の構成により、スイッチの作動を容易とし、より確実な警報装置の利用を図ることができる。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを特徴とする。
【0034】
請求項5は、請求項1に記載のスイッチ機構が一個であって、前記履物の指側に、溝を設けてスイッチ機構を配備し、このスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0035】
請求項5の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを特徴とする構成である。また、スイッチ機構を溝を設けて溝内に配置することにより、操作者が意識した確実な動作でのみ作動するスイッチを提供することにより、誤動作を防止することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一例を説明する。
【0037】
本発明の構成の一例を図1及び図2に基づき説明する。図1は、本発明である履物を利用した警報装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1の例の側面図である。
【0038】
前記各図において、本実施例に係る履物を利用した警報装置1は、第一のスイッチ機構3−1と、第二のスイッチ機構3−2を備えるとした、履物2に二つのスイッチ機構を設けた構成である。この例では、スイッチ機構は、第一のスイッチ機構3−1と第二のスイッチ機構3−2とから構成されるものとする。この例において、図1及び図2のように、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設ける。履物の踵側4とは、足に履物2を装着させた場合、足の踵6が触れる箇所をいう。履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷9の水平面より上方に突出させる。また、第二のスイッチ機構3−2は履物の指側5に設ける。履物の指側5とは、足に履物2を装着させた場合、操作者が足の指7(足の親指が操作において望ましい)を動かすことにより足の指7が触れる箇所をいう。この履物の指側5として、例えば、靴の中敷部分において、足の指7と指の付け根の間の、足の裏が靴の中敷に接触しない箇所がある。また、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2は、靴の中敷部分において、靴の中敷9の水平面より深く形成した溝に設け、この第二のスイッチ機構3−2を中敷の水平面より下方に位置させる。そして、この場合、第一のスイッチ機構3−1は、警報装置1を備えた履物2を装着した操作者の足の踵6で操作し、第二のスイッチ機構3−2は、操作者の足の指7で操作する。
【0039】
ここで履物2とは、例えば、靴、サンダル、草履、スリッパ、工場等で使用する安全靴や、これら履物の中敷とする。これらの履物は、右足又は左足に使用する、片方の履物を利用する。また、右足及び左足に使用する、両方の履物を利用するとしてもよい。
【0040】
第一のスイッチ機構3−1及び第二のスイッチ機構3−2は、押圧式スイッチを利用する。押圧式スイッチとは、スイッチの片面に圧力がかかったときに作動するスイッチをいう。押圧式スイッチの例としては、2枚の帯状電極板を所定間隔隔てて対向して配置し、かつ、外周を柔軟な樹脂で覆ったテープスイッチ(特開平8−171833号等)がある。スイッチ機構は、押圧式スイッチに限らず、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ等、各種電気的スイッチを用いてもよい。また、第一のスイッチ機構3−1と第二のスイッチ機構3−2とは、同じ種類のスイッチを用いることに限らない。
【0041】
スイッチ機構は、単一の操作では作動しないものとし、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となって、スイッチ機構が作動し、本発明である警報装置1が作動する。第一のスイッチ機構3−1及び第二のスイッチ機構3−2がともにオフの状態(スイッチが切れている状態)、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)、及び第一のスイッチ機構3−1がオフの状態(スイッチが切れている状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)では、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。
【0042】
前記構成に基づく本発明の動作を、図3ないし図6に基づき説明する。
【0043】
図3は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0044】
本発明である履物を利用した警報装置1を操作者が装着した状態は、図3のような状態となる。ここで、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設けており、足に履物2を装着させた場合、足の踵6が第一のスイッチ機構3−1に触れる。そして、操作者の踵6で押圧することにより第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)となる。立つ、歩く等、操作者の通常の動作においては、踵6に体重がかかることにより、装着時においては、常に第一のスイッチ機構3−1はオンの状態(スイッチが入った状態)となる。座る等、操作者が足の裏に体重をかけていない場合においても、靴底8を少なくとも一部分、床面等に接触させることにより、踵6で第一のスイッチ機構3−1を押圧することができ、履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1をオンの状態(スイッチが入った状態)とさせることができる。また、履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1は、靴の中敷9の平面より操作者の足側に盛り上げて設置した場合、操作者の踵での押圧を図り、スイッチ機構の確実な作動が図れる。
【0045】
一方、第二のスイッチ機構3−2は、図3のように本発明である履物を利用した警報装置1を操作者が装着した状態において、例えば、操作者の足の指7(足の親指が操作において望ましい)と指の付け根の間の、足の裏が靴の中敷に接触しない箇所(履物の指側5)に設けられており、立つ等、操作者の通常の動作では、第二のスイッチ機構3−2には体重がかからず、スイッチ機構はオフの状態(スイッチが切れている状態)となる。また、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2は、靴の中敷9の水平面より深く、すなわち履物の指側に溝を設けて設置してもよい。溝とは、スイッチを格納する構成であり、溝の深さがスイッチの厚みより深い構成である。これは、操作者が本発明の履物を装着した場合、スイッチ機構が操作者の足の指に触れないという機能を奏するものである。この場合、操作者が意識しなくては、第二のスイッチ機構3−2に足の指7を触れさせることができず、スイッチ機構は作動せず、誤作動を防ぐ構成が提供することができる。
【0046】
ゆえに、図3の状態は、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)であり、スイッチ機構は作動せず、本発明である履物を利用した警報装置1は作動しない。
【0047】
図4は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時において足の指を動かし、踵側及び指側に設けたスイッチ機構がオンの状態を示す側面図である。図4において、履物を利用した警報装置1の装着時において、第一のスイッチ機構3−1はオンの状態(スイッチが入った状態)となる。
【0048】
この状態において、操作者が警報装置1を作動させようとした場合、足の指7(親指)を図4のように、第二のスイッチ機構3−2に触れるように曲げ、押圧することにより、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となる。このように、足で土をつかむようにし、スイッチ機構をオンの状態(スイッチが入った状態)にする。
【0049】
履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1と、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2とが共にオンの状態が所定時間保たれることにより、本発明である警報装置1が作動する。前記所定時間は、任意の時間に指定することができる。例えば、3秒、5秒、10秒としてもよい。短い時間に設定すると、速やかな本発明である警報装置1の作動を図ることができる。長い時間に設定すれば、確実な警報装置1の作動を図ることができる。この時間の設定は、操作者の状況に応じて適宜設定する。
【0050】
図4において、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となって、スイッチ機構が作動し、警報信号10が発信され、本発明である警報装置1が作動する。
【0051】
図5は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の指側に重心をかけた姿勢において、指側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0052】
図5は、走る、しゃがむ等、足の指7に重心がかかった姿勢を示す図である。この状態では、第一のスイッチ機構3−1がオフの状態(スイッチが切れている状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となり、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。
【0053】
図6は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の踵側に重心をかけた姿勢において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0054】
図6は、操作者が背後の壁にもたれる等、足の踵6に重心がかかった姿勢を示す図である。この状態では、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)となり、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。従って、本発明の構成は、操作者の通常の姿勢、動作では作動せず、操作者が意識して行う動作でのみスイッチ機構が作動することにより、誤作動を防止する構成を提供する。
【実施例】
【0055】
本発明の他の一例を説明する。
【0056】
本発明の他の一例の構成について、図7に基づき説明する。図7は、本発明である履物を利用した警報装置の他の一例を示す側面図である。
【0057】
図7に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、履物2の中敷9の靴底側に設けてもよい。図7において、本実施例に係る履物を利用した警報装置1は、第一のスイッチ機構3−1と、第二のスイッチ機構3−2を備えるとした、履物2に二つのスイッチ機構を設けた構成である。この例において、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設け、第二のスイッチ機構3−2は履物の指側5に設ける。この構成では、操作者が違和感なく履物2を装着できる。また、操作者が履物2を脱いだ状態において、外観よりスイッチ機構を視認することができず、利用者以外に本発明を使用していることが分からない。ゆえに、加害者に本発明を利用していることを気付かれなく、より安全に警報を発し救助を求めることができるという利点がある。この構成に基づく本発明の動作は、上記と同様である。
【0058】
本発明は、スイッチ機構を作動させ、電波等を発信させ、警報ブザー、警報ベル等を鳴らす構成とすることができる。図8は、本発明である履物を利用した警報装置の実施形態を示す全体図である。
【0059】
本発明は、単一操作では作動しないスイッチ機構を備えた履物を利用した警報装置1である。この履物2に備えたスイッチ機構を作動させた場合、警報信号10がスイッチ機構より発せられる。この警報信号10は、例えば、発信機11へ送信される。発信機11は、履物2の中に内蔵させたものであり、導線によりスイッチ機構と連網させ、警報信号10を電気的に発信機11へと送信させる。そして、発信機11より電波等を利用して、無線で警報装置1とは距離をおいた受信機12へと信号を発信することができる。
【0060】
警報信号10は、発信機11より信号判定機13に送信され、信号判定機13より誤作動でないことが判断された場合、受信機12へ送信されるとしてもよい。信号判定機13は、警報装置1より送られてきた信号が誤作動でないか判断する。判断は、信号が所定時間、又は所定時間内に所定回数送られてきたか否か等を基準に判断する。また、信号判定機13にライト等を備え、スイッチ機構がオンの状態となった場合にライトを点灯させ、操作者に警報装置1の状態を知らせる構成としてもよい。
【0061】
受信機12で受信された警報信号10により、非常灯、警報ベル、警報ブザーが駆動する構成としてもよい。これにより、他者へ救助を求め、操作者の保護する構成を提供する。また、信号の送信先は、非常灯等に限らず、店舗の本部、携帯電話等への着信、110番通報等としてもよい。
【0062】
なお、本発明は、受信機12を共通の1台のものとし、略60人までの操作者が各々警報装置1を装着することが可能である。
【0063】
本発明のさらに他の一例について、図9に基づき説明する。図9は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0064】
図9に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に区画した二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図9に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置する。そして、二つのスイッチ機構の区画は、図のように、二つのスイッチの間に壁片16を設けて区画してもよい。
【0065】
二つのスイッチ機構の操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履き物の指側5に設けたスイッチ機構を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、二つのスイッチのうち、まず前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)がオンの状態になり、次に後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。なお、二つのスイッチの間に設けた壁片16により、つま先側のスイッチを足の指7で操作し、後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)を操作する前に、壁片16に指が当たるため、前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)をオンの状態にしたことを確認でき、誤動作を回避できる構成である。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0066】
本発明のさらに他の一例について、図10、図11に基づき説明する。図10、図11は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0067】
図10、図11に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に一体形の二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図10、図11に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置する。そして、スイッチ押圧片18により二つのスイッチを押圧し、スイッチ機構をオンの状態とさせる。
【0068】
二つのスイッチ機構の操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履物の指側5に設けたスイッチ機構を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、二つのスイッチのうち、まず前方14(足のつま先側)のスイッチ押圧片18を足の指7で押圧することにより前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)がオンの状態になり、次に後方15(踵に近い側)のスイッチ押圧片18を足の指7で押圧することにより後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0069】
本発明のさらに他の一例について、図12に基づき説明する。図12は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0070】
図12に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に一体形の二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図12に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置し、可動スイッチ19−1と固定スイッチ19−2とする。
【0071】
二つのスイッチ機構を操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履物の指側5に設けた可動スイッチ19−1を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、固定スイッチ19−2側へ移動させ、可動スイッチ19−1をオンの状態とさせる。そして、可動スイッチ19−1が固定スイッチ19−2に接触することにより、固定スイッチ19−2がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0072】
本発明である履物を利用した警報装置において、履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構は、履物内のうち、履物の中敷に設ける他に、履物の側面に設けることも可能である。例えば、履物の側面のうち踵部分や、履物の横側面等にスイッチ機構を設けてもよい。また、履物の上面部分にスイッチ機構を備えて、足の甲で操作してもよい。さらに、スイッチ機構を設ける箇所として、履物の指側のうち、操作者が足の親指を動かすことにより親指が触れる箇所(履物の親指側)の他に、操作者が足の小指を動かすことにより小指が触れる箇所(履物の小指側)に設けてもよい。
【0073】
単一の操作では作動しないスイッチ機構について、該スイッチ機構の操作の他の例として、所定時間スイッチ機構を連続的にオンの状態とさせること、又は所定時間内に所定回数スイッチ機構をオンの状態とさせることがある。
【0074】
本発明は、防犯のみならず、地震、火事、交通事故といった、防災にも利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明である履物を利用した警報装置の一例を示す斜視図
【図2】図1の例の側面図
【図3】図1の例の実施形態であり、履物の装着時において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図4】図1の例の実施形態であり、履物の装着時において足の指を動かし、踵側及び指側に設けたスイッチ機構が作オンの状態を示す側面図
【図5】図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の指側に重心をかけた姿勢において、指側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図6】図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の踵側に重心をかけた姿勢において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図7】本発明である履物を利用した警報装置の他の一例を示す側面図
【図8】本発明である履物を利用した警報装置の実施形態を示す全体図
【図9】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図10】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図11】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図12】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【符号の説明】
【0076】
1 警報装置
2 履物
3−1 第一のスイッチ機構
3−2 第二のスイッチ機構
4 履物の踵側
5 履物の指側
6 踵
7 指
8 靴底
9 中敷
10 警報信号
11 発信機
12 受信機
13 信号判定機
14 前方
15 後方
16 壁片
17−1 前方スイッチ機構
17−2 後方スイッチ機構
18 スイッチ押圧片
19−1 可動スイッチ
19−2 固定スイッチ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物を利用した警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、履物を利用した警報装置として、文献1がある。文献1は、靴に装着され、物理的な衝撃が加えられたことに応答し、信号を出力する感圧センサを入力手段に備えた警報装置である。また、文献1は、靴に装着され、物理的な衝撃が加えられたことに応答し、信号を出力する感圧センサを入力手段に備えた警報装置であり、操作者が入力手段の装着された靴で物を蹴る等して、感圧センサに衝撃を与えることにより、警報命令を発する構成である。
【0003】
また、従来、複数のスイッチ機構を有する構成として、以下のものが知られている。文献2は、多段階プッシュスイッチである。文献2には、複数の内部スイッチを多段的に作動させる構成が示されている。文献3は、メンブレンスイッチである。文献3には、複数のスイッチを任意の順序または同時に作動させることのできる構成が示されている。文献4は、ゴム・スイッチである。文献4には、順次時間差をもって接続することができるスイッチ機構が示されている。文献5は、多段スイッチの誤動作防止装置である。文献5には、スイッチを多段目に切替えることにより誤動作を防止する構成が示されている。文献6は、スイッチ装置である。文献6には、2種類のスイッチを作動させる構成が示されている。文献7は、ドームスイッチである。文献7には、二段階で電極と回路体の接点とが接触する複台スイッチが示されている。文献8は、二段スイッチ機構である。文献8には、押圧型の二段スイッチ機構が示されている。文献9は、二段スイッチである。文献9には、上方から押圧することで上下のスイッチ接点を順番にオンせしめる二段スイッチが示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−344681
【特許文献2】特開平8−22738号
【特許文献3】特開平9−63412号
【特許文献4】特開平9−106733号
【特許文献5】特開平10−106378号
【特許文献6】特開平10−302570号
【特許文献7】特開2002−245895
【特許文献8】特開2002−279853
【特許文献9】特開2003−123587
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献1は、靴を履いた足で物を蹴る等して、足を動かし、物理的な衝撃を与え、それに応答し、信号を出力する感圧センサ等を備えた警報装置であり、スイッチの操作に際し、犯人に刺激を与え、悲惨な状況を引き起こしかねない。そこで、履物の中で足を動かして操作するスイッチを設けた構成により、人が体の自由が利かない状況下において、また、犯人に知られない状態で操作することができる、履物を利用した警報装置が求められる。
【0006】
また、強盗事件、通り魔事件といった凶悪な犯罪に対応するためには、警報装置からの通報を受けた警察、コンビニエンスストアー本部又は近所の人等の判断が重要であり、誤動作がたびたび起こるのでは、通報を受けた人の判断を迷わせ、誤らせる。ゆえに、誤動作を防ぎ、日常の混乱を招くことがない本発明の効果は、警報装置において、必要不可欠のものである。
【0007】
上記課題を解決する構成として、左右の靴、靴の中敷等の履物に装備された、この左右の履物の中で両足を動かして操作するスイッチ及び/又はバイブレーターの感知部を備えた、履物を利用した防犯装置がある。この両足の履物を利用した防犯装置は、誤動作の回避を図り、日常の混乱を招くことがなく防犯装置の機能を果たす発明である。
【0008】
さらに、上記課題を解決する構成として、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置が考えられる。この構成は、両足の履物を利用した防犯装置と同様に、誤動作の回避を図り、さらには、装置の構成が簡潔であることより、製作の容易性、使用の簡便性、使用時における違和感の軽減を図る。そして、お年寄りや子供が安心して使用できる履物を利用した警報装置の提供を図る。
【0009】
また、従来の複数のスイッチ機構を有する構成において、単一操作では作動しないスイッチ機構は開示されていない。
【0010】
上記に鑑み本発明は、誤動作を回避する単一操作では動作しないスイッチを、履物内に装備し、緊急時に防犯機器として有効な防犯用の履物を利用した警報装置を提供し、この緊急時の早期の解決と、最も重要な人命等保護・救助・手当て等の救援、犯人の検挙、或いはこのような状況を一刻も早く把握して適切な処理が図れること等を意図する。また本発明は、従来の各種の機器を有効利用し、また確実に選択することで、前述の要望を図り、或いは低価格で、操作の容易な防犯用の履物を利用した警報装置の提供すること、防犯の抑止力として機能する防犯用の履物を利用した警報装置を提供することなどを意図する。本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。さらに、履物の内部での足の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を図る構成を提供することを意図する。さらには、製作の容易性、使用の簡便性を意図する。
【0012】
請求項1は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より深く形成した溝に設け、中敷の水平面より下方に位置させ、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より上方に突出させることを構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0013】
履物とは、例えば、靴、サンダル、草履、スリッパ、工場等で使用する安全靴、これら履物の中敷がある。これらの履物は、原則、右足又は左足に使用する、片方の履物を利用する。また、右足及び左足に使用する、両方の履物を利用するとしてもよい。また、スイッチ機構とは、警報装置の操作者の操作に対応し、通電等の作用を起こす感知部を少なくとも有するものをいう。単一操作では作動しないスイッチ機構とは、スイッチを作動させる操作を、例えば、二段、三段と設定し、これらの操作の過程を全て経て、初めて作動するスイッチ機構をいう。また、作動とは、スイッチ機構から警報信号が発せられることをいう。また、警報信号とは、スイッチ機構が作動した場合発せられる信号であり、他の機器を作動させ、他者に救済を求めることを可能するものをいう。また、足の指、踵及び/又は足全体とは、スイッチ機構を操作する部位の例示であり、履物内に所在する部位である。ここで足全体とは、履物内に所在する、足の甲、足の指の付け根といった、足の各部位をいう。また、当該スイッチ機構からの誤報とは、操作者が意図せずに、誤ってスイッチ機構を作動させ、発せられた警報信号をいう。
【0014】
請求項2の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。また、履物の内部での足の指及び踵の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指及び踵で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。
【0015】
請求項2は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は中敷の靴底側における履物の指側と、中敷の靴底側における踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、履物の指側に溝を設けて設置され、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0016】
履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、履物の踵側とは、足に履物を装着させた場合、足の踵が触れる箇所をいう。また、足の指と踵による指令とは、スイッチを作動させるための足の指と踵の動作をいう。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の効果】
【0026】
請求項1は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より深く形成した溝に設け、中敷の水平面より下方に位置させ、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より上方に突出させることを構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0027】
請求項1の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することをを特徴とする。さらに、履物の内部での足の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を図る構成を提供することを特徴とする。さらには、製作の容易性、使用の簡便性等を特徴とする。
【0028】
請求項2は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は中敷の靴底側における履物の指側と、中敷の靴底側における踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、履物の指側に溝を設けて設置され、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0029】
請求項2の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを特徴とする構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。また、履物の内部での足の指及び踵の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指及び踵で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを特徴とする。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを特徴とする。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一例を説明する。
【0037】
本発明の構成の一例を図1及び図2に基づき説明する。図1は、本発明である履物を利用した警報装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1の例の側面図である。
【0038】
前記各図において、本実施例に係る履物を利用した警報装置1は、第一のスイッチ機構3−1と、第二のスイッチ機構3−2を備えるとした、履物2に二つのスイッチ機構を設けた構成である。この例では、スイッチ機構は、第一のスイッチ機構3−1と第二のスイッチ機構3−2とから構成されるものとする。この例において、図1及び図2のように、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設ける。履物の踵側4とは、足に履物2を装着させた場合、足の踵6が触れる箇所をいう。履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷9の水平面より上方に突出させる。また、第二のスイッチ機構3−2は履物の指側5に設ける。履物の指側5とは、足に履物2を装着させた場合、操作者が足の指7(足の親指が操作において望ましい)を動かすことにより足の指7が触れる箇所をいう。この履物の指側5として、例えば、靴の中敷部分において、足の指7と指の付け根の間の、足の裏が靴の中敷に接触しない箇所がある。また、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2は、靴の中敷部分において、靴の中敷9の水平面より深く形成した溝に設け、この第二のスイッチ機構3−2を中敷の水平面より下方に位置させる。そして、この場合、第一のスイッチ機構3−1は、警報装置1を備えた履物2を装着した操作者の足の踵6で操作し、第二のスイッチ機構3−2は、操作者の足の指7で操作する。
【0039】
ここで履物2とは、例えば、靴、サンダル、草履、スリッパ、工場等で使用する安全靴や、これら履物の中敷とする。これらの履物は、右足又は左足に使用する、片方の履物を利用する。また、右足及び左足に使用する、両方の履物を利用するとしてもよい。
【0040】
第一のスイッチ機構3−1及び第二のスイッチ機構3−2は、押圧式スイッチを利用する。押圧式スイッチとは、スイッチの片面に圧力がかかったときに作動するスイッチをいう。押圧式スイッチの例としては、2枚の帯状電極板を所定間隔隔てて対向して配置し、かつ、外周を柔軟な樹脂で覆ったテープスイッチ(特開平8−171833号等)がある。スイッチ機構は、押圧式スイッチに限らず、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ等、各種電気的スイッチを用いてもよい。また、第一のスイッチ機構3−1と第二のスイッチ機構3−2とは、同じ種類のスイッチを用いることに限らない。
【0041】
スイッチ機構は、単一の操作では作動しないものとし、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となって、スイッチ機構が作動し、本発明である警報装置1が作動する。第一のスイッチ機構3−1及び第二のスイッチ機構3−2がともにオフの状態(スイッチが切れている状態)、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)、及び第一のスイッチ機構3−1がオフの状態(スイッチが切れている状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)では、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。
【0042】
前記構成に基づく本発明の動作を、図3ないし図6に基づき説明する。
【0043】
図3は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0044】
本発明である履物を利用した警報装置1を操作者が装着した状態は、図3のような状態となる。ここで、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設けており、足に履物2を装着させた場合、足の踵6が第一のスイッチ機構3−1に触れる。そして、操作者の踵6で押圧することにより第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)となる。立つ、歩く等、操作者の通常の動作においては、踵6に体重がかかることにより、装着時においては、常に第一のスイッチ機構3−1はオンの状態(スイッチが入った状態)となる。座る等、操作者が足の裏に体重をかけていない場合においても、靴底8を少なくとも一部分、床面等に接触させることにより、踵6で第一のスイッチ機構3−1を押圧することができ、履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1をオンの状態(スイッチが入った状態)とさせることができる。また、履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1は、靴の中敷9の平面より操作者の足側に盛り上げて設置した場合、操作者の踵での押圧を図り、スイッチ機構の確実な作動が図れる。
【0045】
一方、第二のスイッチ機構3−2は、図3のように本発明である履物を利用した警報装置1を操作者が装着した状態において、例えば、操作者の足の指7(足の親指が操作において望ましい)と指の付け根の間の、足の裏が靴の中敷に接触しない箇所(履物の指側5)に設けられており、立つ等、操作者の通常の動作では、第二のスイッチ機構3−2には体重がかからず、スイッチ機構はオフの状態(スイッチが切れている状態)となる。また、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2は、靴の中敷9の水平面より深く、すなわち履物の指側に溝を設けて設置してもよい。溝とは、スイッチを格納する構成であり、溝の深さがスイッチの厚みより深い構成である。これは、操作者が本発明の履物を装着した場合、スイッチ機構が操作者の足の指に触れないという機能を奏するものである。この場合、操作者が意識しなくては、第二のスイッチ機構3−2に足の指7を触れさせることができず、スイッチ機構は作動せず、誤作動を防ぐ構成が提供することができる。
【0046】
ゆえに、図3の状態は、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)であり、スイッチ機構は作動せず、本発明である履物を利用した警報装置1は作動しない。
【0047】
図4は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時において足の指を動かし、踵側及び指側に設けたスイッチ機構がオンの状態を示す側面図である。図4において、履物を利用した警報装置1の装着時において、第一のスイッチ機構3−1はオンの状態(スイッチが入った状態)となる。
【0048】
この状態において、操作者が警報装置1を作動させようとした場合、足の指7(親指)を図4のように、第二のスイッチ機構3−2に触れるように曲げ、押圧することにより、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となる。このように、足で土をつかむようにし、スイッチ機構をオンの状態(スイッチが入った状態)にする。
【0049】
履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1と、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2とが共にオンの状態が所定時間保たれることにより、本発明である警報装置1が作動する。前記所定時間は、任意の時間に指定することができる。例えば、3秒、5秒、10秒としてもよい。短い時間に設定すると、速やかな本発明である警報装置1の作動を図ることができる。長い時間に設定すれば、確実な警報装置1の作動を図ることができる。この時間の設定は、操作者の状況に応じて適宜設定する。
【0050】
図4において、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となって、スイッチ機構が作動し、警報信号10が発信され、本発明である警報装置1が作動する。
【0051】
図5は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の指側に重心をかけた姿勢において、指側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0052】
図5は、走る、しゃがむ等、足の指7に重心がかかった姿勢を示す図である。この状態では、第一のスイッチ機構3−1がオフの状態(スイッチが切れている状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となり、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。
【0053】
図6は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の踵側に重心をかけた姿勢において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0054】
図6は、操作者が背後の壁にもたれる等、足の踵6に重心がかかった姿勢を示す図である。この状態では、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)となり、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。従って、本発明の構成は、操作者の通常の姿勢、動作では作動せず、操作者が意識して行う動作でのみスイッチ機構が作動することにより、誤作動を防止する構成を提供する。
【実施例】
【0055】
本発明の他の一例を説明する。
【0056】
本発明の他の一例の構成について、図7に基づき説明する。図7は、本発明である履物を利用した警報装置の他の一例を示す側面図である。
【0057】
図7に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、履物2の中敷9の靴底側に設けてもよい。図7において、本実施例に係る履物を利用した警報装置1は、第一のスイッチ機構3−1と、第二のスイッチ機構3−2を備えるとした、履物2に二つのスイッチ機構を設けた構成である。この例において、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設け、第二のスイッチ機構3−2は履物の指側5に設ける。この構成では、操作者が違和感なく履物2を装着できる。また、操作者が履物2を脱いだ状態において、外観よりスイッチ機構を視認することができず、利用者以外に本発明を使用していることが分からない。ゆえに、加害者に本発明を利用していることを気付かれなく、より安全に警報を発し救助を求めることができるという利点がある。この構成に基づく本発明の動作は、上記と同様である。
【0058】
本発明は、スイッチ機構を作動させ、電波等を発信させ、警報ブザー、警報ベル等を鳴らす構成とすることができる。図8は、本発明である履物を利用した警報装置の実施形態を示す全体図である。
【0059】
本発明は、単一操作では作動しないスイッチ機構を備えた履物を利用した警報装置1である。この履物2に備えたスイッチ機構を作動させた場合、警報信号10がスイッチ機構より発せられる。この警報信号10は、例えば、発信機11へ送信される。発信機11は、履物2の中に内蔵させたものであり、導線によりスイッチ機構と連網させ、警報信号10を電気的に発信機11へと送信させる。そして、発信機11より電波等を利用して、無線で警報装置1とは距離をおいた受信機12へと信号を発信することができる。
【0060】
警報信号10は、発信機11より信号判定機13に送信され、信号判定機13より誤作動でないことが判断された場合、受信機12へ送信されるとしてもよい。信号判定機13は、警報装置1より送られてきた信号が誤作動でないか判断する。判断は、信号が所定時間、又は所定時間内に所定回数送られてきたか否か等を基準に判断する。また、信号判定機13にライト等を備え、スイッチ機構がオンの状態となった場合にライトを点灯させ、操作者に警報装置1の状態を知らせる構成としてもよい。
【0061】
受信機12で受信された警報信号10により、非常灯、警報ベル、警報ブザーが駆動する構成としてもよい。これにより、他者へ救助を求め、操作者の保護する構成を提供する。また、信号の送信先は、非常灯等に限らず、店舗の本部、携帯電話等への着信、110番通報等としてもよい。
【0062】
なお、本発明は、受信機12を共通の1台のものとし、略60人までの操作者が各々警報装置1を装着することが可能である。
【0063】
本発明のさらに他の一例について、図9に基づき説明する。図9は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0064】
図9に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に区画した二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図9に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置する。そして、二つのスイッチ機構の区画は、図のように、二つのスイッチの間に壁片16を設けて区画してもよい。
【0065】
二つのスイッチ機構の操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履き物の指側5に設けたスイッチ機構を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、二つのスイッチのうち、まず前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)がオンの状態になり、次に後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。なお、二つのスイッチの間に設けた壁片16により、つま先側のスイッチを足の指7で操作し、後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)を操作する前に、壁片16に指が当たるため、前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)をオンの状態にしたことを確認でき、誤動作を回避できる構成である。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0066】
本発明のさらに他の一例について、図10、図11に基づき説明する。図10、図11は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0067】
図10、図11に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に一体形の二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図10、図11に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置する。そして、スイッチ押圧片18により二つのスイッチを押圧し、スイッチ機構をオンの状態とさせる。
【0068】
二つのスイッチ機構の操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履物の指側5に設けたスイッチ機構を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、二つのスイッチのうち、まず前方14(足のつま先側)のスイッチ押圧片18を足の指7で押圧することにより前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)がオンの状態になり、次に後方15(踵に近い側)のスイッチ押圧片18を足の指7で押圧することにより後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0069】
本発明のさらに他の一例について、図12に基づき説明する。図12は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0070】
図12に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に一体形の二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図12に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置し、可動スイッチ19−1と固定スイッチ19−2とする。
【0071】
二つのスイッチ機構を操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履物の指側5に設けた可動スイッチ19−1を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、固定スイッチ19−2側へ移動させ、可動スイッチ19−1をオンの状態とさせる。そして、可動スイッチ19−1が固定スイッチ19−2に接触することにより、固定スイッチ19−2がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0072】
本発明である履物を利用した警報装置において、履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構は、履物内のうち、履物の中敷に設ける他に、履物の側面に設けることも可能である。例えば、履物の側面のうち踵部分や、履物の横側面等にスイッチ機構を設けてもよい。また、履物の上面部分にスイッチ機構を備えて、足の甲で操作してもよい。さらに、スイッチ機構を設ける箇所として、履物の指側のうち、操作者が足の親指を動かすことにより親指が触れる箇所(履物の親指側)の他に、操作者が足の小指を動かすことにより小指が触れる箇所(履物の小指側)に設けてもよい。
【0073】
単一の操作では作動しないスイッチ機構について、該スイッチ機構の操作の他の例として、所定時間スイッチ機構を連続的にオンの状態とさせること、又は所定時間内に所定回数スイッチ機構をオンの状態とさせることがある。
【0074】
本発明は、防犯のみならず、地震、火事、交通事故といった、防災にも利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明である履物を利用した警報装置の一例を示す斜視図
【図2】図1の例の側面図
【図3】図1の例の実施形態であり、履物の装着時において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図4】図1の例の実施形態であり、履物の装着時において足の指を動かし、踵側及び指側に設けたスイッチ機構が作オンの状態を示す側面図
【図5】図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の指側に重心をかけた姿勢において、指側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図6】図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の踵側に重心をかけた姿勢において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図7】本発明である履物を利用した警報装置の他の一例を示す側面図
【図8】本発明である履物を利用した警報装置の実施形態を示す全体図
【図9】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図10】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図11】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図12】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【符号の説明】
【0076】
1 警報装置
2 履物
3−1 第一のスイッチ機構
3−2 第二のスイッチ機構
4 履物の踵側
5 履物の指側
6 踵
7 指
8 靴底
9 中敷
10 警報信号
11 発信機
12 受信機
13 信号判定機
14 前方
15 後方
16 壁片
17−1 前方スイッチ機構
17−2 後方スイッチ機構
18 スイッチ押圧片
19−1 可動スイッチ
19−2 固定スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物を利用した警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、履物を利用した警報装置として、文献1がある。文献1は、靴に装着され、物理的な衝撃が加えられたことに応答し、信号を出力する感圧センサを入力手段に備えた警報装置である。また、文献1は、靴に装着され、物理的な衝撃が加えられたことに応答し、信号を出力する感圧センサを入力手段に備えた警報装置であり、操作者が入力手段の装着された靴で物を蹴る等して、感圧センサに衝撃を与えることにより、警報命令を発する構成である。
【0003】
また、従来、複数のスイッチ機構を有する構成として、以下のものが知られている。文献2は、多段階プッシュスイッチである。文献2には、複数の内部スイッチを多段的に作動させる構成が示されている。文献3は、メンブレンスイッチである。文献3には、複数のスイッチを任意の順序または同時に作動させることのできる構成が示されている。文献4は、ゴム・スイッチである。文献4には、順次時間差をもって接続することができるスイッチ機構が示されている。文献5は、多段スイッチの誤動作防止装置である。文献5には、スイッチを多段目に切替えることにより誤動作を防止する構成が示されている。文献6は、スイッチ装置である。文献6には、2種類のスイッチを作動させる構成が示されている。文献7は、ドームスイッチである。文献7には、二段階で電極と回路体の接点とが接触する複台スイッチが示されている。文献8は、二段スイッチ機構である。文献8には、押圧型の二段スイッチ機構が示されている。文献9は、二段スイッチである。文献9には、上方から押圧することで上下のスイッチ接点を順番にオンせしめる二段スイッチが示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−344681
【特許文献2】特開平8−22738号
【特許文献3】特開平9−63412号
【特許文献4】特開平9−106733号
【特許文献5】特開平10−106378号
【特許文献6】特開平10−302570号
【特許文献7】特開2002−245895
【特許文献8】特開2002−279853
【特許文献9】特開2003−123587
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献1は、靴を履いた足で物を蹴る等して、足を動かし、物理的な衝撃を与え、それに応答し、信号を出力する感圧センサ等を備えた警報装置であり、スイッチの操作に際し、犯人に刺激を与え、悲惨な状況を引き起こしかねない。そこで、履物の中で足を動かして操作するスイッチを設けた構成により、人が体の自由が利かない状況下において、また、犯人に知られない状態で操作することができる、履物を利用した警報装置が求められる。
【0006】
また、強盗事件、通り魔事件といった凶悪な犯罪に対応するためには、警報装置からの通報を受けた警察、コンビニエンスストアー本部又は近所の人等の判断が重要であり、誤動作がたびたび起こるのでは、通報を受けた人の判断を迷わせ、誤らせる。ゆえに、誤動作を防ぎ、日常の混乱を招くことがない本発明の効果は、警報装置において、必要不可欠のものである。
【0007】
上記課題を解決する構成として、左右の靴、靴の中敷等の履物に装備された、この左右の履物の中で両足を動かして操作するスイッチ及び/又はバイブレーターの感知部を備えた、履物を利用した防犯装置がある。この両足の履物を利用した防犯装置は、誤動作の回避を図り、日常の混乱を招くことがなく防犯装置の機能を果たす発明である。
【0008】
さらに、上記課題を解決する構成として、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置が考えられる。この構成は、両足の履物を利用した防犯装置と同様に、誤動作の回避を図り、さらには、装置の構成が簡潔であることより、製作の容易性、使用の簡便性、使用時における違和感の軽減を図る。そして、お年寄りや子供が安心して使用できる履物を利用した警報装置の提供を図る。
【0009】
また、従来の複数のスイッチ機構を有する構成において、単一操作では作動しないスイッチ機構は開示されていない。
【0010】
上記に鑑み本発明は、誤動作を回避する単一操作では動作しないスイッチを、履物内に装備し、緊急時に防犯機器として有効な防犯用の履物を利用した警報装置を提供し、この緊急時の早期の解決と、最も重要な人命等保護・救助・手当て等の救援、犯人の検挙、或いはこのような状況を一刻も早く把握して適切な処理が図れること等を意図する。また本発明は、従来の各種の機器を有効利用し、また確実に選択することで、前述の要望を図り、或いは低価格で、操作の容易な防犯用の履物を利用した警報装置の提供すること、防犯の抑止力として機能する防犯用の履物を利用した警報装置を提供することなどを意図する。本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、一個又は複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。さらに、履物の内部での足の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を図る構成を提供することを意図する。さらには、製作の容易性、使用の簡便性を意図する。
【0012】
請求項1は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は足の指、踵及び/又は足全体による確実な操作で作用し、かつ前記単一操作では作用せず、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0013】
請求項1の発明において、履物とは、例えば、靴、サンダル、草履、スリッパ、工場等で使用する安全靴、これら履物の中敷がある。これらの履物は、原則、右足又は左足に使用する、片方の履物を利用する。また、右足及び左足に使用する、両方の履物を利用するとしてもよい。また、スイッチ機構とは、警報装置の操作者の操作に対応し、通電等の作用を起こす感知部を少なくとも有するものをいう。単一操作では作動しないスイッチ機構とは、スイッチを作動させる操作を、例えば、二段、三段と設定し、これらの操作の過程を全て経て、初めて作動するスイッチ機構をいう。また、作動とは、スイッチ機構から警報信号が発せられることをいう。また、警報信号とは、スイッチ機構が作動した場合発せられる信号であり、他の機器を作動させ、他者に救済を求めることを可能するものをいう。また、足の指、踵及び/又は足全体とは、スイッチ機構を操作する部位の例示であり、履物内に所在する部位である。ここで足全体とは、履物内に所在する、足の甲、足の指の付け根といった、足の各部位をいう。また、当該スイッチ機構からの誤報とは、操作者が意図せずに、誤ってスイッチ機構を作動させ、発せられた警報信号をいう。
【0014】
請求項2の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。また、履物の内部での足の指及び踵の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指及び踵で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。
【0015】
請求項2は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令でスイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0016】
請求項2の発明において、履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、履物の踵側とは、足に履物を装着させた場合、足の踵が触れる箇所をいう。また、足の指と踵による指令とは、スイッチを作動させるための足の指と踵の動作をいう。
【0017】
請求項3の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。また、履物の内部での足の指の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。さらに、少なくとも二つのスイッチを区画して配置することにより、単一操作では作動せず、多段階の確実な操作で作動するスイッチ機構を提供することにより、誤作動を防止することを意図する。また、区画された配置により、操作者がスイッチを作動させたことを感知することを容易とし、誤作動を防止する構成を提供する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。
【0018】
請求項3は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に区画して少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0019】
請求項3の発明において、履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、区画とは、壁片などを利用して、各々のスイッチ機構を分画して配置することをいう。
【0020】
請求項4の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。また、履物の内部での足の指の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。さらに、一体形の少なくとも二つのスイッチを配備することにより、単一操作では作動せず、多段階の確実な操作で作動するスイッチ機構を提供することにより、誤作動を防止することを意図する。また、一体形の構成により、スイッチの作動を容易とし、より確実な警報装置の利用を図ることができる。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。
【0021】
請求項4は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に一体形の少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0022】
請求項4の発明において、履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、一体形の少なくとも二つのスイッチ機構とは、各々のスイッチ機構を押下部材を同一のものとするなどして、配置することをいう。
【0023】
請求項5の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。また、スイッチ機構を溝を設けて溝内に配置することにより、操作者が意識した確実な動作でのみ作動するスイッチを提供することにより、誤動作を防止することを意図する。
【0024】
請求項5は、請求項1に記載のスイッチ機構が一個であって、前記履物の指側に、溝を設けてスイッチ機構を配備し、このスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0025】
請求項5の発明において、履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、溝とは、スイッチを格納する構成であり、操作者が本発明の履物を装着した場合、スイッチ機構が操作者の足の指に触れないという機能を奏するものである。
【発明の効果】
【0026】
請求項1は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は足の指、踵及び/又は足全体による確実な操作で作用し、かつ前記単一操作では作用せず、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0027】
請求項1の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、一個又は複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することをを特徴とする。さらに、履物の内部での足の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を図る構成を提供することを特徴とする。さらには、製作の容易性、使用の簡便性等を特徴とする。
【0028】
請求項2は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令でスイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0029】
請求項2の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを特徴とする構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。また、履物の内部での足の指及び踵の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指及び踵で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを特徴とする。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを特徴とする。
【0030】
請求項3は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に区画して少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0031】
請求項3の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを特徴とする構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。また、履物の内部での足の指の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを特徴とする。さらに、少なくとも二つのスイッチを区画して配置することにより、単一操作では作動せず、多段階の確実な操作で作動するスイッチ機構を提供することにより、誤作動を防止することを特徴とする。また、区画された配置により、操作者がスイッチを作動させたことを感知することを容易とし、誤作動を防止する構成を提供する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを特徴とする。
【0032】
請求項4は、請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に一体形の少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0033】
請求項4の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。また、履物の内部での足の指の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを特徴とし、また、足の指で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。さらに、一体形の少なくとも二つのスイッチを配備することにより、単一操作では作動せず、多段階の確実な操作で作動するスイッチ機構を提供することにより、誤作動を防止することを特徴とする。また、一体形の構成により、スイッチの作動を容易とし、より確実な警報装置の利用を図ることができる。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを特徴とする。
【0034】
請求項5は、請求項1に記載のスイッチ機構が一個であって、前記履物の指側に、溝を設けてスイッチ機構を配備し、このスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置である。
【0035】
請求項5の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを特徴とする構成である。また、スイッチ機構を溝を設けて溝内に配置することにより、操作者が意識した確実な動作でのみ作動するスイッチを提供することにより、誤動作を防止することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一例を説明する。
【0037】
本発明の構成の一例を図1及び図2に基づき説明する。図1は、本発明である履物を利用した警報装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1の例の側面図である。
【0038】
前記各図において、本実施例に係る履物を利用した警報装置1は、第一のスイッチ機構3−1と、第二のスイッチ機構3−2を備えるとした、履物2に二つのスイッチ機構を設けた構成である。この例では、スイッチ機構は、第一のスイッチ機構3−1と第二のスイッチ機構3−2とから構成されるものとする。この例において、図1及び図2のように、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設ける。履物の踵側4とは、足に履物2を装着させた場合、足の踵6が触れる箇所をいう。履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷9の水平面より上方に突出させる。また、第二のスイッチ機構3−2は履物の指側5に設ける。履物の指側5とは、足に履物2を装着させた場合、操作者が足の指7(足の親指が操作において望ましい)を動かすことにより足の指7が触れる箇所をいう。この履物の指側5として、例えば、靴の中敷部分において、足の指7と指の付け根の間の、足の裏が靴の中敷に接触しない箇所がある。また、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2は、靴の中敷部分において、靴の中敷9の水平面より深く形成した溝に設け、この第二のスイッチ機構3−2を中敷の水平面より下方に位置させる。そして、この場合、第一のスイッチ機構3−1は、警報装置1を備えた履物2を装着した操作者の足の踵6で操作し、第二のスイッチ機構3−2は、操作者の足の指7で操作する。
【0039】
ここで履物2とは、例えば、靴、サンダル、草履、スリッパ、工場等で使用する安全靴や、これら履物の中敷とする。これらの履物は、右足又は左足に使用する、片方の履物を利用する。また、右足及び左足に使用する、両方の履物を利用するとしてもよい。
【0040】
第一のスイッチ機構3−1及び第二のスイッチ機構3−2は、押圧式スイッチを利用する。押圧式スイッチとは、スイッチの片面に圧力がかかったときに作動するスイッチをいう。押圧式スイッチの例としては、2枚の帯状電極板を所定間隔隔てて対向して配置し、かつ、外周を柔軟な樹脂で覆ったテープスイッチ(特開平8−171833号等)がある。スイッチ機構は、押圧式スイッチに限らず、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ等、各種電気的スイッチを用いてもよい。また、第一のスイッチ機構3−1と第二のスイッチ機構3−2とは、同じ種類のスイッチを用いることに限らない。
【0041】
スイッチ機構は、単一の操作では作動しないものとし、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となって、スイッチ機構が作動し、本発明である警報装置1が作動する。第一のスイッチ機構3−1及び第二のスイッチ機構3−2がともにオフの状態(スイッチが切れている状態)、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)、及び第一のスイッチ機構3−1がオフの状態(スイッチが切れている状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)では、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。
【0042】
前記構成に基づく本発明の動作を、図3ないし図6に基づき説明する。
【0043】
図3は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0044】
本発明である履物を利用した警報装置1を操作者が装着した状態は、図3のような状態となる。ここで、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設けており、足に履物2を装着させた場合、足の踵6が第一のスイッチ機構3−1に触れる。そして、操作者の踵6で押圧することにより第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)となる。立つ、歩く等、操作者の通常の動作においては、踵6に体重がかかることにより、装着時においては、常に第一のスイッチ機構3−1はオンの状態(スイッチが入った状態)となる。座る等、操作者が足の裏に体重をかけていない場合においても、靴底8を少なくとも一部分、床面等に接触させることにより、踵6で第一のスイッチ機構3−1を押圧することができ、履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1をオンの状態(スイッチが入った状態)とさせることができる。また、履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1は、靴の中敷9の平面より操作者の足側に盛り上げて設置した場合、操作者の踵での押圧を図り、スイッチ機構の確実な作動が図れる。
【0045】
一方、第二のスイッチ機構3−2は、図3のように本発明である履物を利用した警報装置1を操作者が装着した状態において、例えば、操作者の足の指7(足の親指が操作において望ましい)と指の付け根の間の、足の裏が靴の中敷に接触しない箇所(履物の指側5)に設けられており、立つ等、操作者の通常の動作では、第二のスイッチ機構3−2には体重がかからず、スイッチ機構はオフの状態(スイッチが切れている状態)となる。また、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2は、靴の中敷9の水平面より深く、すなわち履物の指側に溝を設けて設置してもよい。溝とは、スイッチを格納する構成であり、溝の深さがスイッチの厚みより深い構成である。これは、操作者が本発明の履物を装着した場合、スイッチ機構が操作者の足の指に触れないという機能を奏するものである。この場合、操作者が意識しなくては、第二のスイッチ機構3−2に足の指7を触れさせることができず、スイッチ機構は作動せず、誤作動を防ぐ構成が提供することができる。
【0046】
ゆえに、図3の状態は、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)であり、スイッチ機構は作動せず、本発明である履物を利用した警報装置1は作動しない。
【0047】
図4は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時において足の指を動かし、踵側及び指側に設けたスイッチ機構がオンの状態を示す側面図である。図4において、履物を利用した警報装置1の装着時において、第一のスイッチ機構3−1はオンの状態(スイッチが入った状態)となる。
【0048】
この状態において、操作者が警報装置1を作動させようとした場合、足の指7(親指)を図4のように、第二のスイッチ機構3−2に触れるように曲げ、押圧することにより、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となる。このように、足で土をつかむようにし、スイッチ機構をオンの状態(スイッチが入った状態)にする。
【0049】
履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1と、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2とが共にオンの状態が所定時間保たれることにより、本発明である警報装置1が作動する。前記所定時間は、任意の時間に指定することができる。例えば、3秒、5秒、10秒としてもよい。短い時間に設定すると、速やかな本発明である警報装置1の作動を図ることができる。長い時間に設定すれば、確実な警報装置1の作動を図ることができる。この時間の設定は、操作者の状況に応じて適宜設定する。
【0050】
図4において、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となって、スイッチ機構が作動し、警報信号10が発信され、本発明である警報装置1が作動する。
【0051】
図5は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の指側に重心をかけた姿勢において、指側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0052】
図5は、走る、しゃがむ等、足の指7に重心がかかった姿勢を示す図である。この状態では、第一のスイッチ機構3−1がオフの状態(スイッチが切れている状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となり、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。
【0053】
図6は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の踵側に重心をかけた姿勢において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0054】
図6は、操作者が背後の壁にもたれる等、足の踵6に重心がかかった姿勢を示す図である。この状態では、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)となり、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。従って、本発明の構成は、操作者の通常の姿勢、動作では作動せず、操作者が意識して行う動作でのみスイッチ機構が作動することにより、誤作動を防止する構成を提供する。
【実施例】
【0055】
本発明の他の一例を説明する。
【0056】
本発明の他の一例の構成について、図7に基づき説明する。図7は、本発明である履物を利用した警報装置の他の一例を示す側面図である。
【0057】
図7に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、履物2の中敷9の靴底側に設けてもよい。図7において、本実施例に係る履物を利用した警報装置1は、第一のスイッチ機構3−1と、第二のスイッチ機構3−2を備えるとした、履物2に二つのスイッチ機構を設けた構成である。この例において、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設け、第二のスイッチ機構3−2は履物の指側5に設ける。この構成では、操作者が違和感なく履物2を装着できる。また、操作者が履物2を脱いだ状態において、外観よりスイッチ機構を視認することができず、利用者以外に本発明を使用していることが分からない。ゆえに、加害者に本発明を利用していることを気付かれなく、より安全に警報を発し救助を求めることができるという利点がある。この構成に基づく本発明の動作は、上記と同様である。
【0058】
本発明は、スイッチ機構を作動させ、電波等を発信させ、警報ブザー、警報ベル等を鳴らす構成とすることができる。図8は、本発明である履物を利用した警報装置の実施形態を示す全体図である。
【0059】
本発明は、単一操作では作動しないスイッチ機構を備えた履物を利用した警報装置1である。この履物2に備えたスイッチ機構を作動させた場合、警報信号10がスイッチ機構より発せられる。この警報信号10は、例えば、発信機11へ送信される。発信機11は、履物2の中に内蔵させたものであり、導線によりスイッチ機構と連網させ、警報信号10を電気的に発信機11へと送信させる。そして、発信機11より電波等を利用して、無線で警報装置1とは距離をおいた受信機12へと信号を発信することができる。
【0060】
警報信号10は、発信機11より信号判定機13に送信され、信号判定機13より誤作動でないことが判断された場合、受信機12へ送信されるとしてもよい。信号判定機13は、警報装置1より送られてきた信号が誤作動でないか判断する。判断は、信号が所定時間、又は所定時間内に所定回数送られてきたか否か等を基準に判断する。また、信号判定機13にライト等を備え、スイッチ機構がオンの状態となった場合にライトを点灯させ、操作者に警報装置1の状態を知らせる構成としてもよい。
【0061】
受信機12で受信された警報信号10により、非常灯、警報ベル、警報ブザーが駆動する構成としてもよい。これにより、他者へ救助を求め、操作者の保護する構成を提供する。また、信号の送信先は、非常灯等に限らず、店舗の本部、携帯電話等への着信、110番通報等としてもよい。
【0062】
なお、本発明は、受信機12を共通の1台のものとし、略60人までの操作者が各々警報装置1を装着することが可能である。
【0063】
本発明のさらに他の一例について、図9に基づき説明する。図9は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0064】
図9に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に区画した二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図9に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置する。そして、二つのスイッチ機構の区画は、図のように、二つのスイッチの間に壁片16を設けて区画してもよい。
【0065】
二つのスイッチ機構の操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履き物の指側5に設けたスイッチ機構を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、二つのスイッチのうち、まず前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)がオンの状態になり、次に後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。なお、二つのスイッチの間に設けた壁片16により、つま先側のスイッチを足の指7で操作し、後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)を操作する前に、壁片16に指が当たるため、前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)をオンの状態にしたことを確認でき、誤動作を回避できる構成である。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0066】
本発明のさらに他の一例について、図10、図11に基づき説明する。図10、図11は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0067】
図10、図11に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に一体形の二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図10、図11に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置する。そして、スイッチ押圧片18により二つのスイッチを押圧し、スイッチ機構をオンの状態とさせる。
【0068】
二つのスイッチ機構の操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履物の指側5に設けたスイッチ機構を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、二つのスイッチのうち、まず前方14(足のつま先側)のスイッチ押圧片18を足の指7で押圧することにより前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)がオンの状態になり、次に後方15(踵に近い側)のスイッチ押圧片18を足の指7で押圧することにより後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0069】
本発明のさらに他の一例について、図12に基づき説明する。図12は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0070】
図12に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に一体形の二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図12に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置し、可動スイッチ19−1と固定スイッチ19−2とする。
【0071】
二つのスイッチ機構を操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履物の指側5に設けた可動スイッチ19−1を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、固定スイッチ19−2側へ移動させ、可動スイッチ19−1をオンの状態とさせる。そして、可動スイッチ19−1が固定スイッチ19−2に接触することにより、固定スイッチ19−2がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0072】
本発明である履物を利用した警報装置において、履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構は、履物内のうち、履物の中敷に設ける他に、履物の側面に設けることも可能である。例えば、履物の側面のうち踵部分や、履物の横側面等にスイッチ機構を設けてもよい。また、履物の上面部分にスイッチ機構を備えて、足の甲で操作してもよい。さらに、スイッチ機構を設ける箇所として、履物の指側のうち、操作者が足の親指を動かすことにより親指が触れる箇所(履物の親指側)の他に、操作者が足の小指を動かすことにより小指が触れる箇所(履物の小指側)に設けてもよい。
【0073】
単一の操作では作動しないスイッチ機構について、該スイッチ機構の操作の他の例として、所定時間スイッチ機構を連続的にオンの状態とさせること、又は所定時間内に所定回数スイッチ機構をオンの状態とさせることがある。
【0074】
本発明は、防犯のみならず、地震、火事、交通事故といった、防災にも利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明である履物を利用した警報装置の一例を示す斜視図
【図2】図1の例の側面図
【図3】図1の例の実施形態であり、履物の装着時において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図4】図1の例の実施形態であり、履物の装着時において足の指を動かし、踵側及び指側に設けたスイッチ機構が作オンの状態を示す側面図
【図5】図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の指側に重心をかけた姿勢において、指側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図6】図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の踵側に重心をかけた姿勢において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図7】本発明である履物を利用した警報装置の他の一例を示す側面図
【図8】本発明である履物を利用した警報装置の実施形態を示す全体図
【図9】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図10】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図11】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図12】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【符号の説明】
【0076】
1 警報装置
2 履物
3−1 第一のスイッチ機構
3−2 第二のスイッチ機構
4 履物の踵側
5 履物の指側
6 踵
7 指
8 靴底
9 中敷
10 警報信号
11 発信機
12 受信機
13 信号判定機
14 前方
15 後方
16 壁片
17−1 前方スイッチ機構
17−2 後方スイッチ機構
18 スイッチ押圧片
19−1 可動スイッチ
19−2 固定スイッチ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物を利用した警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、履物を利用した警報装置として、文献1がある。文献1は、靴に装着され、物理的な衝撃が加えられたことに応答し、信号を出力する感圧センサを入力手段に備えた警報装置である。また、文献1は、靴に装着され、物理的な衝撃が加えられたことに応答し、信号を出力する感圧センサを入力手段に備えた警報装置であり、操作者が入力手段の装着された靴で物を蹴る等して、感圧センサに衝撃を与えることにより、警報命令を発する構成である。
【0003】
また、従来、複数のスイッチ機構を有する構成として、以下のものが知られている。文献2は、多段階プッシュスイッチである。文献2には、複数の内部スイッチを多段的に作動させる構成が示されている。文献3は、メンブレンスイッチである。文献3には、複数のスイッチを任意の順序または同時に作動させることのできる構成が示されている。文献4は、ゴム・スイッチである。文献4には、順次時間差をもって接続することができるスイッチ機構が示されている。文献5は、多段スイッチの誤動作防止装置である。文献5には、スイッチを多段目に切替えることにより誤動作を防止する構成が示されている。文献6は、スイッチ装置である。文献6には、2種類のスイッチを作動させる構成が示されている。文献7は、ドームスイッチである。文献7には、二段階で電極と回路体の接点とが接触する複台スイッチが示されている。文献8は、二段スイッチ機構である。文献8には、押圧型の二段スイッチ機構が示されている。文献9は、二段スイッチである。文献9には、上方から押圧することで上下のスイッチ接点を順番にオンせしめる二段スイッチが示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−344681
【特許文献2】特開平8−22738号
【特許文献3】特開平9−63412号
【特許文献4】特開平9−106733号
【特許文献5】特開平10−106378号
【特許文献6】特開平10−302570号
【特許文献7】特開2002−245895
【特許文献8】特開2002−279853
【特許文献9】特開2003−123587
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
文献1は、靴を履いた足で物を蹴る等して、足を動かし、物理的な衝撃を与え、それに応答し、信号を出力する感圧センサ等を備えた警報装置であり、スイッチの操作に際し、犯人に刺激を与え、悲惨な状況を引き起こしかねない。そこで、履物の中で足を動かして操作するスイッチを設けた構成により、人が体の自由が利かない状況下において、また、犯人に知られない状態で操作することができる、履物を利用した警報装置が求められる。
【0006】
また、強盗事件、通り魔事件といった凶悪な犯罪に対応するためには、警報装置からの通報を受けた警察、コンビニエンスストアー本部又は近所の人等の判断が重要であり、誤動作がたびたび起こるのでは、通報を受けた人の判断を迷わせ、誤らせる。ゆえに、誤動作を防ぎ、日常の混乱を招くことがない本発明の効果は、警報装置において、必要不可欠のものである。
【0007】
上記課題を解決する構成として、左右の靴、靴の中敷等の履物に装備された、この左右の履物の中で両足を動かして操作するスイッチ及び/又はバイブレーターの感知部を備えた、履物を利用した防犯装置がある。この両足の履物を利用した防犯装置は、誤動作の回避を図り、日常の混乱を招くことがなく防犯装置の機能を果たす発明である。
【0008】
さらに、上記課題を解決する構成として、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置が考えられる。この構成は、両足の履物を利用した防犯装置と同様に、誤動作の回避を図り、さらには、装置の構成が簡潔であることより、製作の容易性、使用の簡便性、使用時における違和感の軽減を図る。そして、お年寄りや子供が安心して使用できる履物を利用した警報装置の提供を図る。
【0009】
また、従来の複数のスイッチ機構を有する構成において、単一操作では作動しないスイッチ機構は開示されていない。
【0010】
上記に鑑み本発明は、誤動作を回避する単一操作では動作しないスイッチを、履物内に装備し、緊急時に防犯機器として有効な防犯用の履物を利用した警報装置を提供し、この緊急時の早期の解決と、最も重要な人命等保護・救助・手当て等の救援、犯人の検挙、或いはこのような状況を一刻も早く把握して適切な処理が図れること等を意図する。また本発明は、従来の各種の機器を有効利用し、また確実に選択することで、前述の要望を図り、或いは低価格で、操作の容易な防犯用の履物を利用した警報装置の提供すること、防犯の抑止力として機能する防犯用の履物を利用した警報装置を提供することなどを意図する。本発明は、上記課題の少なくとも一つを解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。さらに、履物の内部での足の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を図る構成を提供することを意図する。さらには、製作の容易性、使用の簡便性を意図する。
【0012】
請求項1は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より深く形成した溝に設け、中敷の水平面より下方に位置させ、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より上方に突出させることを構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0013】
履物とは、例えば、靴、サンダル、草履、スリッパ、工場等で使用する安全靴、これら履物の中敷がある。これらの履物は、原則、右足又は左足に使用する、片方の履物を利用する。また、右足及び左足に使用する、両方の履物を利用するとしてもよい。また、スイッチ機構とは、警報装置の操作者の操作に対応し、通電等の作用を起こす感知部を少なくとも有するものをいう。単一操作では作動しないスイッチ機構とは、スイッチを作動させる操作を、例えば、二段、三段と設定し、これらの操作の過程を全て経て、初めて作動するスイッチ機構をいう。また、作動とは、スイッチ機構から警報信号が発せられることをいう。また、警報信号とは、スイッチ機構が作動した場合発せられる信号であり、他の機器を作動させ、他者に救済を求めることを可能するものをいう。また、足の指、踵及び/又は足全体とは、スイッチ機構を操作する部位の例示であり、履物内に所在する部位である。ここで足全体とは、履物内に所在する、足の甲、足の指の付け根といった、足の各部位をいう。また、当該スイッチ機構からの誤報とは、操作者が意図せずに、誤ってスイッチ機構を作動させ、発せられた警報信号をいう。
【0014】
請求項2の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを意図する。また、履物の内部での足の指及び踵の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指及び踵で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを意図する。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを意図する。
【0015】
請求項2は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は中敷の靴底側における履物の指側と、中敷の靴底側における踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、履物の指側に溝を設けて設置され、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0016】
履物の指側とは、足に履物を装着させた場合、足の指を動かすことにより足の指が触れる箇所をいう。また、履物の踵側とは、足に履物を装着させた場合、足の踵が触れる箇所をいう。また、足の指と踵による指令とは、スイッチを作動させるための足の指と踵の動作をいう。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の効果】
【0026】
請求項1は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より深く形成した溝に設け、中敷の水平面より下方に位置させ、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より上方に突出させることを構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0027】
請求項1の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを意図する構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することをを特徴とする。さらに、履物の内部での足の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を図る構成を提供することを特徴とする。さらには、製作の容易性、使用の簡便性等を特徴とする。
【0028】
請求項2は、少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、このスイッチ機構は中敷の靴底側における履物の指側と、中敷の靴底側における踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、履物の指側に溝を設けて設置され、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置である。
【0029】
請求項2の発明は、加害者に気付かれない状態で、また、手動で操作できない状況で、警報装置を作動させ、人命の救済を図ることを特徴とする構成である。この発明は、スイッチ機構を単一操作では作動しない、複数のものとすることにより、誤作動を防止し、装置の信頼性を上げ、人命の救済に寄与することを特徴とする。また、履物の内部での足の指及び踵の動きにより、加害者に気付かれない状態でスイッチを作動させ、人命の救済を求める構成を提供することを意図し、また、足の指及び踵で行う二段の操作でスイッチを作動させることにより、誤動作を防止し、人命の救済を図ることを特徴とする。そして、スイッチ機構から発信される警報信号より、他者に救済を求め、人命を保護する構成を提供することを特徴とする。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一例を説明する。
【0037】
本発明の構成の一例を図1及び図2に基づき説明する。図1は、本発明である履物を利用した警報装置の一例を示す斜視図であり、図2は、図1の例の側面図である。
【0038】
前記各図において、本実施例に係る履物を利用した警報装置1は、第一のスイッチ機構3−1と、第二のスイッチ機構3−2を備えるとした、履物2に二つのスイッチ機構を設けた構成である。この例では、スイッチ機構は、第一のスイッチ機構3−1と第二のスイッチ機構3−2とから構成されるものとする。この例において、図1及び図2のように、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設ける。履物の踵側4とは、足に履物2を装着させた場合、足の踵6が触れる箇所をいう。履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷9の水平面より上方に突出させる。また、第二のスイッチ機構3−2は履物の指側5に設ける。履物の指側5とは、足に履物2を装着させた場合、操作者が足の指7(足の親指が操作において望ましい)を動かすことにより足の指7が触れる箇所をいう。この履物の指側5として、例えば、靴の中敷部分において、足の指7と指の付け根の間の、足の裏が靴の中敷に接触しない箇所がある。また、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2は、靴の中敷部分において、靴の中敷9の水平面より深く形成した溝に設け、この第二のスイッチ機構3−2を中敷の水平面より下方に位置させる。そして、この場合、第一のスイッチ機構3−1は、警報装置1を備えた履物2を装着した操作者の足の踵6で操作し、第二のスイッチ機構3−2は、操作者の足の指7で操作する。
【0039】
ここで履物2とは、例えば、靴、サンダル、草履、スリッパ、工場等で使用する安全靴や、これら履物の中敷とする。これらの履物は、右足又は左足に使用する、片方の履物を利用する。また、右足及び左足に使用する、両方の履物を利用するとしてもよい。
【0040】
第一のスイッチ機構3−1及び第二のスイッチ機構3−2は、押圧式スイッチを利用する。押圧式スイッチとは、スイッチの片面に圧力がかかったときに作動するスイッチをいう。押圧式スイッチの例としては、2枚の帯状電極板を所定間隔隔てて対向して配置し、かつ、外周を柔軟な樹脂で覆ったテープスイッチ(特開平8−171833号等)がある。スイッチ機構は、押圧式スイッチに限らず、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ等、各種電気的スイッチを用いてもよい。また、第一のスイッチ機構3−1と第二のスイッチ機構3−2とは、同じ種類のスイッチを用いることに限らない。
【0041】
スイッチ機構は、単一の操作では作動しないものとし、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となって、スイッチ機構が作動し、本発明である警報装置1が作動する。第一のスイッチ機構3−1及び第二のスイッチ機構3−2がともにオフの状態(スイッチが切れている状態)、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)、及び第一のスイッチ機構3−1がオフの状態(スイッチが切れている状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)では、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。
【0042】
前記構成に基づく本発明の動作を、図3ないし図6に基づき説明する。
【0043】
図3は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0044】
本発明である履物を利用した警報装置1を操作者が装着した状態は、図3のような状態となる。ここで、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設けており、足に履物2を装着させた場合、足の踵6が第一のスイッチ機構3−1に触れる。そして、操作者の踵6で押圧することにより第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)となる。立つ、歩く等、操作者の通常の動作においては、踵6に体重がかかることにより、装着時においては、常に第一のスイッチ機構3−1はオンの状態(スイッチが入った状態)となる。座る等、操作者が足の裏に体重をかけていない場合においても、靴底8を少なくとも一部分、床面等に接触させることにより、踵6で第一のスイッチ機構3−1を押圧することができ、履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1をオンの状態(スイッチが入った状態)とさせることができる。また、履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1は、靴の中敷9の平面より操作者の足側に盛り上げて設置した場合、操作者の踵での押圧を図り、スイッチ機構の確実な作動が図れる。
【0045】
一方、第二のスイッチ機構3−2は、図3のように本発明である履物を利用した警報装置1を操作者が装着した状態において、例えば、操作者の足の指7(足の親指が操作において望ましい)と指の付け根の間の、足の裏が靴の中敷に接触しない箇所(履物の指側5)に設けられており、立つ等、操作者の通常の動作では、第二のスイッチ機構3−2には体重がかからず、スイッチ機構はオフの状態(スイッチが切れている状態)となる。また、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2は、靴の中敷9の水平面より深く、すなわち履物の指側に溝を設けて設置してもよい。溝とは、スイッチを格納する構成であり、溝の深さがスイッチの厚みより深い構成である。これは、操作者が本発明の履物を装着した場合、スイッチ機構が操作者の足の指に触れないという機能を奏するものである。この場合、操作者が意識しなくては、第二のスイッチ機構3−2に足の指7を触れさせることができず、スイッチ機構は作動せず、誤作動を防ぐ構成が提供することができる。
【0046】
ゆえに、図3の状態は、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)であり、スイッチ機構は作動せず、本発明である履物を利用した警報装置1は作動しない。
【0047】
図4は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時において足の指を動かし、踵側及び指側に設けたスイッチ機構がオンの状態を示す側面図である。図4において、履物を利用した警報装置1の装着時において、第一のスイッチ機構3−1はオンの状態(スイッチが入った状態)となる。
【0048】
この状態において、操作者が警報装置1を作動させようとした場合、足の指7(親指)を図4のように、第二のスイッチ機構3−2に触れるように曲げ、押圧することにより、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となる。このように、足で土をつかむようにし、スイッチ機構をオンの状態(スイッチが入った状態)にする。
【0049】
履物の踵側4に設けた第一のスイッチ機構3−1と、履物の指側5に設けた第二のスイッチ機構3−2とが共にオンの状態が所定時間保たれることにより、本発明である警報装置1が作動する。前記所定時間は、任意の時間に指定することができる。例えば、3秒、5秒、10秒としてもよい。短い時間に設定すると、速やかな本発明である警報装置1の作動を図ることができる。長い時間に設定すれば、確実な警報装置1の作動を図ることができる。この時間の設定は、操作者の状況に応じて適宜設定する。
【0050】
図4において、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で、第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となって、スイッチ機構が作動し、警報信号10が発信され、本発明である警報装置1が作動する。
【0051】
図5は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の指側に重心をかけた姿勢において、指側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0052】
図5は、走る、しゃがむ等、足の指7に重心がかかった姿勢を示す図である。この状態では、第一のスイッチ機構3−1がオフの状態(スイッチが切れている状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオンの状態(スイッチが入った状態)となり、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。
【0053】
図6は、図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の踵側に重心をかけた姿勢において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図である。
【0054】
図6は、操作者が背後の壁にもたれる等、足の踵6に重心がかかった姿勢を示す図である。この状態では、第一のスイッチ機構3−1がオンの状態(スイッチが入った状態)で且つ第二のスイッチ機構3−2がオフの状態(スイッチが切れている状態)となり、スイッチ機構は作動せず、警報装置1は作動しない。従って、本発明の構成は、操作者の通常の姿勢、動作では作動せず、操作者が意識して行う動作でのみスイッチ機構が作動することにより、誤作動を防止する構成を提供する。
【実施例】
【0055】
本発明の他の一例を説明する。
【0056】
本発明の他の一例の構成について、図7に基づき説明する。図7は、本発明である履物を利用した警報装置の他の一例を示す側面図である。
【0057】
図7に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、履物2の中敷9の靴底側に設けてもよい。図7において、本実施例に係る履物を利用した警報装置1は、第一のスイッチ機構3−1と、第二のスイッチ機構3−2を備えるとした、履物2に二つのスイッチ機構を設けた構成である。この例において、第一のスイッチ機構3−1は履物の踵側4に設け、第二のスイッチ機構3−2は履物の指側5に設ける。この構成では、操作者が違和感なく履物2を装着できる。また、操作者が履物2を脱いだ状態において、外観よりスイッチ機構を視認することができず、利用者以外に本発明を使用していることが分からない。ゆえに、加害者に本発明を利用していることを気付かれなく、より安全に警報を発し救助を求めることができるという利点がある。この構成に基づく本発明の動作は、上記と同様である。
【0058】
本発明は、スイッチ機構を作動させ、電波等を発信させ、警報ブザー、警報ベル等を鳴らす構成とすることができる。図8は、本発明である履物を利用した警報装置の実施形態を示す全体図である。
【0059】
本発明は、単一操作では作動しないスイッチ機構を備えた履物を利用した警報装置1である。この履物2に備えたスイッチ機構を作動させた場合、警報信号10がスイッチ機構より発せられる。この警報信号10は、例えば、発信機11へ送信される。発信機11は、履物2の中に内蔵させたものであり、導線によりスイッチ機構と連網させ、警報信号10を電気的に発信機11へと送信させる。そして、発信機11より電波等を利用して、無線で警報装置1とは距離をおいた受信機12へと信号を発信することができる。
【0060】
警報信号10は、発信機11より信号判定機13に送信され、信号判定機13より誤作動でないことが判断された場合、受信機12へ送信されるとしてもよい。信号判定機13は、警報装置1より送られてきた信号が誤作動でないか判断する。判断は、信号が所定時間、又は所定時間内に所定回数送られてきたか否か等を基準に判断する。また、信号判定機13にライト等を備え、スイッチ機構がオンの状態となった場合にライトを点灯させ、操作者に警報装置1の状態を知らせる構成としてもよい。
【0061】
受信機12で受信された警報信号10により、非常灯、警報ベル、警報ブザーが駆動する構成としてもよい。これにより、他者へ救助を求め、操作者の保護する構成を提供する。また、信号の送信先は、非常灯等に限らず、店舗の本部、携帯電話等への着信、110番通報等としてもよい。
【0062】
なお、本発明は、受信機12を共通の1台のものとし、略60人までの操作者が各々警報装置1を装着することが可能である。
【0063】
本発明のさらに他の一例について、図9に基づき説明する。図9は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0064】
図9に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に区画した二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図9に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置する。そして、二つのスイッチ機構の区画は、図のように、二つのスイッチの間に壁片16を設けて区画してもよい。
【0065】
二つのスイッチ機構の操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履き物の指側5に設けたスイッチ機構を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、二つのスイッチのうち、まず前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)がオンの状態になり、次に後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。なお、二つのスイッチの間に設けた壁片16により、つま先側のスイッチを足の指7で操作し、後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)を操作する前に、壁片16に指が当たるため、前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)をオンの状態にしたことを確認でき、誤動作を回避できる構成である。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0066】
本発明のさらに他の一例について、図10、図11に基づき説明する。図10、図11は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0067】
図10、図11に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に一体形の二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図10、図11に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置する。そして、スイッチ押圧片18により二つのスイッチを押圧し、スイッチ機構をオンの状態とさせる。
【0068】
二つのスイッチ機構の操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履物の指側5に設けたスイッチ機構を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、二つのスイッチのうち、まず前方14(足のつま先側)のスイッチ押圧片18を足の指7で押圧することにより前方スイッチ機構17−1(つま先側のスイッチ機構)がオンの状態になり、次に後方15(踵に近い側)のスイッチ押圧片18を足の指7で押圧することにより後方スイッチ機構17−2(踵に近い側のスイッチ機構)がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0069】
本発明のさらに他の一例について、図12に基づき説明する。図12は、本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図である。
【0070】
図12に示すように、履物2内に配備した単一操作では作動しないスイッチ機構を、前記履物の指側5に一体形の二つのスイッチ機構とする。そして、この二つのスイッチ機構を操作した際にスイッチ機構が作動し、警報信号10を発する構成とした履物を利用した警報装置1とする。二つのスイッチ機構は、図12に示すように、履物の指側5において、前方14(足のつま先側)と、後方15(踵に近い側)に配置し、可動スイッチ19−1と固定スイッチ19−2とする。
【0071】
二つのスイッチ機構を操作は、足の指7による操作とする。具体的には、履物の指側5に設けた可動スイッチ19−1を、操作者が足の指7を曲げる動作を行うことにより、固定スイッチ19−2側へ移動させ、可動スイッチ19−1をオンの状態とさせる。そして、可動スイッチ19−1が固定スイッチ19−2に接触することにより、固定スイッチ19−2がオンの状態となる。この二つのスイッチが所定時間内に、連続してオンの状態となった場合、スイッチ機構が作動し、警報装置1が作動する。上記スイッチ機構の構成・作用により、スイッチ機構から誤報の警報信号10の発生を回避可能とする。
【0072】
本発明である履物を利用した警報装置において、履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構は、履物内のうち、履物の中敷に設ける他に、履物の側面に設けることも可能である。例えば、履物の側面のうち踵部分や、履物の横側面等にスイッチ機構を設けてもよい。また、履物の上面部分にスイッチ機構を備えて、足の甲で操作してもよい。さらに、スイッチ機構を設ける箇所として、履物の指側のうち、操作者が足の親指を動かすことにより親指が触れる箇所(履物の親指側)の他に、操作者が足の小指を動かすことにより小指が触れる箇所(履物の小指側)に設けてもよい。
【0073】
単一の操作では作動しないスイッチ機構について、該スイッチ機構の操作の他の例として、所定時間スイッチ機構を連続的にオンの状態とさせること、又は所定時間内に所定回数スイッチ機構をオンの状態とさせることがある。
【0074】
本発明は、防犯のみならず、地震、火事、交通事故といった、防災にも利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明である履物を利用した警報装置の一例を示す斜視図
【図2】図1の例の側面図
【図3】図1の例の実施形態であり、履物の装着時において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図4】図1の例の実施形態であり、履物の装着時において足の指を動かし、踵側及び指側に設けたスイッチ機構が作オンの状態を示す側面図
【図5】図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の指側に重心をかけた姿勢において、指側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図6】図1の例の実施形態であり、履物の装着時に足の踵側に重心をかけた姿勢において、踵側に設けたスイッチ機構のみがオンの状態を示す側面図
【図7】本発明である履物を利用した警報装置の他の一例を示す側面図
【図8】本発明である履物を利用した警報装置の実施形態を示す全体図
【図9】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図10】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図11】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【図12】本発明である履物を利用した警報装置のさらに他の一例を示す側面図
【符号の説明】
【0076】
1 警報装置
2 履物
3−1 第一のスイッチ機構
3−2 第二のスイッチ機構
4 履物の踵側
5 履物の指側
6 踵
7 指
8 靴底
9 中敷
10 警報信号
11 発信機
12 受信機
13 信号判定機
14 前方
15 後方
16 壁片
17−1 前方スイッチ機構
17−2 後方スイッチ機構
18 スイッチ押圧片
19−1 可動スイッチ
19−2 固定スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、
このスイッチ機構は足の指、踵及び/又は足全体による確実な操作で作用し、かつ前記単一操作では作用せず、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令でスイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に区画して少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置。
【請求項4】
請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に一体形の少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置。
【請求項5】
請求項1に記載のスイッチ機構が一個であって、前記履物の指側に、溝を設けてスイッチ機構を配備し、このスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、
このスイッチ機構は履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より深く形成した溝に設け、中敷の水平面より下方に位置させ、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より上方に突出させることを構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置。
【請求項2】
少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、
このスイッチ機構は中敷の靴底側における履物の指側と、中敷の靴底側における踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、履物の指側に溝を設けて設置され、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置。
【請求項1】
少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した単一操作では作動しない一個又は複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、
このスイッチ機構は足の指、踵及び/又は足全体による確実な操作で作用し、かつ前記単一操作では作用せず、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令でスイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に区画して少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置。
【請求項4】
請求項1に記載のスイッチ機構が複数であって、前記履物の指側に一体形の少なくとも二つのスイッチ機構を配備し、この二つのスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置。
【請求項5】
請求項1に記載のスイッチ機構が一個であって、前記履物の指側に、溝を設けてスイッチ機構を配備し、このスイッチ機構を操作した際に、スイッチ機構が作動し、警報信号を発する構成とした履物を利用した警報装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、
このスイッチ機構は履物の指側と、踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より深く形成した溝に設け、中敷の水平面より下方に位置させ、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成として、靴の中敷部分において、靴の中敷の水平面より上方に突出させることを構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置。
【請求項2】
少なくとも片方の靴、スリッパ等の履物内に配備した複数のスイッチ機構と、このスイッチ機構から警報信号を発する履物を利用した警報装置であって、
このスイッチ機構は中敷の靴底側における履物の指側と、中敷の靴底側における踵側に個別に設け、足の指と踵による指令で作用し、履物の指側に設けたスイッチ機構は、操作者の指での押圧を図る構成として、履物の指側に溝を設けて設置され、履物の踵側に設けたスイッチ機構は、操作者の踵での押圧を図る構成とし、当該スイッチ機構から誤報の警報信号の発生を回避可能とした靴、スリッパ等の履物を利用した警報装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−331105(P2006−331105A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−154207(P2005−154207)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【特許番号】特許第3743758号(P3743758)
【特許公報発行日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(504208533)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【特許番号】特許第3743758号(P3743758)
【特許公報発行日】平成18年2月8日(2006.2.8)
【出願人】(504208533)
【Fターム(参考)】
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