岩盤破砕ユニット
【課題】 リーダ部分以下の切離しを簡単に行えるようにした岩盤破砕ユニットを提供し、切離し作業を迅速に行えるようにして工事を遅延させないようにする。また、これを吊り上げるホイールクレーンを、ブームを伏倒させて別途走行移動させるようにし、転倒事故を防止して安全性の確保に寄与する。
【解決手段】吊下げブロックと、中空筒状のリーダと、そのリーダに沿って上下摺動する主スライドシーブブロックおよび副スライドシーブブロックと、引抜き装置とからなる岩盤破砕ユニットにおいて、リーダ2と吊下げブロック6とが切離し自在に接続され、また、上記吊下げブロック6に装架した引抜き主ワイヤ用シーブ12,12との間に引抜き主ワイヤ28を掛け回している引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を装架した分離ブロック23が、主スライドシーブブロック20に分離自在に固定されている岩盤破砕ユニット。
【解決手段】吊下げブロックと、中空筒状のリーダと、そのリーダに沿って上下摺動する主スライドシーブブロックおよび副スライドシーブブロックと、引抜き装置とからなる岩盤破砕ユニットにおいて、リーダ2と吊下げブロック6とが切離し自在に接続され、また、上記吊下げブロック6に装架した引抜き主ワイヤ用シーブ12,12との間に引抜き主ワイヤ28を掛け回している引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を装架した分離ブロック23が、主スライドシーブブロック20に分離自在に固定されている岩盤破砕ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩盤破砕(掘削)工法において使用される岩盤破砕ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発破の使用が制限される現場においても施工できる岩盤破砕工法として、岩盤に所定ピッチで複数穿孔した打込み孔に、パワーウェッジ(楔)を案内用のカウンターウェッジとともにセットし、そのパワーウェッジをハンマにより打撃して岩盤中に貫入させることによりその岩盤を破砕し、さらにリッパ等により細かく破砕を行うものが知られている。
【0003】
上記パワーウェッジの岩盤への打込み、引抜き、および、次の打込み孔への移設の作業を行えるようにした岩盤破砕機として、特開昭61−172991号公報(特許文献1)に記載された次のようなものがある。
【0004】
その岩盤破砕機は、図12に示したように、パワーウェッジを岩盤に打ち込む打込み機構a1と、これを引き抜いて移設する引抜き機構a2とを一体にした岩盤破砕ユニットaを、その上端の吊下げブロック100においてホイールクレーンbのブーム101の先端にピン102により吊下げ装備したものである。
【0005】
上記岩盤破砕ユニットaの打込み機構a1は、上記吊下げブロック100の下側に固定された長尺円筒状のリーダ103の内腔内に、上記ブーム101の先端のシーブに案内されたハンマワイヤ104を挿通し、このハンマワイヤ104に、パワーウェッジ打撃用の円柱状のハンマ105を懸下しているもので、上記ハンマワイヤ104の繰り出しおよび巻き取り操作により、上記ハンマ105を昇降させて、予め打込み孔内にセットしておいた上記パワーウェッジを打撃してこれを岩盤に貫入させるようにしたものである。
【0006】
また、上記引抜き機構a2は、上記吊下げブロック100に固定されたシーブブロック106の複数のシーブ106’と、上記リーダ103に沿って上下摺動する動滑車構造にした主スライドシーブブロック107の複数のシーブ107’に、引抜き主ワイヤ108を複数往復掛け回し、また、上記リーダ103に沿って上下摺動する副スライドシーブブロック109の複数のシーブ109’と、引抜き装置110のシーブブロック111の複数のシーブ111’とに、一端を上記主スライドシーブブロック107に固定し、他端を上記シーブブロック111に固定した引抜き副ワイヤ112を複数往復掛け回しているものである。
そして、パワーウェッジの引抜きは、上記引抜き装置110にパワーウェッジを固定し上記引抜き主ワイヤ108を巻き取ることにより行われる。
【0007】
上記の岩盤破砕機を使用して行う岩盤破砕工法は、その岩盤破砕機を適宜移動走行させながら、いわゆるベンチカット方式により岩盤を上層から下層へと階段状に破砕してゆくもので(図13(a)〜(d))、その岩盤破砕機の移動は、相当の高さを有する上記岩盤破砕ユニットaを起立させたブーム101に吊り下げた状態のままで行っていたが(図13(b)参照)、本来、走行中の転倒事故を未然に防止するためには、岩盤破砕ユニットaを切り離してブームを伏倒させ、転倒モーメントを小さくした状態で走行させるようにするのが望ましい。
【特許文献1】特開昭61−172991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記岩盤破砕ユニットaをブーム101から切り離すためには、上記ハンマ105を取り外し、上記ピン102を抜脱するだけでなく、上記吊下げブロック100のシーブ106’および主スライドシーブブロック107のシーブ107’に複数往復掛け回してある引抜き主ワイヤ108を外す等の煩雑な作業が必要となり、その作業に相当の時間と労力を費やすことになってしまうものであった。
【0009】
そこで、本発明は、リーダ以下の部分の切離しを簡単に行えるようにした岩盤破砕ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明岩盤破砕ユニットは、クレーンのブームの先端に備えられた吊下げブロックと、パワーウェッジを打撃するハンマを案内する中空筒状のリーダと、そのリーダに沿って上下摺動する主スライドシーブブロックと、同じく上記リーダに沿って上下摺動する、その主スライドシーブブロックの下方に配設された副スライドシーブブロックと、パワーウェッジを引き抜く引抜き装置とからなる岩盤破砕ユニットにおいて、リーダ2と吊下げブロック6とが切離し自在に接続され、また、上記吊下げブロック6に装架した引抜き主ワイヤ用シーブ12,12との間に引抜き主ワイヤ28を掛け回している引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を装架した分離ブロック23が、主スライドシーブブロック20に分離自在に固定されているものである。
【0011】
請求項2記載の本発明は、上記リーダ2と上記吊下げブロック6とが、前者の上端開口縁のフランジ3と後者の主体部8の下面のリーダ接合面13とを接合させた状態で、所要の固定手段により切離し自在に接続されている請求項1記載の岩盤破砕ユニットである。
【0012】
請求項3記載の本発明は、上記分離ブロック23が、上面を当接面23”とした主体部23’内に上記引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を装架し、かつ、当該主体部23’の側面に固定用孔26,26を開設してなるとともに、その固定用孔26,26を上記主スライドシーブブロック20の主体部21の一側に突設されたブラケット22,22に開設された固定用孔25,25に一致させてそこに固定手段27,27を挿通することにより、当該ブラケット22,22に分離自在に固定されている請求項1または2記載の岩盤破砕ユニットである。
【0013】
請求項4記載の本発明は、リーダ60が、その内腔上部にハンマ71を下方に付勢するバネ機構65を備えており、ハンマワイヤ61に懸架され上記リーダ60内を上下摺動自在にした自動着脱装置66が、爪69,69を開状態とすることでハンマ71を係合させて吊り上げ、また、上記爪69,69を閉状態とすることで上記ハンマ71を開放して落下させる把持部70を備えている請求項1,2または3記載の岩盤破砕ユニットである。
【発明の効果】
【0014】
本発明岩盤破砕ユニットは、リーダ以下の部分の吊下げブロックからの切離しを簡単かつ迅速に行え、またその再接続も簡単に行える。
したがって、移動の際の切離し作業のために工事を遅延させることがない。また、これを吊り上げるホイールクレーンは、別途ブームを伏倒させて走行させることができるから、転倒事故を未然に防止でき、安全性の確保に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
クレーンのブームの先端に備えられた吊下げブロックと、パワーウェッジを打撃するハンマを案内する中空筒状のリーダと、そのリーダに沿って上下摺動する主スライドシーブブロックと、同じく上記リーダに沿って上下摺動する、その主スライドシーブブロックの下方に配設された副スライドシーブブロックと、パワーウェッジを引き抜く引抜き装置とからなる岩盤破砕ユニットにおいて、リーダ2と吊下げブロック6とが切離し自在に接続され、また、上記吊下げブロック6に装架した引抜き主ワイヤ用シーブ12,12との間に引抜き主ワイヤ28を掛け回している引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を装架した分離ブロック23が、主スライドシーブブロック20に分離自在に固定されている岩盤破砕ユニット。
【実施例1】
【0016】
Aは、ホイールクレーンBのブーム1の先端に、本発明に係る岩盤破砕ユニットCを吊り下げ装備してなる岩盤破砕機である。
【0017】
その岩盤破砕ユニットCは、パワーウェッジpを岩盤に打ち込む打込み機構Dと、打ち込まれたパワーウェッジpを引き抜いて移設する引抜き機構Eとを一体に備えた次のとおりの構造のものである。
【0018】
2は鋼製で長尺中空円筒状のリーダで、それは上端開口縁に複数のボルト挿通孔(固定用孔)を開設したフランジ3を形成し、また下端開口縁にフランジ4を形成している。5は、そのリーダ2の下端開口縁の上記フランジ4を介して接続された中空円筒状の下部リーダである。
【0019】
6は上記ホイールクレーンBのブーム1の先端に、ピン7によって前後揺動自在にして備えられた吊下げブロックで、それは、主体部8の上側に立設したブラケット9の上端に上記ピン7を挿通させるピン挿通孔10を開設するとともに、ハンマワイヤ用シーブ11を装架しており、また、同軸にした2連の引抜き主ワイヤ用シーブ12,12を装架している。
また、その主体部8の下面後半部(図2,3では下面の右半部)には、上記リーダ2の上端のフランジ3の上面に接合する、複数のボルト挿通孔(固定用孔)を開設したリーダ接合面13を形成している。
【0020】
したがって、そのリーダ接合面13と上記リーダ2のフランジ3の上面とを接合して互いの上記ボルト挿通孔を一致させ、そこにボルト14……を挿通するとともにその先端にナット15……を螺合緊締することにより、上記リーダ2は、上記吊下げブロック6に切り離し自在に接続されるようになっている。
なお、その固定手段としては、ボルト14……とナット15……に代え、適宜のロック機構を備えたピン等を用いてもよい。
【0021】
16は上記吊下げブロック6の上記ハンマワイヤ用シーブ11に案内されて、リーダ2の内腔に挿通されたハンマワイヤで(図3,4)、その先端には2tの円柱状のハンマ17を懸架している(図1,4)。そのハンマ17の外周面には上記リーダ1の内周面との摩擦を軽減する緩衝体(図示しない)を取り付けてある。
【0022】
上記リーダ2、下部リーダ5、ハンマワイヤ16、およびハンマ17等は、上記打ち込み機構Dを構成しているもので、この打込み機構Dは、上記ハンマワイヤ16をホイールクレーンBのウインチ(図示しない)により繰り出し、また巻き取ることにより、上記ハンマ17を上記リーダ2内において上下動させることができ、これを落下させてパワーウェッジpの頭部を打撃することで破砕作業を行うようになっているものである。
【0023】
20は、上記リーダ2に、それに沿って上下摺動自在に装架された主スライドシーブブロックである。
【0024】
この主スライドシーブブロック20は、上記リーダ2の外周に嵌装した円筒状の主体部21の一側に一対のブラケット22,22(一方のみ図示した)を突設してなる。
23は、そのブラケット22,22の間に、その上方から嵌挿され分離自在に固定された分離ブロックで、それは、鋼製枠状の主体部23’内に2連の引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を同軸にして装架してなるものである。
【0025】
より具体的には、上記ブラケット22,22には固定ピン挿通孔(固定用孔)25,25が開設され、また、上記分離ブロック23の主体部23’の側面にも固定ピン挿通孔(固定用孔)26,26を開設しており、これらの固定ピン挿通孔25,25および26,26を一致させそこに固定手段たる固定ピン27,27を水平に挿通し必要に応じ所要のロックをすることで、上記分離ブロック23は、上記ブラケット22,22内に固定されるようになっている。なお、固定ピン27,27に代えボルトとナット等他の固定手段により固定してもよい。
さらに、上記分離ブロック23の主体部23’の上面は、上記吊下げブロック6の主体部8の下面前半部の分離ブロック当接面13’に接合する平滑な当接面23”となっている。
【0026】
上記分離ブロック23の引抜き主ワイヤ用シーブ24,24と、上記吊下げブロック6の引抜き主ワイヤ用シーブ12,12とには、引抜き主ワイヤ28が2往復掛け回され、その引抜き主ワイヤ28の先端は、上記吊下げブロック6の所要位置に固定されている。
したがって、上記分離ブロック23は動滑車の構造をなし、上記引抜き主ワイヤ28をホイールクレーンBのウインチにより繰り出し、また巻き取ることにより上下動するようになっている。
【0027】
上記分離ブロック23は、固定ピン27,27によって上記主スライドシーブブロック20に固定されている場合には、上記引抜き主ワイヤ28の繰り出しまたは巻き取りにより、その主スライドシーブブロック20とともに、上記リーダ2に沿って上下に摺動する(図1,2等)。
また、主スライドシーブブロック20に固定されていない場合において、上記引抜き主ワイヤ28の繰り出しまたは巻き取りを行うと、その分離ブロック23のみを上下移動させて、これを上記吊下げブロック6に近接または離隔させることができるようになっている(図3,7等)。
【0028】
本発明岩盤破砕ユニットCの構造上最も重要な点は、このように、引抜き主ワイヤ28を掛け回した主ワイヤ用シーブ24,24を分離ブロック23に装架し、その分離ブロック23を主スライドシーブブロック20のブラケット22,22に固定,分離自在にしたことにある。
【0029】
30は、上記主スライドシーブブロック20と同様に、上記リーダ2に、それに沿って上下摺動自在にして、かつ、上記主スライドシーブブロック20の下側に位置させて装架された副スライドシーブブロックである。
この副スライドシーブブロック30は、上記リーダ2の外周に嵌着した円筒状の主体部31の一側に一対のブラケット32,32(一方のみ図示した)を突設するとともに、そのブラケット32,32に、4連の引抜き副ワイヤ用シーブ33……を同軸にして装架している。
【0030】
40は、岩盤に打ち込まれたパワーウェッジpとその打込みを案内するカウンターウェッジとを引き抜き、これらを吊り上げるのに使用する引抜き装置、41は、その引抜き装置40を懸架している引抜き装置側シーブブロックで、それは4連の引抜き副ワイヤ用シーブ42……を同軸にして装架しているものである。
【0031】
上記副スライドシーブブロック30の引抜き副ワイヤ用シーブ33……と、上記引抜き装置側シーブブロック41の引抜き副ワイヤ用シーブ42……とには、引抜き副ワイヤ43が4重に掛け回されており、その引抜き副ワイヤ43の一端は上記主スライドシーブブロック20に固定され、他端は上記引抜き装置側シーブブロック41に固定されている。
【0032】
44は、上記主スライドシーブブロック20外面のブラケット45と、上記副スライドシーブブロック30の外面のブラケット46に上下端を接続して両スライドシーブブロック20,30を、リーダ2に対して一体に摺動させるように連結している鋼製ワイヤー等からなる連結具である。
ただし、その連結具44の上端または下端を上記いずれかのブラケットから取り外して連結を解除すれば、それらスライドシーブブロック20,30は別々に摺動させることができる。
【0033】
上記主,副スライドシーブブロック20,30、引抜き装置側シーブブロック41、引抜き装置40、連結具44等は、上記引抜き機構Eを構成するもので、上記連結具44による連結を解除している場合には、上記副スライドシーブブロック30は、リーダ2の下端の前記フランジ4に当接するところまで摺動下降してその位置に留まり(図示しない)、上記引抜き主ワイヤ28の繰り出しまたは巻き取りを行うと、上記主スライドシーブブロック20および引抜き装置側シーブブロック41が、ともに動滑車として上下移動する。
このとき、ウインチの巻き取り力は、引抜き主ワイヤ用シーブ12,12および24,24により4倍されるとともに、さらに、上記引抜き副ワイヤ用シーブ33……および42……で8倍されるので、上記引抜き装置40はウインチの巻き取り力の32倍の力で吊上げられる。
したがって、この引抜き装置40によって、岩盤に強固に貫入しているパワーウェッジpを引き抜くことができるようになっている。
【0034】
一方、上記連結具44により上記両スライドシーブブロック20,30を連結した場合には、ウインチの巻き取り力は、上記引抜き主ワイヤ用シーブ12,12および24,24により4倍され、上記主,副スライドシーブブロック20,30、上記引抜き装置40、および、その引抜き装置40に懸架されたパワーウェッジpおよびカウンターウェッジを一体に吊り上げことができるようになっている。
【0035】
上記構成からなる本発明岩盤破砕ユニットCを備えた岩盤破砕機Aは、従来の岩盤破砕ユニットaを備えたものと同様、ある位置で行われるパワーウェッジpの岩盤への打込みおよびその引抜きの後、次の打込み場所までの移動走行を、上記岩盤破砕ユニットCをブーム1に吊り下げた状態のままで行うこともできるが、事故防止のため、転倒モーメントを小さくした状態にして走行させるのが好ましい。
そこで、移動走行の際には、以下のようにして当該岩盤破砕ユニットCのリーダ2以下の部分を切り離す。
【0036】
まず、ハンマワイヤ16を繰り出して下部リーダ5の下端からハンマ17を取り出すとともに(図4)、このハンマ17をハンマワイヤ16から取り外して移動用ソリFに乗載する(図5)。
【0037】
次に、上記下部リーダ5の下端を、上記移動用ソリFの、その下部リーダ5の下端を嵌合させる形状にした起伏用傾動台50に嵌合支持させ、ホイールクレーンBを後退させながら当該岩盤破砕ユニットCを傾倒させる(図5,6)。
なお、上記起伏用傾動台50は、ソリ本体51に設けた台座52上のブラケット52’に横架した水平支軸53により、起伏自在に軸支されているものである(図6)。
【0038】
上記岩盤破砕ユニットCを、上記起伏用傾動台50に嵌合支持させながら傾倒させてゆくと、当該岩盤破砕ユニットCは、最終的には上記移動用ソリFの上記起伏用傾動台50および上部支持台55により横倒し状態になって支持される。
【0039】
この状態で上記主スライドシーブブロック20と分離ブロック23とを固定している固定ピン27,27を抜脱するとともに、上記リーダ2と吊下げブロック6とを固定しているボルト14……,ナット15……を外す。
そして、上記ホイールクレーンBを後退させることにより、上記リーダ2と吊下げブロック6(および分離ブロック23)とを簡単かつ迅速に、すなわち、従来と異なりシーブに掛け回されている引抜き主ワイヤ28の処理等を行うことなく切り離すことができる(図7)。
【0040】
なお、その岩盤破砕ユニットCを傾倒させる際には、同時に上記引抜き主ワイヤ28の巻き取りを行う。
すなわち、引抜き主ワイヤ28を巻き取ることにより、上記分離ブロック23の当接面23”を上記吊下げブロック6の主体部8の分離ブロック当接面13’に当接させ、この状態からさらに巻取りを行うと、上記吊下げブロック6および当該分離ブロック23を、上記ピン7を中心に上昇回動させることができるから、岩盤破砕ユニットCの傾倒に合わせて上記吊下げブロック6および分離ブロック23を上昇回動させるようにすれば、上記引抜き主ワイヤ28にたるみが生じることがないし、また、上記リーダ2と吊下げブロック6および分離ブロック23とを切り離したときに、その分離ブロック23が落下するようなこともない。
【0041】
上記のようにして切り離され上記移動用ソリFに乗載された岩盤破砕ユニットCの上記リーダ2以下の部分は、当該移動用ソリFを油圧ショベル等の重機Gで牽引して移動することができる(図8)。
【0042】
そして、上記リーダ2以下の部分を切り離したホイールクレーンBを、そのブーム1を伏倒して、転倒モーメントの小さい状態にして、次の作業場所まで走行移動させる(図9)。したがって、従来のように、起立させたブーム2に岩盤破砕ユニットCを吊り下げた、転倒モーメントの大きい状態のままで走行させなくてよいから、転倒事故の防止が図れる。
【0043】
このように、本発明岩盤破砕ユニットCを備えた岩盤破砕機Aは、岩盤破砕ユニットCのリーダ2以下の部分を簡単に切り離すことができるので、走行移動のたびに切離し作業を行っても工事の進行を遅らせる等のおそれがなく、また、転倒モーメントを小さくした状態で走行移動させるので、転倒の危険性をなくし事故防止、安全性確保に寄与することができる。
【0044】
また移動先で、再びパワーウェッジpの打込みを行うにあたり、上記リーダ2以下の部分を再接合する作業も、以下のようにして簡単かつ迅速に行うことができる。
【0045】
すなわち、上記分離ブロック23の当接面23”すなわち上面を上記吊下げブロック6の主体部8の分離ブロック当接面13’すなわち下面に当接させた状態からさらに引抜き主ワイヤ28を巻き取ることによって、これら吊下げブロック6および分離ブロック23を、上記ピン7を中心に上昇回動させその位置および向きを適宜微調整する。
そして、そのリーダ接合面13をリーダ2の上端部のフランジ3に対向させるとともに、上記分離ブロック23を上記主スライドシーブブロック20のブラケット22,22に対向させる(図7)。
【0046】
続いて、ホイールクレーンBを前進させることで、上記吊下げブロック6、さらに具体的には主体部8の前記リーダ接合面13とリーダ2のフランジ3を接合し、一致させたボルト挿通孔にボルト14……を挿通しナット15……を螺合緊締することにより、あるいは所要のピン等により固定する。
また、そのホイールクレーンBの前進により、同時に主スライドシーブブロック20のブラケット22,22内に分離ブロック23が嵌挿されるので、固定ピン27,27を両者の固定ピン挿通孔25,25、26,26に挿通することによって、あるいはボルト,ナットその他の固定手段によって、当該分離ブロック23をブラケット22,22に簡単に固定できる。
【0047】
これにより、上記吊下げブロック6とリーダ2以下の部分との再接合が完了する。その後、ブーム1によって当該岩盤破砕ユニットCを吊り上げて起立させ、リーダ2内に挿通したハンマワイヤ16をハンマ17に接続することで、パワーウェッジpの打込み作業等が行える状態となる。
【実施例2】
【0048】
図10,11は上記とは別構成の打ち込み機構D’を備えた岩盤破砕ユニットC’を示したものである。
【0049】
この岩盤破砕ユニットC’は、実施例1の岩盤破砕ユニットCとは、打込み機構D’の構造を異にするが、その他の引抜き機構等や吊下げブロック等の構造は同一であるから、以下にはその相違する打込み機構D’についてのみ説明する。
【0050】
60はリーダで、その上端開口部にはハンマワイヤ61を挿通させた支持板62が固定されている。そして、その支持板62の下面、すなわちリーダ60の内腔の上端には円筒状の管体63が固定され、その下縁には、後記のハンマ71を下方に付勢する鋼製のコイルバネからなるバネ機構65が固定されている。
【0051】
66は、上記ハンマワイヤ61によりシーブブロック67を介して動滑車として上下摺動自在に懸架されている自動着脱装置で、それは、ジャッキ等の開閉機構68により開閉自在にした一対の爪69,69からなる把持部70を下端部に備えている。
【0052】
71は、その上面に上記自動着脱装置66の把持部70を受入する受入孔72を穿設したハンマである。その受入孔72にはその内奥部および開口部よりも小径にした縮径部72’が形成されており、その縮径部72’の下側を奥部が拡径した把持部係合面72”としてある。
【0053】
したがって、このハンマ71は、その受入孔72に受入した上記自動着脱装置66の把持部70を開状態とすることで、その爪69,69の外縁69’,69’を把持部係合面72”に係合させ、当該把持部70により吊り上げられるようになっている(図11)。
また、把持部70を閉状態とすることで当該把持部70がその受入孔72内の縮径部72’を通じて入出自在となり落下させることが可能になっている(図10)。
【0054】
このような構成の打込み機構D’によるパワーウェッジpの打撃作業は以下のようにして行われる。
【0055】
すなわち、まず自動着脱装置66の把持部70をハンマ71の受入孔72に嵌挿し、ジャッキ68によりその爪69,69を開状態とすることで、当該ハンマ71を固定する。
この状態でハンマワイヤ61を巻き上げて、自動着脱装置65と共にハンマ67を吊り上げる。
リーダ60の上端まで吊り上げられたハンマ71は、その頭部を上記ばね機構65の下端部に当接させるので、この状態で更にハンマワイヤ61を巻き上げることにより、ばね機構65が圧縮される。ばね機構65の圧縮が限界に達した段階で自動着脱装置66のジヤッキ68を作動させ、その把持部70の爪69,69を閉じると、その瞬間ハンマ71がばね機構65の弾撥力により加速されて急激に落下するようになっている。
【0056】
効率的に岩盤を破砕するために大きな衝撃力でパワーウェッジpを打ち込むには、ハンマを重くするかこれを高くから落下させる必要があるが、単にハンマを重くしたりリーダを高くして落下高さを高くすると、当該装置の転倒モーメントが大きくなってしまう。
そこで、本実施例の打込み機構D’は、ハンマ71をバネ機構65により加速させてパワーウェッジpをより大きな衝撃力で打ち込むようにしたものである。
この打込み機構D’によりパワーウェッジpの打込みを行えば、リーダ60の高さが低くても十分な打撃力を確保することが可能となり、作業時のリーダ60の安定性が確保される。
また、自動着脱装置66にシーブブロック67を装着してこれを動滑車としているから、バネ機構65を圧縮させるためのウインチの吊上げ能力が不足するようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1に係る岩盤破砕ユニットを備えた岩盤破砕機の側面図である。
【図2】上記岩盤破砕ユニットの要部拡大側面図である。
【図3】そのリーダ以下の部分を切り離した状態の側面図である。
【図4】ハンマーの取外しの様子を示す側面図である。
【図5】上記岩盤破砕ユニットを横倒しにする様子を示す側面図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】切り離したリーダの上端と吊下げブロックとを対向させた状態を示す拡大側面図である。
【図8】切り離したリーダ以下の部分を移動用ソリに乗載して牽引している状態の側面図である。
【図9】ホイールクレーンの移動走行状態を示す側面図である。
【図10】本発明の実施例2に係る岩盤破砕ユニットの打込み機構を示した縦断面図である。
【図11】その要部拡大図である。
【図12】従来の岩盤破砕ユニットの側面図である。
【図13】(a)〜(d)は、岩盤破砕機を適宜移動させながら岩盤の頂部から下方へと破砕を行う岩盤破砕工法の流れを示した工程説明図である。
【符号の説明】
【0058】
A 岩盤破砕機
B,b ホイールクレーン
C,C’,a 岩盤破砕ユニット
D,D’ 打込み機構
E 引抜き機構
F 移動用ソリ
G 重機
p パワーウェッジ
2 リーダ
3 フランジ
6 吊下げブロック
8 主体部
12,24 引抜き主ワイヤ用シーブ
13 リーダ接合面
17 ハンマ
20 主スライドシーブブロック
23 分離ブロック
28 引抜き主ワイヤ
30 副スライドシーブブロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩盤破砕(掘削)工法において使用される岩盤破砕ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発破の使用が制限される現場においても施工できる岩盤破砕工法として、岩盤に所定ピッチで複数穿孔した打込み孔に、パワーウェッジ(楔)を案内用のカウンターウェッジとともにセットし、そのパワーウェッジをハンマにより打撃して岩盤中に貫入させることによりその岩盤を破砕し、さらにリッパ等により細かく破砕を行うものが知られている。
【0003】
上記パワーウェッジの岩盤への打込み、引抜き、および、次の打込み孔への移設の作業を行えるようにした岩盤破砕機として、特開昭61−172991号公報(特許文献1)に記載された次のようなものがある。
【0004】
その岩盤破砕機は、図12に示したように、パワーウェッジを岩盤に打ち込む打込み機構a1と、これを引き抜いて移設する引抜き機構a2とを一体にした岩盤破砕ユニットaを、その上端の吊下げブロック100においてホイールクレーンbのブーム101の先端にピン102により吊下げ装備したものである。
【0005】
上記岩盤破砕ユニットaの打込み機構a1は、上記吊下げブロック100の下側に固定された長尺円筒状のリーダ103の内腔内に、上記ブーム101の先端のシーブに案内されたハンマワイヤ104を挿通し、このハンマワイヤ104に、パワーウェッジ打撃用の円柱状のハンマ105を懸下しているもので、上記ハンマワイヤ104の繰り出しおよび巻き取り操作により、上記ハンマ105を昇降させて、予め打込み孔内にセットしておいた上記パワーウェッジを打撃してこれを岩盤に貫入させるようにしたものである。
【0006】
また、上記引抜き機構a2は、上記吊下げブロック100に固定されたシーブブロック106の複数のシーブ106’と、上記リーダ103に沿って上下摺動する動滑車構造にした主スライドシーブブロック107の複数のシーブ107’に、引抜き主ワイヤ108を複数往復掛け回し、また、上記リーダ103に沿って上下摺動する副スライドシーブブロック109の複数のシーブ109’と、引抜き装置110のシーブブロック111の複数のシーブ111’とに、一端を上記主スライドシーブブロック107に固定し、他端を上記シーブブロック111に固定した引抜き副ワイヤ112を複数往復掛け回しているものである。
そして、パワーウェッジの引抜きは、上記引抜き装置110にパワーウェッジを固定し上記引抜き主ワイヤ108を巻き取ることにより行われる。
【0007】
上記の岩盤破砕機を使用して行う岩盤破砕工法は、その岩盤破砕機を適宜移動走行させながら、いわゆるベンチカット方式により岩盤を上層から下層へと階段状に破砕してゆくもので(図13(a)〜(d))、その岩盤破砕機の移動は、相当の高さを有する上記岩盤破砕ユニットaを起立させたブーム101に吊り下げた状態のままで行っていたが(図13(b)参照)、本来、走行中の転倒事故を未然に防止するためには、岩盤破砕ユニットaを切り離してブームを伏倒させ、転倒モーメントを小さくした状態で走行させるようにするのが望ましい。
【特許文献1】特開昭61−172991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記岩盤破砕ユニットaをブーム101から切り離すためには、上記ハンマ105を取り外し、上記ピン102を抜脱するだけでなく、上記吊下げブロック100のシーブ106’および主スライドシーブブロック107のシーブ107’に複数往復掛け回してある引抜き主ワイヤ108を外す等の煩雑な作業が必要となり、その作業に相当の時間と労力を費やすことになってしまうものであった。
【0009】
そこで、本発明は、リーダ以下の部分の切離しを簡単に行えるようにした岩盤破砕ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1記載の本発明岩盤破砕ユニットは、クレーンのブームの先端に備えられた吊下げブロックと、パワーウェッジを打撃するハンマを案内する中空筒状のリーダと、そのリーダに沿って上下摺動する主スライドシーブブロックと、同じく上記リーダに沿って上下摺動する、その主スライドシーブブロックの下方に配設された副スライドシーブブロックと、パワーウェッジを引き抜く引抜き装置とからなる岩盤破砕ユニットにおいて、リーダ2と吊下げブロック6とが切離し自在に接続され、また、上記吊下げブロック6に装架した引抜き主ワイヤ用シーブ12,12との間に引抜き主ワイヤ28を掛け回している引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を装架した分離ブロック23が、主スライドシーブブロック20に分離自在に固定されているものである。
【0011】
請求項2記載の本発明は、上記リーダ2と上記吊下げブロック6とが、前者の上端開口縁のフランジ3と後者の主体部8の下面のリーダ接合面13とを接合させた状態で、所要の固定手段により切離し自在に接続されている請求項1記載の岩盤破砕ユニットである。
【0012】
請求項3記載の本発明は、上記分離ブロック23が、上面を当接面23”とした主体部23’内に上記引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を装架し、かつ、当該主体部23’の側面に固定用孔26,26を開設してなるとともに、その固定用孔26,26を上記主スライドシーブブロック20の主体部21の一側に突設されたブラケット22,22に開設された固定用孔25,25に一致させてそこに固定手段27,27を挿通することにより、当該ブラケット22,22に分離自在に固定されている請求項1または2記載の岩盤破砕ユニットである。
【0013】
請求項4記載の本発明は、リーダ60が、その内腔上部にハンマ71を下方に付勢するバネ機構65を備えており、ハンマワイヤ61に懸架され上記リーダ60内を上下摺動自在にした自動着脱装置66が、爪69,69を開状態とすることでハンマ71を係合させて吊り上げ、また、上記爪69,69を閉状態とすることで上記ハンマ71を開放して落下させる把持部70を備えている請求項1,2または3記載の岩盤破砕ユニットである。
【発明の効果】
【0014】
本発明岩盤破砕ユニットは、リーダ以下の部分の吊下げブロックからの切離しを簡単かつ迅速に行え、またその再接続も簡単に行える。
したがって、移動の際の切離し作業のために工事を遅延させることがない。また、これを吊り上げるホイールクレーンは、別途ブームを伏倒させて走行させることができるから、転倒事故を未然に防止でき、安全性の確保に寄与する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
クレーンのブームの先端に備えられた吊下げブロックと、パワーウェッジを打撃するハンマを案内する中空筒状のリーダと、そのリーダに沿って上下摺動する主スライドシーブブロックと、同じく上記リーダに沿って上下摺動する、その主スライドシーブブロックの下方に配設された副スライドシーブブロックと、パワーウェッジを引き抜く引抜き装置とからなる岩盤破砕ユニットにおいて、リーダ2と吊下げブロック6とが切離し自在に接続され、また、上記吊下げブロック6に装架した引抜き主ワイヤ用シーブ12,12との間に引抜き主ワイヤ28を掛け回している引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を装架した分離ブロック23が、主スライドシーブブロック20に分離自在に固定されている岩盤破砕ユニット。
【実施例1】
【0016】
Aは、ホイールクレーンBのブーム1の先端に、本発明に係る岩盤破砕ユニットCを吊り下げ装備してなる岩盤破砕機である。
【0017】
その岩盤破砕ユニットCは、パワーウェッジpを岩盤に打ち込む打込み機構Dと、打ち込まれたパワーウェッジpを引き抜いて移設する引抜き機構Eとを一体に備えた次のとおりの構造のものである。
【0018】
2は鋼製で長尺中空円筒状のリーダで、それは上端開口縁に複数のボルト挿通孔(固定用孔)を開設したフランジ3を形成し、また下端開口縁にフランジ4を形成している。5は、そのリーダ2の下端開口縁の上記フランジ4を介して接続された中空円筒状の下部リーダである。
【0019】
6は上記ホイールクレーンBのブーム1の先端に、ピン7によって前後揺動自在にして備えられた吊下げブロックで、それは、主体部8の上側に立設したブラケット9の上端に上記ピン7を挿通させるピン挿通孔10を開設するとともに、ハンマワイヤ用シーブ11を装架しており、また、同軸にした2連の引抜き主ワイヤ用シーブ12,12を装架している。
また、その主体部8の下面後半部(図2,3では下面の右半部)には、上記リーダ2の上端のフランジ3の上面に接合する、複数のボルト挿通孔(固定用孔)を開設したリーダ接合面13を形成している。
【0020】
したがって、そのリーダ接合面13と上記リーダ2のフランジ3の上面とを接合して互いの上記ボルト挿通孔を一致させ、そこにボルト14……を挿通するとともにその先端にナット15……を螺合緊締することにより、上記リーダ2は、上記吊下げブロック6に切り離し自在に接続されるようになっている。
なお、その固定手段としては、ボルト14……とナット15……に代え、適宜のロック機構を備えたピン等を用いてもよい。
【0021】
16は上記吊下げブロック6の上記ハンマワイヤ用シーブ11に案内されて、リーダ2の内腔に挿通されたハンマワイヤで(図3,4)、その先端には2tの円柱状のハンマ17を懸架している(図1,4)。そのハンマ17の外周面には上記リーダ1の内周面との摩擦を軽減する緩衝体(図示しない)を取り付けてある。
【0022】
上記リーダ2、下部リーダ5、ハンマワイヤ16、およびハンマ17等は、上記打ち込み機構Dを構成しているもので、この打込み機構Dは、上記ハンマワイヤ16をホイールクレーンBのウインチ(図示しない)により繰り出し、また巻き取ることにより、上記ハンマ17を上記リーダ2内において上下動させることができ、これを落下させてパワーウェッジpの頭部を打撃することで破砕作業を行うようになっているものである。
【0023】
20は、上記リーダ2に、それに沿って上下摺動自在に装架された主スライドシーブブロックである。
【0024】
この主スライドシーブブロック20は、上記リーダ2の外周に嵌装した円筒状の主体部21の一側に一対のブラケット22,22(一方のみ図示した)を突設してなる。
23は、そのブラケット22,22の間に、その上方から嵌挿され分離自在に固定された分離ブロックで、それは、鋼製枠状の主体部23’内に2連の引抜き主ワイヤ用シーブ24,24を同軸にして装架してなるものである。
【0025】
より具体的には、上記ブラケット22,22には固定ピン挿通孔(固定用孔)25,25が開設され、また、上記分離ブロック23の主体部23’の側面にも固定ピン挿通孔(固定用孔)26,26を開設しており、これらの固定ピン挿通孔25,25および26,26を一致させそこに固定手段たる固定ピン27,27を水平に挿通し必要に応じ所要のロックをすることで、上記分離ブロック23は、上記ブラケット22,22内に固定されるようになっている。なお、固定ピン27,27に代えボルトとナット等他の固定手段により固定してもよい。
さらに、上記分離ブロック23の主体部23’の上面は、上記吊下げブロック6の主体部8の下面前半部の分離ブロック当接面13’に接合する平滑な当接面23”となっている。
【0026】
上記分離ブロック23の引抜き主ワイヤ用シーブ24,24と、上記吊下げブロック6の引抜き主ワイヤ用シーブ12,12とには、引抜き主ワイヤ28が2往復掛け回され、その引抜き主ワイヤ28の先端は、上記吊下げブロック6の所要位置に固定されている。
したがって、上記分離ブロック23は動滑車の構造をなし、上記引抜き主ワイヤ28をホイールクレーンBのウインチにより繰り出し、また巻き取ることにより上下動するようになっている。
【0027】
上記分離ブロック23は、固定ピン27,27によって上記主スライドシーブブロック20に固定されている場合には、上記引抜き主ワイヤ28の繰り出しまたは巻き取りにより、その主スライドシーブブロック20とともに、上記リーダ2に沿って上下に摺動する(図1,2等)。
また、主スライドシーブブロック20に固定されていない場合において、上記引抜き主ワイヤ28の繰り出しまたは巻き取りを行うと、その分離ブロック23のみを上下移動させて、これを上記吊下げブロック6に近接または離隔させることができるようになっている(図3,7等)。
【0028】
本発明岩盤破砕ユニットCの構造上最も重要な点は、このように、引抜き主ワイヤ28を掛け回した主ワイヤ用シーブ24,24を分離ブロック23に装架し、その分離ブロック23を主スライドシーブブロック20のブラケット22,22に固定,分離自在にしたことにある。
【0029】
30は、上記主スライドシーブブロック20と同様に、上記リーダ2に、それに沿って上下摺動自在にして、かつ、上記主スライドシーブブロック20の下側に位置させて装架された副スライドシーブブロックである。
この副スライドシーブブロック30は、上記リーダ2の外周に嵌着した円筒状の主体部31の一側に一対のブラケット32,32(一方のみ図示した)を突設するとともに、そのブラケット32,32に、4連の引抜き副ワイヤ用シーブ33……を同軸にして装架している。
【0030】
40は、岩盤に打ち込まれたパワーウェッジpとその打込みを案内するカウンターウェッジとを引き抜き、これらを吊り上げるのに使用する引抜き装置、41は、その引抜き装置40を懸架している引抜き装置側シーブブロックで、それは4連の引抜き副ワイヤ用シーブ42……を同軸にして装架しているものである。
【0031】
上記副スライドシーブブロック30の引抜き副ワイヤ用シーブ33……と、上記引抜き装置側シーブブロック41の引抜き副ワイヤ用シーブ42……とには、引抜き副ワイヤ43が4重に掛け回されており、その引抜き副ワイヤ43の一端は上記主スライドシーブブロック20に固定され、他端は上記引抜き装置側シーブブロック41に固定されている。
【0032】
44は、上記主スライドシーブブロック20外面のブラケット45と、上記副スライドシーブブロック30の外面のブラケット46に上下端を接続して両スライドシーブブロック20,30を、リーダ2に対して一体に摺動させるように連結している鋼製ワイヤー等からなる連結具である。
ただし、その連結具44の上端または下端を上記いずれかのブラケットから取り外して連結を解除すれば、それらスライドシーブブロック20,30は別々に摺動させることができる。
【0033】
上記主,副スライドシーブブロック20,30、引抜き装置側シーブブロック41、引抜き装置40、連結具44等は、上記引抜き機構Eを構成するもので、上記連結具44による連結を解除している場合には、上記副スライドシーブブロック30は、リーダ2の下端の前記フランジ4に当接するところまで摺動下降してその位置に留まり(図示しない)、上記引抜き主ワイヤ28の繰り出しまたは巻き取りを行うと、上記主スライドシーブブロック20および引抜き装置側シーブブロック41が、ともに動滑車として上下移動する。
このとき、ウインチの巻き取り力は、引抜き主ワイヤ用シーブ12,12および24,24により4倍されるとともに、さらに、上記引抜き副ワイヤ用シーブ33……および42……で8倍されるので、上記引抜き装置40はウインチの巻き取り力の32倍の力で吊上げられる。
したがって、この引抜き装置40によって、岩盤に強固に貫入しているパワーウェッジpを引き抜くことができるようになっている。
【0034】
一方、上記連結具44により上記両スライドシーブブロック20,30を連結した場合には、ウインチの巻き取り力は、上記引抜き主ワイヤ用シーブ12,12および24,24により4倍され、上記主,副スライドシーブブロック20,30、上記引抜き装置40、および、その引抜き装置40に懸架されたパワーウェッジpおよびカウンターウェッジを一体に吊り上げことができるようになっている。
【0035】
上記構成からなる本発明岩盤破砕ユニットCを備えた岩盤破砕機Aは、従来の岩盤破砕ユニットaを備えたものと同様、ある位置で行われるパワーウェッジpの岩盤への打込みおよびその引抜きの後、次の打込み場所までの移動走行を、上記岩盤破砕ユニットCをブーム1に吊り下げた状態のままで行うこともできるが、事故防止のため、転倒モーメントを小さくした状態にして走行させるのが好ましい。
そこで、移動走行の際には、以下のようにして当該岩盤破砕ユニットCのリーダ2以下の部分を切り離す。
【0036】
まず、ハンマワイヤ16を繰り出して下部リーダ5の下端からハンマ17を取り出すとともに(図4)、このハンマ17をハンマワイヤ16から取り外して移動用ソリFに乗載する(図5)。
【0037】
次に、上記下部リーダ5の下端を、上記移動用ソリFの、その下部リーダ5の下端を嵌合させる形状にした起伏用傾動台50に嵌合支持させ、ホイールクレーンBを後退させながら当該岩盤破砕ユニットCを傾倒させる(図5,6)。
なお、上記起伏用傾動台50は、ソリ本体51に設けた台座52上のブラケット52’に横架した水平支軸53により、起伏自在に軸支されているものである(図6)。
【0038】
上記岩盤破砕ユニットCを、上記起伏用傾動台50に嵌合支持させながら傾倒させてゆくと、当該岩盤破砕ユニットCは、最終的には上記移動用ソリFの上記起伏用傾動台50および上部支持台55により横倒し状態になって支持される。
【0039】
この状態で上記主スライドシーブブロック20と分離ブロック23とを固定している固定ピン27,27を抜脱するとともに、上記リーダ2と吊下げブロック6とを固定しているボルト14……,ナット15……を外す。
そして、上記ホイールクレーンBを後退させることにより、上記リーダ2と吊下げブロック6(および分離ブロック23)とを簡単かつ迅速に、すなわち、従来と異なりシーブに掛け回されている引抜き主ワイヤ28の処理等を行うことなく切り離すことができる(図7)。
【0040】
なお、その岩盤破砕ユニットCを傾倒させる際には、同時に上記引抜き主ワイヤ28の巻き取りを行う。
すなわち、引抜き主ワイヤ28を巻き取ることにより、上記分離ブロック23の当接面23”を上記吊下げブロック6の主体部8の分離ブロック当接面13’に当接させ、この状態からさらに巻取りを行うと、上記吊下げブロック6および当該分離ブロック23を、上記ピン7を中心に上昇回動させることができるから、岩盤破砕ユニットCの傾倒に合わせて上記吊下げブロック6および分離ブロック23を上昇回動させるようにすれば、上記引抜き主ワイヤ28にたるみが生じることがないし、また、上記リーダ2と吊下げブロック6および分離ブロック23とを切り離したときに、その分離ブロック23が落下するようなこともない。
【0041】
上記のようにして切り離され上記移動用ソリFに乗載された岩盤破砕ユニットCの上記リーダ2以下の部分は、当該移動用ソリFを油圧ショベル等の重機Gで牽引して移動することができる(図8)。
【0042】
そして、上記リーダ2以下の部分を切り離したホイールクレーンBを、そのブーム1を伏倒して、転倒モーメントの小さい状態にして、次の作業場所まで走行移動させる(図9)。したがって、従来のように、起立させたブーム2に岩盤破砕ユニットCを吊り下げた、転倒モーメントの大きい状態のままで走行させなくてよいから、転倒事故の防止が図れる。
【0043】
このように、本発明岩盤破砕ユニットCを備えた岩盤破砕機Aは、岩盤破砕ユニットCのリーダ2以下の部分を簡単に切り離すことができるので、走行移動のたびに切離し作業を行っても工事の進行を遅らせる等のおそれがなく、また、転倒モーメントを小さくした状態で走行移動させるので、転倒の危険性をなくし事故防止、安全性確保に寄与することができる。
【0044】
また移動先で、再びパワーウェッジpの打込みを行うにあたり、上記リーダ2以下の部分を再接合する作業も、以下のようにして簡単かつ迅速に行うことができる。
【0045】
すなわち、上記分離ブロック23の当接面23”すなわち上面を上記吊下げブロック6の主体部8の分離ブロック当接面13’すなわち下面に当接させた状態からさらに引抜き主ワイヤ28を巻き取ることによって、これら吊下げブロック6および分離ブロック23を、上記ピン7を中心に上昇回動させその位置および向きを適宜微調整する。
そして、そのリーダ接合面13をリーダ2の上端部のフランジ3に対向させるとともに、上記分離ブロック23を上記主スライドシーブブロック20のブラケット22,22に対向させる(図7)。
【0046】
続いて、ホイールクレーンBを前進させることで、上記吊下げブロック6、さらに具体的には主体部8の前記リーダ接合面13とリーダ2のフランジ3を接合し、一致させたボルト挿通孔にボルト14……を挿通しナット15……を螺合緊締することにより、あるいは所要のピン等により固定する。
また、そのホイールクレーンBの前進により、同時に主スライドシーブブロック20のブラケット22,22内に分離ブロック23が嵌挿されるので、固定ピン27,27を両者の固定ピン挿通孔25,25、26,26に挿通することによって、あるいはボルト,ナットその他の固定手段によって、当該分離ブロック23をブラケット22,22に簡単に固定できる。
【0047】
これにより、上記吊下げブロック6とリーダ2以下の部分との再接合が完了する。その後、ブーム1によって当該岩盤破砕ユニットCを吊り上げて起立させ、リーダ2内に挿通したハンマワイヤ16をハンマ17に接続することで、パワーウェッジpの打込み作業等が行える状態となる。
【実施例2】
【0048】
図10,11は上記とは別構成の打ち込み機構D’を備えた岩盤破砕ユニットC’を示したものである。
【0049】
この岩盤破砕ユニットC’は、実施例1の岩盤破砕ユニットCとは、打込み機構D’の構造を異にするが、その他の引抜き機構等や吊下げブロック等の構造は同一であるから、以下にはその相違する打込み機構D’についてのみ説明する。
【0050】
60はリーダで、その上端開口部にはハンマワイヤ61を挿通させた支持板62が固定されている。そして、その支持板62の下面、すなわちリーダ60の内腔の上端には円筒状の管体63が固定され、その下縁には、後記のハンマ71を下方に付勢する鋼製のコイルバネからなるバネ機構65が固定されている。
【0051】
66は、上記ハンマワイヤ61によりシーブブロック67を介して動滑車として上下摺動自在に懸架されている自動着脱装置で、それは、ジャッキ等の開閉機構68により開閉自在にした一対の爪69,69からなる把持部70を下端部に備えている。
【0052】
71は、その上面に上記自動着脱装置66の把持部70を受入する受入孔72を穿設したハンマである。その受入孔72にはその内奥部および開口部よりも小径にした縮径部72’が形成されており、その縮径部72’の下側を奥部が拡径した把持部係合面72”としてある。
【0053】
したがって、このハンマ71は、その受入孔72に受入した上記自動着脱装置66の把持部70を開状態とすることで、その爪69,69の外縁69’,69’を把持部係合面72”に係合させ、当該把持部70により吊り上げられるようになっている(図11)。
また、把持部70を閉状態とすることで当該把持部70がその受入孔72内の縮径部72’を通じて入出自在となり落下させることが可能になっている(図10)。
【0054】
このような構成の打込み機構D’によるパワーウェッジpの打撃作業は以下のようにして行われる。
【0055】
すなわち、まず自動着脱装置66の把持部70をハンマ71の受入孔72に嵌挿し、ジャッキ68によりその爪69,69を開状態とすることで、当該ハンマ71を固定する。
この状態でハンマワイヤ61を巻き上げて、自動着脱装置65と共にハンマ67を吊り上げる。
リーダ60の上端まで吊り上げられたハンマ71は、その頭部を上記ばね機構65の下端部に当接させるので、この状態で更にハンマワイヤ61を巻き上げることにより、ばね機構65が圧縮される。ばね機構65の圧縮が限界に達した段階で自動着脱装置66のジヤッキ68を作動させ、その把持部70の爪69,69を閉じると、その瞬間ハンマ71がばね機構65の弾撥力により加速されて急激に落下するようになっている。
【0056】
効率的に岩盤を破砕するために大きな衝撃力でパワーウェッジpを打ち込むには、ハンマを重くするかこれを高くから落下させる必要があるが、単にハンマを重くしたりリーダを高くして落下高さを高くすると、当該装置の転倒モーメントが大きくなってしまう。
そこで、本実施例の打込み機構D’は、ハンマ71をバネ機構65により加速させてパワーウェッジpをより大きな衝撃力で打ち込むようにしたものである。
この打込み機構D’によりパワーウェッジpの打込みを行えば、リーダ60の高さが低くても十分な打撃力を確保することが可能となり、作業時のリーダ60の安定性が確保される。
また、自動着脱装置66にシーブブロック67を装着してこれを動滑車としているから、バネ機構65を圧縮させるためのウインチの吊上げ能力が不足するようなことがない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1に係る岩盤破砕ユニットを備えた岩盤破砕機の側面図である。
【図2】上記岩盤破砕ユニットの要部拡大側面図である。
【図3】そのリーダ以下の部分を切り離した状態の側面図である。
【図4】ハンマーの取外しの様子を示す側面図である。
【図5】上記岩盤破砕ユニットを横倒しにする様子を示す側面図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】切り離したリーダの上端と吊下げブロックとを対向させた状態を示す拡大側面図である。
【図8】切り離したリーダ以下の部分を移動用ソリに乗載して牽引している状態の側面図である。
【図9】ホイールクレーンの移動走行状態を示す側面図である。
【図10】本発明の実施例2に係る岩盤破砕ユニットの打込み機構を示した縦断面図である。
【図11】その要部拡大図である。
【図12】従来の岩盤破砕ユニットの側面図である。
【図13】(a)〜(d)は、岩盤破砕機を適宜移動させながら岩盤の頂部から下方へと破砕を行う岩盤破砕工法の流れを示した工程説明図である。
【符号の説明】
【0058】
A 岩盤破砕機
B,b ホイールクレーン
C,C’,a 岩盤破砕ユニット
D,D’ 打込み機構
E 引抜き機構
F 移動用ソリ
G 重機
p パワーウェッジ
2 リーダ
3 フランジ
6 吊下げブロック
8 主体部
12,24 引抜き主ワイヤ用シーブ
13 リーダ接合面
17 ハンマ
20 主スライドシーブブロック
23 分離ブロック
28 引抜き主ワイヤ
30 副スライドシーブブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンのブームの先端に備えられた吊下げブロックと、パワーウェッジを打撃するハンマを案内する中空筒状のリーダと、そのリーダに沿って上下摺動する主スライドシーブブロックと、同じく上記リーダに沿って上下摺動する、その主スライドシーブブロックの下方に配設された副スライドシーブブロックと、パワーウェッジを引き抜く引抜き装置とからなる岩盤破砕ユニットにおいて、
リーダ(2)と吊下げブロック(6)とが切離し自在に接続されていること、および、上記吊下げブロック(6)に装架した引抜き主ワイヤ用シーブ(12,12)との間に引抜き主ワイヤ(28)を掛け回している引抜き主ワイヤ用シーブ(24,24)を装架した分離ブロック(23)が、主スライドシーブブロック(20)に分離自在に固定されていることを特徴とする岩盤破砕ユニット。
【請求項2】
上記リーダ(2)と上記吊下げブロック(6)とが、前者の上端開口縁のフランジ(3)と後者の主体部(8)の下面のリーダ接合面(13)とを接合させた状態で、所要の固定手段により切離し自在に接続されていることを特徴とする請求項1記載の岩盤破砕ユニット。
【請求項3】
上記分離ブロック(23)が、上面を当接面(23”)とした主体部(23’)内に上記引抜き主ワイヤ用シーブ(24,24)を装架し、かつ、当該主体部(23’)の側面に固定用孔(26,26)を開設してなるとともに、その固定用孔(26,26)を上記主スライドシーブブロック(20)の主体部(21)の一側に突設されたブラケット(22,22)に開設された固定用孔(25,25)に一致させてそこに固定手段(27,27)を挿通することにより、当該ブラケット(22,22)に分離自在に固定されていることを特徴とする請求項1または2記載の岩盤破砕ユニット。
【請求項4】
リーダ(60)が、その内腔上部にハンマ(71)を下方に付勢するバネ機構(65)を備えていること、および、ハンマワイヤ(61)に懸架され上記リーダ(60)内を上下摺動自在にした自動着脱装置(66)が、爪(69,69)を開状態とすることでハンマ(71)を係合させて吊り上げ、また、上記爪(69,69)を閉状態とすることで上記ハンマ(71)を開放して落下させる把持部(70)を備えていることを特徴とする請求項1,2または3記載の岩盤破砕ユニット。
【請求項1】
クレーンのブームの先端に備えられた吊下げブロックと、パワーウェッジを打撃するハンマを案内する中空筒状のリーダと、そのリーダに沿って上下摺動する主スライドシーブブロックと、同じく上記リーダに沿って上下摺動する、その主スライドシーブブロックの下方に配設された副スライドシーブブロックと、パワーウェッジを引き抜く引抜き装置とからなる岩盤破砕ユニットにおいて、
リーダ(2)と吊下げブロック(6)とが切離し自在に接続されていること、および、上記吊下げブロック(6)に装架した引抜き主ワイヤ用シーブ(12,12)との間に引抜き主ワイヤ(28)を掛け回している引抜き主ワイヤ用シーブ(24,24)を装架した分離ブロック(23)が、主スライドシーブブロック(20)に分離自在に固定されていることを特徴とする岩盤破砕ユニット。
【請求項2】
上記リーダ(2)と上記吊下げブロック(6)とが、前者の上端開口縁のフランジ(3)と後者の主体部(8)の下面のリーダ接合面(13)とを接合させた状態で、所要の固定手段により切離し自在に接続されていることを特徴とする請求項1記載の岩盤破砕ユニット。
【請求項3】
上記分離ブロック(23)が、上面を当接面(23”)とした主体部(23’)内に上記引抜き主ワイヤ用シーブ(24,24)を装架し、かつ、当該主体部(23’)の側面に固定用孔(26,26)を開設してなるとともに、その固定用孔(26,26)を上記主スライドシーブブロック(20)の主体部(21)の一側に突設されたブラケット(22,22)に開設された固定用孔(25,25)に一致させてそこに固定手段(27,27)を挿通することにより、当該ブラケット(22,22)に分離自在に固定されていることを特徴とする請求項1または2記載の岩盤破砕ユニット。
【請求項4】
リーダ(60)が、その内腔上部にハンマ(71)を下方に付勢するバネ機構(65)を備えていること、および、ハンマワイヤ(61)に懸架され上記リーダ(60)内を上下摺動自在にした自動着脱装置(66)が、爪(69,69)を開状態とすることでハンマ(71)を係合させて吊り上げ、また、上記爪(69,69)を閉状態とすることで上記ハンマ(71)を開放して落下させる把持部(70)を備えていることを特徴とする請求項1,2または3記載の岩盤破砕ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−299585(P2006−299585A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−120661(P2005−120661)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000231198)日本国土開発株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000231198)日本国土開発株式会社 (51)
【Fターム(参考)】
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