工事中の建物を利用した広告システム及び広告方法
【課題】工事中の建物を覆うシートを活用する広告システム及び広告方法を提供すること
【解決手段】この発明にかかる広告システムは、工事中の建物を利用して広告を行う広告システムであって、建設会社の端末3より送信された工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網6を介して受信し、受信された工事情報を記憶する。そして、広告主の端末4に対して通信網を介して記憶された工事情報を提示する。さらに、工事情報に応じて広告主の端末4より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事にかかる建物を利用して実行される広告に関する情報を受信する。そしてこれらの受信情報を記憶する。
【解決手段】この発明にかかる広告システムは、工事中の建物を利用して広告を行う広告システムであって、建設会社の端末3より送信された工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網6を介して受信し、受信された工事情報を記憶する。そして、広告主の端末4に対して通信網を介して記憶された工事情報を提示する。さらに、工事情報に応じて広告主の端末4より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事にかかる建物を利用して実行される広告に関する情報を受信する。そしてこれらの受信情報を記憶する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、工事中の建物を利用して広告を行う広告システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工事中の建物に組まれた足場を覆うシートには、何も描かれていない場合が殆どであり、非常に殺風景であった。また、描かれていたとしても、「安全第一」等のスローガンや建設会社の会社名等が一部に描かれているに過ぎなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技術においては、工事中の建物を広告に活用することがなかったという問題点があった。
【0004】よって本発明の目的は、工事中の建物を活用して広告を行う広告システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明にかかる広告システムは、工事中の建物を利用して広告を行う広告システムであって、建設会社の端末(例えば図1における建設会社の端末3)より送信された前記工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網(例えば図1における通信網6)を介して受信する工事情報受信手段(例えば図1における制御部11、通信制御部12及び工事情報登録プログラム132)と、前記工事情報受信手段により受信された前記工事情報を記憶する工事情報記憶手段(例えば図1における工事情報記憶部22)と、前記広告を行おうとする広告主の端末(例えば図1における広告主の端末4)に対して通信網を介して前記工事情報記憶手段に記憶された工事情報を提示する工事情報提示手段(例えば図1における制御部11、通信制御部12及び工事情報登録プログラム132)と、前記工事情報提示手段により提示された工事情報に応じて前記広告主の端末より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事にかかる建物を利用して実行される広告に関する情報を受信する広告情報受信手段(例えば図1における制御部11、通信制御部12及び広告登録プログラム134)と、前記広告情報受信手段により受信した工事にかかる建物の選択情報と前記広告情報とを記憶する広告情報記憶手段(例えば図1における広告情報記憶部26)とを備えたものである。このような構成により、建設会社は、単に工事情報を登録するのみで工事中の建物を広告として活用することができ、また、広告主は、広告の場所となる工事中の建物を容易に選択することができる。
【0006】第2の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、さらに、建設会社の端末より送信された工事情報に基づき広告価値を算出し当該広告価値に関する情報を通信網を介して当該建設会社の端末に送信する広告価値算出手段(例えば、図1における制御部11及び広告価値算出プログラム133)を備えたものである。これにより、建設会社は、工事中の建物を広告用に提供した場合にどの程度の広告価値があり、どの程度の収入が見込めるかを事前に把握することができる。
【0007】第3の発明にかかる広告システムは、第2の発明において、さらに通行者に関する情報を記憶する通行者情報記憶手段(例えば、図1における通行者情報記憶部25)を有し、前記広告価値算出手段を、さらに当該通行者情報記憶手段に記憶された通行者情報を参照し、当該工事情報の広告価値を算出するようにしたものである。これにより、通行者の属性や通行人数等の通行者の情報を加味して広告価値を算出するため、より精度良く広告価値を算出することができる。
【0008】第4の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、工事情報提示手段を、前記工事情報記憶手段に記憶された工事情報のうち位置情報に基づいて当該工事にかかる建物の位置を地図上で表示することにより工事情報を提示するようにしたものである。これにより、広告主は容易に広告の場所となる建物を選択することができる。
【0009】第5の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、工事情報提示手段を、工事にかかる建物に面した通りの通行者情報を提示するようにしたものである。これにより、精度良く広告効果を把握することができる。
【0010】第6の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、さらに前記広告情報記憶手段に記憶された工事にかかる建物の選択情報と広告情報に基づき広告料を算出し通信網を介して広告主の端末に送信する広告料算出手段(例えば、図1における制御部11及び広告料算出プログラム135)を備えたものである。これにより、広告主は広告を注文する前に広告料を把握することができ、広告を注文するかどうかの判断に役立てることができる。
【0011】第7の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、前記広告情報記憶手段に記憶された工事にかかる建物の選択情報と広告情報、さらには工事情報記憶手段に記憶された工事情報に基づき広告が実行された場合の状態の画像を合成する広告シミュレート手段(例えば、図1における制御部11及び広告シミュレートプログラム136)をさらに有するものである。これにより、広告主は広告を注文する前に広告がどのように行われるかを認識することができ、広告の効果を事前に把握することができ、広告を注文するかどうかの判断に役立てることができる。
【0012】第8の発明にかかる広告方法は、工事中の建物を利用して広告を行う広告方法であって、建設会社の端末より送信された前記工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網を介して受信するステップと、受信された前記工事情報を記憶するステップと、前記広告を行おうとする広告主の端末に対して通信網を介して記憶された前記工事情報を提示するステップと、前記工事情報に応じて前記広告主の端末より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事中の建物のシートを用いて実行される広告に関する情報を受信するステップと、受信した工事にかかる建物の選択情報と前記広告情報とを記憶するステップとを備えたものである。これにより、建設会社は、単に工事情報を登録するのみで工事中の建物を広告として活用することができ、また、広告主は、広告の場所となる工事中の建物を容易に選択することができる。
【0013】第9の発明にかかる広告方法は、工事中の建物の一部又は全部を覆うシートを用いて広告を行う広告方法であって、広告画像を出力するプロジェクタ(例えば、図16におけるプロジェクタ92)を当該工事中の建物より離れた位置に設置するステップと、前記プロジェクタにより前記シートに対して当該広告画像を投影するステップを有するものである。これにより、静止画のみならず動画を表示させることができ、広告効果が極めて高い。また、1社の広告のみならず、複数社の広告を次々に行うことができるため、一社当りの負担額を減らすことができ、低コストで広告を出したい企業の参加を促進することができる。
【0014】第9の発明にかかる広告方法は、工事中の建物の一部又は全部を覆うシートを用いて広告を行う広告方法であって、広告画像を出力するプロジェクタ(例えば図18におけるプロジェクタ95)を前記シートの内側に設置するステップと、前記プロジェクタにより前記シートの内側から当該広告画像を投影するステップを有するものである。これにより、工事中の建物が設置された領域より外に何等設備を設ける必要なく広告を簡易に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、工事中の建物の一部又は全部を覆うシート等に他社の広告を掲示することを基本的な技術的な思想としている。さらに、本発明では、工事中の建物の一部又は全部を覆うシート等に他社の広告を掲示するビジネスを実行するにあたり効果的なシステムを構築したことを特徴としている。以下、最初に本発明にかかるシステムの全体構成を説明し、続いて当該システムにおける各処理について詳述していく。
【0016】図1は、本発明にかかる広告システムのシステム構成図を示している。この広告システムは、サーバ1及びデータベース2を基本的な構成とする。そして、サーバ1は通信網6を介して建設会社の端末3、広告主の端末4及び広告製作会社5と接続されている。
【0017】サーバ1は、制御部11、通信制御部12、メモリ13等を有している。制御部11は、具体的にはCPU(中央制御装置)により構成され、メモリ13中の各種プログラムに基づいて様々な機能を実行する。通信制御部12は通信網6を介して各端末3、4等と通信を行う機能を有する。メモリ13は情報を記憶するハードディスク、半導体メモリ等により構成され、図に示されるように各種のプログラムを記憶している。このプログラムには、ユーザ登録プログラム131、工事情報登録プログラム132、広告価値算出プログラム133、広告登録プログラム134、広告料算出プログラム135、広告シミュレートプログラム136、広告データ作成プログラム137が含まれる。これらのプログラムは、制御部11により実行され、各種の機能を実現する。
【0018】ユーザ登録プログラム131は、建設会社や広告主がこの広告システムを利用するために必須のユーザ登録に関する処理を実行するプログラムである。工事情報登録プログラム132は、建設会社の端末3から通信網6を介して送信された工事情報を登録する等の処理を実行するプログラムである。広告価値算出プログラム133は、同じく建設会社の端末3から通信網6を介して送信された工事情報や通行者の情報に基づきその広告価値を算出するプログラムである。広告登録プログラム134は、広告主による広告条件の設定、登録に関する処理を実行するプログラムである。広告料算出プログラム135は、広告主が設定した広告条件に基づき広告料を算出するプログラムである。広告シミュレートプログラム136は、広告主が設定した広告条件や工事中の建物の情報に基づき、広告した状態をシミュレーションし表示する表示データを生成するプログラムである。広告データ作成プログラム137は、広告主が設定、登録した広告条件に基づき、実際の広告作成のためのデータを生成するプログラムである。
【0019】データベース2は、WEBページ記憶部21、ユーザ情報記憶部22、工事情報記憶部23、地図情報記憶部24、通行者情報記憶部25、広告情報記憶部26、広告料情報記憶部27等の記憶領域を少なくとも備えている。尚、データベース2は、これらの領域以外の記憶領域を設定してもよい。
【0020】WEBページ記憶部21は、本システムを実行するためのWEBページ情報を記憶している。ユーザ情報記憶部22は、ユーザ登録されたユーザ情報を記憶している。工事情報記憶部23は、建設会社により登録された工事情報を記憶している。地図情報記憶部24は、日本各地の地図に関する情報を記憶している。通行者情報記憶部25は、工事中の建物周辺の通行者の属性、通行量等の情報を記憶している。広告情報記憶部26は、広告主により設定、登録された広告情報等の情報を記憶している。広告料情報記憶部27は、広告料を算出するためのデータを記憶している。
【0021】建設会社の端末3は、建設会社に備え付けられ、通信網6を介してサーバ1との間で情報のやりとりを行なう、例えばパーソナルコンピュータ(PC)である。この端末には少なくともサーバより送信されたHTML(Hyper Text Markup Language)データを受信し、そのディスプレイに表示させる表示データに変換するブラウザがインストールされている。以下に説明する端末は全てブラウザがインストールされている。
【0022】広告主の端末4は、広告主が使用可能な端末であり、通信網6を介してサーバ1との間で情報のやりとりを行なう、例えばパーソナルコンピュータ(PC)である。
【0023】広告製作会社5は、サーバ1から通信網6を介して送信された広告データに基づき広告を製作する。
【0024】通信網6はインターネット、公衆網等の通信網である。
【0025】次に図2に示すフローチャートを用いて本発明にかかる広告システムの全体フローを説明する。個々のステップについては、追って詳述する。
【0026】建設会社及び広告主が本広告システムを利用するためには、ユーザ登録をすることが必要である(S201)。ユーザ登録によりユーザID及びパスワードが付与され、以降、建設会社等が本広告システムにログインする場合に入力する。
【0027】続いて、建設会社は、自己の端末3を用いて、通信網6を介して広告の場所となる工事中の建物に関する情報を登録する(S202)。広告主は、登録された工事情報に基づいて広告の場所となる建物を選択し、さらに種々の広告の条件を設定すること等により広告を登録する(S203)。
【0028】登録された広告の情報に基づき、さらに広告製作用のデータを生成し(S204)、通信網6を介して広告製作会社5に送信する。広告製作会社5は、受信した広告製作用のデータに基づき広告を製作する(S205)。
【0029】製作された広告を実際に工事中の建物の一部又は全部を覆うシートに取り付け、または、投影する等して広告を実行する(S206)。そして、広告主に対して課金を実行し、建設会社に対して、広告主より徴収した広告料の一部を支払う(S207)。支払いは、銀行引き落し、クレジットカード、電子マネー等の種々の決済方法を用いて実行することができる。図2に示すフローには記載されていないが、登録された工事中の建物の面する通りの通行者の情報を別途調査し、その属性、人数等の情報をデータベース2の通行者情報記憶部25に格納しておく。
【0030】次に、図2で示したフローチャートの個々のステップについて詳述する。最初に、図3を用いて建設会社がユーザ登録する場合(図2:S201)を説明する。尚、広告主も同様にしてユーザ登録を実行する。
【0031】ユーザ登録をしようとする建設会社は、当該広告システムのホームページにアクセスする(S301)。サーバ1は、ユーザ登録プログラム131に基づき、当該ホームページをデータベース2のWEBページ記憶部21より読み出し、通信網6を介して建設会社の端末3に送信する(S302)。建設会社の端末3は、当該ホームページにかかる情報を受信し、ブラウザによりそのディスプレイに当該ホームページを表示する。建設会社の担当者等が当該ディスプレイに表示されたホームページのうち、ユーザ登録ページとリンクする部分をクリックする等してユーザ登録ページにアクセスする(S303)。サーバ1は、ユーザ登録プログラム131に基づきユーザ登録ページをWEBページ記憶部21よりユーザ登録ページを読み出し、通信網6を介して建設会社の端末3に送信する(S304)。
【0032】建設会社の端末3のディスプレイに当該ユーザ登録ページが表示される。建設会社の担当者は、当該ユーザ登録ページの空欄に必要な情報を入力する(S305)。必要な情報には、建設会社の会社名、住所、電話番号、担当者の氏名及び電子メール、広告料金の振込み銀行口座等が含まれる。尚、広告主のユーザ登録の場合には、広告料金の振込み銀行口座に代えて広告料金の決済方法に関する情報が含まれる。建設会社が入力した情報は、例えば、ユーザ登録ページ中の送信ボタンをクリックすることにより、通信網6を介してサーバ1に送信される(S306)。サーバ1は、ユーザ登録プログラム131により、当該入力情報をユーザ情報記憶部22に格納する(S307)。サーバは、ユーザ登録プログラム131に基づき、ユーザ登録を実行した建設会社に対してユーザID及びパスワードを割り振り、ユーザ情報記憶部22に入力情報と関連付けて格納する。また、ユーザID及びパスワードは、サーバ1より通信網6を介して建設会社の端末3に送信される(S308)。尚、このフローでは、ユーザ登録に際して、登録料は不要であるとしたが、登録料を有料とすることも可能である。その場合には、登録料の納付をもってユーザ登録完了とし、ユーザID及びパスワードを送信するようにしてもよい。
【0033】続いて、工事情報の登録(図2:S202)について、図4を用いて説明する。ここで、登録される工事情報は、広告を行うことが可能な建物であり、現在、工事中の建物及び将来工事する予定のある建物に関する情報である。特に工事の種類は問われないが、建物の外側に足場を組み、シートで覆う必要がある工事であることが原則である。最初に建設会社の担当者が自己の端末3を用いて登録ページにアクセスする(S401)。サーバ1は工事情報登録プログラム132を起動し、WEBページ記憶部21より登録ページを読み出し、通信網6を介して建設会社の端末3に対して送信する(S402)。登録ページは、建設会社の端末3のディスプレイに表示される。図5に登録ページの画面表示例を示す。この例では、広告として用いることが可能な工事中の建物の情報を入力することを促すメッセージを表示させている。具体的には、「住所」、「建物名」、「建物の構造」、「広告可能な建物の壁面の面積」、「広告可能な建物の壁面が面した通りの名前」、「工事期間」を入力するよう設定されている。これらの情報のうち、「建築物の構造」には、例えば「鉄筋6階建て」のように入力する。建設会社の担当者は、登録ページにより工事に関する情報を入力する(S403)。入力内容を消去する場合には、キャンセルボタンをクリックする。また、入力が完了した場合は、入力完了ボタンをクリックする。入力完了ボタンのクリックに応じて、工事情報は通信網6を介してサーバ1に送信される(S404)。その他、建物の画像データをこの時点でサーバ1に対して送信するようにしてもよい。送信した画像データは工事情報記憶部23に格納される。尚、この建物の画像データは本システムの運営者側で撮影することにより工事情報記憶部23に格納することも可能である。
【0034】サーバ1は、工事情報登録プログラム132により、受信した工事情報を一旦工事情報記憶部23に格納する(S405)。さらにサーバ1は、広告価値算出プログラム133を起動し、工事情報記憶部23に格納された工事情報及び/又は通行者情報記憶部25に記憶された通行者情報に基づいて広告価値の算出を実行する(S406)。尚、広告価値を算出するために工事情報と広告価値情報を関連付けたテーブルを設け、当該テーブルを用いて広告価値を算出するようにしてもよい。また、工事情報の各条件に係数をもたせてその係数を加味した算式に係数を代入することにより算出してもよい。広告価値は、人通りが激しい通りに面した建物は高く、また裏通りに面した建物は低いような結果がでる。
【0035】そして、サーバ1は、広告価値算出プログラム133に従い、広告価値の算出結果を通信網6を介して建設会社の端末3に対して送信する(S407)。広告価値の算出結果を示すWEBページの例を図6に示す。この例では、入力した工事中の建物の広告価値のランクはBであることが示され、またその基本料金が1ヶ月当り20万円であることが示されている。この基本料金は、仮に広告主が現れ、基本となる広告パターンで1ヶ月間広告を実行した場合に、工事中の建物を提供した建設会社に対して支払われる広告料の額を示している。同一画面上には、工事中の建物をシステムに登録するかどうかのメッセージが表示されており、登録するか、登録しないかの選択を促している。登録する場合には登録ボタンをクリックし、登録しない場合には登録しないと表示されたボタンをクリックする。さらに、前にページに戻る場合、次の案件を入力する場合、終了する場合には、各々その旨が表示されたボタンをクリックする。
【0036】登録ボタンがクリックされた場合には、登録を選択した旨の通知が通信網6を介してサーバ1に対して送信される(S408)。サーバ1は、当該通知を受信し、本件に関する工事情報の登録を完了とする(S409)。例えば、工事情報記憶部23に、登録完了を示すフラグ領域を設け、そのフラグ領域に「1」を格納する。工事情報の登録が完了した場合にサーバ1は工事情報登録プログラム132により登録番号を当該工事案件に割り振り、通信網6を介して建設会社の端末3に送信する(S410)。当該登録番号は、工事案件毎に固有の番号又は記号が割り振られる。
【0037】次に、広告の登録ステップ(図2:S203)について図7のフローチャートを用いて説明する。最初に広告主が自己の端末4を用いて広告登録ページにアクセスする(S701)。サーバ1は、広告登録プログラムを起動し、WEBページ記憶部21より当該広告登録ページを読み出し、通信網6を介して広告主の端末4に対して送信する(S702)。広告登録ページの例を、図8に示す。この例では、まず広告を表示する工事中の建物の検索方法を選択することを促すメッセージが表示されている。当該検索方法には、地図による検索、地名による検索、広告方法による検索の3つが用意されている。各々の選択肢の画面右横の選択ボタンをクリックすることによりいずれかの選択肢を選ぶことができる(S703)。この例では地図による検索を選択したものとして以下説明する。
【0038】地図による検索の選択情報を通信網6を介してサーバ1が受信すると、広告登録プログラムに従い、地図検索ページをサーバ1から通信網6を介して広告主の端末4に送信する(S704)。地図検索ページの画面表示例を図9に示す。この例では、日本全体が表示され、特定の地域をクリックすることを促すメッセージを表示している。特定の地域を選択する(S705)と、選択情報がサーバ1に送信される。
【0039】サーバ1は当該広告登録プログラムに従い、地図詳細ページを地図情報記憶部24に格納された地図情報と工事情報記憶部23に記憶された工事情報の位置情報を合成して地図詳細ページを生成し、通信網6を介して広告主の端末4に対して送信する。地図詳細ページの画面表示例を図10に示す。この例では、詳細な地図に工事中の建物の位置が表示されている。尚、この例では、図9に示す日本地図より図10に示す詳細地域の地図に移行することとしたが、これに限らず、日本地図より関東、中部、関西等の領域を選択し、さらに県を選択し、そして市を選択するというように段階的に領域を限定することも可能である。
【0040】広告主は、自己の端末4のディスプレイに表示された地図詳細ページより特定の工事中の建物を選択する。この例では、まず工事中の建物Aをクリックしたとする。工事中の建物Aをクリックすると、その情報が通信網6を介してサーバ1に送信される。サーバ1は、広告登録プログラム134により工事中の建物Aにかかる情報を工事情報記憶部23より読み出し、WEBページとして広告主の端末4に対して送信する(S708)。当該WEBページの例を図11に示す。この例では、住所、建物等、図5に示す工事情報登録ページにより登録した情報が表示されている。このうち壁面の面した通りの欄で「詳細を見る」と表示されたボタンをクリックすると、当該通りの通行者の情報が通行者情報記憶部25より読み出され表示される。これにより、広告の効果を事前に把握することができる。特にこの通行者の情報には、通行人数の他、性別、年齢等の通行者の属性情報が含まれるため、広告の効果をより正確に把握することができる。
【0041】広告主は、さらに当該WEBページの戻るボタンをクリックし地図詳細ページを表示させた後に工事中の建物Bをクリックしたとする(S709)。この場合、広告主の端末4から通信網6を介してサーバ1に対して工事中の建物Bをクリックした旨の情報が送信される。サーバ1は、当該情報を受信し、広告登録プログラム134により工事中の建物Bにかかる情報を工事情報記憶部23より読み出し、WEBページとして広告主の端末4に対して送信する(S710)。広告主は、当該WEBページを見て、この案件の選択を確定する場合には、「選択を確定する」と表示されたボタンをクリックする。
【0042】「選択を確定する」と表示されたボタンをクリックすると、その旨の情報がサーバ1に対して送信され(S711)、広告の詳細設定ページがサーバ1より広告主の端末4に対して送信される(S712)。広告の詳細設定ページの例を図12に示す。この例では、広告の種類、広告の期間、広告の形、広告の大きさを入力することとしている。広告の種類には、例えば、「シートに印刷する」、「シートに垂れ幕を設ける」、「シートに対して正面からプロジェクタにより照射する」、「シートに対して背面からプロジェクタに照射する」、「レーザ光線により広告を表示する」、「液晶パネル付きのシートにより表示する」等といった選択肢が含まれる。広告の期間は、開始日と終了日により特定する。広告の形には、例えば「正方形」、「長方形」等が含まれる。広告の詳細設定に関する情報を入力した場合に、送信ボタンをクリックすると、入力情報が広告主の端末4からサーバ1に対して送信される(S713)。
【0043】サーバ1は、広告登録プログラム134に従い、受信した入力情報を広告情報記憶部26に格納する(S714)。そして、サーバ1は、広告データの入力フォームを広告主の端末4に送信する(S715)。広告主は当該入力フォームを用いて広告のデータを通信網6を介してサーバ1に対して電子メールにより送信する(S716)。当該広告データは、例えば広告内容を表示する画像データであり、静止画像データの場合の他、プロジェクタにより広告する場合には動画像データの場合もある。
【0044】サーバ1は、広告登録プログラム134に従い、受信した広告データを広告情報記憶部26に格納する(S717)。この格納した広告データは広告主のユーザID及び工事案件の登録番号と関連付けられている。
【0045】さらに、サーバ1は、広告料算出プログラム135を起動させ、図12に示す広告詳細設定ページにおいて入力され広告情報記憶部26に格納された設定情報、通行者情報記憶部25に記憶された通行者情報の情報に基づいて、広告料情報記憶部27に記憶されたテーブルを参照し広告料を算出する(S718)。このテーブルには、工事中の建物の情報、広告の設定情報、通行者情報等の因子と広告料金とが関連付けられている。尚、広告料の算出は、広告の設定情報のみに基づき行う簡易な方法でもよい。また、テーブルを用いず、各因子に係数を割り当て、所定の算式により広告料を算出するようにしてもよい。算出された広告料はWEBページにより広告主の端末4に対して送信される(S719)。算出された広告料を表示するWEBページの画面表示例を図13に示す。この例では、広告料の総額と選択した広告の内容が表示されている。そして、広告の注文を問うメッセージが表示されており、注文する場合には注文ボタンをクリックし、キャンセルする場合にはキャンセルボタンをクリックし、広告のシミュレーションを実行する場合にはシミュレーションすると表示されたボタンをクリックすることとしている。
【0046】シミュレーションすると表示されたボタンをクリックすると、その旨の通知が広告主の端末4からサーバ1に対して送信される(S720)。サーバ1は、広告シミュレートプログラム136を起動する。サーバ1は、広告シミュレートプログラム136に従い、広告データを広告情報記憶部26より読み出すとともに工事中の建物の画像データを工事情報記憶部23により読み出す。そして、サーバ1は、これらの広告データと画像データを合成し、シミュレーション画像データを生成する(S721)。そして、サーバ1は、広告シミュレートプログラム136により生成したシミュレーション画像データを通信網6を介して広告主の端末4に送信する(S722)。広告主の端末4では、受信したシミュレーション画像データに基づき、ディスプレイにシミュレーション画像を表示する(S723)。シミュレーション画像の表示例を図14に示す。この例では、工事中のビルの通りに面した壁面を覆うシートに「XYチョコ新発売」と描かれたシートが取り付けられている。このように広告効果を画面により確認することができ、広告の大きさ、広告の方法、広告場所等の様々なファクターの変更を検討することが可能になる。このシミュレーション画像は、拡大ボタンをクリックすることにより拡大表示することができ、また縮小ボタンをクリックすることにより縮小表示することができる。また広告の部分をドラックすることにより広告の位置の変更も可能であり、その広告の大きさも変更することもできる。尚、この例では示していないが、3D表示技術を用いることにより、視点を変更することができる。戻るボタンをクリックすると、図13に示す画面が表示される。ここで注文ボタンをクリックすると、注文が確定し(S724)、注文情報が通信網6を介してサーバ1に対して送信される。サーバ1は当該注文情報を受信し、注文を確定させる情報を広告情報記憶部26に格納する(S725)。
【0047】続いて、広告(図2:S206)について説明する。広告の方法は様々な手法がある。具体例を図1515、図16、図17、図18を用いて説明する。
【0048】図15に示す広告方法は、垂れ幕状のシートを用いた例である。工事中の建物を覆う網状のシート72に垂れ幕上のシート91が四隅に設けられた固定具により取り付けられている。シート91には広告として「XYビール新発売!!」と描かれている。図15に示す広告の方法は、所定の大きさのシートに広告の内容を印刷し、取り付けるだけであり、コスト上有利な方法である。
【0049】図16に示す広告方法は、他のビルよりプロジェクタによりシート上に広告画像を表示するものである。プロジェクタは、高出力の光源を用い、動画像若しくは静止画像を表示する。画像はカラー画像でも白黒画像でも可能である。図において、7は工事中のビル、71は工事中のビルに備え付けられた足場、72は足場を覆うシートである。また、8は工事中のビル7に隣接するビル、92はプロジェクタであり、隣接ビル8の屋上の備えられている。この場合、シート72は白色若しくは白色に近い色であることが好ましい。画像を鮮明に映し出すことが可能となるからである。広告は画像全体で行われなくともよい。例えば、画像の一部を広告とし、その他はテレビ画像とすることも可能である。図16R>6に示す広告方法では、静止画のみならず動画を表示させることができ、広告効果が極めて高い。また、1社の広告のみならず、複数社の広告を次々に行うことができるため、一社当りの負担額を減らすことができ、低コストで広告を出したい企業の参加を促進することができる。
【0050】図17に示す広告方法は、工事中のビルの屋上に設けたレーザ光線発生装置よりレーザ光線を出力し、広告画像を空間に表示するものである。図17において93及び94はレーザ光線発生装置であり、工事中のビルの屋上に設置されている。この方法によれば、レーザ光線という広告効果の高い方法を用いることができる他、工事中のビルに設置すればよいため、実現性が高い。
【0051】図18に示す広告方法は、工事中のビルに設置された足場に取り付けられたシートの内側からプロジェクタにより広告画像を表示させるものである。シートの内側から照射された画像は、シートの外側からも認識できるように、シートは、半透明なものを用いている。当該シートにおいて画像表示をより鮮明にするために、通常背面投射型ディスプレイで使用されるフレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズシートを組み合せた部分をシートに埋め込むことも可能である。
【0052】尚、図示した広告方法以外にも、シート全体に印刷するようにしてもよい。また、液晶パネル自体をシートに取り付け、表示することも可能である。
【0053】上述の例において、広告は必ずしも商品、サービスの広告に限定されず、イベント開催の告知、政府広報等、様々な種類の広告が含まれる。
【0054】
【発明の効果】本発明により、工事中の建物を覆うシートを活用する広告システム及び広告方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における広告システム全体の構成を示す図である。
【図2】本発明における広告システムの処理フローを示すフローチャートである。
【図3】本発明における広告システムの処理フローを示すフローチャートである。
【図4】本発明における広告システムの処理フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図6】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図7】本発明における広告システムの処理フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図9】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図10】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図11】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図12】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図13】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図14】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図15】本発明にかかる広告システムにおける広告方法の説明図である。
【図16】本発明にかかる広告システムにおける広告方法の説明図である。
【図17】本発明にかかる広告システムにおける広告方法の説明図である。
【図18】本発明にかかる広告システムにおける広告方法の説明図である。
【符号の説明】
1 サーバ 2 データベース 3 建設会社の端末 4 広告主の端末
5 広告制作会社 6 通信網 11 制御部 12 通信制御部
13 メモリ 131 ユーザ登録プログラム
132 工事情報登録プログラム 133 広告価値算出プログラム
134 広告登録プログラム 135 広告料算出プログラム
136 広告シミュレートプログラム 137 広告データ作成プログラム
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、工事中の建物を利用して広告を行う広告システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、工事中の建物に組まれた足場を覆うシートには、何も描かれていない場合が殆どであり、非常に殺風景であった。また、描かれていたとしても、「安全第一」等のスローガンや建設会社の会社名等が一部に描かれているに過ぎなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技術においては、工事中の建物を広告に活用することがなかったという問題点があった。
【0004】よって本発明の目的は、工事中の建物を活用して広告を行う広告システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明にかかる広告システムは、工事中の建物を利用して広告を行う広告システムであって、建設会社の端末(例えば図1における建設会社の端末3)より送信された前記工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網(例えば図1における通信網6)を介して受信する工事情報受信手段(例えば図1における制御部11、通信制御部12及び工事情報登録プログラム132)と、前記工事情報受信手段により受信された前記工事情報を記憶する工事情報記憶手段(例えば図1における工事情報記憶部22)と、前記広告を行おうとする広告主の端末(例えば図1における広告主の端末4)に対して通信網を介して前記工事情報記憶手段に記憶された工事情報を提示する工事情報提示手段(例えば図1における制御部11、通信制御部12及び工事情報登録プログラム132)と、前記工事情報提示手段により提示された工事情報に応じて前記広告主の端末より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事にかかる建物を利用して実行される広告に関する情報を受信する広告情報受信手段(例えば図1における制御部11、通信制御部12及び広告登録プログラム134)と、前記広告情報受信手段により受信した工事にかかる建物の選択情報と前記広告情報とを記憶する広告情報記憶手段(例えば図1における広告情報記憶部26)とを備えたものである。このような構成により、建設会社は、単に工事情報を登録するのみで工事中の建物を広告として活用することができ、また、広告主は、広告の場所となる工事中の建物を容易に選択することができる。
【0006】第2の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、さらに、建設会社の端末より送信された工事情報に基づき広告価値を算出し当該広告価値に関する情報を通信網を介して当該建設会社の端末に送信する広告価値算出手段(例えば、図1における制御部11及び広告価値算出プログラム133)を備えたものである。これにより、建設会社は、工事中の建物を広告用に提供した場合にどの程度の広告価値があり、どの程度の収入が見込めるかを事前に把握することができる。
【0007】第3の発明にかかる広告システムは、第2の発明において、さらに通行者に関する情報を記憶する通行者情報記憶手段(例えば、図1における通行者情報記憶部25)を有し、前記広告価値算出手段を、さらに当該通行者情報記憶手段に記憶された通行者情報を参照し、当該工事情報の広告価値を算出するようにしたものである。これにより、通行者の属性や通行人数等の通行者の情報を加味して広告価値を算出するため、より精度良く広告価値を算出することができる。
【0008】第4の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、工事情報提示手段を、前記工事情報記憶手段に記憶された工事情報のうち位置情報に基づいて当該工事にかかる建物の位置を地図上で表示することにより工事情報を提示するようにしたものである。これにより、広告主は容易に広告の場所となる建物を選択することができる。
【0009】第5の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、工事情報提示手段を、工事にかかる建物に面した通りの通行者情報を提示するようにしたものである。これにより、精度良く広告効果を把握することができる。
【0010】第6の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、さらに前記広告情報記憶手段に記憶された工事にかかる建物の選択情報と広告情報に基づき広告料を算出し通信網を介して広告主の端末に送信する広告料算出手段(例えば、図1における制御部11及び広告料算出プログラム135)を備えたものである。これにより、広告主は広告を注文する前に広告料を把握することができ、広告を注文するかどうかの判断に役立てることができる。
【0011】第7の発明にかかる広告システムは、第1の発明において、前記広告情報記憶手段に記憶された工事にかかる建物の選択情報と広告情報、さらには工事情報記憶手段に記憶された工事情報に基づき広告が実行された場合の状態の画像を合成する広告シミュレート手段(例えば、図1における制御部11及び広告シミュレートプログラム136)をさらに有するものである。これにより、広告主は広告を注文する前に広告がどのように行われるかを認識することができ、広告の効果を事前に把握することができ、広告を注文するかどうかの判断に役立てることができる。
【0012】第8の発明にかかる広告方法は、工事中の建物を利用して広告を行う広告方法であって、建設会社の端末より送信された前記工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網を介して受信するステップと、受信された前記工事情報を記憶するステップと、前記広告を行おうとする広告主の端末に対して通信網を介して記憶された前記工事情報を提示するステップと、前記工事情報に応じて前記広告主の端末より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事中の建物のシートを用いて実行される広告に関する情報を受信するステップと、受信した工事にかかる建物の選択情報と前記広告情報とを記憶するステップとを備えたものである。これにより、建設会社は、単に工事情報を登録するのみで工事中の建物を広告として活用することができ、また、広告主は、広告の場所となる工事中の建物を容易に選択することができる。
【0013】第9の発明にかかる広告方法は、工事中の建物の一部又は全部を覆うシートを用いて広告を行う広告方法であって、広告画像を出力するプロジェクタ(例えば、図16におけるプロジェクタ92)を当該工事中の建物より離れた位置に設置するステップと、前記プロジェクタにより前記シートに対して当該広告画像を投影するステップを有するものである。これにより、静止画のみならず動画を表示させることができ、広告効果が極めて高い。また、1社の広告のみならず、複数社の広告を次々に行うことができるため、一社当りの負担額を減らすことができ、低コストで広告を出したい企業の参加を促進することができる。
【0014】第9の発明にかかる広告方法は、工事中の建物の一部又は全部を覆うシートを用いて広告を行う広告方法であって、広告画像を出力するプロジェクタ(例えば図18におけるプロジェクタ95)を前記シートの内側に設置するステップと、前記プロジェクタにより前記シートの内側から当該広告画像を投影するステップを有するものである。これにより、工事中の建物が設置された領域より外に何等設備を設ける必要なく広告を簡易に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、工事中の建物の一部又は全部を覆うシート等に他社の広告を掲示することを基本的な技術的な思想としている。さらに、本発明では、工事中の建物の一部又は全部を覆うシート等に他社の広告を掲示するビジネスを実行するにあたり効果的なシステムを構築したことを特徴としている。以下、最初に本発明にかかるシステムの全体構成を説明し、続いて当該システムにおける各処理について詳述していく。
【0016】図1は、本発明にかかる広告システムのシステム構成図を示している。この広告システムは、サーバ1及びデータベース2を基本的な構成とする。そして、サーバ1は通信網6を介して建設会社の端末3、広告主の端末4及び広告製作会社5と接続されている。
【0017】サーバ1は、制御部11、通信制御部12、メモリ13等を有している。制御部11は、具体的にはCPU(中央制御装置)により構成され、メモリ13中の各種プログラムに基づいて様々な機能を実行する。通信制御部12は通信網6を介して各端末3、4等と通信を行う機能を有する。メモリ13は情報を記憶するハードディスク、半導体メモリ等により構成され、図に示されるように各種のプログラムを記憶している。このプログラムには、ユーザ登録プログラム131、工事情報登録プログラム132、広告価値算出プログラム133、広告登録プログラム134、広告料算出プログラム135、広告シミュレートプログラム136、広告データ作成プログラム137が含まれる。これらのプログラムは、制御部11により実行され、各種の機能を実現する。
【0018】ユーザ登録プログラム131は、建設会社や広告主がこの広告システムを利用するために必須のユーザ登録に関する処理を実行するプログラムである。工事情報登録プログラム132は、建設会社の端末3から通信網6を介して送信された工事情報を登録する等の処理を実行するプログラムである。広告価値算出プログラム133は、同じく建設会社の端末3から通信網6を介して送信された工事情報や通行者の情報に基づきその広告価値を算出するプログラムである。広告登録プログラム134は、広告主による広告条件の設定、登録に関する処理を実行するプログラムである。広告料算出プログラム135は、広告主が設定した広告条件に基づき広告料を算出するプログラムである。広告シミュレートプログラム136は、広告主が設定した広告条件や工事中の建物の情報に基づき、広告した状態をシミュレーションし表示する表示データを生成するプログラムである。広告データ作成プログラム137は、広告主が設定、登録した広告条件に基づき、実際の広告作成のためのデータを生成するプログラムである。
【0019】データベース2は、WEBページ記憶部21、ユーザ情報記憶部22、工事情報記憶部23、地図情報記憶部24、通行者情報記憶部25、広告情報記憶部26、広告料情報記憶部27等の記憶領域を少なくとも備えている。尚、データベース2は、これらの領域以外の記憶領域を設定してもよい。
【0020】WEBページ記憶部21は、本システムを実行するためのWEBページ情報を記憶している。ユーザ情報記憶部22は、ユーザ登録されたユーザ情報を記憶している。工事情報記憶部23は、建設会社により登録された工事情報を記憶している。地図情報記憶部24は、日本各地の地図に関する情報を記憶している。通行者情報記憶部25は、工事中の建物周辺の通行者の属性、通行量等の情報を記憶している。広告情報記憶部26は、広告主により設定、登録された広告情報等の情報を記憶している。広告料情報記憶部27は、広告料を算出するためのデータを記憶している。
【0021】建設会社の端末3は、建設会社に備え付けられ、通信網6を介してサーバ1との間で情報のやりとりを行なう、例えばパーソナルコンピュータ(PC)である。この端末には少なくともサーバより送信されたHTML(Hyper Text Markup Language)データを受信し、そのディスプレイに表示させる表示データに変換するブラウザがインストールされている。以下に説明する端末は全てブラウザがインストールされている。
【0022】広告主の端末4は、広告主が使用可能な端末であり、通信網6を介してサーバ1との間で情報のやりとりを行なう、例えばパーソナルコンピュータ(PC)である。
【0023】広告製作会社5は、サーバ1から通信網6を介して送信された広告データに基づき広告を製作する。
【0024】通信網6はインターネット、公衆網等の通信網である。
【0025】次に図2に示すフローチャートを用いて本発明にかかる広告システムの全体フローを説明する。個々のステップについては、追って詳述する。
【0026】建設会社及び広告主が本広告システムを利用するためには、ユーザ登録をすることが必要である(S201)。ユーザ登録によりユーザID及びパスワードが付与され、以降、建設会社等が本広告システムにログインする場合に入力する。
【0027】続いて、建設会社は、自己の端末3を用いて、通信網6を介して広告の場所となる工事中の建物に関する情報を登録する(S202)。広告主は、登録された工事情報に基づいて広告の場所となる建物を選択し、さらに種々の広告の条件を設定すること等により広告を登録する(S203)。
【0028】登録された広告の情報に基づき、さらに広告製作用のデータを生成し(S204)、通信網6を介して広告製作会社5に送信する。広告製作会社5は、受信した広告製作用のデータに基づき広告を製作する(S205)。
【0029】製作された広告を実際に工事中の建物の一部又は全部を覆うシートに取り付け、または、投影する等して広告を実行する(S206)。そして、広告主に対して課金を実行し、建設会社に対して、広告主より徴収した広告料の一部を支払う(S207)。支払いは、銀行引き落し、クレジットカード、電子マネー等の種々の決済方法を用いて実行することができる。図2に示すフローには記載されていないが、登録された工事中の建物の面する通りの通行者の情報を別途調査し、その属性、人数等の情報をデータベース2の通行者情報記憶部25に格納しておく。
【0030】次に、図2で示したフローチャートの個々のステップについて詳述する。最初に、図3を用いて建設会社がユーザ登録する場合(図2:S201)を説明する。尚、広告主も同様にしてユーザ登録を実行する。
【0031】ユーザ登録をしようとする建設会社は、当該広告システムのホームページにアクセスする(S301)。サーバ1は、ユーザ登録プログラム131に基づき、当該ホームページをデータベース2のWEBページ記憶部21より読み出し、通信網6を介して建設会社の端末3に送信する(S302)。建設会社の端末3は、当該ホームページにかかる情報を受信し、ブラウザによりそのディスプレイに当該ホームページを表示する。建設会社の担当者等が当該ディスプレイに表示されたホームページのうち、ユーザ登録ページとリンクする部分をクリックする等してユーザ登録ページにアクセスする(S303)。サーバ1は、ユーザ登録プログラム131に基づきユーザ登録ページをWEBページ記憶部21よりユーザ登録ページを読み出し、通信網6を介して建設会社の端末3に送信する(S304)。
【0032】建設会社の端末3のディスプレイに当該ユーザ登録ページが表示される。建設会社の担当者は、当該ユーザ登録ページの空欄に必要な情報を入力する(S305)。必要な情報には、建設会社の会社名、住所、電話番号、担当者の氏名及び電子メール、広告料金の振込み銀行口座等が含まれる。尚、広告主のユーザ登録の場合には、広告料金の振込み銀行口座に代えて広告料金の決済方法に関する情報が含まれる。建設会社が入力した情報は、例えば、ユーザ登録ページ中の送信ボタンをクリックすることにより、通信網6を介してサーバ1に送信される(S306)。サーバ1は、ユーザ登録プログラム131により、当該入力情報をユーザ情報記憶部22に格納する(S307)。サーバは、ユーザ登録プログラム131に基づき、ユーザ登録を実行した建設会社に対してユーザID及びパスワードを割り振り、ユーザ情報記憶部22に入力情報と関連付けて格納する。また、ユーザID及びパスワードは、サーバ1より通信網6を介して建設会社の端末3に送信される(S308)。尚、このフローでは、ユーザ登録に際して、登録料は不要であるとしたが、登録料を有料とすることも可能である。その場合には、登録料の納付をもってユーザ登録完了とし、ユーザID及びパスワードを送信するようにしてもよい。
【0033】続いて、工事情報の登録(図2:S202)について、図4を用いて説明する。ここで、登録される工事情報は、広告を行うことが可能な建物であり、現在、工事中の建物及び将来工事する予定のある建物に関する情報である。特に工事の種類は問われないが、建物の外側に足場を組み、シートで覆う必要がある工事であることが原則である。最初に建設会社の担当者が自己の端末3を用いて登録ページにアクセスする(S401)。サーバ1は工事情報登録プログラム132を起動し、WEBページ記憶部21より登録ページを読み出し、通信網6を介して建設会社の端末3に対して送信する(S402)。登録ページは、建設会社の端末3のディスプレイに表示される。図5に登録ページの画面表示例を示す。この例では、広告として用いることが可能な工事中の建物の情報を入力することを促すメッセージを表示させている。具体的には、「住所」、「建物名」、「建物の構造」、「広告可能な建物の壁面の面積」、「広告可能な建物の壁面が面した通りの名前」、「工事期間」を入力するよう設定されている。これらの情報のうち、「建築物の構造」には、例えば「鉄筋6階建て」のように入力する。建設会社の担当者は、登録ページにより工事に関する情報を入力する(S403)。入力内容を消去する場合には、キャンセルボタンをクリックする。また、入力が完了した場合は、入力完了ボタンをクリックする。入力完了ボタンのクリックに応じて、工事情報は通信網6を介してサーバ1に送信される(S404)。その他、建物の画像データをこの時点でサーバ1に対して送信するようにしてもよい。送信した画像データは工事情報記憶部23に格納される。尚、この建物の画像データは本システムの運営者側で撮影することにより工事情報記憶部23に格納することも可能である。
【0034】サーバ1は、工事情報登録プログラム132により、受信した工事情報を一旦工事情報記憶部23に格納する(S405)。さらにサーバ1は、広告価値算出プログラム133を起動し、工事情報記憶部23に格納された工事情報及び/又は通行者情報記憶部25に記憶された通行者情報に基づいて広告価値の算出を実行する(S406)。尚、広告価値を算出するために工事情報と広告価値情報を関連付けたテーブルを設け、当該テーブルを用いて広告価値を算出するようにしてもよい。また、工事情報の各条件に係数をもたせてその係数を加味した算式に係数を代入することにより算出してもよい。広告価値は、人通りが激しい通りに面した建物は高く、また裏通りに面した建物は低いような結果がでる。
【0035】そして、サーバ1は、広告価値算出プログラム133に従い、広告価値の算出結果を通信網6を介して建設会社の端末3に対して送信する(S407)。広告価値の算出結果を示すWEBページの例を図6に示す。この例では、入力した工事中の建物の広告価値のランクはBであることが示され、またその基本料金が1ヶ月当り20万円であることが示されている。この基本料金は、仮に広告主が現れ、基本となる広告パターンで1ヶ月間広告を実行した場合に、工事中の建物を提供した建設会社に対して支払われる広告料の額を示している。同一画面上には、工事中の建物をシステムに登録するかどうかのメッセージが表示されており、登録するか、登録しないかの選択を促している。登録する場合には登録ボタンをクリックし、登録しない場合には登録しないと表示されたボタンをクリックする。さらに、前にページに戻る場合、次の案件を入力する場合、終了する場合には、各々その旨が表示されたボタンをクリックする。
【0036】登録ボタンがクリックされた場合には、登録を選択した旨の通知が通信網6を介してサーバ1に対して送信される(S408)。サーバ1は、当該通知を受信し、本件に関する工事情報の登録を完了とする(S409)。例えば、工事情報記憶部23に、登録完了を示すフラグ領域を設け、そのフラグ領域に「1」を格納する。工事情報の登録が完了した場合にサーバ1は工事情報登録プログラム132により登録番号を当該工事案件に割り振り、通信網6を介して建設会社の端末3に送信する(S410)。当該登録番号は、工事案件毎に固有の番号又は記号が割り振られる。
【0037】次に、広告の登録ステップ(図2:S203)について図7のフローチャートを用いて説明する。最初に広告主が自己の端末4を用いて広告登録ページにアクセスする(S701)。サーバ1は、広告登録プログラムを起動し、WEBページ記憶部21より当該広告登録ページを読み出し、通信網6を介して広告主の端末4に対して送信する(S702)。広告登録ページの例を、図8に示す。この例では、まず広告を表示する工事中の建物の検索方法を選択することを促すメッセージが表示されている。当該検索方法には、地図による検索、地名による検索、広告方法による検索の3つが用意されている。各々の選択肢の画面右横の選択ボタンをクリックすることによりいずれかの選択肢を選ぶことができる(S703)。この例では地図による検索を選択したものとして以下説明する。
【0038】地図による検索の選択情報を通信網6を介してサーバ1が受信すると、広告登録プログラムに従い、地図検索ページをサーバ1から通信網6を介して広告主の端末4に送信する(S704)。地図検索ページの画面表示例を図9に示す。この例では、日本全体が表示され、特定の地域をクリックすることを促すメッセージを表示している。特定の地域を選択する(S705)と、選択情報がサーバ1に送信される。
【0039】サーバ1は当該広告登録プログラムに従い、地図詳細ページを地図情報記憶部24に格納された地図情報と工事情報記憶部23に記憶された工事情報の位置情報を合成して地図詳細ページを生成し、通信網6を介して広告主の端末4に対して送信する。地図詳細ページの画面表示例を図10に示す。この例では、詳細な地図に工事中の建物の位置が表示されている。尚、この例では、図9に示す日本地図より図10に示す詳細地域の地図に移行することとしたが、これに限らず、日本地図より関東、中部、関西等の領域を選択し、さらに県を選択し、そして市を選択するというように段階的に領域を限定することも可能である。
【0040】広告主は、自己の端末4のディスプレイに表示された地図詳細ページより特定の工事中の建物を選択する。この例では、まず工事中の建物Aをクリックしたとする。工事中の建物Aをクリックすると、その情報が通信網6を介してサーバ1に送信される。サーバ1は、広告登録プログラム134により工事中の建物Aにかかる情報を工事情報記憶部23より読み出し、WEBページとして広告主の端末4に対して送信する(S708)。当該WEBページの例を図11に示す。この例では、住所、建物等、図5に示す工事情報登録ページにより登録した情報が表示されている。このうち壁面の面した通りの欄で「詳細を見る」と表示されたボタンをクリックすると、当該通りの通行者の情報が通行者情報記憶部25より読み出され表示される。これにより、広告の効果を事前に把握することができる。特にこの通行者の情報には、通行人数の他、性別、年齢等の通行者の属性情報が含まれるため、広告の効果をより正確に把握することができる。
【0041】広告主は、さらに当該WEBページの戻るボタンをクリックし地図詳細ページを表示させた後に工事中の建物Bをクリックしたとする(S709)。この場合、広告主の端末4から通信網6を介してサーバ1に対して工事中の建物Bをクリックした旨の情報が送信される。サーバ1は、当該情報を受信し、広告登録プログラム134により工事中の建物Bにかかる情報を工事情報記憶部23より読み出し、WEBページとして広告主の端末4に対して送信する(S710)。広告主は、当該WEBページを見て、この案件の選択を確定する場合には、「選択を確定する」と表示されたボタンをクリックする。
【0042】「選択を確定する」と表示されたボタンをクリックすると、その旨の情報がサーバ1に対して送信され(S711)、広告の詳細設定ページがサーバ1より広告主の端末4に対して送信される(S712)。広告の詳細設定ページの例を図12に示す。この例では、広告の種類、広告の期間、広告の形、広告の大きさを入力することとしている。広告の種類には、例えば、「シートに印刷する」、「シートに垂れ幕を設ける」、「シートに対して正面からプロジェクタにより照射する」、「シートに対して背面からプロジェクタに照射する」、「レーザ光線により広告を表示する」、「液晶パネル付きのシートにより表示する」等といった選択肢が含まれる。広告の期間は、開始日と終了日により特定する。広告の形には、例えば「正方形」、「長方形」等が含まれる。広告の詳細設定に関する情報を入力した場合に、送信ボタンをクリックすると、入力情報が広告主の端末4からサーバ1に対して送信される(S713)。
【0043】サーバ1は、広告登録プログラム134に従い、受信した入力情報を広告情報記憶部26に格納する(S714)。そして、サーバ1は、広告データの入力フォームを広告主の端末4に送信する(S715)。広告主は当該入力フォームを用いて広告のデータを通信網6を介してサーバ1に対して電子メールにより送信する(S716)。当該広告データは、例えば広告内容を表示する画像データであり、静止画像データの場合の他、プロジェクタにより広告する場合には動画像データの場合もある。
【0044】サーバ1は、広告登録プログラム134に従い、受信した広告データを広告情報記憶部26に格納する(S717)。この格納した広告データは広告主のユーザID及び工事案件の登録番号と関連付けられている。
【0045】さらに、サーバ1は、広告料算出プログラム135を起動させ、図12に示す広告詳細設定ページにおいて入力され広告情報記憶部26に格納された設定情報、通行者情報記憶部25に記憶された通行者情報の情報に基づいて、広告料情報記憶部27に記憶されたテーブルを参照し広告料を算出する(S718)。このテーブルには、工事中の建物の情報、広告の設定情報、通行者情報等の因子と広告料金とが関連付けられている。尚、広告料の算出は、広告の設定情報のみに基づき行う簡易な方法でもよい。また、テーブルを用いず、各因子に係数を割り当て、所定の算式により広告料を算出するようにしてもよい。算出された広告料はWEBページにより広告主の端末4に対して送信される(S719)。算出された広告料を表示するWEBページの画面表示例を図13に示す。この例では、広告料の総額と選択した広告の内容が表示されている。そして、広告の注文を問うメッセージが表示されており、注文する場合には注文ボタンをクリックし、キャンセルする場合にはキャンセルボタンをクリックし、広告のシミュレーションを実行する場合にはシミュレーションすると表示されたボタンをクリックすることとしている。
【0046】シミュレーションすると表示されたボタンをクリックすると、その旨の通知が広告主の端末4からサーバ1に対して送信される(S720)。サーバ1は、広告シミュレートプログラム136を起動する。サーバ1は、広告シミュレートプログラム136に従い、広告データを広告情報記憶部26より読み出すとともに工事中の建物の画像データを工事情報記憶部23により読み出す。そして、サーバ1は、これらの広告データと画像データを合成し、シミュレーション画像データを生成する(S721)。そして、サーバ1は、広告シミュレートプログラム136により生成したシミュレーション画像データを通信網6を介して広告主の端末4に送信する(S722)。広告主の端末4では、受信したシミュレーション画像データに基づき、ディスプレイにシミュレーション画像を表示する(S723)。シミュレーション画像の表示例を図14に示す。この例では、工事中のビルの通りに面した壁面を覆うシートに「XYチョコ新発売」と描かれたシートが取り付けられている。このように広告効果を画面により確認することができ、広告の大きさ、広告の方法、広告場所等の様々なファクターの変更を検討することが可能になる。このシミュレーション画像は、拡大ボタンをクリックすることにより拡大表示することができ、また縮小ボタンをクリックすることにより縮小表示することができる。また広告の部分をドラックすることにより広告の位置の変更も可能であり、その広告の大きさも変更することもできる。尚、この例では示していないが、3D表示技術を用いることにより、視点を変更することができる。戻るボタンをクリックすると、図13に示す画面が表示される。ここで注文ボタンをクリックすると、注文が確定し(S724)、注文情報が通信網6を介してサーバ1に対して送信される。サーバ1は当該注文情報を受信し、注文を確定させる情報を広告情報記憶部26に格納する(S725)。
【0047】続いて、広告(図2:S206)について説明する。広告の方法は様々な手法がある。具体例を図1515、図16、図17、図18を用いて説明する。
【0048】図15に示す広告方法は、垂れ幕状のシートを用いた例である。工事中の建物を覆う網状のシート72に垂れ幕上のシート91が四隅に設けられた固定具により取り付けられている。シート91には広告として「XYビール新発売!!」と描かれている。図15に示す広告の方法は、所定の大きさのシートに広告の内容を印刷し、取り付けるだけであり、コスト上有利な方法である。
【0049】図16に示す広告方法は、他のビルよりプロジェクタによりシート上に広告画像を表示するものである。プロジェクタは、高出力の光源を用い、動画像若しくは静止画像を表示する。画像はカラー画像でも白黒画像でも可能である。図において、7は工事中のビル、71は工事中のビルに備え付けられた足場、72は足場を覆うシートである。また、8は工事中のビル7に隣接するビル、92はプロジェクタであり、隣接ビル8の屋上の備えられている。この場合、シート72は白色若しくは白色に近い色であることが好ましい。画像を鮮明に映し出すことが可能となるからである。広告は画像全体で行われなくともよい。例えば、画像の一部を広告とし、その他はテレビ画像とすることも可能である。図16R>6に示す広告方法では、静止画のみならず動画を表示させることができ、広告効果が極めて高い。また、1社の広告のみならず、複数社の広告を次々に行うことができるため、一社当りの負担額を減らすことができ、低コストで広告を出したい企業の参加を促進することができる。
【0050】図17に示す広告方法は、工事中のビルの屋上に設けたレーザ光線発生装置よりレーザ光線を出力し、広告画像を空間に表示するものである。図17において93及び94はレーザ光線発生装置であり、工事中のビルの屋上に設置されている。この方法によれば、レーザ光線という広告効果の高い方法を用いることができる他、工事中のビルに設置すればよいため、実現性が高い。
【0051】図18に示す広告方法は、工事中のビルに設置された足場に取り付けられたシートの内側からプロジェクタにより広告画像を表示させるものである。シートの内側から照射された画像は、シートの外側からも認識できるように、シートは、半透明なものを用いている。当該シートにおいて画像表示をより鮮明にするために、通常背面投射型ディスプレイで使用されるフレネルレンズシート及びレンチキュラーレンズシートを組み合せた部分をシートに埋め込むことも可能である。
【0052】尚、図示した広告方法以外にも、シート全体に印刷するようにしてもよい。また、液晶パネル自体をシートに取り付け、表示することも可能である。
【0053】上述の例において、広告は必ずしも商品、サービスの広告に限定されず、イベント開催の告知、政府広報等、様々な種類の広告が含まれる。
【0054】
【発明の効果】本発明により、工事中の建物を覆うシートを活用する広告システム及び広告方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における広告システム全体の構成を示す図である。
【図2】本発明における広告システムの処理フローを示すフローチャートである。
【図3】本発明における広告システムの処理フローを示すフローチャートである。
【図4】本発明における広告システムの処理フローを示すフローチャートである。
【図5】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図6】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図7】本発明における広告システムの処理フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図9】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図10】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図11】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図12】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図13】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図14】本発明にかかる広告システムにおける画面表示例を示す図である。
【図15】本発明にかかる広告システムにおける広告方法の説明図である。
【図16】本発明にかかる広告システムにおける広告方法の説明図である。
【図17】本発明にかかる広告システムにおける広告方法の説明図である。
【図18】本発明にかかる広告システムにおける広告方法の説明図である。
【符号の説明】
1 サーバ 2 データベース 3 建設会社の端末 4 広告主の端末
5 広告制作会社 6 通信網 11 制御部 12 通信制御部
13 メモリ 131 ユーザ登録プログラム
132 工事情報登録プログラム 133 広告価値算出プログラム
134 広告登録プログラム 135 広告料算出プログラム
136 広告シミュレートプログラム 137 広告データ作成プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】工事中の建物を利用して広告を行う広告システムであって、建設会社の端末より送信された前記工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網を介して受信する工事情報受信手段と、前記工事情報受信手段により受信された前記工事情報を記憶する工事情報記憶手段と、前記広告を行おうとする広告主の端末に対して通信網を介して前記工事情報記憶手段に記憶された工事情報を提示する工事情報提示手段と、前記工事情報提示手段により提示された工事情報に応じて前記広告主の端末より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事にかかる建物を利用して実行される広告に関する情報を受信する広告情報受信手段と、前記広告情報受信手段により受信した工事にかかる建物の選択情報と前記広告情報とを記憶する広告情報記憶手段とを備えた広告システム。
【請求項2】前記広告システムは、さらに、建設会社の端末より送信された工事情報に基づき広告価値を算出し当該広告価値に関する情報を通信網を介して当該建設会社の端末に送信する広告価値算出手段を有することを特徴とする請求項1記載の広告システム。
【請求項3】前記広告システムは、さらに通行者に関する情報を記憶する通行者情報記憶手段を有し、前記広告価値算出手段は、さらに当該通行者情報記憶手段に記憶された通行者情報を参照し、当該工事情報の広告価値を算出することを特徴とする請求項2記載の広告システム。
【請求項4】前記工事情報提示手段は、前記工事情報記憶手段に記憶された工事情報のうち位置情報に基づいて当該工事にかかる建物の位置を地図上で表示することにより工事情報を提示することを特徴とする請求項1記載の広告システム。
【請求項5】前記工事情報提示手段は、工事にかかる建物に面した通りの通行者情報を提示することを特徴とする請求項1記載の広告システム
【請求項6】前記広告システムは、さらに前記広告情報記憶手段に記憶された工事中の建物の選択情報と広告情報に基づき広告料を算出し通信網を介して広告主の端末に送信する広告料算出手段を有することを特徴とする請求項1記載の広告システム。
【請求項7】前記広告システムは、前記広告情報記憶手段に記憶された工事中の建物の選択情報と広告情報、さらには工事情報記憶手段に記憶された工事情報に基づき広告が実行された場合の状態の画像を合成する広告シミュレート手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の広告システム。
【請求項8】工事中の建物を利用して広告を行う広告方法であって、建設会社の端末より送信された前記工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網を介して受信するステップと、受信された前記工事情報を記憶するステップと、前記広告を行おうとする広告主の端末に対して通信網を介して記憶された前記工事情報を提示するステップと、前記工事情報に応じて前記広告主の端末より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事にかかる建物を利用して実行される広告に関する情報を受信するステップと、受信した工事にかかる建物の選択情報と前記広告情報とを記憶するステップとを備えた広告方法。
【請求項9】工事中の建物の一部又は全部を覆うシートを用いて広告を行う広告方法であって、広告画像を出力するプロジェクタを当該工事中の建物より離れた位置に設置するステップと、前記プロジェクタにより前記シートに対して当該広告画像を投影するステップを有する広告方法。
【請求項10】工事中の建物の一部又は全部を覆うシートを用いて広告を行う広告方法であって、広告画像を出力するプロジェクタを前記シートの内側に設置するステップと、前記プロジェクタにより前記シートの内側から当該広告画像を投影するステップを有する広告方法。
【請求項1】工事中の建物を利用して広告を行う広告システムであって、建設会社の端末より送信された前記工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網を介して受信する工事情報受信手段と、前記工事情報受信手段により受信された前記工事情報を記憶する工事情報記憶手段と、前記広告を行おうとする広告主の端末に対して通信網を介して前記工事情報記憶手段に記憶された工事情報を提示する工事情報提示手段と、前記工事情報提示手段により提示された工事情報に応じて前記広告主の端末より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事にかかる建物を利用して実行される広告に関する情報を受信する広告情報受信手段と、前記広告情報受信手段により受信した工事にかかる建物の選択情報と前記広告情報とを記憶する広告情報記憶手段とを備えた広告システム。
【請求項2】前記広告システムは、さらに、建設会社の端末より送信された工事情報に基づき広告価値を算出し当該広告価値に関する情報を通信網を介して当該建設会社の端末に送信する広告価値算出手段を有することを特徴とする請求項1記載の広告システム。
【請求項3】前記広告システムは、さらに通行者に関する情報を記憶する通行者情報記憶手段を有し、前記広告価値算出手段は、さらに当該通行者情報記憶手段に記憶された通行者情報を参照し、当該工事情報の広告価値を算出することを特徴とする請求項2記載の広告システム。
【請求項4】前記工事情報提示手段は、前記工事情報記憶手段に記憶された工事情報のうち位置情報に基づいて当該工事にかかる建物の位置を地図上で表示することにより工事情報を提示することを特徴とする請求項1記載の広告システム。
【請求項5】前記工事情報提示手段は、工事にかかる建物に面した通りの通行者情報を提示することを特徴とする請求項1記載の広告システム
【請求項6】前記広告システムは、さらに前記広告情報記憶手段に記憶された工事中の建物の選択情報と広告情報に基づき広告料を算出し通信網を介して広告主の端末に送信する広告料算出手段を有することを特徴とする請求項1記載の広告システム。
【請求項7】前記広告システムは、前記広告情報記憶手段に記憶された工事中の建物の選択情報と広告情報、さらには工事情報記憶手段に記憶された工事情報に基づき広告が実行された場合の状態の画像を合成する広告シミュレート手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の広告システム。
【請求項8】工事中の建物を利用して広告を行う広告方法であって、建設会社の端末より送信された前記工事にかかる建物の少なくとも位置情報を含む工事情報を通信網を介して受信するステップと、受信された前記工事情報を記憶するステップと、前記広告を行おうとする広告主の端末に対して通信網を介して記憶された前記工事情報を提示するステップと、前記工事情報に応じて前記広告主の端末より送信された工事にかかる建物の選択情報と当該工事にかかる建物を利用して実行される広告に関する情報を受信するステップと、受信した工事にかかる建物の選択情報と前記広告情報とを記憶するステップとを備えた広告方法。
【請求項9】工事中の建物の一部又は全部を覆うシートを用いて広告を行う広告方法であって、広告画像を出力するプロジェクタを当該工事中の建物より離れた位置に設置するステップと、前記プロジェクタにより前記シートに対して当該広告画像を投影するステップを有する広告方法。
【請求項10】工事中の建物の一部又は全部を覆うシートを用いて広告を行う広告方法であって、広告画像を出力するプロジェクタを前記シートの内側に設置するステップと、前記プロジェクタにより前記シートの内側から当該広告画像を投影するステップを有する広告方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図17】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図17】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【公開番号】特開2002−132924(P2002−132924A)
【公開日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−330281(P2000−330281)
【出願日】平成12年10月30日(2000.10.30)
【出願人】(500356027)株式会社ザウスコミュニケーションズ (1)
【出願人】(000236610)不動建設株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年10月30日(2000.10.30)
【出願人】(500356027)株式会社ザウスコミュニケーションズ (1)
【出願人】(000236610)不動建設株式会社 (136)
【Fターム(参考)】
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