説明

工作機械用の回転割出し装置のためのクランプ装置

【課題】工作機械用の回転割出し装置のためのクランプ装置において、高負荷な加工にも耐え得る十分なクランプ力を発生させるクランプ機構を提供する。
【解決手段】クランプ装置(2)のクランプディスク(8)とピストン部材(6)との間に、回転軸(5)の半径方向に延在するように設けられた3以上の梃子部材(11)からなるクランプ機構を設け、梃子の原理によりピストン部材(6)の押圧力を増力してクランプディスク(8)に作用させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械に用いられる回転割出し装置のためのクランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、本発明の前提となる従来技術のクランプ装置を備えた回転割出し装置としての回転テーブル装置を開示している。この回転テーブル装置のクランプ装置は、いわゆるディスクタイプのクランプ装置であり、油圧によりピストンを変位させてピストンの押圧面をクランプディスクに対し押圧し、ハウジング(基台フレーム)のクランプ面との協働で回転テーブルの回転軸に固定されたクランプディスクを挟持して回転テーブルの割出し位置を保持する。
【0003】
このようなディスクタイプのクランプ装置では、ハウジングとピストン部材との間の圧力室に作動流体(圧油、等)を供給することによってピストン部材をクランプディスク側へ変位させてピストン部材の押圧面によってクランプディスクに対し押圧力を作用させるのが一般的な構成であるが、この構成の場合、クランプディスクを挟持するための押圧力は、ピストン部材がその受圧面に受ける作動流体の圧力に相当するものとなる。
【0004】
しかし、このような作動流体の圧力に相当する押圧力のみによって得られるクランプ力では、負荷の大きい加工時に必要とされるクランプ力としては必ずしも十分とはいえない。そして、加工時にワーク等を介して回転駆動対象部材に掛かる負荷に対しクランプ力が十分では無い場合、割り出し位置にずれが生じ、加工精度の低下を招いてしまう。
【特許文献1】特開平10-220425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の課題は、工作機械用の回転割出し装置のためのクランプ装置において、高負荷な加工にも耐え得る十分なクランプ力を発生させるクランプ機構を提供し、クランプ装置が強固なクランプ力(保持力)で回転駆動対象部材の割り出された角度位置を保持できるようにし、それにより、加工精度の低下を防止すると共に、装置の小型化を可能とし、更に、加工効率の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題のもとに、本発明のクランプ装置(2)は、クランプディスク(8)とピストン部材(6)との間に、回転軸(5)の半径方向に延在するように設けられた3以上の梃子(てこ)部材(11)からなるクランプ機構を備え、梃子の原理によりピストン部材(6)の押圧力を増力してクランプディスク(8)に作用させている。
【0007】
具体的に記載すると、請求項1の発明は、ハウジング(3)内で回転自在に設けられると共に端部に回転駆動対象部材(4)が固定される回転軸(5)と、前記回転軸(5)の角度位置を保持するためのクランプ装置(2)であって前記回転軸(5)に対し相対回転不能に組み付けられたクランプディスク(8)と前記ハウジング(3)内で前記回転軸(5)の軸線方向に変位可能に設けられて前記クランプディスク(8)に対し前記ハウジング(3)のクランプ面(9)に向けての押圧力を作用させるためのピストン部材(6)と前記ピストン部材(6)を前記クランプディスク(8)側へ付勢する付勢手段(7)とを含むクランプ装置(2)と、を有する工作機械用の回転割出し装置(1)において、クランプ装置(2)は、前記クランプディスク(8)と前記ピストン部材(6)との間に、前記回転軸(5)の半径方向に延在するように設けられた3以上の梃子部材(11)からなるクランプ機構を備え、前記各梃子部材(11)は、その一端部に形成された力点部(12)おいて前記ピストン部材(6)に接触すると共に、前記ハウジング(3)に対し回動可能に係止される支点部(13)及び前記クランプディスク(8)を挟んで前記クランプ面(9)と対向する作用点部(14)を有し、前記力点部(12)から支点部(13)までの距離が前記支点部(13)から作用点部(14)までの距離よりも長くなるように形成されている。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明のクランプ装置(2)において、前記クランプディスク(8)と前記梃子部材(11)との間に、前記ハウジング(3)に対し相対回転不能に設けられたリング状のクランプ部材(10)を備えるように前記クランプ機構を構成している。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明のクランプ装置(2)は、クランプディスク(8)とピストン部材(6)との間に、回転軸(5)の半径方向に延在するように設けられた3以上の梃子部材(11)からなるクランプ機構を備えているから、梃子の原理によりピストン部材(6)の押圧力を増力してクランプディスク(8)に作用させることができる。
【0010】
より詳しく説明すると、付勢手段(7)によるピストン部材(6)の変位に伴い、まず、ピストン部材(6)と接触する梃子部材(11)の力点部(12)がピストン部材(6)から押圧力を受ける。梃子部材(11)は、支点部(13)においてハウジング(3)に対し回動可能に係止されているため、上記押圧力の作用によって支点部(13)を中心に回動し、それに伴い、クランプディスク(8)を挟んでハウジング(3)のクランプ面(9)と対向する作用点部(14)が変位し、梃子部材(11)の作用点部(14)とクランプ面(9)とでクランプディスク(8)を挟持(クランプ)する。
【0011】
このとき、梃子部材(11)は、力点部(12)から支点部(13)までの距離が支点部(13)から作用点部(14)までの距離よりも長くなるように形成されているため、梃子の原理により、力点部(12)に作用する押圧力が増力されて作用点部(14)からクランプディスク(8)へ作用する。その結果、ピストン部材(6)の押圧力に相当するクランプ力でクランプディスク(8)をクランプする従来のクランプ装置と比べ、十分に大きなクランプ力を発生することができる。そして、このように大きいクランプ力を発生させることができることにより、以下のような効果が得られる。
【0012】
(1)クランプ装置が強固なクランプ力(保持力)で回転駆動対象部材の割り出された角度位置を保持するから、回転駆動対象部材に高負荷がかかっても割出し位置にずれが生じず、加工精度の低下を防止できる。
【0013】
(2)回転割出し装置の小型化を図ることができる。即ち、従来のクランプ装置において大きいクランプ力を得るためには、クランプディスクを大径化する必要があり、それに伴ってクランプ装置が大型化してしまう。これに対し本発明のクランプ装置(2)によれば、梃子の原理を利用することにより、クランプディスクを大径化することなく十分なクランプ力を得ることができるため、クランプ装置の小型化を図れる。
【0014】
(3)また、例えば工作機械用の回転割出し装置が回転テーブル装置の場合、すなわち、回転駆動対象部材が円テーブルの場合、従来のクランプ装置ではクランプ力が十分では無いから、加工精度を維持するために加工負荷に伴って円テーブルに作用する回転方向の力が大きくなることを避けなければならない。そのため、ワークの加工に際し、ワークをテーブルの中心付近に設置する等、円テーブルにかかるモーメントを少なくする配慮が必要であり、円テーブル上に一度に取り付けて加工できるワークの数に制限を受けてしまう。これに対し本発明のクランプ装置(2)によれば、高負荷な加工にも耐え得る十分なクランプ力で円テーブルをクランプできるから、加工負荷に伴う回転方向の力が大きくなりやすい円テーブル上の中心から離れた位置にワークを設置することが可能となり、段取り替えを行わずに一度に加工を行うことができ、ワークの数を従来よりも多くすることができ、加工効率の向上を図ることができる。
【0015】
請求項2の発明のクランプ装置(2)によれば、請求項1の発明のクランプ装置(2)において、クランプディスク(8)と前記梃子部材(11)との間に、前記ハウジング(3)に対し相対回転不能に設けられたリング状のクランプ部材(10)を備えているから、クランプ部材(10)は、梃子部材(11)からの押圧力を受けると、クランプディスク(8)側に弾性的に変位し、クランプディスク(8)の外縁部においてクランプディスク(8)と面接触し、クランプレバー(9)のクランプ力をクランプディスク(8)全体に亘って略均一に作用させることができ、安定したクランプ状態を維持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、工作物の角度を割り出すために用いられる工作機械用の回転割出し装置に適用される。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明が適用される工作機械用の回転割出し装置1の一例としての回転テーブル装置15を示している。回転テーブル装置15は、ベースとなるハウジング3に回転駆動対象部材4である円テーブル16が回転自在に取り付けられた装置であり、インデックステーブル、ロータリーテーブルとも呼ばれる。
【0018】
回転テーブル装置15についてより詳しく説明すると、円テーブル16は、ハウジング3内で回転自在に設けられた回転軸5の一方の端部に固定されており、回転軸5は、軸受スリーブ18によってハウジング3に固定された軸受17に回転可能に支持されている。
【0019】
また、回転テーブル装置15は、円テーブル16の駆動手段として、回転軸5に固定されたウォームホイール20と、ハウジング3に回転可能に支持されウォームホイール20と噛み合うウォームギヤ21と、ウォームギヤ21を回転駆動する図示しないモータとを有している。なお、本例では、円テーブル16の駆動手段としてウォームギヤ機構を採用しているが、ギヤ等の駆動伝達機構を介さずに回転軸5を直接的に駆動するDDモータ(ダイレクト(直接駆動型)駆動モータ)を駆動手段(駆動源)とするものであってもよい。
【0020】
回転軸5の他の端部には、本発明の特徴的な部分であるクランプ装置2が設けられている。クランプ装置2は、概説すると、回転軸5に対し相対回転不能に組み付けられたクランプディスク8を、ハウジング3内に形成されたクランプ面9に押し付けてこれを挟持し、回転軸5すなわち回転駆動対象部材4(円テーブル16)を回転不能に保持するものである。
【0021】
なお、クランプ装置には、常時クランプディスクを挟持した状態とし、割出し動作時にのみクランプディスクの挟持状態を解除して回転駆動対象部材をフリーな状態とする常時クランプ式と、通常はクランプディスクがフリーな状態となっていて、クランプ時にのみクランプディスクを挟持して回転駆動対象部材を回転不能に保持する常時アンクランプ式の二種類が存在する。本発明はそのどちらの形式にも適用可能であるが、本例では、まず後者の常時アンクランプ式のクランプ装置に本発明を適用した例を説明する。
【0022】
クランプ装置2についてより詳しく説明すると、クランプ装置2は、前述したクランプディスク8と、クランプディスク8に対しクランプ面9へ向けて梃子部材11を介して押圧力を作用させるピストン部材6と、回転軸5の軸線を中心とするリング状の溝23が形成されハウジング3に固定されているケース部材22と、ピストン部材6をクランプディスク8側へ付勢する付勢手段7とを有している。
【0023】
ピストン部材6はリング状の形状を有しており、ケース部材22のリング状の溝23内に回転軸5の軸線方向に変位可能に嵌挿され、かつケース部材22に固定された係止部材24により溝23内に留置されている。また、ピストン部材6と係止部材24との間には、回転軸5の軸線を中心とした円周上に圧縮ばね25を複数有しており、圧縮ばね25はピストン部材6を常時反クランプディスク8側(アンクランプ方向)に付勢している。
【0024】
一方、ピストン部材6と溝23との間には圧力室26が形成されており、圧力室26には図示しない流体供給源から、ハウジング3に設けられた流体ポート27、ケース部材22に形成された流体流路28を通じてクランプ用の作動流体(圧油)が供給されている。これらは、ピストン部材6をクランプディスク8側(クランプ方向)へ付勢する付勢手段7を構成している。
【0025】
クランプディスク8とピストン部材6との間には、回転軸5の半径方向に延在するように設けられた3以上の梃子部材11としてのクランプレバー19が組み込まれている。図2は図1におけるA−A断面図であり、クランプレバー19は、回転軸5の周囲に均等にクランプ力を発生させるために、回転軸5の周りに等間隔に配置されている。
【0026】
梃子部材11としてのクランプレバー19の形状は種々考えられるが、本実施例では、長腕部と短腕部とを、支点となる湾曲部で一体的につないだJ型の形状の部材を採用している。クランプレバー19は、長腕部の端部に形成された力点部12おいてピストン部材6に接触すると共に、湾曲部に形成された支点部13においてケース部材22に対し回動可能に係止され、また短腕部の端部に形成された作用点部14においてクランプディスク8を挟んで前記クランプ面9と対向している。
【0027】
円テーブル16の割出動作時には、圧力室26にクランプ用の作動流体が供給され、その圧力により、ピストン部材6が圧縮ばね25のばね力に抗してクランプディスク8側へ変位し、ピストン部材6はクランプレバー19および後述のクランプ部材10を介してクランプディスク8を押圧してハウジング3のクランプ面9との協働でクランプディスク8をクランプする。
【0028】
図3において、クランプレバー19は、クランプレバー19の力点部12から支点部13までの距離aが、支点部13から作用点部14までの距離bよりも長くなるように形成されている。これにより、ピストン部材6の押圧力は、梃子の原理により、ほぼa/b倍に増幅されてクランプディスク8に作用することとなる。レバー比(a/b)を変更すればクランプ力を容易に増減することができる。
【0029】
なお、本実施例では、クランプレバー19の作用点部14は、クランプ部材10としてのクランプリングを介してクランプディスク8を押圧する。クランプリングは、リング状の薄板部材であり、その半径方向内側における基部において係止部材24に固定され、ハウジング3に対し相対回転不能に取り付けられており、一方の面でクランプレバー19の作用点部14と接触し、他方の面でクランプディスク8の面とわずかな間隔をおいて対向している。クランプリングは、梃子部材11からの押圧力を受けると、クランプディスク8側に弾性的に変位し、クランプディスク8の外縁部においてクランプディスク8と面接触する。これにより、クランプレバー9のクランプ力をクランプディスク8全体に亘って略均一に作用させることができ、安定したクランプ状態を維持することが可能となる。なお、クランプ部材10(クランプリング)を省略し、クランプレバー19によってクランプディスク8を直接押圧することも可能である。ただし、この場合、クランプレバー19によるクランプ箇所が局所的であるため、上記のようなクランプ部材10を設けた方が好ましい。
【0030】
また、本実施例では、クランプ装置2を構成する部品のうち、クランプディスク8以外の部品はユニット化されており、取付ねじ29を外すことで回転テーブル装置15本体からクランプ装置2をユニットごと容易に取り外すことができる構成となっている。但し、クランプ装置2のユニット化ということを考えなければ、ピストン部材6の外周面がハウジング3によってその軸線方向への変位を案内されるものとしたり、クランプレバー19の支点部13をケース部材22を介さないでハウジング3に直接係止することも可能である。
【実施例2】
【0031】
図4および図5は、実施例1と同様の回転テーブル装置15において、梃子部材11(クランプレバー19)に他の形状の部材を採用した例を示している。実施例1のクランプ機構では、作用点部14と力点部12との間に支点部13を形成していたが、本例では、支点部13と力点部12との間に作用点部14が形成されている。このように、梃子部材11は、力点部12から支点部13までの距離aが、支点部13から作用点部14までの距離bよりも長くなるように形成されていれば、設計上さまざまな形状を採用することができる。
【実施例3】
【0032】
図6は、実施例1と同様の回転テーブル装置15において、クランプ部材10(クランプリング)がその外周部側でケース部材22に固定されている例である。なお、本実施例でも、クランプ装置2を構成する部品のうち、クランプディスク8以外の部品はユニット化されているが、クランプ装置2のユニット化ということを考えなければ、ピストン部材6の外周面がハウジング3によってその軸線方向への変位を案内されるものとしたり、クランプ部材10を、図示の例のようにケース部材22に固定しないで、ハウジング3に直接固定してもよい。
【実施例4】
【0033】
図7は、本発明を常時クランプ式のクランプ装置に適用した例を示している。この例でクランプ装置2は、付勢手段7としてばね部材30(圧縮スプリング)をケース部材22とピストン部材6との間で回転軸5の軸線を中心とした円周上に複数有しており、ばね部材30はピストン部材6を常時クランプディスク8側(クランプ方向)へ付勢している。これにより、ピストン部材6は、クランプレバー19を介して常時クランプディスク8を押圧し、ハウジング3のクランプ面9との協働で前記クランプディスク8を挟持して、円テーブル16をクランプ状態としている。
【0034】
また、クランプ状態を解除するためのアンクランプ手段として、ピストン部材6と係止部材24との間には、アンクランプ用の圧力室31が形成されており、圧力室31には図示しない流体供給源からケース部材22に形成された流体流路32を通じてアンクランプ用の作動流体(圧油)が供給されるようになっている。
【0035】
円テーブル16の割出動作時には、作動流体が圧力室31へ供給され、ピストン部材6がばね部材30のばね力に抗して反クランプディスク8側(アンクランプ方向)へ変位し、これにともないクランプレバー19によるクランプディスク8に対するクランプ力が解除され、回転テーブル装置15はアンクランプ状態となり、円テーブル16(回転軸5)は回転可能な状態となる。
【0036】
なお、図示の例では、付勢手段7としてばね部材30のほか、ピストン部材6と溝23との間に圧力室26を有しており、圧力室26には図示しない流体供給源からケース部材22に形成された流体流路28を通じてクランプ用の作動流体(圧油)が供給されている。これにより、ばね部材30(圧縮スプリング)によるクランプ力に加え、流体圧による増し締め(クランプ力の増力)が可能となっている。
【0037】
図8は、ピストン部材6のクランプ方向、アンクランプ方向への変位を、いずれも作動流体の供給によって行うクランプ装置に対し、本発明によるクランプレバー19(梃子部材11)を適用した例である。この例のクランプ装置は、常時クランプ式、常時アンクランプ式のいずれにも成り得るものである。
【0038】
以上の実施例では、梃子部材11に相当するクランプレバー19は、いずれも支点、力点、作用点がそれぞれ一つづつの部材であるが、例えば、作用点側の端部を二股又はそれ以上に分割して作用点が2以上となる部材としてもよい。同様に、力点側の端部を二股又はそれ以上に分割して力点が2以上となる部材としてもよい。また、作用点側の端部又は力点側の端部を幅広とし、クランプ部材10(クランプディスク8)又はピストン部材6と面接触する部材としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、ディスクをクランプすることにより回転軸等を制動する制動装置に広く応用できる。すなわち、回転割出し装置(回転駆動対象部材)は、実施例の回転テーブル装置(円テーブル)に限定されない。例えば、工具が装着されるスピンドルを回転駆動する装置(スピンドルユニット)を支持して旋回駆動する装置(主軸ヘッド)や、スピンドルユニットを支持する主軸ヘッドを工作機械のZ軸と平行な軸線周りに回転駆動する部分(装置)等を含む。前者の場合は、スピンドルユニットが回転駆動対象部材に相当し、後者の場合は、主軸ヘッドが回転駆動対象部材に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】回転割出し装置1の断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】回転割出し装置1のクランプ装置2周辺における詳細断面図である。
【図4】回転割出し装置1の断面図である。
【図5】回転割出し装置1のクランプ装置2周辺における詳細断面図である。
【図6】回転割出し装置1のクランプ装置2周辺における詳細断面図である。
【図7】回転割出し装置1のクランプ装置2周辺における詳細断面図である。
【図8】回転割出し装置1のクランプ装置2周辺における詳細断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 回転割出し装置
2 クランプ装置
3 ハウジング
4 回転駆動対象部材
5 回転軸
6 ピストン部材
7 付勢手段
8 クランプディスク
9 クランプ面
10 クランプ部材
11 梃子部材
12 力点部
13 支点部
14 作用点部
15 回転テーブル装置
16 円テーブル
17 軸受
18 軸受スリーブ
19 クランプレバー
20 ウォームホイール
21 ウォームギヤ
22 ケース部材
23 溝
24 係止部材
25 圧縮ばね
26 圧力室
27 流体ポート
28 流体流路
29 取付ねじ
30 ばね部材
31 圧力室
32 流体流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(3)内で回転自在に設けられると共に端部に回転駆動対象部材(4)が固定される回転軸(5)と、前記回転軸(5)の角度位置を保持するためのクランプ装置(2)であって前記回転軸(5)に対し相対回転不能に組み付けられたクランプディスク(8)と前記ハウジング(3)内で前記回転軸(5)の軸線方向に変位可能に設けられて前記クランプディスク(8)に対し前記ハウジング(3)のクランプ面(9)に向けての押圧力を作用させるためのピストン部材(6)と前記ピストン部材(6)を前記クランプディスク(8)側へ付勢する付勢手段(7)とを含むクランプ装置(2)と、を有する工作機械用の回転割出し装置(1)において、
前記クランプ装置(2)は、前記クランプディスク(8)と前記ピストン部材(6)との間に、前記回転軸(5)の半径方向に延在するように設けられた3以上の梃子部材(11)からなるクランプ機構を備え、前記各梃子部材(11)は、その一端部に形成された力点部(12)おいて前記ピストン部材(6)に接触すると共に、前記ハウジング(3)に対し回動可能に係止される支点部(13)及び前記クランプディスク(8)を挟んで前記クランプ面(9)と対向する作用点部(14)を有し、前記力点部(12)から支点部(13)までの距離が前記支点部(13)から作用点部(14)までの距離よりも長くなるように形成されていることを特徴とする工作機械用の回転割出し装置のためのクランプ装置(2)。
【請求項2】
前記クランプ機構は、前記クランプディスク(8)と前記梃子部材(11)との間に、前記ハウジング(3)に対し相対回転不能に設けられたリング状のクランプ部材(10)を備えることを特徴とする請求項1記載の工作機械用の回転割出し装置のためのクランプ装置(2)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−83013(P2009−83013A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253576(P2007−253576)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000215109)津田駒工業株式会社 (226)
【Fターム(参考)】