説明

工作物を歯切り加工する工作機械

【課題】
工作物の歯切り加工の際に工作機械に機械加工された切屑による回転ホルダや工具スピンドルの汚染を減少させ、スピンドル軸線と平行な工作物に対する工具の相対的送り運動のための構造的費用を減少させること。
【解決手段】
主軸線Aを中心に回転できる回転ホルダ(3)と、回転ホルダ(3)に配置されている二つの工作物スピンドル(4a,4b)であって、工作物スピンドル(4a,4b)が主軸線Aと平行に配列されているスピンドル軸線(Sa ,Sb )を有し、特に工作物スピンドル(4a,4b)が対称的に主軸線Aを中心に配置されている工作物スピンドルと、一方の工作物スピンドル(4a)上の工作物(6)を加工する工具(50)用ツールホルダ(5)とを包含する工作物を歯切り加工する工作機械(1)では、回転ホルダ(3)の軸線Aが水平に延びていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主軸線Aを中心に回転できる回転ホルダと、回転ホルダに配置されている二つの工作物スピンドルと、一方の工作物スピンドル上の工作物を加工する工具用ツールホルダとを包含する工作物を歯切り加工する工作機械に関する。工作物スピンドルが主軸線と平行に配列されているスピンドル軸線を有し、そして工作物スピンドルが特に対称的に主軸線Aを中心に配置されている。
【背景技術】
【0002】
この種の工作機械は例えば会社ライスホイザー・アー・ゲー(Reishauser AG)の「機械RZ 150 」タイプの工作機械として知られている。
【0003】
この種の工作機械によると、切屑を取り除くことによって工作物に形状が形成される緩和仕上げ方法で工作物が加工される。歯切り加工では、歯車リムが加工する工作物の外面において規則的に間隔を置いた歯隙間の機械加工によって形成される。工作物当たりの仕上げ費用と工作機械の経済性が面性能、即ち期間内に機械加工された工作物の表面や主時間(生産期間)と副時間(非生産期間)の間の比に依存している。この場合には、主時間が工作物当たりの加工時間であり、副時間が工作物を交換する時間である。
【0004】
加工位置における一方の工作物スピンドル上の工作物の加工と移送位置における工作物を工作物スピンドルに積み込み積み卸しが同時に実施され、それにより全加工周期と周期時間が短縮されるので、回転ホルダ上への二つの工作物スピンドルの配置は副時間を節約するのに役立つ。回転ホルダの回転によって両工作物スピンドルがその位置を交換できる。一つの工作物スピンドルが加工位置に回転或いは旋回され、他方の工作物スピンドルが加工位置外へもたらされる。主軸線Aに関する工作物スピンドルの対称的配列によって工作物スピンドルの不均衡運動が位置交換の際に最小化される。
【0005】
上記を参照して、ライスホイザー・アー・ゲー(Reishauser AG)の先行技術から知られた工作機械の場合には、主軸線Aと回転ホルダ上に配置された工作物スピンドルのスピンドル軸線とは垂直方向に整合されている。この配列では、工作物の歯切り加工の際に機械加工した屑が下に位置する工作物スピンドルと回転ホルダに落下し、汚染とそれに関連した回転ホルダ作動とスピンドル作動並びにその駆動手段の制限を阻止するために、後で取り除かれなければならない切屑の巣を形成させる。さらに、公知の工作機械が歯切り技術に僅かに良く適していて、この歯切り技術は、例えば縦フライス或いは軸方向フライスのような工作物軸線或いはスピンドル軸線と平行に延びている工具の送り運動によって十分である。公知の工作機械の場合には、スピンドル軸線のように主軸線Aと平行に且つそれで垂直に整合されているそのような平行送り運動がツールホルダ及び/ 又は工作物スピンドルの垂直運動を必要とし、それは高い構造的費用を必要とする。
【0006】
ドイツ特許出願公開第10256222号明細書(特許文献1)は螺旋傘歯車を加工するホブ切り機を記載する。作業歯車が水平に整合された工作物スピンドル上に配置されていて、工作物スピンドルが垂直回転軸線(P)を中心に回転できるスピンドル支持体上に配置されている。工具スピンドルは配向軸線(O)に対する固定した選定可能な傾斜角度kを有し、水平軸線(T)を中心に回転される。工作物スピンドルと工具スピンドルが三つの立体方向に直線状互いに相対的に移動され得る。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第10256222号明細書
【特許文献2】ドイツ特許出願公開第3701504号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第1016499号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0453710号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の課題は、工作物の歯切り加工の際に工作機械に機械加工された切屑による回転ホルダや工具スピンドルの汚染を減少させ、スピンドル軸線と平行な工作物に対する工具の相対的送り運動のための構造的費用を減少させることを基礎としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、この発明によると、回転ホルダの主軸線Aが水平に延びていることによって解決される。
【0009】
この発明による工作機械には、回転ホルダの主軸線Aと回転ホルダ上に配置された工作物スピンドルのスピンドル軸線とがほぼ水平に整合されている。それから、一方の工作物スピンドルに配置され、例えば締め付けられるか、或いは固定される工作物の加工の際に落下する切屑が重力によって垂直方向に自由に落下を生じて、その結果、回転ホルダ上に落下しない。工作物スピンドルに付着する切屑は工作物スピンドルの回転によって歯切り加工中に離脱されるか、或いは切屑巣の形成が阻止される範囲まで少なくとも緩和される。それから、この発明による工作機械では、工作物スピンドルや回転ホルダにおける切屑を除去する追加的装置及び/ 又は方法の工程を放棄され得て、それにより加工周期が工作機械で再び短縮され、次に周期率が再び上昇される利点を生じる。
【0010】
特に、乾燥加工では、載置する熱い切屑によって機械ベット或いは回転ホルダを加熱することを生じない。加熱による生じる熱膨張や仕上り粗度が有効に回避される。
【0011】
工作物スピンドルの水平状態から、スピンドル軸線と平行に整合された送り運動が主軸線Aと平行に且つ次に水平に延びている、言い換えると、平行送り運動がこの発明による工作機械では垂直昇降運動無しに達成され得るという別の利点が生じる。平行送りの範囲内には、質量的工作物スピンドルも、或いは回転ホルダさえも、同様に重力に逆らって移動される質量的ツールホルダも入らない。例えばツールホルダの一様な移行運動で十分であり、それは摩擦力の克服のみを必要とする。
【0012】
この発明による工作機械の好ましい実施例では、ツールホルダが主軸線Aに対して垂直に延びている水平直線軸線Xに沿って且つ主軸線Aと平行に延びている水平直線軸線Yに沿って移動され得る。
【0013】
この好ましい実施例では、ツールホルダが直線軸線Xに沿って加工位置に存在する工作物スピンドル上にて外方へ移行されるか、或いは外方へ移動される。主時間の終りにおける工作物の仕上げ加工後に、ツールホルダが加工状態から再び戻り移行され得る。スピンドル軸線と垂直に位置する直線軸線Xに沿ってツールホルダの移行性に基づいて、ツールホルダに保持された工具により機械加工方法が例えば浸漬方法或いは半径方向方法のような垂直送り運動で実施され得る。平行な送り運動を伴う方法はツールホルダの移行性によって主軸線Aとスピンドル軸線に平行な直線軸線Yに沿ってこの発明による工作機械によって実施できる。両直線軸線XとYは水平に延びているので、この方向に沿ってツールホルダを移動するために摩擦力のみが克服されなければならない。特に工作物軸線或いは工作物スピンドル軸線に沿うツールホルダの移動性が昇降力の投入なしに達成される。この構造技術的簡略化によって工作機械の購入費用と工作機械により加工された工作物の仕上げ費用が減少される。
【0014】
この発明による工作機械の別の好ましい構成では、ツールホルダは主軸線Aと垂直に延びている水平回転軸線Bを中心に回転できる回転ホルダ上に配置されている。
【0015】
ツールホルダはこの好ましい構成では工作物に対する回転ホルダ上の配列によって回転軸線Bに対して垂直に延びている平面において転倒されるか、或いは傾斜される。それから、傾斜された工具によって傾斜形状経過を備える歯車とウオーム歯車が仕上げられ得るという利点が生じる。
【0016】
さらに、ツールホルダは好ましはツール(工具)往復台上に配置されていて、工具(ツール)往復台が回転軸線Bに対して垂直に位置する直線軸線Cに沿って回転ホルダに対して移行できる。
【0017】
工具の作用部分が先を丸くなったらすぐに、ツールホルダのこの種の追加的運動方向が回転ホルダの回転中にフライス工具の作用部分の迅速な交換を可能とする。それによりより長くフライス工具により加工され得る。
【0018】
さらに、工作機械が特にホブ切りヘッドを備えるフライス装置として、特にシェービングカッタを備えるホブシェービング装置として、或いは研磨装置として形成されている。
【0019】
ホブ切り方法のために設計された工作機械によって、工作物に任意の歯数と輪郭変位が同じ工具により形成され得る。このホブ切りは歯切りを予備加工と仕上げ加工するために適していて、それに対してホブ切りが工作物、特に歯車を仕上げ加工するように、そして研磨が硬化された工作物を仕上げ加工するように用いられる。
【0020】
この発明による工作機械の好ましい実施例では、回転ホルダがドラムとして形成されて、特に工作物スピンドルがドラムとして外方突き出す。
【0021】
好ましい大きなドラムとしての回転ホルダの実施例の場合には、工具スピンドルの振動が最小にされ、それにより仕上げ粗度が上昇される。ドラムの上面上に工作物スピンドルの配置は、工作物スピンドルが主軸線Aに垂直に延びている平面に固定されていて、工作機械の内部に自由に突き出すので、工作物スピンドルにおける切屑が自由に落下し、工作物スピンドルが容易に接近でき装着され得るという利点を提供する。
【0022】
この発明による工作機械の好ましい実施例では、回転ホルダが第一ストッパと第二ストッパとを有し、各ストッパにはそれぞれに一つの第一工作物スピンドルが加工位置にあり、一つの第二工作物スピンドルが移送位置にある。
【0023】
この実施態様では、加工位置において工作物が加工物スピンドル上に工具によって加工され、そして移送位置において加工物スピンドルが工作物を積み込み或いは積み卸しされ得て、ストッパによって固定される。その結果、工作物スピンドルが回転ホルダの簡単な回転運動によって両位置にもたらされ得て、されに、測定され且つ調整される必要がある、又は測定されるか或いは調整される必要があることはない。
【0024】
この発明の別の好ましい構成では、回転ホルダには原動機式駆動手段が設けられている。
【0025】
駆動手段によって回転ホルダに配置された工作物スピンドルが短時間に加工位置と移送位置の間に交換され得て、それにより加工周期が更に短縮される。この発明の範囲内には、工作物スピンドルの位置交換が1秒内或いはそれ以下で実施される。各作動の0.5秒或いはそれ以下で工具を入れたり出したりの時間と一緒に、2秒やそれ以下の切断と切断の時間が達成され得る。
【0026】
さらに、工作物スピンドルには好ましは原動機式スピンドル駆動手段が設けられている。
【0027】
原動機式に駆動された工作物スピンドルが駆動されてスピンドル軸線を中心に回転する状態では加工位置にもたらされ得る。ツールホルダは通常には、同様に原動機式駆動手段を有し、回転工具が回転数同期して回転する工作物に係合する。工作物スピンドルの回転や工具の回転の際に工作物スピンドルの位置交換によって、加工時間と工作物スピンドルを位置交換する時間とから構成される全加工周期が更に短縮される。
【0028】
この発明の別の好ましい構成では、工作機械は、加工位置において工作物スピンドルに対向位置している逆ホルダを有し、特に逆ホルダが制御プロセッサによってプログラムできる。
【0029】
逆ホルダによって工作物スピンドルが工作物加工中に生じる横断力に対して安定化される。逆ホルダは、これが工作物スピンドルを加工後に位置交換するように開放するようにプログラムされる。
【0030】
この発明による工作機械の別の好ましい実施例では、工作物スピンドル間の回転ホルダ上に保護シールドが設けられていて、特に主軸線Aが保護シールドを通して延びている。
【0031】
保護シールドによって回転ホルダがそれぞれ一つの工作物スピンドルを備える範囲或いは部分に分割される。分離装置として用いられる保護シールドは一方の範囲から他方の範囲への切屑の進入を阻止するので、相互の汚染が特に新たな工作物の切削の際に阻止される。主軸線を中心に対称的に配置された工作物スピンドルでは、保護シールドの対称的配列が、特に主軸線Aによって回転ホルダの回転運動の際の不均衡を回避するために好ましい。
【0032】
別の実施態様では、この発明による工作機械が移送位置にある工作物スピンドル上の工作物を加工するバリ取り装置を有する。
【0033】
バリ取り装置によって、前もって加工位置で加工された工作物が移送位置への積み卸し前に後加工され得る、即ちバリ取りされる。場合によっては、工作物の清掃が行われ得る。バリ取り装置によって、工作物の再度の固定が次の別のバリ取り作用のために節約され得る。
【0034】
さらに、バリ取り装置は好ましくは回転ホルダの外面に設けられている。
【0035】
移送位置における工作物スピンドルの上部及び/ 又は横のバリ取り装置の立体的配列は、バリ取り装置の操作と工作機械の構造複雑性に関する利点を提供する。
【0036】
好ましくは、工作機械は工作物を工作物スピンドルに積み込み積み卸しする固定装置を有し、工作物スピンドルが移送位置にある。
【0037】
固定装置によって、工作物スピンドルに積み込み積み卸しする時間が更に短縮され得る。回転ホルダ、工作物スピンドル、工具或いはツールホルダ、場合によってはバリ取り装置や固定装置の連結された操作では、加工時間と位置交換時間、つまり全加工周期が最小化され得る。
【0038】
この発明の更なる利点は、図面の図と説明とから明らかになる。この発明による工作機械が一実施例では図面の図に示されている。図に示された特徴は純粋に概略的に且つ一定縮尺ではなく理解される。
【実施例】
【0039】
図1には、ハウジング2を備える工作機械1が概略的斜視図で示されている。ハウジング2の図で後部には回転ホルダ3が配置されていて、回転ホルダ3がドラムとして形成されて回転自在に主軸線Aを中心に支承されている。回転ホルダ3の工作機械1の内部に向いた上面には、一つの第一工作物スピンドル4aと一つの第二工作物スピンドル4bが配置されている。これら工作物スピンドル4aと4bがドラム状回転ホルダ3から突き出し、主軸線Aに対して平行に整合されている。換言すると、第一工作物スピンドル4aが第一スピンドル軸線Sa を有し、そして第二工作物スピンドル4bが第二スピンドル軸線Sb を有し、両スピンドル軸線Sa とSb が主軸線Aに対して平行に延びている。工作物スピンドル4aと4bが対称的に回転ホルダ3上に、ここでは主軸線Aに対して点対称的に配置されていて、それにより工作物スピンドル4aと4bの運動における不均衡が主軸線Aを中心とする回転ホルダ3の回転によってかなり回避される。主軸線Aとスピンドル軸線Sa とSb も水平に整合されている。
【0040】
回転ホルダ3と工作物スピンドル4aと4bは原動機式に駆動される。回転ホルダ3に設けられた二つのストッパによって加工位置と移送位置が工作物スピンドル4aと4bのために固定される。両工作物スピンドル4aと4bはそれぞれに回転ホルダ3の回転によって加工位置と移送位置の間に交換できる。図では、第一工作物スピンドル4aが加工位置にあり、そして第二工作物スピンドル4bが移送位置にある。
【0041】
第一工作物スピンドル4aの傍には実質的に円筒状ツールホルダ5が配置されていて、長い工具50が、例えばホブフライスが締付けられるか、或いは固定される。ツールホルダ5に保持された工具50はハウジング2の対向位置している側面に固定された逆軸受51によってその位置にて安定化される。示された位置では、工具50が第一工作物スピンドル4a上に配置されている工作物6に当接する。工具50がツールホルダ5内で工具回転軸線Rを中心に回転でき、特に原動機で回転できる。
【0042】
工作物6が加工位置において工具50によって加工される間に、同時に移送位置にて第二工作物スピンドル4bが積み卸され、引き続いて新たな工作物を積み込みされる。二つの立体的に分離した位置、即ち加工時間と移送位置において二つの異なった工作物スピンドル4aと4bにて方法の工程の同時並行実施によって全加工周期が短縮される、というのは、主時間と副時間が平行に経過するからである。
【0043】
直接に駆動される工作物スピンドル4aと4b及び直接に駆動される工具50によって、高駆動出力と回転数によって短い加工時間と工作機械1の高完全利用が達成され得る。加工位置に入る際に第一工作物スピンドル4aの回転数同期された駆動によって、工具50或いはツールホルダ5のブレーキ及び/又は減速を放棄され得て、それは加工周期の更なる短縮を導く。
【0044】
ツールホルダ5は水平回転軸線Bを中心に回転できる回転ホルダ7上に配置されている。ツールホルダ5が主軸線Aに対して垂直に延びている水平直線軸線Xに沿って且つ主軸線Aに対して平行に延びている水平直線軸線Yに沿って移動できる。このために、全ツールホルダ配列は一つの平らな支持体8上に配置されている。この支持体8は走行軌条9に沿ってレール10aと10b上に移動できる。これらレール10aと10bは主軸線Aに対して平行に整合されている。直線軸線Xに沿うツールホルダ5の運動は、回転ホルダ7が長い回転ホルダハウジング11に配置されていて、回転ホルダハウジング11が支持体8上に直線軸線Xの方向に移動できることによって達成される。直線軸線XとYが主軸線Aとスピンドル軸線Sa とSb のように水平に整合されている。それ故に、工作物6と第一工作物スピンドル4aに対するツールホルダ5の移行が水平平面における直線移行或いは直線運動によって可能であり、それにより工作機械1の垂直昇降運動や簡略化構成が断念され得る。
【0045】
ツールホルダ5は追加的に実質的に長方形状工具往復台12上に配置されていて、この往復台により直線軸線Cに沿って回転ホルダ7に対して移動できる。直線軸線Cは回転軸線Bに対して垂直に位置する。ツールホルダ5の運動方向と自由度によって、異なった輪郭形成並びに歯数を備える歯車リムが工作物6上に形成され得る。
【0046】
第一工作物スピンドル4aに対して逆ホルダ13が配置されていて、逆ホルダが回転ホルダ3に対向位置しているハウジング2の片面に配置されている。逆ホルダ13が第一スピンドル軸線Sa に沿って整合されていて、第一工作物スピンドル4aの尖端に当接する。逆ホルダはこの形式では第一工作物スピンドル4aを加工位置に安定化する。加工位置に第一工作物スピンドル4aの安定化或いは錠止め或いは逆ホルダ13の適切な開放が逆ホルダ13の電子制御によって達成され得る。
【0047】
工作機械1による工作物6の加工の場合には、落下する切屑が重力により垂直方向に下方へ落下し、そこでハウジング2に設けられた漏斗状切屑収集装置14に受け取られる。工作物スピンドル4aと4bの下部に位置する切屑収集装置14が外方から容易に接近できる。垂直方向における切屑放出或いは切屑落下によって、切屑の回転ホルダ3と工作物スピンドル4aと4bや特にそれらに設けられた駆動手段との接触はかなり阻止される。
【0048】
第二工作物スピンドル4bの積み込み積み卸しは収集装置によって短縮され得る。主時間、即ち加工位置において工作物6を加工する時間は、前もってそこで加工された工作物を後加工するために移送位置に利用され得る。このために、好ましくは回転ホルダ3の外面15に固定されているバリ取り装置が好ましい。外面15に配置されたバリ取り装置が横方向に、特に上から第二工作物スピンドル4b上の工作物に係合し、それにより移送位置の接近性を阻止しない。主時間平行バリ取り並びに積み込み積み卸しによって、工作機械1の経済性が更に上昇される。
【0049】
回転ホルダ3上に配置された工作物スピンドル4aと4b間の保護シールド或いは分離壁(図示されていない)によって、加工処理に落下する切屑や加工されていない工作物と適切な工作物スピンドルの間の接触が回避されて、切屑収集装置14への切屑の放出が確保される。
【0050】
一つの水平に整合された回転ホルダ上の二つの或いは多数の工作物スピンドルの更なる水平配列が考慮できる。この発明によると、特に三つの工作物スピンドルが同じ半径方向間隔では、例えば120°の角度間隔で主軸線Aを中心に分布され、水平に整合された回転ホルダ上に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】工作物を歯切り加工する例としてのこの発明による工作機械を示す。
【符号の説明】
【0052】
1.....工作機械
2.....ハウジング
3.....回転ホルダ
4a,4b...工作物スピンドル
5.....ツールホルダ
6.....工作物
7.....回転ホルダ
8.....支持体
9.....走行軌条
10a,10b...レール
11....回転ホルダハウジング
12....ツール(工具)往復台
13....逆ホルダ
14....切屑収集装置
15....外面
A.....主軸線
B.....回転軸線
C.....直線軸線
X.....水平直線軸線
Y.....水平直線軸線
a ,Sb ...スピンドル軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸線Aを中心に回転できる回転ホルダ(3)と、回転ホルダ(3)に配置されている二つの工作物スピンドル(4a,4b)であって、工作物スピンドル(4a,4b)が主軸線Aと平行に配列されているスピンドル軸線(Sa ,Sb )を有し、特に工作物スピンドル(4a,4b)が対称的に主軸線Aを中心に配置されている工作物スピンドルと、一方の工作物スピンドル(4a)上の工作物(6)を加工する工具(50)用ツールホルダ(5)とを包含する工作物を歯切り加工する工作機械(1)において、回転ホルダ(3)の軸線Aが水平に延びていることを特徴とする工作機械。
【請求項2】
ツールホルダ(5)は主軸線Aに対して垂直に延びている水平直線軸線Xに沿って且つ主軸線Aと平行に延びている水平直線軸線Yに沿って移動され得ることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
ツールホルダ(5)は主軸線Aに対して垂直に延びている回転水平軸線Bを中心に回転され得る回転ホルダ(7)に配置されていることを特徴とする請求項1或いは2に記載の工作機械。
【請求項4】
ツールホルダ(5)はツール往復台(12)に配列されていて、ツール往復台(12)が水平軸線Bに対して垂直である直線軸線Cに沿って回転ホルダ(7)に対して移動できることを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
【請求項5】
工作機械が特にホブ切りヘッドを備えるホブ切り装置として、特にシェービングカッタを有するホブ切シェービング装置として、或いは研磨装置として形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項6】
回転ホルダ(3)がドラムとして形成されていて、特に工作物スピンドル(4a,4b)がドラムから外に突き出すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項7】
回転ホルダ(3)が第一ストッパと第二ストッパを有し、各ストッパにはそれぞれに一つの第一工作物スピンドル(4a)が加工位置にあり、そして一つの第二工作物スピンドル(4b)が移送位置にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項8】
回転ホルダ(3)には、原動機式駆動手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項9】
工作物スピンドル(4a,4b)には、原動機式スピンドル駆動手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項10】
工作機械が加工位置で工作物スピンドル(4a)に向い合っている逆ホルダ(13)を有し、特に逆ホルダ(13)が制御プロセッサによってプログラムできることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項11】
工作物スピンドル(4a,4b)間の回転ホルダ(3)上に保護シールドが設けられていて、特に主軸線Aが保護シールドを通して延びていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項12】
工作機械が移送位置にある工作物スピンドル(4b)上に工作物を加工するバリ取り装置を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の工作機械。
【請求項13】
バリ取り装置が回転ホルダ(3)の外面(15)に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の工作機械。
【請求項14】
工作機械が工作物スピンドル(4b)に工作物を積み込み積み卸しする固定装置を有し、工作物スピンドル(4b)が移送位置にあることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の工作機械。

【図1】
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【公表番号】特表2009−534205(P2009−534205A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506903(P2009−506903)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/DE2006/002181
【国際公開番号】WO2007/121694
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(507195508)フェルゾマート・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト (3)
【Fターム(参考)】