説明

巻付防止装置

【課題】コストの低減化を図るとともに、メンテナンスが行い易い巻付防止装置を提供する。
【解決手段】ロータリの耕耘爪軸8に複数の耕耘爪7・7・・・を取り付け、巻付防止部材41を耕耘爪軸8と略平行に配置したロータリ耕耘装置100において、前記巻付防止部材41を撓み変形可能で、かつ塑性変形しない弾性体で構成するとともに、該巻付防止部材41を耕耘爪7に対して位置調節可能に取り付けた。前記耕耘爪軸8に耕耘爪7を支持する爪座9を設け、該爪座9にブラケット30を着脱自在に設け、該ブラケット30に、前記巻付防止部材41を固定・解除自在な取付機構を設けた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトラクタ等に装着されるロータリ耕耘装置の草巻付防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業車両の後部に装着されるロータリ耕耘装置に草などが巻きつくと、耕耘作業の効率が低下し、また、耕耘爪軸にからみついた草の除去作業が煩雑であったので、それらを防止するために、従来のロータリ耕耘装置には草巻付防止装置が設けられていた。
従来の草巻付防止装置は、撓み変形可能で、かつ塑性変形しない巻付防止部材(ゴムなどの弾性体)等で構成されており、該巻付防止部材の両端部に取付孔を設け、該取付孔を介して耕耘爪に外嵌して、巻付防止部材を耕耘爪に取り付けていた。
【0003】
【特許文献1】
特許第2898808号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の草巻付防止装置においては、使用により巻付防止部材が伸びてしまった場合、巻付防止部材の長さ調節ができないため、その都度新品と交換しなければならずコストがかかるという問題があった。
また、巻付防止部材を交換する時などのメンテナンス時において、巻付防止部材を着脱する際は、まず耕耘爪を取り外してから巻付防止部材を取り外す必要があり、メンテナンス性が悪いという不具合があった。
そこで、本発明では、コストの低減化を図るとともに、メンテナンスが行い易い巻付防止装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、ロータリの耕耘爪軸に複数の耕耘爪を取り付け、巻付防止部材を耕耘爪軸と略平行に配置したロータリ耕耘装置において、前記巻付防止部材を撓み変形可能で、かつ塑性変形しない弾性体で構成するとともに、該巻付防止部材を耕耘爪に対して位置調節可能に取り付けたものである。
【0007】
請求項2においては、前記耕耘爪軸に耕耘爪を支持する爪座を設け、該爪座にブラケットを着脱自在に設け、該ブラケットに、前記巻付防止部材を固定・解除自在な取付機構を設けたものである。
【0008】
請求項3においては、前記取付機構を、ブラケットに対して移動自在な押圧部材と、該押圧部材をブラケットに対して近接・離間させる締付具とで構成し、押圧部材とブラケットとの間に巻付防止部材を挿入して固定可能に構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1はロータリ耕耘装置の側面図、図2は同じく平面図である。
図3は本発明の巻付防止装置を示す図、図4(a)は第一実施例の巻付防止装置の取付状態を示す平面図、(b)は同じく後面図、図5(a)は同じく右側面図、(b)は同じく左側面図、図6は別構成の取付機構を示す平面図、図7(a)は支持部材の取付状態を示す平面図、(b)は同じく側面図、図8は別実施例の支持部材の取付状態を示す斜視図である。
図9(a)は第二実施例の巻付防止装置の取付状態を示す平面図、(b)は同じく後面図、図10は同じく側面図である。
【0010】
まず、ロータリ耕耘装置100の構成について説明する。
図1、図2に示すように、ロータリ耕耘装置100は、トラクタ等の作業車両の後部に装着され、作業車両のエンジン(図示せず)からの動力の一部がミッションケース109後面より突出したPTO軸15よりユニバーサルジョイント63等を介してロータリ耕耘装置100に伝えられ、ロータリ耕耘装置100が駆動する構成としている。
【0011】
前記ロータリ耕耘装置100は、トラクタ等の後部に設けられている作業機装着装置を介して装着されており、該作業機装着装置はトップリンク61やロアリンク62等より構成されて、ミッションケース109上部に配設した油圧ケース(図示せず)より突出したリフトアーム79にリフトロッド(図示せず)を介してロアリンク62に連結されて、リフトアーム79を回動することによりロータリ耕耘装置100を昇降回動可能としている。なお、作業機装着装置の後部にはワンタッチ式装着機構が設けられ、ロータリ耕耘装置100の着脱を簡単にできるようにしている。
【0012】
ロータリ耕耘装置100は左右中央上部にギヤケース5を配置し、該ギヤケース5より前方に入力軸を突出して、該入力軸にユニバーサルジョイント63等を介して前記PTO軸15と接続されている。前記ギヤケース5の両側にメインビーム127・127を左右両側方に突設し、該メインビーム127・127の端部にチェーンケース6とサイドサポート126の上端を固設し、該チェーンケース6とサイドサポート126の下部に耕耘爪軸8を横架している。該耕耘爪軸8上には耕耘爪7・7・・・が放射状に所定の間隔をあけて配設され、ギヤケース5内の動力伝達機構より耕耘爪軸8に動力を伝えて回転駆動するようにしている。
前記耕耘爪7・7・・・は、図3に示すように、耕耘爪軸8の外周に適宜間隔を空けて放射状に突出して固着されている爪座9・9・・・に取り付けられている。そして、所定の爪座9・9・9には、後述する巻付防止装置が取り付けられている。
【0013】
また、前記チェーンケース6とサイドサポート126の下部の耕耘爪軸8を支持する部分には耕耘カバー16の両側下部が枢支され、該耕耘カバー16は前記耕耘爪7・7・・・の回動軌跡上方を覆う構成とし、作業に合わせて耕耘カバー16を耕耘爪軸8を中心に前後回動可能に構成している。該耕耘カバー16の後部には枢支軸72を介してリヤカバー17の前部が枢支され、耕耘カバー16の後部上には摺動支持ブラケット29・29が後上方に立設され、リヤカバー17の上面にはハンガーロッド125・125の下部が枢支され、該ハンガーロッド125・125の上部が前記摺動支持ブラケット29・29の上部に摺動可能に支持されている。なお、ハンガーロッド125・125にはバネが外嵌されて、作業時に地表面の凹凸に追随できるように付勢する構成としている。
【0014】
次に、本発明の巻付防止装置について説明する。
図3乃至図5に示すように、巻付防止装置は、耕耘作業時に耕耘爪7・7・・・や耕耘爪軸8に草などが巻きつくことで、耕耘作業の効率が低下し、また、耕耘爪軸8にからみついた草の除去作業が煩雑であるのを防止するためのもので、細長い線状の巻付防止部材41、該巻付防止部材41を前記爪座9へ装着するブラケット30、該ブラケット30に設けられた取付機構50、巻付防止部材41の途中部を支持する支持部材42等で構成されている。
前記巻付防止部材41は、撓み変形可能かつ塑性変形しない弾性体で構成されており、本実施例では、巻付防止部材としてゴム製コードを使用し、該巻付防止部材41を、耕耘爪7に対して位置調節可能に取り付けている。また、該巻付防止部材41は、前記耕耘爪軸8に対して略平行に配置されている。
なお、巻付防止部材41は、ゴム製コードに限られず、ワイヤー、棒材、ピアノ線、釣り糸、樹脂成形品等を使用することもできる。
【0015】
まず、巻付防止装置の第一実施例について説明する。
巻付防止装置のブラケット30は、図3乃至図5に示すように、前記爪座9に着脱自在に装着固定されている。該爪座9は、角パイプ状に構成して耕耘爪軸8の外周から半径方向に突設して中央部に爪用嵌入穴9aが形成されている。また、ブラケット30の一側面には、ボルト43及びナット44を挿通する挿通孔31bが設けられており、該挿通孔31bはボルト43の頭、または、座金45、またはナット44の最大外形よりも若干大きな径に形成されて、ブラケット30は直接ボルト・ナットで固定されていないが抜け止めされている。
こうしてまず、該爪座9の外周にブラケット30を挿通し、次に該爪用嵌入穴9aに前記耕耘爪7を挿入して、ブラケット30(挿通孔31b)、爪座9、耕耘爪7に側方よりボルト43を挿入してナット44により締結して、爪座9に耕耘爪7を固定するとともに、爪座9にブラケット30を抜け止めしている。なお、ブラケット30は、耕耘爪7と共に爪座9にボルト・ナット43・44で固定する構成とすることもできる。
巻付防止部材41のブラケット30は、耕耘爪7を固定するボルト・ナット43・44を使用して爪座9に抜け止めされているので、新たな締結部材を使用せずにブラケット30を爪座9に装着することができる。
【0016】
図4、図5に示すように、前記ブラケット30は、前記爪座9にブラケット30を外嵌する外嵌部31と、前記巻付防止部材41を取り付ける装着部32とで構成されており、該外嵌部31によりブラケット30を爪座9に抜け止めしている。
なお、本実施例では、前記爪座9の耕耘爪7の挿入面を平面(上面)、平面に対して爪座9の長辺側を側面、平面に対して爪座9の短辺側を正面(後面)とする。
【0017】
該外嵌部31は、前記爪座9の外周に挿通できる孔部31aを有しており、該孔部31aは爪座9の外側に嵌め込める大きさに構成されている。また、外嵌部31は、一側側面に前記ボルト43を挿通する挿通孔31bを有している。
本実施例では、外嵌部31に上下方向に前記孔部31aが形成されており、外嵌部31の一側側面の上下長さを長く形成して、つまり、下方に突出部31cを形成しており、該突出部31cに、爪座9への挿通孔31bを形成している。また、該外嵌部31の他側側面の上下長さは短く形成されており、前記ボルト43が重ならないようにしている。
また、前記外嵌部31の後面には、前記装着部32が固定されている。該装着部32は、平面視コ字状に形成されており、装着部32の左右幅を外嵌部31の幅と略同じ長さとして後端部を前記外嵌部31の後面に溶接により固定している。そして、外嵌部31の後面の上下長さと、装着部32の上下長さも略同じとしている。
【0018】
該装着部32には、前記巻付防止部材41を固定・固定解除自在な取付機構50が設けられている。該取付機構50は、巻付防止部材41をブラケット30に位置調節可能に取り付けることができるもので、押圧部材51及び締付具52などにより構成されている。
装着部32の左右側面には、挿入孔32b・32bが設けられており、該挿入孔32b・32bは、前記巻付防止部材41が挿通できる大きさに形成されている。該装着部32の後面にも円形状の締付用孔32aが設けられており、該締付用孔32aは、締付具52が挿通できる大きさに形成されている。
【0019】
前記装着部32の内部には、前記押圧部材51が配設されている。該押圧部材51は、プレートを折り曲げたC型金具で構成されており、つまり、側面視コ字状に形成されている。該押圧部材51の左右長さは、前記装着部32内部の左右長さと略同一又は若干小さくしており、押圧部材51内部の前後長さは、前記巻付防止部材41の直径よりも、小さくしている。
また、前記押圧部材51の前後長さを変更することで、さまざまな巻付防止部材に対応することができる。例えば、巻付防止部材41の直径を変更した場合でも、該巻付防止部材41の直径にあった前後長さの押圧部材51を使用することで対応でき、ブラケット等を変更する必要がないので、コストの低減化を図ることができる。
【0020】
また、前記装着部32の挿入孔32b・32bと同方向に押圧部材51内部の空間が配置するようにし、前記巻付防止部材41が装着部32及び押圧部材51を挿通できるようにしている。
そして、巻付防止部材41を固定する際は、前記巻付防止部材41を、装着部32の挿入孔32b・32bに挿通して、押圧部材51の内部に配置するようにし、後述する締付具52により該押圧部材51を外嵌部31側に押圧して、押圧部材51と外嵌部31後面とで巻付防止部材41を挟持して、巻付防止部材41を固定するようにしている。
【0021】
次に、締付具52について説明する。
締付具52は、ボルト52a、固定ナット52b、ナット52cにより構成されている。固定ナット52bは、前記締付用孔32aと同軸心上に配置しており、前記装着部32の後面内部に溶接等により一体的に取り付けられている。
前記ボルト52aは、装着部32の締付用孔32aに挿通され、前記固定ナット52bに螺挿されている。また、ボルト52aの先端を、前記押圧部材51の後面に当接して、ボルト52aを締付けることで、押圧部材51を外嵌部31側に押圧し、前記巻付防止部材41を固定している。また、前記ボルト52aの頭部と装着部32の後面との間にナット52cを配置して、該ナット52cを装着部32の後面側に締付けることで、前記ボルト52aの締付け位置をロックできるようにしている。
【0022】
このような構成で、ブラケット30の装着部32に巻付防止部材41を挿入する前は押圧部材51を締付具52より外嵌部31の後面に押圧しておく。該締付具52は、前記ボルト52aにナット52cを取り付けた状態で、装着部32の締付用孔32aにボルト52aを挿通して、装着部32に固定されている固定ナット52bに螺挿し、ボルト52aを締付けて押圧部材51を外嵌部31の後面に押圧している。
巻付防止部材41を装着する際は、締付具52のボルト52aをゆるめて、押圧部材51の固定を解除して、巻付き防止部材41を装着部32の挿入孔32bおよび押圧部材51の内部に挿入する。
そして、該ボルト52aを締付けて、ボルト52a先端を押圧部材51に近接させ、更にボルト52aを締付けて、押圧部材51を外嵌部31側に押圧し、該押圧部材51の先端(前端)が前記外嵌部31の後面に当接するまでボルト52aを締付ける。
このとき、該押圧部材51内部の前後方向の長さは、巻付防止部材41の直径よりも小さく形成されているので、外嵌部31の後面に押圧部材51の先端(前端)が当接すると、巻付防止部材41は、外嵌部31と押圧部材51とに強固に挟持されて、巻付防止部材41が固定される。
【0023】
巻付防止部材41が固定されると、ボルト52aに螺挿されているナット52cを装着部32の後面に締付け、前記ボルト52aの締付け位置をロックして、巻付防止部材41の固定を維持するようにしている。
一方、巻付防止部材41を取り外す時は、逆の手順で、ボルト52aを緩めることにより、押圧部材51を外嵌部31に対して離間して、巻付防止部材41の固定解除を行い、巻付防止部材41を取り外すようにしている。
【0024】
このような構成とすることで、使用している過程で巻付防止部材41が伸びてしまった場合、従来のようにその都度新品に交換することなく、耕耘爪7に対する巻付防止部材41の位置を調節するだけで再利用でき、コストの低減化を図ることができ、また、巻付防止部材の張り調整も容易にできる。
また、巻付防止部材41を交換する際、耕耘爪7を取り外すことなく交換することができるので、メンテナンス性を向上させることができ、巻付防止部材が不要な場合の取り外しも容易に行うことができる。
更に、取付機構50を、ブラケット30に対して移動自在な押圧部材51と、該押圧部材51をブラケット30に対して近接・離間させる締付具52とで構成し、押圧部材51とブラケット30との間に巻付防止部材41を挿入し、押圧部材51を締付具52によりブラケット30に対して近接・離間させ、巻付防止部材41を固定・固定解除するので、巻付防止部材41の耕耘爪7に対する位置調節が簡単な構成により行うことができ、また、構造が簡単なため容易に製造できる。
【0025】
次に、巻付防止装置の第二実施例について説明する。
巻付防止装置のブラケット80は、図9、図10に示すように、爪座90に着脱自在に固定されている。
第二実施例の爪座90は、平面視において、大きさの異なる二個のコ字状部材91・92により構成している。そして、小さい方のコ字状部材92を、大きい方のコ字状部材91の内部に、互いに開放側を内に向けて配置し、コ字状部材91・92間に前記耕耘爪7を嵌入し、該コ字状部材91・92及び前記耕耘爪7を、ボルト47、ナット48により締結して、爪座9に耕耘爪7を固定している。なお、第二実施例の巻付防止装置における爪座は、第一実施例の爪座9を使用することもできる。
【0026】
また、前記爪座90の外周に、ブラケット80が取り付けられている。
該ブラケット80は、爪座90にブラケット80を固定する固定部81と、前記巻付防止部材41を取り付ける装着部82とで構成されている。
なお、前記爪座90の耕耘爪7の挿入面を平面、平面に対して爪座90の長辺側を側面、平面に対して爪座90の短辺側を正面(後面)とする。
【0027】
該固定部81は、平面視において略コ字状に形成されており、爪座90の側面の一部及び後面を覆うように配置している。図9(a)に示すように、外嵌部81の一側側面(左側側面)の前後長さは、前記コ字状部材92の前後長さと略同じに形成し、他側側面(右側側面)の前後長さは、前記コ字状部材91の後部略三分の一の長さに形成されている。
そして、該固定部81の左側側面には、取付孔81bが形成されており、該取付孔81bを前記爪座90と耕耘爪7の取付孔90b・7bと同軸心上に配置して、前記ボルト47、ナット48によりブラケット80を爪座90に固定している。
このように、ブラケット80の固定部81を平面視略コ字状に形成することで、耕耘爪7を爪座90から外さなくても、ボルト47を外すだけでブラケット80の着脱が行え、メンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【0028】
前記固定部81の後面には、装着部82が溶接固定されている。該装着部82は、第一実施例の装着部32と同様の構成である。
また、取付機構等その他の構成、および、巻付防止部材41の着脱方法は、第一実施例と同様の構成とし、第一実施例と同様の効果を有している。
【0029】
また、図6に示すように、締付具52のボルト52aの端部を、直接巻付防止部材41に当接させて、巻付防止部材41を固定する構成、つまり、押圧部材を使用しない構成とすることもでき、このような構成とすることで部品点数を削減することができる。
【0030】
次に、前記支持部材について説明する。
該支持部材42は、図3に示すように、巻付防止部材41が爪座9や耕耘爪7が接触しそうな箇所や弛みが生じるような位置に装着されている。本実施例では、支持部材42を等間隔に二箇所配置しているが、配置位置及び個数は限定されるものではなく、耕耘爪軸8の長さ等により適当な位置及び個数で装着することができる。
図7に示すように、該支持部材42は、前記爪座9にボルト43、ナット44により耕耘爪7とともに着脱可能に取り付けられている。該支持部材42は、平面視コ字状の固定部42dと、前記巻付防止部材41を支持する支持部42aとで構成されている。該支持部42aは、該固定部42dの上方に配置され、前後対称に形成されており、前後方向に向けて突出部分を有している。
そして、支持部42aの突出部分には、孔42b・42bが形成されており、該孔42b・42bは、前記巻付防止部材41が挿通できる大きさに、つまり、巻付防止部材41より若干大きい径の孔に形成されており、前記巻付防止部材41を挿通して、支持できるようにしている。
【0031】
また、前記固定部42dは爪座9の幅に合わせてコ字状に折り曲げ、その中央部には、爪座9に取り付けるボルト43を挿通する孔42cが形成されており、支持部材42の固定部42dを爪座9の外側に配置して、前記耕耘爪7とともに、ボルト43及びナット44により爪座9に締結固定している。
このように、前記支持部材42は、容易に着脱可能に構成されているので、適宜位置に装着が可能である。また、支持部42aを前後対称に形成し、孔42b・42bを二箇所配置しているので、爪座9に取り付けられている耕耘爪7の取付方向に関係なく巻付防止部材41を適宜位置に挿通させることができる。
なお、支持部材は、前後対称に形成し、孔を二箇所設けたものに限らず、図8に示すように、支持部材46の前後片側に突出部分を形成して、孔46bを一個所設けたものとしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0033】
即ち、請求項1に示す如く、ロータリの耕耘爪軸に複数の耕耘爪を取り付け、巻付防止部材を耕耘爪軸と略平行に配置したロータリ耕耘装置において、前記巻付防止部材を撓み変形可能で、かつ塑性変形しない弾性体で構成するとともに、該巻付防止部材を耕耘爪に対して位置調節可能に取り付けたので、
使用している過程で巻付防止部材が伸びてしまった場合、耕耘爪に対する巻付防止部材の位置を調節するだけで再利用することができ、従来のように新品に交換する必要がなく、コスト低減化を図ることができる。また、巻付防止部材の張り調整も容易にできる。
【0034】
請求項2に示す如く、前記耕耘爪軸に耕耘爪を支持する爪座を設け、該爪座にブラケットを着脱自在に設け、該ブラケットに、前記巻付防止部材を固定・解除自在な取付機構を設けたので、
巻付防止部材を交換する際、耕耘爪を取り外すことなく交換することができ、メンテナンス性を向上させることができる。また、巻付防止部材が不要な場合の取り外しも容易に行うことができる。
【0035】
請求項3に示す如く、前記取付機構を、ブラケットに対して移動自在な押圧部材と、該押圧部材をブラケットに対して近接・離間させる締付具とで構成し、押圧部材とブラケットとの間に巻付防止部材を挿入して固定可能に構成したので、巻付防止部材の耕耘爪に対する位置調節が簡単な構成により行うことができる。また、構造が簡単なため容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータリ耕耘装置の側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】本発明の巻付防止装置を示す図。
【図4】(a)は第一実施例の巻付防止装置の取付状態を示す平面図、(b)は同じく後面図。
【図5】(a)は同じく右側面図、(b)は同じく左側面図。
【図6】別構成の取付機構を示す平面図。
【図7】(a)は支持部材の取付状態を示す平面図、(b)は同じく側面図。
【図8】別実施例の支持部材の取付状態を示す斜視図。
【図9】(a)は第二実施例の巻付防止装置の取付状態を示す平面図、(b)は同じく後面図。
【図10】同じく側面図。
【符号の説明】
7 耕耘爪
8 耕耘爪軸
9 爪座
30 ブラケット
41 巻付防止部材
50 取付機構
100 耕耘装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリの耕耘爪軸に複数の耕耘爪を取り付け、巻付防止部材を耕耘爪軸と略平行に配置したロータリ耕耘装置において、
前記巻付防止部材を撓み変形可能で、かつ塑性変形しない弾性体で構成するとともに、該巻付防止部材を耕耘爪に対して位置調節可能に取り付けたことを特徴とする巻付防止装置。
【請求項2】
前記耕耘爪軸に耕耘爪を支持する爪座を設け、該爪座にブラケットを着脱自在に設け、該ブラケットに、前記巻付防止部材を固定・解除自在な取付機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の巻付防止装置。
【請求項3】
前記取付機構を、ブラケットに対して移動自在な押圧部材と、該押圧部材をブラケットに対して近接・離間させる締付具とで構成し、押圧部材とブラケットとの間に巻付防止部材を挿入して固定可能に構成したことを特徴とする請求項2に記載の巻付防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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