説明

巻取装置

【課題】プラグを巻取り基端として、プラグに繋がるコードを巻取ることにある。
【解決手段】ケース6と、その周方向に回転自在にケース6内部に取り付けられる巻取部材10とを備え、巻取部材10外周とケース6との間にはプラグ56を有するコード58を巻取り可能な隙間8が形成され、巻取部材10には、その外周よりも径方向内方側にプラグ56を出し入れ可能に収納する収納部26が形成され、収納部26は、コード58の巻取り時において、収納部26に収納されたプラグ56の抜け方向への移動を規制する係止部23を有し、収納部26に収納されたプラグ56を基端としてプラグ56に繋がるコード58を巻取部材外周10aに巻き取る構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグを有するコードを巻き取る巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温風ヒータ、扇風機、ヘアドライヤ、ミシン又はパソコンなどの電気機器には、商用交流電源から電力を得るための電源用のコードが取り付けられている。電源用のコードの先端には接続端子付きプラグが取り付けられている。そして電気機器に取り付けられた電源用のコードは、一般的にプラグを外に露出させた状態で、電気機器に内蔵された円筒状リール(巻取材の一例)にコードだけを巻取り収納可能な構成とされている(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2005−015178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上述の円筒状リールではコードを巻取り収納したとき、プラグが外に露出したままの状態となるので、外に露出したプラグには塵やホコリなどのゴミが付着して汚れやすくまた接続端子にサビが発生するという問題があった。またコードの巻取りが不十分でたるんでいると、床などの載置面にプラグが放置された状態となり、誤ってプラグ(特に接続端子)を踏みつけて破損又は変形させてしまうこともある。
なお、ある季節のみ使用されて残りの期間は押し入れ等の収納場所に置かれる扇風機などの電気機器では、プラグをコードごと収納するための蓋付きの収納部を設けたものもある。しかしながらこのような収納部を有する電気機器であっても、収納部内にコードを巻き回して収納しただけの場合が多く、プラグが確実に固定されているわけではないので誤って収納の蓋が開くとプラグが外に飛び出してしまうこともある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明の課題とするところは、プラグを巻取り基端として、プラグに繋がるコードを巻取ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明の巻取装置は、ケースと、その周方向に回転自在にケース内部に取り付けられた巻取部材とを備え、巻取部材外周とケースとの間にはプラグを有するコードを巻取り可能な隙間が形成され、巻取部材には、その外周よりも径方向内方側にプラグを出し入れ可能に収納する収納部が形成され、収納部は、コードの巻取り時において、収納部に収納されたプラグの抜け方向への移動を規制する係止部を有し、収納部に収納されたプラグを基端としてプラグに繋がるコードを巻取部材外周に巻き取る構成とされている。
【0005】
第1発明の巻取装置は、ケースと巻取部材とを備える。巻取部材は、その周方向に回転自在にケースに取り付けられている。そして巻取部材外周壁と、それに対面するケース内壁との間にプラグを有するコードを巻取り可能な隙間が形成されている。巻取部材は、その外周よりも径方向内方側にプラグを出し入れ可能に収納する収納部を有する。そして、収納部に収納されたプラグを基端としてプラグに繋がるコードを巻取部材外周に巻取り、巻取部材外周とケースとの間に形成された隙間に収納する構成とされている。このためコードは、巻取部材の径方向内方側に収納されたプラグを囲うように巻取部材外周に巻き取られて収納される。よって、プラグを外部に極力露出させることなくコードを巻き取ることができる。
【0006】
そして収納部には、コードの巻取り時又は保管時において、収納部に収納されたプラグの抜け方向への移動を規制する係止部が形成されている。この係止部は、プラグの抜け方向移動経路を遮るように配置又は形成されている。コードの巻取り時において、プラグの抜け方向移動経路を遮るように配置又は形成された係止部が抜け方向へと移動するプラグと係り合いその移動を規制する。このため、コードの巻取り時又は保管時にプラグが収納部から抜け出すことを防止又はより低減することができる。
【0007】
また、本発明の第2の発明は、第1の発明に記載の巻取装置であって、係止部は、収納部に収納されたプラグを保持する付勢力を付与された係止片を備える。
第2発明の巻取装置では、係止片の付勢力によって収納部に収納されたプラグが保持されてその抜け方向に移動することを規制する。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明の巻取装置によれば、プラグが外部に露出することを防止又は低減するので、プラグが汚れたり破損したりすることを防止又は低減することができる。
第2の発明の巻取装置によれば、係止片の付勢力により収納部内にプラグが保持されるので、コードの巻取り時又は保管時に収納部からプラグが抜け出すことをより確実に防止又は低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1〜7は第一の実施の形態の巻取装置2を示す図であり、図9及び10は、第二の実施の形態の巻取装置2aを示す図であり、図12は、第三の実施の形態の巻取装置2bを示す図である。図8は、コードを巻き取る前のドライヤの図であり、図11は、巻取装置を取り付けた温風ヒータの図である。
本実施の形態における巻取装置2(2a、2b)は、後述の通り、例えば図8に記載のドライヤ本体50に接続された電源用コード52を巻き取るための装置である。電源用コード52は、接続端子54を有するプラグ56と、ドライヤ本体50に接続されたコード58とからなり、プラグ56は常に外部に露出した構成とされている。そして巻取装置2(2a、2b)は、後述の通り、プラグ56を極力外部に露出させないように、プラグ56を巻取り基端としてコード58を巻取り収納するための装置である。
【0010】
[第一の実施の形態]
以下、図2のように巻取装置を載置(横置き)したとき上を向く側を巻取装置の上側とする。
第一の実施の形態にかかる巻取装置2は、図1及び2のように、円筒形状の外部ケース6と、外部ケース6内部に回転自在に取り付けられた円筒形状のリール10(巻取部材の一例)とを備える。ここで外部ケース6の上部壁6bは、外部ケース6内部が目視できるよう透明な材質にて構成されているので、外部ケース6内部のリール10も図1で図示されることとなる。
そしてリール10は外部ケース6よりも小径とされており、外部ケース6の内周壁6dとリール10の外周壁10aとの間には、上述の電源用コード52のコード58を収納可能な隙間(クリアランス8)が設けられている。
以下、各構成要素について説明する。
【0011】
外部ケース6の周側壁6cには、電源用コード52のプラグ56を挿入可能な挿入口4と、持ち運びのための略矩形の持ち手12と、フック孔32を有する掛け具30と、外部ケース6の周側壁6cを下にして載置(縦置き)した際に支持部となる断面半円筒状のスタンド14とが設けられている。
そして外部ケース6の上部壁6bには、ハンドル部材17がボルト19にて取り付けられている。ハンドル部材17は、外部ケース6内部に取り付けられたリール10を回転させるためのものであり、図2のように、ドーム型(角部のない半球形状)の基部18と、基部18の外周付近に立設した円筒状の取っ手16とからなる。そしてハンドル部材17を外部ケース6に取り付けるためのボルト19は、後述の通りリール10の回転中心とされる。
【0012】
リール10は、図3のように、外部ケース6内部に回転自在に取り付けられている。つまりリール10の上部壁10bには短筒状のボス36が嵌め込み固定されている。そしてボス36には、ハンドル部材17のボルト19を挿通可能なボルト孔36aが形成され、更にその同軸上側にはナット孔(図示しない)を上に向けたナット34が嵌め込み固定されている。また外部ケース6の上部壁6bには、リール10に固定されたボス36が回転自在に嵌め込み可能な挿通孔6aが形成されている。そして外部ケース6の挿通孔6aにボス36が嵌め込まれた状態で、このボス36のボルト孔36aに、ハンドル部材17のボルト19がナット34を介して固定されている。このためリール10は、ボルト19を回転中心として回転自在に外部ケース6に取り付けられ、ハンドル部材17を回転させることでリール10がその周方向に回転することとなる。
【0013】
なおリール10の外周壁10aは、図3のように、上から下に向かうにつれて厚みが薄くなるよう傾斜した縦断面形状とされている。後述するように、リール10の外周壁10aの下から上に向けてコード58を巻き取ることで、自然と上側のコード58が下側に落ち、巻き取られたコード58間の隙間がなくなり密に巻き取ることができる。
【0014】
そしてリール10には、図4のように、接続端子54を有するプラグ56を出し入れ可能に収納する収納部26が形成されている。この収納部26は、コード58が巻き取られるリール10の外周壁10a(リール10の外周を構成する)よりもリール10の径方向内方側に形成されており、接続端子54を有するプラグ56を収納可能な奥行き寸法を有する。そして収納部26には、収納された接続端子54の配置位置に対応する位置(本実施の形態においては、収納部26奥方位置)に後述の係止部23が形成されている。
【0015】
ここで収納部26の開口部28は、外部ケース6に対してリール10を(巻取りのための)スタート位置に配置することで、外部ケース6に形成された挿入口4に対面配置されるよう形成されている。本実施例においては、図1にて図示されるようにハンドル部材17を回転させて外部ケース6の上部壁6bの印(B1)とハンドル部材17の基部18の印(B2)とを一致させる。これにより、収納部26の開口部28が外部ケース6の挿入口4と対面配置するスタート位置にリール10が配置され、接続端子54を有するプラグ56が外部ケース6の挿入口4を通って収納部26の開口部28に出し入れ可能となる。
【0016】
本実施例の収納部26について更に詳述すると、収納部26は、リール10の外周壁10aを一部切り欠いて形成された凹部である。収納部26は、リール10の外周壁10aの一部で構成された第一側壁24と、この外周壁10aの一部とは異なる他部が前記第一側壁24に連なる手前で湾曲して構成された第二側壁20とで囲まれてなる。
第一側壁24は、プラグ56を出し入れし易いように開口部28に続く内壁が直線形状(第一直線部24c)とされ、その奥方に、収納されるプラグ56の接続端子54先端を受け止める収納部26の底部(受け部24a)が形成されている。そして第一直線部24cの収納部26奥方位置には、突出部24b(後述する係止部23の構成要素の一部)が形成されている。
そして収納部26の第二側壁20は、開口部28付近が湾曲(ガイド部20a)しており、ガイド部20aに続く内壁が直線形状(第二直線部20b)とされている。この第二直線部20bは、上述の収納部26の底部(受け部24a)に連結している。そして第二直線部20bの収納部26奥方位置には、第二直線部20bを貫通して形成された取付孔20cがあり、この取付孔20cに、係止片22(後述する係止部23の構成要素の一部)が取り付けられている。
【0017】
本実施例における係止部23は、第一側壁24に形成された突出部24bと、第二側壁20に取り付けられた係止片22とで構成されている。突出部24bは、上述の通り、第一側壁24内壁が収納部26内部側(リール10の径方向内方側)に突出して形成されてなる。
そして係止片22は、凸状に屈曲した突出部位22aと、その突出部位22aに連接する平板部位22bとからなる板バネ部材である。
係止片22は、その突出部位22aが収納部26内部側(リール10の径方向外方側)に突出するように、第二直線部20bの取付孔20cに嵌め込まれている。そして係止片22は、この突出部位22aが上述の突出部24bと対面するよう、その平板部位22bの先端22cがリール10の内壁側で固定されている。なお、互いに対面配置された突出部24bと突出部位22aの隙間間隔は、その間に挿入させることとなる接続端子54の縦寸法よりも小さく(狭く)されている。そして突出部位22aが収納部26内部側から押圧されると、平板部位22bがその先端22cを基端として撓り、突出部位22aが取付孔20c内に押し込まれて移動する。この平板部位22bの撓りにより、押し込まれた突出部位22aには、上述の押圧に反発して収納部26内部に戻る向きの付勢力が付与されることとなる。
ここで係止片22の付勢力(保持力)は適宜設定可能であるが、例えば、接続端子54を有するプラグ56を収納部26に収納保持したとき、外部に露出したコード58の自重により接続端子54を有するプラグ56が収納部26から抜け出さない程度でよい。
【0018】
次に、コードの巻取り手順を説明する。
図5のように接続端子54を有するプラグ56を縦向きにして収納部26に挿入し、突出部位22aを接続端子54にて取付孔20c側に押圧しつつ、プラグ56の接続端子54を突出部24bと突出部位22aの間に挿入する。これによりプラグ56は、係止部23により軽く挟まれた状態(保持された状態)となる(同図の(I)を参照)。この状態で、ハンドル部材17(図1を参照)を巻取り方向Aに回転し、プラグ56に繋がるコード58をリール10の外周壁10aに巻き取っていく。このときプラグ56のプラグ基部57(プラグ56の基部付近の凸状箇所)が、リール10の外周壁10aに巻き取られたコード58に引っ張られて湾曲したガイド部20aに当接する(同図の(II)を参照)。そしてプラグ基部57に繋がるコード58は、プラグ基部57を中心にガイド部20aに沿って曲折することなく湾曲しながら巻き取られていく。このためプラグ基部57に繋がるコード58に必要以上のテンションがかからない(同図の(III)を参照)。
【0019】
そしてプラグ56の接続端子54は、プラグ基部57が基端となってリール10の径方向外方へ拡がりつつコード58に引っ張られる方向(プラグの抜け方向移動経路)に移動しようとする。このとき、抜け方向へと移動しようとするプラグ56(接続端子54)が、そのプラグ56の抜け方向移動経路において係止部23としての突出部24bに係り合う。このため、プラグ56の抜け方向移動への移動が阻止される。そして係止片22の付勢力により、接続端子54が突出部24bに押し付けられて保持される。このため、プラグ56の抜け方向移動への移動がより確実に阻止される。
この状態で、収納部26に収納されたプラグ基部57を基端としてプラグ56に繋がるコード58をリール10の外周壁10aに巻き取り、外部ケース内周壁6dとリール10の外周壁10aとの間に形成されたクリアランス8にコード58を収納していくこととなる(図6を参照)。
そしてコード58を収納した巻取装置2を、図7のように、部屋の壁などの被取付部64に設けられた第一フック60に掛けて被取付部64に取り付けておく。なおドライヤ本体50の自重は、第一フック60とは異なる第二フック62により支持されている。
【0020】
上述の構成によれば、巻き取られたコード58はクリアランス8に位置し、そのコード58よりもリール10の径方向内方側に形成された収納部26に接続端子54を有するプラグ56が収納保持されることとなる。このため、接続端子54を有するプラグ56を外部に露出させることなくコード58を巻き取ることができる。
【0021】
[第二の実施の形態]
第二の実施の形態にかかる巻取装置2aは、上述の第一の実施の形態にかかる巻取装置2と同一の基本構成を有する。このため、第一の実施の形態にかかる巻取装置2と同一の構成については同一の符号を付す事でその構成の詳細な説明を省略する。
第二の実施の形態にかかる巻取装置2aの特徴は、係止片40にて係止部23が構成されている点である。係止片40は、平板部位40cと、この平板部位40cに対して略直角に屈曲した突出部位40bとを有する板部材である。そして、第一側壁24の収納部26奥方位置には、係止片40を取り付けるための円筒状の軸部42が上下方向に立設配置されている。係止片40は、その突出部位40bが開口部28側に配置されるように、軸部42に回動自在に取り付けられている。更に軸部42には、係止片40と第一側壁24に挟まれるように丸バネ部材44が取り付けられている。係止片40は、この丸バネ部材44により軸部42で弾性的に支持された状態とされる。このため、係止片40は、第一側壁24側に向けて押圧されると、これに反発して押し戻す向きの付勢力が付与されることとなる。
【0022】
そして軸部42に取り付けられた状態の係止片40は、縦向きにしたプラグ56の形状と対応する形状とされている。つまり、係止片40の平板部位40cはプラグ56と当接可能な形状とされ、係止片40の突出部位40bが、プラグ56の凹部53(プラグ56の基部付近のプラグ基部57とは異なる凹状箇所)にはまり込む形状とされている。
係止部23としての係止片40に保持されたプラグ56は、図10のように、係止片40の付勢力によりその対面側の第二側壁20に押し付けられる。更に係止片40の突出部位40bが、プラグ56の凹部53に嵌り込むことで互いに係り合うこととなる。このため、プラグ56の抜け方向移動への移動が阻止される。そして、より強い保持力でもって、プラグ56が収納部26に保持されることとなる。
【0023】
[第三の実施の形態]
第三の実施の形態にかかる巻取装置2bは、図12のように、上述の第一の実施の形態にかかる巻取装置2と同一の基本構成を有する。よって、第一の実施の形態にかかる巻取装置2と同一の構成については同一の符号を付す事でその構成の詳細な説明を省略する。
第三の実施の形態にかかる巻取装置2bの特徴は、係止部23としてのプラグ挿入部80が設けられている点であり、このプラグ挿入部80には、プラグ56の接続端子54,54を挿入可能なプラグ挿入口80a,80aが形成されている。プラグ挿入口80a,80aに接続端子54,54を挿入することで、その抜け方向への移動(特に、リール10の径方向外方への移動)を規制することができる。
ここでプラグ挿入部80の材質は、特に限定しないが、本実施の形態のようにゴムやエラストマなどの弾縮性を有する材質とすることができる。この場合、プラグ挿入口80a,80aの寸法を接続端子54の寸法よりも小さくしておくとよい。プラグ挿入口80a,80aを押し広げつつ接続端子54を挿入すると、プラグ挿入部80の有する弾性により接続端子54が締め付けられて確実に収納部に保持されることとなる。
またプラグ挿入部80の材質を硬質な樹脂とする場合には、上述の係止片22(又は係止片40)を併用して用いることが好ましい。この場合、例えば、プラグ挿入部80内にプラグ挿入口80aに連通する連通孔を設け、この連通孔に、係止片22の突出部位22aがプラグ挿入口80a内に突出するように係止片22を取り付ける。
【0024】
また第三の実施の形態にかかる巻取装置2bでは、外部ケース6の挿入口4両端にローラ部材85,85が設けられている。ローラ部材85は、外部ケース6の周側壁6cに沿って上下方向に立設した軸部85bと、この軸部85bに回転自在に嵌め込まれた円筒管85aとからなる。コード58の巻取り時又は引出し時には、外部ケース6の挿入口4から出入りするコード58がローラ部材85と当接する。このときコード58に当接したローラ部材85がコード58の移動に伴い回転するので、コード58出し入れ時におけるコード58の接触摩擦が抑えられる。このためコード58にキズがつきにくい。
なお、リール10の内側には補強のための板状のリブ37がボス38(上述のボス36とは異なる形態である)を中心として放射状に複数設けられている。ボス38は、リール10の底面に立設してなる横断面半円形の柱体である。
【0025】
本実施例の巻取装置は、本実施の形態で説明した外観、構成、処理、表示例等に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施例においては、係止部23を収納部26の側壁(第一側壁24及び第二側壁20)に形成した例(プラグを縦にして収納する例)を説明した。これとは異なり、プラグを横にして収納する場合には、収納部26の内部上面及び下面に係止部23を形成又は取り付けてもよい。
また本実施の形態(第一の実施の形態)において、係止片22と突出部24bとで構成された係止部23の例を説明した。これとは異なり、係止片22又は突出部24bのみで係止部23を構成してもよい。
また本実施の形態(第二の実施の形態)において、第一側壁24に係止片22を取り付けた例を説明した。これとは異なり、第一側壁24と第二側壁20の両方に係止片22を取り付けてもよく、この場合には突出部24bを形成する必要はない。また第一側壁24と第二側壁20の両方に突出部24bを形成してもよく、この場合には係止片22を取り付けなくともよい。
また本実施の形態(第一の実施の形態)において、板バネ部材の係止片22の例を説明した。これとは異なり、収納部26に向けてコイルバネを突出させてなる係止片としてもよい。また収納部26に向けてゴム製の柱体を突出されてなる係止片としてもよい。
【0026】
本実施例においては、ドーム状の基部18に円筒形状の持ち手16を立設したハンドル部材17の例(図2を参照)を説明した。ハンドル部材は、外部ケース内部のリールを回転可能であれば如何なる形状のものであってもよく、例えば、平板状の基部に円筒状の持ち手が取り付けられた形状のハンドル部材であってもよい。持ち手が回転中心から遠い位置に配置されているので、より軽い力でハンドルを回転させることができる。
【0027】
本実施例においては、フック孔32を有する掛け具30により巻取装置2(2a、2b)を被取付部64に掛けて保持する例(図7を参照)を説明した。この掛け具の形状は、フックの形状に合わせて適宜変更可能であり、フックを掛けることができればどのような形状であってもよい。
また巻取装置2は、磁気的又は接着剤などによって電気機器に固定してもよい。例えば図11に示すように巻取装置2を金属製の枠体である温風ヒータ70に固定するには、巻取装置2の底面(図示しない)に磁石を取付け、または接着剤を塗布などする。このようにすれば、温風ヒータ70の側部に巻取装置2底面を当接することで、巻取装置を磁気的に温風ヒータ70に取り付けることができる。
また巻取装置2は、外部ケース6及び/又はリール10をすべて透明(あるいは半透明)な材質で構成することもできる。
【0028】
本実施例においては、ハンドル部材17にて外部ケース6内部のリール10を回転する(手動による回転の)例を説明した。これとは異なり、リール10をその周方向に自動回転するようにバネ付勢するなどして自動巻取り可能な構成としてもよい。また自動巻取りにおいては、電気的に駆動してリールを回転させる駆動装置を用いてもよい。
またハンドル部材17は、基部18の外周付近に立設した円筒状の取っ手16をリール10内部に押し込み可能な構成としてもよい。この場合には、外部ケース6の上部壁6bとリール10の上部壁10bのそれぞれ対応する位置に取っ手16を押し込み可能な孔を設けておく。リール10内部に押し込まれた取っ手16がストッパとなり、リール10の回転がロック(規制)される。このためリール10が不用意に回転することがなく、より安全なものとなる。この取っ手16の押し込みリール10を固定する位置は、例えば、収納部26の開口部28と外部ケース6に形成された挿入口4とが対面するスタート位置とすることが好ましい。このような位置決めをすれば、より確実に、接続端子54を有するプラグ56が外部ケース6の挿入口4を通って収納部26の開口部28に出し入れ可能となる。
【0029】
本実施例においては、リール10の外周に沿って形成された収納部26の例を説明した。収納部26の形成位置は、リール10の径方向内方側に形成されておればよく、例えば、リール10の中心(図1で見るとボス36の配置位置)を通る中心線上に形成されていてもよい。
【0030】
本実施例においては、温風ヒータやドライヤなどの家庭用の電気機器に使用する例を説明したが、本実施の形態の巻取装置2(2a、2b)は、電源用コードを有する電気機器であればいずれにも使用可能なものである。例えば、家庭用の電気機器よりも太いコードを有する工具類の電源用コードであっても、巻取装置2(2a、2b)の寸法を適宜変更することで巻き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】巻取装置の平面図である。
【図2】巻取装置の側面図である。
【図3】図1のIII‐III線(縦)断面図である。
【図4】図2のIV‐IV線(横)断面図である。
【図5】コードの巻取り手順を説明するための巻取装置の横断面図である。
【図6】コードが巻き取られた状態を示す巻取装置の横断面図である。
【図7】ドライヤのコードを巻き取った状態の巻取装置を示す平面図である。
【図8】コードを有するドライヤの平面図である。
【図9】別の例の巻取装置の横断面図である。
【図10】コードが巻き取られた状態を示す別の例の巻取装置の横断面図である。
【図11】温風ヒータのコードを巻き取り収納した巻取装置の平面図である。
【図12】更に別の例の巻取装置の横断面図である。
【符号の説明】
【0032】
2 第一の実施の形態の巻取装置
2a 第二の実施の形態の巻取装置
2b 第三の実施の形態の巻取装置
4 挿入口
6 外部ケース
6a 挿通孔
6b 外部ケース上部壁
6c 外部ケース周側壁
6d 外部ケース内周壁
8 クリアランス
10 リール
10a リール外周壁
10b リール上部壁
12 持ち手
14 スタンド
16 取っ手
17 ハンドル部材
18 基部
19 ボルト
20 収納部の第二側壁
20a ガイド部
20b 第二直線部
20c 取付孔
22 第一の実施の形態の係止片
22a 突出部位
22b 平板部位
22c 先端
24 第一側壁
24a 受け部
24b 突出部
24c 第一直線部
26 収納部
28 開口部
30 掛け具
32 フック孔
34 ナット
36 ボス
36a ボルト孔
40 第二の実施の形態の係止片
40b 突出部位
40c 平板部位
42 軸部
44 丸バネ部材
50 ドライヤ本体
52 電源用コード
53 プラグの凹部
54 接続端子
56 プラグ
57 プラグ基部
58 コード
80 プラグ挿入部
85 ローラ部材




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
その周方向に回転自在に前記ケース内部に取り付けられた巻取部材とを備え、
前記巻取部材外周と前記ケースとの間にはプラグを有するコードを巻取り可能な隙間が形成され、
前記巻取部材には、その外周よりも径方向内方側に前記プラグを出し入れ可能に収納する収納部が形成され、
前記収納部は、前記コードの巻取り時において、前記収納部に収納された前記プラグの抜け方向への移動を規制する係止部を有し、
前記収納部に収納された前記プラグを基端として前記プラグに繋がる前記コードを前記巻取部材外周に巻き取る構成とされている巻取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の巻取装置であって、
前記係止部は、前記収納部に収納されたプラグを保持する付勢力を付与された係止片を備える巻取装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−1511(P2008−1511A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175368(P2006−175368)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(594203449)
【出願人】(505431097)
【Fターム(参考)】