説明

巻取装置

【課題】 可撓性復元部材の長さを短縮することで可撓性復元部材の製造コストを削減する巻取装置を提供する。
【解決手段】 本発明の巻取装置には、回転軸とハウジング部材と可撓性復元部材と回転部材とを含み、該回転軸は円柱棒体であり、該ハウジング部材は内部空間を有し、該回転軸が該ハウジング部材の中に設けられ、該回転軸の一端が該ハウジング部材の外側に位置し、且つ開口部を備え、可撓性シート状部材が該開口部を通じて該ハウジング部材に巻き込み又は該ハウジング部材から巻き出すために供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取装置に関し、特に、接着テープ、プラスチックシート、硬質紙材又は金属薄片の素材でフィルム、帯状紙、プラスチックシート又は反物を巻き取ることができる巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
巻取装置を備えた構造に関し、例えば特許文献1の図面を参照して説明する。該特許文献1に開示された巻取装置は、渦巻ばねで帯状紙を巻き取るようになっている、筆記具に設置された巻取装置である。該巻取装置は、主に円筒と、回転軸と、回転軸の突出端と、渦巻ばねと、可撓性シート状部材及び円筒底蓋からなり、渦巻ばねの第1の端部を回転軸に嵌設した後、渦巻き線の曲げ方法で該回転軸を1回以上巻回し、また該ばねを第2の端部まで巻回し、可撓性シート状部材の第1の端部が該渦巻ばねの第2の端部に連結すると共に該回転軸を中心にして該渦巻ばねを巻回することで、回転軸−可撓性シート状部材嵌合具を形成し、該回転軸−可撓性シート状部材嵌合具を円筒に嵌設して回転軸の一端部を該円筒から突出させることで回転軸の突出端が形成され、次に円筒底蓋を覆うと共に筆記具の胴部内に嵌設され、それから回転部材を該回転軸の突出端に設けることで可撓性シート状部材装置を形成し、該回転軸の突出端の回転を介して可撓性シート状部材装置内の可撓性シート状部材を動かし、該可撓性シート状部材が該可撓性シート状部材装置のハウジング部材の外側からの巻き出しとハウジング部材を外側に巻き込ませることができ、最後に該回転軸−可撓性シート状部材嵌合具を筆記具胴体部内に取り付けて巻取装置を備えた筆記具となる。
【0003】
公知の巻取装置において、該渦巻ばねではその渦巻き線曲げの曲率半径変形量を制御しにくく、且つ渦巻き線が回転軸を数回巻回させると、可撓性シート状部材と数箇所の接触が生じて容易に可撓性シート部材内側に加わる力が不安定となり、更に該数回巻回した渦巻ばねは、可撓性シート状部材の回転時も外回りと内回りの渦巻ばねにおいて広範囲での接触摩擦が起き、従って力の不安定が発生する。上記をまとめると、公知の巻取装置は数回巻き付いた渦巻ばねから可撓性シート状部材内側に加わる力が容易に不安定になることにより、可撓性シート状部材の巻き出しと巻き込みの障害が発生し、従って、良品率の不安定問題を招く。よって、渦巻ばね機能の安定性をいかに制御して、巻取装置の安定性を向上させることが、業界の重要な課題の1つとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中華民国特許出願第94205453号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、フィルム、接着テープ、プラスチックシート、硬質紙材の素材により、例えば、フィルム、帯状紙、プラスチックシート、金属薄片、反物の可撓性シート状部材を巻く傾向があることで、該可撓性シート状部材を巻取り或いは巻き出すことができる巻取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の巻取装置には、回転軸とハウジング部材と可撓性復元部材と回転部材とを含む。該回転軸は円柱棒体であり、該ハウジング部材は内部空間を有し、該回転軸が該ハウジング部材の中に設けられ、該回転軸の一端が該ハウジング部材の外側に位置し、且つ開口部を備え、可撓性シート状部材が該開口部を通じて該ハウジング部材に巻き込み又は該ハウジング部材から巻き出すために供給される。該可撓性復元部材の端部が該回転軸に固装され、別の端部が該可撓性シート状部材に固装され、該可撓性復元部材は該可撓性シート状部材を該回転軸の曲率半径に巻取り或いは巻き出す時、巻かれた該可撓性シート状部材の外表面と該ハウジング部材の内表面とを接触させるために用いられる復元用弾性係数を有する。該回転部材は、該回転軸と一緒に該ハウジング部材の上端外側に連結されて該突き出た回転軸の端部と接合することで、該回転軸の回転により該可撓性シート状部材を巻き込み或いは巻き出す。
【0007】
該可撓性復元部材は、バネシート部材で、且つ該バネシート部材が金属薄片である。該バネシート部材の長さが該回転軸の円周の長さより小さくなることで、数回巻回で生じる内回りと外回りのバネシートにおいて広範囲での接触摩擦によって加わる力の不安定問題を避ける。本発明に基づくと、巻取装置の巻き出しと巻き込みの障害問題を大幅に改善できる。その他、バネシートの長さを短縮することは、バネシートの材料コスト及び加工コストを節約でき、更に製造コストの削減効果を見込める。
【0008】
本発明は、可撓性シート状部材を巻く傾向があることで該可撓性シート状部材を巻き取り或いは巻き出すために用いられる別の巻取装置を提供する。該巻取装置には、回転軸とハウジング部材と可撓性復元部材と回転部材とを含む。該回転軸は円柱棒体である。該ハウジング部材は内部空間を有し、該回転軸が該ハウジング部材の中に設けられ、該回転軸の一端が該ハウジング部材の外側に位置し、且つ開口部を備え、可撓性シート状部材が該開口部を通じて該ハウジング部材に巻き込み又は該ハウジング部材から巻き出すために供給される。該可撓性復元部材の第1の端部が該回転軸に固装され、第2の端部が該可撓性シート状部材に固装され、該可撓性復元部材は曲げ復元用の曲げ復元係数を有し、該第1の端部から推力又は引張力を該第2の端部に伝達し、該曲げ復元係数は該可撓性復元部材が該推力を受けて曲げ復元の変形しない最小曲げ復元係数で、且つ該曲げ復元係数が該推力又は該引張力を該可撓性復元部材の表面に均一に分布した最小所要曲げ復元係数を上回り、以って該可撓性復元部材と該可撓性シート状部材の間に均一な静止摩擦力と運動摩擦力を発生させ、該静止摩擦力と該運動摩擦力が許容該推力又は該引張力より小さい又は等しくさせる。該弾性係数を有する該可撓性復元部材はフィルム、接着テープ、プラスチックシート、硬質紙材の中から選択された1つの素材からなる。該回転部材は、該回転軸と一緒に該ハウジング部材の上端外側に連結されて該突き出た回転軸の端部と接合することで、該回転軸の回転により該可撓性シート状部材を巻き込み或いは巻き出す。
【0009】
本発明の巻取装置は、フィルム、接着テープ、プラスチックシート、硬質紙材又は金属薄片の可撓性復元係数を有する素材により、フィルム、帯状紙、プラスチックシート、金属薄片又は反物などの可撓性シート状部材を巻く傾向があることで、該可撓性シート状部材を該巻取装置に巻き取り或いは該巻取装置から巻き出す。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、少なくとも下記の長所を有する。
(1)渦巻ばねの製造における困難性を低減する。
(2)可撓性復元部材の長さを短縮することで可撓性復元部材の製造コストを削減し、且つ高コストの埋め込み射出成形方法を用いる必要がない。
(3)可撓性シート状部材の巻き出し障害の問題を効果的に避ける。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に基づく一実施例における可撓性復元部材−回転軸機構立体図である。
【図2a】本発明に基づく一実施例における可撓性シート状部材の巻回方法を示す立体図である。
【図2b】本発明に基づく一実施例における可撓性シート状部材−回転軸機構立体図である。
【図3】本発明に基づく一実施例における巻取装置の立体分解図であるである。
【図4】本発明に基づく一実施例における巻取装置立体図である。
【図5】本発明に基づく一実施例における巻取装置を備えた筆記具立体図である。
【図6】本発明に基づく一実施例における巻取装置の端面図である。
【図7】本発明に基づく別の実施例における巻取装置立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好ましい実施例は、下記の通りである。本発明の趣旨と範囲から逸脱することなく実施例を様々に変更や改変できるのは、当業者には明らかである。したがって、本発明の権利範囲は下記実施形態に限定されるのではなく、本発明の範囲は、特許請求範囲内の記載によって決定されるべきである。
【0013】
図1乃至図4を参照して説明すると、まず、円柱棒体である回転軸101を形成する。復元用弾性係数を有する可撓性復元部材102の第1の端部103を該回転軸101の接合部104に連結固定することで、可撓性復元部材−回転軸機構10とする。該可撓性復元部材102は該接合部104から外部に向かって延伸し、且つ、ハウジング部材112の内部空間をカーブしながら円弧状となり、従って該回転軸101の外側を囲繞する。該可撓性復元部材102は最終的に最末端の可撓性復元部材第2の端部106に延出し、また、該第2の端部106に、例えば、接着剤のような貼合媒体(断面線で図1に示す)を実施することで貼付機能を持たす。
【0014】
本実施例において、可撓性復元部材102はバネシート部材であり、該バネシート部材が金属薄片とすることができる。可撓性復元部材102がバネシート部材の場合、該バネシート部材102の長さは該回転軸101の円周の長さを下回る。次に、可撓性シート状部材107を設置し、第1の可撓性シート状部材の端部108を該可撓性復元部材第2の端部106に連結して該可撓性復元部材102を備えた回転軸101に巻回させ、該可撓性シート状部材107が最終的に最末端の第2の可撓性シート状部材の端部109までに巻回し、完成した可撓性シート状部材−回転軸機構11は、図2bに示すようになる。
【0015】
可撓性シート状部材107は、帯状紙、フィルム、プラスチックシート、金属薄片、反物等とすることができる。該可撓性シート状部材−回転軸機構11をハウジング開口部110とハウジング側面斜壁111を備えたハウジング部材112の中に嵌め込まれる。回転軸101の端部105は該ハウジング部材112の上表面にある挿通孔113から突出する。
【0016】
次に、基部114をハウジング部材112の下端開口部115に結合することで、該可撓性シート状部材−回転軸機構11を収納する。該ハウジング部材112の下端部に該回転軸101の下端部を支え該回転軸101を回転させるための支点122を設ける。該可撓性シート状部材107を該回転軸101の曲率半径に巻き出した時、巻いた該可撓性シート状部材107の外部露出表面の一部と該ハウジング部材112の内表面とが接触する。
【0017】
第2の可撓性シート状部材の端部109が該ハウジング開口部110を通過する時、該可撓性シート状部材107の第2の可撓性シート状部材の端部109が該ハウジング側面斜壁111のガイドを受けて、更に該ハウジング側面斜壁111に接触して可撓性シート状部材107がハウジング開口部110から突出させることができる。
【0018】
次に、ハウジング部材112を該ハウジング開口部110に対応する筆記具胴体開口部116及び筆記具胴体の側面斜壁117を備えた筆記具胴体部材118の中に嵌め込むことができ、また該筆記具胴体部材118で該ハウジング部材112の外側を覆わせ、該ハウジング開口部110とハウジング側面斜壁111及び対応する筆記具胴体開口部116を介して、該側面斜壁117が第2の可撓性シート状部材の端部109が筆記具胴体開口部116を通過して筆記具胴体部材118の外部から突出するようガイドする。
【0019】
更に、該筆記具胴体部材118の上端部119に回転軸開口部120が設けられ、該回転軸101の端部105が突出するように用いられる。次に、回転部材121を該筆記具胴体部材118の上端119に設置して該突き出た回転軸101の端部105と接合し、以って該回転軸101の回転を介して該可撓性シート状部材107を巻き込み或いは巻き出す。
【0020】
該可撓性シート状部材107を巻き出した後、利用者の利便性のため、該可撓性シート状部材107が切断可能になっている。可撓性復元部材102は、ハウジング部材112と回転軸101の間の適当な空間を確保して可撓性シート状部材の外層と該ハウジング部材の内表面との接触を維持するように用いられる。ただし、当業者は、巻取装置を筆記具の胴体部材118の中に必ず取り付けて使用する必要はなく、巻取装置自らの作用或いは他の構造内に取り付けられて作用することもできる。
【0021】
図4は、巻取装置13の立体図である。巻取装置13と首軸部材14との連結として筆記具胴体部材118の下端に接合部材131を結合する。図5に示すように、接合部材131の下端に首軸部材14を最終的に組み立てると、巻取装置を備えた筆記具15を形成する。
【0022】
巻取装置の端面を示す図6を参照して説明すると、図6は、該可撓性復元部材102の第1の端部103の該接合部104における延伸は、カーブする方法で該回転軸101の外側に沿って囲繞する。
【0023】
利用者の回転軸101に対する加力について、加力方向によって推力及び引張力を区分できる。加力方向が可撓性シート状部材107を巻き出したい場合、推力P1と呼ばれる。加力方向が可撓性シート状部材107を巻き込みたい場合、引張力P2と呼ばれる。引張力P2が均しく有効状況とするため、下記において推力P1の有効的(可撓性シート状部材107を巻き出すことができる)な加力条件のみを説明する。
【0024】
可撓性復元部材102自体は曲げ復元係数を有し、以って該可撓性復元部材の第1の端部103から推力或いは引張力を該可撓性復元部材第2の端部106に伝達する。曲げ復元係数は、該可撓性復元部材102が力を受けても該可撓性復元部材102を復元させることができる性質であり、これは可撓性復元部材102の素材と関係する。曲げ復元係数の定義が以下の通りとする。
【0025】
数式1:
K=F/S
【0026】
上記式において、Kが可撓性復元部材102の曲げ復元係数で、Fが該可撓性復元部材102に加われる有効的な力であり、Sが該可撓性復元部材102の変位量である。上式からKが非常に小さい時、非常に小さい力Fが非常に大きな変位を発生するが、該可撓性復元部材102はやはり復元でき、変形しないことが分かる。該可撓性復元部材102の変形が該巻取装置を阻害させるための該可撓性復元部材102の曲げ復元係数は、該可撓性復元部材102が該推力を受けて曲がり復元して変形しない最小曲げ復元係数である。且つ該可撓性復元部材102の曲げ復元係数は、該推力P1を該可撓性復元部材102の表面に均一に分布させる最小可撓性復元係数を上回り、もって、該可撓性復元部材102と該可撓性シート状部材107の間に、均一な静止摩擦力と運動摩擦力を発生させると共に該曲げ復元係数が発生した静止摩擦力と運動摩擦力は許容該推力(例えば、許容される利用者の推力)より小さい又は等しくさせ、もって、該可撓性シート状部材107を効果的に巻き出す。
【0027】
該曲げ復元係数を有する該可撓性復元部材は、接着テープ、プラスチックシート、硬質紙材の中から選択された1つの素材からなる。つまり、利用者の推力P1は、下記式を満たさなければならない。
【0028】
数式2:
P1≧f1max(1)
【0029】
上記式において、f1maxは静止摩擦力の最大値である。運動摩擦力は、通常静止摩擦力の最大値を下回るため、推力が静止摩擦力の最大値を上回ると、働きが起きる。換言すれば、式(1)が成立する時、可撓性シート状部材107を外へ押動でき、可撓性シート状部材の先端部1071がハウジング開口部110に回った時、該可撓性シート状部材の先端部1071が該ハウジング側面斜壁111によりガイドされてハウジング部材112から突出する。
【0030】
次に、該可撓性シート状部材の先端部1071が筆記具胴体の側面斜壁117によりガイドされ、引き続き外部に向かって突出し、筆記具胴体開口部116を通じて筆記具胴体部材118から突出し、適当な長さを巻き出して使用できる。
【0031】
式(1)が成立しない時、可撓性シート状部材107を押動して外へ巻き出すことができない。一方、利用者の加力P1を減らし、可撓性シート状部材107の巻き出し効果を維持したい場合、可撓性復元部材102の素材を変えて静止摩擦力及び運動摩擦力を減らすことができる。
【0032】
特に注意すべきことは、巻き出し時凹み変形の状況があれば、可撓性復元部材102を阻害(利用者が回転軸101を回転したが可撓性シート状部材107を巻き出すことができない)させることを避けるため、可撓性復元部材102の曲げ復元係数が小さ過ぎてはならない。可撓性復元部材102が備える弾性係数は、該可撓性復元部材が該推力を受けて復元機能を喪失させる最小弾性係数である。つまり、可撓性復元部材102の曲げ復元係数からなる負荷強度Hは、下記の式を必ず満たさなければならない。
【0033】
数式3:
H≧f1max(2)
【0034】
一方、可撓性シート状部材107上の各点摩擦力の差は、1つの範囲内に制限され、該可撓性シート状部材107の受けた力がほぼ均一となる。該可撓性シート状部材107の各点が受ける摩擦力の差が大きいほど、可撓性シート状部材107自らが巻いて変形、或いは適切にハウジング部材112の内表面等に接触できなくなり、これは巻取装置を阻害する。つまり、可撓性復元部材102の曲げ復元係数は、最小所要曲げ復元係数を上回り、以って該可撓性シート状部材107と該可撓性復元部材102の間に均一な運動摩擦力及び静止摩擦力を発生させる。
【0035】
次に、図7に示す巻取装置の実施例を参照して説明する。該可撓性復元部材102は接着テープ、フィルム、プラスチックシート、硬質紙材の中から選択された1つの素材からなる。これら素材は、式(1)及び式(2)を確実に成立させることができる。該可撓性復元部材102が上記の群内から選択された素材の場合、該可撓性復元部材102を収容するため、該回転軸101に凹溝16を設けることができ、また固定具17を該凹溝16に嵌め込んで該可撓性復元部材102を該回転軸101に固定させて結合強度を強化する。可撓性復元部材102は接着剤で凹溝16の中に接着できる。
【0036】
可撓性復元部材102がバネシート(金属薄片も可能)の場合、該可撓性復元部材102が復元用弾性係数を有し、該可撓性シート状部材107を該回転軸101の曲率半径に巻き出した時、巻かれた該可撓性シート状部材107の外部露出表面の一部と該ハウジング部材112の内表面とを接触させる。バネシートの長さが回転軸101の円周の長さより小さくなるよう制限することで、可撓性シート状部材107が受けた力を均一にさせることができる。
【0037】
更に、ハウジング部材112からなる素材も選択でき、低摩擦係数の素材でハウジング部材112を構成し、従って利用者の推力P1を減らす。可撓性復元部材102が変形、障害状況の発生を避けるため、上記素材は、ハウジング部材112と可撓性シート状部材107の間の最大静止摩擦力f2maxが推力P1より小さい又は等しく、且つ推力P1が可撓性復元部材102の負荷強度Hよりより小さい又は等しいことを満たさなければならない。つまり、下記式を満たさなければならない。
【0038】
数式4:
f2max≦P1≦H(3)
【0039】
式(3)を満たす任意の素材は、いずれもハウジング部材112の素材とすることができる。例えば、ハウジング部材112は低摩擦係数のプラスチック材質とすることができる。
【符号の説明】
【0040】
10 可撓性復元部材(回転軸機構)
101 回転軸
102 可撓性復元部材
1021 接触面
103 可撓性復元部材の第1の端部
104 接合部
105 端部
106 可撓性復元部材の第2の端部
107 可撓性シート状部材
1071 可撓性シート状部材の先端部
108 第1の可撓性シート状部材の端部
109 第2の可撓性シート状部材の端部
11 可撓性シート状部材−回転軸機構
110 ハウジング開口部
111 ハウジング側面斜壁
112 ハウジング部材
113 挿通孔
114 基部
115 下端開口部
116 筆記具胴体開口部
117 筆記具胴体の側面斜壁
118 筆記具胴体部材
119 上端部
120 回転軸開口部
121 回転部材
122 支点
13 巻取装置
131 接合部材
14 首軸部材
15 巻取装置を備えた筆記具
16 凹溝
17 固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性シート状部材を巻く傾向があることで該可撓性シート状部材を巻き取り、或いは、巻き出すために用いられる巻取装置であって、回転軸とハウジング部材と可撓性復元部材と回転部材とを、含み、
前記回転軸は円柱棒体であり、
前記ハウジング部材は内部空間を有し、前記回転軸が前記ハウジング部材の中に設けられ、前記回転軸の一端が前記ハウジング部材の外側に位置し、且つ、開口部を備え、可撓性シート状部材が前記開口部を通じて前記ハウジング部材に巻き込み、又は、前記ハウジング部材から巻き出すために供給され、
前記可撓性復元部材の第1の端部が前記回転軸に固装され、第2の端部が前記可撓性シート状部材に固装され、前記可撓性復元部材は曲げ復元用の曲げ復元係数を有し、前記第1の端部から推力、又は、引張力を前記第2の端部に伝達し、前記曲げ復元係数は前記可撓性復元部材が前記推力を受けて曲げ復元の変形しない最小曲げ復元係数で、且つ、前記曲げ復元係数が前記推力、又は、前記引張力を前記可撓性復元部材の表面に均一に分布した最小所要曲げ復元係数を上回り、以って、前記可撓性復元部材と前記可撓性シート状部材の間に均一な静止摩擦力と運動摩擦力を発生させ、前記静止摩擦力と前記運動摩擦力が許容前記推力、又は、前記引張力より小さく、或いは、等しくさせ、前記弾性係数を有する該可撓性復元部材は接着テープ、フィルム、プラスチックシート、硬質紙材の中から選択された1つの素材からなり、
前記回転部材は、前記回転軸と一緒に前記ハウジング部材の上端外側に連結されて前記突き出た回転軸の端部と接合することで、前記回転軸の回転により前記可撓性シート状部材を巻き込み、或いは、巻き出すことを特徴とする巻取装置。
【請求項2】
前記回転軸に凹溝を設けて前記可撓性復元部材を収容した後、固定具により該凹溝に嵌め込んで密着することで該可撓性復元部材を該回転軸の表面に固定することを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。
【請求項3】
前記可撓性シート状部材は、帯状紙、接着テープ、フィルム、プラスチックシート、金属薄片又は反物で、且つ、前記ハウジング部材からなる素材が低摩擦係数のプラスチックであることを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。
【請求項4】
前記巻取装置は、筆記具の上端部に設置され、前記筆記具は前記ハウジング部材の外側を覆う筆記具胴体部材を含み、前記筆記具胴体部材が前記ハウジング部材の開口部に対応する筆記具胴体開口部と筆記具胴体の側面斜壁を備え、以って前記可撓性シート状部材が前記開口部を通過する時、前記可撓性シート状部材の表面が前記筆記具胴体部の側面斜壁のガイドを介して前記筆記具胴体部材から突出させ、前記筆記具胴体部材の上端部に回転軸開口部を有し、前記回転軸の端部を突き出させるために用い、前記筆記具胴体部材の下端に接合部材を有し、ペン芯を有した首軸部材と接合して巻取装置を備えた筆記具になることを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。
【請求項5】
前記回転軸に連結固定するため、前記可撓性復元部材の形状は、薄寸帯状体であり、且つ、前記ハウジング部材の下端部に前記回転軸の下端部を支えて前記回転軸を回転するために用いられる支点が設けられることを特徴とする請求項1に記載の巻取装置。
【請求項6】
可撓性シート状部材を巻く傾向があることで該可撓性シート状部材を巻き取り、或いは、巻き出すために用いられる巻取装置であって、回転軸とハウジング部材と可撓性復元部材と回転部材とを、含み、
前記回転軸は円柱棒体であり、
前記ハウジング部材は内部空間を有し、前記回転軸が前記ハウジング部材の中に設けられ、前記回転軸の一端が前記ハウジング部材の外側に位置し、且つ、開口部を備え、可撓性シート状部材が前記開口部を通じて前記ハウジング部材に巻き込み、又は、前記ハウジング部材から巻き出すために供給され、
前記可撓性復元部材の端部が前記回転軸に固装され、別の端部が前記可撓性シート状部材に固装され、前記可撓性復元部材は前記可撓性シート状部材を前記回転軸の曲率半径に巻き出す時、巻かれた前記可撓性シート状部材の外部露出表面の一部と前記ハウジング部材の内表面とを接触させるために用いられる復元用弾性係数を有し、前記可撓性復元部材はバネシート部材で、前記バネシート部材の第1の端部が前記回転軸の接合部に連結固定され、前記バネシート部材がカーブする方法で前記回転軸の外側に沿って囲繞し、最末端のバネシートの第2の端部まで延伸し、前記バネシート部材の長さが前記回転軸の円周の長さより小さく、且つ、前記バネシート部材が金属薄片であり、
前記回転部材は前記回転軸と一緒に前記ハウジング部材の上端外側に連結されて前記突き出た回転軸の端部と接合することで、前記回転軸の回転により前記可撓性シート状部材を巻き込み、或いは、巻き出すことを特徴とする巻取装置。
【請求項7】
前記バネシート部材は、そのバネシート第1の端部が前記接合部から外部に向かって延伸して更にカーブする方法で前記回転軸の外側に沿って囲繞することを特徴とする請求項6に記載の巻取装置。
【請求項8】
前記可撓性シート状部材は、帯状紙、接着テープ、フィルム、プラスチックシート、金属薄片又は反物で、且つ、前記ハウジング部材からなる素材が低摩擦係数のプラスチックであることを特徴とする請求項6に記載の巻取装置。
【請求項9】
前記回転軸に連結固定するため、前記可撓性復元部材の形状は、薄寸帯状体であり、且つ、前記ハウジング部材の下端部に前記回転軸の下端部を支えて前記回転軸を回転するために用いられる支点が設けられることを特徴とする請求項6に記載の巻取装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−256045(P2011−256045A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124594(P2011−124594)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(511134986)台湾玄麗国際股▲ふん▼有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】TAIWAN MINDCATCHER,INC.
【住所又は居所原語表記】No.6,Chengtai Rd., Lane 241,Sec.1,Wugu Dist,Taipei 248,Taipei
【Fターム(参考)】