布支持用トラック組立体
ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成するベーストラックを含む、表面に布を支持するためのトラック組立体。ベーストラックは、好ましくは、ヒンジの第一半部から延びる引張力散逸体を含む。上トラックは、ヒンジの第二半部を構成し、ベーストラックに枢動可能に連結できる。上トラックは、解放可能に布を係合するための、スナップクランプの第二半部を構成する。上トラックは、布の引張力により、高い引張力が上トラックに加えられるときに、突っ張りがベーストラックと接触し、引張力を表面に、少なくとも部分的に伝達するように、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に布壁被覆に関する。更に詳しくは、本発明は、布を、例えば吸音パネル等を収容する厚い組立体にでも、壁のような表面に、高い引張力で支持するためのトラック組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
布で被覆されるべき内壁の周縁領域に、ステープルまたは他の手段によって固定される、プラスチック溝形材で形成された枠体を提供することが知られている。米国特許第4,403,642号および同第6,164,364号は、2つのトラック半部を有するトラック組立体を開示し、トラック半部は、各々、布を組み合わせ、2つのトラックを互いにクランプするヒンジの一方の半部およびスナップクランプを有する。このような組立体は、布で被覆されるべき内壁等にほぼ十分に機能する。
【0003】
このような壁は、未仕上げのシートロック、石膏、シンダーブロック、コンクリートまたは木で形成され、溝形材の据付け以外の準備を必要としない。枠体に付与されるべき布材料を、先ず、布シートが枠体上で引張力を受けることを考慮して、必要とされる正確な寸法に切る。据付け手順は、上下左右に布を引っ張るように定められ、それによって、自然に平滑なぴんと張った仕上がりを布壁被覆に与える。好ましくは、平滑かつぴんと張った仕上がりとなるように、布を可能な限りきつく引っ張る。布部分がかなり大きくなると、この引っ張りは、トラック枠体にはなはだしい歪みを与える。
【0004】
しかしながら、’642号特許および’364号特許に開示されたトラック組立体は、様々な欠点を有する。第一の欠点は、布から上下のトラックに加えられる大きな引張力により、布をベーストラック部材に取付ける上トラック部材の閉鎖および係止が非常に難しい。スナップクランプのフックと止め部は、寸法がほんの1インチの何分の1であり、フック止め部が互いに係合して係止するようにフックと止め部を1インチのこの何分の1移動させるには、木槌で叩くこと等が必要である。
【0005】
’642号特許および’364号特許のトラック組立体は、0.5インチシステムである。トラック周辺部内に断熱または吸音パネルを使用するとき、より厚いシステムが要求されるときのような他の場合がある。通常厚さ1インチの硬いガラス繊維パネルが、商業建造物を断熱および吸音処理するための標準になってきた。ガラス繊維パネルは、エネルギーの保存に加えて、吸音の利点を提供する。このようなパネルは、音響品質が重要である映画館や他の劇場で一般的である。音響エネルギーはパネルに当たり、熱に変換される。ガラス繊維の厚さおよび密度によって、ある一定の割合の音が吸収され、反射される。
【0006】
吸音仕上げとして用いるとき、ガラス繊維パネルは、装飾被覆材、通常は布またはビニールを、パネル表面に貼ることを必要とする。従来の被覆材料の貼り付けは、被覆材をパネルに接着、固定する接着剤に頼っていた。パネルの縁を巻いて、パネルの裏側に再び接着する。被覆材の柔らかい海綿特性のため、縁も柔らかい傾向であり、パネルの取り扱いによって引き起こされるへこみのため凹凸になりやすい。巻かれて他のパネルに隣接して据付けられたとき、縁が互いに合わずに、不恰好な隙間がしばしば生じる。
【0007】
この問題に対抗するために、仕上げパネル供給者は、典型的には、ガラスマットに吸い込む非粘性液体樹脂で、柔らかいパネル縁を処理する。硬化したとき、樹脂は固まり、様々な形状の真っ直ぐな永久縁を達成するように、仕上げることができる。この応用により、良質な縁が達成される。
【0008】
しかしながら、これらの利得は、望ましい特定の吸音目的を達成するためには必ずしも有益でない。硬いガラス繊維パネルの製造者は、製品そのままの、消費者によって頼られる、生の状態でのパネル製品の吸音等級を提供する。しかしながら、製造者によって示される吸音等級と、真っ直ぐな永久縁を達成するようにパネルを仕上げた建築業者により実際に引き渡されるものとの間には重大な違いが存在する。更に、このような吸音等級は、被覆材を固定する接着剤をガラス繊維上に吹き付けることによって、変えられるかも知れない。接着剤は、音の伝達に対して障壁として働き、パネルの吸音効果を減少させる。更に、樹脂は、音を高度に反射させる固体物質である。上述したように、このようなガラス繊維パネルの主目的は、音を吸収し、音の反射を最小にすることである。
【0009】
現在存在するガラス繊維パネルの他の問題は、それらが一定寸法のパネルであり、正方形の壁を覆うことを考慮していないことである。更に、消費者が装飾を変えたければ、高額な費用で全ての吸音材を取り替えなければならない。
【0010】
残念なことに、’642号特許および’364号特許のトラック組立体は、0.5インチシステムのみである製品に関する。幾何的見地と素材料の見地の両方から、これらの設計は、1インチガラス繊維パネルシステムの寸法形状の適合には実用的でない。新たな輪郭(例えば、傾斜、ブルノーズ、正方形輪郭)では、先行技術にはない異なる寸法的、幾何的、材料の偏差の考慮を加える点で、壁からの距離が2倍となることにより、提案されている製品に悪影響を与える。引っ張った布によって、トラック組立体に加えられる力により、上ブラケットが、実際に、下ブラケットと外れる問題がある。トラック組立体全体の形状は長方形である。布が引っ張られるとき、組立体に加えられた力により、長方形を平行四辺形に歪み、変形させることがある。高い引張力によって、布がスナップクランプから外れ、またはスナップクランプに係合しなくなることがある。これらの装置のヒンジもまた不具合となる可能性がある。これらの問題は、1インチシステムで特に深刻である。
【0011】
従って、フックおよび止め部部材が、互いにより容易に係合して互いに係止するように設計された布取付け用トラック組立体の要望がたえずある。要望されるものは、変形されるようになる傾向に耐えるように強化されたトラック組立体の設計である。ガラス繊維吸音パネル用に特別に設計された布取付け用組立体の要望もたえずある。このような組立体は、ガラス繊維パネルを、パネルの吸音性能を実質的に変えることなく、審美的に美しい布で覆うことができる。更に、このような組立体は、断熱または吸音材もトラック組立体も取り替えることなく、装飾の変更に順応し、または布の後ろの配線、設備または吸音材へのアクセスをもたらすように、時間がたてば布を取り替えることができなければならない。本発明は、これらの要求を満足し、他の関連した利点を提供するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、先行技術の不利な点および欠点を克服する、表面上に布を支持するトラック組立体に存する。トラック組立体は、一般的に、ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成するベーストラックを有する。上トラックは、ヒンジの第二半部とスナップクランプの第二半部とを構成する。典型的には、上トラックのスナップクランプの第二半部はフックからなり、ベーストラックのスナップクランプの第二半部は止め部からなり、これらは解放可能に係合して、スナップクランプを形成する。
【0013】
ベーストラックを例えば壁のような表面に固定した後、上トラックを、ヒンジの第一半部と第二半部との結合で、ベーストラックにヒンジ止めすることができる。次いで、上トラックは、布をスナップクランプの第二半部上に容易に配置するために、表面から離れるようにヒンジを中心に旋回できる。上トラックをベーストラックに向かって旋回させることにより、スナップクランプの第一半部および第二半部が、これら半部の間に布を固定する。
【0014】
特に好ましい実施形態では、タブが、スナップクランプの第二半部に隣接して上トラックの上プレートから上方に延びる。これは、タブがなければ、布が上トラック上に直接位置するならば起こるかも知れないシャドー効果を防ぐ。
【0015】
1つの実施形態では、上トラックは、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む。典型的には、布の引っ張りによって引き起こされる高い引張力が上トラックに加えられると、これらの力は、突っ張りからベーストラックおよび表面に、少なくとも部分的に伝達される。突っ張りは、高い引張力により移動してベーストラックと接触して、これらの力を表面に、ベーストラックに伝達する。典型的には、突っ張りは、移動してベーストラックのヒンジの第一半部と接触する。
【0016】
他の実施形態では、または、前述した実施形態に加えて、ベーストラックは引張力散逸体を含む。散逸体は、典型的には、ヒンジの第一半部から延び、ベーストラックのベースプレートの立ち上がり部分からなる。立ち上がり部分は、典型的には、ほぼ逆V形を形成する。上トラックに加えられる高い引張力は、例えば突っ張りを通じて、引張力散逸体および壁などの表面に、少なくとも部分的に伝達される。引張力の伝達および散逸により、スナップクランプが外れて布が解放されるのを防止する。
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の本質を一例として説明する添付図面とともになされる以下の更なる詳細な記載から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
説明のために添付図面に示すように、本発明は、壁を布または同種のもので覆うためのトラック組立体に存する。上述したように、布パネルの非常にきつい引っ張りは、比較的軽量のヒンジおよびトラック組立体構造物に非常に高い負荷をかけることがある。伸ばされるべき布のスパンは、30フィート×25フィートを上回ることがあり、布パネル単体では50ポンド以上の重量となることがある。先行技術では、引き伸ばされた布によってトラック組立体に加えられる引張力により、トラック組立体から布が外れることがあるという問題がたえずあった。特定のトラック組立体、特にほぼ長方形の閉じた形態を有する、約1インチ厚のものは、引き伸ばされた布の高い引張力により、変形されてほぼ平行四辺形となることがある。ここで更に詳述するように、本発明のトラック組立体は、1インチ厚の組立体でも、突っ張りおよび高い引張力に順応する高い引張力散逸体を有する設計を開示する。
【0019】
図1および2を参照すると、部分的に切除され、それぞれトラック組立体10および12で作られた枠体によって支持された布被覆材4を含む、壁のような表面2が示される。図1〜8に示す実施形態では、トラック組立体は、上述したように、ガラス繊維ボードまたは他の適当な材料から構成することができる、断熱または吸音パネル6を収容するように、厚さが約1インチである。図1および2に示すように、トラック組立体10および12は、壁2または他の表面の部分に布4をぴんと張るのに役立つ。
【0020】
図3〜6を参照すると、組立体は、互いに枢動可能に連結でき且つ選択的にかみ合わされるベーストラック100および上トラック102とから構成される。ベーストラック100は、壁2に接触するほぼ平らなベースプレート104を含む。ベーストラック100は、釘、接着剤または同種のものによって、壁2に取付けられる。組立体を図1〜3に断片的に示しているが、ベーストラック100および上トラック102は、布を支持するのに必要な長さが、典型的には数フィートであり、或いは布の幅または長さに合うように、端と端が当接される、より小さいセグメントで販売されることは、当業者にとって理解できるであろう。好ましくは、ベーストラック100および上トラック102は、成形され、そして、火炎拡散および煙生成のクラスA等級を有するように、難燃性添加剤であるHB−8054のようなABSプラスチックからなる。先行技術のトラック組立体の多くは、火炎に触れると高レベルの煙と塩素ガスを放出するPVCからなる。
【0021】
図3〜6を続いて参照すると、ベーストラック100は、溝108を構成するヒンジ106の第一半部を構成する。典型的には、ヒンジ部分106は、ほぼC形またはe形であるが、それに限られない。典型的には、ヒンジ部分106は、ここで更に詳述するように、ベースプレート104の縁から内方にわずかにオフセットされている。ヒンジのC形は、ここで更に詳述するように、相手のヒンジ部材の回転のためのガイドとして作用するように、曲がって内方に延びる。先行技術の設計と比べて、湾曲した延長部は、向かい側のヒンジ部材の係止も補助する。
【0022】
スナップクランプ110の上半部が、ヒンジ部分106とほぼ向かい合っており、且つ典型的には、反対側の長手方向の縁を構成している。スナップクランプは、ベースプレート104および壁2から上方に延びるフックまたは受け止め部112を含む。
【0023】
本発明のベーストラック100は、引張力散逸体を含む。図示するように、特定の好ましい実施形態では、ヒンジ部分106は、ベーストラック100のベースプレート104から遠ざかるように立ち上がり、または延びている。部分または脚部114または116は、ヒンジ106の第一半部からベースプレート部分104まで延びている。このような配置は、典型的にほぼ逆V形を形成する。散逸体を形成する、これらの部分114および116を、ここで更に詳述する。
【0024】
図3および4を参照すると、組立体10は、前述したように、ベーストラック100と協同して、組立体10を形成し、布4を所定の位置に固く係止する、上トラック102も含む。上トラック102は、図5に示すように、ベーストラック100の第一のヒンジ部分106の溝108の中に挿入されるように構成され、かくして、ベーストラック100と上トラック102との間のヒンジおよびピボット連結を形成する、第2のヒンジ部分118を含む。フックまたは受け止め部122を含む、スナップクランプ120の第二半部が、第二の半ヒンジ118とほぼ向かい合って形成され、フックまたは受け止め部122は、ベーストラック100のフックまたは受け止め部112と係合して、解放可能にスナップクランプを形成するようになっている。上トラック102は、ヒンジ部分118とクランプ部分120の間に延びる上プレート124とここでは称されるものを有する。図1および3〜6に示す実施形態では、上トラック102の構造または輪郭は、上プレート124が、スナップクランプ部分120に対して約90°の角度をなすので、工業的では四角(スクエア)と称される。この構造により、最終的な布パネル縁は、ほぼ四角い縁となる。
【0025】
特に好ましい実施形態では、図4〜6に示すように、上プレート124は、該上プレート124から1インチの何分の1上方に延びるタブ128を含む。タブ128は、先行技術の組立体が直面する、押出し物からの光の反射、これに伴うシャドーボックス効果を最小限にするために、布4を上プレート124の平行取付け面のわずか上に持ち上げることができるように設計され且つ寸法決めされる。当業者によって理解されるように、このことは、布を典型的に位置決めし、トラック組立体のスナップクランプ部分に向かう両面テープのようなアライメントテープと整合させる。必須ではないが、アライメントテープが布4を上トラック102の上プレート124に保持し、布の自由端をトラック100と102の間に挿入して、所定の位置にきつくクランプするので、好ましい。
【0026】
第一ベーストラック100および第二上トラック102が協同して布4の緊張および固定を容易にする方法が、図5および6を参照することによって証明される。ベーストラック100は、典型的には、壁または他の表面に、ねじやくぎ等で固定される。本発明のベーストラック100の設計は、締結のために様々な空気圧式または他の工具によるアクセスを提供する。先ず図5を参照すると、トラック100および102のヒンジ部分106および118は、トラック100と102との間に枢動関係が作られるように、118の第二のヒンジ部分を第一のヒンジ部分106の溝108の中に挿入することによって、互いに作動的に接する。次いで、布4を上トラック102の上に落とし、上トラックを、ベーストラック100に向かって移動させ、ついには、図6に示すように、フックおよび受け止め部112および122またはクランプ部110および120が互いに係合し、それらの間に布4をしっかりと固定する。その結果、図1および6に示すように、非常に引っ張られぴんと張った布が、組立体10の間に延びる。
【0027】
上述したように、特に1インチシステムでは、布4の張力は、はなはだしい量の力を組立体10に、特に上トラック102に及ぼし、この力により、ヒンジ組立体を、後方に撓ませて機能しなくし、或いは、組立体10の全体を変形させ且つ移動させて平行四辺形形状にすることがある。本発明は、ベーストラック100に向かって下方に延びる、突っ張り126を加えることで、この問題を克服する。図3〜6に示すように、突っ張り126は、組立体10のヒンジおよび散逸体に向かって下方に傾斜する。その結果、もし過度な張力が存在し、上トラック102が後方に引っ張られ始めると、突っ張り126が、ベーストラック100に係合して、張力をベーストラック100に、従って壁2の表面に伝達する。特定の好ましい実施形態において、突っ張り126は、力が引張力散逸体の立ち上がり部分114および116に伝達され、その結果、力が部分114および116を通じてベースプレート104および壁2に伝達されるように移動されて、ベーストラック100のヒンジ部分106と接触するように構成される。これらの力の伝達および突っ張り126とベースプレート100との間の接触により、上プレート102は、所定の位置にとどまり、布4はぴんと張られたままとなる。更に、組立体10は、そのほぼ正方形の形態を保持して変形しない。
【0028】
図7および図8を参照すると、本発明を、正方形の形態または輪郭について上述したが、当業者によって、他の輪郭を容易に適用することが、容易に理解されるであろう。例えば、図7では、組立体12は、ベーストラック100は同じ形態のものであるが、上トラック102’の上プレート124’は、傾斜した形態および輪郭を有することが示され、これが好ましいときもある。
【0029】
図8は、本発明を具体化する更に他の組立体14であり、ベーストラック100およびその部品要素は上述の通りであるが、上トラック102’’が、勾配または当該技術分野でブルノーズとして知られる形態を有する上プレート124’’を有する。
その他の点では、これらの組立体12および14は、上述と同様に機能する。
【0030】
図9〜11を参照すると、1インチ厚のシステムを上で示し且つ説明したが、本発明は、図示した0.5インチ組立体16〜20のような他のサイズにもまた組み込むことができる。しかしながら、組立体16〜20の構造および機能は、上述の通りであるので、これらの実施形態16〜20中の同じ構造を特定するために、同一の番号を用いている。
【0031】
図12を参照すると、2つのトラック組立体を互いに近接して位置決めし、それぞれのスナップクランプ内に布4および4’をクランプすることにより、布4および4’の2つの片の間に継ぎ目を形成することができる。変形例として、図12に示すように、2つのトラック組立体を、共通のベーストラック200を分けるように構成してもよい。ベーストラック200は、引張力散逸体214および216を有する向かい合ったヒンジ部分206、並びに、引張力散逸体間に延びるほぼ平らなベースプレート204を含む。フックまたは受け止め具212は、互いに間隔をへだてられ、且つ直径方向に向かい合った上トラック202とともにスナップクランプを形成するように、ベースプレート204から上方に延びる。図示するように、2つの上トラック202は、各々別々の布片4および4’を支持し、互いに向かって旋回されて、ベーストラック200と組み合わされる。組立体22に働く力は、突っ張り226および散逸体214、216の使用で、上述したのと同様の方法で処理される。かくして、2つの布片4と4’の間に、組立体を互いに注意深く再配置する必要なく、緊密な継ぎ目を形成することができる。
【0032】
今、図13を参照すると、本発明を具体化する更に他のトラック組立体24を示す。この実施形態24は、図4〜6に関して上述した実施形態10と非常に似ている。そのようなものとして、組立体24は、ベースプレート304、第一のヒンジ部分306および第一のスナップクランプ部分310を有するベーストラック300を含む。ベースプレート304に対して立ち上がり、ヒンジ部分306から延びる引張力散逸体314および316がまた、ベーストラック300の一部として形成される。上トラック302は、ヒンジを形成するように第一の部分306と作動可能に合う第二のヒンジ部分318、スナップクランプ320の第二半部まで下に延びる上プレート324(この場合、正方形輪郭であるが、他の輪郭も可能であることは容易に理解されるであろう。)を含む。突っ張り326はベーストラック300に向かって、より特定すると第二のヒンジ部分306および引張力散逸体314および316に向かって下方に延びる。しかしながら、この場合、こぶ330が、ベーストラック300に、より特定すると第一のヒンジ部分306に形成され、突っ張り326が移動されて第一のヒンジ部分306と接触することになるが、その後方移動は、こぶ330によって妨げられる。
【0033】
図14を参照すると、本発明を具体化する更に別のトラック組立体26を示す。上で図示され、記載されたものと同様に、ベーストラック400は、引張力散逸体を構成する立ち上がり部分414および416を有するベースプレート404を含む。第一のヒンジ部分406は、好ましくは、ベースプレート404から立ち上がり、引張力散逸体414および416から延びる。第一のクランプ部分410は、ヒンジ部分406とほぼ反対側に形成される。
【0034】
上トラック402は、ヒンジを形成するように、第一のヒンジ部分406に作動可能に係合する第二のヒンジ部分418を含む。これとほぼ反対側に、第二のスナップクランプ半部420が形成され、該スナップクランプ半部420は、ベーストラック400の第一のスナップクランプ半部410に作動可能に係合して第一スナップクランプ半部と組み合う。この場合、上プレート424は、ブルノーズ輪郭を有するが、他の輪郭も予想される。この組立体26では、上トラック402の突っ張り426は、ヒンジに向かって或る角度で下方に延びず、ヒンジ406および418の前で下方に延びる。過度の力が上トラック402に加えられるとき、突っ張り426は横方向に移動されて下ヒンジ半部406と係合し、引張力の少なくとも一部を、部分414および416を通じて、ベースプレート404、かくして表面または壁2に伝達する。
【0035】
今、図15を参照すると、互いに枢動可能に連結され、布4を引っ張るように組合わせることのできる、ベーストラック500と上トラック502とを含むという意味で、上述したものと同様の組立体28である、本発明の更に別の実施形態が示される。しかしながら、この場合、引張力散逸体を形成する部分514と516は、連続するベースプレート504から上方に延びる。部分516は、第一のヒンジ半部506からわずかに離されている。この場合、第一のヒンジ半部506は、スロットまたはキー溝530を含むように、半円形である。上トラック502の第二のヒンジ部分518は、図示するように、組立体28が閉じた係止位置にあるとき、キー溝530内に受け入れられるように構成される、タブまたはキー532を含む。ヒンジ518の第二の部分も半円形であり、そしてヒンジの第一の半部506のまわりに延びる。突っ張り526は、上プレート524から第二のヒンジ部材518まで延びる。過度の布引張力が存在するとき、突っ張り526およびヒンジの第二の部分518は、ヒンジの第一の部分506に係合し、力をベースプレート504に伝達させる。極端な場合には、ヒンジ506は、移動されて部分516と接触し、力をベースプレートおよび壁面2に更に伝達する。
【0036】
ヒンジ506および518に関して、より大きなヒンジ部材は、わずかに重く、且つ円周が220°を超えており、スロットまたはキー溝530のために、外側の第二のヒンジ半部518が所定の位置にスナップ止めされて閉じられるときに撓む内側のヒンジ506からそれを取り外しそして内側のヒンジに戻すことができる。内側のヒンジ506は、かみ合わされたとき、ヒンジ組立体506および518は、全開から回転することができる(0°角度から、図示するように、90°の全閉係止状態まで)。全開位置にあるとき、外側のヒンジ部分518は、内側のヒンジ部分506上で回転する。外側のヒンジ部分が回転して係止位置へ閉じられると、タブまたはタブ532がキー溝開口530の中に落ち込み、外側部分518の全体を側方に移動させる。この側方移動は、組立体28が、布4を所定の位置にしっかりと係止するのを助ける。
【0037】
今、図16を参照すると、上述したものと同様に、組立体30は、布を作動可能に係止して布を引っ張る、ベーストラック600および上トラック602を含む。ベーストラック600は、ほぼ平らなベースプレート604を含み、該ベースプレートは、ベースプレート604の一端に形成された第一のヒンジ半部606と、ベースプレート604の他端に形成された第一のスナップタブ部分612を有する。
【0038】
第一のヒンジ半部606は、トラック600と602の間に枢動可能な係合を形成するために、上トラック組立体602の第二のヒンジ半部部分618を、取外し可能に受け入れるように、ほぼC形に形成される。上方に延びる止め部612は、上トラック622の下方に向いたフック632に係合する。鋸歯状刻み目630が、フックおよび止め部622および612を互いに摩擦的に係合させる。布を、内側フック632のまわりに延ばして、布を内側フック632内に更に保持することができる。
【0039】
この場合、突っ張り626は、ベーストラック600、特にヒンジの第一半部606に向かって下方に延びる。ヒンジの第一半部606は、ベースプレート604から立ち上がっていない、従って、先の実施形態の引張力散逸体を構成する上方に延びる部分を有しないことに留意すべきである。そのかわり、引っ張られた布によって過度の引張力がかかると、突っ張り626は、引張力の一部をベーストラック600、かくして壁面2に伝達しながら、上トラック602が、過度に移動したり変形しないように、移動してベーストラック600、この場合は、ベーストラック600のヒンジ部材606と係合する。前と同じように、タブ628を、上述したのと同様のシャドー効果を防止するために用いることができる。
【0040】
本発明のトラック組立体は、壁布張りトラックシステムに普及している一般的な建築設計において実現される。組立体は、布またはビニールを壁または吸音パネルにぴんと張って取付けることができ、上記パネルは、パネル全部を取り替える必要なしに、装飾または設備アクセス変更のために、将来、取り外すことができる。従って、本発明は、エンドユーザーに著しいコストの節約を提供する。布によって加えられる力は、組立てヒンジに差し向けられ、逃げることができない。組立体は、いかなるシャドー効果をも最小にし、且つ外側部材を回転させて閉じたとき、張力が増加したときに、外側部材が飛び出すことを防ぐように設計される。本発明の組立体はまた、据え付ける人が、槌などでの、過度の叩きによらずに組立体をより簡単に開閉することができる。
【0041】
いくつかの実施形態を説明のために詳細に記載したが、本発明の範囲および精神から逸脱することなしに、それぞれについて様々の変形を行うことができる。従って、本発明は添付特許請求の範囲によって限定される以外に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を具体化した、布を間に支持する一対のトラック組立体の断片的な側面斜視図である。
【図2】図1と同様であるが、トラック組立体の間に断熱または吸音パネルを示した断面図である。
【図3】表面に取付けられたベーストラックおよびそれに取付けるために位置決めされた上トラックの斜視図である。
【図4】図3のほぼ4−4線に沿った断面図である。
【図5】図4と同様であるが、布を固定するためにヒンジ組立体を閉じるところを示す断面図である。
【図6】図1のほぼ6−6線に沿った断面図であり、トラック組立体を閉じた状態で布を固定する状態を示す図である。
【図7】図6と同様であるが、傾斜した形態を示す断面図である。
【図8】図6と同様であるが、ブルノーズ形態を示す断面図である。
【図9】図6と同様であるが、0.5インチシステムを示す断面図である。
【図10】図9と同様であるが、ブルノーズ形態を示す断面図である。
【図11】図9と同様であるが、傾斜した形態を示す断面図である。
【図12】2つの布片の間に継ぎ目を作る、本発明を具体化する他のトラック組立体を示す断面図である。
【図13】本発明を具体化する他のトラック組立体の断面図である。
【図14】本発明のトラック組立体の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図15】トラック組立体の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図16】本発明の更に他の実施形態の断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に布壁被覆に関する。更に詳しくは、本発明は、布を、例えば吸音パネル等を収容する厚い組立体にでも、壁のような表面に、高い引張力で支持するためのトラック組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
布で被覆されるべき内壁の周縁領域に、ステープルまたは他の手段によって固定される、プラスチック溝形材で形成された枠体を提供することが知られている。米国特許第4,403,642号および同第6,164,364号は、2つのトラック半部を有するトラック組立体を開示し、トラック半部は、各々、布を組み合わせ、2つのトラックを互いにクランプするヒンジの一方の半部およびスナップクランプを有する。このような組立体は、布で被覆されるべき内壁等にほぼ十分に機能する。
【0003】
このような壁は、未仕上げのシートロック、石膏、シンダーブロック、コンクリートまたは木で形成され、溝形材の据付け以外の準備を必要としない。枠体に付与されるべき布材料を、先ず、布シートが枠体上で引張力を受けることを考慮して、必要とされる正確な寸法に切る。据付け手順は、上下左右に布を引っ張るように定められ、それによって、自然に平滑なぴんと張った仕上がりを布壁被覆に与える。好ましくは、平滑かつぴんと張った仕上がりとなるように、布を可能な限りきつく引っ張る。布部分がかなり大きくなると、この引っ張りは、トラック枠体にはなはだしい歪みを与える。
【0004】
しかしながら、’642号特許および’364号特許に開示されたトラック組立体は、様々な欠点を有する。第一の欠点は、布から上下のトラックに加えられる大きな引張力により、布をベーストラック部材に取付ける上トラック部材の閉鎖および係止が非常に難しい。スナップクランプのフックと止め部は、寸法がほんの1インチの何分の1であり、フック止め部が互いに係合して係止するようにフックと止め部を1インチのこの何分の1移動させるには、木槌で叩くこと等が必要である。
【0005】
’642号特許および’364号特許のトラック組立体は、0.5インチシステムである。トラック周辺部内に断熱または吸音パネルを使用するとき、より厚いシステムが要求されるときのような他の場合がある。通常厚さ1インチの硬いガラス繊維パネルが、商業建造物を断熱および吸音処理するための標準になってきた。ガラス繊維パネルは、エネルギーの保存に加えて、吸音の利点を提供する。このようなパネルは、音響品質が重要である映画館や他の劇場で一般的である。音響エネルギーはパネルに当たり、熱に変換される。ガラス繊維の厚さおよび密度によって、ある一定の割合の音が吸収され、反射される。
【0006】
吸音仕上げとして用いるとき、ガラス繊維パネルは、装飾被覆材、通常は布またはビニールを、パネル表面に貼ることを必要とする。従来の被覆材料の貼り付けは、被覆材をパネルに接着、固定する接着剤に頼っていた。パネルの縁を巻いて、パネルの裏側に再び接着する。被覆材の柔らかい海綿特性のため、縁も柔らかい傾向であり、パネルの取り扱いによって引き起こされるへこみのため凹凸になりやすい。巻かれて他のパネルに隣接して据付けられたとき、縁が互いに合わずに、不恰好な隙間がしばしば生じる。
【0007】
この問題に対抗するために、仕上げパネル供給者は、典型的には、ガラスマットに吸い込む非粘性液体樹脂で、柔らかいパネル縁を処理する。硬化したとき、樹脂は固まり、様々な形状の真っ直ぐな永久縁を達成するように、仕上げることができる。この応用により、良質な縁が達成される。
【0008】
しかしながら、これらの利得は、望ましい特定の吸音目的を達成するためには必ずしも有益でない。硬いガラス繊維パネルの製造者は、製品そのままの、消費者によって頼られる、生の状態でのパネル製品の吸音等級を提供する。しかしながら、製造者によって示される吸音等級と、真っ直ぐな永久縁を達成するようにパネルを仕上げた建築業者により実際に引き渡されるものとの間には重大な違いが存在する。更に、このような吸音等級は、被覆材を固定する接着剤をガラス繊維上に吹き付けることによって、変えられるかも知れない。接着剤は、音の伝達に対して障壁として働き、パネルの吸音効果を減少させる。更に、樹脂は、音を高度に反射させる固体物質である。上述したように、このようなガラス繊維パネルの主目的は、音を吸収し、音の反射を最小にすることである。
【0009】
現在存在するガラス繊維パネルの他の問題は、それらが一定寸法のパネルであり、正方形の壁を覆うことを考慮していないことである。更に、消費者が装飾を変えたければ、高額な費用で全ての吸音材を取り替えなければならない。
【0010】
残念なことに、’642号特許および’364号特許のトラック組立体は、0.5インチシステムのみである製品に関する。幾何的見地と素材料の見地の両方から、これらの設計は、1インチガラス繊維パネルシステムの寸法形状の適合には実用的でない。新たな輪郭(例えば、傾斜、ブルノーズ、正方形輪郭)では、先行技術にはない異なる寸法的、幾何的、材料の偏差の考慮を加える点で、壁からの距離が2倍となることにより、提案されている製品に悪影響を与える。引っ張った布によって、トラック組立体に加えられる力により、上ブラケットが、実際に、下ブラケットと外れる問題がある。トラック組立体全体の形状は長方形である。布が引っ張られるとき、組立体に加えられた力により、長方形を平行四辺形に歪み、変形させることがある。高い引張力によって、布がスナップクランプから外れ、またはスナップクランプに係合しなくなることがある。これらの装置のヒンジもまた不具合となる可能性がある。これらの問題は、1インチシステムで特に深刻である。
【0011】
従って、フックおよび止め部部材が、互いにより容易に係合して互いに係止するように設計された布取付け用トラック組立体の要望がたえずある。要望されるものは、変形されるようになる傾向に耐えるように強化されたトラック組立体の設計である。ガラス繊維吸音パネル用に特別に設計された布取付け用組立体の要望もたえずある。このような組立体は、ガラス繊維パネルを、パネルの吸音性能を実質的に変えることなく、審美的に美しい布で覆うことができる。更に、このような組立体は、断熱または吸音材もトラック組立体も取り替えることなく、装飾の変更に順応し、または布の後ろの配線、設備または吸音材へのアクセスをもたらすように、時間がたてば布を取り替えることができなければならない。本発明は、これらの要求を満足し、他の関連した利点を提供するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、先行技術の不利な点および欠点を克服する、表面上に布を支持するトラック組立体に存する。トラック組立体は、一般的に、ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成するベーストラックを有する。上トラックは、ヒンジの第二半部とスナップクランプの第二半部とを構成する。典型的には、上トラックのスナップクランプの第二半部はフックからなり、ベーストラックのスナップクランプの第二半部は止め部からなり、これらは解放可能に係合して、スナップクランプを形成する。
【0013】
ベーストラックを例えば壁のような表面に固定した後、上トラックを、ヒンジの第一半部と第二半部との結合で、ベーストラックにヒンジ止めすることができる。次いで、上トラックは、布をスナップクランプの第二半部上に容易に配置するために、表面から離れるようにヒンジを中心に旋回できる。上トラックをベーストラックに向かって旋回させることにより、スナップクランプの第一半部および第二半部が、これら半部の間に布を固定する。
【0014】
特に好ましい実施形態では、タブが、スナップクランプの第二半部に隣接して上トラックの上プレートから上方に延びる。これは、タブがなければ、布が上トラック上に直接位置するならば起こるかも知れないシャドー効果を防ぐ。
【0015】
1つの実施形態では、上トラックは、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む。典型的には、布の引っ張りによって引き起こされる高い引張力が上トラックに加えられると、これらの力は、突っ張りからベーストラックおよび表面に、少なくとも部分的に伝達される。突っ張りは、高い引張力により移動してベーストラックと接触して、これらの力を表面に、ベーストラックに伝達する。典型的には、突っ張りは、移動してベーストラックのヒンジの第一半部と接触する。
【0016】
他の実施形態では、または、前述した実施形態に加えて、ベーストラックは引張力散逸体を含む。散逸体は、典型的には、ヒンジの第一半部から延び、ベーストラックのベースプレートの立ち上がり部分からなる。立ち上がり部分は、典型的には、ほぼ逆V形を形成する。上トラックに加えられる高い引張力は、例えば突っ張りを通じて、引張力散逸体および壁などの表面に、少なくとも部分的に伝達される。引張力の伝達および散逸により、スナップクランプが外れて布が解放されるのを防止する。
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の本質を一例として説明する添付図面とともになされる以下の更なる詳細な記載から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
説明のために添付図面に示すように、本発明は、壁を布または同種のもので覆うためのトラック組立体に存する。上述したように、布パネルの非常にきつい引っ張りは、比較的軽量のヒンジおよびトラック組立体構造物に非常に高い負荷をかけることがある。伸ばされるべき布のスパンは、30フィート×25フィートを上回ることがあり、布パネル単体では50ポンド以上の重量となることがある。先行技術では、引き伸ばされた布によってトラック組立体に加えられる引張力により、トラック組立体から布が外れることがあるという問題がたえずあった。特定のトラック組立体、特にほぼ長方形の閉じた形態を有する、約1インチ厚のものは、引き伸ばされた布の高い引張力により、変形されてほぼ平行四辺形となることがある。ここで更に詳述するように、本発明のトラック組立体は、1インチ厚の組立体でも、突っ張りおよび高い引張力に順応する高い引張力散逸体を有する設計を開示する。
【0019】
図1および2を参照すると、部分的に切除され、それぞれトラック組立体10および12で作られた枠体によって支持された布被覆材4を含む、壁のような表面2が示される。図1〜8に示す実施形態では、トラック組立体は、上述したように、ガラス繊維ボードまたは他の適当な材料から構成することができる、断熱または吸音パネル6を収容するように、厚さが約1インチである。図1および2に示すように、トラック組立体10および12は、壁2または他の表面の部分に布4をぴんと張るのに役立つ。
【0020】
図3〜6を参照すると、組立体は、互いに枢動可能に連結でき且つ選択的にかみ合わされるベーストラック100および上トラック102とから構成される。ベーストラック100は、壁2に接触するほぼ平らなベースプレート104を含む。ベーストラック100は、釘、接着剤または同種のものによって、壁2に取付けられる。組立体を図1〜3に断片的に示しているが、ベーストラック100および上トラック102は、布を支持するのに必要な長さが、典型的には数フィートであり、或いは布の幅または長さに合うように、端と端が当接される、より小さいセグメントで販売されることは、当業者にとって理解できるであろう。好ましくは、ベーストラック100および上トラック102は、成形され、そして、火炎拡散および煙生成のクラスA等級を有するように、難燃性添加剤であるHB−8054のようなABSプラスチックからなる。先行技術のトラック組立体の多くは、火炎に触れると高レベルの煙と塩素ガスを放出するPVCからなる。
【0021】
図3〜6を続いて参照すると、ベーストラック100は、溝108を構成するヒンジ106の第一半部を構成する。典型的には、ヒンジ部分106は、ほぼC形またはe形であるが、それに限られない。典型的には、ヒンジ部分106は、ここで更に詳述するように、ベースプレート104の縁から内方にわずかにオフセットされている。ヒンジのC形は、ここで更に詳述するように、相手のヒンジ部材の回転のためのガイドとして作用するように、曲がって内方に延びる。先行技術の設計と比べて、湾曲した延長部は、向かい側のヒンジ部材の係止も補助する。
【0022】
スナップクランプ110の上半部が、ヒンジ部分106とほぼ向かい合っており、且つ典型的には、反対側の長手方向の縁を構成している。スナップクランプは、ベースプレート104および壁2から上方に延びるフックまたは受け止め部112を含む。
【0023】
本発明のベーストラック100は、引張力散逸体を含む。図示するように、特定の好ましい実施形態では、ヒンジ部分106は、ベーストラック100のベースプレート104から遠ざかるように立ち上がり、または延びている。部分または脚部114または116は、ヒンジ106の第一半部からベースプレート部分104まで延びている。このような配置は、典型的にほぼ逆V形を形成する。散逸体を形成する、これらの部分114および116を、ここで更に詳述する。
【0024】
図3および4を参照すると、組立体10は、前述したように、ベーストラック100と協同して、組立体10を形成し、布4を所定の位置に固く係止する、上トラック102も含む。上トラック102は、図5に示すように、ベーストラック100の第一のヒンジ部分106の溝108の中に挿入されるように構成され、かくして、ベーストラック100と上トラック102との間のヒンジおよびピボット連結を形成する、第2のヒンジ部分118を含む。フックまたは受け止め部122を含む、スナップクランプ120の第二半部が、第二の半ヒンジ118とほぼ向かい合って形成され、フックまたは受け止め部122は、ベーストラック100のフックまたは受け止め部112と係合して、解放可能にスナップクランプを形成するようになっている。上トラック102は、ヒンジ部分118とクランプ部分120の間に延びる上プレート124とここでは称されるものを有する。図1および3〜6に示す実施形態では、上トラック102の構造または輪郭は、上プレート124が、スナップクランプ部分120に対して約90°の角度をなすので、工業的では四角(スクエア)と称される。この構造により、最終的な布パネル縁は、ほぼ四角い縁となる。
【0025】
特に好ましい実施形態では、図4〜6に示すように、上プレート124は、該上プレート124から1インチの何分の1上方に延びるタブ128を含む。タブ128は、先行技術の組立体が直面する、押出し物からの光の反射、これに伴うシャドーボックス効果を最小限にするために、布4を上プレート124の平行取付け面のわずか上に持ち上げることができるように設計され且つ寸法決めされる。当業者によって理解されるように、このことは、布を典型的に位置決めし、トラック組立体のスナップクランプ部分に向かう両面テープのようなアライメントテープと整合させる。必須ではないが、アライメントテープが布4を上トラック102の上プレート124に保持し、布の自由端をトラック100と102の間に挿入して、所定の位置にきつくクランプするので、好ましい。
【0026】
第一ベーストラック100および第二上トラック102が協同して布4の緊張および固定を容易にする方法が、図5および6を参照することによって証明される。ベーストラック100は、典型的には、壁または他の表面に、ねじやくぎ等で固定される。本発明のベーストラック100の設計は、締結のために様々な空気圧式または他の工具によるアクセスを提供する。先ず図5を参照すると、トラック100および102のヒンジ部分106および118は、トラック100と102との間に枢動関係が作られるように、118の第二のヒンジ部分を第一のヒンジ部分106の溝108の中に挿入することによって、互いに作動的に接する。次いで、布4を上トラック102の上に落とし、上トラックを、ベーストラック100に向かって移動させ、ついには、図6に示すように、フックおよび受け止め部112および122またはクランプ部110および120が互いに係合し、それらの間に布4をしっかりと固定する。その結果、図1および6に示すように、非常に引っ張られぴんと張った布が、組立体10の間に延びる。
【0027】
上述したように、特に1インチシステムでは、布4の張力は、はなはだしい量の力を組立体10に、特に上トラック102に及ぼし、この力により、ヒンジ組立体を、後方に撓ませて機能しなくし、或いは、組立体10の全体を変形させ且つ移動させて平行四辺形形状にすることがある。本発明は、ベーストラック100に向かって下方に延びる、突っ張り126を加えることで、この問題を克服する。図3〜6に示すように、突っ張り126は、組立体10のヒンジおよび散逸体に向かって下方に傾斜する。その結果、もし過度な張力が存在し、上トラック102が後方に引っ張られ始めると、突っ張り126が、ベーストラック100に係合して、張力をベーストラック100に、従って壁2の表面に伝達する。特定の好ましい実施形態において、突っ張り126は、力が引張力散逸体の立ち上がり部分114および116に伝達され、その結果、力が部分114および116を通じてベースプレート104および壁2に伝達されるように移動されて、ベーストラック100のヒンジ部分106と接触するように構成される。これらの力の伝達および突っ張り126とベースプレート100との間の接触により、上プレート102は、所定の位置にとどまり、布4はぴんと張られたままとなる。更に、組立体10は、そのほぼ正方形の形態を保持して変形しない。
【0028】
図7および図8を参照すると、本発明を、正方形の形態または輪郭について上述したが、当業者によって、他の輪郭を容易に適用することが、容易に理解されるであろう。例えば、図7では、組立体12は、ベーストラック100は同じ形態のものであるが、上トラック102’の上プレート124’は、傾斜した形態および輪郭を有することが示され、これが好ましいときもある。
【0029】
図8は、本発明を具体化する更に他の組立体14であり、ベーストラック100およびその部品要素は上述の通りであるが、上トラック102’’が、勾配または当該技術分野でブルノーズとして知られる形態を有する上プレート124’’を有する。
その他の点では、これらの組立体12および14は、上述と同様に機能する。
【0030】
図9〜11を参照すると、1インチ厚のシステムを上で示し且つ説明したが、本発明は、図示した0.5インチ組立体16〜20のような他のサイズにもまた組み込むことができる。しかしながら、組立体16〜20の構造および機能は、上述の通りであるので、これらの実施形態16〜20中の同じ構造を特定するために、同一の番号を用いている。
【0031】
図12を参照すると、2つのトラック組立体を互いに近接して位置決めし、それぞれのスナップクランプ内に布4および4’をクランプすることにより、布4および4’の2つの片の間に継ぎ目を形成することができる。変形例として、図12に示すように、2つのトラック組立体を、共通のベーストラック200を分けるように構成してもよい。ベーストラック200は、引張力散逸体214および216を有する向かい合ったヒンジ部分206、並びに、引張力散逸体間に延びるほぼ平らなベースプレート204を含む。フックまたは受け止め具212は、互いに間隔をへだてられ、且つ直径方向に向かい合った上トラック202とともにスナップクランプを形成するように、ベースプレート204から上方に延びる。図示するように、2つの上トラック202は、各々別々の布片4および4’を支持し、互いに向かって旋回されて、ベーストラック200と組み合わされる。組立体22に働く力は、突っ張り226および散逸体214、216の使用で、上述したのと同様の方法で処理される。かくして、2つの布片4と4’の間に、組立体を互いに注意深く再配置する必要なく、緊密な継ぎ目を形成することができる。
【0032】
今、図13を参照すると、本発明を具体化する更に他のトラック組立体24を示す。この実施形態24は、図4〜6に関して上述した実施形態10と非常に似ている。そのようなものとして、組立体24は、ベースプレート304、第一のヒンジ部分306および第一のスナップクランプ部分310を有するベーストラック300を含む。ベースプレート304に対して立ち上がり、ヒンジ部分306から延びる引張力散逸体314および316がまた、ベーストラック300の一部として形成される。上トラック302は、ヒンジを形成するように第一の部分306と作動可能に合う第二のヒンジ部分318、スナップクランプ320の第二半部まで下に延びる上プレート324(この場合、正方形輪郭であるが、他の輪郭も可能であることは容易に理解されるであろう。)を含む。突っ張り326はベーストラック300に向かって、より特定すると第二のヒンジ部分306および引張力散逸体314および316に向かって下方に延びる。しかしながら、この場合、こぶ330が、ベーストラック300に、より特定すると第一のヒンジ部分306に形成され、突っ張り326が移動されて第一のヒンジ部分306と接触することになるが、その後方移動は、こぶ330によって妨げられる。
【0033】
図14を参照すると、本発明を具体化する更に別のトラック組立体26を示す。上で図示され、記載されたものと同様に、ベーストラック400は、引張力散逸体を構成する立ち上がり部分414および416を有するベースプレート404を含む。第一のヒンジ部分406は、好ましくは、ベースプレート404から立ち上がり、引張力散逸体414および416から延びる。第一のクランプ部分410は、ヒンジ部分406とほぼ反対側に形成される。
【0034】
上トラック402は、ヒンジを形成するように、第一のヒンジ部分406に作動可能に係合する第二のヒンジ部分418を含む。これとほぼ反対側に、第二のスナップクランプ半部420が形成され、該スナップクランプ半部420は、ベーストラック400の第一のスナップクランプ半部410に作動可能に係合して第一スナップクランプ半部と組み合う。この場合、上プレート424は、ブルノーズ輪郭を有するが、他の輪郭も予想される。この組立体26では、上トラック402の突っ張り426は、ヒンジに向かって或る角度で下方に延びず、ヒンジ406および418の前で下方に延びる。過度の力が上トラック402に加えられるとき、突っ張り426は横方向に移動されて下ヒンジ半部406と係合し、引張力の少なくとも一部を、部分414および416を通じて、ベースプレート404、かくして表面または壁2に伝達する。
【0035】
今、図15を参照すると、互いに枢動可能に連結され、布4を引っ張るように組合わせることのできる、ベーストラック500と上トラック502とを含むという意味で、上述したものと同様の組立体28である、本発明の更に別の実施形態が示される。しかしながら、この場合、引張力散逸体を形成する部分514と516は、連続するベースプレート504から上方に延びる。部分516は、第一のヒンジ半部506からわずかに離されている。この場合、第一のヒンジ半部506は、スロットまたはキー溝530を含むように、半円形である。上トラック502の第二のヒンジ部分518は、図示するように、組立体28が閉じた係止位置にあるとき、キー溝530内に受け入れられるように構成される、タブまたはキー532を含む。ヒンジ518の第二の部分も半円形であり、そしてヒンジの第一の半部506のまわりに延びる。突っ張り526は、上プレート524から第二のヒンジ部材518まで延びる。過度の布引張力が存在するとき、突っ張り526およびヒンジの第二の部分518は、ヒンジの第一の部分506に係合し、力をベースプレート504に伝達させる。極端な場合には、ヒンジ506は、移動されて部分516と接触し、力をベースプレートおよび壁面2に更に伝達する。
【0036】
ヒンジ506および518に関して、より大きなヒンジ部材は、わずかに重く、且つ円周が220°を超えており、スロットまたはキー溝530のために、外側の第二のヒンジ半部518が所定の位置にスナップ止めされて閉じられるときに撓む内側のヒンジ506からそれを取り外しそして内側のヒンジに戻すことができる。内側のヒンジ506は、かみ合わされたとき、ヒンジ組立体506および518は、全開から回転することができる(0°角度から、図示するように、90°の全閉係止状態まで)。全開位置にあるとき、外側のヒンジ部分518は、内側のヒンジ部分506上で回転する。外側のヒンジ部分が回転して係止位置へ閉じられると、タブまたはタブ532がキー溝開口530の中に落ち込み、外側部分518の全体を側方に移動させる。この側方移動は、組立体28が、布4を所定の位置にしっかりと係止するのを助ける。
【0037】
今、図16を参照すると、上述したものと同様に、組立体30は、布を作動可能に係止して布を引っ張る、ベーストラック600および上トラック602を含む。ベーストラック600は、ほぼ平らなベースプレート604を含み、該ベースプレートは、ベースプレート604の一端に形成された第一のヒンジ半部606と、ベースプレート604の他端に形成された第一のスナップタブ部分612を有する。
【0038】
第一のヒンジ半部606は、トラック600と602の間に枢動可能な係合を形成するために、上トラック組立体602の第二のヒンジ半部部分618を、取外し可能に受け入れるように、ほぼC形に形成される。上方に延びる止め部612は、上トラック622の下方に向いたフック632に係合する。鋸歯状刻み目630が、フックおよび止め部622および612を互いに摩擦的に係合させる。布を、内側フック632のまわりに延ばして、布を内側フック632内に更に保持することができる。
【0039】
この場合、突っ張り626は、ベーストラック600、特にヒンジの第一半部606に向かって下方に延びる。ヒンジの第一半部606は、ベースプレート604から立ち上がっていない、従って、先の実施形態の引張力散逸体を構成する上方に延びる部分を有しないことに留意すべきである。そのかわり、引っ張られた布によって過度の引張力がかかると、突っ張り626は、引張力の一部をベーストラック600、かくして壁面2に伝達しながら、上トラック602が、過度に移動したり変形しないように、移動してベーストラック600、この場合は、ベーストラック600のヒンジ部材606と係合する。前と同じように、タブ628を、上述したのと同様のシャドー効果を防止するために用いることができる。
【0040】
本発明のトラック組立体は、壁布張りトラックシステムに普及している一般的な建築設計において実現される。組立体は、布またはビニールを壁または吸音パネルにぴんと張って取付けることができ、上記パネルは、パネル全部を取り替える必要なしに、装飾または設備アクセス変更のために、将来、取り外すことができる。従って、本発明は、エンドユーザーに著しいコストの節約を提供する。布によって加えられる力は、組立てヒンジに差し向けられ、逃げることができない。組立体は、いかなるシャドー効果をも最小にし、且つ外側部材を回転させて閉じたとき、張力が増加したときに、外側部材が飛び出すことを防ぐように設計される。本発明の組立体はまた、据え付ける人が、槌などでの、過度の叩きによらずに組立体をより簡単に開閉することができる。
【0041】
いくつかの実施形態を説明のために詳細に記載したが、本発明の範囲および精神から逸脱することなしに、それぞれについて様々の変形を行うことができる。従って、本発明は添付特許請求の範囲によって限定される以外に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を具体化した、布を間に支持する一対のトラック組立体の断片的な側面斜視図である。
【図2】図1と同様であるが、トラック組立体の間に断熱または吸音パネルを示した断面図である。
【図3】表面に取付けられたベーストラックおよびそれに取付けるために位置決めされた上トラックの斜視図である。
【図4】図3のほぼ4−4線に沿った断面図である。
【図5】図4と同様であるが、布を固定するためにヒンジ組立体を閉じるところを示す断面図である。
【図6】図1のほぼ6−6線に沿った断面図であり、トラック組立体を閉じた状態で布を固定する状態を示す図である。
【図7】図6と同様であるが、傾斜した形態を示す断面図である。
【図8】図6と同様であるが、ブルノーズ形態を示す断面図である。
【図9】図6と同様であるが、0.5インチシステムを示す断面図である。
【図10】図9と同様であるが、ブルノーズ形態を示す断面図である。
【図11】図9と同様であるが、傾斜した形態を示す断面図である。
【図12】2つの布片の間に継ぎ目を作る、本発明を具体化する他のトラック組立体を示す断面図である。
【図13】本発明を具体化する他のトラック組立体の断面図である。
【図14】本発明のトラック組立体の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図15】トラック組立体の更に他の実施形態を示す断面図である。
【図16】本発明の更に他の実施形態の断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成するベーストラックと、
ヒンジの第二半部とスナップクランプの第二半部とを構成し、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む上トラックと、を有し、
ベーストラックを表面に固定した後、ヒンジの第一半部と第二半部との結合で上トラックをベーストラックにヒンジ止めすることができ、
次いで、上トラックが、スナップクランプの第二半部上に布の配置を容易にするために、表面から離れるようにヒンジを中心に旋回でき、それに続いて、上トラックが、ベーストラックに向かって旋回することにより、スナップクランプの第一半部および第二半部が、これら半部の間に布を固定し、
上トラックに加えられる高い引張力が、突っ張りからベーストラックおよび表面に、少なくとも部分的に伝達される、
ことを特徴とする、表面に布を支持するためのトラック組立体。
【請求項2】
突っ張りが、高い引張力により移動されてベーストラックと接触する、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
突っ張りが、移動されてヒンジの第一半部と接触する、請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
ベーストラックが、引張力散逸体を含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
引張力散逸体が、ヒンジの第一半部から延びる、請求項4に記載の組立体。
【請求項6】
引張力散逸体が、ベーストラックのベースプレートの立ち上がり部分からなる、請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
立ち上がり部分が、ほぼ逆V形を形成している、請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
突っ張りが、引張力散逸体に向かって下方に差し向けられている、請求項4に記載の組立体。
【請求項9】
シャドー効果を防ぐように、スナップクランプの第二半部に隣接して上プレートから上方に延びる長手方向タブを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項10】
上トラックのスナップクランプの第二半部がフックからなり、ベーストラックのスナップクランプの第二半部が止め部からなり、これらが、解放可能に係合してスナップクランプを形成するように構成される、請求項1に記載の組立体。
【請求項11】
ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成し、ヒンジの第一半部から延びる引張力散逸体を含む、ベーストラックと、
ヒンジの第二半部とスナップクランプの第二半部とを構成する上トラックと、を有し、
ベーストラックを表面に固定した後、ヒンジの第一半部と第二半部との結合で上トラックをベーストラックにヒンジ止めすることができ、次いで、上トラックが、スナップクランプの第二半部上に布の配置を容易にするために、表面から離れるようにヒンジを中心に旋回でき、それに続いて、上トラックが、ベーストラックに向かって旋回することにより、スナップクランプの第一半部および第二半部が、これら半部の間に布を固定し、
上トラックに加えられる高い引張力が、引張力散逸体から表面に、少なくとも部分的に伝達される、
ことを特徴とする、表面に布を支持するためのトラック組立体。
【請求項12】
上トラックが、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む、請求項11に記載の組立体。
【請求項13】
突っ張りが、高い引張力により、移動されてベーストラックと接触する、請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
突っ張りが、引張力散逸体に向かって下方に差し向けられている、請求項12に記載の組立体。
【請求項15】
引張力散逸体が、ほぼ逆V形を形成する、ベーストラックのベースプレートの立ち上がり部分からなる、請求項11に記載の組立体。
【請求項16】
シャドー効果を防ぐように、スナップクランプの第二半部に隣接して上プレートから上方に延びるタブを含む、請求項11に記載の組立体。
【請求項17】
上トラックのスナップクランプの第二半部が、フックからなり、ベーストラックのスナップクランプの第二半部が、止め部からなり、これらが、解放可能に係合してスナップクランプを形成するように構成されている、請求項11に記載の組立体。
【請求項18】
ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成し、ヒンジの第一半部から延びる引張力散逸体を含む、ベーストラックと、
ヒンジの第二半部とスナップクランプの第二半部とを構成し、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む上トラックと、を有し、
ベーストラックを表面に固定した後、ヒンジの第一半部と第二半部との結合で、上トラックをベーストラックにヒンジ止めすることができ、次いで、上トラックが、スナップクランプの第二半部上に布の配置を容易にするために、表面から離れるようにヒンジを中心に旋回でき、それに続いて上トラックが、ベーストラックに向かって旋回することにより、スナップクランプの第一半部および第二半部が、これら半部の間に布を固定し、
上トラックに加えられる高い引張力により、突っ張りがベーストラックに接触し、引張力が引張力散逸体および表面に、少なくとも部分的に伝達される、
ことを特徴とする、表面に布を支持するためのトラック組立体。
【請求項19】
突っ張りが、引張力散逸体に向かって下方に差し向けられている、請求項18に記載の組立体。
【請求項20】
引張力散逸体が、ほぼ逆V形を形成する、ベーストラックのベースプレートの立ち上がり部分からなる、請求項18に記載の組立体。
【請求項21】
シャドー効果を防ぐように、スナップクランプの第二半部に隣接して上プレートから上方に延びるタブを含む、請求項18に記載の組立体。
【請求項22】
上トラックのスナップクランプの第二半部がフックからなり、ベーストラックのスナップクランプの第二半部が止め部からなり、これらが、解放可能に係合してスナップクランプを形成するように構成される、請求項18に記載の組立体。
【請求項1】
ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成するベーストラックと、
ヒンジの第二半部とスナップクランプの第二半部とを構成し、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む上トラックと、を有し、
ベーストラックを表面に固定した後、ヒンジの第一半部と第二半部との結合で上トラックをベーストラックにヒンジ止めすることができ、
次いで、上トラックが、スナップクランプの第二半部上に布の配置を容易にするために、表面から離れるようにヒンジを中心に旋回でき、それに続いて、上トラックが、ベーストラックに向かって旋回することにより、スナップクランプの第一半部および第二半部が、これら半部の間に布を固定し、
上トラックに加えられる高い引張力が、突っ張りからベーストラックおよび表面に、少なくとも部分的に伝達される、
ことを特徴とする、表面に布を支持するためのトラック組立体。
【請求項2】
突っ張りが、高い引張力により移動されてベーストラックと接触する、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
突っ張りが、移動されてヒンジの第一半部と接触する、請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
ベーストラックが、引張力散逸体を含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
引張力散逸体が、ヒンジの第一半部から延びる、請求項4に記載の組立体。
【請求項6】
引張力散逸体が、ベーストラックのベースプレートの立ち上がり部分からなる、請求項5に記載の組立体。
【請求項7】
立ち上がり部分が、ほぼ逆V形を形成している、請求項6に記載の組立体。
【請求項8】
突っ張りが、引張力散逸体に向かって下方に差し向けられている、請求項4に記載の組立体。
【請求項9】
シャドー効果を防ぐように、スナップクランプの第二半部に隣接して上プレートから上方に延びる長手方向タブを含む、請求項1に記載の組立体。
【請求項10】
上トラックのスナップクランプの第二半部がフックからなり、ベーストラックのスナップクランプの第二半部が止め部からなり、これらが、解放可能に係合してスナップクランプを形成するように構成される、請求項1に記載の組立体。
【請求項11】
ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成し、ヒンジの第一半部から延びる引張力散逸体を含む、ベーストラックと、
ヒンジの第二半部とスナップクランプの第二半部とを構成する上トラックと、を有し、
ベーストラックを表面に固定した後、ヒンジの第一半部と第二半部との結合で上トラックをベーストラックにヒンジ止めすることができ、次いで、上トラックが、スナップクランプの第二半部上に布の配置を容易にするために、表面から離れるようにヒンジを中心に旋回でき、それに続いて、上トラックが、ベーストラックに向かって旋回することにより、スナップクランプの第一半部および第二半部が、これら半部の間に布を固定し、
上トラックに加えられる高い引張力が、引張力散逸体から表面に、少なくとも部分的に伝達される、
ことを特徴とする、表面に布を支持するためのトラック組立体。
【請求項12】
上トラックが、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む、請求項11に記載の組立体。
【請求項13】
突っ張りが、高い引張力により、移動されてベーストラックと接触する、請求項12に記載の組立体。
【請求項14】
突っ張りが、引張力散逸体に向かって下方に差し向けられている、請求項12に記載の組立体。
【請求項15】
引張力散逸体が、ほぼ逆V形を形成する、ベーストラックのベースプレートの立ち上がり部分からなる、請求項11に記載の組立体。
【請求項16】
シャドー効果を防ぐように、スナップクランプの第二半部に隣接して上プレートから上方に延びるタブを含む、請求項11に記載の組立体。
【請求項17】
上トラックのスナップクランプの第二半部が、フックからなり、ベーストラックのスナップクランプの第二半部が、止め部からなり、これらが、解放可能に係合してスナップクランプを形成するように構成されている、請求項11に記載の組立体。
【請求項18】
ヒンジの第一半部とスナップクランプの第一半部とを構成し、ヒンジの第一半部から延びる引張力散逸体を含む、ベーストラックと、
ヒンジの第二半部とスナップクランプの第二半部とを構成し、ベーストラックに向かって下方に延びる突っ張りを含む上トラックと、を有し、
ベーストラックを表面に固定した後、ヒンジの第一半部と第二半部との結合で、上トラックをベーストラックにヒンジ止めすることができ、次いで、上トラックが、スナップクランプの第二半部上に布の配置を容易にするために、表面から離れるようにヒンジを中心に旋回でき、それに続いて上トラックが、ベーストラックに向かって旋回することにより、スナップクランプの第一半部および第二半部が、これら半部の間に布を固定し、
上トラックに加えられる高い引張力により、突っ張りがベーストラックに接触し、引張力が引張力散逸体および表面に、少なくとも部分的に伝達される、
ことを特徴とする、表面に布を支持するためのトラック組立体。
【請求項19】
突っ張りが、引張力散逸体に向かって下方に差し向けられている、請求項18に記載の組立体。
【請求項20】
引張力散逸体が、ほぼ逆V形を形成する、ベーストラックのベースプレートの立ち上がり部分からなる、請求項18に記載の組立体。
【請求項21】
シャドー効果を防ぐように、スナップクランプの第二半部に隣接して上プレートから上方に延びるタブを含む、請求項18に記載の組立体。
【請求項22】
上トラックのスナップクランプの第二半部がフックからなり、ベーストラックのスナップクランプの第二半部が止め部からなり、これらが、解放可能に係合してスナップクランプを形成するように構成される、請求項18に記載の組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−516120(P2008−516120A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−536722(P2007−536722)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/035178
【国際公開番号】WO2006/041722
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(507119331)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/035178
【国際公開番号】WO2006/041722
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(507119331)
【Fターム(参考)】
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