説明

布片を送給する装置

本発明は、布片を布処理装置に送給する装置(1)に関する。前記装置(1)は、前記布片の前縁を真っ直ぐに伸ばすために互いに離れる方に移動可能となるように、かつ前記布片をコンベヤ(40)に引き渡すように構成された一組または複数組のスプレッダークランプ(20)を備えている。少なくとも一組のスプレッダークランプは、受取り位置(M)と引渡し位置(A)との間で移動するように構成されている。スプレッダークランプは、受取り位置(M)において、コンベヤ(40)に対する第1の所定方位を有している。スプレッダークランプ(20)は、引渡し位置(A)において、真っ直ぐに伸ばされた布がコンベヤ(40)と実質的に平行になる第2の所定方位を有している。従って、布片を装填ステーション(70)の無作為な送給位置からスプレッダークランプ(20)に受け取らせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布片を搬送するように構成された搬送方向を有するコンベヤを備える、布片を回転アイロナーのような布処理装置に送給する装置であって、前記装置は、装填ステーションから布片の前縁に沿った1対の互いに隣接するコーナの近傍を離脱可能に受け取る一組のスプレッダークランプ(spreader clamp)を各々が有する1つまたは複数のスプレッダー装置を備え、スプレッダー装置の各々は、前記前縁を真っ直ぐに伸ばすためにスプレッダークランプを搬送方向を横切って互いに離れる方に移動させるように、かつ前記布片をコンベヤに引き渡すように構成される、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィーダとも呼ばれるこの種の装置は、例えば、矩形の布片の送給に関連して、工業的規模のクリーニング店に用いられることが多い。これらの布片は、皺の付いた状態でフィーダに送給され、次いで、回転アイロナーと呼ばれることが多い後続の布処理装置に運ばれる前に、布片の皺および折目を真っ直ぐに伸ばすために、拡げられる。殆どの場合、これらの布片は、フィーダに送給されるとき、程度の差はあるが、湿った状態にある。
【0003】
この種の周知のフィーダは、フィーダの搬送方向を横切る方向に移動可能に設置された1対の離脱可能なスプレッダークランプを有するスプレッダー装置を備えている。スプレッダークランプは、それぞれ、布片の前縁のコーナを固定し、スプレッダークランプが互いに離されるとき、布片の前縁を真っ直ぐに伸ばすように、構成されている。これによって、布片は、真っ直ぐに伸ばされた状態で吊り下げられ、次いで、コンベヤに乗せられ、さらに搬送されることになる。
【0004】
布片は、その1対の互いに隣接するコーナの近傍の縁が搬送方向を横切る方向に向けられて、受取り位置(M)にあるクランプ内に導入され、これによって、各スプレッダークランプが、前縁の領域を挟んで保持することになる。次いで、布片は、実質的に水平の位置において、横方向真空ブームに引き渡される。ここでは、前縁が、引渡し位置(A)において、真空ブームの上面に置かれる。次いで、前縁を搬送方向に向けて、真空ブームが移動し、この真っ直ぐに伸ばされた前縁が、コンベヤの上面に落とされる。これによって、回転アイロナーであることが多い後続の布処理装置に送給される前に、好ましくは、布片を十分に真っ直ぐに伸ばすことができる。
【0005】
通常、スプレッダー装置は、布片が自在に吊り下げられる位置に設置される。これは、フィーダの底面の床内にピットを設けることによって、またはスプレッダー装置を布片が吊り下げられるのに十分な高さに設置することによって、得られる。従って、もしオペレータがフィーダを床レベルから運転する場合、布片が送り込まれ、その布片をスプレッダー装置に向かって上方に運搬し、スプレッダー装置に引き渡すように構成される装填ステーションを設置することが必要とされる。スプレッダー装置に関連する限りにおいて、このようなフィーダは、欧州特許第0794279号によって知られている。
【0006】
さらに、欧州特許出願公開第01160370A2号は、布片をスプレッダークランプからコンベヤに直接移転させることなく、載置(deposition)によって、布片をコンベヤに移転させるフィーダを示唆している。しかし、ここでは、装填ステーションが併用されていない。
【0007】
しかし、周知のフィーダの内容には、特に、スプレッダー装置と装填ステーションを介する送給を併用することによって、良好な送給位置および最適な引渡し位置の両方を同時に達成することが妨げられるという問題がある。これは、特に、布片をスプレッダークランプ内に明確に受け取らせることを可能にしなければならないこと、および布片を真っ直ぐに伸ばしてコンベヤ上に進めることを可能にしなければならないことを同時に考慮した場合、受取り位置(M)における装填クランプとスプレッダークランプとの間で布片を正確に移転させるための送給要件、およびスプレッダークランプからコンベヤ/ブームに布片を正確に移転させるための送給要件が、異なっていることによって、生じる。従って、布片の最適な/正確な送給、従って、処理された布片の所望の品質を確保しながら、装填ステーションを用いることはできない、とこれまで見なされてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、装填ステーションを用いることを可能とし、同時に布片の最適な/正確な送給、従って、処理された布片の所望の品質を得ることを可能にする、布片を布処理装置に送給する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、請求項1の特徴部に準じる装置によって達成される。この特徴部によれば、スプレッダー装置は、受取り位置(M)と引渡し位置(A)との間で移動するように構成された少なくとも一組のスプレッダークランプを備えている。スプレッダークランプは、受取り位置(M)において、コンベヤに対して第1の所定方位を有している。また、スプレッダークランプは、布片の真っ直ぐに伸ばされた前縁が引渡し位置(A)においてコンベヤと実質的に平行であるように、構成されている。また、特徴部によれば、装置は、1つまたは複数の装填ステーションも備えている。装填ステーションの各々は、布片を受け取り、送給位置(I)から布片が一組のスプレッダークランプによって受け取られる位置(M)に至る経路に沿って、布片を移動させるように、構成され、前記経路は、コンベヤの搬送方向に対して選択された角度をなしている。
【0010】
従って、布片をどのような所定の受取り位置(M)においてもスプレッダークランプに受け取らせることができ、スプレッダークランプは、コンベヤの上面に対して装填ステーションがなす角度とは無関係に、異なる高さ、従って、異なる導入位置(I)に設置され得る装填ステーションから布片を受け取るように調整可能である。これは、スプレッダークランプが、スプレッダークランプおよび装填クランプが互いに係合する受取り位置(M)において、布片をどのような角度にあっても受け取るように構成されることによって得られ、これによって、装填クランプ/スプレッダークランプに固定された布片の一部に折目を生じさせることなく、布片をスプレッダークランプに明確に引き渡すことができる。さらに、本発明によれば、引渡し位置(A)において、真っ直ぐに伸ばされた布片の前縁をコンベヤに明確に引き渡すことが可能になる。これは、布片を真っ直ぐに伸ばされた前縁を先頭にしてブームの上面に直接展開させることによって、達成され、これによって、布片の後続の部分も真っ直ぐにされた輪郭のはっきりした状態でコンベヤの上面に引き渡されることになる。コンベヤの上面は、好ましくは、水平であり、従って、布片が装填ステーションからスプレッダークランプに移される角度は、好ましくは、水平である。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、装填ステーションは、布片を直線経路に沿って運搬するように構成され、これによって、スプレッダークランプは、受取り位置(M)において、直線経路と一直線に並ぶことになる。このようにして、特定の場合に有利なスプレッダークランプの1つの経路が得られる。
【0012】
本発明のさらに有利な実施形態によれば、装填ステーションは、布片を曲線に沿って運搬するように構成され、これによって、布片が装填ステーションから受け取られるとき、スプレッダークランプは、受取り位置(M)において、この曲線の接線と一直線に並ぶことになる。従って、例えば、分散駆動型送給が、スプレッダークランプ内に送られる布片をコンベヤシステムを介して運搬する装填ステーションと共に用いられる場合、装填ステーションの装填クランプが走行するさらに有利な曲線の経路が得られる。
【0013】
本発明の他の有利な実施形態は、従属請求項から明らかになるだろう。
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】スプレッダークランプが受取り位置(M)にあるフィーダの断面図である。
【図2】スプレッダークランプが引渡し位置(A)にある図1に示されるフィーダの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
例えば、図1,2を参照すると、布片を回転アイロナーのような布処理装置に送給する装置/フィーダ1が示されている。フィーダは、搬送方向3を有するエンドレスコンベヤベルト41の形状にあるコンベヤ40を備えている。装置(フィーダ)の前部に送られ、真っ直ぐに伸ばされた布片は、例えば、フィーダの出口端(図示せず)に設置された回転アイロナーに向けて、コンベヤベルトの上面に乗せられる。コンベヤ40の上方で、フィーダの導入端に、スプレッダー装置10が設けられている。
【0017】
例えば、図1は、スプレッダークランプ20が、受取り位置、すなわち、以下に述べるように布片が装填ステーション70を介してスプレッダークランプ20に受け取られる位置にある、スプレッダー装置10を備えるフィーダ1を示している。図2では、スプレッダークランプ20が、引渡し位置(A)、すなわち、布片がスプレッダークランプ20から真空ブーム50に移される位置にある、スプレッダー装置10を有するフィーダが示されている。
【0018】
スプレッダー装置10は、フィーダの搬送方向3を横切って延在するレール11から構成されている。このレール上に、少なくとも1つのキャリア対が走行している。キャリア対の各々は、対で、すなわち、2つで作用するように構成された2つのキャリッジ10a,10bを有している。キャリッジ10a,10bの各々は、離脱可能なスプレッダークランプ20を備えている。スプレッダークランプ20は、拡げられることになる布片の前縁に沿った1対の互いに隣接するコーナの近傍を受け取るために、またキャリッジが互いに離れる方に駆動されたとき、真っ直ぐにされた前縁に沿って、布片を真っ直ぐに伸ばすために、設けられている。コンベヤ40に移されるのは、布片の上端、すなわち、前縁の領域であり、布片の残りは、垂直面内において吊り下げられ、この後、コンベヤベルト上に引き上げられ、平らに伸ばされた状態で、出口端に向かって搬送される。殆どの場合、少なくとも1つのスプレッダー装置10が、各フィーダ1と関連して、設置されることになる。特に高容量をもたらすことが望まれる場合、2つ以上のスプレッダー装置を各フィーダ内に設置することも任意選択的に可能であるが、この場合、同時に、2組以上のスプレッダークランプ20を各レール11に設けなければならないことを理解されたい。
【0019】
図1,2において、それぞれ、異なる位置に配置され、その内の1つのみしか見えていない、実質的に同様に構成されたスプレッダークランプ20の各々は、上顎21aおよび下顎21bを備えている。これらの顎21a,21bは、互いに対して固定され、これらの顎21a,21b間に、クランプマウス31,32が設けられている。クランプマウス31,32は、コンベヤ40の搬送方向3と反対の側(すなわち、搬送方向3に対して後方)に延在している。このクランプマウス31,32は、布片の前縁を顎間に係合させて固定するように構成されている。クランプマウス31内への布片の固定は、各スプレッダークランプ2において、クランプマウスが可膨張体の形状にある空圧ユニット(図示せず)を備えることによって、もたらされる。可膨張体は、膨張時にクランプマウスを埋め、これによって、可膨張体と顎21a,21bの1つとの間にクランプ力をもたらす。各空圧ユニットを制御するために、特殊な制御手段が、この空圧ユニットと関連して設置されている。この制御は、当業者によって種々の方法で行われてもよく、ここでは、さらに詳細には説明しない。
【0020】
スプレッダークランプ20の各々は、レール11と直角に延在する垂直面内において旋回可能である。例えば、スプレッダークランプ20は、レール11と平行に延在する2つの回転軸25,26を備え、第1の旋回アーム33および第2の旋回アーム34を介して、キャリッジ10の2つの対応する回転軸23,24に旋回可能に接続されている。キャリッジ10は、キャリッジ10とアーム33の適切な点とに固定された複動式空圧シリンダのようなアクチュエータ手段27をさらに備えている。これによって、クランプは、垂直面内において、搬送方向3と平行に移動することができる。ここで、クランプ構造の幾何学的配置、例えば、回転軸23,24と回転軸25,26との間の距離、アーム32,33の長さ、ならびにアーム33のアクチュエータ手段27の取付け点、およびアーム33の作用範囲などは、本発明によれば、その範囲/要件内において、個々のフィーダの機能領域、例えば、オペレータによって望まれる送給位置(I)などに対して、特定されてもよいことを理解されたい。
【0021】
装填ステーション70では、装填クランプ80が、駆動可能なキャリッジ85に取り付けられている。キャリッジ85は、上側位置と布片がオペレータによって導入される下側位置との間で、軸“L”に沿って移動可能である。従って、装填ステーションは、布片を直線経路に沿って運ぶように構成されてもよく、この場合、スプレッダークランプは、受取り位置(M)において、この直線経路と一直線に並ぶことになる。あるいは、スプレッダークランプは、布片を曲線に沿って運ぶように構成されてもよく、この場合、布片が装填ステーションから一組のスプレッダークランプに受け取られるとき、スプレッダークランプは、受取り位置(M)において、この曲線の接線と一直線に並ぶことになる。装填クランプ80は、軸“L”と実質的に一致するクランプ面81を備え、布片の前縁をスプレッダークランプ20に移行させるとき、クランプマウス31,32が、受取り位置(M)において、実質的に軸“L”と平行の面内に延在するように、スプレッダークランプ20と協働し、これによって、布片が移行するとき、その布片の前縁の領域が、クランプマウス31,32に係合することになる。なお、前記クランプマウス31,32は、受取り位置(M)および引渡し位置(A)のいずれにおいても、搬送方向3と反対の方向に開いている。
【0022】
特定の実施形態によれば、もし装填ステーション70を別の角度、従って、別の送給位置(I)に設定することが望ましい場合、スプレッダークランプは、クランプ面22/軸“L”と面“HP”との間の別の角度“Q”に設置されてもよい。従って、制御手段は、フィーダの明確な基準点に対する装填ステーションの位置を記録するセンサ手段(図示せず)をさらに備えている。これは、典型的には、送給位置(I)が角度“Q”の関数として決定され、次いで、この情報に基づいて、制御手段が、受取り位置(M)におけるスプレッダークランプの正確な位置を計算することができ、このメッセージをアクチュエータ手段27に伝達し、位置を設定し、これによって、この位置が得られることを意味している。従って、装填クランプ80およびスプレッダークランプ20は、前述したように、互いに係合することができる。
【0023】
布片の前縁が、スプレッダークランプ20に受け取られると、スプレッダークランプ20を有するキャリッジ10が、互いに離れる方に走行し、布片が、前縁に沿って拡げられる。好ましくは、これは、スプレッダークランプ20が引渡し位置に移動される間に行われるか、またはその後に行われる。次いで、布片は、載置プレート50に移される。引渡し位置(A)では、クランプマウス31,32は、載置プレート50に対して別の所定方位を有している。また、クランプマウス31,32は、引渡し位置(A)において、コンベヤ(40)と実質的に平行であるように、構成されている。
【0024】
従って、スプレッダークランプ20は、無作為の受取り位置(M)と引渡し位置(A)との間で移動することができるように、構成されている。具体的には、受取り位置(M)において、スプレッダークランプ(20)は、コンベヤ(40)に対して所定の方位を取ることができ、布片の1対の互いに隣接するコーナの近傍の第1の所定位置にある布片の部分を受け取るように構成されている。従って、布片の前縁の領域が、クランプマウス31,32に挟み込まれて受け取られることになる。
【0025】
まさに、布片は、どのような所定の受取り位置にあるスプレッダークランプ20にも受け取られ、どのような引渡し位置(A)にあるスプレッダークランプ20からも引渡されることができるので、スプレッダークランプ20は、配置され得る種々の位置または角度にある装填ステーション70から布を受け取ることができ、同様に、種々の形式の装填ステーション20から、さらにそれらの装填ステーション20のオペレータにとって都合のよい位置から、布片を受け取ることができる。加えて、この特徴が極めてよく当てはまる例として、多数の装填ステーション70が各フィーダに関連して設置され、正確に同一のスプレッダークランプ20が、これらの個々の装填ステーション70の送給位置(I)から布片を受け取るような場合が挙げられる。これは、例えば、装填ステーション70が、連結されたコンベヤシステム上の布片を送給する分散駆動型装填ステーション70と共に、フィーダに設置される場合である。特に、スプレッダークランプ20が任意の所望位置に調整可能であるように構成されることによって、同一のスプレッダークランプ20を用いて、異なる位置から、すなわち、異なって構成された装填ステーションから、布片がスプレッダークランプ20に移される角度とは無関係に、そのスプレッダークランプ20が布片の前縁の領域を正確に受け取るように、布片を送給することができる。
【0026】
装填ステーションが配置され得る種々の位置または角度は、好ましくは、機械の建造時に既に決定されていることを理解されたい。従って、異なる装填ステーションが、納入時に、特定の位置に設置されることになるが、この位置は、装填ステーションごとに異なっていてもよい。
【0027】
載置プレート50は、好ましくは、真空ブーム(桁)として構成され、スプレッダークランプ20とコンベヤ40との間に設置され、コンベヤ40の搬送方向3に沿って移動可能でもある。載置プレート/真空ブーム50は、実質的に水平の面51および内腔52を備えている。内腔52は、上面に設置された多数の開口(図示せず)を介して外部と連通している。載置プレート/真空ブーム50は、布片の前縁の領域を載置プレート50の上面51に一時的に取り付ける吸引力をもたらす適切な真空源に、さらに接続されている。
【0028】
図2は、真空ブーム50がスプレッダークランプ20から布片の前縁の領域を引き継ぐのに備えている引渡し位置にあるフィーダ1を示している。これは、載置プレート/ブーム50がスプレッダークランプ20を超えて運ばれ、これによって、布片、すなわち前縁の領域が載置プレート50の上方に位置することによって、行われる。ここで、スプレッダークランプ20の一時的な取付けが解除され、同時に、キャリッジが、搬送方向3を横切る方向に移動する。スプレッダークランプ20がその一時的な把持を解除することによって、布片の前縁の領域が、載置プレート50に移される。真空プレート50は、搬送方向3に沿って適切な距離だけ移動し、次いで、前縁の領域を上面51に一時的に取り付けている吸引力が、一時的な取付けを中断させるのに十分なだけ低減され、布片がコンベヤ41の上面42に落ち、出口端に向かって、さらに搬送される。従って、布片は、回転アイロナーであることが多い後続の布処理装置内に搬送される前に、完全に真っ直ぐに伸ばされることになる。
【0029】
図では、スプレッダークランプ20は、実質的に水平位置にあり、同様に、クランプマウス31,32は、水平クランプ面22を備え、下顎21bは、高さの低い側に配置されている。クランプ面22および真空ブーム50の上面51は、実質的に平行となるように構成され、好ましい実施形態では、さらにコンベヤのキャリア面“HP”と実質的に平行となるように構成されている。まさに、クランプ面22および上面51が実質的に平行であることによって、真空ブーム50への移行に関して、特に良好な結果が得られる。スプレッダークランプの前記クランプ面31,32は、その全体にわたって、上面51に対して等距離の間隔を有している。
【0030】
エンドレスコンベヤ41であるコンベヤ40は、フィーダの全幅にわたって単一のコンベヤベルトとして構成されてもよいし、またはフィーダの全幅にわたって配置される狭幅コンベヤベルトの集合体として構成されてもよい。コンベヤベルト41は、2つの横断軸43間に延在しているが、これらの内の1つのみしか図示されていない。
【0031】
横断レール11およびスプレッダークランプ20は、フィーダのある高さの位置に配置されている。これは、布片の全体またはその一部が、送給手順中に、吊り下げられ得ることを意味している。従って、この構成は、殆どの場合、オペレータは、布片をスプレッダークランプ20に直接送給することができず、布片は、むしろ、装填ステーション70の装填クランプ80に送り込まれることも意味している。
【0032】
前記装填ステーションの位置、従って、前記布片が前記装填ステーションの前記装填クランプ内に導入される送給位置は、角度(“Q”)の関数として決定され、前記角度(“Q”)は、前記軸(“L”)と面(“HP”)との間の角度として定義され、前記軸(“L)”は、上側位置と前記布片がオペレータによって送り込まれる下側位置との間で前記装填ステーションの長手方向に延在し、前記面(“HP”)は、前記コンベヤ(40)と実質的に平行である、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
布片を搬送するように構成された搬送方向(3)を有するコンベヤ(40)を備える、布片を回転アイロナーのような布処理装置に送給する装置(1)であって、前記装置(1)は、装填ステーションから布片の前縁に沿った1対の互いに隣接するコーナの近傍を離脱可能に受け取る一組のスプレッダークランプ(20)を各々が有する1つまたは複数のスプレッダー装置(10)を備え、前記スプレッダー装置(10)の各々は、前記前縁を真っ直ぐに伸ばすために前記スプレッダークランプ(20)を前記搬送方向(3)を横切って互いに離れる方に移動させるように、かつ前記布片を前記コンベヤ(40)に引き渡すように、構成される、装置(1)において、
−受取り位置(M)と引渡し位置(A)との間で移動するように構成された少なくとも一組のスプレッダークランプであって、前記スプレッダークランプ(20)は、前記受取り位置(M)において、前記コンベヤ(40)に対して第1の所定方位を有し、前記スプレッダークランプは、前記布片の前記真っ直ぐに伸ばされた前縁が前記引渡し位置(A)において前記コンベヤ(40)と実質的に平行であるように、構成される、少なくとも一組のスプレッダークランプと、
−1つまたは複数の装填ステーション(70)であって、前記装填ステーション(70)の各々は、布片を受け取り、送給位置(I)から前記布片が一組のスプレッダークランプによって受け取られる位置(M)に至る経路に沿って、前記布片を移動させるように、構成され、前記経路は、前記コンベヤの前記搬送方向に対して選択された角度をなす、1つまたは複数の装填ステーション(70)と、
を組み合わせて備えることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記装填ステーション(70)は、前記布片を直線経路に沿って運搬するように構成され、前記スプレッダークランプ(20)は、前記受取り位置(M)において、前記直線経路と一直線に並ぶ、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装填ステーション(70)は、前記布片を曲線に沿って運搬するように構成され、前記スプレッダークランプ(20)は、前記布片が前記装填ステーション(70)から一組のスプレッダークランプ(20)に受け取られるとき、前記受取り位置(M)において、前記曲線の接線と一直線に並ぶ、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記スプレッダークランプ(20)は、傾動するように構成され、これによって、前記受取り位置における前記スプレッダークランプと前記引渡し位置におけるスプレッダークランプとの間にある角度がもたらされることを特徴とする請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記スプレッダークランプ(20)は、前記真っ直ぐに伸ばされた布片が前記引渡し位置(A)において前記コンベヤ(40)と実質的に平行であるように、構成されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記コンベヤは、前記コンベヤ(40)と前記スプレッダークランプ(20)との間に配置される載置プレート(50)を備え、 前記載置プレート(50)は、前記コンベヤ(40)の前記搬送方向(3)に沿って移動可能であり、前記スプレッダークランプ(20)の前記引渡し位置(A)において、前記布片を引き取り、前記搬送方向(3)に沿って移動中に、前記布片を前記コンベヤ(40)に移すように、構成される、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記載置プレート(50)は、内腔(52)を備え、前記内腔(52)は、前記上面(51)に設置された多数の開口を介して外部と連通し、前記載置プレート(50)の前記上面(51)上に前記布片の前記前縁の領域を一時的に取り付ける吸引力をもたらす真空源に、さらに接続される、ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
先行する請求項のいずれか一項に記載の装置(1)において、装填ステーションに対するスプレッダークランプの位置を設定する方法において、
−前記フィーダ(1)の明確な基準点に対する前記装填ステーションの位置を記録するセンサ手段と、
−前記スプレッダークランプを移動させるアクチュエータ手段27の位置を記録するセンサ手段と、
−前記スプレッダークランプ(20)の前記クランプ面(22)が軸(L)と平行に延び、これによって、前記装填クランプ(80)および前記スプレッダークレーム(20)が互いに係合可能になるために、前記装填ステーションの現在の位置に関する情報に基づいて、前記受取り位置(M)における前記アクチュエータ手段によって占められる位置を計算する制御手段と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記装填ステーションの位置、従って、前記布片が前記装填ステーションの前記装填クランプ内に導入される送給位置は、角度(“Q”)の関数として決定され、前記角度(“Q”)は、前記軸(“L”)と面(“HP”)との間の角度として定義され、前記軸(“L)”は、上側位置と前記布片がオペレータによって送り込まれる下側位置との間で前記装填ステーションの長手方向に延在し、前記面(“HP”)は、前記コンベヤ(40)と実質的に平行である、ことを特徴とする請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−537423(P2009−537423A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511333(P2009−511333)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【国際出願番号】PCT/DK2007/000228
【国際公開番号】WO2007/134601
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(501430803)イェンセン・デンマーク・アクティーゼルスカブ (4)
【Fターム(参考)】