説明

希釈剤容器用のスライド式再構成装置

【課題】粉末薬剤を液体状態に調製し、または液体薬剤を希釈する再構成を容易かつ確実に行う装置を提供する。
【解決手段】栓を有するバイアルに接続するための装置10であって、以下:接続基部59;複数の分割されたフィンガー60であって、該基部59の周囲に間隔を空けて配置されて、そこから軸方向に伸長しており、そして受容チャンバを規定しており、該受容チャンバは、該バイアルの該栓を収容するような寸法にされており、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有する、分割されたフィンガー;および該分割されたフィンガー周辺の環状壁58を包含する装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、1998年9月15日に出願された米国特許出願第09/153,596号、表題「Sliding Reconstitution Device for Diluent Container」、および1998年9月15日に出願された米国特許出願第09/153,816号、表題「Vial Connecting Device
for a Sliding Reconstitution Device for
a Diluent Container」を基礎とする。
【0002】
(説明)
(技術分野)
本発明は、一般に患者への有益剤の送達に関する。より特に、本発明は、患者に送達するための有益剤を再構成するための改良装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
多くの薬剤は、溶解された状態において短い時間の間でさえ不安定であり、よってその有効期間を延ばすために粉末もしくは凍結乾燥状態にしてパッケージ化され、貯蔵し、そして出荷される。粉末の薬剤を患者の静脈内に与えるために、薬剤を第一に液体形態に調製しなければならない。この目的のために、患者の静脈内に送達する前に、薬剤を希釈剤とともに混合しまたは再構成する。例えば、この希釈剤は、ブドウ糖溶液、食塩溶液、または水でさえあり得る。典型的には、薬剤は、ガラスバイアルまたはアンプルの中に粉末形態として保存される。
【0004】
薬剤の中にはまだ、液体状態であるにもかかわらず、患者に投与する前に希釈しなければならないものがある。例えば、いくらかの化学療法薬剤は、液体状態でガラスバイアルまたはアンプルの中に保存されるが、使用する前に希釈しなければならない。本明細書中で使用されるように、再構成は、粉末薬剤を液体状態に調製すること、および液体薬剤の希釈を意味する。
【0005】
再構成の手順は、滅菌状態で調製されるべきである。再構成するためのいくつかの手順において、滅菌状態を保つことは、困難である。さらに、化学療法薬剤のような薬剤の中には、毒性があるものがあり、再構成の手順の間の医療関係者への暴露が、危険となり得る。粉末薬剤を再構成する方法の一つは、薬剤バイアルの中に直接液体の希釈剤を注入することである。これは、この希釈のためにシリンジおよびコンビネーションシリンジ針を使用して行われ得る。これに関連して、典型的には薬剤バイアルは、穿刺可能なゴム製ストッパーを含む。薬剤バイアルのゴム製ストッパーは、針で穿刺され、次いでシリンジ中の液体がバイアルの中に注入される。このバイアルを、粉末の薬剤を液体と混合するために振盪する。液体と薬剤を混合した後、次いで再構成された薬剤の測定量をシリンジの中に汲み出す。次いでシリンジをバイアルから取り出し、次いで薬剤を患者に注射され得る。薬剤の投与する他の方法は、シリンジの中に含まれた再構成された薬剤を、非経口溶液容器の中に注入することである。そのような容器の例は、Baxter Healthcare Corporation of Deerfield,ILによって販売されているMINI−BAG(登録商標)可撓性の非経口溶液容器、またはVIAFLEX(登録商標)可撓性非経口溶液容器が挙げれる。すでに、これらの非経口溶液容器は、本明細書中においてデキストロースまたは生理食塩水を有し得る。この再構築薬剤は、容器に注入され、非経口溶液容器の中で溶液と混合し、そして静脈液体投薬装置を通して患者の静脈アクセスサイトに送達する。
【0006】
粉末薬剤を再構成する他の方法は、Baxter Healthcare Corporation(商品コード第2B8064)によって販売されている再構成装置を利用することである。この装置は、二重の先の尖った針、および針の両端の回りに取り付けられたガイドチューブを備える。この再構成装置は、可撓性壁の非経口溶液容器と流体連絡する薬剤バイアルを配置するために利用され得る。いったん針の一端で可撓性容器のポートを、および針の他端でバイアルストッパーの一部を穿刺させると、この溶液容器の中の液体が、溶液容器の側面を強く握ることで針を介してドラッグバイアルに押し込み得る。次いでこのバイアルを、液体と薬剤を混合するために振盪させる。この溶液容器からバイアルの中に空気を搾り出すことによって、このバイアル中の溶液を取り出す。可撓性壁の溶液容器の圧縮を止めた場合、バイアル中の圧力を受けた空気がポンプとして作用し、バイアル中の溶液を溶液容器へ押し戻す。
【0007】
この製品の改良が、同一人に譲渡されたAaltoらの米国特許第4,607,671号(特許文献1)の主題である。この特許‘671号の装置は、薬剤バイアルをしっかりつかむためにシースの内側に一連の突出物を含む。これらの突出物は、バイアルを有する装置の不注意な連絡切断を防ぐ。
【0008】
米国特許第4,759,756(特許文献2)号では、実施態様において、再構成装置を開示する。これは、改良されたバイアルアダプターおよびバイアルと液体容器の永久性的な接続を可能にするバックアダプターを備える。このバックアダプターは、第一位置の遮断流体連絡または第二位置の有効流体連絡のどちらかへバイアルアダプターに対して回転可能である。
【0009】
再構成装置の別の形態は、同一人に譲渡されたQuickらの米国特許第3,976,073(特許文献3)に参照される。再構成装置のさらに別の形態は、Curleyらの米国特許第4,328,802号(特許文献4)、表題「Wet−Dry Syringe Package」により開示され、これは、内側に向いた保持突出部を有するバイアルアダプターを備え、バイアルをバイアルアダプターに固定するために、薬剤バイアルの保持キャップリップ(cap lip)をしっかりと握持している。Curleyらによる開示されたパッケージは、液体で充填されたシリンジの使用による薬剤の再構成に関する。
【0010】
例えば、薬剤を再構成するための他の方法は、同一人に譲渡されたPersonらの米国特許第4,410,321号(特許文献5)、表題「Close Drug Delivery System」;Personらの第4,411,662号(特許文献6)、および第4,432,755号(特許文献7)、両方の表題「Sterile Coupling」;Lyonsらの第4,458,733号(特許文献8)、表題「Mixing Apparatus」;およびZdebらの第4,898,209号(特許文献9)、表題「Sliding Reconstitution Device With Seal」である。
【0011】
別の関連した特許は、Kilingerらの米国特許第4,872,867号(特許文献10)、表題「Wet−Dry Additive Assembly」;Kilingerらの米国特許第3,841,329号(特許文献11)、表題「Compact Syringe」;Kilingerらの米国特許第3,826,261号(特許文献12)、表題「Vial and Syringe Assembly」;Kilingerらの米国特許第3,826,260号(特許文献13)、表題「Vial and Syringe Combination」;Kilingerらの米国特許第3,378,369号(特許文献14)、表題「Apparatus for Transferring Liquid Between a Container and a Flexible Bag」;および独国明細書DE OS 36 27 231(特許文献15)を含む。
【0012】
同一人に譲渡されたZdebらの米国特許第4,898,209号「‘209号特許」(特許文献16)は、上に記載のいくつかの問題点を克服したスライド式再構成装置を開示する。例えば、バイアルの栓を穿刺することなくバイアルを装置に事前に装着され得るコネクタである。しかし、シールは、コネクタの反対の端には与えられないので、バイアルおよび装置アセンブリは、接続後即座に使用、またはフードの下のような滅菌環境下で保存されなければならない。
【0013】
‘209号特許は、第二スリーブ部材の周りに同軸に取り付けられた第一スリーブ部材を開示する。このスリーブは、互いに関して軸方向に移動され得、針またはカニューレで薬剤容器および希釈容器を穿刺させ、互いを流体連絡した容器を配置する。
【0014】
‘209号特許のコネクタを使用する方法は、3個の明確な工程を必要とした。このスリーブを、装置をロック解除位置に移動するために、互いについて回転させなければならない。次いでこのスリーブを、この容器の栓を穿刺させるために、作動位置まで互いに関して軸方向に移動させた。このスリーブは、作動位置でスリーブをロックするために再び回転させなければならなかった。
【0015】
しかし、‘209特許の装置は、作動位置まで移動させた場合、容易におよび不注意で分解される可能性がある。この第二スリーブは、第一スリーブ部材を通って全体的にスライドし得、および隔たった部分に分離される。このことにより、医療関係者にこの装置を再組み立てするか、もしくは汚染のために廃棄するかのどちらかが必要である。
【0016】
また、‘209号特許の装置は、この装置が作動位置にあることの視覚的な表示を与えなかった。装置がまた、第一および第二スリーブの部材を、上に記載の第三工程と反対の方向に回転することで、非作動位置まで不注意で移動する可能性があった。
【0017】
さらに、第二容器(しばしばバイアル)は、装置の中で回転する可能性があった。このことは、バイアルストッパーのコアリング(coring)の原因となり得、バイアルストッパーの漏出につながる。装置を取り付ける際にバイアルが、誤配列となる可能性があり、それによりさらに、装着方法が、医療関係者にとって困難となった。さらに、コネクタを、開放可能にのみバイアルに装着した。このバイアルの除去は、全ての誤作動が明らかな表示を除去することになり得るので、この再構成工程が発生し、投与さるべき薬剤の第二の意図されていない投薬につながり得る。最後にこのシールは、カニューレの一部のみを覆うスリーブを有した。このシールのスリーブは、比較的弾力性があったので、そこにドッキングする場合、薬剤容器からコネクタを押し返す傾向を有した。
【0018】
薬剤バイアルを非経口の溶液容器に取り付けるためのさらに別のコネクタは、米国特許第4,675,020号「‘020号特許」(特許文献17)で開示される。この‘020号特許は、薬剤バイアルにドッキングする一端および溶液容器に接続する反対の端を有するコネクタを開示する。バイアルの肩部および端部表面は、コネクタのバイアル端部が第一および第二顎の間に保持される。第二顎71は、比較的鋭点終端するためバイアルの最外端部表面94に埋め込みそしてそれを変形させる。これは、肩部およびバイアルの最外端部表面の間に寸法変動を収容するには十分である。このバイアルの変形可能な端部表面に残された跡は、変形した誤作動が明らかな特徴を与えようと意図されたものである。しかし、変形した誤作動が明らかな跡は、鋭点に衝突するには短すぎるキャップを有するバイアルには、残らない。
【0019】
コネクタは、これらの容器と流体連絡して配置するために、バイアルおよび溶液容器にストッパーを貫通するスパイク25を有する。しかし、このスパイク25は、スカート部57を超えて外側に延びるので、‘020号特許のコネクタは、各ストッパーを穿刺させることなく液体容器または薬剤容器に、事前装着される。(‘020号特許では、このコネクタを、薬剤バイアル上に事前組立てされ得るが、しかしこのような装置の構造の説明は全くない。(Col.6、line40〜49))。これは、薬剤を使用しなければならない期限が始まるので、望ましくなく、一般に製品の普通の保存期間に比べて短くなる。
【0020】
また、‘020号特許のコネクタは、ドッキングさせたバイアルが回転することを防ぐ構造を与えていない。バイアルの栓は、回転で損傷し、またはコアリングされ得、これは次いで、栓から粒子に達し得、流体が入ることから結果的に患者に至る。
【0021】
薬剤バイアルを可撓性容器に取り付けるための別のコネクタが、同一人に譲渡された米国特許出願第08/986,580(特許文献18)で開示される。このコネクタは、互いにスライド可能に装着された2個のスリーブの間に取り付けられた穿刺部材を有する。端部を接続されたバッグは、剥がすことが可能な密封材料によって密封される。この密封材料は、可撓性容器に接続する前に除去しなければならない。密封材料の除去によって、外の環境に穿刺部材を曝すことになり、それによって穿刺部材の密閉シールが破損することになる。
【0022】
薬剤バイアルを可撓性溶液容器に接続するための別のコネクタは、米国特許第5,352,191(「‘191号特許」)(特許文献19)に開示される。このコネクタは、可撓性容器の頂部に配置された連絡通路を有する連絡部分を持ち、ここで連絡部分の一端は、可撓性容器の中に延びている。この薬剤バイアルは、連絡部分の反対の端部に部分的にまたは全体的に嵌合されている。膜は、通路を閉じるために連絡通路に配置されている。このコネクタはまた、連絡通路に取り付けられた穿刺針ユニットを備え、薬剤バイアルと可撓性容器が互いに連絡するようにしてある。穿刺針ユニットが、可撓性容器を通して外部へ押される場合、針が膜を破り、そして薬剤バイアルを開けて、薬剤バイアルと容器が互いに連絡するようにする。
【0023】
米国特許第5,380,315号(特許文献20)およびEP 0843992(特許文献21)は、薬剤バイアルを可撓性溶液容器に接続するための別のコネクタを開示する。特許‘191号と同様に、この特許および特許出願は、可撓性容器の中に取り付けられたスパイクの形態で連絡装置を有する。この連絡装置は、外向きに薬剤バイアルの方に押し込むことで、薬剤バイアルを穿刺し、薬剤バイアルを可撓性容器と連絡させる。
【0024】
米国特許第5,478,337号(特許文献22)は、バイアルを可撓性容器と連絡させるための装置を開示する。この特許は、バイアルをコネクタに運び、事前組み立てする必要がある。よって、医療関係者が、選択的にコネクタにバイアルを接続することができない。
【0025】
最後に、米国特許第5,364,386号(特許文献23)は、バイアルを医療液体容器に接続する装置を開示する。この装置は、バイアルに挿入する前に取り除かなければならないスクリューキャップ32を備える。しかし、スクリューキャップの除去は、穿刺部材が密閉されていないので、穿刺部材48が汚染物に曝される可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】米国特許第4,607,671号
【特許文献2】米国特許第4,759,756号
【特許文献3】米国特許第3,976,073号
【特許文献4】米国特許第4,328,802号
【特許文献5】米国特許第4,410,321号
【特許文献6】米国特許第4,411,662号
【特許文献7】米国特許第4,432,755号
【特許文献8】米国特許第4,458,733号
【特許文献9】米国特許第4,898,209号
【特許文献10】米国特許第4,872,867号
【特許文献11】米国特許第3,841,329号
【特許文献12】米国特許第3,826,261号
【特許文献13】米国特許第3,826,260号
【特許文献14】米国特許第3,378,369号
【特許文献15】独国明細書DE OS 36 27 231
【特許文献16】米国特許第4,898,209号
【特許文献17】米国特許第4,675,020号
【特許文献18】米国特許出願第08/986,580
【特許文献19】米国特許第5,352,191
【特許文献20】米国特許第5,380,315号
【特許文献21】EP 0843992
【特許文献22】米国特許第5,478,337号
【特許文献23】米国特許第5,364,386号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、粉末薬剤を液体状態に調製し、または液体薬剤を希釈する再構成を容易かつ確実に行う装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0028】
(発明の要旨)
本発明は、希釈容器(例えば、可撓性容器またはシリンジ)のような第一容器を、薬剤バイアルのような第二容器に流体連絡して、配置するための流体再構成装置を提供する。この目的のために、側壁を有する希釈容器および薬剤バイアルの間の流体連絡を確立するためのコネクタ装置を提供する。このコネクタは、第一末端および第二末端を有する穿刺部材および中央液体通路を有する。この穿刺部材は、液体容器に取り付けられ、そして外の環境から密閉してシールされた液体アクセス部を有する。バイアル受容チャンバは、穿刺部材と関連しており、そしてバイアルに接続するための大きさを有する。このバイアルは、バイアルの栓を穿刺せず、および穿刺部材の液体アクセス部の密閉シールに穴をあけずにこの装置に選択的に装着され得る。方法は、バイアル受容チャンバを液体容器に接続するために提供され得る。この装置は、非作動位置(ここで穿刺部材は、側壁の外側にあり、液体容器と薬剤バイアルとの間には、液体の流れはない)から作動位置(ここで液体容器と薬剤バイアルとの間の液体通路を通して、液体は流れる)に移動可能である。この装置は、非作動位置から作動位置まで、液体容器の外側から装置にかけた力によって移動可能である。
【0029】
本発明の別の局面によると、第一末端および第二末端を有する第一スリーブを有するコネクタ装置が提供される。このスリーブの第二末端は、インターフェース密封部材を支持する。第一スリーブは、第一末端に、第一容器に装着するように適合されたポートコネクタ(port connector)を有する。このコネクタはまた、第一末端および第二末端を有する第二スリーブを有する。この第二末端は、第二スリーブを第二容器に装着するように適合される取付部材を有する。この第一スリーブは、非作動位置から作動位置に第二スリーブの中をスライド可能に取付けられ、ここでインターフェース密封部材は、第二スリーブの内側表面に沿ってスライドさせることで、第一スリーブおよび第二スリーブの間に密閉を与える。このコネクタは、第二スリーブの中でスライド可能な穿刺アセンブリをさらに有する。この穿刺部品は、第一末端および第二末端を有する穿刺部材を有する。この穿刺部材は、第一スリーブおよび第二スリーブの中に位置し、第一容器および第二容器の間の流体連絡を提供する。
【0030】
本発明のさらなる局面によると、このコネクタの第一スリーブは、穿刺部材の第一末端を受容するガイド(guide)を有する。
【0031】
本発明の別の局面によると、このコネクタは、ポートコネクタに隣接して位置するディスクを有する。このディスクは、ポートコネクタおよびガイドの間に位置する。この穿刺部材の第一末端は、コネクタが作動位置に存在する場合、ディスクを通じて穿刺される。
【0032】
本発明のさらなる局面によると、このコネクタは、元の再構成位置に、または脱作動位置に位置し、ここで穿刺部材の第一末端は、ディスクおよびガイドから引き出される。
【0033】
本発明のさらに別の局面によると、ガスケットは、ポートコネクタに隣接する第一スリーブの中に位置する。このガスケットは、x環ガスケットである。この穿刺部材の第一末端は、ガスケットを通じて位置する。このガスケットは、それらの間の長さを規定する第一末端と第二末端を有する。ガスケットの長さは、ガスケットの第二末端(コネクタが非作動位置に存在する場合)での穿刺部材が、ガスケットの第一末端(コネクタが作動位置に存在する場合)を通過してないような大きさを有する。
【0034】
本発明のさらなる局面によると、装着部材は、第二容器に接続する前に取り除くために適合されるプルタブを有する。
【0035】
本発明の別の実施態様によると、第一末端および第二末端を有するスリーブを有するコネクタ装置が提供される。穿刺部材は、スリーブの第一末端に接続され、第一コネクタに接続するように適合される。この穿刺部材は、スリーブの中に位置し、第一容器から第二容器に液体流動通路を提供する。カップアセンブリは、スリーブの第二末端に接続し、第二容器に装着するために適合される。このスリーブは、穿刺部材に関して、非作動位置から作動位置へスライド可能であり、ここでこのスリーブは、穿刺部材に沿ってスライドし、それ自身の上に折り重なる。この穿刺部材は、第二容器の栓を穿刺し、第一容器と第二容器の間の流体連絡を確立する。
【0036】
本発明の別の局面によると、このスリーブは、第一部分および第二部分を有し、第一部分は、第二部分よりも大きな直径を有し、ここで、スリーブが非作動位置から作動位置に移動した場合、この第二部分は、穿刺部材に沿ってスライドし、そして第一部分は、第二部分の上に折り重なる。
【0037】
本発明のさらなる局面によると、カップアセンブリは、壁部分に接続される基部を備える。この壁部分は、この壁部分から内向きに間隔を置いた複数のフィンガーを有し、そして第二容器を協同して受容するように適合される。この基部は、スリーブに接続される。
【0038】
本発明の別の態様によると、密封部材は、各フィンガーの底部と基部との間に位置する。このましい実施態様では、密封部材は、穿刺可能な隔壁である。この隔壁は、スリーブを非作動位置から作動位置に移動させる場合、穿刺部材により穿刺されるディスクを有する。このディスクはさらに、ディスクから軸方向に延びるほぼ中央に配置された環状リングを有する。この環状リングは、第二容器の栓を覆って嵌合するような大きさを有する。
【0039】
本発明の別の局面によると、穿刺部材は、流体流通路から間隔を置いた放射状のスロットを有し、第一容器の内容を、放射状のスロットを通じて、そしてスリーブの内部表面と接触するようにして通過させる。より好ましい実施態様において、このスリーブは、第一部分および第二部分を有し、ここで第一部分は、第二部分よりも大きな直径を有する。第一容器の内容は、放射状のスロットを通じて、そして第一部分のスリーブの内部表面と接触するようにして通過し得る。
【0040】
本発明の別の局面によると、このスリーブの第一末端は、環状スロット有し、そして穿刺部材は、環状リッジを有するカラー(collar)を備える。このカラーは、スリーブに接続し、ここで環状スロットは、環状リッジを受容する。このカラーは、第一容器に装着するために適合される。
【0041】
本発明のさらに別の局面によると、このスリーブは、膜によって密閉された第二末端を有する。この膜は、穿刺部材とカップアセンブリの間に位置し、スリーブが非作動位置から作動位置まで移動した場合、穿刺部材によって穿刺される。
【0042】
本発明の別の局面によると、密閉材料は、カップアセンブリに解放可能に固定される。この密閉材料は、箔、ポリマー材料、および紙からなる群から選択される。
【0043】
特定すれば、本発明は、以下に関する。
【0044】
(1)コネクタ装置であって、該コネクタ装置は、側壁を有する液体容器とその中に栓付き頚部を有する薬剤バイアルとの間で流体連絡を確立するためにあり、そして以下:穿刺部材であって、該穿刺部材は、第一末端および第二末端および中心流体通路を有し、該液体容器に取り付けられ、そして流体アクセス部を有し、該流体アクセス部は、外部環境から密閉されている、穿刺部材;バイアル受容チャンバであって、該穿刺部材に付随しており、そして該バイアルと接続するような寸法にされており、ここで、該バイアルは、該バイアルの該栓を穿刺することなく、また、該穿刺部材の該流体アクセス部の該密閉を破ることなく、該装置に選択的に装着され得る、バイアル受容チャンバ;該バイアル受容チャンバを該液体容器に接続するための手段;を包含し、そして、ここで、該装置は、非作動位置から作動位置まで移動可能であり、該非作動位置では、該穿刺部材は該側壁の外側にあり、そして該液体容器と該薬剤バイアルとの間では流体が流れず、また、該作動位置では、該液体容器と該薬剤バイアルとの間の該流体経路を通って流体が流れ、該装置は、該液体容器の外側で該装置に加えられる力により、該非作動位置から該作動位置まで移動可能である、コネクタ装置;
(2)前記バイアル受容チャンバを前記液体容器に接続するための前記手段が、以下:第一スリーブおよび第二スリーブであって、該第一スリーブおよび該第二スリーブが、互いに対して並進運動するために取り付けられており、該第一スリーブが、該液体容器に接続されており、そして該第二スリーブが、該バイアル受容チャンバに接続されている、第一スリーブおよび該第二スリーブ、を包含する項(1)に記載の装置。
【0045】
(3)前記第一スリーブが、前記第二スリーブ内に取り付けられている、項(2)に記載の装置。
【0046】
(4)前記第二スリーブが、並進運動のために、前記穿刺部材をスライド可能に取り付ける、(3)に記載の装置。
【0047】
(5)前記第二スリーブが、内面を有し、そして前記穿刺部材が、該内面の上をスライドし得る、項(4)に記載の装置。
【0048】
(6)ハブが、前記穿刺部材を、前記第二スリーブの内側に取り付ける、項(5)に記載の装置。
【0049】
(7)さらに、前記第一スリーブ部材および前記第二スリーブ部材を密封するための手段を包含し、該手段が、該第一スリーブ部材と該第二スリーブ部材との間に配置されている、項(2)に記載の装置。
【0050】
(8)前記バイアル受容チャンバを前記液体容器に接続するための前記手段が、以下:可撓性スリーブであって、第一末端および第二末端を有し、そして中心通路を規定している、可撓性スリーブ;該通路内に配置されている、前記穿刺部材;を有し、そして該スリーブが、該穿刺部材に対して、前記非作動位置から前記作動位置へとスライド可能であり、ここで、該スリーブが、該穿刺部材に沿ってスライドして、それ自身の上に折り重なり、該穿刺部材が、前記バイアルの栓を穿刺して、該液体容器と該バイアルとの間で流体連絡を確立する、項(1)に記載の装置。
【0051】
(9)前記スリーブが、第一部分および第二部分を有し、該第一部分が、該第二部分よりも大きな直径を有し、ここで、該スリーブが前記非作動位置から前記作動位置へと移動させるとき、該第二部分が、前記穿刺部材に沿ってスライドし、そして該第一部分が、該第二部分の上に折り重なる、項(8)に記載の装置。
【0052】
(10)前記バイアル受容チャンバが、壁部に接続された基部を包含し、該壁部が、複数のフィンガーを有し、該フィンガーが、該壁部から内向きに間隔を空けて配置され、そして該バイアルを受容するように協同して適合されており、該基部が、前記スリーブに接続されている、項(8)に記載の装置。
【0053】
(11)さらに、密封部材を包含し、該密封部材が、各フィンガーの底部と前記基部との間に配置されている、項(10)に記載の装置。
【0054】
(12)前記密封部材が、穿刺可能隔膜である、項(11)に記載の装置。
【0055】
(13)前記隔膜が、ディスクを包含し、前記穿刺部材が、前記スリーブを前記非作動位置から前記作動位置へと移動させるとき、該ディスクを通る、項(12)に記載の装置。
【0056】
(14)前記ディスクが、さらに、略中心に配置された環状リングを有し、該環状リングが、該ディスクから軸方向に伸長しており、そして前記第二容器の栓を覆って嵌合するような寸法にされている、項(13)に記載の装置。
【0057】
(15)前記隔膜が、前記バイアルの前記栓の高さで、寸法変化に対応するように変形できる、項(12)に記載の装置。
【0058】
項(16)前記穿刺部材が、前記流体流路から間隔を空けて配置された放射状スロットを有し、前記液体容器の内容物が、該放射状スロットを通って、前記スリーブの内面と接触できるようになる、項(8)に記載の装置。
【0059】
(17)コネクタ装置であって、該コネクタ装置は、液体容器とバイアル容器との間で流体連絡を確立するためにあり、そして以下:第一スリーブおよび第二スリーブであって、互いに対して並進運動するために取り付けられており、その中で中心チャンネルを規定し、該第一スリーブおよび該第二スリーブは、それぞれ、内面を有し、該第一スリーブは
、該液体容器に装着するように適合されている、第一スリーブおよび第二スリーブ;穿刺部材であって、対向穿刺末端を有し、そして該中心チャンネルで取り付けられている、穿刺部材;該装置を第一容器および第二容器に接続するとき該穿刺末端を密閉するための手段;バイアル受容チャンバであって、該第二スリーブ上にあり、そして該バイアルと接続するような寸法にされており、ここで、該バイアルは、該バイアルの該栓を穿刺することなく、また、該穿刺末端の該密封を破ることなく、該装置に選択的に装着され得る、バイアル受容チャンバ;を包含し、そして、該第一スリーブおよび該第二スリーブは、非作動位置から作動位置まで移動可能であり、該非作動位置では、該装置を通って流体が流れることができず、また、該作動位置では、該装置を通って流体が流れることができ、該装置は、該第一容器および該第二容器の外側で該装置に力を加えることにより、該非作動位置から該作動位置まで移動できる、コネクタ装置。
【0060】
(18)前記密閉するための手段が、密封部材を包含し、該密封部材が、前記第一スリーブと前記第二スリーブとの間に配置されている、項(17)に記載の装置。
【0061】
(19)前記第一スリーブが、前記第二スリーブ内に取り付けられ、そして前記密封部材が、該第一スリーブ上に取り付けられ、そして該第二スリーブの内面に沿ってスライドする、項(18)に記載の装置。
【0062】
(20)前記密閉するための手段が、さらに、隔膜を包含し、該隔膜が、前記第二スリーブを密封するために、前記バイアル受容チャンバ内に取り付けられている、項(19)に記載の装置。
【0063】
(21)さらに、前記装置を前記非作動位置から前記作動位置へと移動させるとき該装置を通気するための手段を包含する、項(20)に記載の装置。
【0064】
(22)前記通気するための手段が、前記第二スリーブの内径拡大部を包含し、該内径拡大部が、該第二スリーブの遠位末端に近接しており、その上には、前記密封部材が密封していない、項(21)に記載の装置。
【0065】
(23)さらに、前記中心チャンネル内で前記穿刺部材を支持するための手段を包含する、項(19)に記載の装置。
【0066】
(24)前記支持するための手段が、前記穿刺手段を取り付けるハブを包含し、該ハブの一部が、前記第二スリーブの前記内面の上をスライドする、項(23)に記載の装置。
【0067】
(25)前記ハブが、前記穿刺部材の略中心部に沿って、該穿刺部材を取り付ける、項(24)に記載の装置。
【0068】
(26)前記穿刺部材を取り付けるための手段が、さらに、前記第一スリーブ内でガイドを包含し、該ガイドが、該穿刺部材の一部を支持する、項(24)に記載の装置。
【0069】
(27)前記ガイドが、前記液体容器に隣接して配置されている、項(26)に記載の装置。
【0070】
(28)さらに、ディスクを包含し、該ディスクが、前記液体容器と前記ガイドとの間に配置されている、項(26)に記載の装置。
【0071】
(29)前記装置が前記作動位置にあるときに、前記穿刺部材が前記隔膜を穿刺する、項(28)に記載の装置。
【0072】
(30)前記装置が、作動位置と非作動位置との間で配置され得、ここで、該非作動位置では、前記穿刺部材の第一末端が、前記ディスクおよび前記ガイドから引き出される、項(29)に記載の装置。
【0073】
(31)前記密閉するための手段が、前記第一スリーブを密封するための第一手段および前記第二スリーブを密封するための第二手段を包含する、項(17)に記載の装置。
【0074】
(32)前記第一密封手段が、前記第一スリーブに配置された環状ガスケットを包含する、項(31)に記載の装置。
【0075】
(33)前記環状ガスケットが、前記穿刺部材の一部を支持する、項(32)に記載の装置。
【0076】
(34)前記穿刺部材が、前記装置を前記非作動位置から前記作動位置へと移動させるとき、一定距離を移動し、ここで、前記環状ガスケットが、該距離よりも大きい長さを有する、項(33)に記載の装置。
【0077】
(35)前記環状ガスケットが、X形状断面を有する、項(34)に記載の装置。
【0078】
(36)前記第二スリーブを密封するための前記手段が、隔膜を包含する、項(33)に記載の装置。
【0079】
(37)前記隔膜が、前記バイアル受容チャンバ内に配置されている、項(36)に記載の装置。
【0080】
(38)前記隔膜が、略ディスク形状部分を有する、項(37)に記載の装置。
【0081】
(39)前記隔膜が、さらに、シースを有し、該シースが、該隔膜から離れて軸方向に伸長しており、そして前記穿刺部材の前記穿刺末端の1つと合うような寸法にされている、項(38)に記載の装置。
【0082】
(40)前記シースが、拡大遠位末端を有し、該拡大遠位末端が、前記穿刺部材を取り付けるハブの一部を覆って嵌合するような寸法にされている、項(39)に記載の装置。
【0083】
(41)コネクタ装置であって、該コネクタ装置は、第一容器と第二容器との間で流体連絡を確立するためにあり、そして以下:第一末端および第二末端を有する、スリーブ;穿刺部材であって、該スリーブの該第一末端に接続されており、そして該第一容器に接続されるように適合されており、該穿刺部材は、該スリーブ内に配置され、そして該第一容器から該第二容器への流体流路を提供する、穿刺部材;カップアセンブリであって、該スリーブの該第二末端に接続されており、そして該第二容器に装着されるように適合されている、カップアセンブリ;を包含し、そして、該スリーブは、該穿刺部材に対して、非作動位置から作動位置へとスライド可能であり、ここで、該スリーブは、該穿刺部材に沿ってスライドして、それ自身の上に折り重なり、該穿刺部材は、該第二容器の栓を穿刺して、該第一容器と該第二容器との間で流体連絡を確立する、コネクタ装置。
【0084】
(42)前記スリーブが、第一部分および第二部分を有し、該第一部分が、該第二部分よりも大きな直径を有し、ここで、該スリーブが前記非作動位置から前記作動位置へと移動させるとき、該第二部分が、前記穿刺部材に沿ってスライドし、そして該第一部分が、該第二部分の上に折り重なる、項(41)に記載の装置。
【0085】
(43)前記カップアセンブリが、壁部に接続された基部を包含し、該壁部が、複数のフィンガーを有し、該フィンガーが、該壁部から内向きに間隔を空けて配置され、そして前記第二容器を協同して受容するように適合されており、該基部が、前記スリーブに接続されている、項(41)に記載の装置。
【0086】
(44)さらに、密封部材を包含し、該密封部材が、各フィンガーの底部と前記基部との間に配置されている、項(43)に記載の装置。
【0087】
(45)前記密封部材が、穿刺可能隔膜である、項(44)に記載の装置。
【0088】
(46)前記隔膜が、ディスクを包含し、前記穿刺部材が、前記スリーブを前記非作動位置から前記作動位置へと移動させるとき、該ディスクを通る、項(45)に記載の装置。
【0089】
(47)前記ディスクが、さらに、略中心に配置された環状リングを有し、該環状リングが、該ディスクから軸方向に伸長しており、そして前記第二容器の栓を覆って嵌合するような寸法にされている、項(46)に記載の装置。
【0090】
(48)前記隔膜が、前記第二容器の前記栓の高さで、寸法変化に対応するように変形できる、項(45)に記載の装置。
【0091】
(49)前記穿刺部材が、前記流体流路から間隔を空けて配置された放射状スロットを有し、前記第一容器の内容物が、該放射状スロットを通って、前記スリーブの内面と接触できるようになる、項(41)に記載の装置。
【0092】
(50)前記スリーブが、第一部分および第二部分を有し、該第一部分が、該第二部分よりも大きな直径を有し、ここで、前記第一容器の内容物が、前記放射状スロットを通って、該第一部分にて、該スリーブの内面と接触できる、項(41)に記載の装置。
【0093】
(51)前記スリーブが、環状スロットを有する第一末端を有し、前記穿刺部材が、環状リッジを有するカラーを包含し、該カラーが、該スリーブに接続されており、ここで、該環状スロットが、該環状リッジを受容し、該カラーが、前記第一容器に装着されるように適合されている、項(41)に記載の装置。
【0094】
(52)前記スリーブが、膜により密封された第二末端を有し、該膜が、前記穿刺部材と前記カップアセンブリとの間に配置されており、そして該スリーブを前記非作動位置から前記作動位置へと移動させるとき、該穿刺部材により穿刺される、項(41)に記載の装置。
【0095】
(53)さらに、密封材料を包含し、該密封材料が、前記カップアセンブリに解除可能に固定されている、項(41)に記載の装置。
【0096】
(54)前記密封材料が、箔、ポリマー材料および紙からなる群から選択される、項(53)に記載の装置。
【0097】
(55)コネクタ装置であって、該コネクタ装置は、第一容器と第二容器との間で流体連絡を確立するためにあり、そして以下:第一末端および第二末端を有する、スリーブ;穿刺部材であって、該スリーブの該第一末端に接続されており、そして該第一容器に接続されるように適合されており、該穿刺部材は、該スリーブ内に配置され、そして該第一容器から該第二容器への流体流路を提供し、該穿刺部材は、さらに、放射状スロットを有し、該第一容器の内容物は、該放射状スロットを通って、該スリーブの内面と接触できるようになる、穿刺部材;カップアセンブリであって、該スリーブの該第二末端に接続されており、そして該第二容器に装着されるように適合されている、カップアセンブリ;を包含し、そして、該スリーブは、該穿刺部材に対して、非作動位置から作動位置へとスライド可能であり、ここで、該スリーブは、該穿刺部材に沿ってスライドして、それ自身の上に折り重なり、該穿刺部材は、該第二容器の栓を穿刺して、該第一容器と該第二容器との間で流体連絡を確立する、コネクタ装置。
【0098】
(56)前記スリーブが、第一部分および第二部分を有し、該第一部分が、該第二部分よりも大きな直径を有し、ここで、前記穿刺部材と該第一部分との間には、ポケットが維持されており、ここで、前記第一容器の前記内容物が、前記放射状スロットを通って、該ポケットに入る、項(55)に記載の装置。
【0099】
(57)コネクタ装置であって、該コネクタ装置は、第一容器と第二容器との間で流体連絡を確立するためにあり、そして以下:第一末端および第二末端を有する、スリーブ;穿刺部材であって、該スリーブの該第一末端に接続されており、そして該第一容器に接続されるように適合されており、該穿刺部材は、該スリーブ内に配置され、そして該第一容器から該第二容器への流体流路を提供する、穿刺部材;カップアセンブリであって、壁部に接続された基部を有し、該壁部は、複数のフィンガーを有し、該フィンガーは、該壁部から内向きに間隔を空けて配置され、そして該第二容器を協同して受容するように適合されており、該基部は、該スリーブの該第二末端に接続されている、カップアセンブリ;を包含し、そして、該スリーブは、該穿刺部材に対して、非作動位置から作動位置へとスライド可能であり、ここで、該スリーブは、該穿刺部材に沿ってスライドして、それ自身の上に折り重なり、該穿刺部材は、該第二容器の栓を穿刺して、該第一容器と該第二容器との間で流体連絡を確立する、コネクタ装置。
【0100】
(58)さらに、密封部材を包含し、該密封部材が、各フィンガーの底部と前記基部との間に配置されている、項(57)に記載の装置。
【0101】
(59)前記密封部材が、穿刺可能隔膜である、項(58)に記載の装置。
【0102】
(60)前記隔膜が、ディスクを包含し、該ディスクが、中心開口部を有し、該中心開口部が、前記スリーブを前記非作動位置から前記作動位置へと移動させるとき、前記穿刺部材を受容する、項(59)に記載の装置。
【0103】
(61)前記ディスクが、さらに、中心に配置された環状リングを有し、該環状リングが、該ディスクから軸方向に伸長しており、そして前記第二容器の栓を覆って嵌合するような寸法にされている、項(60)に記載の装置。
【0104】
(62)前記隔膜が、前記第二容器の前記栓の高さで、寸法変化に対応するように変形できる、項(59)に記載の装置。
【0105】
(63)コネクタ装置であって、該コネクタ装置は、第一容器と第二容器との間で流体連絡を確立するためにあり、そして以下:第一末端および第二末端を有するスリーブであって、該第一末端は、環状スロットを有し、該第二末端は、膜により、密封されている、スリーブ;カラーであって、環状リッジを有し、該スリーブに接続されており、ここで、該環状スロットは、該環状リッジを受容し、該カラーは、該第一容器に装着されるように、適合されている、カラー;穿刺部材であって、該カラーにより支持されており、そして該スリーブおよび該カラー内に配置されており、該穿刺部材は、該第一容器から該第二容器への流体流路を提供する、穿刺部材;カップアセンブリであって、該スリーブの該第二末端に接続されており、穿刺可能隔膜を支持しており、そして該第二容器に装着されるように適合されている、カップアセンブリ;を包含し、そして、該穿刺部材は、該スリーブに対して、非作動位置から作動位置までスライド可能であり、ここで、該スリーブは、該穿刺部材に沿って移動して、それ自身の上に折り重なり、該穿刺部材は、該第二容器の膜、隔膜および栓を穿刺して、該第一容器と該第二容器との間で流体連絡を確立する、コネクタ装置。
【0106】
(64)コネクタ装置であって、該コネクタ装置は、可撓性溶液容器と薬剤バイアルとの間で流体連絡を確立するためにあり、そして以下:第一部分および第二部分を有するスリーブであって、該第一部分は、該第二部分よりも大きな直径を有し、該第二部分は、膜により密封されており、そして該第一部分は、環状スロットを有する、スリーブ;カラーであって、開口部、および該開口部の回りの環状リッジを有し、そして該スリーブに接続されており、ここで、該環状スロットは、該環状リッジを受容し、該カラーは、該可撓性溶液容器に装着されている、カラー;穿刺部材であって、鈍端および他端を有し、該他端は、鋭点を有し、該穿刺部材は、該スリーブ内に配置されており、ここで、該鈍端は、該カラー開口部に配置され、そして該鋭点は、該膜に隣接して配置されており、該第二部分は、該穿刺部材と表面間接触しており、該穿刺部材は、該可撓性容器から該薬剤バイアルへの流体流路を提供する、穿刺部材;カップアセンブリであって、壁部に接続された基部を有し、該基部は、該スリーブの該第二部分に接続されており、該壁部は、複数の分割されたフィンガーを有し、該フィンガーは、該壁部から内向きに間隔を空けて配置され、そして該薬剤バイアルに装着するように適合されている、カップアセンブリ;穿刺可能隔膜であって、該フィンガーの底部と該基部との間で支持されており、そして中心開口部を有する、隔膜;を包含し、そして、該スリーブは、該薬剤バイアルを該穿刺部材の方へ移動させるような力を加えることにより、非作動位置から作動位置へと移動可能であり、ここで、該スリーブの該第二部分は、該穿刺部材に沿って移動し、そして該第一部分は、該第二部分の上に折り重なり、該穿刺部材は、該膜を穿刺し、該隔膜の該中心開口部を通り、そして該薬剤バイアルの栓を穿刺し、それにより、該第一容器と該第二容器との間で流体連絡を確立する、コネクタ装置。
【0107】
(65)コネクタ装置であって、該コネクタ装置は、第一容器と第二容器との間で流体連絡を確立するためにあり、そして以下:ベローズアセンブリであって、第一末端および第二末端を有し、第一ベローズ部分および第二ベローズ部分およびその間の中間部分を有する、ベローズアセンブリ;ポートコネクタであって、一端および他端を有し、該一端は、該ベローズアセンブリの該第一末端に接続されており、そして該他端は、該第一容器に装着されるように適合されており、該ポートコネクタは、膜を有する、ポートコネクタ;装着部材であって、該ベローズアセンブリの該第二末端に装着されており、そして該第二容器に装着されるように適合されている、装着部材;穿刺アセンブリであって、該ベローズアセンブリ内に配置されており、そしてハブを有し、該ハブは、第一穿刺部材および第二穿刺部材を支持し、そして該中間部分に固定的に装着されており、該穿刺アセンブリは、該第一容器と該第二容器との間で流体流路を提供する、穿刺アセンブリ;を包含し、そして該ベローズアセンブリは、非作動位置から作動位置へと変形可能であり、ここで、該第二穿刺部材は、該第二容器を穿刺するように適合されており、そして該第一穿刺部材は、該膜を穿刺して、該第一容器と該第二容器との間で流体連絡を確立するように適合されている、コネクタ装置。
【0108】
(66)前記第二容器が、前記膜を穿刺する前記第一穿刺部材とは無関係に、前記第二穿刺部材により穿刺できる、項(65)に記載の装置。
【0109】
(67)前記液体容器が、シリンジである、項(1)に記載の装置。
【0110】
(68)栓を有するバイアルに接続するための装置であって、以下:接続基部;複数の分割されたフィンガーであって、該基部の周囲に間隔を空けて配置されて、そこから軸方向に伸長しており、そして受容チャンバを規定しており、該受容チャンバは、該バイアルの該栓を収容するような寸法にされており、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有する、分割されたフィンガー;および、該分割されたフィンガー周辺の環状壁、を包含する、装置。
【0111】
(69)前記分割されたフィンガーが、そこから一定距離で間隔を空けて配置されて、その間で環状空間を規定している、項(68)に記載の装置。
【0112】
(70)前記フィンガーの少なくとも1個が、直立リブを有する、項(68)に記載の装置。
【0113】
(71)前記フィンガーの複数が、直立リブを有する、項(68)に記載の装置。
【0114】
(72)前記直立リブが、前記フィンガーの前記遠位末端に近接して、放射状に内向きにテーパを付けられている、項(70)に記載の装置。
【0115】
(73)前記フィンガーの少なくとも1個が、引き込み部分を有する、項(68)に記載の装置。
【0116】
(74)前記引き込み部分から、放射状に内向きにテーパを付けたタブが伸長している、項(73)に記載の装置。
【0117】
(75)前記フィンガーの複数が、引き込み部分から伸長している放射状に内向きにテーパを付けたタブを有する、項(68)に記載の装置。
【0118】
(76)複数のフィンガーが、直立リブを有し、そして複数のフィンガーが、引き込み部分から伸長している放射状に内向きにテーパを付けたタブを有し、ここで、該タブ付きフィンガーおよび該リブ付きフィンガーが、前記受容チャンバの回りに、交互に配置されている、項(68)に記載の装置。
【0119】
(77)前記環状壁と前記フィンガーとの間の距離が、バイアルを受容するとき、該フィンガーを曲げることができるような寸法にされている、項(68)に記載の装置。
【0120】
(78)前記環状壁が、とぎれがなくしっかりした、項(68)に記載の装置。
【0121】
(79)さらに、密封材料を包含し、該密封材料が、前記環状壁に解除可能に固定されている、項(78)に記載の装置。
【0122】
(80)前記密封材料が、箔、ポリマー材料および紙からなる群から選択される、項(79)に記載の装置。
【0123】
(81)栓を有するバイアルに接続するための装置であって、以下:基部;該基部に接続されている、環状壁;複数の分割されたフィンガーであって、該環状壁の周辺にあり、そしてそこから伸長しており、該分割されたフィンガーは、受容チャンバを規定しており、該受容チャンバは、該バイアルの該栓を収容するような寸法にされており、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有する、分割されたフィンガー、を包含する、装置。
【0124】
(82)前記分割されたフィンガーが、前記環状壁から一定距離で間隔を空けて配置されて、その間で環状空間を規定している、項(81)に記載の装置。
【0125】
(83)前記環状壁が、とぎれがなくしっかりした、項(81)に記載の装置。
【0126】
(84)さらに、密封部材を包含し、該密封部材が、各フィンガーの底部と前記基部との間で配置されている、項(81)に記載の装置。
【0127】
(85)前記密封部材が、穿刺可能隔膜である、項(84)に記載の装置。
【発明の効果】
【0128】
本発明は、第一容器を(一般に希釈剤を含有する可撓性バックまたはシリンジ)第二容器(一般に再構成するための薬剤を備えるバイアル)に装着するための改良された接続装置を提供する。本発明の装置は、密閉遮断された穿刺部材を通して2個の容器間に流体連絡を提供するので、再構成の手順を、滅菌状態で行うことができる。また、再構成の手順の間に医療関係者への薬剤の曝露がない。
【0129】
本発明の他の特徴および利点は、次の説明を以下の図面と組み合わせることで明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】図1は、可撓性容器に装着される本発明のコネクタ装置の断面図である。
【図2】図2は、図1のコネクタ装置の拡大部分断面図である。
【図3】図3は、コネクタ装置に固定して接続された薬剤バイアルを有するコネクタ装置の断面図であり、この装置は、非作動位置にある。
【図4】図4は、作動過程の初期段階にある図3のコネクタ装置を示す。
【図5】図5は、さらなる作動過程中の図3のコネクタ装置を示す。
【図6】図6は、作動位置にある図3のコネクタ装置を示す。
【図7】図7は、非作動位置にある図6のコネクタ装置を示す。
【図8】図8は、本発明のコネクタ装置の別の実施態様の断面図であり、この装置は、可撓性容器に装着しており、非作動位置にある。
【図9】図9は、作動位置にある図8のコネクタ装置を示す。
【図10】図10は、本発明のコネクタ装置の別の実施態様の断面図であり、この装置は、可撓性容器に装着しており、非作動位置にある。
【図11】図11は、本発明のコネクタ装置の別の実施態様の斜視図である。
【図12】図12は、図11のコネクタ装置の分解斜視図である。
【図13】図13は、図12の13〜13線に沿った、分解断面図である。
【図14】図14は、可撓性容器に装着したコネクタ装置を示す図11の14〜14線に沿った断面図である。
【図15】図15は、コネクタ装置に固定して接続されたバイアル薬剤を有し、コネクタ装置が非作動位置にある図14のコネクタ装置を示す。
【図16】図16は、作動位置にある図14のコネクタ装置を示す。
【図17】図17は、本発明のコネクタ装置の別の実施態様の断面図であり、この装置は可撓性容器に装着されており、非作動位置にある。
【図18】図18は、薬剤バイアルに装着され、作動位置にある図17のコネクタ装置を示す。
【図19】図19は、本発明のコネクタ装置の別の実施態様の断面図であり、この装置は、可撓性容器に装着され、非作動位置にある。
【図20】図20は、薬剤バイアルに装着され、作動位置にある図18のコネクタ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0131】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
本発明は、多数の異なる形態の実施態様を受容するが、本発明の好ましい実施態様を図面で示し、本明細書中で詳細に記載する。本開示は、本発明の原理の例示と考えられることが理解される。この開示は、この発明の広い局面を例示の実施態様に限定しようと意図するものではない。
【0132】
本発明は、隔たれた容器の中の2個の物質を混合するために使用されるコネクタ装置を提供する。より特定的には、本発明は、希釈剤で薬剤を再構成するための装置を提供する。この薬剤の再構成を達成するために、本発明は、第一容器を(一般に希釈剤を含有する可撓性バックまたはシリンジ)第二容器(一般に再構成するための薬剤を備えるバイアル)に装着するための改良された接続装置を提供する。このコネクタは、密閉遮断された穿刺部材を通して2個の容器間に流体連絡を提供することで、この薬剤を再構成および患者に投与し得る。密閉遮断が意味するものは、液体に接触し、2個の容器の栓を穿刺する穿刺部材の部分が、外の環境から遮断されるということである。
【0133】
希釈剤は液体であるが、有益な試薬剤は、溶解するための粉末または凍結乾燥の薬剤、もしくは濃度を薄めるための液体薬剤のどちらかであり得る。本発明の装置は、医療関係者に、自分で選んだバイアルを容器に選択的に取り付けできるという利益がある。よって、病院や薬局では、プリパッケージ薬剤バイアルおよびコネクタセンブリをストックする必要がない。さらにコネクタに接続される穿刺部材の密閉シールを破損させることなく、およびバイアルの栓を穿刺することなく、本発明のコネクタでは、バイアルをコネクタにドッキングさせる。よって、基本的に薬剤が活性である十分の期間、バイアルを本発明の装置に事前ドッキングさせ得る。さらに本発明の装置は、第一および第二容器の側壁に必ずしも接することなしに、コネクタに直接力を加えることで作動させ得る。
【0134】
図1および3を参照すると、コネクタ装置が開示され、そして一般に、参照番号10で示されている。この装置10は、希釈または再構成される薬剤を含む第二容器14との流体連絡する、希釈剤として使用される液体を含む第一容器12を配置するために適合される。
【0135】
典型的に、第一容器12は可撓性バッグであり、そして静脈内に入れられる、患者のための溶液を含むために使用される。典型的に、可撓性容器は側壁を形成する二枚のポリマー性材料から構成され、これらの側壁は、それらの外部周囲に取り付けられて、その間に液密チャンバを規定する。本発明の好ましい形態において、この流体容器は、ポリプロピレンの外皮層ならびに40重量%のポリプロピレン、40重量%の超低密度ポリエチレン、10重量%の二量体脂肪酸ポリアミドおよび10重量%のスチレン−エチレン−ブテン−スチレンのブロックコポリマーのポリマーブレンドの無線周波数感受性層を有する、同時押し出し成形された層状構造である。これらの層状構造は、同一人に譲渡された米国特許第5,686,527号(これは、本明細書中に参考として援用され、そして本明細書の一部を成す)に、より十分に開示される。この容器12の周縁部の一点で、管状ポート16は側壁間に挿入されて、流体チャンバへのアクセスを提供する。第二ポート20は、再構成された薬剤を患者へ送達するために設置された、流体投与によるアクセスを可能とするために示される。しかし、この第一容器12は、薬剤を再構成するために使用される液体を含むのに適切な、注射器の筒身を備える任意の容器であり得る。
【0136】
再構成される薬剤を含む第二容器14は、バイアルである。このバイアル14は、典型的には、バイアル14の開口部に挿入されたゴム製ストッパー22(図3)を備えたガラス容器である。このゴム製ストッパー22は、開口型の軟かい金属クリンピング24(例えば、アルミニウム)により適所で抑えられる(これは、このストッパー22およびバイアル14の頚部の周囲で圧着されて、これをバイアル14に固定して装着される)。この装置10は、任意の寸法のバイアル、特に20mmおよび13mmのバイアルを受容するのに適応され得る。さらに、この第二容器14は、再構成を必要とする薬剤を収容するのに適合される、任意の容器であり得る。
【0137】
このコネクタ10は、上述したように、可撓性バッグ12およびバイアル14の両方へと連結し、そしてこの可撓性バッグ12およびこのバイアル14の内容物を互いと液体連絡へと配置するのに適合される。図1に示されるように、コネクタ10は一般に、スリーブアセンブリ26、可撓性バッグ12の側壁の外側の穿刺アセンブリ28、カップアセンブリ30およびポートコネクタ32備える。以下により詳細に記載されるように、このカップアセンブリ30およびスリーブアセンブリ26の一部は集合的に、非作動位置(図1および3)から作動位置(図6)へ、スリーブアセンブリ26の別の部分に関して軸方向移動のために適合される。この非作動位置によって意味されることは、容器12、14が互いに流体連絡ではなく、ここで、このコネクタ10が作動されていないことである。作動位置によって意味されることは、容器12、14が互いに液体連絡にあることである。脱作動位置、または再構成後の位置によって意味されることは、この第一容器12およびこの第二容器14が流体連絡しておらず、そして作動位置から脱作動位置(図7)へ移動されていることである。
【0138】
図1にさらに示されるように、スリーブアセンブリ26は一般に、第一スリーブ33および第二スリーブ34を備える。この第一スリーブ33および第二スリーブ34は、非作動位置から作動位置へ互いに関して並進運動のために取り付けられる。本発明の好ましい形態において、この第一スリーブ33は第二スリーブ34内にスライド可能に取り付けられる。各スリーブ33、34は、ほぼ円柱壁であり、そして集合的にこれらのスリーブ33、34は、コネクタ10を通して中央チャンネル31を規定する。第一スリーブ33は、第一末端35および第二末端36を有する。この第一末端35は、ポートコネクタ32を受容し、そしてポートコネクタ32と連接されるために適合される。第一スリーブ33の第二末端36は環状溝39を有する。この環状溝39は、密封部材40を、好ましくはOリングの形態で受容する。このOリング40は、第一スリーブ33および第二スリーブ34間のシールを提供し、そして本発明の好ましい形態では、第一スリーブ33および第二スリーブ34間に配置される。もちろん、ガスケット、ワッシャーおよび同様の装置のような他の密封部材が、このスリーブ33、34間のシールを達成するために使用され得、このことは本発明から逸脱することなく当該分野で周知である。この第一スリーブ33はさらに、スリーブ33の内部表面、第一末端35および第二末端36の中間にガイド41を有する。このガイド41は、以下により詳細に記載されるように、穿刺部材28の一部を受容し、かつ支持するために適合される開口部42を有する。
【0139】
第二スリーブ34はまた、第一末端37および第二末端38を有する。この第二スリーブ34の第二末端38は、カップアセンブリ30と連結するように適合される基部43を規定する。この第二スリーブ34は、通路31内で穿刺アセンブリ28を適応させる。この穿刺アセンブリ28は、第二スリーブ34の内部表面に沿って通路31内でスライド可能である。また、図2に示されるように、この第二スリーブ34はまた、第一部分44および第二部分45を有する。この第二部分45は、第一部分44よりも大きい直径を有する。第一部分44と第二部分45との間の界面で、リッジ46が形成される。最終的に、この第一スリーブ33は、第二スリーブ34上の停止表面48と協力する停止表面47を有し、これは、第一スリーブ33が第二スリーブ34から滑り出ることを防止する。第一スリーブ33はまた、頂部表面49を有し、これは以下で詳細に記載するように、穿刺アセンブリ28と連結する。
【0140】
さらに図1に示されるように、この穿刺アセンブリ28は一般に、穿刺部材51を支持するハブ50を備える。この穿刺部材51は、第一末端52を有し、これは非作動位置にある場合、第一スリーブ33のガイド41の開口部42内に配置される。この穿刺部材の第二末端53は、非作動位置にある場合、カップアセンブリ30に隣接して配置される。この穿刺部材51(例えば、カニューレまたはニードル)は、第一容器12と第二容器14との間の流体流路を確立するための中心流体通路54を有する各末端52、53にて、堅固で、細長く、強化された部材である。この穿刺部材は、第一容器12の側壁の外部に配置され、そしてそれに取り付けられる。この穿刺部材51の各末端52、53は、尖鋭な点または斜めの角度または下で記載されるように栓を穿刺するために適合された斜面で終結する。
【0141】
このハブ50は、穿刺部材51に連接し、第二スリーブ34の内部表面に沿って通路31内でスライド可能である。本発明の好ましい形態において、このハブ50はほぼ丸い外部プロフィールを有し、そしてセグメントに分割される。好ましくは、このハブは、通路31の第一部分44の直径よりも大きいが、第二部分45よりも小さい直径を有する。それゆえ、このハブ50は、第一部分44内にスプリング付勢されなければならない。このスプリング付勢により、Oリング40は確実に、第一部分44との密接な接触を有する。この穿刺部材51は移動することが可能で、そしてこのコネクタ10が非作動位置から作動位置へと移動する場合に、薬剤バイアル14の栓および可撓性容器12に隣接した予めスリットを入れた(pre−slit)膜74(以下に記載)を穿刺することが可能である。このハブ50は、階段形状を有する。このハブ50は第一停止表面55を有し、これは第一スリーブ33の頂部表面49と協力する。このハブ50はまた、第二停止表面56を有し、これは第二スリーブ34上のリッジ46(図2および6)と協力する。このハブ50は、さらに環状外部表面57を有し、これは第二スリーブ34の内部表面に沿ってスライドする。これによって、穿刺アセンブリ28を第二スリーブ34内で「移動(float)」させる。
【0142】
図1はさらにカップアセンブリ30を示す。このカップアセンブリ30は実質的に、図11〜16に示されるカップアセンブリ130と同一である。このカップアセンブリ30は一般に、連結基部59、フィンガー60および密封部材61を有する壁部分58を備える。このカップアセンブリ30は装着部材として役立ち、これは第二容器または薬剤バイアル14にカップアセンブリ30を装着するために適合される。このカップアセンブリ30は、中央開口部62を有する。壁部分58は、好ましくは、環状であり、そしてカップ様(cup−like)形状を形成する。この壁部分58は、好ましくは、とぎれがなく、そしてしっかり(solid)している。壁部分58の連結基部59は、第二スリーブ34の基部38に連結される。好ましくは、この壁部分58は、超音波溶接により基部38に連結される。図13中の、カップアセンブリ130においてより詳細に示されるように、この壁部分172は、結合リブ(図1には示されていない)を有し、これは、この超音波溶接エネルギーを第二スリーブ基部38および連結基部59の適合表面に焦点を合わせてこの表面の加熱ならびに融解を行い、それゆえ、基部38、39を共に溶接するように作動する。
【0143】
この壁部分58は、第二容器または薬剤バイアル14をカップアセンブリ30に、固定的に装着するための手段を支持する。示される手段は、複数の分割されたフィンガー60である。このフィンガー60は、壁部分72から内向きに間隔が空けられて、薬剤バイアル14がカップアセンブリ30に挿入される場合、フィンガー60を曲げさせる。フィンガー60は、ほぼ形状において台形であり、そしてバイアル受容チャンバを規定するためにギャップによって分割される。このバイアル受容チャンバは、バイアル14の頂部を受容するためのカップアセンブリ30の中央開口部62に対応する。本発明の装置は6個のフィンガー60を利用するが、より多くのまたはより少ないフィンガーが、本発明の範囲から逸脱することなく利用され得ることは、当業者によって想到され得る。例えば、8個のフィンガー60が使用され得る。
【0144】
「固定的に装着された」によって意味されることは、コネクタ10からこのバイアル14を取り外すために、通常、この装置10を操作するために使用される力よりかなり過剰に、力を及さなければならないことである。おそらく、このような力は、1個以上の分割されたフィンガー60またはコネクタ10の他の部分を、このプロセスにおいて、破壊するか、取り外すか、または顕著に変形させる。
【0145】
図1にさらに示されるように、全てのフィンガー60は、平面導入部分63を含み、これは、カップアセンブリ30と正確に整列されるべきバイアル14を正確に整列させるのを助ける。3個のフィンガー60は(60aと指定される)は、平面導入部分63に隣接して遠位末端から近位末端へ放射状に内向にテーパ状の、弾力性タブ64を有し、これを越えて、バイアル14の頚部をカップアセンブリ30に接続するために医学の専門家はそれを押し込まなければならない。このタブ64は、様々な直径のバイアル栓に適応するために撓曲し得ることが適切である。好ましくは、フィンガー60の遠位端部は、半径型末端を有し、これは、滑らかであり、このコネクタを扱う医療関係者が怪我することを避ける。しかし、このタブ64はまた、本発明から逸脱することなく、固体突出物としても形成され得る。
【0146】
図1にも示されるように、残りの3個のフィンガー60b(1個を示す)は、軸方向に伸長する直立リブ65を有し、これはほぼくさび型形状のガセットから伸長する(同一人に譲渡された出願番号第08/986,580号に、さらに詳細に開示されている。これは、本明細書中で参考として援用され、そしてこの一部を成す)。このガセットは、環状棚と直立リブ65を区切る。このガセットの正面、軸方向の内向き末端は、基本的に環状棚板と揃っている。このガセットは、上向きに、それらの中心部分から伸長する直立リブ92から、傾斜デッキを有する。好ましい形態において、この直立リブ65は、タブ64の遠位末端をこえて、軸方向外側に伸長して、挿入中にバイアル14をバイアル受容チャンバと整列させるときに補助する。この直立リブ65は、バイアル14が回転することを防止するために、このバイアル14の金属クリンプの1個以上の側壁に刻み目を入れ得る。
【0147】
弾力性タブ64を有する3個のフィンガー60aおよび3個のフィンガー60bが好ましいが、弾力性タブ64またはリブ65を有する、より多くのまたはより少ないフィンガーの場合も、本発明の範囲から逸脱しない。タブ64を有するフィンガー60aおよび直立リブ65を有するフィンガー60bが交互の順序で配置されることもまた好ましい。バイアル14を掌握する際に補助するために、フィンガー60の周囲に可撓性保持部材(例えば、収縮包装など)を配置することもまた望ましくあり得る。
【0148】
この壁部分58が、基部38に連結される場合、空間66は、連結基部59の底部分と第二スリーブ34の基部38との間に維持される。密封部材61は、好ましくは、穿刺可能隔膜の形態で、空間66内に配置される。この実施態様において密封部材61およびOリング40は、全長に沿って穿刺部材を気密的にシールする。以下に議論するように、このコネクタの他の実施態様は、気密的に、穿刺部材の穿刺部分および穿刺部材の流体接触部分のみをシールし、そして気密流体移動をなお達成する。この密封部材61は、穿刺部材51の第二末端53に隣接して配置される。好ましい実施態様において、この密封部材61は、ディスク形状であり、そしてディスクから軸方向かつバイアル14の頂部に向けて延びる環状リング67を有する。この環状リング67は、バイアル14からの漏出を防止するため、バイアル14の開口部にわたって堅固におよび封着して適合するように寸法が合わされる。この環状リング67は、外に向かって開く側壁68を有し、これはバイアル14の栓と共にワイパーシールを形成する。さらに、隔膜61の環状リング67は、第二容器の栓の高さにおいて、三次元的な変化に適応するために、変形し得る。この密封部材61は、穿刺部材52の鋭点に対応する中心位置に、予めスリットを入れていてもよい。代替の実施態様において、この密封部材61は、中心開口部を有する。この中心開口部は、穿刺部材51を受容し、このとき、コネクタ10は、非作動位置から作動位置へ移動される。この中心開口部はまた、密封部材61を通過して蒸気滅菌が可能である。また、密封部材61は滑らかにされて、すなわち穿刺部材51を滑らかにして、これが薬剤バイアル14により容易に入ることを可能にする。この密封部材61は、好ましくは、Silicone PL−S146から形成される。
【0149】
図1にさらに示されるように、密封部材70は、好ましくは、壁部分58へ加熱密封されて、そしてそれらと取り外し可能に固定され、開封タブを引くことによって、剥離され得るようにされている。この壁部58は、密封材料70を取り付けるための固体表面を提供し、それゆえ、気密的にコネクタ10を密封する。この密封材料は、アルミニウム箔、またはポリマーベース材料(例えば、TYVEK(登録商標)、およびより好ましくは、TYVEK(登録商標)グレード1073B)、またはスパン紙あるいは壁部58に剥離可能に取り付けられることが可能であり、そして汚染物の移入に対する障壁を提供することが可能な他の材料から製造され得ることが、本発明によって熟慮される。密封は、誘導溶接または他の密封技術を通して達せられ得ることも熟慮される。好ましい実施態様において、この密封材料70は、TYVEK(登録商標)から製造され、そして接着的に、壁部分58に連結される。TYVEK(登録商標)の使用は、滅菌目的のためにそれらを通過するための蒸気、ならびにこの装置内で蒸気滅菌プロセス中に生成され得る圧力除去を見込む。
【0150】
図1にさらに示されるように、ポートコネクタ32は、この第一部分72と第二部分73を分割する中央基部71を有する。この第一部分72および第二部分73は、ほぼ円柱形である。第二部分73は、好ましくは、溶媒接合(solvent−bonding)により第一スリーブ33の内部表面と連結される。この接合を完了する前に、隔膜またはより好ましくは、予めスリットを入れたゴム膜、またはディスク74は、必要に応じて、第一スリーブ33のガイド41とポートコネクタ32の中央基部71との間に配置される。このディスク74は、以下により詳細に記載されるように、作動後、「ドリップバック(drip−back)」を防止する。このディスク74は、可撓性容器12からの流体が、穿刺部材51からの浸透を伴うことなく、中央通路31へ通過することを防止する。ポートチューブ16中で、標準的な膜を有する流体容器12を密封することも可能である。この場合、膜を貫くために、プラスチック穿刺部材の使用が好ましくあり得る。次いで、このポートコネクタ32は、可撓性バッグ12に連結されて、ここで、第一部分72の外部表面が、好ましくは溶媒結合によって、ポート16の内部表面と連結される。典型的には、このコネクタ10は、運搬する前に、可撓性バッグ12と連結される。しかしながら、コネクタ10が、第一容器12と、異なる時点で連結され得ることが当業者により理解される。
【0151】
図1は、非作動位置のコネクタ10を示し、ここで、コネクタ10は、最も伸長された状態であり、その中で、第一スリーブ33の停止表面47は、第二スリーブ34の停止表面48と境を接する。図3〜7は、コネクタ10に対する作動プロセスを開示する。図3に示されるように、この密封部材70は、第一に取り外されて、次いで、薬剤バイアル14が、カップアセンブリ30に挿入される。ここで、フィンガー60aはバイアル14と係合して、固定的にバイアル14をコネクタ10に装着する。密封部材61の環状リング67は、バイアル14の頂部にわたり液密シールを形成する。従って、バイアル14は、バイアル14の栓22を穿刺することなく、選択的に装着され得る。図3にさらに示されるように、穿刺部材51の第二末端53は、カップアセンブリ30の密封部材61に非常に接近して配置される。これは、この穿刺部材51が、薬剤バイアル14の栓22を貫くために移動しなければならないストローク長または距離を縮める。
【0152】
図4に示されているように、第一スリーブ33は、第二スリーブ34に関して、ロックされない位置に回転される。カップ部品30中のバイアル14は、第二スリーブ34と共に、可撓性容器12に軸方向に向けて移動される。穿刺部材51の第二末端53は、密封部材61と接触を形成する。第二スリーブ34が、可撓性バッグ12に向かってさらに進行するとき(図5)、穿刺部材51の第二末端53は、密封部材61を刺し通し、そしてバイアル14の栓中へ穿刺する。穿刺部材51の第二末端53は、これが、バイアル14の栓を浸透するとき、より大きな摩擦をうける。この摩擦によって、穿刺部材51の第一末端52が、可撓性容器12に向かって進行し、そしてゴム製ディスク74を貫通することが生じる。このガイド41は、第一末端42が正確に整列されることを確かなものとする。
【0153】
図6に示されるように、第二スリーブ34がさらに可撓性容器12に向けて進行するとき、第一スリーブ33の上部表面49は、ハブ50の第一停止表面55と境を接し、そして密封部材61に対してハブ50を進める;また、第二スリーブ34の第一末端37は、第一スリーブ33の第一末端35へ進行する。この位置(図6)は、作動位置を表す。この作動位置において、穿刺部材51の第二末端53は、バイアル14の栓22を通って貫かれ、そして穿刺部材51の第一末端52は、ゴムディスク74を通して貫かれる。従って、流体連絡は、可撓性バッグ12とバイアル14との間で、穿刺部材51の通路54を通して達成される。
【0154】
コネクタ10が、非作動位置にある場合、この中央通路31は実質的に、気密様式で、密封部材61により一端で、ゴムディスク74により逆末端にて、ならびにOリング40によるスリーブ33、34の間の境界にてシールされることが理解される。バイアル14および第二スリーブ34が、可撓性容器12に向けて進行するとき、通路31の容量が必然的に減少し、従って、通路31内に位置された空気を圧縮する。この圧縮された空気は、このコネクタが最終的な作動位置に到達する前に、緩和されねばならない。従って、Oリング40が、第二スリーブ34の第一部分44を越えて、第二スリーブ34のより大きな直径の第二部分45へ移動するとき、このOリングはもはや、第二スリーブ34の内部表面と接触せず(図6)、従って、圧縮された空気を緩和させる。
【0155】
図6に示される作動位置において、可撓性容器12に含まれた希釈剤は、穿刺部材51を通過して、バイアル14中に含まれた薬剤を再構成し得る。一旦、薬剤が、再構成されて、そして得られた混合物は、完全に穿刺部材51を通って可撓性容器12へと移動すると、この薬剤バイアル14および第二スリーブ34は、可撓性容器12から引き戻され得る。穿刺部材51の第二末端53は、バイアル14の栓中に残存し、そして穿刺部材51の第二末端52は、ゴム製ディスク74を通して、引かれる(図7)。この位置は、脱作動位置、または再構成後の位置と呼ばれる。このゴム製ディスク74は、弾力性があり、そして完全に密封するので、任意の得られた混合物が、薬剤バイアル14にドリップバックすることを防止する。
【0156】
図8は、一般に、参照番号80で示された、本発明のコネクタ装置の別の実施態様を開示する。このコネクタ装置80は、図1〜7のコネクタ装置と同様である。同一要素は、同一の参照番号で示される。このコネクタ装置80は、コネクタ装置10で使用されるゴムディスク74またはガイド41を利用しない。このコネクタ装置80は、可撓性容器12をシールオフする「Xリング」ガスケット81を利用する。このガスケット81は、「Xリング」ガスケットまたはしばしば環状「ドッグボーン」ガスケットと呼ばれる。なぜならば、断面形状が、それらの形状に類似しているからである。このXリングガスケット81は、第一末端82および第二末端83を有し、そして穿刺部材の末端を支持し、ならびに第二末端83から容器への気密密封を形成する。下記のガスケット81および密封部材84は気密に、穿刺材の穿刺部分および穿刺部材の流体接触部分をシールする。このXリングガスケット81は、第一スリーブ33内に配置され、ここで、その第一末端82は、ポートコネクタ32の第二部分73に隣接する。従って、可撓性容器12の希釈剤は、ポート16を通過して上方へ、しかしXリングガスケット81の第一末端82まででのみ移動が可能となる。この希釈剤は、穿刺部材51を通って、しかし密封部材84までのみ、以下に記載されるように移動が可能である。このXリングガスケット81は、長さLを有し、これは、非作動位置から作動位置への移動の場合に、穿刺部材51が移動する距離よりも長い。これは、作動時に、穿刺部材51のストロークは、目印86が、Xリングガスケット81の第一末端82を超えて可撓性容器12の方に通過しないようなものであることを確かなものとする。それ故、穿刺部材の気密密封部分のみが、第一および第二容器の栓を貫き、そして連絡されている流体と接触させられる。
【0157】
このコネクタ80はまた、密封部材61と同様な密封部材84を利用する。しかしながら、この密封部材84は、延長されたシース85を有する。この延長されたシース85は、穿刺部材51の第二末端53を覆い、および気密にシールする。この密封部材84は、穿刺部材51が薬剤バイアル14の栓を貫くまで、可撓性容器12中の希釈剤をシールオフする表面87を有する。
【0158】
図9は、作動位置でのコネクタ装置80を示す。コネクタ装置10と同様に、一回の力が作動位置にコネクタ80を配置するために、このコネクタ80に付与される。スリーブ33、34がロックされていない位置へと回転された後、力がバイアル14に付与され、ここで、このバイアル14および第二スリーブ34は、可撓性容器12に向けて移動する;そして穿刺部材51の第一末端52は、さらにこのXリングガスケット81を通過して移動する。第一スリーブ33の上部表面49は、穿刺部品28をバイアル14へと押し付け、ここで、穿刺部材51が、シール部材84の表面87ならびにバイアル14の栓を貫く。従って、流体連絡が、可撓性バッグ12と薬剤バイアル14との間で確立される。
【0159】
図10は、一般に、参照番号90で示されている本発明のコネクタ装置の別の実施態様を開示する。このコネクタ装置90は、図1〜9のコネクタ装置10、80と同様である。同一要素は、同一の参照番号で示される。しかしながら、このコネクタ装置90は、連結部分92およびフィンガー93のみを備える改変型カップアセンブリ91を有する。このカップ部品91は、環状壁部分58または密封部材70を有さない。むしろ、プルオフ(pull−off)タブ94が利用される。このプルオフタブ94は、密封部材84に隣接するカップ部品91とスナップ嵌合される。薬剤の再構成を所望する場合、このプルオフタブ94は、引き剥がされ、そして薬剤バイアル14が、カップ部品91に挿入される。作動は、上記のように達せられる。
【0160】
図11〜16は、本発明のコネクタ装置の別の実施態様を開示し、一般に参照番号100で示した。先の実施態様と同様に、コネクタ100は、可撓性バッグ12およびバイアル14の両方と連結するために、ならびに可撓性バッグ12およびバイアル14の内容物を互いに流体連絡に配置するために適合される。図11および図12に示されるように、コネクタ100は一般に、スリーブ126、穿刺アセンブリ128ならびにカップアセンブリ130を備える。このスリーブ126およびカップアセンブリ130は、非作動位置(図15)から作動位置(図16)へと、穿刺部材128に関して軸方向移動に適合される。
【0161】
図12および13に示されるように、このスリーブ126は、第一末端132および第二末端134を有し、通路135を規定する末端132、134の間に延長シース136を伴う。以下により詳細に説明されるように、このスリーブ126は、変形可能であり、力がスリーブ26の長手軸に沿って、第一末端32の方向に付与される場合、このシース136は、それ自体に折り重なり得る。このスリーブ126は、しばしば、変形し、そしてそれ自体に折り重なる方式から、回転式隔壁と呼ばれる。変形可能性を提供するために、このスリーブ126は、可撓性材料(例えば、PVCおよびポリオレフィンを含む熱可塑性材料)から製造される。
【0162】
このスリーブ126は、第一部分138および第二部分140を有する。この第一部分138は、第二部分140よりも大きな直径を有する。スリーブ126の第一末端132は、第一リム142および第二リム144を有する。この第二リム144は、第一リム142と同心であり、そして第一リム142から内方向に間隔を空けられる。環状スロット146(図13)は、リム142、144間で規定される。スリーブ126の第二末端134は、以下に記載されるように、カップアセンブリ130と連結されて適合される環状表面148を有する。スリーブ126の第二末端134は、膜150によってシールされる。この膜150は、スリーブ126と共に形成される(本発明の範囲を逸脱することなく、単独に取り付けられ得るが、例えば、射注成形による)。圧印加工操作が、膜150に付与されて、膜150の断面の厚さを減少させる。これは、穿刺部材128が、より容易に膜150を穿刺させる。
【0163】
穿刺アセンブリ128は、一般に、穿刺部材152を包含し、これは、カラー154に接続されている。穿刺部材152は、締まりばめでカラー154に接続されるが、他の接続(例えば、接合による)は可能である。さらに、穿刺部材152およびカラー154は、単一部品として、一体的に成形できる。穿刺アセンブリ128は、カラー154なしで、穿刺部材152だけを包含できることもまた、分かる。穿刺部材152(例えば、カニューレまたはニードル)は、剛性で細長いスパイク状の部材であり、これは、第一容器12と第二容器14との間で流体流路を確立するために、そこを通って、中心流路通路156を有する。穿刺部材152の一端は、鋭点153または傾斜角または斜端で終わっており、そして薬剤バイアル14のゴム製ストッパー22を穿刺するように適合されている。好ましい実施態様では、穿刺部材152は、ポリカーボネートPL−2368から製造されるが、また、他のプラスチックまたは金属からも製造できる。また、図13で示すように、鋭点153で終わっている穿刺部材152の末端は、スロット155を有し得、それにより、再構成中にバイアル14を排水するために、さらに大きな開口部を設けることが可能になる。図13および14で示すように、穿刺部材152は、一端にて、放射状スロット157を有し、これは、中心流体通路156から間隔を空けて配置されている。スロット157により、第一容器12の内容物がスロット157を通って、スリーブ126へと入ることが可能になる。
【0164】
穿刺部材152は、スリーブ126の第一末端132と接触するための、一端に向いたフランジ158を有する。カラー154は、コネクタ装置100用の基部として供される。カラー154は、フランジ160、およびフランジ160を通る中心開口部162を有する。カラー154は、さらに、フランジ160から伸長している環状リッジ164を有する。
【0165】
穿刺アセンブリ128は、スリーブ126に接続されている。このために、穿刺部材152は、スリーブ126の通路135内(具体的には、シース136内)に配置される。カラー154は、スリーブ126に接続されており、ここで、環状スロット146は、環状リッジ164を受容する。具体的には、環状リッジ164は、リム142、144と溶媒接合されている。穿刺部材152のフランジ158もまた、スリーブ126に接合されている。この形態での溶媒接合は、スリーブ126をカラー154に密閉する。溶媒接合は、他の型の接続(例えば、締まりばめまたはネジ接続)よりも信頼できるので、好ましい。好ましい実施態様では、穿刺部材152の外面は、第二部分140にて、スリーブ126の内面と表面間接触している。第一部分138は第二部分140よりも大きな直径を有するので、第一部分138にて、スリーブ126と穿刺部材152との間には、ポケット139(図14)が維持される。穿刺部材152の鋭端は、膜150に隣接して配置されている。
【0166】
カラー154の外面は、可撓性バッグ12のポート16に受容されるように適合されている。カラー154は、好ましくは、ポート16内に溶媒接合されている。このような構成では、穿刺部材152は、その末端の両方で密閉されている。この鈍端は、可撓性容器12のポート16により密閉されており、そして鋭い末端153は、膜150により密閉されている。この構成では、コネクタ装置100が非作動位置にあるとき、第一容器12の内容物は、容器12から、通路156を通って、膜150まで通ることができる。これらの内容物はまた、容器12から、放射状スロット157を通って、スリーブ126の第一部分138にある通路135に入ることができる。具体的には、これらの内容物は、スリーブ126の内面と接触しているポケット139を満たすことができる。第一部分138内の液体は、コネクタ100をオートクレーブに配置したとき、供給した滅菌エネルギーを大きく伝導する。
【0167】
図12〜14は、カップアセンブリ130を示す。カップアセンブリ130は、一般に、基部170、壁部172、フィンガー174および密封部材176を包含する。カップアセンブリ130は、アセンブリ130を第二容器(すなわち、薬剤バイアル)14に装着するように適合された装着部材として、供される。基部170は、それを通して中心開口部178を有するディスク形状である。壁部172は、好ましくは、環状であり、そして基部170の外周に接続されて、カップ様形状を形成する。壁部172は、好ましくは、とぎれがなくしっかりしている。好ましくは、壁部172は、超音波接合により、基部170に接続されている。図13で示すように、壁部172は、接合リブ175を有し、これは、この超音波接合エネルギーを、基部170および壁部172の噛み合い面に集中して、これらの表面を加熱し溶融して、基部170および壁部172を共に接合するように、作用する。このツーピースアセンブリは、密封部材176と共に、微生物がコネクタ100を汚染するのを防止するよう作用する。また、この超音波接合に由来の材料を捕捉するために、基部170と壁部172との間には、鋳ばりトラップが設けられている。
【0168】
カップアセンブリ130は、スリーブ126の第二末端134に装着されている。具体的には、基部170が、スリーブ126の第二末端134に溶媒接合されている。この接続には、ポリカーボネート材料(基部170)をビニル材料(シース126)に接合する必要がある。この特定の接続は、溶液接触とは見なされないので、使用される接合剤は、典型的には、メチルエチルケトン(MEK)である。溶液接触(例えば、カラー154と可撓性容器12のポート16との間の接続、およびカラー154とシース126との間の接続)では、使用される接合剤は、典型的には、シクロヘキサノールである。MEKは、典型的には、溶液接触面では、使用されない。
【0169】
壁部172は、第二容器(すなわち、薬剤バイアル)14をカップアセンブリ130に固定的に装着するための手段を支持する。図示している手段は、複数の分割されたフィンガー174(図12および13)である。フィンガー174は、薬剤バイアル14をカップアセンブリ130に挿入したとき、フィンガー174を曲げることができるように、壁部172から内向きに間隔を空けて配置されている。フィンガー174は、一般に、台形形状であり、そしてギャップ184(図11)により分離されて、バイアル14の頂部を受容するためのバイアル受容チャンバ186を規定している。本発明の装置は6本のフィンガー174を使用するものの、本発明の範囲から逸脱することなく、それより多いまたは少ないフィンガーが使用できることは、当業者が理解できる。
【0170】
「固定的に装着された」とは、コネクタ100からバイアル14を除去するために、装置100を操作するのに通常使用される力よりも相当に超過した力を加えなければならないことを意味する。このような力を加えると、そのプロセスにおいて、分割されたフィンガー174の1本またはそれ以上、あるいはコネクタ100の他の部分を破断、剥離または際だって変形するおそれがある。
【0171】
図13で示すように、フィンガー174の全ては、平面導入部分177を包含し、これは、バイアル14がカップアセンブリ130と正しく整列するのを助ける。フィンガー174のうちの3本は、174aと呼ばれているが、平面導入部分177に隣接して、放射状に内向きにテーパを付けた弾力性タブ188を包含し、そこを過ぎて、遠位末端から近位末端へと、医学の専門家は、薬剤バイアル14の頚部をカップアセンブリ130に接続するために、それを押し付けなければならない。タブ188は、バイアル栓の変化する直径に適応するように、曲げることができることが分かる。好ましくは、フィンガー174の遠位末端は、丸みを付けた末端を有し、これは、このコネクタを取り扱う医療関係者が切り傷を負うことを回避するために、滑らかである。図示したタブ188は、このタブの遠位末端とフィンガー174との間で、間隔189を有する。しかしながら、タブ188はまた、本発明から逸脱することなく、中実の隆起部(solid bump)として形成できる。
【0172】
図13で示すように、残りの3本のフィンガー174bは、軸方向に伸長して直立しているリブ192を有し、これらは、同一人に譲渡された米国特許出願第08/986,580号でさらに詳細に開示されているように、略楔形ガセットから伸長している。このガセットは、直立リブ192を環状棚197から間隔を空ける。このガセットの前方軸方向内向き末端は、この環状棚とほぼ揃っている。このガセットは、上向きに傾斜しているデッキを有し、そこから、直立リブ192は、その中心部分から伸長する。好ましい形状では、直立リブ192は、タブ188の遠位末端を超えて、軸方向に外向きに伸長して、バイアル14が、挿入中に、このバイアル受容チャンバと整列することを助ける。直立リブ192は、バイアル14が回転しないように、バイアル14の金属クリンプの1個またはそれ以上の側壁部に刻み目を付けることができる。
【0173】
弾力性タブ188付きの3本のフィンガー174aおよび3本のフィンガー174bが好ましいものの、弾力性タブ188またはリブ192と共に、それより多いまたは少ないフィンガーを設けることは、本発明の範囲から逸脱しない。タブ188付きフィンガー174aおよび直立リブ付きフィンガー174bは、交互に配置されることもまた、好ましい。バイアル14を握るのを助けるために、フィンガー174の回りには、可撓性再照準合わせ(retraining)部材(例えば、収縮包装など)を置くこともまた、望まれ得る。
【0174】
壁部172を基部170に接続するとき、各フィンガー174の底部173と基部170との間には、間隔180が維持される。間隔180内では、好ましくは、穿刺可能隔膜の形状で、密封部材176が配置されている。密封部材176は、中心開口部178を覆い、そして膜150に隣接している。好ましい実施態様では、密封部材176は、ディスク形状であり、そして環状リング194を有し、これは、このディスクから、バイアル14の上部の方へと軸方向に伸長している。環状リング194は、バイアル14からの漏れを防止するために、バイアル14の開口部に堅く密封するような寸法にされる。環状リッジ194は、外向きに張り出している側壁195を有し、これは、バイアル14の栓と、ワイパーシールを形成する。さらに、隔膜176の環状リング194は、この第二容器の栓の高さの寸法変化に適応するように、変形できる。全ての実施態様について、密封部材176は、中実隔膜または予めスリットを入れた隔膜、または一部を除去して穿刺部材152の鋭点に対応する中心開口部198を規定した隔膜であり得る。最も好ましくは、密封部材176は、中心開口部198を有する。中心開口部198は、スリーブ126をその非作動位置から作動位置へと移動させたとき、穿刺部材152を受容する。中心開口部198により、また、密封部材176を過ぎる蒸気滅菌が可能となる。また、密封部材176は潤滑され、これは、穿刺部材152を潤滑して、それがさらに容易に薬剤バイアル14に入ることを可能にする。密封部材176は、好ましくは、Silicone PL−S146から製造される。
【0175】
図11、12および14で示すように、密封材料190は、好ましくは、壁部172にヒートシールされ、そしてプルオフタブ192を引っ張ることにより剥離できるように、解除可能にそこに固定されている。壁部172は、シール190を取り付けるための固体表面を提供し、従って、コネクタ100を密閉する。このシールは、アルミ箔、またはポリマーベース材料(例えば、TYVEK(登録商標))、またはスパン紙、あるいは壁部172に剥離可能に装着できて汚染物の進入に対する障壁を提供できる他の材料から製造できることは、本発明により考慮される。密封は、誘導溶接または他の密封方法により達成できることもまた、考慮される。好ましい実施態様では、密封材料190は、TYVEK(登録商標)から製造され、そして壁部172に接着的に接続される。TYVEK(登録商標)を使用することにより、蒸気は、滅菌目的で、そこを通ることができるようになる。
【0176】
図14で示すように、コネクタ100は、不注意な起動を防止するために、スリップリング199を包含し得る。スリップリング199は、スリーブ126の周りに密接に巻かれて、穿刺部材152に対するスリーブ126の移動を防止する。スリップリング199は、スリーブ126の回りで脆く装着されて、コネクタ100の起動前に、容易に取り外しできるようになる。
【0177】
図14は、その非作動位置でのコネクタ100を示し、この場合、スリーブ126は、略細長状態にある。先に述べたように、コネクタ100は、第一容器12に接続されるように適合されている。カラー154の外面は、ポート16の内面と接合される。コネクタ100が、異なる時点で、第一容器12に接続できることは、当業者が理解する。図15で示すように、シール190が取り除かれ、次いで、薬剤バイアル14は、カップアセンブリ130へと挿入されるが、ここで、フィンガー174aは、バイアル14と噛み合って、バイアル14をコネクタ100に固定的に装着する。密封部材176の環状リング194は、バイアル14の頂部に液密シールを形成する。
【0178】
図16で示すように、コネクタ100を作動位置にするためには、スリップリング199は、もし、コネクタ100上で使用するなら、取り除かれる。医学の専門家は、次いで、薬剤バイアル14を可撓性バッグ12の方へと押す。変形可能スリーブ126のシース136は、それ自身の上に巻き付き折り重なる。それゆえ、第二部分140は、摩擦噛み合いした状態で穿刺部材152に沿ってスライドし、そして第一部分138は、第二部分140の上に折り重なって、シース136を、その初期長さのおよそ半分にする。穿刺部材152は、膜150を通って穿刺し、密封部材176の中心開口部197およびバイアル14のゴム製ストッパー22を通る。それゆえ、可撓性バッグ12は、薬剤バイアル14と流体連絡して置かれる。
【0179】
一旦、ゴム製ストッパー22が穿刺されると、第一容器12および第二容器14は、流体連絡する。次いで、医学の専門家は、可撓性バッグ12を搾って、この流体をバイアル14に強制的に入れて、この薬剤を再構成し、必要なら、バイアル14を振盪して、再構成を促進し、また、バッグ12に対してバイアル14を反転して、再構成した薬剤をバッグ12に流して戻す。
【0180】
本発明の構成では、スリーブ126は、穿刺部材152をカプセル化する。さらに、膜150は、穿刺部材152の一端を取り囲み、また、第一容器12は、穿刺部材152の他端を取り囲む。従って、穿刺部材152は、独立して、密閉される。スリーブ126は、カップアセンブリ130および装着した薬剤バイアル14を支持する程度に充分に堅い。しかしながら、スリーブ126はまた、穿刺部材152の薬剤バイアル14への挿入を容易にするために、変形してそれ自身の上に折り重なる程度に充分に可撓性である。この構成により、また、コネクタ100が起動されたかどうかを容易に視覚的に判定できるようになる。シール190はまた、内容物をいじったかどうかが分かる(tamper evident)。また、この構成を用いると、この薬剤バイアルの一体性は、コネクタ100をその作動位置へと移動させるまで、維持される。
【0181】
もし、この装置が、この流体溶液に予め装着されているか、またはこのバイアルおよび可撓性溶液に予め装着されて受容されるなら、この薬剤再構成方法の一部の工程は不要であり得ることが理解できる。好ましい実施態様では、コネクタ100は、可撓性容器12に予め装着され、そして薬剤バイアル14は、別々に包装される。
【0182】
それにもかかわらず、出荷のために、バイアル14をコネクタ100に予め装着することが可能である。バイアル14をコネクタ100に予め装着することは、無菌接続法を用いて、達成され得る。装置100をバイアル14に予め装着する好ましい方法は、以下の工程を包含する:1)バイアル14およびカップアセンブリ130を対向した関係に配置する工程;2)装置100およびバイアル14の接続部を、好ましくは、ガンマ滅菌または他の滅菌エネルギーあるいは方法に晒すことにより、この接続部を滅菌しつつ、同時に、分割されたフィンガー174をバイアル14で操作可能な噛み合い状態にする工程。これらの工程は、医療関係者により手動で、または機械により自動的に行うことができる。予め装着したバイアル14およびコネクタ100は、出荷および保存用のオーバーパウチ(over pouch)に包まれ得る。しかしながら、オーバーパウチは、典型的には、コネクタ100には使用されず、それにより、材料コストが節約される。
【0183】
図17および18は、本発明のコネクタ装置の別の実施態様を開示し、これは、一般に、参照番号200で示されている。図17および18のコネクタ装置200は、図11〜16のコネクタ装置100と類似しており、同じ要素は、同じ参照番号で示されている。このコネクタ装置は、圧延ダイアフラムスリーブ26を使用するよりもむしろ、変形可能ベローズアセンブリ202を使用する。ベローズアセンブリ202は、好ましくは、ビニル材料から製造されている。ベローズアセンブリ202は、第一末端204および第二末端206を有し、これらは、その間に、ベローズ部分208を有する。第一末端204は、穿刺アセンブリ128のカラー154に接続されている。第二末端206は、カップアセンブリ130に接続されている。コネクタ装置100と同様に、可撓性容器12に由来の希釈剤は、穿刺部材152を通って、通路135に入ることができる。
【0184】
図18は、作動位置でのコネクタ装置200を示す。その起動工程は、上記の工程と類似している。バイアル14が可撓性バッグ12の方へと前進するにつれて、ベローズアセンブリ202の第二末端206は、穿刺部材152に沿ってスライドし、そしてベローズ部分208は、アコーディオン様式で折り重なる。穿刺部材152は、膜150および隔膜176を通って、バイアル14の栓へと穿刺し、それにより、可撓性バッグ12とバイアル14との間で、流体連絡を確立する。
【0185】
図19および20は、本発明のコネクタ装置のさらに別の実施態様を開示しており、これは、一般に、参照番号250で示されている。図19および20のこのコネクタ装置250は、図17および18のコネクタ装置200ならびに図11〜16のコネクタ装置100と類似しており、同じ要素は、同じ参照番号で示されている。コネクタ装置250は、変形可能ベローズアセンブリ252を使用し、これは、好ましくは、ビニル材料から製造されている。ベローズアセンブリ252は、第一末端254および第二末端256を有し、これらは、その間に、第一ベローズ部分258および第二ベローズ部分260を有する。第一末端254は、ポートコネクタ262に接続されている。ポートコネクタ262は、可撓性容器12のポート16に接続されている。第二末端256は、カップアセンブリ130に接続されている。図19でさらに示すように、コネクタ装置250は、異なる型の穿刺アセンブリ264を使用する。穿刺アセンブリ264は、一般に、ハブ266、第一穿刺部材268および第二穿刺部材270を包含する。第一穿刺部材268は、好ましくは、ポリカーボネートから製造されており、そして膜272(これは、可撓性容器12を密封する)を穿刺するよう適合されている。第二穿刺部材270は、好ましくは、金属から製造されており、そして密封部材274およびバイアル14の栓を穿刺するように適合されている。第一および第二穿刺部材268、270は、ハブ266の上に成形されている(overmolded)。図19でさらに示すように、ハブ266は、第一ベローズ部分258と第二ベローズ部分260との間のベローズアセンブリ252の中間部分276に接続されている。この接続は、好ましくは、溶媒接合である。それゆえ、穿刺アセンブリ264は、ベローズアセンブリ252に固定されており、従って、それと共に移動する。
【0186】
図20は、作動位置でのコネクタ装置250を示す。その起動プロセスは、上記のプロセスと類似している。バイアル14が可撓性バッグ12の方へと前進するにつれて、第二ベローズ部分260は、アコーディオン様式で折り重なり、ここで、第二穿刺部材270は、密封部材274およびバイアル14の栓を通って穿刺する。また、第一ベローズ部分254もアコーディオン様式で折り重なり、ここで、第一穿刺部材268は、膜272を通って穿刺する。従って、穿刺アセンブリ264を経由して、可撓性容器12とバイアル14との間で、流体連絡が確立される。穿刺アセンブリ264はベローズアセンブリ252に固定的に装着されているので、第二穿刺部材270は、バイアル14から引き出すことができ、そして第一穿刺部材268は、ポート16から引き出すことができる。密封部材176は、その自体を密封し、それにより、再構成が完結した後、この可撓性容器からのいずれかのドリップバックを防止する。図19および20のコネクタ装置250を用い
ると、可撓性容器12に由来の希釈剤は、ベローズアセンブリ252の表面と接触するのが防止される。2個のベローズ部分258、260を使用することにより、二重の制御が得られる。この装置の操作者は、可撓性バッグ12の前にバイアル14を穿刺でき、逆もまた正しい。
【0187】
本発明のコネクタ装置は、公知の手順(例えば、蒸気滅菌または放射線滅菌)により、滅菌できる。また、上記コネクタ装置の異なる実施態様の特徴のいずれかは、望ましいように、組み合わせたりまたはなくしたりできることが分かる。本発明の装置の各々により、このコネクタにバイアルを予め装着すること、および両者を収縮包装して、内容物をいじったかどうかが分かる特徴を与えることができることもまた理解されるべきである。
【0188】
特定の実施態様が説明され記述されているものの、本発明の精神から大きく逸脱することなく、多くの改良が想起されるので、その保護範囲は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ、限定される。
【産業上の利用可能性】
【0189】
患者に送達するために、粉末薬剤を液体状態に調製し、または液体薬剤を希釈する再構成を容易かつ確実に行う装置が提供される。
【符号の説明】
【0190】
10、80、90、100 コネクタ装置
12 第一容器
14 第二容器
20 第二ポート
26 スリーブアセンブリ
28 穿刺アセンブリ28
30、130 カップアセンブリ
32 ポートコネクタ
33 第一スリーブ33
34 第二スリーブ
46 リッジ46
54 流体通路
172 壁部分
174 フィンガー
177 平面導入部分
192 リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
基部;
該基部に接続されている、環状壁;および
複数の分割されたフィンガーであって、該環状壁の周辺にあり、そしてそこから伸長しており、該分割されたフィンガーは、受容チャンバを規定しており、該受容チャンバは、該バイアルの該栓を収容するような寸法にされており、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有し、そして該フィンガーは、該バイアルが該受容チャンバ中に挿入されるとき撓曲され、それによって該バイアルを掌握する際に補助するように、該環状壁に対して固定された軸方向位置にある、分割されたフィンガー、を備える、装置。
【請求項2】
前記分割されたフィンガーが、前記環状壁から一定距離で間隔を空けて配置されて、それらの間で環状空間を規定している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記環状壁が、中実であり、かつ連続している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
さらに、密封部材を備え、該密封部材が、各フィンガーの底部と前記基部との間に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記密封部材が、穿刺可能隔膜である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
基部;
該基部に接続されている、環状壁;および
複数の分割されたフィンガーであって、該環状壁の周辺にあり、そして該基部から伸長しており、該分割されたフィンガーは、受容チャンバを規定しており、該受容チャンバは、該バイアルの該栓を収容するような寸法にされており、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有し、ここで、1つのフィンガーは直立リブを有し、そして別のフィンガーはタブを有するフィンガーを備え、そしてここで、穿刺部材が、該装置が不起動位置にあるとき、受容チャンバ中に伸長しない、装置。
【請求項7】
前記分割されたフィンガーが、前記環状壁から一定距離で間隔を空けて配置されて、それらの間で環状空間を規定している、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記環状壁が、中実であり、かつ連続している、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
さらに、密封部材を備え、該密封部材が、各フィンガーの底部と前記基部との間に配置されている、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記密封部材が、穿刺可能隔膜である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
基部;
複数の分割されたフィンガーであって、周縁方向に間隔を置かれ、そして該基部から軸方向に伸長しており、該バイアルの栓を収容するような寸法である受容チャンバを規定し、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有し、ここで、1つのフィンガーは直立リブを有し、そして別のフィンガーはタブを有するフィンガー;および
該分割されたフィンガーの周辺の環状壁、を有する、装置。
【請求項12】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
基部;
複数の分割されたフィンガーであって、周縁方向に間隔を置かれ、そして該基部から軸方向に伸長しており、該バイアルの栓を収容するような寸法である受容チャンバを規定し、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有し、ここで、該フィンガーが3つのフィンガーを含み、そしてここで、2つのフィンガーはタブを有し、そして1つのフィンガーは直立リブを有し、ここで、該タブを有するフィンガーおよび該直立リブを有するフィンガーが該受容チャンバの周りで交互する配列で配置されるフィンガー;および
該分割されたフィンガーの周辺の環状壁、を有する、装置。
【請求項13】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
基部;
複数の分割されたフィンガーであって、周縁方向に間隔を置かれ、そして該基部から軸方向に伸長しており、該バイアルの栓を収容するような寸法である受容チャンバを規定し、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有し、ここで、該複数のフィンガーが3つのフィンガーを含み、そしてここで、2つのフィンガーは直立リブを有し、そして1つのフィンガーはタブを有し、ここで、該直立リブを有するフィンガーおよび該タブを有するフィンガーが該受容チャンバの周りで交互する配列で配置されるフィンガー;および
該分割されたフィンガーの周辺の環状壁、を有する、装置。
【請求項14】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
穿刺可能隔膜を支持する基部;
複数の分割されたフィンガーであって、周縁方向に間隔を置かれ、そして該基部から軸方向に伸長しており、該バイアルの栓を収容するような寸法である受容チャンバを規定し、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有し、ここで、1つのフィンガーが直立リブを有し、そして別のフィンガーはタブを有するフィンガー;および
該分割されたフィンガーの周辺の環状壁、を有し、
ここで、該バイアルが該装置に接続されるとき、該バイアルの栓が該タブと該穿刺可能隔膜との間に位置決めされる、装置。
【請求項15】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
基部;
複数の分割されたフィンガーであって、周縁方向に間隔を置かれ、そして該基部から軸方向に伸長しており、該バイアルの栓を収容するような寸法である受容チャンバを規定し、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有し、そしてここで、該フィンガーの少なくとも1つが直立リブを有し、ここで、該直立リブが該フィンガーの遠位端の近傍で半径方向の内側にテーパー状であるフィンガー;および
該分割されたフィンガーの周辺の環状壁、を有する、装置。
【請求項16】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
基部;
複数の分割されたフィンガーであって、周縁方向に間隔を置かれ、そして該基部から軸方向に伸長しており、該バイアルの栓を収容するような寸法である受容チャンバを規定し、ここで、該フィンガーは、近位末端および遠位末端を有し、ここで、1つのフィンガーが直立リブを有し、そして別のフィンガーがタブを有し、そしてここで、該バイアルが該装置に固定して取り付けられるよう適合されているフィンガー;および
該分割されたフィンガーの周辺の環状壁、を有する、装置。
【請求項17】
栓を有するバイアルに接続するための装置であって:
底部を有する基部;
複数の分割されたフィンガーであって、周縁方向に間隔を置かれ、そして該基部から軸方向に伸長しており、該バイアルの栓を収容するような寸法である受容チャンバを規定し、ここで、1つのフィンガーが直立リブを有し、そして別のフィンガーがタブを有するフィンガー;
該分割されたフィンガーの周辺の環状壁;
通路を有する接続部材であって、該基部が該接続部材に、該基部の底部と該接続部材との間に間隔が維持されるように接続される接続部材:および
該通路を密封してシールするために該間隔に位置決めされるシール部材、を備える、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−155100(P2010−155100A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48322(P2010−48322)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【分割の表示】特願2004−231654(P2004−231654)の分割
【原出願日】平成11年9月7日(1999.9.7)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【Fターム(参考)】