説明

帯域管理方法、装置及びプログラム

【課題】帯域保証型のネットワークにおいて、要求帯域を確保できない場合であっても適切に通信を開始させる。
【解決手段】本帯域管理方法は、帯域保証型のネットワークにおける通信の帯域を管理するサーバにより実行される。そして、本方法は、最低帯域及び要求帯域のデータを受信する工程と、通信データ量に関するデータ又はネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、通信開始時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定する工程と、所定の状態でないと判定された場合、帯域データ格納部のデータに基づき、確保可能な最も広い帯域を特定し、当該帯域が最低帯域より広いか否か判定する工程と、最低帯域より広いと判定された場合、特定された帯域と要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む割当指示を通信に関連するルータに送信する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ネットワークにおける帯域を管理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
NGN(Next Generation Network)は帯域保証機能を有している。すなわち、NGNに接続して通信を行う場合、一旦確保された帯域で通信を継続できることが保証されている。一方で、NGNでは、要求帯域を確保できない場合には通信を開始することができない。従って、要求帯域を確保できない場合には、ユーザはNGNへの接続を再度試みなければならない。また、通信を開始するまでの待ち時間は、NGNにおける通信の状況によっては非常に長くなってしまうことがある。
【0003】
ところで、通信に用いる帯域を調整する技術が存在している。具体的には、送信側又は受信側のマルチメディア処理装置に設けられた通信制御装置が、アプリケーションからの新規通信開始要求を受け付ける。未使用帯域が平均帯域(アプリケーションが要求する帯域)以上であれば、アプリケーションの使用帯域に平均帯域を割り当てる。一方、未使用帯域が平均帯域未満であれば帯域圧縮処理を行い、帯域圧縮処理が成功した場合には通信開始成功をアプリケーションに通知する。帯域圧縮処理が失敗した場合には通信開始失敗をアプリケーションに通知する。
【0004】
しかし、上記技術は、マルチメディア処理装置における複数のアプリケーションに割り当てる帯域を管理するものであり、ネットワークにおける帯域の管理にそのまま適用することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−248980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本技術の目的は、帯域保証型のネットワークにおいて、要求帯域を確保できない場合であっても適切に通信を開始させるための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本帯域管理方法は、使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークにおいて通信に割り当てられる帯域を管理するコンピュータにより実行される。そして、本帯域管理方法は、(A)特定の通信で用いる最低限の帯域である最低帯域のデータと特定の通信の要求帯域のデータとを含む帯域割当要求を受信するステップと、(B)時間帯毎にネットワークにおける通信データ量に関するデータを格納する傾向データ格納部又はネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータを格納する帯域データ格納部に格納されているデータに基づき、特定の通信を開始させる時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定する第1判定ステップと、(C)第1判定ステップにおいて所定の状態でないと判定された場合、帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、特定の通信のために確保可能な最も広い帯域を特定し、当該確保可能な最も広い帯域が最低帯域より広いか否か判定する第2判定ステップと、(D)第2判定ステップにおいて最低帯域より広いと判定された場合、第2判定ステップにおいて特定された確保可能な最も広い帯域と要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む帯域割当指示を特定の通信に関連するルータに送信する送信ステップとを含む。
【0008】
本ネットワーク接続方法は、使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークに接続して通信を行うための方法である。そして、(A)本ネットワーク接続方法は、通信要求に応じて、当該通信要求に係る特定の通信の要求帯域と当該特定の通信の種別に応じて特定される最低限の帯域である最低帯域とを特定するステップと、(B)特定の通信の要求帯域及び最低帯域のデータと通信相手のデータとを含む通信開始要求を、ネットワークにおける通信を管理するサーバに送信するステップと、(C)サーバから通信開始要求に応じて特定の通信に割り当てられた割当帯域のデータを受信した場合、割当帯域に従って特定の通信において送信されるデータの量を制限するように設定するステップとを含む。
【発明の効果】
【0009】
帯域保証型のネットワークにおいて、要求帯域を確保できない場合であっても適切に通信を開始させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本実施の形態に係るネットワークの概念図である。
【図2】図2は、リソース制御サーバの機能ブロック図である。
【図3】図3は、端末の機能ブロック図である。
【図4】図4は、プロトコルリスト格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図5】図5は、プロトコルリスト格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図6】図6は、プロトコルリスト格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図7】図7は、メディアリスト格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図8】図8は、傾向データ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図9】図9は、リソースデータ格納部に格納されるデータの一例を示す図である。
【図10】図10は、本技術の実施の形態に係るシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図11】図11は、通信を開始する際に行われる処理の処理フローである。
【図12】図12は、IPパケットの構造を説明するための図である。
【図13】図13は、IPパケットの構造を説明するための図である。
【図14】図14は、通信を開始する際に行われる処理の処理フローである。
【図15】図15は、通信を開始する際に行われる処理の処理フローである。
【図16】図16は、割当帯域決定処理の処理フローである。
【図17】図17は、通信を開始する際に行われる処理の処理フローである。
【図18】図18は、通信の開始後に行われる処理の処理フローである。
【図19】図19は、コンピュータの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施の形態に係るネットワーク概念図を図1に示す。本実施の形態においては、エッジルータ71及び73と例えばルータであるノードn1乃至n5とを含むネットワーク12に、リソース制御サーバ(RACF(Resource Access Control Facility)と呼ばれることもある)1とSIP(Session Initiation Protocol)サーバ3と認証サーバ(NACF(Network Attachment Control Functions)と呼ばれることもある)5とが接続されている。ネットワーク12において、エッジルータ71にはノードn1及びn2が接続されている。ノードn1には、ノードn3及びn4が接続されている。ノードn2には、ノードn3及びn5が接続されている。ノードn4及びn5には、エッジルータ73が接続されている。
【0012】
ネットワーク12におけるルーティングは、リソース制御サーバ1、SIPサーバ3及び認証サーバ5により集中制御される。以下では、リソース制御サーバ1、SIPサーバ3、認証サーバ5、エッジルータ71及び73及びノードn1乃至n5を含むネットワークをNGN網と呼ぶ。
【0013】
エッジルータ71には、図示しないUNI(User-Network Interface)等を介してホームゲートウェイ91が接続されている。また、ホームゲートウェイ91には、例えばLAN(Local Area Network)であるネットワーク11を介して端末111乃至115が接続されている。同様に、エッジルータ73には、図示しないUNI等を介してホームゲートウェイ93が接続されている。また、ホームゲートウェイ93には、例えばLANであるネットワーク13を介して端末131乃至135が接続されている。端末111乃至135は、例えば電話機やテレビ、パーソナルコンピュータ(PC)であり、音声データや映像データ、テキストデータ等の様々なデータを取り扱う。
【0014】
図2に、リソース制御サーバ1の機能ブロック図を示す。リソース制御サーバ1は、プロトコルリスト格納部101と、メディアリスト格納部102と、傾向データ格納部103と、リソースデータ格納部104と、受信部105と、送信部106と、割当帯域決定部107と、リソースデータ更新部108とを含む。
【0015】
受信部105及び送信部106は、データの受信及び送信を行う。割当帯域決定部107は、プロトコルリスト格納部101、メディアリスト格納部102及び傾向データ格納部103に格納されているデータに基づき、後で説明する割当帯域決定処理を実施する。リソースデータ更新部108は、リソースデータ格納部104に格納されているデータを更新する。
【0016】
図3に、端末111乃至135の機能ブロック図を示す。端末111乃至135は、ヘッダ情報設定部15を含む。ヘッダ情報設定部15は、帯域や通信種別のデータをヘッダとして通信データに設定する処理等を実施する。なお、本実施の形態においては、端末111乃至135にヘッダ情報設定部15を設けて処理を実施する例を示すが、ヘッダ情報設定部15と同等の機能を有する処理部をホームゲートウェイ91及び93に設けて処理を実施することも可能である。
【0017】
なお、SIPサーバ3、認証サーバ5、エッジルータ71及び73、ノードn1乃至n5は従来のものと同じであるので、ここでは詳しくは述べない。
【0018】
図4乃至図6に、プロトコルリスト格納部101に格納されるデータの一例を示す。図4及び図5の例では、TCPのポート番号の列と、TCPのプロトコル名の列と、NGN ACTION(帯域特定方法)の列とが含まれる。該当するプロトコルが存在しない場合には、TCPプロトコル名に「default」が登録されている行の値を用いる。NGN ACTIONの列には、割り当てる帯域の特定方法を示すデータが格納される。「down」は、最低帯域を割り当てることを示している。「up」は、最低帯域よりも広く且つ確保可能な最も広い帯域を割り当てることを示している。但し、要求帯域を確保可能である場合には要求帯域を割り当てる。なお、最低帯域とは、通信で用いる最低限の帯域(例えば通信品質が確保される最低限の帯域)である。また、要求帯域とは、通信を開始する端末が要求する帯域(例えば、通信を開始する端末のアプリケーションが要求する帯域)である。
【0019】
また、図6の例では、UDPのポート番号の列と、UDPのプロトコル名の列と、NGN ACTIONの列とが含まれる。データフォーマットは図4及び図5と同様である。
【0020】
図7に、メディアリスト格納部102に格納されるデータの一例を示す。図7の例では、メディア名の列と、NGN ACTIONの列とが含まれる。該当するメディアが存在しない場合には、メディア名に「default」が登録されている行の値を用いる。NGN ACTIONの列に登録されるデータについては、図4乃至図6と同様である。
【0021】
図8に、傾向データ格納部103に格納されるデータの一例を示す。図8の例では、時間帯の列と、傾向の列とが含まれる。「busy」は、NGN網における通信データ量が多く、通信データ量を抑制すべき状態にあることを示している。「not busy」は、通信データ量を抑制しなくてもよい状態であることを示している。
【0022】
図9に、リソースデータ格納部104に格納されるデータの一例を示す。図9の例では、区間の列と、帯域幅の列と、使用帯域幅の列と、残余帯域幅の列とが含まれる。このように、リソースデータ格納部にはNGN網におけるエッジルータ間の各パスについてデータが格納されている。リソースデータ格納部104に格納されているデータは、リソースデータ更新部108により、例えば定期的に更新される。
【0023】
図10に、本技術の実施の形態に係るシステムの動作を説明するためのシーケンス図を示す。図10は、発側の端末(例えば端末111)により認証要求がなされてから、発側の端末と着側の端末(例えば端末131)との間で通信データを送受信するまでの一連の動作を説明するものである。
【0024】
まず、発側の端末は、認証サーバ5に対して発側認証要求を送信する(ステップ(1))。認証サーバ5は、発側の端末が正規の端末であるかを確認する。認証が成功すると、認証サーバ5は、認証成功通知を発側の端末に送信する(ステップ(2))。認証成功通知は、発側の端末及びSIPサーバ3のIPアドレスを含む。
【0025】
次に、発側の端末は、通信開始要求をSIPサーバ3に送信する(ステップ(3))。通信開始要求は、最低帯域及び要求帯域のデータ、通信種別データ及び着側の端末のデータ(例えば電話番号)を含む。
【0026】
SIPサーバ3は、通信開始要求を受信すると、着側認証要求を認証サーバ5に送信する(ステップ(4))。認証サーバ5は、着側の端末が正規の端末であるかを確認する。認証が成功すると、認証サーバ5は、認証成功通知をSIPサーバ3に送信する(ステップ(5))。認証成功通知は、着側の端末のIPアドレスを含む。認証サーバ5は、IPアドレスと電話番号等とを対応付けて格納するデータベースを有しており、これを用いてIPアドレスを特定する。
【0027】
次に、SIPサーバ3は、リソース制御サーバ1に帯域割当要求を送信する(ステップ(6))。帯域割当要求は、最低帯域及び要求帯域のデータと、通信種別データと、発側及び着側のIPアドレスとを含む。また、SIPサーバ3は、発側の端末と着側の端末との間の接続を確立する。
【0028】
一方、リソース制御サーバ1は、帯域割当要求を受信すると、割当帯域決定処理を実施する。割当帯域決定処理については、後で詳しく述べる。そして、リソース制御サーバ1は、発側のエッジルータ(例えばエッジルータ71)及び着側のエッジルータ(例えばエッジルータ73)に帯域割当指示を送信する(ステップ(7))。発側及び着側のエッジルータのIPアドレスは、例えばルーティング・テーブルにより特定する。なお、図10では発側及び着側のエッジルータのみを示しているが、通信のパス上のノード(例えばノードn1及びn4)にも帯域割当指示を送信する。そして、発側のエッジルータ及び着側のエッジルータは、通知された割当帯域を超えて通信が行われないよう監視を開始する。
【0029】
そして、リソース制御サーバ1は、通信開始指示を発側及び着側の端末に送信する(ステップ(8))。発側及び着側の端末は、通信を開始する(ステップ(9))。割り当てられた帯域を超えて通信データが送信された場合には、エッジルータが、超過分の通信データを廃棄する(ステップ(10))。
【0030】
次に、図11乃至図18を用いて、図1に示したシステムの処理内容について説明する。まず、図11乃至図17を用いて、通信を開始する際に行われる処理について説明する。ここでは、端末113と端末135とが通信を開始する場合を例にして説明をする。
【0031】
まず、端末113(以下、発側端末と呼ぶ)は、発側認証要求をホームゲートウェイ91(以下、発側ホームゲートウェイと呼ぶ)に送信する(図11:ステップS1)。発側ホームゲートウェイは、発側端末から発側認証要求を受信し、エッジルータ71(以下、発側エッジルータと呼ぶ)に転送する(ステップS3)。また、発側エッジルータは、発側ホームゲートウェイから発側認証要求を受信し、認証サーバ5に転送する(ステップS4)。
【0032】
そして、認証サーバ5は、発側エッジルータから発側認証要求を受信する(ステップS5)。また、認証サーバ5は、認証処理を実施し(ステップS7)、認証処理が成功したか判断する(ステップS8)。認証処理が失敗した場合(ステップS8:Noルート)、認証サーバ5は、切断処理を実施する(ステップS9)。例えば、認証処理が失敗した旨を発側端末に通知する。一方、認証処理が成功した場合(ステップS8:Yesルート)、認証サーバ5は、SIPサーバ3のIPアドレスを含む認証成功通知を発側エッジルータに送信する(ステップS10)。
【0033】
なお、発側認証要求及び認証成功通知には、TCPプロトコル及びUDPプロトコルのどちらを用いてもよい。IPv4(Internet Protocol Version 4)におけるIPパケットの構造を図12及び図13に示す。図12はTCPのデータを含むIPパケットの構造であり、図13はUDPのデータを含むIPパケットの構造である。ステップS10において、SIPサーバ3のIPアドレスは、例えば図12及び図13におけるデータ部に設定される。
【0034】
図11の説明に戻り、発側エッジルータは、認証サーバ5から認証成功通知を受信し、発側ホームゲートウェイに転送する(ステップS11)。また、発側ホームゲートウェイは、発側エッジルータから認証成功通知を受信し、発側端末に転送する(ステップS12)。そして、発側端末は、発側ホームゲートウェイから認証成功通知を受信する(ステップS13)。この後、処理は端子A乃至Dを介して図14の処理に移行する。
【0035】
図14を用いて端子A乃至D以降の処理について説明する。まず、発側端末は、最低帯域及び要求帯域のデータ、通信種別データ及び通信相手である端末135(以下、着側端末と呼ぶ)の識別データ(例えば電話番号等)を含む通信開始要求を発側ホームゲートウェイに送信する(図14:ステップS15)。最低帯域のデータ、要求帯域のデータ及び通信種別データは、UDPパケットのデータ部に設定される。より具体的には、UDPパケットのデータ部にSAP(Session Announcement Protocol)ヘッダを設定し、SAPヘッダに続くテキストペイロードに、SDP(Session Description Protocol)にてデータを設定する。本実施の形態においては、例えば要求帯域を10000Kbps(10Mbps)とする場合には、SDPパラメータbを「b=AS:10000」と設定する。また、例えば最低帯域を128Kbpsとする場合には、SDPパラメータbを「b=X−MN:128」と設定する。また、例えばtelnetでテキストデータの送信を行う場合には、SDPパラメータmを「m=text 23 telnet」と設定する。また、SDPパラメータoには発側端末のIPアドレスを設定し、SDPパラメータcにはSIPサーバ3のIPアドレスを設定する。
【0036】
ステップS15においては、要求帯域のデータは、例えば通信に係るアプリケーションから取得してもよいし、ユーザから入力を受け付けるようにしてもよい。また、最低帯域のデータは、例えば通信の種別毎に最低帯域のデータを格納するデータ格納部から取得してもよいし、ユーザから入力を受け付けるようにしてもよい。
【0037】
次に、発側ホームゲートウェイは、発側端末から通信開始要求を受信し、発側エッジルータに転送する(ステップS17)。発側エッジルータは、発側ホームゲートウェイから通信開始要求を受信し、SIPサーバ3に転送する(ステップS18)。そして、SIPサーバ3は、発側エッジルータから通信開始要求を受信する(ステップS19)。
【0038】
次に、SIPサーバ3は、着側認証要求を認証サーバ5に送信する(ステップS21)。認証サーバ5は、SIPサーバ3から着側認証要求を受信する(ステップS23)。そして、認証サーバ5は、認証処理を実施し(ステップS25)、認証処理が成功したか判断する(ステップS26)。認証処理が失敗した場合(ステップS26:Noルート)、切断処理を実施する(ステップS27)。例えば、認証処理が失敗した旨をSIPサーバ3に通知する。一方、認証処理が成功した場合(ステップS26:Yesルート)、認証サーバ5は、着側端末のIPアドレスを含む認証成功通知をSIPサーバ3に送信する(ステップS28)。そして、SIPサーバ3は、認証サーバ5から認証成功通知を受信する(ステップS29)。この後、処理は端子Eを介して図15のステップS31に移行する。
【0039】
図15を用いて端子E以降の処理について説明する。まず、SIPサーバ3は、ステップS19において受信した最低帯域、要求帯域及び通信種別データを含む帯域割当要求をリソース制御サーバ1に送信する(図15:ステップS31)。この後、SIPサーバ3は、発側端末と着側端末との間の接続を確立する。
【0040】
次に、リソース制御サーバ1の受信部105は、SIPサーバ3から帯域割当要求を受信する(ステップS33)。そして、リソース制御サーバ1の割当帯域決定部107は、割当帯域決定処理を実施する(ステップS35)。
【0041】
割当帯域決定処理については図16を用いて説明する。まず、割当帯域決定部107は、NGN網において通信データ量を抑制すべき状態であるか判定する(図16:ステップS81)。ステップS81において、割当帯域決定部107は、ステップS81の処理時点における通信データ量の状態の傾向を傾向データ格納部103から特定し、判定を行う。又は、リソースデータ格納部104に格納されているデータを用いて、NGN網における通信データ量の状態を表す指標を算出し、判定を行うようにしてもよい。
【0042】
そして、通信データ量を抑制すべき状態であると判定された場合(ステップS81:Yesルート)、割当帯域決定部107は、発側エッジルータと着側エッジルータとの間のパスにおいて確保可能な帯域をリソースデータ格納部104から特定する。そして、割当帯域決定部107は、ステップS33において受信した最低帯域のデータと比較し、最低帯域を確保可能であるか判定する(ステップS85)。最低帯域を確保可能であると判定された場合(ステップS85:Yesルート)、割当帯域決定部107は、最低帯域を割当帯域として決定する(ステップS89)。通信データ量を抑制すべき状態であるときは、要求帯域を確保できるまで時間がかかる可能性があるため、迅速に通信を開始させるものである。
【0043】
一方、最低帯域を確保可能ではないと判定された場合(ステップS85:Noルート)、割当帯域決定部107は、切断処理を実施する(ステップS87)。例えば、リソース制御サーバ1が帯域を割り当てることができない旨をSIPサーバ3に通知し、SIPサーバ3は通信を開始することができない旨を発側及び着側の端末に通知する。
【0044】
一方、通信データ量を抑制すべき状態ではないと判定された場合(ステップS81:Noルート)、割当帯域決定部107は、所定以上の広帯域を確保すべき通信であるか判定する(ステップS83)。ステップS83においては、割当帯域決定部107は、ステップS33において受信した通信種別データ(通信プロトコル又は通信メディアのデータ)に対応するNGN ACTIONをプロトコルリスト格納部101又はメディアリスト格納部102から特定する。そして、NGN ACTIONが「up」であれば所定以上の広帯域を確保すべき通信であると、NGN ACTIONが「down」であれば所定以上の広帯域を確保すべき通信ではないと判定する。
【0045】
そして、所定以上の広帯域を確保すべき通信ではないと判定された場合(ステップS83:Noルート)、ステップS85の処理に移行する。一方、所定以上の広帯域を確保すべき通信であると判定された場合(ステップS83:Yesルート)、割当帯域決定部107は、発側エッジルータと着側エッジルータとの間のパスにおいて確保可能な最も広い帯域をリソースデータ格納部104から特定する(ステップS91)。
【0046】
そして、割当帯域決定部107は、ステップS91において特定された帯域が最低帯域以上であるか判定する(ステップS93)。最低帯域未満であると判定された場合(ステップS93:Noルート)、ステップS87の処理(切断処理)に移行する。
【0047】
一方、最低帯域以上であると判定された場合(ステップS93:Yesルート)、割当帯域決定部107は、ステップS33において受信した要求帯域のデータと比較し、確保可能な最も広い帯域が要求帯域以下であるか判定する(ステップS95)。要求帯域より広いと判定された場合(ステップS95:Noルート)、割当帯域決定部107は、要求帯域を割当帯域として決定する(ステップS97)。一方、要求帯域以下であると判定された場合(ステップS95:Noルート)、割当帯域決定部107は、確保可能な最も広い帯域を割当帯域として決定する(ステップS99)。可能な限り多くのデータを送信するためである。そして、元の処理に戻る。
【0048】
以上のような処理を実施することにより、NGN網における通信データ量及び通信種別に応じて適切な帯域を割り当てることができるようになる。
【0049】
図15の説明に戻り、リソース制御サーバ1の送信部106は、ステップS35において決定された割当帯域のデータを含む帯域割当指示を発側エッジルータ及び着側エッジルータに送信する(ステップS37)。ステップS37においては、通信のパス上における他のノード(ルータ)にも帯域割当指示を送信する。
【0050】
そして、発側及び着側エッジルータは、リソース制御サーバ1から帯域割当指示を受信する(ステップS39及びS41)。また、発側及び着側エッジルータは、通信に割り当てられた帯域を管理するテーブル(図示していない)を更新し、発側端末と着側端末との間の通信速度が割当帯域を超えないように監視する(ステップS43及びS45)。この後、処理は端子F乃至Hを介して図17の処理に移行する。
【0051】
図17を用いて端子F乃至H以降の処理について説明する。リソース制御サーバ1は、ステップS35において決定された割当帯域のデータを含む通信開始指示を発側及び着側エッジルータに送信する(ステップS47)。
【0052】
そして、発側及び着側エッジルータは、リソース制御サーバ1から通信開始指示を受信し、発側及び着側ホームゲートウェイに転送する(ステップS49及びS51)。また、発側及び着側ホームゲートウェイは、発側及び着側エッジルータから通信開始指示を受信し、発側及び着側端末に転送する(ステップS50及びS52)。
【0053】
次に、発側及び着側端末は、発側及び着側ホームゲートウェイから通信開始指示を受信する(ステップS53及びS55)。そして、発側及び着側端末は、通信を開始する(ステップS57及びS59)。ステップS57及びS59においては、割当帯域を超えた通信速度で通信を行わないように、送信するデータの圧縮率の設定を変更する処理等を実施する。
【0054】
以上のような処理を実施することにより、NGN網のような帯域保証型のネットワークにおいて、要求帯域を確保できない場合であっても通信を開始させることができるようになる。
【0055】
次に、図18を用いて、通信を開始した後において行われる処理について説明する。まず、発側端末は、発側ホームゲートウェイに通信データを送信する(ステップS61)。発側ホームゲートウェイは、発側端末から通信データを受信し、発側エッジルータに転送する(ステップS62)。
【0056】
そして、発側エッジルータは、発側ホームゲートウェイから通信データを受信する(ステップS63)。また、発側エッジルータは、割当帯域を管理するテーブルを参照し、割当帯域を超えて通信データを送信しているか判断する(ステップS65)。割当帯域を超えている場合(ステップS65:Yesルート)、発側エッジルータは、超過分の通信データを廃棄する(ステップS67)。
【0057】
一方、割当帯域を超えていない場合(ステップS65:Noルート)、発側エッジルータは、通信データを着側エッジルータに転送する(ステップS69)。そして、着側エッジルータは、発側エッジルータから通信データを受信し、着側ホームゲートウェイに転送する(ステップS71)。なお、ここでは説明を省略するが、着側エッジルータ及びパス上の他のノードにおいても発側エッジルータと同様の処理が行われる。
【0058】
そして、着側ホームゲートウェイは、通信データを着側端末に転送し(ステップS72)、着側端末は、着側ホームゲートウェイから通信データを受信する(ステップS73)。
【0059】
以上のような処理を実施することにより、割り当てた帯域を超えないように通信データ量を制限し、NGN網における通信データ量を適切な状態に維持することができるようになる。
【0060】
以上、本技術の実施の形態を説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明したリソース制御サーバ1及び端末111乃至135の機能ブロック図は必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応するものではない。
【0061】
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、必ずしも上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、処理フローにおいても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
【0062】
また、上で述べた例では、割当帯域決定処理は、ステップS81においてNGN網における通信データ量を抑制すべき状態であるか判定し、ステップS83において広帯域を確保すべき通信であるかを判定している。しかし、ステップS81の処理を省略し、ステップS83以降の処理を実施することも可能である。また、ステップS83においてNGN網における通信データ量を抑制すべき状態であるか判定し、判定結果が肯定的であればステップS91に、判定結果が否定的であればステップS85に移行するようにしても良い。
【0063】
なお、リソース制御サーバ1、SIPサーバ3、認証サーバ5、端末111乃至135は、図19に示すように、メモリ2501(記憶部)とCPU2503(処理部)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。OS及びWebブラウザを含むアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。このようなコンピュータは、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0064】
以上述べた本技術の実施の形態をまとめると以下のようになる。
【0065】
本帯域管理方法は、使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークにおいて通信に割り当てられる帯域を管理するコンピュータにより実行される。そして、本帯域管理方法は、(A)特定の通信で用いる最低限の帯域である最低帯域のデータと特定の通信の要求帯域のデータとを含む帯域割当要求を受信するステップと、(B)時間帯毎にネットワークにおける通信データ量に関するデータを格納する傾向データ格納部又はネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータを格納する帯域データ格納部に格納されているデータに基づき、特定の通信を開始させる時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定する第1判定ステップと、(C)第1判定ステップにおいて所定の状態でないと判定された場合、帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、特定の通信のために確保可能な最も広い帯域を特定し、当該確保可能な最も広い帯域が最低帯域より広いか否か判定する第2判定ステップと、(D)第2判定ステップにおいて最低帯域より広いと判定された場合、第2判定ステップにおいて特定された確保可能な最も広い帯域と要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む帯域割当指示を特定の通信に関連するルータに送信する送信ステップとを含む。
【0066】
これにより、使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワーク(例えばNGN)において、通信データ量を抑制しなくてもよい場合には、最低限の帯域を保証した上で可能な限り広い帯域を割り当てて通信を開始させることができるようになる。
【0067】
また、第1判定ステップにおいて所定の状態であると判定された場合、帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、特定の通信のために最低帯域を確保可能か否かを判定する第3判定ステップと、第3判定ステップにおいて最低帯域を確保可能であると判定された場合、最低帯域のデータを含む帯域割当指示を特定の通信に関連するルータに送信するステップとをさらに含むようにしてもよい。ネットワークにおける通信データ量が多いような場合には、要求帯域を確保できるようになるまで時間がかかる可能性がある。上記のように最低帯域を割り当てれば、迅速に通信を開始させることができるようになる。
【0068】
また、上で述べた帯域割当要求には、特定の通信の通信種別を特定するための通信種別データがさらに含まれるようにしてもよい。そして、第1判定ステップにおいて所定の状態でないと判定された場合には、通信種別データが所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表しているか否か判定する第4判定ステップをさらに含むようにし、第1判定ステップにおいて所定の状態でないと判定され且つ第4判定ステップにおいて通信種別データが所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表していると判定された場合、第2判定ステップを実施するようにしてもよい。通信に必要な帯域が広い場合には、最低帯域を保証した上で可能な限り広い帯域を割り当てるものである。
【0069】
また、第1判定ステップにおいて所定の状態でないと判定され且つ第4判定ステップにおいて通信種別データが所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表していないと判定された場合、第3判定ステップを実施するようにしてもよい。通信に必要な帯域が広くない場合には、最低帯域を確保して迅速に通信を開始させるものである。
【0070】
また、上で述べた通信種別データは、通信プロトコルに関するデータ又は通信メディアに関するデータであってもよい。例えば通信プロトコルがテキストデータ転送プロトコルである場合や通信メディアが電話である場合には、広帯域を確保しなくてもよい通信である。一方、例えば通信プロトコルがマルチメディア通信のプロトコルである場合や通信メディアがビデオである場合には、可能な限り広帯域を確保すべき通信である。
【0071】
また、上で述べた受信ステップにおいて、特定の通信の発信側の端末に接続する発側エッジルータと特定の通信の着信側の端末に接続する着側エッジルータとの間の通信に割り当てられる帯域について帯域割当要求を受信するようにし、上で述べた送信ステップにおいて、少なくとも発側エッジルータ及び着側エッジルータに帯域割当指示を送信するようにしてもよい。少なくともルートの両端で帯域を監視させるためである。
【0072】
本ネットワーク接続方法は、使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークに接続して通信を行うための方法である。そして、本ネットワーク接続方法は、通信要求に応じて、当該通信要求に係る特定の通信の要求帯域と当該特定の通信の種別に応じて特定される最低限の帯域である最低帯域とを特定するステップと、特定の通信の要求帯域及び最低帯域のデータと通信相手のデータとを含む通信開始要求を、ネットワークにおける通信を管理するサーバに送信するステップと、サーバから通信開始要求に応じて特定の通信に割り当てられた割当帯域のデータを受信した場合、割当帯域に従って特定の通信において送信されるデータの量を制限するように設定するステップとを含む。
【0073】
これにより、使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワーク(例えばNGN)において、要求帯域を確保できない場合であっても通信を開始することができるようになる。なお、本ネットワーク接続方法は、例えば通信を行う端末や通信を行う端末に接続されるホームゲートウェイ等により実行させることができる。
【0074】
なお、上記方法による処理をコンピュータに行わせるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又は記憶装置に格納される。尚、中間的な処理結果はメインメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【0075】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0076】
(付記1)
使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークにおいて前記通信に割り当てられる帯域を管理するコンピュータにより実行される帯域管理方法であって、
特定の通信で用いる最低限の帯域である最低帯域のデータと前記特定の通信の要求帯域のデータとを含む帯域割当要求を受信するステップと、
時間帯毎に前記ネットワークにおける通信データ量に関するデータを格納する傾向データ格納部又は前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータを格納する帯域データ格納部に格納されているデータに基づき、前記特定の通信を開始させる時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定された場合、前記帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、前記特定の通信のために確保可能な最も広い帯域を特定し、当該確保可能な最も広い帯域が前記最低帯域より広いか否か判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップにおいて前記最低帯域より広いと判定された場合、前記第2判定ステップにおいて特定された前記確保可能な最も広い帯域と前記要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む帯域割当指示を前記特定の通信に関連するルータに送信する送信ステップと、
を含む帯域管理方法。
【0077】
(付記2)
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態であると判定された場合、前記帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、前記特定の通信のために前記最低帯域を確保可能か否かを判定する第3判定ステップと、
前記第3判定ステップにおいて前記最低帯域を確保可能であると判定された場合、前記最低帯域のデータを含む帯域割当指示を前記特定の通信に関連するルータに送信するステップと、
をさらに含む付記1記載の帯域管理方法。
【0078】
(付記3)
前記帯域割当要求には、前記特定の通信の通信種別を特定するための通信種別データがさらに含まれ、
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定された場合には、前記通信種別データが所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表しているか否か判定する第4判定ステップ
をさらに含み、
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定され且つ前記第4判定ステップにおいて前記通信種別データが前記所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表していると判定された場合、前記第2判定ステップを実施する
ことを特徴とする付記1又は2記載の帯域管理方法。
【0079】
(付記4)
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定され且つ前記第4判定ステップにおいて前記通信種別データが前記所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表していないと判定された場合、前記第3判定ステップを実施する
ことを特徴とする付記3記載の帯域管理方法。
【0080】
(付記5)
前記通信種別データは、通信プロトコルに関するデータ又は通信メディアに関するデータである
ことを特徴とする付記3又は4記載の帯域管理方法。
【0081】
(付記6)
前記受信ステップにおいて、前記特定の通信の発信側の端末に接続する発側エッジルータと前記特定の通信の着信側の端末に接続する着側エッジルータとの間の通信に割り当てられる帯域について前記帯域割当要求を受信し、
前記送信ステップにおいて、少なくとも前記発側エッジルータ及び前記着側エッジルータに前記帯域割当指示を送信する
ことを特徴とする付記1乃至5いずれか1つ記載の帯域管理方法。
【0082】
(付記7)
使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークに接続して通信を行うためのプログラムであって、
通信要求に応じて、当該通信要求に係る特定の通信の要求帯域と当該特定の通信の種別に応じて特定される最低限の帯域である最低帯域とを特定するステップと、
前記特定の通信の要求帯域及び最低帯域のデータと通信相手のデータとを含む通信開始要求を、前記ネットワークにおける通信を管理するサーバに送信するステップと、
前記サーバから前記通信開始要求に応じて前記特定の通信に割り当てられた割当帯域のデータを受信した場合、前記割当帯域に従って前記特定の通信において送信されるデータの量を制限するように設定するステップと、
を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【0083】
(付記8)
使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークにおいて前記通信に割り当てられる帯域を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
特定の通信で用いる最低限の帯域である最低帯域のデータと前記特定の通信の要求帯域のデータとを含む帯域割当要求を受信するステップと、
時間帯毎に前記ネットワークにおける通信データ量に関するデータを格納する傾向データ格納部又は前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータを格納する帯域データ格納部に格納されているデータに基づき、前記特定の通信を開始させる時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定された場合、前記帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、前記特定の通信のために確保可能な最も広い帯域を特定し、当該確保可能な最も広い帯域が前記最低帯域より広いか否か判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップにおいて前記最低帯域より広いと判定された場合、前記第2判定ステップにおいて特定された前記確保可能な最も広い帯域と前記要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む帯域割当指示を前記特定の通信に関連するルータに送信する送信ステップと、
を、前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【0084】
(付記9)
使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークにおいて前記通信に割り当てられる帯域を管理する帯域管理装置であって、
特定の通信で用いる最低限の帯域である最低帯域のデータと前記特定の通信の要求帯域のデータとを含む帯域割当要求を受信する受信部と、
時間帯毎に前記ネットワークにおける通信データ量に関するデータを格納する傾向データ格納部又は前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータを格納する帯域データ格納部に格納されているデータに基づき、前記特定の通信を開始させる時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定し、前記所定の状態でないと判定された場合、前記帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、前記特定の通信のために確保可能な最も広い帯域を特定し、当該確保可能な最も広い帯域が前記最低帯域より広いか否か判定する判定部と、
前記判定部により前記最低帯域より広いと判定された場合、前記判定部により特定された前記確保可能な最も広い帯域と前記要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む帯域割当指示を前記特定の通信に関連するルータに送信する送信部と、
を有する帯域管理装置。
【符号の説明】
【0085】
1 リソース制御サーバ 3 SIPサーバ
5 認証サーバ 71,73 エッジルータ
91,93 ホームゲートウェイ 11,12,13 ネットワーク
111,113,115,131,133,135 端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークにおいて前記通信に割り当てられる帯域を管理するコンピュータにより実行される帯域管理方法であって、
特定の通信で用いる最低限の帯域である最低帯域のデータと前記特定の通信の要求帯域のデータとを含む帯域割当要求を受信するステップと、
時間帯毎に前記ネットワークにおける通信データ量に関するデータを格納する傾向データ格納部又は前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータを格納する帯域データ格納部に格納されているデータに基づき、前記特定の通信を開始させる時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定された場合、前記帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、前記特定の通信のために確保可能な最も広い帯域を特定し、当該確保可能な最も広い帯域が前記最低帯域より広いか否か判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップにおいて前記最低帯域より広いと判定された場合、前記第2判定ステップにおいて特定された前記確保可能な最も広い帯域と前記要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む帯域割当指示を前記特定の通信に関連するルータに送信する送信ステップと、
を含む帯域管理方法。
【請求項2】
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態であると判定された場合、前記帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、前記特定の通信のために前記最低帯域を確保可能か否かを判定する第3判定ステップと、
前記第3判定ステップにおいて前記最低帯域を確保可能であると判定された場合、前記最低帯域のデータを含む帯域割当指示を前記特定の通信に関連するルータに送信するステップと、
をさらに含む請求項1記載の帯域管理方法。
【請求項3】
前記帯域割当要求には、前記特定の通信の通信種別を特定するための通信種別データがさらに含まれ、
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定された場合には、前記通信種別データが所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表しているか否か判定する第4判定ステップ
をさらに含み、
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定され且つ前記第4判定ステップにおいて前記通信種別データが前記所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表していると判定された場合、前記第2判定ステップを実施する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の帯域管理方法。
【請求項4】
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定され且つ前記第4判定ステップにおいて前記通信種別データが前記所定以上の帯域を確保すべき通信種別であることを表していないと判定された場合、前記第3判定ステップを実施する
ことを特徴とする請求項3記載の帯域管理方法。
【請求項5】
前記通信種別データは、通信プロトコルに関するデータ又は通信メディアに関するデータである
ことを特徴とする請求項3又は4記載の帯域管理方法。
【請求項6】
前記受信ステップにおいて、前記特定の通信の発信側の端末に接続する発側エッジルータと前記特定の通信の着信側の端末に接続する着側エッジルータとの間の通信に割り当てられる帯域について前記帯域割当要求を受信し、
前記送信ステップにおいて、少なくとも前記発側エッジルータ及び前記着側エッジルータに前記帯域割当指示を送信する
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1つ記載の帯域管理方法。
【請求項7】
使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークに接続して通信を行うためのプログラムであって、
通信要求に応じて、当該通信要求に係る特定の通信の要求帯域と当該特定の通信の種別に応じて特定される最低限の帯域である最低帯域とを特定するステップと、
前記特定の通信の要求帯域及び最低帯域のデータと通信相手のデータとを含む通信開始要求を、前記ネットワークにおける通信を管理するサーバに送信するステップと、
前記サーバから前記通信開始要求に応じて前記特定の通信に割り当てられた割当帯域のデータを受信した場合、前記割当帯域に従って前記特定の通信において送信されるデータの量を制限するように設定するステップと、
を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークにおいて前記通信に割り当てられる帯域を管理するコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
特定の通信で用いる最低限の帯域である最低帯域のデータと前記特定の通信の要求帯域のデータとを含む帯域割当要求を受信するステップと、
時間帯毎に前記ネットワークにおける通信データ量に関するデータを格納する傾向データ格納部又は前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータを格納する帯域データ格納部に格納されているデータに基づき、前記特定の通信を開始させる時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定する第1判定ステップと、
前記第1判定ステップにおいて前記所定の状態でないと判定された場合、前記帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、前記特定の通信のために確保可能な最も広い帯域を特定し、当該確保可能な最も広い帯域が前記最低帯域より広いか否か判定する第2判定ステップと、
前記第2判定ステップにおいて前記最低帯域より広いと判定された場合、前記第2判定ステップにおいて特定された前記確保可能な最も広い帯域と前記要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む帯域割当指示を前記特定の通信に関連するルータに送信する送信ステップと、
を、前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
使用する帯域を確保した上で通信を開始させるネットワークにおいて前記通信に割り当てられる帯域を管理する帯域管理装置であって、
特定の通信で用いる最低限の帯域である最低帯域のデータと前記特定の通信の要求帯域のデータとを含む帯域割当要求を受信する受信部と、
時間帯毎に前記ネットワークにおける通信データ量に関するデータを格納する傾向データ格納部又は前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータを格納する帯域データ格納部に格納されているデータに基づき、前記特定の通信を開始させる時点において通信データ量を抑制すべき所定の状態であるか否か判定し、前記所定の状態でないと判定された場合、前記帯域データ格納部に格納されている、前記ネットワークの各パスにおける使用帯域幅に関するデータに基づき、前記特定の通信のために確保可能な最も広い帯域を特定し、当該確保可能な最も広い帯域が前記最低帯域より広いか否か判定する判定部と、
前記判定部により前記最低帯域より広いと判定された場合、前記判定部により特定された前記確保可能な最も広い帯域と前記要求帯域とのうち狭い方の帯域のデータを含む帯域割当指示を前記特定の通信に関連するルータに送信する送信部と、
を有する帯域管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−188443(P2011−188443A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54569(P2010−54569)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】