説明

帳票処理装置

【課題】複数の帳票についての印字等を行う際に、先に挿入された帳票を排出する前に別の帳票を挿入させるための手段を提供する。
【解決手段】挿入口2に挿入された帳票を搬送する挿入帳票搬送路4と帳票を排出口3へ搬送する排出帳票搬送路12と挿入帳票搬送路4の終端および排出帳票搬送路13の始端に接続して印字部8を配した処理搬送路7とを有し、複数の帳票に印字を行う場合先に挿入させる帳票は処理搬送路7に搬送して印字部8による印字を行ってから、排出帳票搬送路13により排出口3へ搬送し、次に印字を行う帳票は先の帳票を処理搬送路7に搬送したときに挿入口2に挿入させ、先の帳票が排出帳票搬送路13に入り込んだときに、挿入帳票搬送路4から処理搬送路7に搬送し、印字部8により印字を行って排出帳票搬送路12により排出口3に搬送することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関の窓口等に設置され、内蔵のプリンタにより帳票への記帳を行い、帳票を処理する帳票処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の帳票処理装置は、預金通帳や証書が挿入される挿入口と、伝票が挿入される挿入口とが設けられており、係員が記帳を行う帳票の種類に応じた挿入口に帳票を挿入すると、帳票を搬送路に取り込んで印字部に搬送し、印字部で帳票を印字した後、搬送方向を反転させて帳票を挿入口から排出している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−5648号公報(段落「0014」−段落「0016」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術においては、帳票の挿入と排出が同一の挿入口であるために、処理を行う帳票が複数あるときに、挿入口に挿入した帳票の処理を完了し排出するまで、次の帳票を挿入することができず処理に時間が掛かっていた。また通常の業務においては1回の取引で帳票を複数回挿入することがあり、帳票の挿入回数が増える分業務効率が悪くなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点を解決するための手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、挿入口に挿入された帳票を搬送する挿入帳票搬送路と、帳票を排出口へ搬送する排出帳票搬送路と、前記挿入帳票搬送路の終端および前記排出帳票搬送路の始端に接続して途中に帳票への印字を行う印字部を配した処理搬送路とを有する帳票処理装置であって、複数の帳票に印字を行う場合に、先に挿入させる帳票は、前記処理搬送路に搬送して前記印字部による印字を行ってから、前記排出帳票搬送路に搬送して前記排出口から排出し、次に印字を行う帳票は、前記先の帳票を前記処理搬送路に搬送したときに前記挿入口に挿入させ、前記先の帳票が前記排出帳票搬送路に入り込んだときに、前記挿入帳票搬送路から前記処理搬送路に搬送し、前記印字部により印字を行って前記排出帳票搬送路により前記排出口に搬送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
これにより、本発明は、先に挿入した帳票が排出される前に、次の帳票を挿入することができるので、処理の高速化を図ることができ、業務効率が向上するという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の帳票処理装置の内部構造を示す説明図
【図2】実施例1の帳票処理装置を含む窓口システムを示す構成図
【図3】通帳の位置に合わせて動作する第1搬送切替ブレードを示す説明図
【図4】途中で繰越動作を行う場合の通帳搬送を示す説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、図面を参照して本発明による帳票処理装置の実施例について説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は実施例1の帳票処理装置の内部構造を示す側面図、図2は実施例1の帳票処理装置を含む窓口システムを示す構成図である。
【0011】
図1において、1は帳票処理装置であり、金融機関の窓口等に設置された事務机に内蔵され、図2に示すように窓口端末30と接続して窓口端末30からの印字指示に従って帳票への印字処理を行う。
【0012】
2は挿入口であり、事務机の筆記面(上面)で開口するように設けられ、挿入される通帳を受け入れる。また挿入口2には挿入口2を開閉する挿入口シャッタ2aが設けられている。
【0013】
3は排出口であり、挿入口2よりも奥側で事務机の筆記面で開口し、挿入されて処理が完了した帳票を排出する。
【0014】
4は挿入帳票搬送路であり、挿入口2に挿入された帳票を搬送する機能を有する。
【0015】
5は挿入帳票リード部(読取部)であり、挿入帳票搬送路4の途中に配され、帳票としての通帳に設けられた磁気ストライプを読み取る機能を有する。
【0016】
6は第1バーコードリーダ部であり、挿入帳票搬送路4の途中に配され、帳票に印字されたバーコードを読み取る機能を有する。
【0017】
7は処理搬送路であり、印字部8、第2バーコードリーダ部9を途中に配し、突き当りに頁めくり部10を配しており、そのため印字部8、第2バーコードリーダ部9、頁めくり部10を実装するのに必要な長さであって、帳票を正逆方向に搬送可能に構成される。
【0018】
また、図1に示すように処理搬送路7は、挿入帳票搬送路4の終端及び排出帳票搬送路12の始端と接続した形状であって、その接続した箇所に第1搬送切替ブレード11を配し、その第1搬送切替ブレード11を帳票の搬送方向に合わせて向きを切り替える仕組みとなっている。
【0019】
印字部8は、印字ヘッドやプラテンを備えて帳票への印字処理を実行する機能を有する。
【0020】
第2バーコードリーダ部9は、第1バーコードリーダ部6と同様にバーコードを読み取る機能を有し、特に印字部8でバーコードが印字されたときに、そのバーコードが読み取れる状態であることを確認する。
【0021】
頁めくり部10は、通帳等の冊子状となっている帳票の頁をめくるための機構によって構成されている。
【0022】
12は排出帳票搬送路であり、排出口3から処理搬送路7にかけて設けられ、処理搬送路7から搬送されてきた帳票を排出口3に搬送する。
【0023】
13は排出帳票リードライト部(無効部)であり、排出帳票搬送路12の途中に配され、帳票としての通帳に設けられた磁気ストライプを読み取る機能を有する他、磁気ストライプに情報を書き込んで記録する機能を有する。
【0024】
14は第2搬送切替ブレードであり、帳票を排出口3に搬送する搬送方向に沿う排出帳票リードライト部13の上流側に配され、帳票が退避搬送路16に向かうように搬送方向を切り替える。
【0025】
退避搬送路16は、排出帳票搬送路12から分岐し、帳票の表面に当接するローラと裏面に当接するローラとの間で帳票を挟持搬送して一時的に退避させておくための搬送路であり、帳票を排出帳票搬送路12から退避させることができる長さで、かつ搬送されてくる帳票よりも短い長さとなるように形成される。
【0026】
退避搬送路16を帳票よりも短くしたことにより、帳票を退避させたときその帳票の一部が退避搬送路16からはみ出して垂れ下がった状態となる。
【0027】
20は制御部であり、記憶部21に格納された制御プログラムに従って帳票処理装置の各部を制御して、帳票処理を遂行する。
【0028】
21は記憶部であり、制御部20が遂行する制御プログラムを格納する他、制御部20による処理結果等を記憶する。
【0029】
なお、上記の挿入帳票搬送路4、排出帳票搬送路12、退避搬送路16は、帳票を正逆方向に搬送可能な構成となっており、また各搬送路に図示しない帳票検出センサが複数配され、これにより制御部20が帳票の位置を認識することができる。
【0030】
また、挿入帳票搬送路4、排出帳票搬送路12、退避搬送路16の各搬送路は、それぞれ独立制御できる駆動モータによって動作するようになっている。
【0031】
また、挿入帳票搬送路4の長さは、取扱う帳票の内、搬送方向に沿う辺の長さが最も長い帳票を待機させるために十分な長さ、つまり取扱う帳票の搬送方向の辺よりも長い長さとしている。
【0032】
排出帳票搬送路12における第2搬送切替ブレード14から排出口3までの長さは、取扱う帳票の内、搬送方向に沿う辺の長さが最も長い帳票よりも長い長さとする。
【0033】
図2において、30は窓口端末であり、金融機関の窓口に設置され、CRTやLCD等の表示画面と、キーボードやマウス等の入力手段を備え、窓口係員に対して窓口での各種取引処理のための誘導画面を表示し、窓口係員による入力を受け付けて窓口取引の処理を行う。
【0034】
32はホストコンピュータであり、金融機関のセンタに設置され、店舗に設置されている窓口端末30と専用回線や電話回線等の通信回線を介して接続しており、顧客の口座の口座番号やその暗証番号、口座残高等の顧客情報を保有して顧客の口座を管理する。
【0035】
上述した構成の作用について、特に通帳の印字を行った直後に伝票の印字を行う場合の処理について説明する。
【0036】
係員が窓口端末30の入力手段によって通帳および伝票への印字内容を示す印字内容情報を入力すると共に、印字処理のための指示入力を行うと、窓口端末30は印字内容情報を付した印字指示を帳票処理装置1へと送信し、最初に挿入口2へ通帳を挿入するように促す画面を表示画面に表示する。
【0037】
帳票処理装置1の制御部20は、受信した印字指示の印字内容情報を記憶部21に記憶し、挿入口シャッタ2aを開放する。
【0038】
そして、係員は印字を開始する箇所となる頁を開いた通帳を挿入口2に挿入する。
【0039】
制御部20は、通帳が挿入されたことを、図示しない帳票検出センサによって認識すると、挿入口シャッタ2aを閉じる。
【0040】
ここで、図3は通帳の位置に合わせて動作する第1搬送切替ブレードを示す説明図であり、(a)は挿入帳票搬送路4から処理搬送路7に向かって通帳を搬送する様子、(b)は通帳が処理搬送路7に入り込んだ様子、(c)は処理搬送路7から排出帳票搬送路12に向かって通帳を搬送する様子、(d)は通帳の後に挿入された伝票を処理搬送路7に搬送した様子、(e)は伝票を処理搬送路7から排出帳票搬送路12に向かって搬送する様子を示している。
【0041】
制御部20は、図3(a)に示すように挿入帳票搬送路4から処理搬送路7に向かうように第1搬送切替ブレード11の向きを調整した上で、挿入された通帳の搬送を開始する。
【0042】
制御部20は、通帳を挿入帳票リード部5に搬送し、挿入帳票リード部5によって通帳の磁気ストライプから、通帳の印字を開始する頁と開始行等の印字開始位置情報を読み取り、次に第1バーコードリーダ部6によって通帳の開いてある頁を認識し、その通帳の頁と印字開始位置情報の頁とが一致しているのを確認し、読み取った印字開始位置情報を記憶部21に記憶して通帳を処理搬送路7へ搬送する。
【0043】
なお、通帳の頁と印字開始位置情報の頁とが不一致のときは、挿入帳票搬送路4による搬送方向を逆転させて通帳を挿入口2から排出して係員に返却する。
【0044】
制御部20は、搬送している通帳の後端が挿入帳票搬送路4を通過し、当該通帳が処理搬送路7に入り込んだことを図示しない帳票検出センサによって認識すると、図3(b)に示すように第1搬送切替ブレード11の向きを切り替える。
【0045】
これにより、処理搬送路7と排出帳票搬送路12間で通帳が搬送されるように、両搬送路が繋がる。
【0046】
制御部20は、記憶部21から印字開始位置情報を読み出し、その印字開始位置情報の開始行に印字部8の印字ヘッドを合わせるように処理搬送路7によって通帳を搬送して位置させ、印字部8による印字を開始する。
【0047】
なお、制御部20は印字開始位置情報をもとに通帳への印字可能な残り行数と、印字内容情報に基づく通帳への印字行数とを比較し、当該通帳に全て印字できることを確認しておく。
【0048】
ここで、印字する内容は、上記で記憶した通帳への印字内容情報に基づく内容であって、印字の途中で通帳の頁の最終行まで印字を行った場合は、印字を一時中断して頁めくり部10へ通帳を搬送し、頁めくり部10で頁をめくった通帳を第2バーコードリーダ部9に搬送すると共にめくった頁のバーコードを第2バーコードリーダ部9によって読み取って、その頁の正当性を確認し、再び印字部8に搬送して印字を再開する。
【0049】
なお、通帳が完全に処理搬送路7内に入り込んだとき、制御部20は挿入口シャッタ2aを開放し、挿入口2へ新たに帳票を挿入可能な状態である旨の通知を窓口端末30に送信することで、窓口端末30の表示画面に帳票を挿入口2に挿入するように促す画面を表示させる。
【0050】
係員は挿入口2に新たに伝票を挿入する。
【0051】
制御部20は、挿入帳票搬送路4によって伝票を第1搬送切替ブレード11の手前まで搬送しておき、上記した通帳の印字完了後、図3(c)に示すように処理搬送路7から排出帳票搬送路12へと通帳を搬送し、排出帳票搬送路12によって通帳を排出帳票リードライト部13に搬送する。
【0052】
そして、制御部20は、印字処理の結果等に応じ、更新する所要の情報を排出帳票リードライト部13によって通帳の磁気ストライプに書き込み、書き込みが完了した後、排出口4から通帳を排出する。
【0053】
一方、通帳が排出帳票搬送路12に完全に入ったとき、即ち通帳が処理搬送路7を抜けたタイミングで制御部20は図3(d)に示すように第1搬送切替ブレード11を上述した通帳を処理搬送路7に搬送するときと同じ向きに切り替え、挿入帳票搬送路4内の伝票を処理搬送路7に搬送する。
【0054】
そして、通帳排出後、制御部20は伝票を印字部8に搬送し、上述の記憶部21に記憶した伝票への印字内容情報に基づき、印字部8によって伝票に印字を行う。
【0055】
なお、このときも挿入帳票搬送路4に帳票が存在していない状態であり、例えば記憶している印字内容情報において、さらに別の伝票への印字内容情報がある場合には、上記と同様に挿入口シャッタ2aを開放して新たに伝票を挿入させるようにする。
【0056】
制御部20は、伝票印字が完了すると、図3(e)に示すように、通帳を処理搬送路7から排出帳票搬送路12に搬送したときと同じ向きになるように第1搬送切替ブレード11の向きを切り替え、処理搬送路7から排出帳票搬送路12を経由して伝票を排出口3へ搬送して排出し、印字処理を終了する。
【0057】
次に印字処理の途中で、通帳の繰越動作を行う場合について説明する。
【0058】
なお、最初に挿入された通帳を旧通帳、新たに発行する通帳を新通帳として区別する。
【0059】
ここで、図4は途中で繰越動作を行う場合の通帳搬送を示す説明図であり、(a)は挿入帳票搬送路4から処理搬送路7に向かって旧通帳を搬送する様子、(b)は旧通帳が処理搬送路7に入り込んだ様子、(c)は退避搬送路16に旧通帳を搬送して新通帳を処理搬送路7に搬送した様子、(d)は新通帳を排出帳票搬送路12によって搬送している様子、(e)は伝票を挿入帳票搬送路4に待機させて旧通帳を処理搬送路7に搬送した様子を示している。
【0060】
帳票処理装置1の制御部20は、上述したように窓口端末30から受信した印字指示の印字内容情報を記憶部21に記憶し、旧通帳を挿入帳票搬送路4によって挿入帳票リード部5に搬送し、旧通帳の磁気ストライプから印字開始位置情報を読み取り、読み取った印字開始位置情報を記憶部21に記憶して旧通帳を図4(a)に示すように処理搬送路7へ搬送し、図4(b)に示すように前記印字開始位置情報の開始行を印字部8の印字ヘッドの位置に合わせるように搬送している通帳を位置させる。
【0061】
また、制御部20は、印字開始位置情報から通帳の残りの印字可能行数Npを特定すると共に、記憶した印字内容情報に基づく今回新たに印字する行数Nhを特定し、印字可能行数Npと新たに印字する行数Nhとから、繰越が必要になるか否かを判断する。
【0062】
つまり、印字可能行数Npから新たに印字する行数Nhを差し引いた値を算出し、その値が負の値である場合には新通帳への繰越が必要と判断する。
【0063】
ここでは、新通帳への繰越が必要と判断したものとして説明する。
【0064】
制御部20は、窓口端末30に新通帳の挿入を促す電文を送信し、挿入口シャッタ2aを開放する。
【0065】
窓口端末30は電文を受信すると表示画面に新通帳の挿入を促す画面を表示し、これにより係員が新通帳を挿入口2に挿入する。
【0066】
制御部20は、新通帳が挿入口2に挿入されたことを図示しない帳票検出センサで認識すると、挿入口シャッタ2aを閉じてから新通帳を第1搬送切替ブレード11の手前まで搬送して待機させる。
【0067】
一方、制御部20は、旧通帳が処理搬送路7に入り込んだことを図示しない帳票検出センサによって認識すると、第1搬送切替ブレード11の向きを切り替える。
【0068】
これにより、挿入帳票搬送路4が第1搬送切替ブレード11により遮られた状態になり、処理搬送路7と排出帳票搬送路12間で旧通帳が搬送されるように、両搬送路が繋がる。
【0069】
制御部20は、最終頁/最終行まで印字した旧通帳を処理搬送路7から排出帳票搬送路12へと搬送し、その際に予め第2搬送切替ブレード14を排出帳票搬送路12に入り込んできた旧通帳が退避搬送路16に向かうように向けておき、排出帳票搬送路12に入り込んできた旧通帳を退避搬送路16へと導いて待機させる。
【0070】
そして第2搬送切替ブレード14の向きを切り替えることで、後述の新通帳を排出帳票搬送路12に搬送したときに、退避搬送路16に入り込むのを防ぐようにする。
【0071】
制御部20は、第1搬送切替ブレード11の向きを切り替えることで、挿入帳票搬送路4から処理搬送路7に向かって新通帳を搬送可能な状態にし、図4(c)に示すように挿入帳票搬送路4から処理搬送路7に新通帳を搬送し、印字部8によって新通帳の表紙に顧客名や口座番号等を印字する。
【0072】
なお、新通帳が完全に処理搬送路7内に入り込んだタイミングに合わせて、制御部20は、後で処理搬送路7から搬送する新通帳が排出帳票搬送路12に向かうように第1搬送切替ブレード11の向きを切り替えておく。
【0073】
制御部20は、新通帳を頁めくり部10へと搬送して頁めくり部10によって印字を開始する頁を開き、再び新通帳を印字部8に搬送して旧通帳に印字できなかった取引内容を、新通帳に印字する。
【0074】
新通帳の印字完了後、制御部20は図4(d)に示すように新通帳を処理搬送路7から、排出帳票搬送路12中の排出帳票リードライト部13に搬送し、排出帳票リードライト部13によって排出帳票搬送路12に搬送した新通帳の磁気ストライプに所要の情報を書き込み、排出口3から新通帳を排出する。
【0075】
このとき新通帳が排出帳票搬送路12内に完全に入ったタイミングで、第2搬送切替ブレード14の向きを切り替えてから、図4(e)に示すように退避搬送路16で待機している旧通帳を処理搬送路7に搬送する。
【0076】
そして、新通帳排出後、制御部20は、使用済みとなった旧通帳の表紙に「繰越済み」または「相済」印字を行い、旧通帳を処理搬送路7から排出帳票搬送路12の排出帳票リードライト部13に搬送し、排出帳票リードライト部13によって旧通帳の磁気ストライプに記録された情報を抹消する等の磁気ストライプに記録された情報を無効にするための処理を行う。
【0077】
そして、磁気ストライプの情報を抹消した旧通帳を排出口3から排出する。
【0078】
なお、新通帳を排出して旧通帳を排出帳票搬送路12に搬送したときに、挿入口2に伝票を挿入させ、挿入された伝票の印字処理を行うが、上述した通帳の印字を行った直後に伝票の印字を行う場合の処理における伝票の印字と同様に処理を行うため、その説明を省略する。
【0079】
以上説明したように、本実施例では、挿入口と排出口を設けてさらに挿入口に挿入された帳票を搬送する挿入帳票搬送路とは別に排出口に帳票を搬送する排出帳票搬送路を設けることで、通帳を挿入した後で伝票を挿入する場合に、通帳の印字を行っている間に伝票を挿入させると共に、伝票を挿入帳票搬送路に待機させ、印字が終わった通帳を排出帳票搬送路によって搬送しているときに、伝票を印字部へと搬送することができるので処理の高速化を図ることができ、業務効率が向上するという効果が得られる。
【0080】
また、退避搬送路を設けたことにより、通帳の繰越動作を行う場合に旧通帳を退避搬送路に退避させた上で、新通帳への印字を行うことができるので、最終頁/最終行までの印字が済んだ旧通帳を一端排出し、新通帳への印字が済んでから再び旧通帳を挿入させることなく、旧通帳と新通帳をそれぞれ一回挿入すれば印字処理が済むようになるため、処理の高速化を図り、業務効率を向上させることができる。
【0081】
さらに、退避搬送路の長さを通帳の長さよりも短い長さとすることにより、退避搬送路から通帳の一部が垂れ下がる状態のまま通帳を退避させることができるので、通帳全体を退避搬送路で支える場合と比較して退避搬送路に用いるスペースが短くなり、装置の小型化を図ることができるという効果が得られる。
【0082】
加えて、挿入口に挿入口シャッタを設けたことにより、通帳の挿入後に伝票を挿入する場合に通帳を処理搬送路に搬送する前に係員が誤って伝票を挿入してしまうことを防止することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 帳票処理装置
2 挿入口
2a 挿入口シャッタ
3 排出口
4 挿入帳票搬送路
5 挿入帳票リード部
6 第1バーコードリーダ部
7 処理搬送路
8 印字部
9 第2バーコードリーダ部
10 頁めくり部
11 第1搬送切替ブレード
12 排出帳票搬送路
13 排出帳票リードライト部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入口に挿入された帳票を搬送する挿入帳票搬送路と、帳票を排出口へ搬送する排出帳票搬送路と、前記挿入帳票搬送路の終端および前記排出帳票搬送路の始端に接続して途中に帳票への印字を行う印字部を配した処理搬送路とを有する帳票処理装置であって、
複数の帳票に印字を行う場合に、先に挿入させる帳票は、前記処理搬送路に搬送して前記印字部による印字を行ってから、前記排出帳票搬送路に搬送して前記排出口から排出し、
次に印字を行う帳票は、前記先の帳票を前記処理搬送路に搬送したときに前記挿入口に挿入させ、前記先の帳票が前記排出帳票搬送路に入り込んだときに、前記挿入帳票搬送路から前記処理搬送路に搬送し、前記印字部により印字を行って前記排出帳票搬送路により前記排出口に搬送することを特徴とする帳票処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の帳票処理装置において、
該排出帳票搬送路から分岐した退避搬送路を設け、
帳票としての通帳の繰越動作を行う場合、最後の頁まで印字を行った通帳を前記退避搬送路に搬送して待機させ、その間に新たな通帳を前記挿入口に挿入させてその新たな通帳への印字が終了して前記排出口から排出した後、前記退避搬送路に待機させていた前記通帳を前記排出口から排出することを特徴とする帳票処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の帳票処理装置において、
前記退避搬送路の長さを、通帳の長さよりも短い長さで形成することを特徴とする帳票処理装置。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の帳票処理装置において、
挿入された帳票の磁気ストライプから情報を読み取るための読取部を前記挿入帳票搬送路に設け、
帳票としての通帳の繰越動作により、使用済みとなった通帳の磁気ストライプの情報を無効にする処理を行う処理部を前記排出帳票搬送路に設けたことを特徴とする帳票処理装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3または請求項4に記載の帳票処理装置において、
挿入された帳票のバーコードを読み取るためのバーコードリーダを前記挿入帳票搬送路に設け、前記印字部によって印字されたバーコードを読み取るためのバーコードリーダを前記処理搬送路に設けたことを特徴とする帳票処理装置。
【請求項6】
請求項1〜請求項4または請求項5に記載の帳票処理装置において、
前記挿入口に挿入口シャッタを設け、前記挿入帳票搬送路から前記処理搬送路に帳票が搬送されたときに、前記挿入口シャッタを開放することを特徴とする帳票処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−79153(P2011−79153A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−231204(P2009−231204)
【出願日】平成21年10月5日(2009.10.5)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【出願人】(591089556)株式会社 沖情報システムズ (276)
【Fターム(参考)】