帳票定義装置、帳票定義方法、プログラム及び記録媒体
【課題】処理領域の自動分類、グループ化を適切に行い、帳票定義をできるだけ省力化することができる帳票定義装置を提供する。
【解決手段】帳票情報を定義する帳票定義装置1において、入力された帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出する処理領域検出部21と、検出された各処理領域のサイズの類似性、各処理領域の上下左右への接続状況、及び各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類する処理領域グルーピング作成部22と、入力部からの入力情報基づいて同一のグループに分類された処理領域を選択するグループ選択I/F部24と、選択されたグループの設定情報を一括して定義するグループ情報定義部25とを備えるようにした。
【解決手段】帳票情報を定義する帳票定義装置1において、入力された帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出する処理領域検出部21と、検出された各処理領域のサイズの類似性、各処理領域の上下左右への接続状況、及び各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類する処理領域グルーピング作成部22と、入力部からの入力情報基づいて同一のグループに分類された処理領域を選択するグループ選択I/F部24と、選択されたグループの設定情報を一括して定義するグループ情報定義部25とを備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定型帳票に帳票情報を自動的に入力処理する定型帳票処理システムに用いられる帳票を定義する帳票定義装置、帳票定義方法、プログラム、及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
受発注書などの定型帳票に帳票情報を自動的に入力処理する定型帳票処理システムが提案されている。このような定型帳票処理システムにおいては、帳票上に帳票情報の処理領域を設定し、各処理領域をグループ化した後、帳票情報を処理領域のグループ毎に一括して定義して設定する技術が既に知られている。さらに、処理領域のグループを自動的に分類する方法等も既に知られている。
例えば、特許文献1には、ユーザが帳票処理システムにおける帳票情報をより容易に定義できるようにすることを目的として、帳票上の処理領域を予めグループ化し、帳票情報を各グループ毎に一括して定義すること、グループ化を行う際に帳票画像から文字領域、表領域、図領域などを自動的に分類・識別する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の定型帳票処理システムにおける自動分類方法では、1カテゴリーの設定情報が独立した大きな枠になっているような帳票では、自動分類は成功するが、そうではない複雑な帳票、具体的にはいろいろな記入項目が組み合わさって、一つの大きな表となっているようなものであったり、或いは沢山のチェックマークのある表では、適切に同じ種類の枠をグループ化する精度が低いという問題点があった。
自動グループ化が適切にされていれば、例えば、その後の処理で一括設定という省力化ができるのに、グループ化が正しくできないことが多いために、せっかく機能としてある一括設定による省力化が活かせないことにつながってしまう。
本発明は、上記したような問題点を鑑みてなされたものであり、処理領域の自動分類、グループ化を適切に行い、帳票定義をできるだけ省力化することができる帳票定義装置、帳票定義方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明の第1の形態は、帳票情報を定義する帳票定義装置であって、入力された前記帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出する処理領域検出部と、前記検出された各処理領域のサイズの類似性、前記各処理領域の上下左右への接続状況、及び前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、前記各処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類する処理領域グルーピング作成部と、入力部からの入力情報に基づいて、前記同一グループに分類された処理領域を選択するグループ選択I/F部と、前記グループ選択I/F部において選択されたグループの設定情報を一括して定義するグループ情報定義部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、帳票上の処理領域をグループ化する際に、同一処理領域であるものと、異なる処理領域を高精度にグループ化することで、帳票情報をグループ毎に一括して定義することができるので、帳票情報の設定作業を省力化することができる。
本発明の第2の形態は、前記処理領域グルーピング作成部は、前記処理領域検出部によって検出された各処理領域が、上下左右に最も近接している他の処理領域と同一グループであるか否かの判定を行うことにより、全ての処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべきグループに分類することを特徴とする。
本発明によれば、帳票情報の設定処理の処理時間を短縮することができる。
【0005】
本発明の第3の形態は、前記処理領域グルーピング作成部は、前記処理領域検出部によって検出された各処理領域に対して、前記各処理領域のサイズ情報と前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報とに類似性があり、且つ、前記各処理領域が上下左右で他の処理領域と直接連結していない状態で、前記各処理領域と前記他の処理領域との間に更に他の処理領域がない状態であると判定した場合は、他の処理領域を同一グループに分類することを特徴とする。
本発明によれば、処理領域が連結していない場合でも分類することが可能になる。
本発明の第4の形態は、前記処理領域グルーピング作成部は、前記処理領域のサイズ情報、前記処理領域を囲む周囲の罫線情報、及び前記処理領域の連結情報の3つの情報の組み合わせを予めルール化した情報を記憶するグループ作成ルール記憶部を備え、該グループ作成ルール記憶部に記憶されたルールに従って、前記処理領域のグルーピングの判断を行うことを特徴とする。
本発明によれば、グルーピングの判断をルール化して記憶しておくことで、ユーザの帳票修正をよりカスタマイズし易くなるという利点がある。
【0006】
本発明の第5の形態は、前記処理領域グルーピング作成部において、同一グループに分類された処理領域を視覚的に表現する表示部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、自動グルーピング結果の誤認があった場合にもユーザが状況を簡単に把握でき、修正し易いという利点がある。
本発明の第6の形態は、前記処理領域検出部によって検出された領域の構造解析を行って、前記領域のツリー構造を生成する領域構造解析部を備え、前記処理領域グルーピング作成部は、前記領域構造解析部の解析結果に基づいて、前記領域構造が同一の領域部分を同一のグループと判定することを特徴とする。
本発明によれば、同じ構造を持つ領域の一致する部分を構造的に探して、同じグループとすることで、隣接していない離れた位置にある同じ内容の領域を一つのグループと判定できユーザの設定が容易になる。
本発明の第7の形態は、前記処理領域グルーピング作成部は、文字情報と該文字情報が記入された処理領域のサイズ情報が一致し、且つ、前記文字情報が記入された処理領域の右、あるいは下に同一サイズの処理領域がある場合に前記同一サイズの処理領域を同じグループと判定することを特徴とする。
本発明によれば、文字情報がある領域の右、あるいは下の領域を探して同じグループとすることで、隣接してない離れた位置にある同じ内容の領域を一つのグループと判定でき、ユーザの設定が容易になる。
本発明の第8の形態は、前記グループ選択I/F部は、前記同一グループに分類された処理領域を、前記入力部の入力操作により一括選択できるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、入力部の操作を減らすことができるので、ユーザに簡単な設定方法を提供することができる。
【0007】
本発明の第9の形態は、帳票情報を定義する帳票定義方法であって、入力された前記帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出するステップと、前記検出された各処理領域のサイズの類似性、前記各処理領域の上下左右への接続状況、及び前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、前記各処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類するステップと、入力部からの入力情報に基づいて、前記同一グループに分類された処理領域を選択するステップと、前記グループ選択I/F部において選択されたグループの設定情報を一括して定義するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、帳票上の処理領域をグループ化する際に、同一処理領域であるものと、異なる処理領域を高精度にグループ化することで、帳票情報をグループ毎に一括して定義することができるので、帳票情報の設定作業を省力化することができる。
本発明の第10の形態は、コンピュータに第9の形態記載の帳票定義方法を実行させるためのプログラムである。
本発明の第11の形態は、第10の形態記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、帳票上の処理領域をグループ化する際に、同一処理領域であるものと、異なる処理領域を高精度にグループ化することで、帳票情報をグループ毎に一括して定義することができるので、帳票情報の設定作業を省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る帳票定義装置を備えた帳票入力処理システムの構成図である。
【図2】本実施形態に係る帳票定義装置のハードウェア構成を示した図である。
【図3】本実施形態の帳票定義装置の帳票定義部の機能ブロック図である。
【図4】グルーピング処理の説明図である。
【図5】自動グルーピングが失敗する例を示した図である。
【図6】サイズと連結性を考慮した情報の分類結果を示した図である。
【図7】本実施形態の処理領域検出部21における表枠抽出処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
【図9】グルーピング処理の過程を示した図である。
【図10】グルーピング処理の過程及び結果を示した図である。
【図11】属性を定義情報に入力する設定画面の一例を示した図である。
【図12】金額を記入する金額欄の一例を示した図である。
【図13】連続した矩形枠の一例を示した図である。
【図14】郵便番号を記入する郵便番号の欄の一例を示した図である。
【図15】独立した枠で記入欄を構成している場合を示した図である。
【図16】表枠の他の例を示した図である。
【図17】個々の記入領域が独立した枠である場合のグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】本実施形態の帳票定義装置の帳票定義部の他の機能ブロック図である。
【図19】領域分割された枠の一例を示した図である。
【図20】図19に示した枠をツリー構造により示した場合の一例を示した図である。
【図21】図19に示した枠におけるセルIDの付与の過程を示した図である。
【図22】帳票の他の例を示した図である。
【図23】図22に示した帳票の枠にセルIDを付与する過程を示した図である。
【図24】図23に示した枠をツリー構造により示した場合の一例を示した図である。
【図25】第2の実施形態の帳票定義部の機能ブロック図である。
【図26】枠のツリー構造を生成する処理の一例を示した図である。
【図27】第2の実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
【図28】第2の実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の他の例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る帳票定義装置を備えた帳票入力処理システムの構成図である。この図1に示す帳票入力処理システム100は、本実施形態の帳票定義装置1と帳票入力処理装置50とにより構成される。
帳票定義装置1は、帳票入力処理装置50を運用する上で事前準備として必要な処理装置であり、マスター画像入力部10、帳票定義部20、帳票定義保存部(帳票定義データベース(DB))30により構成される。
マスター画像入力部10は、帳票情報の定義を行う画像(以下、「マスター画像」と称する)の入力処理を行う。帳票定義部20は、マスター画像入力部10からのマスター画像情報に基づいて帳票定義処理を行う。帳票定義DB30は、帳票定義部20において定義された帳票定義情報を保存する。
【0011】
一方、帳票入力処理装置50は、処理画像入力部51、認識処理部52、認識結果部53、業務関連DB54により構成される。
処理画像入力部51は、処理を行う帳票画像の入力処理を行う。認識処理部52は、帳票定義DB30に保存された帳票定義情報に基づいて処理画像入力部51から帳票画像情報の認識処理を行う。認識結果部53は、認識処理部52の認識処理の認識結果を表示する。業務関連DB54は、認識結果部53の認識結果情報を保存する。
【0012】
図2は、本実施形態の帳票定義装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
この図に示す帳票定義装置1は、マイクロプロセッサ等のデジタル処理により実行し得るために構築したものである。この図において、スキャナー101は、マスター画像などの文書画像原稿を光学的に読み取り電気信号である画像データに変換する。CPU102は、本実施形態に係る処理プログラムを格納してあるプログラム格納ROM/RAM103から、又はCD−ROM/FDの記録媒体104からCD−ROM/FDドライブ105によって当該プログラムを読み出してワークエリアRAM106において文書画像データに対する分割処理及び画像処理を実行する。処理された文書画像データはCPU102の指示によりメモリ107に格納され、必要によりディスプレイ108に表示したり、印字装置109から出力したりする。
【0013】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る帳票定義部について説明する。
図3は、本実施形態の帳票定義装置の帳票定義部の機能ブロック図である。
帳票定義装置1では、マスター画像入力部10からマスター画像2を入力することで、処理が開始される。
帳票定義部20は、処理領域検出部21、処理領域グルーピング作成部22、表示部23、グループ選択I/F部24、グループ情報定義部25を備えている。
処理領域検出部21は、入力されたマスター画像(帳票画像)から、ユーザがその帳票に対して記入などを行う処理領域を抽出して、位置座標、周囲の罫線情報などを含む処理領域情報を出力する。なお、処理領域検出部21における処理領域の自動検出は、特開2001−126010号公報、特開2001−266068号公報、特開2002−042143号公報などに開示されている既知の方法を利用することができる。
処理領域グルーピング作成部22は、処理領域検出部21において抽出された処理領域のどの領域とどの領域が同じカテゴリーであるかというグルーピングを行う。なお、カテゴリーが同じグループとは、ユーザにより帳票定義として同一の設定情報が記録される状態をいう。
【0014】
表示部23は、処理領域グルーピング作成部22において作成されたグルーピング結果を表示する。
グループ選択I/F部24は、表示部23に表示された処理領域をポインティングデバイスなどの入力部により選択可能にするためのI/Fである。グループ選択I/F部24は、自動の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理にて誤認が発生した場合にユーザが間違いを訂正し、必要なグループの範囲を選択するためのものである。
グループ帳票定義部25は、グループが選択された後に処理領域に応じた設定を行うと、グループに共通した処理領域情報を帳票定義として定義する。
グループ帳票定義部25において定義された帳票定義情報は、帳票定義DB30に保存する。なお、帳票定義DB30に保存された帳票定義情報は、メモリ形式、ファイル形式の何れの形式でも出力可能である。
【0015】
次に、帳票定義部20におけるグルーピング処理について説明する。
図4は、グルーピング処理の説明図であり、例えば帳票の形式として図4に示すような郵便番号の記入枠41があった場合、1つの枠41a毎に郵便番号を示す数値が手書きで記入されるケースが多い。そのときに、一枠ごとに例えば「認識:手書きOCR、文字種:数字 罫線枠:除外して認識」という設定を行うよりは、グループとしてまとめて一括設定をできる方が設定を行うユーザにとってはより手間が少ない。そして、図4に示すように1つのグループが単独で存在しているケースでは、領域識別技術を用いて自動的にグルーピングが可能であり、一括設定も可能となる。
【0016】
自動領域識別の方法は、例えば特開2002−42143公報に開示されている。この方法によると、入力画像データより黒画素の連結成分の外接矩形を抽出する黒画素矩形抽出手段と、前記黒画素矩形抽出手段によって抽出された黒画素矩形について、該黒画素矩形の領域情報を用いて該黒画素矩形を枠候補又は非枠候補に弁別する一次判定手段と、枠候補と弁別された前記黒画像矩形の内部に対して白画素の連結成分矩形を抽出し、その位置関係から枠と非枠に分別する。この方法によって枠の塊を自動で抽出することができる。この方法で枠の固まりを自動抽出した場合、枠の塊と、その塊内部の枠が抽出されていることになる。その枠に対してグルーピングを行う技術としては、先行技術である特許文献1等に開示されている。この発明では、枠の塊の位置は処理領域設定手段として、ユーザから指定されることを想定しているが、自動抽出した領域を処理させる応用は可能である。枠の塊と、その塊に属している個別の枠が既知となっている状態であるため、グルーピング化は容易に可能で、そのグルーピングした枠を一括設定するのもまた容易である。なお、枠の領域を抽出する手段は、ここで述べた手法以外にも各種提案されており、上記した方法に限定されるものではない。例えば、処理領域の自動検出は、上記した特開2001−126010公報、特開2001−266068公報、特開2002−042143公報いくつかの既知の方法を適用することができる。
【0017】
しかしながら、特許文献1においては、図5に示すような形式の帳票42の場合は、ほぼ同じ大きさの枠42dが並んでおり、しかもグループごとに独立して間隔が空いていないため、自動でグルーピング化することができなかった。
そこで、例えば、帳票定義部20の処理領域検出部21において処理領域(枠)のサイズ、処理領域の罫線情報、処理領域の連結性の情報を取得し、最初に処理領域のサイズで分類を行うことが考えられるが、図5に示すような形式の帳票42では、記入領域のサイズは同じであり、印刷、スキャンを経て画像となったものであっても、それほど大きな違いは生じないため、図6に示すようなサイズと連結性を考慮した分類、例えば5つの枠42a〜42eに分類した分類結果となってしまう。
【0018】
そこで、本実施形態では、処理領域検出部21において、自動で表枠抽出とその後の個々の枠抽出を行う。そして処理領域グルーピング作成部22において、処理領域の罫線情報を利用してグルーピング化処理を行うようにした点に特徴がある。つまり、相対的に太い罫線は、グルーピングの切れ目にあるというルールを用いてグルーピング処理を行うようにした。
【0019】
自動で表枠抽出を行う技術は、上述した領域抽出技術により実現可能であるが、他の例としては特許第3215163号の発明により、文書画像(またはその縮小画像)から黒連結成分の外接矩形を抽出する。その外接矩形の中から、特定方向にしきい値が異常に長い黒画素の連結成分だけを用いて外接矩形を抽出し、そこで得られた縦長、横長の外接矩形の本数、配置によって表領域という判定をすることができるため、そういった方法で表の領域を抽出することができる。そうして得られた表領域の中身を、今度は特許第2851089号に示される方法では、主走査方向及び副走査方向の罫線の矩形を抽出し、罫線によって囲まれる枠を罫線の矩形の外側の座標を用いてそれを一つの枠と考えるようにしている。テンプレートに使用する枠は、基本的にはユーザが未記入のものを使用することが多く、一つの枠の中の空白領域を求めるか、枠を構成する内側の座標値を求めるかの手段でそれぞれの枠の領域を得ることができる。
【0020】
図7は、本実施形態の処理領域検出部21における表枠抽出処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、処理領域検出部21では、その帳票に記入を行うユーザが記入を行い、システムが読み取る可能性のある項目・枠を全て検出するのが目的となる。
このため、処理領域検出部21は、マスター画像入力部10からの画像入力(全面)を領域に分割し(S1)、表の類の領域を抽出する(S2)。
次に、抽出された表の内部から、その表を構成する罫線を抽出し(S3)、罫線で構成される枠を抽出して(S4)、出力する。
上記した処理領域検出部21における表枠抽出処理は、既存の技術として例えば特許第3140079号に開示されている。
なお、上記した枠抽出処理はあくまでも一例であり、本発明における枠抽出処理は、上記した枠抽出処理に限定されるものでなく、他の枠抽出処理も適用可能であることは言うまでもない。
【0021】
次に、本実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理について説明する。
枠をグループに分類化するには、枠の高さ、幅というサイズの情報、枠の連結性の情報、及び枠の周囲の罫線の情報(太さ、実線・点線などの罫線の種類)等を利用する。
これは、同じグループになるべき一連の枠は、基本的にサイズが同じであることが大多数であること、また一連の枠は独立した枠で形成されているものではない場合、上下左右のどこかで連結していることが大多数であるからである。また一連の枠を構成する罫線の情報も、大多数は類似しているからである。
但し、例外的に最外周の枠を構成する罫線だけが実線罫線であり、中の罫線が点線であるという構成を採る場合もある。このような場合、最も左に位置している枠と、その隣の枠とでは枠を構成する罫線情報が異なるという状態になるが、最外周のみ例外扱いをすることで、罫線の情報を使用できる。
【0022】
図8は、処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、処理領域グルーピング作成部22は、入力(画像、枠領域座標)から枠の罫線情報を抽出する(S11)。
この罫線情報には、罫線の種類(点線・実線)や罫線の太さ情報が含まれる。また、罫線情報抽出には、罫線太さ取得をする処理が含まれる。罫線の太さは、罫線の太さ方向のランレングスの平均を求める方法や、罫線領域の黒画素数を罫線領域の長さの値(ピクセル数)で割ることで、およその太さ(ピクセル数)が推定できる。
ランレングスの平均を求める方法は、垂直罫線であれば、その罫線を水平方向に操作したときに得られる黒画素の連結成分、ランの長さランレングスを求めて、それを平均する。例えば、棒を輪切りにして、その直径の平均を求めているようなイメージとされる。
【0023】
次に、枠の罫線の太さによるグルーピングを行う(S12)。例えば、枠の罫線の太さ情報を用いて大きく分類して、図9(a)のような塊61aに分ける。
次に同じグループ内を領域のサイズ(縦・横)でグルーピングを行う(S13)。例えば、太い枠の中に小さい枠が存在するものは、「太い枠の単位」で別なグループと判定する。図9に示した例では、太い枠の中に縦横サイズの同じ枠が揃っていることから、図9(b)のようなグルーピングされたら枠62a〜62gができる(個々では罫線の種類:実線、点線は使用していない)。
次に、グループ内(太い枠の中)に枠が一枠しかない場合、他の一枠しかないグループと同じかどうかを判定してグルーピングを行う(S14)。図9(b)に示す枠62a〜62gの中で枠62bと枠62gはいずれも1グループ1枠である。この後、枠の中に存在する文字列が異なるものは別のグループと判定すれば、図10(a)に示すように、枠62a〜62f、63a〜63eに分けることができる。
次に、グループ内が一枠であった場合、これは「郵便番号」などの書誌事項が書かれている枠63a〜63fがそれに相当する。このグループ枠のサイズを比較すると、「郵便番号」と「氏名」は枠の大きさが縦横、一定の範囲に収まるため、同じとグルーピングできる。同様に、「氏名フリガナ」と「住所」も同じ大きさであるため、同じとグルーピングできる。
この後、枠のグルーピングの属性を出力する。グルーピングの属性とは、グループ番号1、2といったシリアル番号のようなものでも良いし、グループA,B,Cでも良く、その表でどのグループかを示すIDのようなものとされる。
【0024】
なお、本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、枠の罫線情報の抽出を行っているが、これはあくまでも一例であり、図7に示した処理領域検出部21の表枠抽出処理におけるステップS3において、枠の罫線情報を抽出することを可能であり、その処理順序に関しては、適宜変更可能である。
【0025】
図10(b)は、処理領域グルーピング作成部22において、個々の処理領域(枠)の罫線情報を用いてグルーピング化した結果を示した図である。
上述したように、一つのグループの内部が、幾つかの枠で構成されている場合、その枠をサイズでグルーピングする。この例では、一つのグループを構成している枠、すなわち、郵便番号の記入枠60d、氏名の記入枠60f、氏名フリガナの記入枠60g、住所の記入枠60h、住所フリガナの記入枠60iが、全部同じグループであるという結果が得られる。
一方、グループ内が一枠であった場合、これは「郵便番号」などの書誌事項が記載されているところがそれに相当する。このグループ枠のサイズを比較すると、「郵便番号」と「氏名」は枠の大きさが縦横、一定の範囲に収まるため、同じとグルーピングできる。同様に、「氏名フリガナ」と「住所」も同じ大きさである。従って、「郵便番号」と「氏名」と印刷された枠60a、60aが同一グループ、「氏名フリガナ」と「住所」と印刷された枠60b、60bが同一グループになっている。また、「住所フリガナ」と印刷された枠60cが単独枠となっている。
これは、一つの枠において、罫線種類が4方向とも同一の太い罫線であるため、相対的な違いがないために、同種のグループと分類した結果である。仮に罫線の太さの情報を高精度に取得することができる枠検出装置があれば、こういった分類も詳細にグルーピングすることも可能になる。
【0026】
なお、枠60a〜60c等のプレ印刷のある領域(枠)は、ユーザが記入する記入枠とならないケースが多いため、一括設定の邪魔にならないと考えて、特別の処理は行わなくても良い。
【0027】
このように本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、同じ処理領域と異なる処理領域とを高精度にグループ化することで、帳票情報をグループ毎に一括して定義することができるので、帳票情報の設定作業を省力化することができる。
【0028】
帳票情報をグループ毎に一括するというのは、例えばプロトタイプとして使用しているテンプレート作成ツールでは、Ctrlボタンを押しながら一つの枠をクリックすると、同じグループに属している枠が全て同じように選択されるような処理とされる。勿論、Ctrlボタンの代わりにシフトボタンを用いても良く、グループの一部を触るとグループ全体が選択状態になるような操作であれば良い。このように構成すれば、マウスドラッグで選択したい範囲を囲むとか、シフトボタンを押しながら必要な領域を一つずつクリックするとかいう操作に比べて簡単に行うことができるという利点がある。
また帳票情報をグループ毎に一括して定義する場合は、例えば図11に示すような設定画面70に属性を定義情報に入力しておけば良い。
【0029】
また、主に金額欄にある3桁区切りで、罫線の種類を変えることも良くある。帳票のフォームを設計するときには、見栄えを良くするという意味の他にも、ユーザの誤記入を減らすことを目的として、記入枠をユーザが混乱しないように設計を行っているケースが多い。
そこで、本実施形態では、ユーザの誤記入を減らすための帳票設計ノウハウを自動分類方法に取り込むようにしている。
ここで、帳票設計ノウハウとして、グループ作成ルール記憶部に記憶されたルールについて説明する。
図12は、金額を記入する金額欄の一例を示した図である。なお、図12には、異なる2種類の金額欄71a、71bが示されている。
図12に示す金額欄71a、71bにおいて「金額欄にある3桁区切り」をルール化すると、例として以下になる。
この場合、ターゲットとするのは、金額欄71a又は71bの枠72a又は72bが連結している塊である。
(1)連結している枠72a、72bの外周を構成する罫線は同じ太さである。
(2)外周の枠72a、72bからみて、内部にある子の枠73a、73bの大きさ(縦・横のサイズ)は同じ大きさである。同じ大きさとは、閾値が一定値以内、分散が一定値以内などを意味する。
(3)枠3つ置きに、罫線74a、74bの種類あるいは太さ・罫線の長さのいずれか一つ以上が変化する。
この条件(1)〜(3)に全て当てはまる場合、3つ単位のグループ化をするのではなく、外周の枠の中は金額欄的な同一のグループであるという判定を行うようにする。このように構成すると、セル枠の自動分類精度を上げることができる。
【0030】
また、本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、上記図8に示したグルーピング処理において、各処理領域のサイズに関してグルーピングを行い、同一サイズと判定されたグループの中で、連結性のあるものだけをさらに纏めて最終的に同一グループとする方法を採用することも可能である。
【0031】
実際に領域が連結しているかどうかは、2つの処理領域が罫線を共有しているかという方法で判定可能である。
さらに、本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、一つの処理領域(枠)にとって、その処理領域の上下左右に位置している4つの矩形(場合によっては4つ以上存在することもある)に対して、サイズが同じであるかを判定する方法でも良い。つまりこの場合、処理領域グルーピング作成部22は、処理領域検出部21によって検出した各処理領域の中の一つの処理領域(枠)が、上下左右に最も近接している自分以外の4つ以下の他の処理領域と同じグループであるかどうかの判定を行い、それを検出された処理領域分繰り返すことで、全ての処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべきグループに分類する。
【0032】
このように、一つの処理枠が最も上下左右に近い他の処理領域と接触しているかを調べることで連結性を把握することができるので、例えば図13に示したような記入枠43があったときに、記入枠43aと記入枠43cの状態をいちいちみて記入枠43aと記入枠43cの連結性やサイズ判定を行う無駄を省くことができる。
【0033】
また、本実施形態における連結性の判定においては、基本的に連結しているものを同一のグループにグルーピング化するというルールがあればよいが、典型的な例の一つとして、枠が独立して存在するような場合でも同一のグループにグルーピングにするルールを加える。
【0034】
図14は、郵便番号を記入する郵便番号の欄の一例を示した図である。なお、図14には、異なる2種類の郵便番号の欄81a、81bが示されている。
この場合のルールとしては、
(1)連結している枠の外周を構成する罫線82a、82bは同じ太さである。
(2)内部に3つの子枠83a、83bがある枠84a、84bと4つの子枠83a、83bがある枠85a、85bが隣り合っている。
なお、枠84a、84bと枠85a、85bの順番は関係あるが、隣あうルールとしては、接している必要はない。また、枠84a、84bと枠85a、85bとの間に「−」のような記号の有無は無視する。なお、無視する方法としては、例外処理をあらかじめ作成しておくことが考えられる。
この条件(1)(2)にあてはまる場合、3つの枠84a、84bと4つの枠85a、85bを別のグループにするのではなく、合わせて郵便番号欄的な同一のグループであるという判定を行う。
【0035】
上記したルールは、例えば製品番号などにも応用でき、「R11−A082034」といった製品番号などの型番の桁数が決まっている場合、隣接状態、太さでグルーピングするかどうか、内部に子枠が何個必要かという情報をルール化しておき、それらのルールで条件文を設定することで、製品番号らしきところを同じグループとして取得することができる。
【0036】
図15は、独立した枠で記入欄の構成を示した図であり、この図15に示すように、個々の記入領域44aが独立した(他の処理領域と罫線を共有していない)枠であるケースは多々ある。これまで説明した例だけでは、こういう帳票に対応できないため、連結していない2つの処理領域(一の処理領域と他の処理領域との間)を調べる。
(1)上記2つの領域の間に、別の処理領域が存在しない、
(2)上記2つの領域のサイズが同じ(あるいは閾値以下の差)、
(3)上記2つの領域(枠)を構成する罫線情報(点線か、実線か、破線かといった罫線の状態)の対応しているものに差異がない、
という3つの条件が成立した場合に同一のグループであると見なすことで、分類精度を高めることができる。
より詳細にいえば、対応している罫線とは、A,Bという二つの枠を考えた場合、枠Aの上下の罫線が実線で左右の罫線が点線。枠Bの上下の罫線も実線で、左右が点線である状態をいう。
但し、例外として、図16に示すような間だけ点線のように種類が違う表枠90は、普通に存在するため、表の塊の際、外郭を構成する罫線を例外扱いする処理を入れることは望ましい。
【0037】
図17は、個々の記入領域が独立した枠である場合のグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、処理領域グルーピング作成部22は、入力された画像・抽出枠(領域)からサイズによるグルーピングを行う(S21)。
次に、水平方向の配置のグルーピングを行い(S22)、グルーピングした領域の左にプレ印刷がある否かを判定する(S23)。グルーピングした領域の左にプレ印刷があると判定した場合は、1つのグループと決定する(S24)。
次に、グループ化した領域の全てのチェックが終了したか否かの判定を行い(S25)。全てのチェックが終了していないと判定した場合は、ステップS23に戻って処理を継続する。一方、ステップS23において、グルーピングした領域の左にプレ印刷がないと判定した場合は、1つのグループと決定することなく、ステップS25に移行する。
また、ステップS25において、グループ化した領域の全てのチェックが終了したと判定した場合は、次にグループが決定していない領域について、垂直方向の配置のグルーピングを行う(S26)。そして、グルーピングした領域の上にプレ印刷がある否かを判定する(S27)。グルーピングした領域の上にプレ印刷があると判定した場合は、1つのグループと決定する(S28)。
次に、グループ化した領域の全てのチェックが終了したか否かの判定を行い(S29)、全てのチェックが終了していないと判定した場合は、ステップS23に戻って処理を継続する。一方、ステップS27において、グルーピングした領域の左にプレ印刷がないと判定した場合は、1つのグループと決定することなく、ステップS29に移行する。そして、ステップS29において、グループ化した領域の全てのチェックが終了したと判定した場合に処理を終了する。
【0038】
ところで、帳票の種類は劇的に変化する場合は少なく、運用上でフォーマットの小規模修正が行われることの方が多い。
そこで、本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22に、処理領域のサイズ情報、処理領域を囲む周囲の罫線情報、処理領域の連結情報の3つの情報の組み合わせを予めルール化した情報を記憶するグループ作成ルール記憶部を備え、そのグループ作成ルール記憶部に記憶されたルールに従って処理領域のグルーピングの判断を行うようにすることも可能である。このように構成することで、当該システムを入れたユーザの帳票の修正をよりカスタマイズし易くなる。
【0039】
図18は、本実施形態の帳票定義装置の帳票定義部の他の機能ブロック図である。なお、図3と同一ブロックには同一符号を付して説明は省略する。
この図18に示す帳票定義部20は、グループ作成ルール記憶部として、グルーピングルール格納DB26を備えている。そして、処理領域グルーピング作成部22は、グルーピングルール格納DB26に格納されたルールに従って処理領域のグルーピングの判断を行うようにしている。
グルーピングルール格納DB26は、グルーピングルールの編集エディタ27によって編集可能とされる。
【0040】
グルーピングルール格納DB26により格納されるルールとしては、
(1)子枠の罫線の太さの許容度が違っていたらNG、外周が同じでそれぞれの枠が同じであることが必要
(2)子枠のサイズの許容度が(閾値を設定)閾値以上はNG
(3)枠の連続性については、空間ありを許容、文字ありを許容、但し隣接していないとNG
(4)子枠の連続する数「3・3・3」「3・4」
といった形で記述される。
【0041】
図12の例であれば、
(1)外周が同じ必要あり
(2)Thresh1(ほぼ同じ大きさにしたいので、Thresh1は小さめの値)
(3)隣接していないとNG
(4)「3・3・3」
となる。
また、図14の例であれば、
(1)外周が同じ必要あり
(2)Thresh2(ほぼ同じ大きさにしたいので、Thresh2は小さめの値)
(3)文字ありを許容
(4)「3・4」
となる。
【0042】
なお、上記したルールに則っているか否かの判定処理では、(1)〜(4)の条件を全て満たすか否かの判定を行うようにすればよい。このとき、必要なパラメーターは、グルーピングルール格納DB26からルールパラメーターを取得して判定に使用することになる。
【0043】
グルーピングルールは、基本はシステム側に予め格納されているが、ユーザにより変更可能である。そのように構成すれば、予め格納された状態でのルールに追加したい、修正したいという場合に、ルールの編集エディタ27によってルールを変更することが可能になる。つまり、新しいルールにしたがって処理領域のグルーピングを実行することができる。なお、テンプレート作成とグルーピングルールの編集は、特に同期していないものとする。したがって、ルールを編集したほうが、効率があると判断された時にルールは変更され、その後に新しいテンプレートを作成するときに、新しいルールが適用されることになる。
【0044】
なお、設定ファイルとその設定ルールを、学習機能などによりアップデート可能なシステムも考えることができ、より設定の容易化を実現することができる。
また本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、同一グループに分類された処理領域(同一グループに属している処理領域)の枠は同じ色で示し、異なるグループとの違いをビジュアル(視覚的)に表現する表示部23を備えているので、処理領域グルーピングの結果は、その後のグループ選択I/F部24でユーザが選択されるのを待つことになるため、視覚的に状態を表現できていることで、自動グルーピング結果の誤認があった場合にも、ユーザが状況を簡単に把握でき、修正しやすい状態にできるという利点がある。
【0045】
さらに本実施形態のグループ選択I/F部24では、同一グループに属している処理領域は、ポインティングデバイス等の入力部の操作で、一括選択が容易に行われるように構成している。例えば、同一グループに分類された処理領域の一つをShift−Key+マウスの左ダブルクリックをすることで、同一グループに分類された処理領域を一括して選択することができるというような状態を想定している。こうすることで、処理領域の範囲をわざわざマウスドラッグで選択するとか、一つ一つをクリックしてから一括設定をするなどの操作を減らし、ユーザに簡単な設定方法を提供することができる。
なお、本実施形態の帳票定義装置1では、枠領域の処理を行うことを例に挙げて説明したが、処理領域は、必ずしも枠領域に限定されるものでなく、例えば、特開2001−126010公報のように、プレ印刷文字を利用して処理領域を自動抽出することも可能である。また、例えば、本出願人による特開2001−266068公報、特開2002−042143公報などの方法も利用できる。
【0046】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る帳票定義部について説明する。
図19は領域分割された枠の一例を示した図である。
この図に示すような構成の枠201の塊があった場合に、それぞれの枠201a〜201cに、図19に示すような枠IDを振ることができる。すなわち、枠201aの枠IDは(1,1)、枠201bの枠IDは(1,2)、枠201cの枠IDは(2,1)となる。このとき、枠201aは枠201bと枠201cを子供として持つという解釈を行う。
図20は、図19に示した枠をツリー構造により示した場合の一例である。
図19、図20に示す枠IDの付け方は、特許3157534号公報の段落[0016]などに記載されている。
【0047】
また、この場合は、罫線が実際には無くても有ったと仮定して、セル枠をつけておき、最終的に仮想的な罫線を使用している枠は枠番号の小さいものに吸収されるという考えをとるようにしている。
従って、図19に示す枠201であれば、図21に示すようにマトリクス上にセルIDが付与される。そして、(2,1)は(1,1)に統合された形で、図19に示すように表記するようにしている。なお、この表記方法は既知である。
【0048】
図22は、帳票の他の例を示した図である。
この図22に示す帳票210は、上下に共通のフォームの枠を有しているものである。
このようなフォームの構造は、上記した枠IDの付与方法によって、図23に示すような枠IDを付与できる。
さらに、図23に示す枠IDの親子関係をツリー構造にすると、図24に示すことができる。この場合、図24では、二つ存在するツリーの構成が同じこと、対応する枠:例えば(1,3)と(7.3)のサイズが変わらないという情報から、この二つのツリー構造は一致すると判定できる。そうした判定結果から、(1,3)と(7,3)など対応する枠が同じグループと判定するのが第2の実施形態の特徴である。
【0049】
図25は、第2の実施形態の帳票定義部の機能ブロック図である。なお、図3と同一ブロックには同一符号を付して説明は省略する。
この図25に示す帳票定義部20は、処理領域検出部21と処理領域グルーピング作成部22との間に枠構造解析部28を備えている。
枠構造解析部28は、処理領域検出部21によって検出された領域の構造解析を行って、領域のツリー構造を理解する。例えば、枠の構造を検出して大きな塊から小さな部分へのツリー構造を生成する。
図26は、枠のツリー構造を生成する処理の一例を示した図である。
なお、ステップS31〜S34の処理は処理領域検出部21が実行する処理であり、ステップS35〜S38の処理は枠構造解析部28が実行する処理となる。
この場合、処理領域検出部21は、入力された画像(全面)を領域に分割し(S31)、「表」の類の領域を抽出する(S32)。
次に、抽出された表の内部から、その表を構成する罫線を抽出し(S33)、罫線で構成される枠を抽出する。
次に、枠構造解析部28が、抽出した枠に枠IDを付与し(S35)、枠IDの従属関係からツリー構造を生成して(S36)、出力する。
【0050】
このように、本実施形態によれば、枠構造解析部28の解析結果に基づいて、同じ構造を持つ枠(領域)の一致する部分を構造的に探して、同じグループとすることで、隣接していない離れた位置にある同じ内容の枠を一つのグループと判定できるようになり、ユーザの設定が容易になる。
【0051】
次に、第2の実施形態に係る帳票定義装置において、処理領域グルーピング作成部がプレ印刷文字の情報を用いて行うグルーピング処理について説明する。
なお、本実施形態では、文字認識(OCR)を使用する場合と、文字認識は使用せずにプレ印刷部分の画像の一致度合いで判断を行う場合を例に挙げて説明する。
図27は、第2の実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。この処理は、文字認識(OCR)を使用する例である。
この場合は、処理領域グルーピング作成部22は、先ず、入力画像から枠領域と文字列を抽出する(S41、S42)。次に、文字の認識を行い(S43)、プレ印刷文字のある枠の認識文字同士を比較し(S44)、プレ印刷文字のある枠の認識文字同士が一致しない場合は、ステップS44に戻って、次の文字の探索を行う。
一方、プレ印刷文字のある枠の認識文字同士が一致する場合は、次にプレ印刷文字のある領域同士の枠サイズが同等であるか否かの判定を行う(S46)。
ステップS46において、プレ印刷文字のある領域同士の枠サイズが同等であると判定した場合は、次にプレ印刷文字位置の右、或いは下にサイズが同等の記入枠があるか否かの判定を行う(S47)。
ステップS47において、サイズが同等の記入枠があると判定した場合は、対応する二つの枠を同じグループとする(S48)
なお、ステップS46において、プレ印刷文字のある領域同士の枠サイズが同等でないと判定した場合、ステップS47において、サイズが同等の記入枠でないと判定した場合は、ステップS44に戻って、6において、プレ印刷文字のある領域同士の枠サイズが同等であると判定した場合はプレ印刷文字のある枠の認識文字同士が一致しない場合は、ステップS44に戻って、次の文字の探索を行う。
【0052】
図28は、第2の実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の他の例を示したフローチャートである。この処理は、文字認識は使用せずにプレ印刷部分の画像の一致度合いで判断を行う例である。
この場合は、処理領域グルーピング作成部22は、先ず、入力画像から枠領域と文字列を抽出する(S51、S52)。次に、文字の認識を行い(S53)、プレ印刷文字のある領域同士の枠のサイズを比較し(S54)、枠のサイズが同等でない場合は、ステップS54に戻って、次の文字の探索を行う。
一方、プレ印刷文字のある領域同士の枠のサイズが同等である場合は、次にプレ印刷文字の画像マッチングを行い(S56)、ステップS57において、画像の差異が小さく一致すると判定した場合は、プレ印刷文字位置の右、或いは下にサイズが同等の記入枠があるか否かの判定を行う(S58)。
ステップS58において、サイズが同等の記入枠があると判定した場合は、対応する二つの枠を同じグループとする(S59)
なお、ステップS57において、画像の差異が大きく一致しないと判定した場合、ステップS58において、サイズが同等の記入枠でないと判定した場合は、ステップS54に戻って、次の文字の探索を行う。
【0053】
上記したグルーピング処理を実行すれば、例えば図22では、「フリガナ」と記載されているものは対応するものが複数存在するが、領域サイズが一致するのは、(1,3)(5,3)(7,3)(11,3)の4パターンとなり、これらが同じグループとされる。他に(3,3)と(9,3)が同じグループとなる。
【0054】
このように本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、同じプレ印刷文字がある領域の右、あるいは下の領域を探して同じグループとすることで、隣接してない離れた位置にある同じ内容の領域を一つのグループと判定できるようになり、ユーザの設定が容易になる。
【0055】
なお、文字認識を使用する場合は、認識した文字列の情報から、さらに知識的な処理と組み合わせることが出来る。但し、文字認識は100%が難しい技術であり、今回の用途の場合、文字列比較ではなく、プレ印刷の画像同士で差分が大きいか小さいかというレベルの判定でも良好な精度は得られる。
また、上記図26、図28に示したフローチャートでは、二重ループに入ったときに、最初に枠のサイズ判定をするか、後にするかが異なっているが、これは対象と求める速度などに応じて変更が可能である(チューニングの範囲)。
【0056】
また、本発明は上述した実施形態のみに限定されたものではなく、上述した実施形態の帳票定義装置1を構成する各機能をプログラム化し、このプログラムを図2に示したCPU102が実行することによって、本発明の目的を達成することができる。
また、記録媒体としては半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)のいずれであってもよい。
また、ロードしたプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。さらに、上述したプログラムが、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるメモリにロードされ、そのプログラムの実行によって、上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
また、上述したプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークで接続された利用者のコンピュータからダウンロードして頒布する場合、また、サーバコンピュータから配信して頒布する場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
このように、本発明の機能を有するプログラムを記録媒体に記録して頒布することによって、コスト、可搬性、汎用性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0057】
1…帳票定義装置、10…マスター画像入力部、20…帳票定義部、21…処理領域検出部、22…処理領域グルーピング作成部、23…表示部、24…グループ選択I/F部、25…グループ情報定義部、26…グルーピングルール格納DB部、27…グルーピングルールの編集エディタ、30…帳票定義データベース(DB)、50…帳票入力処理装置、51…処理画像入力部、52…認識処理部、53…認識結果部、54…業務関連DB、54…設定画面、100…帳票入力処理システム、101…スキャナー、102…CPU、103…プログラム格納ROM/RAM、104…記録媒体、105…CD−ROM/FDドライブ、106…ワークエリアRAM、107…メモリ、108…ディスプレイ、109…印字装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開平11−66232号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、定型帳票に帳票情報を自動的に入力処理する定型帳票処理システムに用いられる帳票を定義する帳票定義装置、帳票定義方法、プログラム、及び記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
受発注書などの定型帳票に帳票情報を自動的に入力処理する定型帳票処理システムが提案されている。このような定型帳票処理システムにおいては、帳票上に帳票情報の処理領域を設定し、各処理領域をグループ化した後、帳票情報を処理領域のグループ毎に一括して定義して設定する技術が既に知られている。さらに、処理領域のグループを自動的に分類する方法等も既に知られている。
例えば、特許文献1には、ユーザが帳票処理システムにおける帳票情報をより容易に定義できるようにすることを目的として、帳票上の処理領域を予めグループ化し、帳票情報を各グループ毎に一括して定義すること、グループ化を行う際に帳票画像から文字領域、表領域、図領域などを自動的に分類・識別する構成が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の定型帳票処理システムにおける自動分類方法では、1カテゴリーの設定情報が独立した大きな枠になっているような帳票では、自動分類は成功するが、そうではない複雑な帳票、具体的にはいろいろな記入項目が組み合わさって、一つの大きな表となっているようなものであったり、或いは沢山のチェックマークのある表では、適切に同じ種類の枠をグループ化する精度が低いという問題点があった。
自動グループ化が適切にされていれば、例えば、その後の処理で一括設定という省力化ができるのに、グループ化が正しくできないことが多いために、せっかく機能としてある一括設定による省力化が活かせないことにつながってしまう。
本発明は、上記したような問題点を鑑みてなされたものであり、処理領域の自動分類、グループ化を適切に行い、帳票定義をできるだけ省力化することができる帳票定義装置、帳票定義方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明の第1の形態は、帳票情報を定義する帳票定義装置であって、入力された前記帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出する処理領域検出部と、前記検出された各処理領域のサイズの類似性、前記各処理領域の上下左右への接続状況、及び前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、前記各処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類する処理領域グルーピング作成部と、入力部からの入力情報に基づいて、前記同一グループに分類された処理領域を選択するグループ選択I/F部と、前記グループ選択I/F部において選択されたグループの設定情報を一括して定義するグループ情報定義部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、帳票上の処理領域をグループ化する際に、同一処理領域であるものと、異なる処理領域を高精度にグループ化することで、帳票情報をグループ毎に一括して定義することができるので、帳票情報の設定作業を省力化することができる。
本発明の第2の形態は、前記処理領域グルーピング作成部は、前記処理領域検出部によって検出された各処理領域が、上下左右に最も近接している他の処理領域と同一グループであるか否かの判定を行うことにより、全ての処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべきグループに分類することを特徴とする。
本発明によれば、帳票情報の設定処理の処理時間を短縮することができる。
【0005】
本発明の第3の形態は、前記処理領域グルーピング作成部は、前記処理領域検出部によって検出された各処理領域に対して、前記各処理領域のサイズ情報と前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報とに類似性があり、且つ、前記各処理領域が上下左右で他の処理領域と直接連結していない状態で、前記各処理領域と前記他の処理領域との間に更に他の処理領域がない状態であると判定した場合は、他の処理領域を同一グループに分類することを特徴とする。
本発明によれば、処理領域が連結していない場合でも分類することが可能になる。
本発明の第4の形態は、前記処理領域グルーピング作成部は、前記処理領域のサイズ情報、前記処理領域を囲む周囲の罫線情報、及び前記処理領域の連結情報の3つの情報の組み合わせを予めルール化した情報を記憶するグループ作成ルール記憶部を備え、該グループ作成ルール記憶部に記憶されたルールに従って、前記処理領域のグルーピングの判断を行うことを特徴とする。
本発明によれば、グルーピングの判断をルール化して記憶しておくことで、ユーザの帳票修正をよりカスタマイズし易くなるという利点がある。
【0006】
本発明の第5の形態は、前記処理領域グルーピング作成部において、同一グループに分類された処理領域を視覚的に表現する表示部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、自動グルーピング結果の誤認があった場合にもユーザが状況を簡単に把握でき、修正し易いという利点がある。
本発明の第6の形態は、前記処理領域検出部によって検出された領域の構造解析を行って、前記領域のツリー構造を生成する領域構造解析部を備え、前記処理領域グルーピング作成部は、前記領域構造解析部の解析結果に基づいて、前記領域構造が同一の領域部分を同一のグループと判定することを特徴とする。
本発明によれば、同じ構造を持つ領域の一致する部分を構造的に探して、同じグループとすることで、隣接していない離れた位置にある同じ内容の領域を一つのグループと判定できユーザの設定が容易になる。
本発明の第7の形態は、前記処理領域グルーピング作成部は、文字情報と該文字情報が記入された処理領域のサイズ情報が一致し、且つ、前記文字情報が記入された処理領域の右、あるいは下に同一サイズの処理領域がある場合に前記同一サイズの処理領域を同じグループと判定することを特徴とする。
本発明によれば、文字情報がある領域の右、あるいは下の領域を探して同じグループとすることで、隣接してない離れた位置にある同じ内容の領域を一つのグループと判定でき、ユーザの設定が容易になる。
本発明の第8の形態は、前記グループ選択I/F部は、前記同一グループに分類された処理領域を、前記入力部の入力操作により一括選択できるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、入力部の操作を減らすことができるので、ユーザに簡単な設定方法を提供することができる。
【0007】
本発明の第9の形態は、帳票情報を定義する帳票定義方法であって、入力された前記帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出するステップと、前記検出された各処理領域のサイズの類似性、前記各処理領域の上下左右への接続状況、及び前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、前記各処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類するステップと、入力部からの入力情報に基づいて、前記同一グループに分類された処理領域を選択するステップと、前記グループ選択I/F部において選択されたグループの設定情報を一括して定義するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、帳票上の処理領域をグループ化する際に、同一処理領域であるものと、異なる処理領域を高精度にグループ化することで、帳票情報をグループ毎に一括して定義することができるので、帳票情報の設定作業を省力化することができる。
本発明の第10の形態は、コンピュータに第9の形態記載の帳票定義方法を実行させるためのプログラムである。
本発明の第11の形態は、第10の形態記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、帳票上の処理領域をグループ化する際に、同一処理領域であるものと、異なる処理領域を高精度にグループ化することで、帳票情報をグループ毎に一括して定義することができるので、帳票情報の設定作業を省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る帳票定義装置を備えた帳票入力処理システムの構成図である。
【図2】本実施形態に係る帳票定義装置のハードウェア構成を示した図である。
【図3】本実施形態の帳票定義装置の帳票定義部の機能ブロック図である。
【図4】グルーピング処理の説明図である。
【図5】自動グルーピングが失敗する例を示した図である。
【図6】サイズと連結性を考慮した情報の分類結果を示した図である。
【図7】本実施形態の処理領域検出部21における表枠抽出処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
【図9】グルーピング処理の過程を示した図である。
【図10】グルーピング処理の過程及び結果を示した図である。
【図11】属性を定義情報に入力する設定画面の一例を示した図である。
【図12】金額を記入する金額欄の一例を示した図である。
【図13】連続した矩形枠の一例を示した図である。
【図14】郵便番号を記入する郵便番号の欄の一例を示した図である。
【図15】独立した枠で記入欄を構成している場合を示した図である。
【図16】表枠の他の例を示した図である。
【図17】個々の記入領域が独立した枠である場合のグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】本実施形態の帳票定義装置の帳票定義部の他の機能ブロック図である。
【図19】領域分割された枠の一例を示した図である。
【図20】図19に示した枠をツリー構造により示した場合の一例を示した図である。
【図21】図19に示した枠におけるセルIDの付与の過程を示した図である。
【図22】帳票の他の例を示した図である。
【図23】図22に示した帳票の枠にセルIDを付与する過程を示した図である。
【図24】図23に示した枠をツリー構造により示した場合の一例を示した図である。
【図25】第2の実施形態の帳票定義部の機能ブロック図である。
【図26】枠のツリー構造を生成する処理の一例を示した図である。
【図27】第2の実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
【図28】第2の実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の他の例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る帳票定義装置を備えた帳票入力処理システムの構成図である。この図1に示す帳票入力処理システム100は、本実施形態の帳票定義装置1と帳票入力処理装置50とにより構成される。
帳票定義装置1は、帳票入力処理装置50を運用する上で事前準備として必要な処理装置であり、マスター画像入力部10、帳票定義部20、帳票定義保存部(帳票定義データベース(DB))30により構成される。
マスター画像入力部10は、帳票情報の定義を行う画像(以下、「マスター画像」と称する)の入力処理を行う。帳票定義部20は、マスター画像入力部10からのマスター画像情報に基づいて帳票定義処理を行う。帳票定義DB30は、帳票定義部20において定義された帳票定義情報を保存する。
【0011】
一方、帳票入力処理装置50は、処理画像入力部51、認識処理部52、認識結果部53、業務関連DB54により構成される。
処理画像入力部51は、処理を行う帳票画像の入力処理を行う。認識処理部52は、帳票定義DB30に保存された帳票定義情報に基づいて処理画像入力部51から帳票画像情報の認識処理を行う。認識結果部53は、認識処理部52の認識処理の認識結果を表示する。業務関連DB54は、認識結果部53の認識結果情報を保存する。
【0012】
図2は、本実施形態の帳票定義装置のハードウェア構成を示したブロック図である。
この図に示す帳票定義装置1は、マイクロプロセッサ等のデジタル処理により実行し得るために構築したものである。この図において、スキャナー101は、マスター画像などの文書画像原稿を光学的に読み取り電気信号である画像データに変換する。CPU102は、本実施形態に係る処理プログラムを格納してあるプログラム格納ROM/RAM103から、又はCD−ROM/FDの記録媒体104からCD−ROM/FDドライブ105によって当該プログラムを読み出してワークエリアRAM106において文書画像データに対する分割処理及び画像処理を実行する。処理された文書画像データはCPU102の指示によりメモリ107に格納され、必要によりディスプレイ108に表示したり、印字装置109から出力したりする。
【0013】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態に係る帳票定義部について説明する。
図3は、本実施形態の帳票定義装置の帳票定義部の機能ブロック図である。
帳票定義装置1では、マスター画像入力部10からマスター画像2を入力することで、処理が開始される。
帳票定義部20は、処理領域検出部21、処理領域グルーピング作成部22、表示部23、グループ選択I/F部24、グループ情報定義部25を備えている。
処理領域検出部21は、入力されたマスター画像(帳票画像)から、ユーザがその帳票に対して記入などを行う処理領域を抽出して、位置座標、周囲の罫線情報などを含む処理領域情報を出力する。なお、処理領域検出部21における処理領域の自動検出は、特開2001−126010号公報、特開2001−266068号公報、特開2002−042143号公報などに開示されている既知の方法を利用することができる。
処理領域グルーピング作成部22は、処理領域検出部21において抽出された処理領域のどの領域とどの領域が同じカテゴリーであるかというグルーピングを行う。なお、カテゴリーが同じグループとは、ユーザにより帳票定義として同一の設定情報が記録される状態をいう。
【0014】
表示部23は、処理領域グルーピング作成部22において作成されたグルーピング結果を表示する。
グループ選択I/F部24は、表示部23に表示された処理領域をポインティングデバイスなどの入力部により選択可能にするためのI/Fである。グループ選択I/F部24は、自動の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理にて誤認が発生した場合にユーザが間違いを訂正し、必要なグループの範囲を選択するためのものである。
グループ帳票定義部25は、グループが選択された後に処理領域に応じた設定を行うと、グループに共通した処理領域情報を帳票定義として定義する。
グループ帳票定義部25において定義された帳票定義情報は、帳票定義DB30に保存する。なお、帳票定義DB30に保存された帳票定義情報は、メモリ形式、ファイル形式の何れの形式でも出力可能である。
【0015】
次に、帳票定義部20におけるグルーピング処理について説明する。
図4は、グルーピング処理の説明図であり、例えば帳票の形式として図4に示すような郵便番号の記入枠41があった場合、1つの枠41a毎に郵便番号を示す数値が手書きで記入されるケースが多い。そのときに、一枠ごとに例えば「認識:手書きOCR、文字種:数字 罫線枠:除外して認識」という設定を行うよりは、グループとしてまとめて一括設定をできる方が設定を行うユーザにとってはより手間が少ない。そして、図4に示すように1つのグループが単独で存在しているケースでは、領域識別技術を用いて自動的にグルーピングが可能であり、一括設定も可能となる。
【0016】
自動領域識別の方法は、例えば特開2002−42143公報に開示されている。この方法によると、入力画像データより黒画素の連結成分の外接矩形を抽出する黒画素矩形抽出手段と、前記黒画素矩形抽出手段によって抽出された黒画素矩形について、該黒画素矩形の領域情報を用いて該黒画素矩形を枠候補又は非枠候補に弁別する一次判定手段と、枠候補と弁別された前記黒画像矩形の内部に対して白画素の連結成分矩形を抽出し、その位置関係から枠と非枠に分別する。この方法によって枠の塊を自動で抽出することができる。この方法で枠の固まりを自動抽出した場合、枠の塊と、その塊内部の枠が抽出されていることになる。その枠に対してグルーピングを行う技術としては、先行技術である特許文献1等に開示されている。この発明では、枠の塊の位置は処理領域設定手段として、ユーザから指定されることを想定しているが、自動抽出した領域を処理させる応用は可能である。枠の塊と、その塊に属している個別の枠が既知となっている状態であるため、グルーピング化は容易に可能で、そのグルーピングした枠を一括設定するのもまた容易である。なお、枠の領域を抽出する手段は、ここで述べた手法以外にも各種提案されており、上記した方法に限定されるものではない。例えば、処理領域の自動検出は、上記した特開2001−126010公報、特開2001−266068公報、特開2002−042143公報いくつかの既知の方法を適用することができる。
【0017】
しかしながら、特許文献1においては、図5に示すような形式の帳票42の場合は、ほぼ同じ大きさの枠42dが並んでおり、しかもグループごとに独立して間隔が空いていないため、自動でグルーピング化することができなかった。
そこで、例えば、帳票定義部20の処理領域検出部21において処理領域(枠)のサイズ、処理領域の罫線情報、処理領域の連結性の情報を取得し、最初に処理領域のサイズで分類を行うことが考えられるが、図5に示すような形式の帳票42では、記入領域のサイズは同じであり、印刷、スキャンを経て画像となったものであっても、それほど大きな違いは生じないため、図6に示すようなサイズと連結性を考慮した分類、例えば5つの枠42a〜42eに分類した分類結果となってしまう。
【0018】
そこで、本実施形態では、処理領域検出部21において、自動で表枠抽出とその後の個々の枠抽出を行う。そして処理領域グルーピング作成部22において、処理領域の罫線情報を利用してグルーピング化処理を行うようにした点に特徴がある。つまり、相対的に太い罫線は、グルーピングの切れ目にあるというルールを用いてグルーピング処理を行うようにした。
【0019】
自動で表枠抽出を行う技術は、上述した領域抽出技術により実現可能であるが、他の例としては特許第3215163号の発明により、文書画像(またはその縮小画像)から黒連結成分の外接矩形を抽出する。その外接矩形の中から、特定方向にしきい値が異常に長い黒画素の連結成分だけを用いて外接矩形を抽出し、そこで得られた縦長、横長の外接矩形の本数、配置によって表領域という判定をすることができるため、そういった方法で表の領域を抽出することができる。そうして得られた表領域の中身を、今度は特許第2851089号に示される方法では、主走査方向及び副走査方向の罫線の矩形を抽出し、罫線によって囲まれる枠を罫線の矩形の外側の座標を用いてそれを一つの枠と考えるようにしている。テンプレートに使用する枠は、基本的にはユーザが未記入のものを使用することが多く、一つの枠の中の空白領域を求めるか、枠を構成する内側の座標値を求めるかの手段でそれぞれの枠の領域を得ることができる。
【0020】
図7は、本実施形態の処理領域検出部21における表枠抽出処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、処理領域検出部21では、その帳票に記入を行うユーザが記入を行い、システムが読み取る可能性のある項目・枠を全て検出するのが目的となる。
このため、処理領域検出部21は、マスター画像入力部10からの画像入力(全面)を領域に分割し(S1)、表の類の領域を抽出する(S2)。
次に、抽出された表の内部から、その表を構成する罫線を抽出し(S3)、罫線で構成される枠を抽出して(S4)、出力する。
上記した処理領域検出部21における表枠抽出処理は、既存の技術として例えば特許第3140079号に開示されている。
なお、上記した枠抽出処理はあくまでも一例であり、本発明における枠抽出処理は、上記した枠抽出処理に限定されるものでなく、他の枠抽出処理も適用可能であることは言うまでもない。
【0021】
次に、本実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理について説明する。
枠をグループに分類化するには、枠の高さ、幅というサイズの情報、枠の連結性の情報、及び枠の周囲の罫線の情報(太さ、実線・点線などの罫線の種類)等を利用する。
これは、同じグループになるべき一連の枠は、基本的にサイズが同じであることが大多数であること、また一連の枠は独立した枠で形成されているものではない場合、上下左右のどこかで連結していることが大多数であるからである。また一連の枠を構成する罫線の情報も、大多数は類似しているからである。
但し、例外的に最外周の枠を構成する罫線だけが実線罫線であり、中の罫線が点線であるという構成を採る場合もある。このような場合、最も左に位置している枠と、その隣の枠とでは枠を構成する罫線情報が異なるという状態になるが、最外周のみ例外扱いをすることで、罫線の情報を使用できる。
【0022】
図8は、処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、処理領域グルーピング作成部22は、入力(画像、枠領域座標)から枠の罫線情報を抽出する(S11)。
この罫線情報には、罫線の種類(点線・実線)や罫線の太さ情報が含まれる。また、罫線情報抽出には、罫線太さ取得をする処理が含まれる。罫線の太さは、罫線の太さ方向のランレングスの平均を求める方法や、罫線領域の黒画素数を罫線領域の長さの値(ピクセル数)で割ることで、およその太さ(ピクセル数)が推定できる。
ランレングスの平均を求める方法は、垂直罫線であれば、その罫線を水平方向に操作したときに得られる黒画素の連結成分、ランの長さランレングスを求めて、それを平均する。例えば、棒を輪切りにして、その直径の平均を求めているようなイメージとされる。
【0023】
次に、枠の罫線の太さによるグルーピングを行う(S12)。例えば、枠の罫線の太さ情報を用いて大きく分類して、図9(a)のような塊61aに分ける。
次に同じグループ内を領域のサイズ(縦・横)でグルーピングを行う(S13)。例えば、太い枠の中に小さい枠が存在するものは、「太い枠の単位」で別なグループと判定する。図9に示した例では、太い枠の中に縦横サイズの同じ枠が揃っていることから、図9(b)のようなグルーピングされたら枠62a〜62gができる(個々では罫線の種類:実線、点線は使用していない)。
次に、グループ内(太い枠の中)に枠が一枠しかない場合、他の一枠しかないグループと同じかどうかを判定してグルーピングを行う(S14)。図9(b)に示す枠62a〜62gの中で枠62bと枠62gはいずれも1グループ1枠である。この後、枠の中に存在する文字列が異なるものは別のグループと判定すれば、図10(a)に示すように、枠62a〜62f、63a〜63eに分けることができる。
次に、グループ内が一枠であった場合、これは「郵便番号」などの書誌事項が書かれている枠63a〜63fがそれに相当する。このグループ枠のサイズを比較すると、「郵便番号」と「氏名」は枠の大きさが縦横、一定の範囲に収まるため、同じとグルーピングできる。同様に、「氏名フリガナ」と「住所」も同じ大きさであるため、同じとグルーピングできる。
この後、枠のグルーピングの属性を出力する。グルーピングの属性とは、グループ番号1、2といったシリアル番号のようなものでも良いし、グループA,B,Cでも良く、その表でどのグループかを示すIDのようなものとされる。
【0024】
なお、本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、枠の罫線情報の抽出を行っているが、これはあくまでも一例であり、図7に示した処理領域検出部21の表枠抽出処理におけるステップS3において、枠の罫線情報を抽出することを可能であり、その処理順序に関しては、適宜変更可能である。
【0025】
図10(b)は、処理領域グルーピング作成部22において、個々の処理領域(枠)の罫線情報を用いてグルーピング化した結果を示した図である。
上述したように、一つのグループの内部が、幾つかの枠で構成されている場合、その枠をサイズでグルーピングする。この例では、一つのグループを構成している枠、すなわち、郵便番号の記入枠60d、氏名の記入枠60f、氏名フリガナの記入枠60g、住所の記入枠60h、住所フリガナの記入枠60iが、全部同じグループであるという結果が得られる。
一方、グループ内が一枠であった場合、これは「郵便番号」などの書誌事項が記載されているところがそれに相当する。このグループ枠のサイズを比較すると、「郵便番号」と「氏名」は枠の大きさが縦横、一定の範囲に収まるため、同じとグルーピングできる。同様に、「氏名フリガナ」と「住所」も同じ大きさである。従って、「郵便番号」と「氏名」と印刷された枠60a、60aが同一グループ、「氏名フリガナ」と「住所」と印刷された枠60b、60bが同一グループになっている。また、「住所フリガナ」と印刷された枠60cが単独枠となっている。
これは、一つの枠において、罫線種類が4方向とも同一の太い罫線であるため、相対的な違いがないために、同種のグループと分類した結果である。仮に罫線の太さの情報を高精度に取得することができる枠検出装置があれば、こういった分類も詳細にグルーピングすることも可能になる。
【0026】
なお、枠60a〜60c等のプレ印刷のある領域(枠)は、ユーザが記入する記入枠とならないケースが多いため、一括設定の邪魔にならないと考えて、特別の処理は行わなくても良い。
【0027】
このように本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、同じ処理領域と異なる処理領域とを高精度にグループ化することで、帳票情報をグループ毎に一括して定義することができるので、帳票情報の設定作業を省力化することができる。
【0028】
帳票情報をグループ毎に一括するというのは、例えばプロトタイプとして使用しているテンプレート作成ツールでは、Ctrlボタンを押しながら一つの枠をクリックすると、同じグループに属している枠が全て同じように選択されるような処理とされる。勿論、Ctrlボタンの代わりにシフトボタンを用いても良く、グループの一部を触るとグループ全体が選択状態になるような操作であれば良い。このように構成すれば、マウスドラッグで選択したい範囲を囲むとか、シフトボタンを押しながら必要な領域を一つずつクリックするとかいう操作に比べて簡単に行うことができるという利点がある。
また帳票情報をグループ毎に一括して定義する場合は、例えば図11に示すような設定画面70に属性を定義情報に入力しておけば良い。
【0029】
また、主に金額欄にある3桁区切りで、罫線の種類を変えることも良くある。帳票のフォームを設計するときには、見栄えを良くするという意味の他にも、ユーザの誤記入を減らすことを目的として、記入枠をユーザが混乱しないように設計を行っているケースが多い。
そこで、本実施形態では、ユーザの誤記入を減らすための帳票設計ノウハウを自動分類方法に取り込むようにしている。
ここで、帳票設計ノウハウとして、グループ作成ルール記憶部に記憶されたルールについて説明する。
図12は、金額を記入する金額欄の一例を示した図である。なお、図12には、異なる2種類の金額欄71a、71bが示されている。
図12に示す金額欄71a、71bにおいて「金額欄にある3桁区切り」をルール化すると、例として以下になる。
この場合、ターゲットとするのは、金額欄71a又は71bの枠72a又は72bが連結している塊である。
(1)連結している枠72a、72bの外周を構成する罫線は同じ太さである。
(2)外周の枠72a、72bからみて、内部にある子の枠73a、73bの大きさ(縦・横のサイズ)は同じ大きさである。同じ大きさとは、閾値が一定値以内、分散が一定値以内などを意味する。
(3)枠3つ置きに、罫線74a、74bの種類あるいは太さ・罫線の長さのいずれか一つ以上が変化する。
この条件(1)〜(3)に全て当てはまる場合、3つ単位のグループ化をするのではなく、外周の枠の中は金額欄的な同一のグループであるという判定を行うようにする。このように構成すると、セル枠の自動分類精度を上げることができる。
【0030】
また、本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、上記図8に示したグルーピング処理において、各処理領域のサイズに関してグルーピングを行い、同一サイズと判定されたグループの中で、連結性のあるものだけをさらに纏めて最終的に同一グループとする方法を採用することも可能である。
【0031】
実際に領域が連結しているかどうかは、2つの処理領域が罫線を共有しているかという方法で判定可能である。
さらに、本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、一つの処理領域(枠)にとって、その処理領域の上下左右に位置している4つの矩形(場合によっては4つ以上存在することもある)に対して、サイズが同じであるかを判定する方法でも良い。つまりこの場合、処理領域グルーピング作成部22は、処理領域検出部21によって検出した各処理領域の中の一つの処理領域(枠)が、上下左右に最も近接している自分以外の4つ以下の他の処理領域と同じグループであるかどうかの判定を行い、それを検出された処理領域分繰り返すことで、全ての処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべきグループに分類する。
【0032】
このように、一つの処理枠が最も上下左右に近い他の処理領域と接触しているかを調べることで連結性を把握することができるので、例えば図13に示したような記入枠43があったときに、記入枠43aと記入枠43cの状態をいちいちみて記入枠43aと記入枠43cの連結性やサイズ判定を行う無駄を省くことができる。
【0033】
また、本実施形態における連結性の判定においては、基本的に連結しているものを同一のグループにグルーピング化するというルールがあればよいが、典型的な例の一つとして、枠が独立して存在するような場合でも同一のグループにグルーピングにするルールを加える。
【0034】
図14は、郵便番号を記入する郵便番号の欄の一例を示した図である。なお、図14には、異なる2種類の郵便番号の欄81a、81bが示されている。
この場合のルールとしては、
(1)連結している枠の外周を構成する罫線82a、82bは同じ太さである。
(2)内部に3つの子枠83a、83bがある枠84a、84bと4つの子枠83a、83bがある枠85a、85bが隣り合っている。
なお、枠84a、84bと枠85a、85bの順番は関係あるが、隣あうルールとしては、接している必要はない。また、枠84a、84bと枠85a、85bとの間に「−」のような記号の有無は無視する。なお、無視する方法としては、例外処理をあらかじめ作成しておくことが考えられる。
この条件(1)(2)にあてはまる場合、3つの枠84a、84bと4つの枠85a、85bを別のグループにするのではなく、合わせて郵便番号欄的な同一のグループであるという判定を行う。
【0035】
上記したルールは、例えば製品番号などにも応用でき、「R11−A082034」といった製品番号などの型番の桁数が決まっている場合、隣接状態、太さでグルーピングするかどうか、内部に子枠が何個必要かという情報をルール化しておき、それらのルールで条件文を設定することで、製品番号らしきところを同じグループとして取得することができる。
【0036】
図15は、独立した枠で記入欄の構成を示した図であり、この図15に示すように、個々の記入領域44aが独立した(他の処理領域と罫線を共有していない)枠であるケースは多々ある。これまで説明した例だけでは、こういう帳票に対応できないため、連結していない2つの処理領域(一の処理領域と他の処理領域との間)を調べる。
(1)上記2つの領域の間に、別の処理領域が存在しない、
(2)上記2つの領域のサイズが同じ(あるいは閾値以下の差)、
(3)上記2つの領域(枠)を構成する罫線情報(点線か、実線か、破線かといった罫線の状態)の対応しているものに差異がない、
という3つの条件が成立した場合に同一のグループであると見なすことで、分類精度を高めることができる。
より詳細にいえば、対応している罫線とは、A,Bという二つの枠を考えた場合、枠Aの上下の罫線が実線で左右の罫線が点線。枠Bの上下の罫線も実線で、左右が点線である状態をいう。
但し、例外として、図16に示すような間だけ点線のように種類が違う表枠90は、普通に存在するため、表の塊の際、外郭を構成する罫線を例外扱いする処理を入れることは望ましい。
【0037】
図17は、個々の記入領域が独立した枠である場合のグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。
この場合、処理領域グルーピング作成部22は、入力された画像・抽出枠(領域)からサイズによるグルーピングを行う(S21)。
次に、水平方向の配置のグルーピングを行い(S22)、グルーピングした領域の左にプレ印刷がある否かを判定する(S23)。グルーピングした領域の左にプレ印刷があると判定した場合は、1つのグループと決定する(S24)。
次に、グループ化した領域の全てのチェックが終了したか否かの判定を行い(S25)。全てのチェックが終了していないと判定した場合は、ステップS23に戻って処理を継続する。一方、ステップS23において、グルーピングした領域の左にプレ印刷がないと判定した場合は、1つのグループと決定することなく、ステップS25に移行する。
また、ステップS25において、グループ化した領域の全てのチェックが終了したと判定した場合は、次にグループが決定していない領域について、垂直方向の配置のグルーピングを行う(S26)。そして、グルーピングした領域の上にプレ印刷がある否かを判定する(S27)。グルーピングした領域の上にプレ印刷があると判定した場合は、1つのグループと決定する(S28)。
次に、グループ化した領域の全てのチェックが終了したか否かの判定を行い(S29)、全てのチェックが終了していないと判定した場合は、ステップS23に戻って処理を継続する。一方、ステップS27において、グルーピングした領域の左にプレ印刷がないと判定した場合は、1つのグループと決定することなく、ステップS29に移行する。そして、ステップS29において、グループ化した領域の全てのチェックが終了したと判定した場合に処理を終了する。
【0038】
ところで、帳票の種類は劇的に変化する場合は少なく、運用上でフォーマットの小規模修正が行われることの方が多い。
そこで、本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22に、処理領域のサイズ情報、処理領域を囲む周囲の罫線情報、処理領域の連結情報の3つの情報の組み合わせを予めルール化した情報を記憶するグループ作成ルール記憶部を備え、そのグループ作成ルール記憶部に記憶されたルールに従って処理領域のグルーピングの判断を行うようにすることも可能である。このように構成することで、当該システムを入れたユーザの帳票の修正をよりカスタマイズし易くなる。
【0039】
図18は、本実施形態の帳票定義装置の帳票定義部の他の機能ブロック図である。なお、図3と同一ブロックには同一符号を付して説明は省略する。
この図18に示す帳票定義部20は、グループ作成ルール記憶部として、グルーピングルール格納DB26を備えている。そして、処理領域グルーピング作成部22は、グルーピングルール格納DB26に格納されたルールに従って処理領域のグルーピングの判断を行うようにしている。
グルーピングルール格納DB26は、グルーピングルールの編集エディタ27によって編集可能とされる。
【0040】
グルーピングルール格納DB26により格納されるルールとしては、
(1)子枠の罫線の太さの許容度が違っていたらNG、外周が同じでそれぞれの枠が同じであることが必要
(2)子枠のサイズの許容度が(閾値を設定)閾値以上はNG
(3)枠の連続性については、空間ありを許容、文字ありを許容、但し隣接していないとNG
(4)子枠の連続する数「3・3・3」「3・4」
といった形で記述される。
【0041】
図12の例であれば、
(1)外周が同じ必要あり
(2)Thresh1(ほぼ同じ大きさにしたいので、Thresh1は小さめの値)
(3)隣接していないとNG
(4)「3・3・3」
となる。
また、図14の例であれば、
(1)外周が同じ必要あり
(2)Thresh2(ほぼ同じ大きさにしたいので、Thresh2は小さめの値)
(3)文字ありを許容
(4)「3・4」
となる。
【0042】
なお、上記したルールに則っているか否かの判定処理では、(1)〜(4)の条件を全て満たすか否かの判定を行うようにすればよい。このとき、必要なパラメーターは、グルーピングルール格納DB26からルールパラメーターを取得して判定に使用することになる。
【0043】
グルーピングルールは、基本はシステム側に予め格納されているが、ユーザにより変更可能である。そのように構成すれば、予め格納された状態でのルールに追加したい、修正したいという場合に、ルールの編集エディタ27によってルールを変更することが可能になる。つまり、新しいルールにしたがって処理領域のグルーピングを実行することができる。なお、テンプレート作成とグルーピングルールの編集は、特に同期していないものとする。したがって、ルールを編集したほうが、効率があると判断された時にルールは変更され、その後に新しいテンプレートを作成するときに、新しいルールが適用されることになる。
【0044】
なお、設定ファイルとその設定ルールを、学習機能などによりアップデート可能なシステムも考えることができ、より設定の容易化を実現することができる。
また本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、同一グループに分類された処理領域(同一グループに属している処理領域)の枠は同じ色で示し、異なるグループとの違いをビジュアル(視覚的)に表現する表示部23を備えているので、処理領域グルーピングの結果は、その後のグループ選択I/F部24でユーザが選択されるのを待つことになるため、視覚的に状態を表現できていることで、自動グルーピング結果の誤認があった場合にも、ユーザが状況を簡単に把握でき、修正しやすい状態にできるという利点がある。
【0045】
さらに本実施形態のグループ選択I/F部24では、同一グループに属している処理領域は、ポインティングデバイス等の入力部の操作で、一括選択が容易に行われるように構成している。例えば、同一グループに分類された処理領域の一つをShift−Key+マウスの左ダブルクリックをすることで、同一グループに分類された処理領域を一括して選択することができるというような状態を想定している。こうすることで、処理領域の範囲をわざわざマウスドラッグで選択するとか、一つ一つをクリックしてから一括設定をするなどの操作を減らし、ユーザに簡単な設定方法を提供することができる。
なお、本実施形態の帳票定義装置1では、枠領域の処理を行うことを例に挙げて説明したが、処理領域は、必ずしも枠領域に限定されるものでなく、例えば、特開2001−126010公報のように、プレ印刷文字を利用して処理領域を自動抽出することも可能である。また、例えば、本出願人による特開2001−266068公報、特開2002−042143公報などの方法も利用できる。
【0046】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る帳票定義部について説明する。
図19は領域分割された枠の一例を示した図である。
この図に示すような構成の枠201の塊があった場合に、それぞれの枠201a〜201cに、図19に示すような枠IDを振ることができる。すなわち、枠201aの枠IDは(1,1)、枠201bの枠IDは(1,2)、枠201cの枠IDは(2,1)となる。このとき、枠201aは枠201bと枠201cを子供として持つという解釈を行う。
図20は、図19に示した枠をツリー構造により示した場合の一例である。
図19、図20に示す枠IDの付け方は、特許3157534号公報の段落[0016]などに記載されている。
【0047】
また、この場合は、罫線が実際には無くても有ったと仮定して、セル枠をつけておき、最終的に仮想的な罫線を使用している枠は枠番号の小さいものに吸収されるという考えをとるようにしている。
従って、図19に示す枠201であれば、図21に示すようにマトリクス上にセルIDが付与される。そして、(2,1)は(1,1)に統合された形で、図19に示すように表記するようにしている。なお、この表記方法は既知である。
【0048】
図22は、帳票の他の例を示した図である。
この図22に示す帳票210は、上下に共通のフォームの枠を有しているものである。
このようなフォームの構造は、上記した枠IDの付与方法によって、図23に示すような枠IDを付与できる。
さらに、図23に示す枠IDの親子関係をツリー構造にすると、図24に示すことができる。この場合、図24では、二つ存在するツリーの構成が同じこと、対応する枠:例えば(1,3)と(7.3)のサイズが変わらないという情報から、この二つのツリー構造は一致すると判定できる。そうした判定結果から、(1,3)と(7,3)など対応する枠が同じグループと判定するのが第2の実施形態の特徴である。
【0049】
図25は、第2の実施形態の帳票定義部の機能ブロック図である。なお、図3と同一ブロックには同一符号を付して説明は省略する。
この図25に示す帳票定義部20は、処理領域検出部21と処理領域グルーピング作成部22との間に枠構造解析部28を備えている。
枠構造解析部28は、処理領域検出部21によって検出された領域の構造解析を行って、領域のツリー構造を理解する。例えば、枠の構造を検出して大きな塊から小さな部分へのツリー構造を生成する。
図26は、枠のツリー構造を生成する処理の一例を示した図である。
なお、ステップS31〜S34の処理は処理領域検出部21が実行する処理であり、ステップS35〜S38の処理は枠構造解析部28が実行する処理となる。
この場合、処理領域検出部21は、入力された画像(全面)を領域に分割し(S31)、「表」の類の領域を抽出する(S32)。
次に、抽出された表の内部から、その表を構成する罫線を抽出し(S33)、罫線で構成される枠を抽出する。
次に、枠構造解析部28が、抽出した枠に枠IDを付与し(S35)、枠IDの従属関係からツリー構造を生成して(S36)、出力する。
【0050】
このように、本実施形態によれば、枠構造解析部28の解析結果に基づいて、同じ構造を持つ枠(領域)の一致する部分を構造的に探して、同じグループとすることで、隣接していない離れた位置にある同じ内容の枠を一つのグループと判定できるようになり、ユーザの設定が容易になる。
【0051】
次に、第2の実施形態に係る帳票定義装置において、処理領域グルーピング作成部がプレ印刷文字の情報を用いて行うグルーピング処理について説明する。
なお、本実施形態では、文字認識(OCR)を使用する場合と、文字認識は使用せずにプレ印刷部分の画像の一致度合いで判断を行う場合を例に挙げて説明する。
図27は、第2の実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の一例を示したフローチャートである。この処理は、文字認識(OCR)を使用する例である。
この場合は、処理領域グルーピング作成部22は、先ず、入力画像から枠領域と文字列を抽出する(S41、S42)。次に、文字の認識を行い(S43)、プレ印刷文字のある枠の認識文字同士を比較し(S44)、プレ印刷文字のある枠の認識文字同士が一致しない場合は、ステップS44に戻って、次の文字の探索を行う。
一方、プレ印刷文字のある枠の認識文字同士が一致する場合は、次にプレ印刷文字のある領域同士の枠サイズが同等であるか否かの判定を行う(S46)。
ステップS46において、プレ印刷文字のある領域同士の枠サイズが同等であると判定した場合は、次にプレ印刷文字位置の右、或いは下にサイズが同等の記入枠があるか否かの判定を行う(S47)。
ステップS47において、サイズが同等の記入枠があると判定した場合は、対応する二つの枠を同じグループとする(S48)
なお、ステップS46において、プレ印刷文字のある領域同士の枠サイズが同等でないと判定した場合、ステップS47において、サイズが同等の記入枠でないと判定した場合は、ステップS44に戻って、6において、プレ印刷文字のある領域同士の枠サイズが同等であると判定した場合はプレ印刷文字のある枠の認識文字同士が一致しない場合は、ステップS44に戻って、次の文字の探索を行う。
【0052】
図28は、第2の実施形態の処理領域グルーピング作成部22におけるグルーピング処理の他の例を示したフローチャートである。この処理は、文字認識は使用せずにプレ印刷部分の画像の一致度合いで判断を行う例である。
この場合は、処理領域グルーピング作成部22は、先ず、入力画像から枠領域と文字列を抽出する(S51、S52)。次に、文字の認識を行い(S53)、プレ印刷文字のある領域同士の枠のサイズを比較し(S54)、枠のサイズが同等でない場合は、ステップS54に戻って、次の文字の探索を行う。
一方、プレ印刷文字のある領域同士の枠のサイズが同等である場合は、次にプレ印刷文字の画像マッチングを行い(S56)、ステップS57において、画像の差異が小さく一致すると判定した場合は、プレ印刷文字位置の右、或いは下にサイズが同等の記入枠があるか否かの判定を行う(S58)。
ステップS58において、サイズが同等の記入枠があると判定した場合は、対応する二つの枠を同じグループとする(S59)
なお、ステップS57において、画像の差異が大きく一致しないと判定した場合、ステップS58において、サイズが同等の記入枠でないと判定した場合は、ステップS54に戻って、次の文字の探索を行う。
【0053】
上記したグルーピング処理を実行すれば、例えば図22では、「フリガナ」と記載されているものは対応するものが複数存在するが、領域サイズが一致するのは、(1,3)(5,3)(7,3)(11,3)の4パターンとなり、これらが同じグループとされる。他に(3,3)と(9,3)が同じグループとなる。
【0054】
このように本実施形態では、処理領域グルーピング作成部22において、同じプレ印刷文字がある領域の右、あるいは下の領域を探して同じグループとすることで、隣接してない離れた位置にある同じ内容の領域を一つのグループと判定できるようになり、ユーザの設定が容易になる。
【0055】
なお、文字認識を使用する場合は、認識した文字列の情報から、さらに知識的な処理と組み合わせることが出来る。但し、文字認識は100%が難しい技術であり、今回の用途の場合、文字列比較ではなく、プレ印刷の画像同士で差分が大きいか小さいかというレベルの判定でも良好な精度は得られる。
また、上記図26、図28に示したフローチャートでは、二重ループに入ったときに、最初に枠のサイズ判定をするか、後にするかが異なっているが、これは対象と求める速度などに応じて変更が可能である(チューニングの範囲)。
【0056】
また、本発明は上述した実施形態のみに限定されたものではなく、上述した実施形態の帳票定義装置1を構成する各機能をプログラム化し、このプログラムを図2に示したCPU102が実行することによって、本発明の目的を達成することができる。
また、記録媒体としては半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD−R等)、磁気媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)のいずれであってもよい。
また、ロードしたプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステム等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。さらに、上述したプログラムが、機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるメモリにロードされ、そのプログラムの実行によって、上述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
また、上述したプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークで接続された利用者のコンピュータからダウンロードして頒布する場合、また、サーバコンピュータから配信して頒布する場合、このサーバコンピュータの記憶装置も本発明の記録媒体に含まれる。
このように、本発明の機能を有するプログラムを記録媒体に記録して頒布することによって、コスト、可搬性、汎用性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0057】
1…帳票定義装置、10…マスター画像入力部、20…帳票定義部、21…処理領域検出部、22…処理領域グルーピング作成部、23…表示部、24…グループ選択I/F部、25…グループ情報定義部、26…グルーピングルール格納DB部、27…グルーピングルールの編集エディタ、30…帳票定義データベース(DB)、50…帳票入力処理装置、51…処理画像入力部、52…認識処理部、53…認識結果部、54…業務関連DB、54…設定画面、100…帳票入力処理システム、101…スキャナー、102…CPU、103…プログラム格納ROM/RAM、104…記録媒体、105…CD−ROM/FDドライブ、106…ワークエリアRAM、107…メモリ、108…ディスプレイ、109…印字装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0058】
【特許文献1】特開平11−66232号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票情報を定義する帳票定義装置であって、
入力された前記帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出する処理領域検出部と、
前記検出された各処理領域のサイズの類似性、前記各処理領域の上下左右への接続状況、及び前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、前記各処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類する処理領域グルーピング作成部と、
入力部からの入力情報に基づいて、前記同一グループに分類された処理領域を選択するグループ選択I/F部と、
前記グループ選択I/F部において選択されたグループの設定情報を一括して定義するグループ情報定義部と、
を備えたことを特徴とする帳票定義装置。
【請求項2】
前記処理領域グルーピング作成部は、
前記処理領域検出部によって検出された各処理領域が、上下左右に最も近接している他の処理領域と同一グループであるか否かの判定を行うことにより、全ての処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべきグループに分類することを特徴とする請求項1記載の帳票定義装置。
【請求項3】
前記処理領域グルーピング作成部は、
前記処理領域検出部によって検出された各処理領域のサイズ情報と前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報とに類似性があり、且つ、前記各処理領域が上下左右で他の処理領域と直接連結していない状態で、前記各処理領域と前記他の処理領域との間に更に他の処理領域がない状態であると判定した場合は、他の処理領域を同一グループに分類することを特徴とする請求項1または2記載の帳票定義装置。
【請求項4】
前記処理領域グルーピング作成部は、
前記処理領域のサイズ情報、前記処理領域を囲む周囲の罫線情報、及び前記処理領域の連結情報の3つの情報の組み合わせを予めルール化した情報を記憶するグループ作成ルール記憶部を備え、該グループ作成ルール記憶部に記憶されたルールに従って、前記処理領域のグルーピングの判断を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の帳票定義装置。
【請求項5】
前記処理領域グルーピング作成部において、同一グループに分類された処理領域を視覚的に表現する表示部を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の帳票定義装置。
【請求項6】
前記処理領域検出部によって検出された領域の構造解析を行い、前記領域のツリー構造を生成する領域構造解析部を備え、
前記処理領域グルーピング作成部は、前記領域構造解析部の解析結果に基づいて、前記領域構造が同一の領域部分を同一のグループと判定することを特徴とする請求項1記載の帳票定義装置。
【請求項7】
前記処理領域グルーピング作成部は、
文字情報と該文字情報が記入された処理領域のサイズ情報が一致し、且つ、前記文字情報が記入された処理領域の右、あるいは下に同一サイズの処理領域がある場合に前記同一サイズの処理領域を同じグループと判定することを特徴とする請求項1記載の帳票定義装置。
【請求項8】
前記グループ選択I/F部は、前記同一グループに分類された処理領域を、前記入力部の入力操作により一括選択できるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載の帳票定義装置。
【請求項9】
帳票情報を定義する帳票定義方法であって、
入力された前記帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出するステップと、
前記検出された各処理領域のサイズの類似性、前記各処理領域の上下左右への接続状況、及び前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、前記各処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類するステップと、
入力部からの入力情報に基づいて、前記同一グループに分類された処理領域を選択するステップと、
前記グループ選択I/F部において選択されたグループの設定情報を一括して定義するステップと、
を含むことを特徴とする帳票定義方法。
【請求項10】
コンピュータに請求項9記載の帳票定義方法を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
帳票情報を定義する帳票定義装置であって、
入力された前記帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出する処理領域検出部と、
前記検出された各処理領域のサイズの類似性、前記各処理領域の上下左右への接続状況、及び前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、前記各処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類する処理領域グルーピング作成部と、
入力部からの入力情報に基づいて、前記同一グループに分類された処理領域を選択するグループ選択I/F部と、
前記グループ選択I/F部において選択されたグループの設定情報を一括して定義するグループ情報定義部と、
を備えたことを特徴とする帳票定義装置。
【請求項2】
前記処理領域グルーピング作成部は、
前記処理領域検出部によって検出された各処理領域が、上下左右に最も近接している他の処理領域と同一グループであるか否かの判定を行うことにより、全ての処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべきグループに分類することを特徴とする請求項1記載の帳票定義装置。
【請求項3】
前記処理領域グルーピング作成部は、
前記処理領域検出部によって検出された各処理領域のサイズ情報と前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報とに類似性があり、且つ、前記各処理領域が上下左右で他の処理領域と直接連結していない状態で、前記各処理領域と前記他の処理領域との間に更に他の処理領域がない状態であると判定した場合は、他の処理領域を同一グループに分類することを特徴とする請求項1または2記載の帳票定義装置。
【請求項4】
前記処理領域グルーピング作成部は、
前記処理領域のサイズ情報、前記処理領域を囲む周囲の罫線情報、及び前記処理領域の連結情報の3つの情報の組み合わせを予めルール化した情報を記憶するグループ作成ルール記憶部を備え、該グループ作成ルール記憶部に記憶されたルールに従って、前記処理領域のグルーピングの判断を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の帳票定義装置。
【請求項5】
前記処理領域グルーピング作成部において、同一グループに分類された処理領域を視覚的に表現する表示部を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の帳票定義装置。
【請求項6】
前記処理領域検出部によって検出された領域の構造解析を行い、前記領域のツリー構造を生成する領域構造解析部を備え、
前記処理領域グルーピング作成部は、前記領域構造解析部の解析結果に基づいて、前記領域構造が同一の領域部分を同一のグループと判定することを特徴とする請求項1記載の帳票定義装置。
【請求項7】
前記処理領域グルーピング作成部は、
文字情報と該文字情報が記入された処理領域のサイズ情報が一致し、且つ、前記文字情報が記入された処理領域の右、あるいは下に同一サイズの処理領域がある場合に前記同一サイズの処理領域を同じグループと判定することを特徴とする請求項1記載の帳票定義装置。
【請求項8】
前記グループ選択I/F部は、前記同一グループに分類された処理領域を、前記入力部の入力操作により一括選択できるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載の帳票定義装置。
【請求項9】
帳票情報を定義する帳票定義方法であって、
入力された前記帳票画像から帳票情報の処理領域を自動的に検出するステップと、
前記検出された各処理領域のサイズの類似性、前記各処理領域の上下左右への接続状況、及び前記各処理領域を囲む周囲の罫線情報の類似性に関する情報に基づいて、前記各処理領域を同一カテゴリーの内容が記入されるべき同一グループに分類するステップと、
入力部からの入力情報に基づいて、前記同一グループに分類された処理領域を選択するステップと、
前記グループ選択I/F部において選択されたグループの設定情報を一括して定義するステップと、
を含むことを特徴とする帳票定義方法。
【請求項10】
コンピュータに請求項9記載の帳票定義方法を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−190434(P2012−190434A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254143(P2011−254143)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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