説明

干し物セイロ反転装置

【課題】 本発明は、梅干しや干し魚等の加工食品を天日干しする作業において、万遍無く乾燥,色付けをする為に、セイロに乗せた梅干しや干し魚等を飛散なく簡単に裏表に反転さす機械を提供する事で、熟練を必要とする事無く作業労力の軽減を図り、生産性の向上を目的とするものである。
【解決手段】 干し物セイロ反転装置の上下に反転アームを取り付け、この反転アームが回転ガイドプレートの内周に沿って回転する事で、梅干しや干し魚等の加工食品が入ったセイロと飛散防止板が開かずに固定されたまま反転し、反転アームに取り付けた挟み込み板にスポンジ等のクッション材を取り付ける事で、セイロの中に入っている梅干しや干し魚等の加工食品の大きさが変ってもセイロの中に入っている加工食品が飛散しない様に反転する事ができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梅干しや干し魚等の加工食品を天日干しする際に、万遍無く乾燥,色付けができる様に、セイロに乗せた梅干しや干し魚等を裏表に反転さす機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
梅干しや干し魚等の加工食品を天日干しする際に、万遍無く乾燥,色付けをする為に、梅干しや干し魚等を乗せたセイロを重ね合わせて両手で持ち上げて反転させたり、セイロの中に入っている梅干しや干し魚等の加工食品を、一つずつ手で反転させたりという様な作業を繰り返し行っている。
【0003】
同じ動作を繰り返し、長時間連続してこの作業を行う事は目や腕が疲れ、作業者にとってはかなりな重労働である。又、万遍無く反転させなければならない為に、作業時間もかかり生産性も低減する。
【0004】
又、セイロを重ね合わせて反転させる作業については、中に入っている梅干しや干し魚等が飛散等しない様に作業しなければならない為、熟練した作業員しか作業が出来ない現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、梅干しや干し魚等の加工食品を天日干しする際に、熟練を必要とする事無く誰でも簡単に梅干しや干し魚等の加工食品が飛散せずセイロを反転する事ができ、作業員の体への負担を軽減し生産性も向上できる様に天日干しのセイロを反転する機械を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を解決するために、本発明の干し物セイロ反転装置の上下に反転アーム2本を取り付け、下側の反転アームに梅干しや干し魚等の加工食品が入った干し物用セイロを置き、その上から飛散防止板を乗せて上側の反転アームで挟み回転(反転)さす。その時、其々の反転アームに取り付けたガイドベアリングが固定された回転ガイドプレートに開けた穴の内周に沿って回転する事で、梅干しや干し魚等の加工食品が入った干し物用セイロと飛散防止板が回転途中でも開く事なく回転(反転)し、セイロの中に入っている加工食品が飛散しない様に反転する事ができる。
【0007】
又、反転アームに取り付けた挟み込み板に、スポンジ等の柔軟なクッション材を取り付ける事で、セイロの中に入っている梅干しや干し魚等の加工食品の大きさが変っても飛散防止板を均一に押える事ができ、セイロの中に入っている加工食品が飛散する事なく反転する事ができる。
【0008】
梅干しや干し魚等の加工食品を入れたセイロを下側の反転アームに乗せ、セイロの上に飛散防止板を置いて上側の反転アームを降し、反転アームに取り付けた取手を持って反転するだけでセイロの中に入っている梅干しや干し魚等の加工食品が反転するので、時間も手間もかけずに誰でも簡単にセイロを反転させる事ができ生産性も向上できる。
【発明の効果】
【0009】
上述のように本発明の干し物セイロ反転装置は、梅干しや干し魚等の加工食品を天日干しする際に、熟練を必要とする事無く梅干しや干し魚等の加工食品が飛散せずセイロを反転する事ができ、セイロの中に入っている梅干しや干し魚等の加工食品の大きさが変っても、中に入っている加工食品が飛散する事なく反転する事ができる。又、干し物セイロ反転装置に取り付けた取手を持って反転するだけなので、時間も手間もかけずに誰でも簡単にセイロを反転させる事ができる。この事で、セイロを重ね合わせて両手で持ち上げて反転させたり、セイロの中に入っている梅干しや干し魚等の加工食品を一つずつ手で反転させたりという様な作業が無くなり、体への負担も軽減され生産性の向上に続がるものと考える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の干し物セイロ反転装置の実施例を示す全体側面図である。
【図2】本発明の干し物セイロ反転装置の実施例を示す全体正面図である。
【図3】干し物が入ったセイロを反転装置に置いた図とセイロに干し物を入れる順序を示した図である。
【図4】反転部及び回転部の配置を表した正視図である。
【図5】回転ガイド及び反転アームの構造を表した断面図である。
【図6】回転シャフトが180度反転した時のストッパーを表した図である。
【図7】干し物が入ったセイロを反転装置で反転した時のセイロの状態を示した図である。
【図8】反転した後の干し物をセイロに並べる順序を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
梅干しや干し魚等の加工食品が入ったセイロを反転する為に、干し物セイロ反転装置の上下に反転アーム2本を取り付け、この反転アームが固定された回転ガイドプレートに設けた穴の内周に沿って回転する事で、梅干しや干し魚等の加工食品が入ったセイロと飛散防止板が開かずに固定されたまま反転し、セイロの中に入っている加工食品が飛散しない様に反転する事ができる。
【0012】
又、反転アームに取り付けた挟み込み板にスポンジ等の柔軟なクッション材を取り付ける事で、セイロの中に入っている梅干しや干し魚等の加工食品の大きさが変っても飛散防止板を均一に押える事ができ、セイロの中に入っている加工食品が飛散する事なく反転する事ができる。
【実施例】
【0013】
以下、添付図面に従って実施例を説明する。図1の干し物セイロ反転装置の全体側面図及び図2の全体正面図において、1の反転装置架台の上部に回転部2を固定し、回転部2に回転ガイドプレート3を固定する。回転部2には回転シャフト9が抜け落ちしないようにシャフト固定用スナップリング21が回転ベアリング10の両側にセットされていて、回転シャフト9の先端には干し物用セイロ15を置いた位置がずれないよう、ガイドアーム6を取り付けている。又、図3,図5に表すように回転シャフト9の相対する位置に反転アーム取付け板12a,12bが固定され、其々の反転アーム取付け板12a,12bには反転アーム4a,4bが上下に開閉可能な隙間をあけて反転アーム軸シャフト14a,14bにて固定されている。其々の反転アーム4a,4bには図4の正視図に示すように挟み込み板7a,7bが固定されていて、挟み込み板7a,7bにはスポンジ等の柔軟なクッション材5及び反転する際に手をかける取手8a,8bが取り付けてある。又、其々の反転アーム4a,4bの回転ガイドプレート3が当たる位置には、回転(反転)を円滑に行う為のガイドベアリング13a,13bを取り付けている。
【0014】
回転部2には回転シャフト9が円滑に回転する様に回転ベアリング10を取り付けていて、回転部2に固定されている回転ガイドプレート3には、図5のように反転アーム4a,4bが重ね合わせた時に上下方向に対し平行及び水平になる様にガイド直径19の寸法で穴を空けている。又、同じく回転ガイドプレート3の垂直方向の上側には、反転アーム4a,4bが上に開くことが出来るように、ガイドベアリング13a,13bの直径より1mm程度大きいガイドベアリング通過用溝20を設けている。次に180度反転させて停止さす為に、図6のストッパーを表した図において反転アーム取付け板12a,12bは長さの異なる板2枚からなり、其々同じ長さの板を回転シャフト9の相対する位置の同一方向に取り付ける。この2枚の板の隙間は反転アーム4a,4bが上下に開閉可能な寸法とし、回転部2に固定されたストッパー11の幅をこの隙間と同じ寸法にし、ストッパー11の取り付け位置は反転アーム取付け板12a,12bの短い方の板が当たらず通過する位置に取り付ける事で、図6(a),(b)に示すよう反転アーム取付け板12a,12bの長い方の板が回転部2に固定されたストッパー11に当たり、180度回転した段階で停止さす事ができる。
【0015】
前述のように回転ガイドプレート3のガイド直径19の穴の垂直の上方向だけにしかガイドベアリング13a,13bが通過できるガイドベアリング通過用溝20がない為に、回転(反転)途中の状態では反転アーム4a,4bは離れずに回転(反転)し、180度反転した時だけ反転アーム4a,4bの上側の反転アームのみ開くことができる。又、下側にある反転アームは回転部2に内蔵している回転ベアリング10と、回転部2に固定してある回転ガイドプレート3に反転アームに取り付けているガイドベアリングが水平に支えあう事で、180度回転(反転)しても水平状態を保つ事ができる。
【0016】
次に干し物用セイロ15を反転する動作を記述する。図3(b)の様に15の干し物用セイロに16bのネットを敷き、その上から17の梅干しや干し魚等の加工品を並べる。この状態で天日干し台で天日干しを行い、表面が乾き中の加工品を反転させたい時に、再度別の16aのネットを上から被せ18の飛散防止板を置く。その状態で図3(a)に示す様に、反転アーム4aに取り付けている挟み込み板7aの柔軟なクッション材5の上に乗せ、反転アーム4bを下にさげる。この場合、干し物用セイロ15の中に入っている加工食品17の厚みが多少違っても両方の挟み込み板7a,7bに取り付けている柔軟なクッション材5の働きで、中に入っている加工食品17が軽く押えられて反転時移動したり潰れたりしない構造となっている。
【0017】
加工食品が入った干し物用セイロ15を、反転アーム4aに取り付けている挟み込み板7aの柔軟なクッション材5の上に乗せたのち、反転アーム4bを下にさげる。次に挟み込み板7a,7bに固定している取手8a,8bを両手で掴み反転する方向に回すと、反転アーム4a,4bは干し物用セイロ15を挟んだ柔軟なクッション材5の反発作用で、反転アーム4a,4bに取り付けているガイドベアリング13a,13bが回転ガイドプレート3のガイド直径19の内面に沿って回転することで、反転アーム4a,4bは離れること無く反転する。反転アーム4a,4bが離れること無く反転するのと、前記の柔軟なクッション材5の働きで中に入っている加工食品17が飛散防止板18に軽く押えられ反転するので、いままで加工食品17を飛散なく反転さす為に熟練を要した干し物等の天日干しの反転作業が、誰でも簡単に行う事ができる。180度反転すると回転部2に固定されたストッパー11に、上方向にある反転アーム取付け板12aの位置決め板側があたり、図6のような状態で回転を停止する。(反転終了時の加工食品が入った干し物用セイロ15は反転前と比べて上下逆となっている。)
【0018】
次に上方向にある反転アーム4aを持ち上げ固定し、図7(a)のように干し物用セイロ15を持ち上げ取り出して天日干しする台の上に置き、挟み込み板7bの上に固定されているクッション材5の上にある加工食品17を挟んだネット16a,16bと飛散防止板18をそのままの状態で取り出して干し物用セイロ15の中に入れる。その後に飛散防止板18を引き抜き、ネット16bを取り外す。これで梅干し,干し魚等の加工食品17の反転作業は完了する。
【符号の説明】
【0019】
1 反転装置架台
2 回転部
3 回転ガイドプレート
4a,4b 反転アーム
5 クッション材
6 固定アーム
7a,7b 挟み込み板
8a,8b 取手
9 回転シャフト
10 回転ベアリング
11 ストッパー
12a,12b 反転アーム取付け板
13a,13b ガイドベアリング
14a,14b 反転アーム軸シャフト
15 干し物用セイロ
16a,16b ネット
17 梅干し,干し魚等の加工食品
18 飛散防止板
19 回転ガイド直径
20 ガイドベアリング通過用溝
21 シャフト固定用スナップリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
梅干しや干し魚等の加工食品が入った干し物用セイロを反転する際に、反転途中で干し物用セイロの中に入っている加工食品が飛散しない様に上下に反転アーム2本を取付け、下側の反転アームに梅干しや干し魚等の加工食品が入った干し物用セイロを置き、その上から飛散防止板を乗せて上側の反転アームで挟み回転(反転)さす時に、其々の反転アームに取り付けたガイドベアリングが、固定された回転ガイドプレートに開けた穴の内周に沿って回転する事で、干し物用セイロと飛散防止板が回転途中でも開く事なく回転(反転)し、干し物用セイロの中に入っている加工食品が飛散なく反転する事が出来る干し物セイロ反転装置
【請求項2】
反転アームに固定している挟み込み板に、スポンジ等の柔軟なクッション材を取り付ける事で、セイロの中に入っている梅干しや干し魚等の加工食品の大きさが変っても飛散する事なく、セイロの中でも移動したり潰れたりしない様に反転する事ができる干し物セイロ反転装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−78399(P2011−78399A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249487(P2009−249487)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(509258739)
【出願人】(509258740)
【Fターム(参考)】