干渉フィルター
本発明は、互いに選択された距離で離隔され、且つ略平行で且つ部分的に反射する少なくとも2つの反射面を備え、光が発振している間に前記反射面によって境界が定められる空洞を形成し、前記反射面のうち少なくとも1つの反射面は、光が前記空洞に向かって又は前記空洞から透過するように部分的に透明とされる特に選択された範囲内で赤外線でのガスを検出する際に使用するための干渉フィルターに関する。前記干渉フィルターは、前記空洞内部に少なくとも部分的荷に位置し、高い屈折率を有している例えばシリコンのような第1の透過材料と、前記反射面の平面に対して偏移を変化させこれにより前記2つの反射面の間で位置に依存して共振させ、異なる光の波長で共振するために3次元パターンに分割された少なくとも前記反射面のうち第1の反射面と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉フィルター、特に選択された範囲内で赤外線によってガスを検知する際に利用される干渉フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
大部分のガスは、気体分子の許容振動遷移に対応している光子エネルギーと共に赤外線を吸収する。赤外線を利用してガス濃度を測定する場合には、一般にガスを通じて透過された光の2種類の測定が実行される。この2種類の測定のうち一方の測定はガスの吸収によって影響され(減少され)、他方の基準測定はガスによって影響されない。この測定方法は、非分散赤外線方式(non-dispersive infrared,NDIR)と呼ばれる。
【0003】
図1は4.5−5.0μmの範囲の波長の一の作用である透過を表わすが、一酸化炭素(CO)の赤外線スペクトルは略周期的なラインパターンを有していることがわかる。メタン(CH4)を含む幾つかのガスは、類似する吸収ラインを有している。一酸化炭素ライン(CO lines)間の距離は、波長が増加すると共に増加しているが、波長の小さな間隔内で基本的に一定である。一酸化炭素の濃度を測定するために、図2に図示されるようなアセンブリを使用することができる。赤外線光源21からの光は、平行ミラー(collimating mirror)又は集束ミラー(focusing mirror)22を介してガスセル(gas cell)23を通過して、さらに例えばファブリペローフィルターのような調整されたフィルター24、固定されたバンドパスフィルター25、さらに集束ミラー26を通過して検出器27に送信される。この構成において、調整されたフィルターの機能は、2つの構成又は設定の間でシフトすることである。一方の設定において、一酸化炭素が光を透過させるスペクトルの範囲で光を透過し(相関的な設定)、他方の設定においては、一酸化炭素が光を吸収するスペクトルの範囲で光を透過する(非相関的な設定)。この方法において、異なる設定を使用する測定の間で連続してシフトすることができる。2つの設定の間の距離は、一酸化炭素がガスセル内で妨げない場合、ゼロ(zero)であり、増加している一酸化炭素の濃度と共に増加することができる。
【0004】
ガススペクトル内で単一のラインに適合されているフィルターを使用することによって、様々な利点が得られる:
1)与えられたガス濃度は、バンドパスフィルターが使用される場合と比較して、測定された信号において大きな相対的変化を与える。
2)別のガスが同一の波長帯内で吸収される存在である場合、異なるライン以外で同じ範囲内でガスの検出感度を減少するように、測定に最小限の影響を有することができる。
3)光源の温度及び別の外乱による変化は、両方の測定に同程度に影響を与えることができる。
これがフィルターの位置を除いてすべてを作用するために、一定に保たれなければならない。これは、光が可能な限り類似の経路を通ることによって得られることができる。好ましくは、測定に影響を与える全て事柄は、それら上に同じ影響を有することができる。別のガスを加えて、影響は、温度勾配、光学的表面上に蒸着された汚れ、増幅回路内のドリフト、機械的な安定性などである場合もある。
【0005】
一酸化炭素ラインと共に直接的に適合するフィルターを作製することは、難しい。近い近似(approximation)は、表面間の距離dと共に2つの平行な光学的表面間の媒介物の回折率nを有している干渉フィルターである。フィルターを介する透過は、λが波長である波数ν=1/λである周期関数である。周期は、1/2ndであり、nは屈折率である。今、距離dは、周期がスペクトルにおいて位置の範囲における一酸化炭素ラインに対応するように選択されることができる。光学波長s=ndがs±(Δs)=s±λ/4であるように波長の4分の1と共に変化するとき、フィルターの要求された変調は得られる。一定の屈折率と共に、d±(Δd)=d±λ/4nのように厚さにおける変化に対応することができる。屈折率が1であるときに、Δdは、約2.3μmである。
【0006】
一酸化炭素スペクトルに適合され、非相関的なモードにおける干渉フィルターを通過した透過は、図1に記載される。図1では、上部ラインは一酸化炭素スペクトルを示し、下部ラインはフィルターの透過スペクトルを示し、上部ライン及び下部ラインは、波長の関数であり、4.5μmから5.0μmの範囲である。
【0007】
中央部の波長から次第に増加している外側の波長は、図1に示されるように、フィルターラインとガスラインとの間で起こる場合がある。バンドパスフィルターを追加することによって、使用者は使用される境界を定めることができる。
【0008】
干渉フィルターは、調節可能な離隔状態で2つの平行なミラーからなる場合、ミラー間の光学材料における変化は、とても制限される:例えば、空気、別のガス又は場合により弾性の透過材料である。干渉フィルターにおける光学材料は、到着する光におけるどれくらい大きい拡角(angular spread)を有しているかを決定する。角度が増加するとき、効果的な光学波長は干渉している光のために減少し、且つ、入射角における拡大は、透過スペクトルのスミアリング(smearing)を生じる場合がある。高い屈折率は、フィルター材料内の最大屈折角度を低くすることができる。フィルターの範囲(etendue)は、最大許容角度によって決定される。範囲は、光束(light bundle)の領域及び立体角の成果であり、光線源が無制限に拡張する場合に、システムを介してどの程度の光なのかの測定することができる。与えられたスペクトル分解能における範囲が屈折率の2乗に比例することが示される。従って、使用者は、例えばシリコン(n=3.4)が共振器内の空気の代わりに使用される場合、10倍以上の光を得ることができる。
【0009】
この挑戦は、相関的なモード及び非相関的なモードの両方にフィルターを調整するのに十分な光学波長を変化することができる高い屈折率で干渉フィルターを作製することである。
【0010】
従来技術において、そのような干渉フィルターと共に一酸化炭素を測定する原理は、特許文献1に記載されている。シリコン又は記述されていない類似の材料を除いて、透過の光学材料で熱的に調整されたフィルターを作製する可能性についても述べている。
【0011】
機械的な干渉計を作製することは、費用がかかり、それ故に、この測定方法は、例えばホームマーケットのための火災報知機内及び焼却炉のプロセス監視に使用するための一酸化炭素センサーを安価で、且つ対象に生産するために不適切である。
【0012】
1990年頃にMichael Zochbauerは、光学波長を変化するためのシリコンディスクを加熱された状態でいくつかの実験を行い、非特許文献1の195ページから203ページを参照する。この方法における干渉フィルターは、安価な構成要素になる。加熱および冷却サイクルは遅くなり、且つエネルギーを消費する。ディスクに亘って均一な温度を達成することもやはり困難である。
【特許文献1】米国特許第3939348号明細書
【特許文献2】ノルウェー特許出願第2005.1851号明細書
【特許文献3】国際公開第2002/44673号パンフレット
【非特許文献1】Michael Zochbauer著、“Technisches Messen 61”、1994年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、この本発明の目的は、可能な限り類似の状況下で相関的な測定及び非相関的な測定を実施できる最大限の光の通過量の状態の干渉フィルターを提供することであり、例えば2つの干渉状態間で素早く切り替えることによって、場合により同時にそれらを監視することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
それらの目的は、添付している請求項に記載されたフィルターを使用して得られる。
【0015】
本発明は、一例として本発明を図示する添付している図面を参照しながら、以下により詳細に記述されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図3は、本発明の原理を示す。シリコンディスク1は、(4つの方形のみで示されている)モザイクパターン(mosaic pattern)に分割され、方形Aと方形Bとの光学波長の差は、方形Aを通過した波長が方形Bを通過した波長より4分の1波長分長くなっている。フィルターを調整する代わりに、2つの異なる干渉フィルターが現在使用され、その光は、光が通過するフィルターに依存して分散される。フィルターA及びフィルターBのモザイクパターンは、例えば、ビーム経路における不均衡なガス分散のような、システム的なエラーを避けるように、好ましくは、光ビームに対してフィルターを亘って可能な限り均一に分散される。従って、図面は、ファブリペローフィルター(Fabry-Perot filter)の2つの異なる厚さを形成している4つのモザイク部分を示している。図面における比率は、図示の目的ために誇張してある。2つの異なる厚さよりも多い数の異なる厚さを使用することよって、より大きい温度ドリフト(従って、光路長における変化)が、使用可能な単一の差を抽出できるまで、許容することができる利点を有している。図4A,4B,4Cは、異なる厚さで、規則正しい種類及びランダムな種類にタイルを張られた3つの異なる干渉フィルターのセグメント31,32,33のモザイクを示している。図4Cに図示されるように、単一のフィルターのセグメントを通過する光は、回折レンズリリーフによって、3つの焦点D1,D2,D3の1つに方向づけることができる。
【0017】
図3にさらに言及されているように、光源Sから来ている光は、異なる厚さを有している基板の部分の間で分散され、そのため光ビームの並行な且つ同時なフィルタリングがフィルターを介して通過した光ビーム上で設けられる。一のフィルターは、干渉フィルターの異なる位置で同一の光ビームにおいて異なる波長又は波長セットを除去することができる。従いまして、それらの異なる波長は、別の種類のフィルタリングと共に分離されることができ、そのため波長の異なるセット上での同時測定は、例えば、図3に図示されているように異なる方向に焦点を合わせているフィルター表面上のレンズを設けていることによって、もたらされることができる。
【0018】
材料上の部分的な反射面及び部分的な透過面は、様々な方法で製造され、本発明の好ましい実施形態によれば、それらは、単に空気とシリコンとの間の略平行な平面及び表面によって構成され、0.3の反射率を与えている。より良いフィネス(finesse)が要求される場合、又は反射表面上の別の材料を析出する必要がある場合、別の方法自体が既知の方法は、反射面を作製するために使用されることができる。さらにゲルマニウム(Germanium)のような別の材料も、シリコンの代替物として使用することができる。これは、シリコンよりも高い屈折率を有し、当業者にとって明らかである別の適合を必要とする。
【0019】
上述されているように、図3は、本発明の好ましい実施形態を図示されている。回折パターンが焦点D2に向けて薄いフィルターBを通過した光の焦点を合わせ、且つ薄いフィルターAから別の焦点D1に光の焦点を合わせるように設けられている。除去された光を測定するために、使用者は、単一の検出器又は複合検出器のどちらかを使用することができる。複合検出器が使用されるとき、各検出器は、フィルターセットの傾斜又は構成要素に対応している焦点の一つで配置されている。単一の検出装置は使用されるとき、精査装置が必要である。精査装置又は精査方法の例は、傾斜可能なミラー、検出器の並進、フィルターアセンブリの回転及び並進である。異なる波長と共に光を分離するための別の解決方法は、当時のモザイクパターンの1部から光を分離するためのマスクのように熟孝されることができる。
【0020】
単一の差は、一酸化炭素の存在に依存し、従ってシステム内の結果は、熱調整フィルター又はマイクロメカニカル調整フィルターに対応する。
【0021】
構造的な挑戦は、フィルターが内側で光学的な共振器のように作用しなければならないことである。これは、たとえ焦点回折パターンが外側上に処理された場合、内部反射をシフトする位相が例えば、ミラーに関しては、位置から独立していなければならないことを意味している。
【0022】
回折レンズ又は回折格子が干渉フィルター上の異なる位置から光を分離するために図3に図示されるように使用される場合、フィルター内の分散を使用することによって追加の波長に依存した異なるフィルタリングを追加するための可能性である。これは、それ自体が先行技術であり、且つ本明細書に詳細を記載していない。
【0023】
図6Aは、より詳細を上述された回折パターンの断面図を示し、内部位相状態が実行された透過フィルターを示している。同時に、3つの異なる位相遅延の適切なセットは、回折レンズとして使用可能であるように得られる。それ故に、表面11上のそれら3つのレベルから反射された光が3つの異なる位相偏移R1,R2,R3を有しているように、2つのステップH1,H2において3つの異なる高さと共に回折パターンである。各ステップの高さは、シリコンの屈折率(n=3,427)によって分割された波長の半分であり、例えば、一酸化炭素スペクトル(CO spectrum)内で依存している選択された約670nmから約690nmである。その結果、内部反射で位相偏移は、回折パターンの局地的な高さに依存しているゼロ、1つの波長、又は2つの波長になる。シリコンディスクの外部へ伝播している光T1,T2,T3は、高さに対応する0波長、0.29波長、又は0.64波長の位相偏移を得る。これは、0.6と0.7との間の効率で回折レンズを作製することを可能にする。
【0024】
図5は、回折パターン及びモザイクの両方を備える本発明を図示し、回折パターンに関連した高さの差に加えて、モザイクの異なる部分の間の高さの差である。図5において、図示された場合は、6つのレベルの合計である回折パターンにおいて、すなわち340nmの周りで、ステップの高さの半分である。図5において、いかにモザイクの各部分には、光ビームを制御するための回折パターンを設けられているかを図示している。ディスクを通過した光路が4分の1波長増加する場合、ラインパターンは、半分の周期で偏移される。モザイクの各部分間の高さにおける差は、ディスクの片側の側面又は両側面上にエッチングされることができる。図面において、回折パターンは、反復的であるように示されるが、レンズ又は格子のような多くの異なる方法で設けられることができる。
【0025】
1つの部分的な反射面2は、図6Bに図示されるように、外側に回折パターンの埋め込み層であってもよい。その結果、回折パターンは、非反射層を有することができる。図6Bにおいて、フィルターは、ファブリペローフィルターと、バンドパスフィルターとしても使用可能な回折リリーフパターンとの組み合わせである。
【0026】
パターンは、フォトリソグラフィー(photolithography)、レジストマスク(resist masks)、及びディープRIE(Deep Reactive Ion Etching :DRIE)又はドライエッチングを使用して生産されることができる。ドライエッチング処理は、電場(electrical field)を共に提供する2つの電極から基本的になる。ガスは領域に供給され、イオンはエッチング処理を行うための表面に向けて加速される。加速されたイオンは、再結合(recombination)においてラジカル(radical)に亘って支配し、異方性エッチングの外形が得られる。
【0027】
ディスクの厚さのための基準許容範囲は、フィルターラインを一酸化炭素ラインに交わらせるために通常十分ではない。さらに、光学的な厚さは、温度と共に変化する。温度制御は有益であるが、干渉フィルターの数及び厚さの適切な選択は、使用可能な信号が焦点のスポットで測定された強度の差として常に検出可能にすることを確実にすることができる。温度制御が使用される場合、温度制御は、フィルターの温度が周囲の最高温度よりも高い場合、要求された厚さは加熱によって得られることができるという利点がある場合もある。不利点は、各センサーが調整されなければならず、且つ加熱は電力を消耗することである。
【0028】
図7Bにおいて、干渉フィルターの断面は、設けられることができ、且つさらに代替物又は熱調整を加えて設けられることができる2つのシリコンディスクからなるように図示されている。支配的な干渉は、シリコンと空気との間の2つの遷移2の間である。ディスクの別の側面上で、非反射層3が位置付けられる。この結果は、干渉フィルターが図7Aに図示されているように、“不可視”の空洞がない場合単一のシリコンディスク1のように機能する/見えることである。空洞、すなわち各表面の間の距離を変化することによって、干渉を与える各表面2の間の合計の光路長が変化する。その結果、フィルターは、空洞及びミラーを使用する干渉計の可撓性を達成するように、例えば、入射の高角度及び減少された合計厚さを保持されるシリコン材料の利点のように同時に相関的なモード及び非相関的なモードの両方をはめ込むことができる。減少された厚さ及び短い空洞距離は、平行な表面を作製することを一般的に容易させる。
【0029】
空洞だけは、実際の実施形態の許容範囲及び安定性に依存して、λ/4からλ/2までの範囲で実用的な調整を可能にするほど十分大きくなければならなく、且つ例えば、フィルターの効率を増加するために選択された屈折率の状態であるゲル、可撓性の材料で満たされることができることを除いて、大抵は空気を含むことができる。
【0030】
非反射層は、異なる屈折率の1つ又は複数の層からなることができる。これは、それ自体が既知の技術であり、本明細書では詳細を記述されることはなく、4.75μmの範囲の波長で操作と共に一酸化ケイ素(SiO)の0.65μmの層として設けられることができる。屈折率における多孔性のシリコン又は段階的な遷移のような別の技術は使用されることができる。最も重要なことは、関心のある波長の範囲のために最小限の反射率を有することである。残りの反射率は、異なって2つの測定に影響を及ぼすことができる。
【0031】
図8において、図7における解決方法には、部分的に埋め込まれた反射層の前部で空隙を備えていること以外で、図6における格子と同じ設計で回折レンズが設けられることができることを示している。焦点9に向けて光を焦点に合わせるように適合されているレンズは、対応しているレベルを有している部分が同じレンズの部分を構成し、且つ同じ焦点に向けて焦点を合わせるように、モザイクパターンにおけるスプリットである。
【0032】
図9のA及び図9のBは、フィルターがウォーターボンディング(water bonding)及びマイクロマシンのためのそれ自体が既知の解決方法に基づいて実行されるために考えられることを示すスケッチ図を示している。明白であるように、ここでフィルターは、基板7に亘って選択された距離で保持されているディスク6と共に基板によって構成される。反射器2の1つ反射器及びフィルターにおける透過材料を構成しているシリコンディスク6の間の電圧を適用することによって、図9のA及び図9のBの間での差からわかるように、静電気引力(electrostatic attraction)と共にそれらの間の距離を調整する。従って、空洞の厚さは、単純な方法で変化される。図9において、電極5は、各部分の間の電位を適用するために含まれる。フィルターが好ましくは透過しているように、フィルターには、透過材料であり、好ましくはシリコンである基板の下側上に非反射層が設けられる。図9において、異なる方向における寸法は、実用的な実現可能な実施形態に比べて不釣合いであり、これは図示するために提案されている。この解決方法は、同時に提出された特許文献2により詳細に記述され、前記出願に優先権を持つ国際出願も同様に詳細に記述され、参照により本明細書に包括される。
【0033】
図10A及び図10Bは、回折パターン19が焦点D1,D2,D3が光の波長に依存するポイントに向けて焦点を合わせるように設けることができる。図10Aにおいて、1つの焦点D1を備える回折レンズは図示され、図10Bにおいて、回折レンズは、レンズの外部領域を形成するのみで非対称であり、異なる波長のための3つの焦点D1,D2,D3を設けている。図10Bにおけるこの非対称の解決方法は、回折レンズの光学軸においてセンサーアレイを位置付けることによって異なる焦点での強度を検出することができる。このように、使用者は、図2で示されたバンドパスフィルターが不必要となるように、スペクトルにおいて異なる波長を分離することができる。それ故に、実際に、異なる部分は、好ましくは、その波長帯を区別するように、それらの部分が同じ種類の回折フィルターを有しているファブリペローフィルターにおいて同じ空洞の長さを有しているように、異なる回折パターンを有している。構成される回折レンズの詳細は、先行技術の部分であり、例えば、特許文献3である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】ファブリペローフィルターための、且つ一酸化炭素のための上述された透過スペクトルの図である。
【図2】先行技術によるガス測定を実行するための上述された通常のアセンブリの図である。
【図3】回折フィルターを設けた発明の好ましい実施形態の図である。
【図4A】異なるフィルターを備えている実施形態の図である。
【図4B】異なるフィルターを備えている実施形態の図である。
【図4C】異なるフィルターを備えている実施形態の図である。
【図5A】図3に記載の回折フィルターの原理の図である。
【図5B】図3に記載の回折フィルターの原理の図である。
【図6】バンドパスフィルターとして使用可能である本発明の一の実施形態である。
【図7A】この実施形態と光学的に同等のものと同じように、本発明の代替実施形態の詳細図である。
【図7B】この実施形態と光学的に同等のものと同じように、本発明の代替実施形態の詳細図である。
【図8】図6に記載の実施形態の回折レンズのより詳細図である。
【図9】本発明のマイクロメカニカルの実施形態の図である。
【図10A】図6の解決方法の使用図である。
【図10B】図6の解決方法の使用図である。
【符号の説明】
【0035】
1 シリコンディスク
2 表面
3 非反射層
5 電極
6 シリコンディスク
7 基板
9 焦点
19 回折パターン
21 赤外線源
22 集束ミラー
23 ガスセル
24 干渉フィルター
25 バンドパスフィルター
26 集束ミラー
27 検出器
31 干渉フィルターセグメント
32 干渉フィルターセグメント
33 干渉フィルターセグメント
A 方形
B 方形
R1 位相偏移
R2 位相偏移
R3 位相偏移
H1 ステップ
H2 ステップ
T1 光
T2 光
T3 光
S 光源
D1 焦点
D2 焦点
【技術分野】
【0001】
本発明は、干渉フィルター、特に選択された範囲内で赤外線によってガスを検知する際に利用される干渉フィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
大部分のガスは、気体分子の許容振動遷移に対応している光子エネルギーと共に赤外線を吸収する。赤外線を利用してガス濃度を測定する場合には、一般にガスを通じて透過された光の2種類の測定が実行される。この2種類の測定のうち一方の測定はガスの吸収によって影響され(減少され)、他方の基準測定はガスによって影響されない。この測定方法は、非分散赤外線方式(non-dispersive infrared,NDIR)と呼ばれる。
【0003】
図1は4.5−5.0μmの範囲の波長の一の作用である透過を表わすが、一酸化炭素(CO)の赤外線スペクトルは略周期的なラインパターンを有していることがわかる。メタン(CH4)を含む幾つかのガスは、類似する吸収ラインを有している。一酸化炭素ライン(CO lines)間の距離は、波長が増加すると共に増加しているが、波長の小さな間隔内で基本的に一定である。一酸化炭素の濃度を測定するために、図2に図示されるようなアセンブリを使用することができる。赤外線光源21からの光は、平行ミラー(collimating mirror)又は集束ミラー(focusing mirror)22を介してガスセル(gas cell)23を通過して、さらに例えばファブリペローフィルターのような調整されたフィルター24、固定されたバンドパスフィルター25、さらに集束ミラー26を通過して検出器27に送信される。この構成において、調整されたフィルターの機能は、2つの構成又は設定の間でシフトすることである。一方の設定において、一酸化炭素が光を透過させるスペクトルの範囲で光を透過し(相関的な設定)、他方の設定においては、一酸化炭素が光を吸収するスペクトルの範囲で光を透過する(非相関的な設定)。この方法において、異なる設定を使用する測定の間で連続してシフトすることができる。2つの設定の間の距離は、一酸化炭素がガスセル内で妨げない場合、ゼロ(zero)であり、増加している一酸化炭素の濃度と共に増加することができる。
【0004】
ガススペクトル内で単一のラインに適合されているフィルターを使用することによって、様々な利点が得られる:
1)与えられたガス濃度は、バンドパスフィルターが使用される場合と比較して、測定された信号において大きな相対的変化を与える。
2)別のガスが同一の波長帯内で吸収される存在である場合、異なるライン以外で同じ範囲内でガスの検出感度を減少するように、測定に最小限の影響を有することができる。
3)光源の温度及び別の外乱による変化は、両方の測定に同程度に影響を与えることができる。
これがフィルターの位置を除いてすべてを作用するために、一定に保たれなければならない。これは、光が可能な限り類似の経路を通ることによって得られることができる。好ましくは、測定に影響を与える全て事柄は、それら上に同じ影響を有することができる。別のガスを加えて、影響は、温度勾配、光学的表面上に蒸着された汚れ、増幅回路内のドリフト、機械的な安定性などである場合もある。
【0005】
一酸化炭素ラインと共に直接的に適合するフィルターを作製することは、難しい。近い近似(approximation)は、表面間の距離dと共に2つの平行な光学的表面間の媒介物の回折率nを有している干渉フィルターである。フィルターを介する透過は、λが波長である波数ν=1/λである周期関数である。周期は、1/2ndであり、nは屈折率である。今、距離dは、周期がスペクトルにおいて位置の範囲における一酸化炭素ラインに対応するように選択されることができる。光学波長s=ndがs±(Δs)=s±λ/4であるように波長の4分の1と共に変化するとき、フィルターの要求された変調は得られる。一定の屈折率と共に、d±(Δd)=d±λ/4nのように厚さにおける変化に対応することができる。屈折率が1であるときに、Δdは、約2.3μmである。
【0006】
一酸化炭素スペクトルに適合され、非相関的なモードにおける干渉フィルターを通過した透過は、図1に記載される。図1では、上部ラインは一酸化炭素スペクトルを示し、下部ラインはフィルターの透過スペクトルを示し、上部ライン及び下部ラインは、波長の関数であり、4.5μmから5.0μmの範囲である。
【0007】
中央部の波長から次第に増加している外側の波長は、図1に示されるように、フィルターラインとガスラインとの間で起こる場合がある。バンドパスフィルターを追加することによって、使用者は使用される境界を定めることができる。
【0008】
干渉フィルターは、調節可能な離隔状態で2つの平行なミラーからなる場合、ミラー間の光学材料における変化は、とても制限される:例えば、空気、別のガス又は場合により弾性の透過材料である。干渉フィルターにおける光学材料は、到着する光におけるどれくらい大きい拡角(angular spread)を有しているかを決定する。角度が増加するとき、効果的な光学波長は干渉している光のために減少し、且つ、入射角における拡大は、透過スペクトルのスミアリング(smearing)を生じる場合がある。高い屈折率は、フィルター材料内の最大屈折角度を低くすることができる。フィルターの範囲(etendue)は、最大許容角度によって決定される。範囲は、光束(light bundle)の領域及び立体角の成果であり、光線源が無制限に拡張する場合に、システムを介してどの程度の光なのかの測定することができる。与えられたスペクトル分解能における範囲が屈折率の2乗に比例することが示される。従って、使用者は、例えばシリコン(n=3.4)が共振器内の空気の代わりに使用される場合、10倍以上の光を得ることができる。
【0009】
この挑戦は、相関的なモード及び非相関的なモードの両方にフィルターを調整するのに十分な光学波長を変化することができる高い屈折率で干渉フィルターを作製することである。
【0010】
従来技術において、そのような干渉フィルターと共に一酸化炭素を測定する原理は、特許文献1に記載されている。シリコン又は記述されていない類似の材料を除いて、透過の光学材料で熱的に調整されたフィルターを作製する可能性についても述べている。
【0011】
機械的な干渉計を作製することは、費用がかかり、それ故に、この測定方法は、例えばホームマーケットのための火災報知機内及び焼却炉のプロセス監視に使用するための一酸化炭素センサーを安価で、且つ対象に生産するために不適切である。
【0012】
1990年頃にMichael Zochbauerは、光学波長を変化するためのシリコンディスクを加熱された状態でいくつかの実験を行い、非特許文献1の195ページから203ページを参照する。この方法における干渉フィルターは、安価な構成要素になる。加熱および冷却サイクルは遅くなり、且つエネルギーを消費する。ディスクに亘って均一な温度を達成することもやはり困難である。
【特許文献1】米国特許第3939348号明細書
【特許文献2】ノルウェー特許出願第2005.1851号明細書
【特許文献3】国際公開第2002/44673号パンフレット
【非特許文献1】Michael Zochbauer著、“Technisches Messen 61”、1994年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、この本発明の目的は、可能な限り類似の状況下で相関的な測定及び非相関的な測定を実施できる最大限の光の通過量の状態の干渉フィルターを提供することであり、例えば2つの干渉状態間で素早く切り替えることによって、場合により同時にそれらを監視することができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
それらの目的は、添付している請求項に記載されたフィルターを使用して得られる。
【0015】
本発明は、一例として本発明を図示する添付している図面を参照しながら、以下により詳細に記述されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図3は、本発明の原理を示す。シリコンディスク1は、(4つの方形のみで示されている)モザイクパターン(mosaic pattern)に分割され、方形Aと方形Bとの光学波長の差は、方形Aを通過した波長が方形Bを通過した波長より4分の1波長分長くなっている。フィルターを調整する代わりに、2つの異なる干渉フィルターが現在使用され、その光は、光が通過するフィルターに依存して分散される。フィルターA及びフィルターBのモザイクパターンは、例えば、ビーム経路における不均衡なガス分散のような、システム的なエラーを避けるように、好ましくは、光ビームに対してフィルターを亘って可能な限り均一に分散される。従って、図面は、ファブリペローフィルター(Fabry-Perot filter)の2つの異なる厚さを形成している4つのモザイク部分を示している。図面における比率は、図示の目的ために誇張してある。2つの異なる厚さよりも多い数の異なる厚さを使用することよって、より大きい温度ドリフト(従って、光路長における変化)が、使用可能な単一の差を抽出できるまで、許容することができる利点を有している。図4A,4B,4Cは、異なる厚さで、規則正しい種類及びランダムな種類にタイルを張られた3つの異なる干渉フィルターのセグメント31,32,33のモザイクを示している。図4Cに図示されるように、単一のフィルターのセグメントを通過する光は、回折レンズリリーフによって、3つの焦点D1,D2,D3の1つに方向づけることができる。
【0017】
図3にさらに言及されているように、光源Sから来ている光は、異なる厚さを有している基板の部分の間で分散され、そのため光ビームの並行な且つ同時なフィルタリングがフィルターを介して通過した光ビーム上で設けられる。一のフィルターは、干渉フィルターの異なる位置で同一の光ビームにおいて異なる波長又は波長セットを除去することができる。従いまして、それらの異なる波長は、別の種類のフィルタリングと共に分離されることができ、そのため波長の異なるセット上での同時測定は、例えば、図3に図示されているように異なる方向に焦点を合わせているフィルター表面上のレンズを設けていることによって、もたらされることができる。
【0018】
材料上の部分的な反射面及び部分的な透過面は、様々な方法で製造され、本発明の好ましい実施形態によれば、それらは、単に空気とシリコンとの間の略平行な平面及び表面によって構成され、0.3の反射率を与えている。より良いフィネス(finesse)が要求される場合、又は反射表面上の別の材料を析出する必要がある場合、別の方法自体が既知の方法は、反射面を作製するために使用されることができる。さらにゲルマニウム(Germanium)のような別の材料も、シリコンの代替物として使用することができる。これは、シリコンよりも高い屈折率を有し、当業者にとって明らかである別の適合を必要とする。
【0019】
上述されているように、図3は、本発明の好ましい実施形態を図示されている。回折パターンが焦点D2に向けて薄いフィルターBを通過した光の焦点を合わせ、且つ薄いフィルターAから別の焦点D1に光の焦点を合わせるように設けられている。除去された光を測定するために、使用者は、単一の検出器又は複合検出器のどちらかを使用することができる。複合検出器が使用されるとき、各検出器は、フィルターセットの傾斜又は構成要素に対応している焦点の一つで配置されている。単一の検出装置は使用されるとき、精査装置が必要である。精査装置又は精査方法の例は、傾斜可能なミラー、検出器の並進、フィルターアセンブリの回転及び並進である。異なる波長と共に光を分離するための別の解決方法は、当時のモザイクパターンの1部から光を分離するためのマスクのように熟孝されることができる。
【0020】
単一の差は、一酸化炭素の存在に依存し、従ってシステム内の結果は、熱調整フィルター又はマイクロメカニカル調整フィルターに対応する。
【0021】
構造的な挑戦は、フィルターが内側で光学的な共振器のように作用しなければならないことである。これは、たとえ焦点回折パターンが外側上に処理された場合、内部反射をシフトする位相が例えば、ミラーに関しては、位置から独立していなければならないことを意味している。
【0022】
回折レンズ又は回折格子が干渉フィルター上の異なる位置から光を分離するために図3に図示されるように使用される場合、フィルター内の分散を使用することによって追加の波長に依存した異なるフィルタリングを追加するための可能性である。これは、それ自体が先行技術であり、且つ本明細書に詳細を記載していない。
【0023】
図6Aは、より詳細を上述された回折パターンの断面図を示し、内部位相状態が実行された透過フィルターを示している。同時に、3つの異なる位相遅延の適切なセットは、回折レンズとして使用可能であるように得られる。それ故に、表面11上のそれら3つのレベルから反射された光が3つの異なる位相偏移R1,R2,R3を有しているように、2つのステップH1,H2において3つの異なる高さと共に回折パターンである。各ステップの高さは、シリコンの屈折率(n=3,427)によって分割された波長の半分であり、例えば、一酸化炭素スペクトル(CO spectrum)内で依存している選択された約670nmから約690nmである。その結果、内部反射で位相偏移は、回折パターンの局地的な高さに依存しているゼロ、1つの波長、又は2つの波長になる。シリコンディスクの外部へ伝播している光T1,T2,T3は、高さに対応する0波長、0.29波長、又は0.64波長の位相偏移を得る。これは、0.6と0.7との間の効率で回折レンズを作製することを可能にする。
【0024】
図5は、回折パターン及びモザイクの両方を備える本発明を図示し、回折パターンに関連した高さの差に加えて、モザイクの異なる部分の間の高さの差である。図5において、図示された場合は、6つのレベルの合計である回折パターンにおいて、すなわち340nmの周りで、ステップの高さの半分である。図5において、いかにモザイクの各部分には、光ビームを制御するための回折パターンを設けられているかを図示している。ディスクを通過した光路が4分の1波長増加する場合、ラインパターンは、半分の周期で偏移される。モザイクの各部分間の高さにおける差は、ディスクの片側の側面又は両側面上にエッチングされることができる。図面において、回折パターンは、反復的であるように示されるが、レンズ又は格子のような多くの異なる方法で設けられることができる。
【0025】
1つの部分的な反射面2は、図6Bに図示されるように、外側に回折パターンの埋め込み層であってもよい。その結果、回折パターンは、非反射層を有することができる。図6Bにおいて、フィルターは、ファブリペローフィルターと、バンドパスフィルターとしても使用可能な回折リリーフパターンとの組み合わせである。
【0026】
パターンは、フォトリソグラフィー(photolithography)、レジストマスク(resist masks)、及びディープRIE(Deep Reactive Ion Etching :DRIE)又はドライエッチングを使用して生産されることができる。ドライエッチング処理は、電場(electrical field)を共に提供する2つの電極から基本的になる。ガスは領域に供給され、イオンはエッチング処理を行うための表面に向けて加速される。加速されたイオンは、再結合(recombination)においてラジカル(radical)に亘って支配し、異方性エッチングの外形が得られる。
【0027】
ディスクの厚さのための基準許容範囲は、フィルターラインを一酸化炭素ラインに交わらせるために通常十分ではない。さらに、光学的な厚さは、温度と共に変化する。温度制御は有益であるが、干渉フィルターの数及び厚さの適切な選択は、使用可能な信号が焦点のスポットで測定された強度の差として常に検出可能にすることを確実にすることができる。温度制御が使用される場合、温度制御は、フィルターの温度が周囲の最高温度よりも高い場合、要求された厚さは加熱によって得られることができるという利点がある場合もある。不利点は、各センサーが調整されなければならず、且つ加熱は電力を消耗することである。
【0028】
図7Bにおいて、干渉フィルターの断面は、設けられることができ、且つさらに代替物又は熱調整を加えて設けられることができる2つのシリコンディスクからなるように図示されている。支配的な干渉は、シリコンと空気との間の2つの遷移2の間である。ディスクの別の側面上で、非反射層3が位置付けられる。この結果は、干渉フィルターが図7Aに図示されているように、“不可視”の空洞がない場合単一のシリコンディスク1のように機能する/見えることである。空洞、すなわち各表面の間の距離を変化することによって、干渉を与える各表面2の間の合計の光路長が変化する。その結果、フィルターは、空洞及びミラーを使用する干渉計の可撓性を達成するように、例えば、入射の高角度及び減少された合計厚さを保持されるシリコン材料の利点のように同時に相関的なモード及び非相関的なモードの両方をはめ込むことができる。減少された厚さ及び短い空洞距離は、平行な表面を作製することを一般的に容易させる。
【0029】
空洞だけは、実際の実施形態の許容範囲及び安定性に依存して、λ/4からλ/2までの範囲で実用的な調整を可能にするほど十分大きくなければならなく、且つ例えば、フィルターの効率を増加するために選択された屈折率の状態であるゲル、可撓性の材料で満たされることができることを除いて、大抵は空気を含むことができる。
【0030】
非反射層は、異なる屈折率の1つ又は複数の層からなることができる。これは、それ自体が既知の技術であり、本明細書では詳細を記述されることはなく、4.75μmの範囲の波長で操作と共に一酸化ケイ素(SiO)の0.65μmの層として設けられることができる。屈折率における多孔性のシリコン又は段階的な遷移のような別の技術は使用されることができる。最も重要なことは、関心のある波長の範囲のために最小限の反射率を有することである。残りの反射率は、異なって2つの測定に影響を及ぼすことができる。
【0031】
図8において、図7における解決方法には、部分的に埋め込まれた反射層の前部で空隙を備えていること以外で、図6における格子と同じ設計で回折レンズが設けられることができることを示している。焦点9に向けて光を焦点に合わせるように適合されているレンズは、対応しているレベルを有している部分が同じレンズの部分を構成し、且つ同じ焦点に向けて焦点を合わせるように、モザイクパターンにおけるスプリットである。
【0032】
図9のA及び図9のBは、フィルターがウォーターボンディング(water bonding)及びマイクロマシンのためのそれ自体が既知の解決方法に基づいて実行されるために考えられることを示すスケッチ図を示している。明白であるように、ここでフィルターは、基板7に亘って選択された距離で保持されているディスク6と共に基板によって構成される。反射器2の1つ反射器及びフィルターにおける透過材料を構成しているシリコンディスク6の間の電圧を適用することによって、図9のA及び図9のBの間での差からわかるように、静電気引力(electrostatic attraction)と共にそれらの間の距離を調整する。従って、空洞の厚さは、単純な方法で変化される。図9において、電極5は、各部分の間の電位を適用するために含まれる。フィルターが好ましくは透過しているように、フィルターには、透過材料であり、好ましくはシリコンである基板の下側上に非反射層が設けられる。図9において、異なる方向における寸法は、実用的な実現可能な実施形態に比べて不釣合いであり、これは図示するために提案されている。この解決方法は、同時に提出された特許文献2により詳細に記述され、前記出願に優先権を持つ国際出願も同様に詳細に記述され、参照により本明細書に包括される。
【0033】
図10A及び図10Bは、回折パターン19が焦点D1,D2,D3が光の波長に依存するポイントに向けて焦点を合わせるように設けることができる。図10Aにおいて、1つの焦点D1を備える回折レンズは図示され、図10Bにおいて、回折レンズは、レンズの外部領域を形成するのみで非対称であり、異なる波長のための3つの焦点D1,D2,D3を設けている。図10Bにおけるこの非対称の解決方法は、回折レンズの光学軸においてセンサーアレイを位置付けることによって異なる焦点での強度を検出することができる。このように、使用者は、図2で示されたバンドパスフィルターが不必要となるように、スペクトルにおいて異なる波長を分離することができる。それ故に、実際に、異なる部分は、好ましくは、その波長帯を区別するように、それらの部分が同じ種類の回折フィルターを有しているファブリペローフィルターにおいて同じ空洞の長さを有しているように、異なる回折パターンを有している。構成される回折レンズの詳細は、先行技術の部分であり、例えば、特許文献3である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】ファブリペローフィルターための、且つ一酸化炭素のための上述された透過スペクトルの図である。
【図2】先行技術によるガス測定を実行するための上述された通常のアセンブリの図である。
【図3】回折フィルターを設けた発明の好ましい実施形態の図である。
【図4A】異なるフィルターを備えている実施形態の図である。
【図4B】異なるフィルターを備えている実施形態の図である。
【図4C】異なるフィルターを備えている実施形態の図である。
【図5A】図3に記載の回折フィルターの原理の図である。
【図5B】図3に記載の回折フィルターの原理の図である。
【図6】バンドパスフィルターとして使用可能である本発明の一の実施形態である。
【図7A】この実施形態と光学的に同等のものと同じように、本発明の代替実施形態の詳細図である。
【図7B】この実施形態と光学的に同等のものと同じように、本発明の代替実施形態の詳細図である。
【図8】図6に記載の実施形態の回折レンズのより詳細図である。
【図9】本発明のマイクロメカニカルの実施形態の図である。
【図10A】図6の解決方法の使用図である。
【図10B】図6の解決方法の使用図である。
【符号の説明】
【0035】
1 シリコンディスク
2 表面
3 非反射層
5 電極
6 シリコンディスク
7 基板
9 焦点
19 回折パターン
21 赤外線源
22 集束ミラー
23 ガスセル
24 干渉フィルター
25 バンドパスフィルター
26 集束ミラー
27 検出器
31 干渉フィルターセグメント
32 干渉フィルターセグメント
33 干渉フィルターセグメント
A 方形
B 方形
R1 位相偏移
R2 位相偏移
R3 位相偏移
H1 ステップ
H2 ステップ
T1 光
T2 光
T3 光
S 光源
D1 焦点
D2 焦点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに選択された距離で離間され、且つ、略平行で部分的に反射する少なくとも2つの反射面を備え、これにより光が発振している間に、前記反射面によって境界が定められる空洞を形成し、前記反射面のうち少なくとも1つの反射面は、光が前記空洞に向かって又は前記空洞から透過するように部分的に透明とされる干渉フィルターにおいて、
前記空洞内部に少なくとも部分的に位置し、高い屈折率を有している例えばシリコンのような第1の透過材料と、
前記反射面の平面に対して偏移を変化させこれにより前記2つの反射面の間で位置に依存して共振させ、異なる光の波長で共振するために3次元パターンに分割された少なくとも前記反射面のうち第1の反射面と、
を備えていることを特徴とする、特に選択された範囲内で赤外線によってガスを検出する際に使用するための干渉フィルター。
【請求項2】
前記3次元パターンは、略平坦な表面部から成るモザイクパターンによって構成され、
各前記表面部は、選択された共振波長によってファブリペロー干渉計内に第1の反射器を形成し、
第2の反射面は、前記ファブリペロー干渉計内に第2の反射器を構成することを特徴とする請求項1に記載の干渉フィルター。
【請求項3】
前記反射表面の少なくとも1つの反射面による付加的な3次元パターンを備え、
前記3次元パターンは、少なくとも2つの方向で少なくとも2つの波長を回折するための回折格子を備えているように適合されていることを特徴とする請求項1に記載の干渉フィルター。
【請求項4】
回折パターンは、異なる焦点に向けて異なる波長の状態で光を合焦させるための回折レンズを構成していることを特徴とする請求項3に記載の干渉フィルター。
【請求項5】
一の側面上に前記3次元パターンを備えているシリコンディスクによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の干渉フィルター。
【請求項6】
離隔手段が、第1の透過材料と前記反射面のうち少なくとも1つの前記反射面との間を所定距離で離間させ、これにより空洞を形成するために、前記第1の透過材料と少なくとも1つの前記反射面との間に設けられ、
前記距離を調整するための調整装置は、少なくとも1つの選択可能な寸法を有している空洞を備え、
前記第1の透過材料と空洞と間の境界面では、反射低減層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の干渉フィルター。
【請求項7】
前記第1の反射表面は、前記第1の透過材料の一の側面によって構成され、
前記反射低減層は、前記第1の反射表面に対して反対側に位置付けられ、
前記第2の反射表面は、前記空洞の前記反対側でキャリア材料上に位置付けられることを特徴とする請求項6に記載の干渉フィルター。
【請求項8】
前記干渉フィルターは、前記第2の反射表面に亘って延在しているマイクロメカニカルシリコンユニット内に設けられ、これにより前記第1の反射面がビームの上側に位置し、前記反射低減層が前記ビームの下方に位置していることを特徴とする請求項7に記載の干渉フィルター。
【請求項9】
電源のための結合手段と各前記反射表面に結合された導体とを備え、これにより静電気的に前記反射面間の距離を変化させることができることを特徴とする請求項8に記載の干渉フィルター。
【請求項10】
前記反射低減層は、前記空洞及び前記透過材料の屈折率と異なる屈折率、及び選択された波長の範囲内で前記境界面における反射を低減させるように選択された既知の方法によって得られる厚さを有している材料から成る少なくとも1つの層を備えていることを特徴とする請求項6に記載の干渉フィルター。
【請求項1】
互いに選択された距離で離間され、且つ、略平行で部分的に反射する少なくとも2つの反射面を備え、これにより光が発振している間に、前記反射面によって境界が定められる空洞を形成し、前記反射面のうち少なくとも1つの反射面は、光が前記空洞に向かって又は前記空洞から透過するように部分的に透明とされる干渉フィルターにおいて、
前記空洞内部に少なくとも部分的に位置し、高い屈折率を有している例えばシリコンのような第1の透過材料と、
前記反射面の平面に対して偏移を変化させこれにより前記2つの反射面の間で位置に依存して共振させ、異なる光の波長で共振するために3次元パターンに分割された少なくとも前記反射面のうち第1の反射面と、
を備えていることを特徴とする、特に選択された範囲内で赤外線によってガスを検出する際に使用するための干渉フィルター。
【請求項2】
前記3次元パターンは、略平坦な表面部から成るモザイクパターンによって構成され、
各前記表面部は、選択された共振波長によってファブリペロー干渉計内に第1の反射器を形成し、
第2の反射面は、前記ファブリペロー干渉計内に第2の反射器を構成することを特徴とする請求項1に記載の干渉フィルター。
【請求項3】
前記反射表面の少なくとも1つの反射面による付加的な3次元パターンを備え、
前記3次元パターンは、少なくとも2つの方向で少なくとも2つの波長を回折するための回折格子を備えているように適合されていることを特徴とする請求項1に記載の干渉フィルター。
【請求項4】
回折パターンは、異なる焦点に向けて異なる波長の状態で光を合焦させるための回折レンズを構成していることを特徴とする請求項3に記載の干渉フィルター。
【請求項5】
一の側面上に前記3次元パターンを備えているシリコンディスクによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の干渉フィルター。
【請求項6】
離隔手段が、第1の透過材料と前記反射面のうち少なくとも1つの前記反射面との間を所定距離で離間させ、これにより空洞を形成するために、前記第1の透過材料と少なくとも1つの前記反射面との間に設けられ、
前記距離を調整するための調整装置は、少なくとも1つの選択可能な寸法を有している空洞を備え、
前記第1の透過材料と空洞と間の境界面では、反射低減層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の干渉フィルター。
【請求項7】
前記第1の反射表面は、前記第1の透過材料の一の側面によって構成され、
前記反射低減層は、前記第1の反射表面に対して反対側に位置付けられ、
前記第2の反射表面は、前記空洞の前記反対側でキャリア材料上に位置付けられることを特徴とする請求項6に記載の干渉フィルター。
【請求項8】
前記干渉フィルターは、前記第2の反射表面に亘って延在しているマイクロメカニカルシリコンユニット内に設けられ、これにより前記第1の反射面がビームの上側に位置し、前記反射低減層が前記ビームの下方に位置していることを特徴とする請求項7に記載の干渉フィルター。
【請求項9】
電源のための結合手段と各前記反射表面に結合された導体とを備え、これにより静電気的に前記反射面間の距離を変化させることができることを特徴とする請求項8に記載の干渉フィルター。
【請求項10】
前記反射低減層は、前記空洞及び前記透過材料の屈折率と異なる屈折率、及び選択された波長の範囲内で前記境界面における反射を低減させるように選択された既知の方法によって得られる厚さを有している材料から成る少なくとも1つの層を備えていることを特徴とする請求項6に記載の干渉フィルター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【公表番号】特表2008−537801(P2008−537801A)
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506393(P2008−506393)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【国際出願番号】PCT/NO2006/000123
【国際公開番号】WO2006/110041
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(505249953)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【国際出願番号】PCT/NO2006/000123
【国際公開番号】WO2006/110041
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(505249953)
【Fターム(参考)】
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