説明

平らな筆記記入面からの情報を光学的に推定するための装置

【課題】筆記具をベースにしたユーザーフレンドリーな入力インタフェースを提供する。
【解決手段】筆記記入面12に手で筆記記入された情報を光学的に推定する筆記記入装置10を提供する。この装置は、ペン先に相当する筆記端20が筆記記入面上に筆記記入を行っているときを判別する手段24と、筆記端に関連付けられた、筆記記入面を光学的に観測する光学ユニット30とを有し、光学ユニットで得られた光学的データを処理ユニットで受け取って、その光学的データに含まれる目印(光学的に認識可能な特徴)を基準とした筆記端の物理的座標を求め、そのデータを外部に送信(42)する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2003年2月24日出願の米国仮出願第60/450244号を基礎とした優先権を主張するものである。本発明は、一般的に、筆記具のような手持ち式の器具の助けによって使用者が筆記記入面即ち書き込み面に筆記、線引き、スケッチまたは他の方法でマーク付けした情報の取得に関するものである。
【背景技術】
【0002】
書くこと及び描くことに関する技術は古くよりあり、伝統のなかで豊かに存在する。長い年月にわたって、文字の筆記、及び線引き、スケッチ、マーキングや描画のための様々な器具が用いられてきた。これらの器具の大部分は、概ね細長い形状で基本的には丸い断面を有し、一端に筆記端即ち先端を有する。そのような器具は、一般的に、使用者の使い易い手で握られて操作されるように設計されている。より具体的には、使用者は、器具の筆記端が表面上を動いた跡にマークが残るように、その器具を筆記面即ち筆記記入面上で横断させるように動かす。そのマークは、例えばマーキング材料(鉛筆の場合でいえば木炭)の摩耗によって先端部から剥がれて付着した材料によって、或いはインクが表面を直接濡らすことによって(ペンの場合)生成される。このマークは、表面上に残されるあらゆる物理的な跡を含み得る。
【0003】
最も広く用いられている筆記及び線引き具としてはペンや鉛筆が挙げられ、最も手ごろな筆記記入面としては、様々なサイズの紙片、或いは概ね平らな形状でマーク付けが可能な他の物体を用いることができる。実際に、科学技術の大いなる進歩にも関わらず、電子時代にあってすら、ペンと紙は依然として最も簡単で最も直感的な筆記、線引き、マーキング、及びスケッチのための器具でありつづけている。
【0004】
電子装置とのやり取りのための技術は、電子装置への入力インタフェースそのものにある。例えば、コンピュータは、キーボード、ボタン、ポインタ装置、マウス、その他の動きを符号化してそれをコンピュータが処理できるデータに変換するあらゆる装置のような入力装置を利用する。残念ながら、これらの装置のなかには、ペンと紙ほどユーザーフレンドリーで使用者に受容されているものはない。
【0005】
この入力インタフェースの問題は従来技術においても認識されており、種々の解決法が提案されてきた。これらの解決法の大部分は、紙や他の筆記面(例えばタブレット)の上でのペンの動きから電子データ即ちデジタルデータを導くものである。これらの従来技術については以下の文献を参照されたい。
【0006】
米国特許:(以下の表に記載の番号の米国特許)

【0007】
米国特許出願公開:(以下の表に記載の番号の米国特許出願公開)

【0008】
欧州特許:(以下の番号の欧州特許)
0649549B1
【0009】
国際特許出願:(以下の表に記載の番号の国際特許出願公開)

【0010】
上記の参照文献には多くの方法が記載されているが、いずれも使用者にとっては扱いにくいものである。これらの方法の多くは使用者に扱いにくいペンを使用させて、特別な書くための条件やモニタリング条件を課したり、及び/または筆記面上に書かれた情報を追跡しデジタル化するための扱いにくい補助システムや装置が必要となるものである。従って、筆記具をベースにしたユーザーフレンドリーな入力インタフェースの問題は依然として解決されていない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、筆記記入面からの手で筆記記入された情報を推定する筆記記入装置を提供する。本発明の目的のために、手で筆記記入された情報とは、筆記記入面上への筆記、筆記記入、線引き、スケッチ、その他の筆記記入面上へあらゆる方式のマーキング即ちマーク付けの何れかの結果として筆記記入面上にマークされたあらゆる情報を含む。加えて、この用途における手で筆記記入された情報とは、筆記記入面上に跡を残さずに線引きされた情報も含む。筆記記入装置は、筆記記入のための筆記端と、その筆記端が筆記記入面上に筆記記入を行っているときを判別するための機構とを有する。さらに、前記装置は筆記記入面を見るための光学ユニットを有する。好ましくは、この光学ユニットは、前記装置の筆記端と反対側の端部に取り付けられ、筆記端を指し示す。本発明の目的のため、筆記端にインデクスを付けることは、光学ユニットの光軸が筆記端に関連付けられる、例えば光学ユニットの光軸が筆記端を通ることを意味する。前記装置は、前記光学ユニットから前記筆記記入面の光学データを受け取って、前記筆記記入面の少なくとも1つの角部及び前記筆記記入面の少なくとも1つのエッジ部に対する物理的座標を決定するための処理ユニットも備える。
【0012】
本発明の装置は、従来技術と異なり、筆記端の物理的座標を間接的に推定、即ち前記光学ユニットから得られた筆記記入面の光学データから推定する点に注目されたい。従って、筆記端の物理的座標を決定するための十分な筆記記入面についてのあらゆる光学的データを用いることができる。例えば、全ての角部、複数の角部、エッジ部、またはその一部の光学的データを利用することができる。或いは、前記筆記記入面上の他の目印または光学的に認識可能な特徴も同様に利用することができる。
【0013】
筆記記入面上に筆記端が筆記記入を行っているときを判別するための機構は、好ましくは、筆記記入装置に取り付けられた圧力検知ユニットを含む。歪みゲージ、機械的圧力センサ、圧電素子、及び筆記端と筆記記入面との間の接触を認識する他のタイプの機構をこの目的で使用することができる。
【0014】
好ましい実施形態では、光学ユニットは、筆記記入面またはその一部をイメージングするイメージングユニットである。イメージングユニットは、筆記記入面上に像を投影するための光検出器アレイを備えているのがより好ましい。処理ユニットは、イメージ内の筆記記入面のエッジ部及び角部を検出するエッジ検出ユニットまたは回路(例えば、処理ユニットのマイクロプロセッサ内のファームウェア)を有する。
【0015】
筆記記入装置は、イメージに対して1以上の変換を行うためのイメージ変換ユニットをさらに備える。より詳細には、イメージ変換ユニットは、イメージを補正するための適当な物理的光学部品(例えばレンズ)や、イメージを補正し、イメージに対して種々の操作を施すソフトウェアルーチンを備える。例えば、イメージ変換ユニットは、イメージを平面投影図に補正するイメージ変形変換器を有する。或いは、イメージ変換ユニットは、イメージを球面投影図に補正するためのイメージ変形変換器を有する。同一のまたは異なる実施形態では、イメージ変換ユニットは、筆記記入装置の筆記記入面に対するオイラー角を決定するためのイメージ変換器を有する。
【0016】
好ましい実施形態では、エッジ検出ユニットによって特定されたイメージのエッジ部及び/または角部に対してのみ補正及び変換が施される。つまり、筆記記入面に対応するイメージの一部のみ、具体的には筆記記入面のエッジ部、角部、目印、またはその他の光学的に認識可能な特徴、及び/またはそれらの一部分を補正し、変換する。
【0017】
処理ユニットに属する比率計算モジュールは、イメージから筆記端の物理的座標を決定する。また、好ましい実施形態では、この座標の決定は、筆記記入面に対応するイメージの適切な部分、具体的には筆記記入面のエッジ部、角部、目印または他の光学的に認識可能な特徴及び/またはそれらの一部分から行う。
【0018】
光検出器アレイは、フォトダイオードまたはフォトトレンジスタアレイを含む適当な光検出器のアレイであって、好ましくはCMOS光検出器アレイである。イメージングユニットで用いられる光学部品には、屈折及び/または反射光学素子等があり、好ましくは反射屈折系を含む。何れの場合も、イメージングユニットが、筆記端が筆記記入面に接触している場合の筆記記入装置のあらゆる位置について、イメージング筆記記入面の少なくとも1つのエッジ部と1つの角部を常に検出し得るように、光学素子の視野は筆記記入面の面積より実質的に大きくあるべきである。
【0019】
使用者が筆記、スケッチ、または線引きしたものを決定するために十分な速さで筆記端の物理的座標を決定するために、装置はフレーム制御ユニットを備える。フレーム制御ユニットは、筆記記入面がイメージングされる一定のフレームレートを設定する。好ましくは、このフレームレートは15Hz以上であり、30Hzより大きいレートがより好ましい。
【0020】
最後に、筆記記入装置は、筆記端の物理的座標を外部ユニットに送るための装置を備える。これらの座標データを送るための装置は、以下に限定されないが、赤外線(IR)ポート、超音波ポート、光ポート等のあらゆる種類のデータ通信ポートを含み得る。外部ユニットは、コンピュータ、携帯式のデバイス、ネットワークターミナル、ダウンロードユニット、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えばインターネット)やローカルエリアネットワーク(LAN)へのゲートウェイ、ストレージデバイス、プリンター、その他、筆記端の物理的座標を記憶、印刷、転送、及び/またはさらなる処理が可能なあらゆる種類の外部ユニットであり得る。用途や必要に応じて、筆記端の物理的座標はリアルタイムで処理しる場合もあれば、リアルタイムでの処理は行わなくてもよい場合もあることに注意されたい。
【0021】
好ましい実施形態では、装置は、筆記記入面を初期化・認識するための機構をさらに装備する。勿論、筆記記入面のサイズ及び種類は、使用者が選択、入力することができる。この初期化・認識のための機構は、上記のような光学ユニットと処理ユニット、及び筆記記入面用として標準的なサイズのメモリを有する。例えば、筆記記入面として標準サイズの紙片が使用される場合には、そのような紙のイメージがメモリに記憶できる。好ましくは、これらの記憶されるイメージは、筆記記入装置が筆記記入面に対して既知の位置や向きにある状態で取得される。つまり、記憶されるイメージは、筆記記入面上において筆記体が既知の物理的座標にあり、かつ筆記記入装置が既知の空間的な向き(例えば既知のオイラー角)にある状態で取得される。
【0022】
本発明の詳細については、以下の詳細な説明において添付の図面を参照しつつ説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、初めに本発明による筆記記入装置10を示す図1の側面図を参照し、次に図2乃至図4を参照することによって最もよく理解されよう。図1に示す筆記記入装置10はペン、より詳細にはインクを出すペンであり、より正確にいえばボールペンである。しかし、筆記記入装置10は、マーカーペン、鉛筆、筆や、その他筆記記入面12上に情報を書き込める他のあらゆる筆記具、スケッチ具、線引き具、及び描画具であり得ることは理解されよう。或いは、筆記記入装置10は、スタイラスやその他の筆記記入面上に跡や変形を残さずに線引きすることによって筆記記入面12上に情報を記入する装置であり得る。そのような筆記記入面は、圧力検知デジタル化タブレットや、その他の電子データ処理デバイスへの入力専用の面であり得る。この実施例では、筆記記入装置は既知の筆記具、スケッチ具、線引き具、または描画具を概ね模した形状を有している。具体的には、筆記記入装置10は、使用者の手16で握られるように設計された概ね円形の断面形状を有する細長い本体部14を有する。
【0024】
一般的に、筆記記入面12は装置10が上述のような筆記記入を行える平坦な材料のシートである。幾何学的な理由で、筆記記入面12は矩形であるのが好ましい。本実施例では、筆記記入面12は支持面18上に広げられた標準サイズまたは非標準サイズの紙片である。筆記記入面12がPDAデバイスのタブレットのようなデジタル化タブレット、コンピュータの画面、または他のしっかりした表面である場合、支持面18は必要ないこともある。しかし、筆記記入面12が、角部、エッジ部、目印等の光学的に認識可能な特徴を有していることが重要である。また、これらの特徴が筆記記入動作の間に筆記記入面12の残りの部分に対してその位置を変えないことも重要である。
【0025】
装置10は、ボールペンのボール22を末端に有する筆記端20を有する。筆記端20が筆記記入を行っているときを判別するための圧力センサ24が筆記端20の近傍に取り付けられる。筆記記入は、ボールペンのボール22が筆記記入面12に接触しているときに生ずる。圧力センサ24は歪みゲージを用いるのが便利である。或いは、圧力センサ24は機械的圧力センサまたは圧電素子である。当業者は、その他の圧力センサも使用され得るということを理解されよう。装置10は初期化スイッチ26も備える。スイッチ26は、同じ筆記記入面12上に筆記記入が行われているのか、或いは新しい筆記記入面(図示せず)上に筆記記入が行われているのかを使用者が入力するために儲けられる。
【0026】
光学ユニット30は装置10の遠位端32に取り付けられる。光学ユニット30は、筆記記入面12を視野に入れられるように設計されており、後に詳述するように筆記記入面を超えたところにある境界線で定められる視野34を有する。本実施例では、光学ユニット30は3つの支持部材36の上に取り付けられている。部材36は、機械的安定を確保し、遮る部分は視野34の無視できる部分だけにしておくような構造を有し得る。光学ユニット30は筆記端20に関連付けられた光軸39を有する。より詳細には、光軸39は、筆記端20を通っている。従って、光ユニット30の視野34の中心に筆記端20が置かれることになる。或いは、光軸39が、筆記端20に対して所定のオフセットをもたせるようにすることもできる。しかし、視野34が左右対称であることから、光学ユニット30は、光軸39が筆記端20を通り、ボールペンのボール22の中心を通るようにして光学ユニット30を筆記端20に関連付けるのが好ましい。
【0027】
装置10は、外部ユニット40と通信するための装置38を備える(図2参照)。本実施例では、装置38は、赤外線42にエンコードされたデータをやりとりするための赤外線(IR)ポートである。もちろん、以下に限定されないが、超音波ポートや光ポートなどのあらゆる種類のデータ伝送ポートを装置38として用いることができる。一方、外部ユニット40は、コンピュータ、携帯式のデバイス、ネットワークターミナル、ダウンロードユニット、ワイドエリアネットワーク(WAN)(例えばインターネット)やローカルエリアネットワーク(LAN)へのゲートウェイ、ストレージデバイス、プリンター、その他、筆記端20の物理的座標を記憶、印刷、転送、及び/またはさらなる処理が可能なあらゆる種類の外部ユニットであり得る。
【0028】
図2を参照すると、装置10の物理的パラメータが、便宜上直交座標系並びに極座標系で記述されている。これらの座標系の原点は、筆記端20の位置に一致しており、より詳細にはボールペンのボール22が筆記記入面12と接触する位置に一致している。直交座標系は、筆記記入面12の平面内に、筆記記入面12の幅及び長さ方向に一致する形でX軸とY軸とを有する。直交座標系のZ軸は、筆記記入面12の面に対して直交即ち垂直な方向を向いている。
【0029】
複数の特徴44A、44B、44Cが、直交座標系の原点から引かれた対応するベクトルv、v、vによって特定されている。ここでは、特徴44A、44B、44Cは、筆記記入面12の3つの角部である。或いは、特徴44は、筆記記入面12の何れかのエッジ部43や、光学的に認識可能な何らかの目印や筆記記入面12の特徴であり得る。装置10によって書き込まれた何らかの目印等の使用者が筆記記入面12上に作成した特徴も、この目的のための利用可能な特徴となることに注意されたい。
【0030】
極座標系は、筆記記入面12に対する装置10の姿勢(向き)を表すために用いられる。極座標系のZ軸は直交座標系のZ軸と一致する。光軸39は筆記端20に関連付けられていることから、光軸39は2つの座標系の原点を通る。従って、極座標系においては光軸39は、極座標rとrの長さとで表され、ここで|r|は装置10の長手方向長さである。装置10のZ軸に対する傾きは、極角θで表され、以下傾斜角θと称する。装置10のZ軸周りの回転角は極角φで表される。
【0031】
光ユニット30は図3に示すようなイメージングユニットであるのが好ましい。具体的には、光ユニット30は、視野34内に存在するオブジェクトをイメージ化、より詳細には筆記記入面12を比較的低い歪みでイメージ化できるイメージングユニットであるのが好ましい。本実施例では、イメージングユニット30は、レンズ48A及び48Bのような屈折イメージング光学素子を有する。適当な屈折イメージング光学素子46として、魚眼レンズや広視野レンズのような良好な軸外光学性能を有する視野の広いレンズが用いられることは当業者には理解されよう。そのような種類のレンズについての詳細は、米国特許第4203653号、第4235520号、第4257678号及びJames "Jay" Kumler他の"Fisheye lens designs and their relative performance", SPIE等を参照されたい。上記の全ての文献はここで引用したことにより本明細書の一部とする。
【0032】
イメージング光学素子46は、破線で示すような映像面50を定める。イメージングユニット30は、映像面50に位置する光検出器アレイ52をさらに備える。筆記記入面12のイメージ12’はイメージング素子46のアレイ52に投射される。好ましくは、アレイ52はCMOS光検出器アレイである。勿論、フォトダイオードやフォトトランジスタを用いたアレイのような他の種類の光検出器アレイも光検出器アレイ52として使用することができる。しかし、CMOS光検出器は効率的で応答性がよく、消費電力も少ない傾向がある。加えて、CMOSアレイは高解像度を可能にする小さいピッチを有する。
【0033】
光学素子46に与えられる視野34は、筆記記入面12の面積より実質的に大きい。実際、視野34は、全筆記記入面12のイメージ12’が常にアレイ52上に投影されるだけの十分に大きい視野である。この条件は、使用者が行う筆記記入操作中に筆記記入装置10によって想定され得るあらゆる筆記記入位置、例えば筆記記入面12のエッジ部や宿部の近くへの最大傾斜角θ(例えば,θ≒40゜)の書き込みについても当てはまる。従って、筆記記入面12の前側及び後側の位置y1及びy2は、使用者の手16や他の障害物で遮られない限り、常にアレイ52上に位置y’1及びy’2として投影されることになる。
【0034】
ここで、本明細書においてダッシュ(’)を付した符号は、物理的空間においてダッシュを付していない符号を付した部分に対応するイメージ空間内の部分を指すものとする。そしてイメージ空間内の部分に更なる変換や操作を加えたときは、符号に付されるダッシュの数を増やして示すものとする。
【0035】
筆記記入装置10は、図4により詳細に示す処理ユニット54を有する。処理ユニット54は、筆記記入面12の光学的データを受け取るべく設計されている。本実施例では、光学的データは、筆記記入面12のイメージ12’によって表されている。この光学的データから、処理ユニット54は、筆記記入面12の1箇所以上の角部及び1つ以上のエッジ部に対する筆記端の物理的座標を決定する。本実施例では、処理ユニット54が、図2に示す直交座標系におけるベクトルv、v、vを決定するべく設計されている。
【0036】
この機能を達成するため、処理ユニット54は、イメージプロセッサ56、フレームコントロール58、メモリ60、及びアップリンクポート65及びダウンリンクポート64を備えている。ポート62及び64は通信装置38に属する。イメージプロセッサ56は、好ましくは、エッジ検出ユニット66、原点位置測定ユニット68、イメージ変換ユニット70、及び比率計算ユニット72を有しており、図5により明確に示されている。これらの要素に加えて、イメージプロセッサ56は、イメージ12’を含む生のイメージデータ76を受け取って多重分離するデマルチプレクサ74を有する。データ76は、アレイ52の行多重化ブロック78Aと列多重化ブロック78Bから供給される。
【0037】
動作中に、使用者は装置10を動かす。装置の筆記端が一端筆記記入面12に接触すると、圧力センサ24は光ユニット30の取得モードを作動させる。取得モードでは、処理ユニット54は、光学的データ即ちアレイ52の画素上にイメージ化された筆記記入面12のイメージ12’を受け取る。
【0038】
ここで、イメージプロセッサ56は一定のフレームレートでイメージ12’の生のイメージデータ76をキャプチャする。フレームレートは、フレームコントロール58によって制御される。フレームレートは、使用者の筆記記入動作を正確に追跡するのに十分な速さである。これを達成するため、フレームコントロール58は、フレームレートを15Hzまたは30Hz以上に設定する。
【0039】
従来技術と異なり、使用者が書き込む情報は、その情報自体を検出即ちイメージ化することによって決定されず、その書き込まれた情報は、筆記記入面12の光学的に認識可能な特徴に対する、筆記端20、より正確にはボールペンのボール22の物理的座標を決定することによって推定される。これらの認識可能な特徴としては、角部、エッジ部、その他の筆記記入面12上に使用者が書き込んだ特徴や目印等が挙げられる。使用者が書き込んだ全ての情報を決定するため、圧力センサ24によって取得モードが作動させられているときは常に、認識可能な特徴に対する筆記端20の物理的座標が設定されたフレームレートで取得される。
【0040】
本実施例では、ベクトルv、v、及びvでパラメータ表示された筆記記入面12の3つの角部44A、44B、及び44Cに対する筆記端20の物理的座標が決定される(図2参照)。この目的を達成するため、処理ユニット54は、イメージ12’のイメージ化されたベクトルv’、v’、及びv’からベクトルv、v、及びvに復元する。このプロセスには複数のステップが必要である。
【0041】
第1のステップでは、処理ユニット54のイメージプロセッサ56が、デマルチプレクサ74の助けにより、アレイ52の行ブロック78A及び列ブロック78Bからの生のイメージデータ多重分離を行う。次に、イメージプロセッサ56は、イメージデータ76をエッジ検出ユニット66に送る。エッジ検出ユニット66は、筆記記入面12のイメージ12’のエッジ部及び角部を特定する。このプロセスは図6により明確に示されており、図6ではイメージ化されたエッジ部43’の遮られていない部分80’がエッジ検出のために用いられるところが示されている。イメージ中のエッジ検出やエッジ検出アルゴリズムに関するより詳細な情報については、米国特許第6023291号及び第6408109号や、Simon Baker及びShree K. Nayar, "Global Measures of Coherence for Edge Detector Evaluation", Conference on Computer Vision and Pattern Recognition, June 1999, Vol. 2, pp. 373-379、及びJ. Canny, "A Computational Approach to Edge Detection", IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, Vol. 8, No. 6, Nov. 1986 for basic edge detectionを参照されたい。上記の全ての文献は、ここで引用したことにより本明細書の一部とする。
【0042】
実際には、使用者の手16が筆記記入面12の一部を遮る遮蔽物となる。従って、それに対応する影16’がイメージ12’に存在することになる。別の影17’(または複数の影)も、筆記記入面12を覆う、即ち筆記記入面12と光学ユニット30との間に位置する他の物体によって頻繁に作り出される。そのような物体としては、典型的には使用者の他方の手及び/または髪の毛のような体の部分(図示せず)等が挙げられる。本発明の目的のため、ベクトルv、v、及びvを復元し、それによって筆記端20の物理的座標を決定できるようにするためには、イメージ12’が、イメージ化されたエッジ部43’の2、3の遮られていない部分80’を、好ましくは2以上の角部(例えば角部44A’、44B’、及び44C’)を含めて有していさえすればよい。
【0043】
従って、影16’及び17’が存在したとしても、イメージ化されたエッジ部43’のいくつかの遮られていない部分80’をエッジ検出ユニット66が利用することができる。その光学的データ76をエッジ検出の目的でエッジ検出ユニット66が使用できる複数の画素群82が表示されている。状況によっては、影,例えば影16’により遮られてる画素群83が見えるようになり、角部44D’の検出に使用可能となることもある、ということに注意されたい。
【0044】
エッジ検出ユニット66はエッジ部43’を認識し、視野34の中心84に対するそれらのベクトル方程式や他の適切な数学的表現によってそれを記述する。中心84は、基準として用いるために、原点位置測定ユニット68の助けにより設定される。この操作は、筆記記入装置10を動作させる前、例えば筆記記入装置10の初期化及び試験中や、機械的理由により原点位置の較正が必要となったときに常に行うことができる。この初期化は、イメージングシステムの中心位置を決定するための何らかの適切なアルゴリズムの助けにより行うことができる。この詳細については、Carlo Tomasi及びJohn Zhang," How to Rotate a Camera", Computer Science Department Publication, Stanford Universityや、Berthold K. P. Horn, "Tsai's Camera Calibration Method Revisited"を参照されたい。これらの文献は、ここで引用したことにより本明細書の一部とする。
【0045】
本発明によれば、光学ユニット30が筆記端20に関連付けられていることから、中心84は光軸に一致する。従って、物理空間における筆記記入装置10のあらゆる向き、即ちあらゆる傾斜角θ及び極角φの大きさについて、視野34の中心84は常に筆記端20及びそのイメージ20’の位置に一致する。この特性を有するシステムは、従来通常は中心システムと称され、種々の中心パノラマシステム等を含む。筆記記入装置10の本体14が中心84を常に遮っているため、筆記端20のイメージ20’は視野34内において実際に見ることはできない点に注意されたい。
【0046】
イメージング光学素子46に関連する収差を含む光学的効果のために、イメージ12’の検出された部分は、破線で示されるようにエッジ部43’を一定量だけ曲げるように示す。この曲がりは、レンズ48A及び48B及び/または任意の追加のレンズ(図示せず)によって光学的に補償するか、処理ユニット54によって電子的に補償することができる。好ましくは、この曲がりは、イメージ変換ユニット70によってイメージ12’の検出された部分に変換を施すことによって相殺される。例えば、イメージ変換ユニット70は、平面投影法に基づいて透視図を作成するイメージ変形変換器を有する。或いは、イメージ変換ユニット70は、球面投影法に基づいて球面投影図を作成するイメージ変形変換器を有する。有利な点として、そのような球面投影図は公知の方法によって平面投影図に変換できる。そのような方法は、Christopher Geyer及びKostas Daniilidis, "A Unifying Theory for Central Panoramic Systems and Practical Implications", www. cis.upenn. edu, Omid Shakernia他, "Infinitesimal Motion Estimation from Multiple Central Panoramic Views", Department of EECS, University of California, Berkeleyや、Adnan Ansar及びKostas Daniilidis, "Linear Pose Estimation from Points or Lines", Jet Propulsion Laboratory, California Institute of Technology and GRASP Laboratory, University of Pennsylvania等に記載されており、上記文献はここで引用したことにより本明細書の一部とする。
【0047】
ここで、一旦イメージ12’が認識・変換されると、筆記記入装置10の向きが決定される。この決定は、様々な方法で行うことができる。例えば、球面投影法を用いる場合、即ちイメージ12’の遮られていない部分を球面投影する場合、直接的な三次元的回転による推定を用いて、傾斜角θ及び極角φを復元することができる。この目的のため、筆記記入面12の垂直な方向からのイメージをメモリ60に記憶させておき、変換ユニット70が基準として利用できるようにする。次に一般化シフト写像法を適用する変換処理によって、筆記記入装置10の筆記記入面12に対するオイラー角を求め。この方法は、三次元空間において固定された一点(この場合では筆記端20が筆記記入面12に接触する点が各フレーム期間について固定されていると考えられる)に対する任意の動きはある軸周りの回転によって表現できるというオイラーの法則に関連するものである。シフト写像法の詳細については、Ameesh Makadia及びKostas Daniilidis, "Direct 3D-Rotation Estimation from Spherical Images via a Generalized Shift Theorem", Department of Computer and Information Science, University of Pennsylvaniaを参照されたい。この文献は、ここで引用したことにより本明細書の一部とする。
【0048】
或いは、イメージ12’の遮られていない部分の透視図が得られる平面投影法を用いる場合、幾何学の標準的な規則を用いて、傾斜角θ及び極角φを求めることができる。この場合には、透視図の規則を利用する幾つかの幾何学的方法を用いることができる。
【0049】
幾何学的方法の1つが図7Aに示されており、ここでは明確化のため全イメージ12’が示されており(遮られた部分は無視、即ち上記のステップで導出されたエッジ部43’の方程式を用いてその部分にイメージを埋め込んでいる)、2本のエッジ部43’が消点86まで延ばされている。中心84と消点86と結ぶ線Ψが構築される。傾斜角θの平面における線Σも構築される。ここで、線Ψと線Σとがなす角は極角φに等しい。一方、中心84から消点86までの線Ψの長さは傾斜角θに反比例する。好ましくは、傾斜角θの値に対応するΨの値を有する参照用テーブルをメモリ60内に格納しておき、各フレームにおいて速やかに傾斜角θを求められるようにしておく。傾斜角θの平面を追跡するために、光軸39の周りの筆記記入装置10の回転を認識しておく必要があることに注意されたい。この回転は、手がかりのキーとして、例えば図8に示すような筆記記入装置10上のグリップ90を与えることによって求めることができる。グリップ90は軸39の周囲に回転させることなく筆記記入装置を使用者の手16で保持させるためのものである。
【0050】
別の幾何学的方法は図7Bに示されており、ここでも全イメージ12’が明示のため示されている。そしてここでも2つのエッジ部43’が消点86まで延ばされている。中心84と消点86とを結ぶ線Ψが構築される。傾斜角θの平面に垂直な平面内の線Γも構築される。ここで、消点86から線Γに垂直な線Πが構築される。線Πと線Ψとがなす角は極角φに等しい。一方、線Πの線Γとの交点から消点86までの長さは、傾斜角θに反比例する。好ましくは、傾斜角θの値に対応するΠの値を有する参照用テーブルをメモリ60内に格納しておき、各フレームにおいて速やかに傾斜角θを求められるようにしておく。この実施例では、アレイ52上のキーマーク92または筆記記入装置10の他の部分が、傾斜角θの平面に垂直な平面を追跡するために用いられ、図8に示すようなペン上の適切なグリップに関連付けられる。
【0051】
全イメージ12’を用いるさらに別の幾何学的方法は図7Cに示されている。ここでは、2本のエッジ部43’で定められる消点86と中心84とを結ぶ線Ψが構築される。第2の消点94は、他の2本のエッジ部43’を延長することによって位置決めされる。次いで、線Ωによって消点86と第2の消点94とが結ばれる。ここで、線Σが、線Ωと直角をなすように中心84から線Ωにおろされる。線Ψと線Σとのなす角は極角φに等しく、線Ψの長さか線Σの長さ(或いは線Ωの長さでもよい)の何れかを用いて、傾斜角θを導き出すことができる。ここでも同様に、速やかな処理のために、対応する参照用テーブルを用いるのが推奨される。この実施例では、筆記記入装置10の(筆記記入装置10の中心軸でもある)光軸39周りの回転がこの幾何学的構造に影響を及ぼさないため、キーマークやグリップを用いる必要がないことに注目されたい。
【0052】
さらに別の幾何学的方法は図7Dに示されている。この方法では、イメージ12’の面積(積分)とともに、角部の角度α、β、γ、及びδ(遮られていない場合)を用いてθとφを求める。詳述すると、角部の角度α、β、γ、及びδが一義的に角度φを定める。同様に、面積の値が一義的にθを定める。この実施例においても、速やかな処理と角度θ及びφの決定のために、メモリ60内に記憶させた対応する参照用テーブルを用いることができる。
【0053】
イメージング光学素子46が筆記記入面12の物理的向きに対してイメージ12’を逆にさせてしまう場合には、図9に示すようにイメージ12’を反転される必要がある。この反転は、何れかの時点で変換ユニット70によって行うことができる。例えば、θ及びφを決定する上述のステップを行う前または後にイメージ12’を反転させることができる。イメージ12’が逆にならない場合には、反転を行う必要はない。
【0054】
変換され(必要な場合には)反転されたイメージ12’’は図10に示されている。このとき、ベクトルv’’、v’’、及びv’’が再計算される。中心84からエッジ部43’’上の特徴即ち目印までの追加のベクトルv’’も図示されている。そのような筆記記入面12のエッジ部43上の目印は、筆記端20の物理的座標を決定するために角部の代わりに用いることができる。このことは、2つの角部が筆記記入面12と光学ユニット30との間に位置する使用者や他のオブジェクトによって遮られるときに特に重要である。
【0055】
このとき、イメージ12’’は角度θ及びφの回転のために補正されて、図11に示すような変換されて補正された最終的なイメージ12’’’が得られる。これは、変換され(場合によっては反転された)イメージ12’’に対して適切な逆回転を施すことによって行われる(これらの逆回転は、筆記記入面12に対する筆記記入装置10の物理的空間におけるオイラー回転に対応する。標準的なオイラー変換は、古典力学の教科書、例えばGoldstein, Classical Mechanics等に記載されている。)。
【0056】
ここで、筆記端20の物理的座標を、ベクトルv’’’、v’’’、v’’’及び/v’’’から直接求めることができる。この計算は、イメージ12’’’の筆記記入面12に対する比率は保存されるという事実を利用して、比率計算ユニット72が行う。具体的には、計算ユニット72は、以下の比率計算、
/x=x’’’/x’’’、及び
/y=y’’’/y’’’
を用いる。
【0057】
これらの値は前記ベクトルから得られ、イメージング光学素子46の倍率Mによる一定の倍率を、図12に示すように、追加の照合確認と、得られた値が正しいことを確認するための制約条件として用いることができる。
【0058】
本発明による筆記記入装置はこの他にも様々な実施形態で実現することができる。例えば、放物面(または双曲面)鏡102とレンズ104を有する反射屈折系を用いた別の光学ユニット100が図13に示されている。光学ユニット100の構造は、図14に示すように、筆記記入装置108(上部のみを図示)上に光学ユニット100が収容されるように改変しなければならない。この実施形態では、光検出器アレイ106が筆記記入装置108の遠位端109に配置される。この実施例では、支持部材110は延長部111を用いて延長される。
【0059】
筆記記入装置10は、筆記記入面120の角部及びエッジ部以外の特徴及び目印を利用することができる。例えば、図15に示すように、筆記記入装置は使用者が作成した特徴122を利用する。特徴122は、具体的には使用者が記入した文字「A」である。この場合、追跡のために、文字上の特に位置決定しやすい点(例えば、検出と追跡が容易な高いコントラストを生み出す点)を使用し、直交座標系の限定からこの点までのベクトルvが構築される。筆記記入装置10は、エッジ部126に沿って位置する目印124も利用する。原点から目印124までのベクトルvが構築される。また最後に、装置10は筆記記入面120の角部128を利用しており、この角部は対応するベクトルvによって特定される。
【0060】
この実施形態では、動作時に、上述のエッジ検出アルゴリズム及び高いコントラストの点を検出するための他の任意のアルゴリズムを用いて、イメージ中の線と角部の位置を特定し、特徴122、目印124、及び角部128を位置決定する。次に、角度θを決定し、上述のように筆記記入面120のイメージのイメージ化されたベクトルv’、v’、及びv’に対応する変換が施される。この変換されたベクトルから、筆記端の物理的座標が決定される。
【0061】
勿論、追跡される特徴や目印の数が増えることで、筆記記入面120上の筆記端の物理的座標を決定する精度が高められることは当業者には理解されよう。但し、追跡される目印や特徴が多くなるほど必要な処理は増加する。筆記記入装置10のリアルタイム動作が必要な場合、例えば筆記記入動作が筆記記入装置10から受信装置にリアルタイムで送信される場合、特徴や目印の数は制限されなければならない。或いは、記入された情報を後で使用者がダウンロードできる場合、及び/またはリアルタイム処理が不要な場合には、より多くの目印や特徴を用いて、筆記端20の物理的座標を決定する際の精度を高めることができる。これによって、筆記記入面の解像度も高くなる。同様に心に留めておくべきことは、この特徴や目印は絶対的基準を提供するということ、即ち筆記記入面120上のそれらの位置が時間とともに変わってはならないということである。しかし、筆記端20の物理的座標を決定するための用いられる目印や特徴は、フレーム毎に同じものである必要はないということも記憶しておかれたい。
【0062】
上記したものの他にも様々な本発明の実施形態が可能であることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による筆記記入装置の側面図。筆記記入装置は、傾斜角ゼロ(オイラー角ゼロ)の面において示されている。
【図2】使用時における図1の筆記記入装置の物理的パラメータを示す三次元図。
【図3】イメージングの原理を示す図1の筆記記入装置の側面図。
【図4】図1の筆記記入装置の処理ユニットのブロック図。
【図5】イメージングユニットに属する光検出器上に投影された筆記記入面のイメージを示す図。
【図6】筆記記入面のイメージに対して行われるエッジ部及び/または角部の処理を示す図。
【図7A】図7B、図7C及び図7Dとともに、筆記記入面に対する筆記記入装置の向きをオイラー角で決定するために処理ユニットがイメージに対して行う処理を示す図。
【図7B】図7A、図7C及び図7Dとともに、筆記記入面に対する筆記記入装置の向きをオイラー角で決定するために処理ユニットがイメージに対して行う処理を示す図。
【図7C】図7A、図7B及び図7Dとともに、筆記記入面に対する筆記記入装置の向きをオイラー角で決定するために処理ユニットがイメージに対して行う処理を示す図。
【図7D】図7A、図7B及び図7Cとともに、筆記記入面に対する筆記記入装置の向きをオイラー角で決定するために処理ユニットがイメージに対して行う処理を示す図。
【図8】方向付けグリップを備えた筆記記入装置の別の実施形態を示す図。
【図9】イメージの補正及びパラメータ表示の処理を示す図。
【図10】パラメータ表示された補正済みのイメージを示す図。
【図11】筆記端の物理的座標を決定するための基礎となるパラメータ表示され、補正され、変換されたイメージを示す図。
【図12】初期化や照合のために用いられ得る、筆記記入面のイメージと物理的筆記記入面との対応を示す図。
【図13】反射屈折系を用いた光学ユニットの別の実施形態を示す図。
【図14】図13の反射屈折系を用いた筆記具の最上部を示す図。
【図15】筆記端の物理的座標を決定するための別の目印や特徴を使用しているところを示す三次元図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記記入面からの手で記入された情報を推定する筆記記入装置であって、
a)筆記記入を行うための筆記端と、
b)前記筆記端が前記筆記記入面上に筆記記入を行っているときを判別するための手段と、
c)前記筆記記入面を観測するための光学ユニットであって、前記筆記端に関連付けられた、該光学ユニットと、
d)前記光学ユニットからの前記筆記記入面の光学的データを受け取り、前記光学的データから前記筆記記入面の少なくとも1つの角部と少なくとも1つのエッジ部に対する前記筆記端の物理的座標を求める処理ユニットとを有することを特徴とする筆記記入装置。
【請求項2】
前記光学ユニットが、前記筆記記入面をイメージングするためのイメージングユニットであることを特徴とする請求項1に記載の筆記記入装置。
【請求項3】
前記イメージングユニットが、前記筆記記入面のイメージが投影される光検出器アレイを有することを特徴とする請求項2に記載の筆記記入装置。
【請求項4】
前記処理ユニットが、前記イメージにおける前記筆記記入面のエッジ部及び角部を検出するためのエッジ検出ユニットを有することを特徴とする請求項3に記載の筆記記入装置。
【請求項5】
前記イメージに少なくとも1つの変換を施すためのイメージ変換ユニットをさらに有することを特徴とする請求項3に記載の筆記記入装置。
【請求項6】
前記イメージ変換ユニットが、平面投影法に基づくイメージ変形変換器を含むことを特徴とする請求項5に記載の筆記記入装置。
【請求項7】
前記イメージ変換ユニットが、球面投影法に基づくイメージ変形変換器を含むことを特徴とする請求項5に記載の筆記記入装置。
【請求項8】
前記イメージ変換ユニットが、前記筆記記入面に対する前記筆記記入装置のオイラー角を決定するためのイメージ変換器を含むことを特徴とする請求項5に記載の筆記記入装置。
【請求項9】
前記光検出器アレイが、CMOS光検出器アレイであることを特徴とする請求項3に記載の筆記記入装置。
【請求項10】
前記イメージングユニットが、前記筆記記入面の透視図を作り出すことを特徴とする請求項2に記載の筆記記入装置。
【請求項11】
前記筆記記入面に対する前記筆記記入装置の向きに関連付けられる少なくとも1つの角度が、前記透視図から決定されることを特徴とする請求項10に記載の筆記記入装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの角度が、傾斜角θ及び極角φを含むことを特徴とする請求項11に記載の筆記記入装置。
【請求項13】
前記処理ユニットが、前記イメージから前記物理的座標を決定するための比率計算モジュールを含むことを特徴とする請求項2に記載の筆記記入装置。
【請求項14】
前記イメージングユニットが、屈折イメージング光学素子を含むことを特徴とする請求項2に記載の筆記記入装置。
【請求項15】
前記屈折イメージング光学素子は、前記筆記記入面の面積より実質的に広い面積の視野を有することを特徴とする請求項14に記載の筆記記入装置。
【請求項16】
前記イメージングユニットが、反射イメージング光学素子を含むことを特徴とするセk2に記載の筆記記入装置。
【請求項17】
前記反射イメージング光学素子は、前記筆記記入面の面積より実質的に広い面積の視野を有することを特徴とする請求項16に記載の筆記記入装置。
【請求項18】
前記筆記記入面を予め定められたフレームレートでイメージングするためのフレームコントロールをさらに有することを特徴とする請求項2に記載の筆記記入装置。
【請求項19】
前記筆記端が前記筆記記入面上に筆記記入を行っているときを判別するための前記手段が、歪みゲージ、機械的圧力センサ、及び圧電素子からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の筆記記入装置。
【請求項20】
前記物理的座標を外部ユニットに送るための手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の筆記記入装置。
【請求項21】
前記筆記記入面を初期化し、認識するための手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の筆記記入装置。
【請求項22】
前記光学ユニットが、前記筆記記入装置の遠位端に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の筆記記入装置。
【請求項23】
筆記記入面からの情報を推定する筆記記入装置であって、
a)筆記記入を行うための筆記端を有する筆記記入端と、
b)前記筆記端が前記筆記記入面上に筆記記入を行っているときを判別するための手段と、
c)前記筆記記入面を観測するための光学ユニットを有する遠位端であって、前記光学ユニットが前記筆記端に関連付けられた、該遠位端と、
d)前記光学ユニットからの前記筆記記入面の光学的データを受け取り、前記光学的データから前記筆記記入面の少なくとも2つの角部に対する前記筆記端の物理的座標を求める処理ユニットとを有することを特徴とする筆記記入装置。
【請求項24】
筆記記入面からの手で記入された情報を光学的にキャプチャする筆記記入装置であって、
a)筆記記入を行うための筆記端と、
a)筆記記入を行うための筆記端を有する筆記記入端と、
b)前記筆記端が前記筆記記入面上に筆記記入を行っているときを判別するための手段と、
c)前記筆記記入面を観測するための光学ユニットを有する遠位端であって、前記光学ユニットが前記筆記端に関連付けられた、該遠位端と、
d)前記光学ユニットからの前記筆記記入面の光学的データを受け取り、前記光学的データから前記筆記記入面の少なくとも2つの目印に対する前記筆記端の物理的座標を求める処理ユニットとを有することを特徴とする筆記記入装置。
【請求項25】
前記少なくとも2つの目印が、使用者が前記筆記記入面上に作成した目印であることを特徴とする請求項24に記載の筆記記入装置。
【請求項26】
前記目印が、前記使用者が手で筆記記入したものであることを特徴とする請求項25に記載の筆記記入装置。
【請求項27】
前記目印が、前記筆記記入面に関するデータを含むことを特徴とする請求項24に記載の筆記記入装置。
【請求項28】
前記筆記記入面が紙片を含み、前記データが前記紙片のサイズを表示することを特徴する請求項27に記載の筆記記入装置。
【請求項29】
筆記記入面からの手で記入された情報を推定する筆記記入装置であって、
a)筆記記入を行うための筆記端と、
b)前記筆記端が前記筆記記入面上に筆記記入を行っているときを判別するための手段と、
c)前記筆記記入面を観測するための光学ユニットであって、前記筆記端に関連付けられた、該光学ユニットと、
d)前記光学ユニットからの前記筆記記入面の光学的データを受け取り、前記光学的データから前記筆記記入面の少なくとも2つの角部に対する前記筆記端の物理的座標を求める処理ユニットとを有することを特徴とする筆記記入装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

image rotate

image rotate

【図8】
image rotate

image rotate

image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公表番号】特表2007−524885(P2007−524885A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503827(P2006−503827)
【出願日】平成16年2月24日(2004.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/005380
【国際公開番号】WO2004/077107
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(505317078)エレクトロニック・スクリプティング・プロダクツ・インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONIC SCRIPTING PRODUCTS, INC.
【住所又は居所原語表記】2555 Park Boulevard, Suite 2,Palo Alto, CA94306, U.S.A.
【Fターム(参考)】