説明

平坦化された縫い目を有するフレキシブルなベルト及び当該ベルトを製造するための方法

【課題】改善された縫い目表面形状(topology)を伴う、縫い目のあるベルトを提供する。
【解決手段】1つの平行端部から他の平行端部に延在する縫い目を有する縫い目のあるベルトを準備し、当該縫い目が、2つの対抗端部の重畳を含む縫い目領域を有するものであり、縫い目のあるベルトを、丸い(round)アンビルの上に配置して、縫い目領域の端部が、丸いアンビルの頂点(apex)の上に存するようにし、縫い目領域の端部をかんなブレードと接触させて、かんなブレードが、縫い目の端部に対して持ち上げられるようにさせ、及び、縫い目領域の端部から連続的切断で材料を除去し、結果としてもたらされるフレキシブルなベルトが、円滑な溶接された縫い目を有するものであり、というステップを含む、縫い目のあるベルトのポスト処理のための工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、全体として、平坦化された縫い目を有する、縫い合わされたベルト、及び、当該ベルトを製造するための方法に関連する。より詳細には、本発明の実施例は、中間転写ベルトの、超音波溶接された重ね縫い目を円滑化するための方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
電子写真印刷は、文書をコピー又は印刷するための、周知の、広く用いられる方法である。電子写真印刷は、所望の文書を表す光画像を、実質的に均一に荷電された光受容器の上に露光することによって実行される。その光画像に応じて、光受容器が放電して、所望の文書の静電潜在画像を、光受容器の表面の上に生成する。次に、その潜在画像の上にトナーが蒸着されて、トナー画像を形成する。次に、トナー画像は、光受容器から、紙のような受容基板(receiving substrate)の上に転写される。次に、転写されたトナー画像は、通常、熱、及び/又は、圧力を用いて、基板に溶着される。次に、光受容器の表面から、残留現像材料が清掃されて、他の画像の生成に対する準備のために再荷電される。
【0003】
以上では、一般的に、白黒の電子写真印刷機器を説明した。電子写真印刷は、カラー画像を作るために用いられるトナーの各カラーに対して、上述の工程を反復することによって、カラー画像をも生成し得る。例えば、光受容表面は、第1のカラー(例えば黒)を表す光画像に露光され得る。結果として得られる、静電潜在画像は、次に、黒トーナ粒子で現像されて、その後受容基板の上に転写される黒トナー層を生成する。第2のカラー(例えば黄色)に対して、次に第3の色(例えば、マゼンタ)に対して、そして最後に第4のカラー(例えば、シアン)に対して、この工程が反復され得る。トナー層が、重畳された、レジストレーションに配置されるときに、所望の複合カラー・トナー画像が形成され、受容基板の上に溶着される。
【0004】
上述のカラー印刷工程は、カラートナー層を、基板の上に直接重ね合わせる。他の電子写真印刷システムは、中間転写ベルトを用いる。そのようなシステムにおいては、連続的トナー層が、光受容器から、中間転写ベルトの上に、重畳されたレジストレーションで静電的に転写される。複合トナー画像が中間転写ベルトの上に形成された後になってはじめて、画像が、転写されて基板の上に溶着される。実際、いくつかの電子写真印刷システムは、機器の全体的アーキテクチャの要求を実現するために要求されるように、トナーをベルトに及びベルトから転写する、複数の(multiple)中間転写ベルトを用いる。
【0005】
作動において、中間転写ベルトは、光受容ベルトのようなトナー画像担持部材と接触状態にされる。接触ゾーンにおいて、コロトロン、バイアス転写ローラ、バイアス・ブレード等、のような静電界生成装置が、トナーを中間転写ベルトに転写する静電界を生成する。その後、中間転写ベルトが受容器(receiver)と接触状態にされる。次に、同様の静電界生成装置が、トナーを中間転写ベルトから受容器に転写する。システムに依存して、受容器は、他の中間転写部材、又は、基板(その上に最終的にトナーが固定される)であり得る。いずれの場合でも、転写ゾーンにおける、及び、その近傍の、静電界の制御は、トナー転写における大きなファクターである。
【0006】
中間転写ベルトは、しばしば、溶接(welding)、縫い付け(sewing)、針金接合(wiring)、ホッチキス留め(stapling)、又は、のり付け(gluing)、のようにして、ウェブ(web)材料の2つの端部(ends)を一緒に固定する(fastening)ことによって製造された、縫い合わされたベルトの形態を持つ。縫い目の無い中間転写ベルトが可能である一方、それらは、それらを、類似の縫い目のある中間転写ベルトに比してより高価にする製造工程を必要とする。これは、特に、中間転写ベルトが長い場合に真実となる。
【0007】
縫い目のあるベルトは、画像形成部材ウェブから切り出されたシートから製造される。シートは、一般的に、矩形、又は、縫い目が、シートの平行な側(sides)に対してが直角でないときには平行四辺形の形状である。全てのエッジは、同じ長さであり得るか、又は、平行な端部の1つの組が平行な端部の他の組に比して、より長くなり得る。シートは、シートの、重畳する対向余剰端部領域(overlapping opposite marginal end regions)を接合する(joining)ことによって、ベルトに形成される。縫い目は、一般的に、接合ポイントにおける重畳余剰端部領域に生成される。接合は、如何なる適切な手段によっても影響され得る。一般的な接合技術には、(超音波を含む)溶接、のり付け、テーピング、加圧加熱溶着等が含まれる。超音波溶接は、一般的に、接合の好ましい方法である。何故なら、それは、迅速で、清潔(溶剤が無い)で、薄くて狭い縫い目を生成する、からである。更に、溶接ホーンの機械的強打(pounding)が、シートの隣接(contiguous)重畳端部余剰領域において、熱の生成を引き起こして、その中の1つあるいはそれより多い層の溶融(melting)を最大化するので、超音波溶接は好ましい。一般的な超音波溶接工程は、フレキシブルな画像形成部材シートの重畳端部を、真空によって、平坦なアンビル(anvil)表面に抗して押さえつけ(holding down)、超音波振動ホーンの平坦な端部を、重畳された端部の長さ(length)(方向)の上(over)で、そして、当該長さ(方向)に沿って(along)、シートの幅に亘って(across)、横断して案内して、溶接された縫い目を形成することによって実行される。
【0008】
ベルト、シート、フィルム等は、ゼログラフィック工程にとって重要である。ベルト機能は、しばしば、ベルトの縫い目によって影響を受ける。例えば、既知のバッティング(butting)、又は、重畳技術、によって形成されたベルトは、ベルト表面に、こぶ(bump)又は他の不連続性を与え、ベルトの隣接部分の間の高度差(hight differential)(例えば、ベルトの厚さに応じて0.010インチの又はそれより大きい)をもたらす。この増大された高度差は、多くのアプリケーションにおいて動作の故障につながる。
【0009】
ベルトに超音波溶接されたときに、多層化された電子写真画像形成用のフレキシブル部材ベルトの縫い目は、しばしば、尖端(peaks)、隆起(ridges)、尖り(spikes)、及び、こぶ(mounds)、のような、不所望の高い隆起(protrusions)を含み得る。これらの縫い目の隆起は、ベルト機器の画像サイクリング(image cycling)中に、問題を呈する。何故なら、それらは、清掃ブレードと相互作用を持って、ブレードの磨耗と亀裂(これは、究極的に、ブレードの効率とサービス寿命に影響を与える)をもたらすからである。
【0010】
ベルトの縫い目におけるこぶ(bump)、表面の不規則性、又は、他の不連続性は、清掃ブレードが、光伝導性の部材表面と密接した接触をする際の清掃ブレードの押し込み(tuck)を妨害し得、残留トナー及び残留物の除去に影響を与え得る。増大された高度差は、トナーが、清掃ブレードの下を通過して清掃されないことを許容し得る。更に、他と異なる(differential)高さを有する縫い目は、清掃ブレードによる反復打撃に曝されたときに、光伝導部材のサイクリング(cycling)速度の攪乱(disturbance)を引き起こし得る(この攪乱は、重要な光伝導ベルトの動作品質に影響を与える)。更に、こぶ又は他の形態上の欠陥(morphological defects)を持つ縫い目は、転写されない、残留トナーが、縫い目表面の不規則的部分の場所の中に捕捉されることを引き起こし得る。反復して、機器機能状況における製造ブレードによる打撃動作に曝される光受容ベルトの縫い目は、不完全な縫い目の層間剥離の故障の出現をもたらしてきた。更に、過剰な縫い目高さの存在に起因するベルト厚さにおける不連続性は、ベルトにおける機械的強度の変動をもたらし、その上、ベルト・モジュール・サポート・ローラの上を循環する(cycling)ときに、縫い目の疲労柔軟寿命(fatigue flex life)を低減する。その結果、ブレードの清掃寿命と、光受容ベルトの全体的サービス寿命の双方が、大きく低減され得る。
【0011】
更に、縫い目内の隆起の高い部分は、ワイヤを、ベルト光受容器の外側画像化表面(outer imaging surface)に平行に、そして、そこに近接した間隔で配置させる、現像サブシステムに用いられる電極ワイヤを破損させることによって、コピー機、プリンタ、及び、複写機、のサブシステムの作動に妨害を与え得る。これらの近接した間隔のワイヤは、トナー・ドナー・ロール及びベルト画像化部材の画像化表面に隣接する現像ゾーンにおけるトナー粉雲(powder cloud)の形成を促進するために採用される。
【0012】
更に、画像印刷のコピーの品質が劣化され得る。縫い目高さにおける、そのような不規則性は、ゼログラフィック現像において振動性のノイズを与え、ベルト上のトナー画像を妨害し、解像度、及び、トナー画像の最終コピー・シートへの転写を劣化させる。これは特に、液体又は乾式現像剤の複数の(multiple)のカラー層(これらは、後に、最終コピー・シートに転写される)の、光受容ベルトの上への印加(application)を要求するアプリケーションにおいて顕著(prevalent)である。更に、そのようなベルトにおける縫い目の不連続性又はこぶは、伝達する振動の結果として、現像中の不正確な画像レジストレーション、不正確なベルト・トラッキング、及び、動作品質の全体的劣化、をもたらし得る。
【0013】
そのような訳で、改善された縫い目表面形状(topology)を伴う、縫い目のあるベルトを提供することによって、ベルトが、より大きな動的疲労状態に耐久できるための必要性が存在する。例えば、実質的に低減された、又は、除去された、プロファイル隆起又は不規則性しか持たない、より円滑な表面を与える縫い目を有する改善されたベルトは、サービス寿命を延長するであろう。更に、円滑な縫い目を実現するために、そのようなフレキシブルなベルトの溶接された縫い目を、効率的に及び整合的に円滑化するための工程に対する必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
ここに説明される実施例によって、その溶接された(welded)重畳縫い目の改善された表面形状を有するフレキシブルなベルト、及び、そのようなフレキシブルなベルトを作るための工程が提供される。
【0015】
特に、実施例は、縫い目のあるベルトポスト処理(post treatment)のための工程を提供する。本工程は、1つの平行端から他の平行端に延在する縫い目であって、2つの対向端部の重畳を有する縫い目領域を有する縫い目を有する、縫い目のあるベルトを準備し、縫い目のあるベルトを丸いアンビルの上に配置して、縫い目領域の端部が丸いアンビルの頂点(apex)の上に存在するようにし、縫い目領域の端部をかんなブレード(planing blade)に接触させて、かんなブレードが縫い目の端部に対して持ち上げられる(elevated)ようにし、そして、縫い目領域の端部から材料を、連続的切断で除去することを含み、結果としてのフレキシブル・ベルトが、円滑な溶接された縫い目を持つ。
【0016】
実施例は、縫い目が1つの平行端部から他の平行端部に延在し、縫い目が、2つの対向端部の重畳を有する縫い目領域を有し、縫い目があるベルトを準備し、縫い目のあるベルトを、丸い(round)アンビル(anvil)の上に配置して、縫い目領域の端部が、丸いアンビルの頂点(apex)の上に存在するようにし、縫い目領域の端部を、かんなブレードに接触させて、かんなブレードが縫い目の端部に対して持ち上げられるようにし、連続的な切断で、縫い目領域の端部から材料を除去すること、を含み、結果として得られるフレキシブル・ベルトが、円滑な溶接された縫い目を有する、縫い目のあるベルトのポスト処理に対する工程によって形成された少なくとも1つの縫い目のあるフレキシブル・ベルト、を備える電子写真画像現像装置をも提供する。
【0017】
実施例は、1つの平行端部から他の平行端部に延在する溶接された縫い目を有する縫い目のあるベルトを準備し、溶接された縫い目は、2つの対向端部の重畳を含む縫い目領域を有し、縫い目のあるベルトを丸いアンビルの上に配置して、縫い目領域の端部がアンビルの頂点の上に存在するようにし、縫い目領域の端部を、かんなブレードと接触させて、カンナブレードが持ち上げられて、溶接された縫い目の平面に対して約15度から約45度の角度を形成するようにし、そして、連続的切断で、縫い目領域の端部から材料を除去すること、を有し、結果として得られる縫い目のあるベルトが、円滑な溶接された縫い目を有する、超音波溶接された縫い目のあるベルトのポスト処理のための工程(process)をも提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本実施例は、平面化された(planed)縫い目を有することによって、溶接された縫い目が、清掃ブレードの清掃寿命と、フレキシブル・ベルトの全体的サービス寿命の双方を大きく改善するための、より円滑な表面形状を有する、縫い目のあるフレキシブルなベルトに関連する。より詳細には、実施例は、フレキシブル・ベルトの超音波溶接された重畳縫い目を円滑化するためのポスト処理工程に関連する。
【0019】
一般的な静電写真のフレキシブル・ベルトの画像化部材は、例えば、電子写真画像化システムのための光受容器、電子写真画像化システムのためのイオノ・グラフィック(ionographic)画像化部材のような電子受容器、及び、電子写真及び電子グラフィック画像化システムでトナー画像を転写するための中間画像転写ベルト、を含む。これらの本実施例は、溶着ベルト、加圧ベルト、中間転写ベルト、溶着ベルト、輸送ベルト、現像ベルト、光受容ベルト、等と共に使用され得る。縫い目のあるベルトは、相互に噛み合う(mating)要素の空隙(voids)の間の強度強化結合を形成する工程を用いて準備される。強度強化結合は、ベルトの被覆層の材料と化学的及び物理的にコンパチブルな材料を含む。
【0020】
図1を参照して、第2の端部余剰領域14に重畳する第1の端部余剰領域12を有することによって、縫い目形成オペレーションのために利用可能な重畳領域を形成するシートの形式でのフレキシブル部材10が示される。フレキシブル部材10は、電子写真画像化装置内で利用され得、また、フレキシブル部材10は、単一のフィルム基板、又は、1つあるいはそれより多い追加的被覆層と組み合わされたフィルム基板層を有する部材であり得る。被覆層の少なくとも1つが、フィルム形成バインダ(binder)を含む。
【0021】
フレキシブル部材10は、単一の層であり得、又は、複数の(multiple)層を備え得る。もし、フレキシブルな部材10が、負に荷電された光受容装置であるべきものならば、フレキシブル部材10は、伝導性表面と電荷輸送層の間に挟まれた電荷生成層を含み得る。或いは、もし、フレキシブル部材10が、正に荷電された光受容装置であるべきものならば、フレキシブル部材10は、伝導性表面と電荷生成層の間に挟まれた電荷輸送層を含む得る。
【0022】
フレキシブル部材10の層は、適切な機械的特性を有する、膨大な、適切な材料を備え得る。各端部余剰領域13及び14を含む、図1に示されるフレキシブルな部材10は、頂部から底部までに電荷輸送層16(例えば、24マイクロメータ厚)、生成層(generator layer)18
(例えば、1マイクロメータ厚)、インターフェース層20(例えば、0.05マイクロメータ厚)、阻止層22(例えば、0.04マイクロメータ厚)、伝導接地平面(ground plane)(例えば、0.02マイクロメータ厚)、サポーティング層26(例えば、76.2マイクロメータ厚)、及び、アンチ・カール(anti-curl)背面被覆層28(例えば、14マイクロメータ厚)、を含む。層の厚さは、説明の目的のためだけのものであり、層の各々に対して、広い範囲の厚さが使用され得ることが理解されるべきである。
【0023】
端部余剰領域12及び14は、ベルト、スリーブ(sleeve)、又は、シリンダ(cylinder)、のようなを連続的部材を形成するための、のり付け(gluing)、テーピング(taping)、ホッチキス留め(stapling)、加圧溶着、及び、加熱溶着、を含む適切な手段によって結合され(joined)得る。図2に示されるように、好ましくは、加熱と加圧の双方が用いられて、端部余剰領域12及び14を、重畳領域における縫い目30に接合する。こうして、図1に示されるように、フレキシブル部材10は、電子写真画像化材料のシートから、図2に示されるような連続的電子写真画像化ベルトに変形(transformed)される。フレキシブル部材10は、第1の外部主要表面、又は、側部32、及び、反対側に、第2の外部主要表面、又は、側部34を持つ。縫い目30は、フレキシブル部材10を接合して、第1の端部余剰領域12にある、及び/又は、その近傍の、底部表面34(一般的に、直上の、少なくとも1つの層を含む)が、第2の端部余剰領域14において、及び/又は、その近傍で、頂部表面32(一般的に、直下の、少なくとも1つの層を含む)と一体化するようにする。
【0024】
好ましい加熱及びか圧接合手段は、光伝導性の画像化材料のシートを、光受容ベルトに変形するための超音波溶接を含む。ベルトは、シートの重畳された対向端部領域の超音波溶接によって製造され得る。超音波縫い目溶接工程において、重畳領域に印加された超音波エネルギーが、電荷輸送層16、生成層18、インターフェース層20、阻止層22、サポート層26の一部、及び/又は、アンチ・カール背部被覆層28、のような、適切な層を溶融するために用いられる。サポート層の直接溶着が、最適な縫い目強度を実現する。
【0025】
フレキシブルなベルトの重畳縫い目(例えば、超音波溶接された縫い目)は、しばしば、不規則な表面形状を持つので、清掃ブレードにとって、縫い目の周りのトナーを清掃させることは難しい。このプロファイルは、ブレードの清掃エッジに刻み目を付ける(nicking)ことによって、清掃ブレードへの損傷をも引き起こし得る。貧弱な清掃からのトナーの捕捉と、ブレード損傷は、縫い目からのすじ付け(streaking)をもたらし、画像品質問題を発生させる。
【0026】
図3A及び3Bに示されるように、縫い目を持つベルト38は、上に重なる層50及び下に重なる層52を含む重畳縫い目(overlap seam)40を有する。縫い目40は、不規則な表面形状を有する。上述のように、不規則な尖端及び隆起は、機器の動作における膨大な問題を引き起こす。重畳縫い目40の不所望の粗さ(roughness)を円滑化し、大きく除去するために、本実施例は、表面を不規則にする隆起42を切除するために、低角度ブロックかんな(low angle block plane)44を用いて不所望の隆起材料42を除去する。実施例において、かんな44は、リニア・スライド46の上に載置され得る。更なる実施例において、このスライドは、自動化されたリニア・スライド46である。ベルト38は、真空によって、アンビル54の上に保持される。特定の実施例において、アンビル54は、丸い(round)形状であり、堅固な、支えとなる(supportive)材料を備える。かんな44が、縫い目40の長さ(length)に沿って横断するにつれて、縫い目40の粗い隆起42を除去し、重畳層50における表面プロファイルが円滑化される。取り入れ口(intake)又はごみ収集コンテイナを有する真空付加装置(atachment)56が使用され得、かんな44の上に直接乗って(ride)、ごみが発生するに際してごみ(waste)を収集する。
【0027】
縫い目40を効率的に切断、又は、平坦化するために、(かんなの)ブレード58の、縫い目40に対する位置決めが重要である。より効率的となるために、縫い目重畳50の端部(edge)は、刈り込まれるべき領域を完全に暴露するために、アンビル54の頂点の上に配置されるべきである。除去される材料42の量は、アンビル直径、及び、かんなブレード58の侵入(penetration)深さに基づく、この暴露(exposure)の関数である。かんなブレード58は、持ち上げられる(elevated)べきである。実施例において、かんなブレード58は、アンビルの長さに対して約5度の角度を形成するために持ち上げられ、縫い目に対して約5度から約35度の角度を形成するために傾けられる(skewed)。更なる実施例において、ブレード切断端部(cutting edge)は、重畳部50から切り離しながら、縫い目40に対して約15度から約45度の角度を形成するために、持ち上げられるべきである。材料は、1つの連続的切断で除去されるので、ごみは、他の方法に比して、より容易に収集され、当該工程の装置の汚染を制限する。真空付加装置(atachment)56は、かんなブレード58によってごみが除去されるに際して、ごみ材料42を収集する。図4及び5に示されるように、縫い目プロファイルは、ポスト処理工程(post treatment process)の前と後の、溶接された縫い目の比較を呈する。
【0028】
図4において、描かれた縫い目のあるベルト60は、かんな削り(planed)されていない。3次元形状画像から明らかなように、重畳部62は、縫い目66において鋭利な隆起64を伴う不規則な表面形状(topology)を持つ。図5は、本実施例による円滑化工程でポスト処理された、縫い目のあるベルト70の他の描写である。この3次元形状画像からわかるように、重畳72は円滑化されて、縫い目74における如何なる鋭利な隆起も、実質的に除去されている。他の利点の中で、かんな削りされた(planed)溶接された縫い目は、製造ブレードの損傷及び画像のすじ付け(streaking)を低減する。
【0029】
特定の実施例において、ポスト処理工程は、を縫い目のあるベルトをかんな削りするための、自動化されたシステムによって実施される。そのような実施例において、自動化された低角度ブロックかんな(low-angle block plane)が、リニア・アクチュエータ(これは、ローラの頂点に接する(tangent to)かんなを、その長さに沿って駆動する)に固定される。縫い目の下に部分的に重なる(underlap)側、に乗る(rides on)、ブレードに付着されたフット(foot)が、必要に応じて、ブレード動作を調整するために使用され得る。
【0030】
本実施例は、溶接された縫い目(超音波溶接された縫い目を含む)、パズル・カット(puzzle-cut)縫い目、及び、テープ止めされた(taped)縫い目、の上で使用され得、直列(tandem)の、または、ベルトの設計を利用するゼログラフィック・システムか否かに関わらず、全ての機械プラットフォームに亘って利用可能である。実施例は、たとえば、光受容器、電子受容器、中間画像転写ベルト等のような、種々の縫い目のあるベルト部材における縫い目にも適用され得る。
【0031】
更に、本方法は、より洗練された場合に、画像形成できる縫い目のベルトの製造を助ける、かんなで削られた縫い目を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】対向端部が重畳されている画像形成材料の多層フレキシブル・シートの部分断面図である。
【図2】超音波縫い目溶接の後に図1のシートから得られる多層化された縫い目があるベルトの部分断面図である。
【図3A】本開示の実施例によって平坦化されるべき縫い目のあるベルトの部分断面図である。
【図3B】本開示の実施例によって平坦化されるべき縫い目のあるベルトの上面図である。
【図4】平坦化される前の縫い目のあるベルトの超音波溶接された縫い目の拡大図である。
【図5】本開示の実施例によって平坦化された後の縫い目のあるベルトの超音波溶接された縫い目の拡大図である。
【符号の説明】
【0033】
38 縫い目を持つベルト
40 重なる層52を含む重畳縫い目(overlap seam)
42 隆起
50 上に重なる層
52 下に重なる層
54 アンビル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの平行端部から他の平行端部に延在する縫い目を有する縫い目のあるベルトを準備し、当該縫い目が、2つの対抗端部の重畳を含む縫い目領域を有するものであり、
縫い目のあるベルトを、丸い(round)アンビルの上に配置して、縫い目領域の端部が、丸いアンビルの頂点(apex)の上に存するようにし、
縫い目領域の端部をかんなブレードと接触させて、かんなブレードが、縫い目の端部に対して持ち上げられるようにさせ、及び、
縫い目領域の端部から連続的切断で材料を除去し、結果としてもたらされるフレキシブルなベルトが、円滑な溶接された縫い目を有するものであり、
というステップを含む、縫い目のあるベルトのポスト処理のための工程。
【請求項2】
前記縫い目のあるベルトが、光受容器、電子受容器、及び、中間画像転写ベルト、からなる群から選択される、
請求項1に記載の工程。
【請求項3】
除去される材料の量が、アンビルの直径に基づく暴露(exposure)、及び、かんなブレードの侵入(penetration)深さの関数である、請求項1に記載の工程。
【請求項4】
真空付加(attachment)が、かんなブレードの上でカップルされて、除去される材料を収集する、請求項1に記載の工程。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−222440(P2008−222440A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−52134(P2008−52134)
【出願日】平成20年3月3日(2008.3.3)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】