説明

平版印刷版

【目的】本発明の目的は、DTR法を利用した平版印刷版において、耐刷性及び保水性に優れた平版印刷版を提供することである。
【構成】支持体上に少なくとも一つの下塗層及びハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核を順次塗布されてなる平版印刷版に於て、該下塗層中に酸化チタン及び平均粒子サイズが5ミクロン以下のマット化剤を含有させ、且つ、該下塗層中のマット化剤の95重量パーセント以上の粒子を単粒子状に配置させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理する親油性の画線部分と、インキを受理しない撥油性の非画線部分とからなり、一般に該非画線部は水を受け付ける親水性部分から構成されている。通常の平版印刷では、水とインキの両方を版面に供給し、画線部は着色性のインキを、非画線部は水を選択的に受け入れ、該画線上のインキを、例えば紙等の被印刷体に転写させることによって印刷がなされている。
【0003】従って、良い印刷物を得るためには、画線部と非画線部の親油性及び親水性の差が十分に大きくて、水及びインキを版面に供給した時に、画線部は十分量のインキを受け付け、非画線部は全くインキを受付けないことが必要である。
【0004】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平版印刷版、特にハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層を有する平版印刷版は、例えば、米国特許第3,728,114号、同第4,134,769号、同第4,160,670号、同第4,336,321号、同第4,501,811号、同第4,510,228号、同第4,621,041号明細書等に記載されており、露光されたハロゲン化銀結晶は、DTR現像により化学現像を生起し黒色の銀となり親水性の非画線部を形成し、一方、未露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤により銀塩錯体となって表面の物理現像核層まで拡散し、核の存在により物理現像を生起してインキ受容性の物理現像銀を主体とする画線部を形成する。
【0005】このように、該平版印刷版ではゼラチン−ハロゲン化銀乳剤層の上にある物理現像核層上に析出した銀像をインキ受容性の画線部として利用するため、一般の平版印刷版(例えばPS版等)に比して、画線部の機械的摩耗に対する抵抗性が不十分であり、画線部が欠落したり、画線部のインキ受容性が徐々に失われ易いという欠点を有している。
【0006】この欠点を克服するために、ゼラチンの硬膜度を高くしたり、物理現像核の量を多くすれば、地汚れが発生して該平版印刷版の耐刷力が著しく低下する。さらに平版印刷版を製造してから製版するまで長期に亘って保存することによって地汚れが発生したり、インキ受容性が劣化したりする欠点があり、改良が望まれている。
【0007】平版印刷版の表面凹凸が印刷性に与える影響は、PS版の分野でも公知であるが、本発明の銀錯塩拡散転写法を用いた平版印刷版でも、重要な因子であることが明らかになった。特に、銀錯塩拡散転写法を用いた平版印刷版では、非画像部は主としてゼラチン皮膜よりなっており、本来は親水性は高いものの、画像部の耐刷性を向上させるために用いる、マット化剤により表面のマット性が大きく(表面の凹凸が大きく)設計されることが一般的であった。本発明者らは、表面のマット性と印刷汚れの相関性を検討し、本発明において、該下塗層中に酸化チタン及びマット化剤を含有する平版印刷版に於て、該マット化剤粒子を単粒子状に配置することにより、非画像部の印刷汚れを大幅に減少させうることを見いだした。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐刷性及び保水性に優れた、銀錯塩拡散転写法を用いた平版印刷版を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支持体上に少なくとも一つの下塗層及びハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核を順次塗布されてなる平版印刷版に於て、該下塗層中に酸化チタン及び平均粒子サイズが5ミクロン以下のマット化剤を含有させ、且つ、該下塗層中のマット化剤の95重量パーセント以上の粒子を単粒子状に配置させることにより達成された。
【0010】本発明に用いるマット化剤は平均粒径5ミクロン以下の固形粉末であり、例えば、シリカ粒子、等がある。本発明においては、平均粒径1〜5ミクロンのシリカ粒子が好ましい。特に、フッ化水素にて表面処理したシリカ粒子は分散安定性に優れており好ましい。シリカ粒子の具体例としては、富士ディヴィソン化学株式会社製サイロイド、水澤化学株式会社製ミズカシル等がある。マット化剤の添加量は、種々の条件により異なるが、1m2当り0.1g〜2gの範囲である。
【0011】本発明に用いる酸化チタンは、アナターゼ型、ルチル型等、任意のものを用いることができる。分散安定性等の目的で表面処理されているものが好ましい。酸化チタンは通常水に分散して、塗布の前のメイクアップ時に添加されるが、必ずしも、これに限定されない。酸化チタンの添加量は、種々の条件により異なるが、1m2当り1g〜20gの範囲である。
【0012】本発明において、下塗層中のマット化剤の95重量パーセント以上の粒子が単粒子状に配置されることが必要である。該マット化剤が、単粒子状に配置されずに凝集すると、凝集箇所にインキの蓄積が発生し易くなり、非画像部の印刷汚れとなってしまう。本発明においては、酸化チタン微粒子とマット化剤の併用により、酸化チタン微粒子がマット化剤の間に入り込み、マット化剤粒子が分散され易くなり、単粒子状に配置され易くなる。
【0013】本発明の対象たる平版印刷版はゼラチンを含有しており、その含有層は下塗り層であり、乳剤層であり、また物理現像核層でもありうる。これらのゼラチン含有層は、ゼラチン硬膜剤で硬化することができる。ゼラチン硬膜剤としては、例えば、クロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキサール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様なアルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−S−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN、N、N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは二種以上を用いることができる。
【0014】硬膜剤はすべての層に添加することも出来、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の場合、何れか一層にのみ添加することが可能である。添加方法は乳剤製造時に添加したり、塗布時にインラインで添加することもできる。
【0015】本発明のゼラチン含有層におけるゼラチンは、その一部を、水溶性ゼラチン、澱粉、デキストリン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体等の親水性高分子の一種又は二種以上で置換することも出来る。さらにビニル重合体水性分散物(ラテックス)をゼラチン層に添加することも出来る。
【0016】下塗り層の高分子結合剤は、一般に0.5〜10g/m2より好ましくは1〜6g/m2である。下塗り層にはハレーション防止の目的でカーボンブラック等の顔料、染料等を含み得る。さらに現像主薬等の写真用添加物も含むことが出来る。また下塗り層は特開昭48−5503、同昭48−100203、同昭49−16507に記載のようなものであってもよい。
【0017】ハロゲン化銀乳剤層は、例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ化銀を含むものからなる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩等の重金属塩を含んでいてもよく、添加量はハロゲン化銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよく、その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。好ましい例の一つとしては、ロジウム塩もしくはイリジウム塩を含む、塩化銀が80モル%以上の単分散もしくは多分散結晶がある。
【0018】ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時又は塗布される時に種々な方法で増感することが出来る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素によって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金によって、又はこれらの両者の併用など当該技術分野において良く知られた方法で化学的に増感することが好ましい。ハロゲン化銀乳剤は又、例えばシアニン、メロシアニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも増感又は減感され得る。その増感又は減感され得る波長域に特に制限はない。従って、オルソ増感、パンクロ増感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレーザー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感もなし得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得る。
【0019】乳剤層の上部に存在する表面層には物理現像核を含む。物理現像核としては銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混晶であっても良い。物理現像核には、親水性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリル酸ソーダ、ビニルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、アクリル酸とアクリルアミドの共重合体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又はそのオリゴマーを含むことが出来、その含有量は0.5g/m2以下であることが好ましい。さらに物理現像核層には、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知の硬膜剤を含んでいてもよい。
【0020】下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像核層等の各塗布層には、塗布助剤として、陰イオン、陽イオンもしくは中性界面活性剤のいくつかを含んでいてもよいし、カブリ防止剤、マット剤、増粘剤、帯電防止剤等を含むことが出来る。
【0021】本発明の平版印刷版の支持体としては、紙、又は合成もしくは半合成高分子フィルム、アルミニウム、鉄等の金属板等で平版印刷に耐えるものであれば使用することが出来る。支持体の表面を一層又はそれ以上の高分子フィルム、又は金属薄膜で、片面もしくは両面を被覆することも出来る。これらの支持体の表面を塗布層との接着を良くする為に表面処理することも可能である。
【0022】特に好ましく用いられる支持体は、両面もしくは片面をポリオレフィン重合体で被覆した紙、ポリエステルフィルム、表面を親水化処理したポリエステルフィルム、表面処理を行ったアルミニウム板等である。これらの支持体にはハレーション防止のための顔料や表面物性改良の為に固形微粒子を含んでいてもよい。又支持体は裏面露光が可能なように光透過性あっても良い。
【0023】本発明で使用する現像処理液には、アルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、保恒剤としての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、特開昭47−26201に記載の化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン類、カテコール、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、現像変性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化合物等を含むことが出来る。さらに現像処理液には、米国特許第3,776,728号に記載の如き表面銀層のインキ乗りを良くする化合物等を使用することが出来る。
【0024】本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ないしは受容性を増強せしめ得る。このような処理液としては、例えば特公昭48−29723、米国特許第3,721,559号等に記載されている。印刷方法、あるいは使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られた方法によることが出来る。以下に本発明を実施例により説明するが勿論本発明はこれだけに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】
【0026】実施例1親水化の目的で特開昭60−213942号に示されるエポキシ化合物を含有した下引組成物で水性下引加工されたポリエステルフィルム支持体上に下記の如く下塗層を塗布する。
【0027】
<下塗塗液> ゼラチン 55g 水 200g 酸化チタン(堺化学社製TR−1) 50g 水 100g 富士ディヴィドソン社製サイロイド(グレード978 平均粒子サイズ2.5ミクロン) 7.5g カーボンブラック分散液(固形分32%) 8g ホルムアルデヒド(30%水溶液) 2g グリオギザール(30%水溶液) 4g 界面活性剤 6ml水を加え全量を600gにする。
【0028】塗布量は湿分塗布量で60g/m2であった。電子顕微鏡観察によると、サイロイドの95重量パーセント以上の粒子が単粒子状に配置されていた。上記下塗層上にオルソ増感された高コントラスト塩化銀乳剤を硝酸銀に換算して1.5g/m2塗布した。乾燥後、50℃2日加温して、特開昭58−21602の実施例2に記載の核塗布液(ポリマーとしてはNo.3のアクリルアミドとイミダゾールとの共重合体を含み現像主薬としてハイドロキノンを0.8g/m2の割合で含む)にポリアクリル酸ソーダ(平均分子量260000)を0.04g/m2となるように加えた液を同様にして調整し、塗布した。(試料1)
【0029】


水を加え全量を600gにする。
【0030】比較として、上記下塗塗液と同組成ではあるけれども、Aの部分を調製して、40゜Cで2時間経時させた後、Bの酸化チタン分散物を添加したものを、試料1と同様にして塗布した。電子顕微鏡観察によると、サイロイドの30重量パーセント以上の粒子が凝集しており、本発明に該当しなかった。以下試料1と同様にして、比較aを作成した。
【0031】上記各平版印刷版を、三菱製紙社製製版カメラプロセッサCP−550IIを用いて、画像露光を行い、現像処理を行った。現像は下記の拡散転写現像液でそれぞれ30℃、20杪間現像した。安定化は、下記の組成の安定化液でそれぞれ25℃、20杪間処理し、乾燥させた。
【0032】
<拡散転写現像液> 水 700g 水酸化ナトリウム 18g 水酸化カリウム 7g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2−メルカプト安息香酸 1g ウラシル 10g 2−メチルアミノエタノール 30g 5−フェニル−2−メルカプト−1,3,4−オキサ ジアゾール 0.1g 臭化カリウム 1g水を加えて全量を1,000mlとする。
【0033】
<安定化液> 水 600g クエン酸 10g クエン酸ナトリウム 35g コロイダルシリカ(20%) 5g エチレングリコール 5g水を加えて全量を1,000mlとする。
【0034】印刷評価は、エー・ビー・ディック350CD(A・B・Dick社製オフセット印刷機の商標)を使用した。耐刷性については、各々の平版印刷版を下記の不感脂化液で処理した後、下記の給湿液を用い、大日本インキ社製ニューチャンピオン墨Nを用いて印刷し刷機の商標)を使用し、インキとして大日本インキ製Fグロス墨を使用し、銀画像部の欠落による画像飛びが生じて印刷に供せなくなった時の印刷枚数で、次の評価基準により判定した。
(A) 20,000枚以上(B) 10,000〜20,000枚(C) 5,000〜10,000枚(D) 2,000〜 5,000枚(E) 2,000枚未満印刷結果を表1に示す。
【0035】
<不感脂化液> 水 600g イソプロピルアルコール 400g エチレングリコール 50g 3−メルカプト−4−アセトアミド−5−n−ヘプチル− 1,2,4−トリアゾール 1g
【0036】
<給湿液> O−リン酸 10g 硝酸ニッケル 5g 亜硝酸ナトリウム 5g エチレングリコール 100g コロイダルシリカ(20%液) 28g水を加えて2,000mlする。
【0037】一方、非画像部の保水性(地汚れ)を見るために、インキとして大日本インキ製Fグロス紫68Sを使用し、給湿液としてローソス社製KPS#500の2.5%水溶液を使いAB Dick350CDで地汚れが発生し印刷に供せなくなった時の印刷枚数で、次の評価基準により判定した。
(A) 3000枚以上(B) 1000〜3000枚(C) 500〜1000枚(D) 100〜 500枚(E) 100枚未満印刷結果を表1に示す。
【0038】
【表1】


【0039】表1より明らかなように、サイロイドの30重量パーセント以上の粒子が凝集している比較aは、これらは耐刷性及び保水性に劣っている。これに対し、本発明の試料1はサイロイドの95重量パーセント以上の粒子が単粒子状に配置されており、耐刷性及び保水性に優れていることが判明した。
【0040】実施例2実施例1の下塗塗液において、サイロイド、及び、酸化チタンの添加量、サイロイドの平均粒子サイズを表2に示した通りにして、実施例1と同様に試料を作成し、印刷評価を行った。結果を表2に示した。
【0041】
【表2】


【0042】表2より明かなように、サイロイドの平均粒子サイズが7ミクロンである比較b、及び、単粒子状のサイロイドが70%以下である比較cは耐刷性及び保水性に劣るが、本発明の試料2及び試料3は耐刷性及び保水性に優れたものであった。
【0043】
【発明の効果】本発明を用いることにより、耐刷性及び保水性に優れた平版印刷版を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 支持体上に少なくとも一つの下塗層及びハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核を順次塗布されてなる平版印刷版に於て、該下塗層中に酸化チタン及び平均粒子サイズが5ミクロン以下のマット化剤を含有し、且つ、該下塗層中のマット化剤の95重量パーセント以上の粒子が単粒子状に配置されてなる事を特徴とする平版印刷版。