説明

幾何構造システム

【課題】従来の幾何構造システムでは、さね継ぎ的な嵌合手段を用いるため、前記幾何構造システムにおける構造の結合力が弱く、形状の種類、大きさ及び該構造の複雑さのバリエーションが限定される。
【解決手段】本発明の幾何構造システムは、多角形形状を為す複数の構造部品10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120であって、複数の該構造部品の各々が、複数の側面11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121と、複数のネジ穴3とを備えており、該ネジ穴3の各々が、前記側面の中の一つの側面のそれぞれに対して放線方向に、かつ前記側面の中の一つの側面のそれぞれから内方に伸びている前記構造部品と、複数のスタッドボルト110であって、複数の該スタッドボルトの各々が、隣接する一組の前記構造部品における隣接する一組の前記ネジ穴を係合させるスタッドボルトとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての記載]
本出願は、2005年12月13日に台湾で為された特許出願第094144033号の優先権を主張している。
【0002】
本発明は、幾何構造システム、特に、構造部材の各々が複数のネジ穴を備える複数個の前記構造部品を含む幾何構造システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の幾何構造システムは、通常、複数個の多角形形状のパネルを含む。該パネルは結合され、さね継ぎ的な嵌合手段(tongue-and-groove engaging means)で二次元及び三次元の構造を形成することができる。しかしながら、そのように形成された構造の結合力は相対的に弱い。その結果として、形状、大きさ及び上記のように形成される前記構造の複雑さのバリエーションが限定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、当該先行技術の上記欠点を克服することが可能な幾何構造システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の幾何構造システムは、多角形形状を為す複数の構造部品の各々は、複数の側面と、複数のネジ穴とを備えており、該複数のネジ穴の各々が前記側面の中の一つの側面に対して法線方向に、且つ該側面の中の一つの側面のそれぞれから内向に伸びている前記構造部品と、複数のスタッドボルトであって、複数の該スタットボルトの各々が隣接する一組の前記構造部品における隣接する一組の前記ネジ穴と係合しており、かつ隣接した一組の前記構造部品の各々における隣接した一組の前記ネジ穴の全長よりも短い長さを有するスタッドボルトと、を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1及び図2は、本発明による幾何構造システムの好ましい実施例を示す。該幾何構造システムは、多角形形状を為す複数の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10及び第11の構造部品10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120であって、複数の該構造部品の各々が、複数の側面11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121と、複数のネジ穴3とを備えており、該ネジ穴3の各々は、前記側面11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121の中の一つの側面のそれぞれに対して法線方向に、かつ前記側面11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121の中の一つの側面のそれぞれから内方に伸びている前記構造部品と、複数のスタッドボルト110であって、複数の該スタッドボルトの各々が、隣接する一組の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10及び第11の前記構造部品10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120(図2〜6を参照)における隣接する一組の前記ネジ穴3を係合させており、かつ隣接する一組の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10及び第11の前記構造部品10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120における隣接する一組の前記ネジ穴3の全長(D)(図7参照)よりも短い長さを有する前記スタッドボルトと、を備える。
【0007】
本実施例において、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10及び第11の前記構造部品10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120の各々の前記側面11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121における前記ネジ穴3は互いに空間的に連通している。これにより、第一、第二、第三、第四、第五、第六、第七、第八、第九、第十及び第十一の前記構造部品10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120の各々の間において多様な結合が可能となる。前記スタッドボルト110の各々は、端面と、該端面から内側に窪ませてあり、しかも第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10及び第11の前記構造部品10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120を容易に組み立てられるように工具140との嵌合に役立つ型押しされた溝114とを備える。
【0008】
第1の構造部品10の各々は、長方形形状であり、正方形の横断面を備える。該第1の構造部品10の各々の側面11の各々に形成されたネジ穴3は、互いに等距離にある。第2の構造部品20の各々は、長方形形状であり、正方形の横断面を備え、前記第1の構造部品10より短い。第3の構造部品30の各々は、略長方形形状であり、長方形の横断面及び曲面の端部を備える。第4の構造部品40の各々は、構造部品40の両端が曲面形状である点において、第3の構造部品30と異なる。第5の構造部品50の各々は、立方体形状である。第6の構造部品の各々は、正三角形形状である。第7の構造部品70の各々は、正三角形形状の端部及び該正三角形形状の端部の反対側に曲面の端部を備える。第8の構造部品80の各々は、T字型形状であり、正方形形状の端部と、その両端には2つの曲面の端部とを備える。第9の構造部品90の各々は、L字型形状であり、正方形の端部と曲面の端部とを備える。第10の構造部品100の各々は、円形形状である。第11の構造部品120の各々は、円形形状であり、第10の構造部品100より大きな直径を有する。前記第11の構造部品120の各々の側面121の各々に形成されたネジ穴のうちの一つが前記第11の構造部品120の中心にあり、その残りのネジ穴は円に沿って配列される。図2及び6によると、第11の構造部品120は、ピボット軸130を旋回心軸として取り付けることにより、車輪として使用可能である。
【0009】
図3から6は、本発明の幾何構造システムが異なる形状に組み立て可能であることを示す。
【0010】
本発明の幾何構造システムのスタッドボルト110と、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10及び第11の構造部品10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120にネジ穴3とを備えることによって、本発明の幾何構造システムは、従来技術と比較して、より高い結合力を有する様々な形状に組み立てられる。
【0011】
上記のごとく本発明を説明したが、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で多様な変化及び変更が可能であることは言うまでもない。従って、本発明が、特許請求の範囲に掲げられたものに限定される訳ではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による組立前の幾何構造システムの好ましい実施例の斜視図である。
【図2】好ましい実施例の車輪部品に軸を旋回心軸として取り付けた状態を説明する斜視図である。
【図3】テーブルの上面支持部に組み立てられた好ましい実施例を説明する斜視図である。
【図4】椅子に組み立てられた好ましい実施例を説明する斜視図である。
【図5】おもちゃに組み立てられた好ましい実施例を説明する斜視図である。
【図6】乗り物に組み立てられた好ましい実施例を説明する部分分解斜視図である。
【図7】好ましい実施例の隣接する一組の構造部品の隣接する一組のネジ穴の全長を説明する概要図である。
【符号の説明】
【0013】
10 第一の構造部品
11 第一の構造部品の側面
20 第二の構造部品
21 第二の構造部品の側面
30 第三の構造部品
31 第三の構造部品の側面
40 第四の構造部品
41 第四の構造部品の側面
114 型押しされた溝
140 工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形形状を為す複数の構造部品(10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120)であって、複数の該構造部品の各々は、複数の側面(11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121)と複数のネジ穴(3)とを備えており、該複数のネジ穴(3)の各々が、前記側面(11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121)の中の一つの側面のそれぞれに対して法線方向で、且つ前記側面(11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121)の中の一つの側面のそれぞれに対して内方に伸びている構造部品と、
複数のスタッドボルト(110)であって、複数の該スタッドボルトの各々は、隣接する一対の前記構造部品(11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121)における隣接する一対の前記ネジ穴3を係合させており、且つ隣接する一対の前記構造部品(11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121)における隣接する一対の前記ネジ穴の全長よりも短い長さを有するスタッドボルトと、
を備えることを特徴とする幾何構造システム。
【請求項2】
前記スタッドボルト(110)の各々が、端面と、該端面から内側に窪んだ型押しされた溝(114)とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の幾何構造システム。
【請求項3】
各前記構造部品(10,20,30,40,50,60,70,80,90,100,120)の前記側面(11,21,31,41,51,61,71,81,91,101,121)における前記ネジ穴(3)が、互いに空間的に連通していることを特徴とする請求項1記載の幾何構造システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−160067(P2007−160067A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67957(P2006−67957)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(506085538)
【Fターム(参考)】