床スラブ
【課題】互いに隣接する複数のプレキャストコンクリート板を有する床スラブにおいて、各プレキャストコンクリート板内にシースを配置しないことにより前記プレキャストコンクリート板を効率的に製作すること。
【解決手段】床スラブは、互いに側部が隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上のコンクリート層とを含み、各プレキャストコンクリート板は、その上面に設けられた横リブと、該横リブの前記端部から外方へ伸びる溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て伸びる補強鉄筋とを備え、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋は、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合されている。
【解決手段】床スラブは、互いに側部が隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上のコンクリート層とを含み、各プレキャストコンクリート板は、その上面に設けられた横リブと、該横リブの前記端部から外方へ伸びる溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て伸びる補強鉄筋とを備え、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋は、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床スラブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の床スラブには、水平方向に互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板からなるものがある(特許文献1参照)。各プレキャストコンクリート板は長方形の平面形状を有し、前記プレキャストコンクリート板は互いに側部が隣接している。
【特許文献1】特開平8−151717号公報
【0003】
各プレキャストコンクリート板は、該プレキャストコンクリート板の下面に設けられた、前記側部において縦方向に伸びる縦リブと、それぞれが横方向に伸び、前記縦リブと交差する複数の横リブとを有する。隣接する2つのプレキャストコンクリート板は、両プレキャストコンクリート板の前記縦リブを貫通するボルトと、該ボルトと螺合されたナットとにより互いに接合されている。前記縦リブ及び前記横リブは前記プレキャストコンクリート板を補強する。
【0004】
各プレキャストコンクリート板の前記縦リブの内部に、該縦リブを前記横方向に貫くシースが配置されており、前記ボルトは前記シースを経て両プレキャストコンクリート板の前記縦リブを貫通している。ところで、仮に、前記シースの位置が予め決められた位置からずれている場合、前記ボルトを前記シースを経て両プレキャストコンクリート板の前記縦リブを貫通させることは難しく、両プレキャストコンクリート板の接合は困難である。このため、前記シースは前記プレキャストコンクリート板の内部に精度良く配置されていなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記プレキャストコンクリート板内に前記シースを精度良く配置することに多くの手間と時間とを要する。このため、前記プレキャストコンクリート板を効率良く製作することができない。
【0006】
本発明の目的は、互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板を有する床スラブにおいて、各プレキャストコンクリート板内に前記シースを配置しないことにより前記プレキャストコンクリート板を効率的に製作することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板相互の接合を、両プレキャストコンクリート板の下端鉄筋相互の結合と両プレキャストコンクリート板の補強鉄筋相互の結合とより行う。
【0008】
本発明に係る床スラブは、水平方向に互いに側部が隣接して配置された、それぞれが長方形の平面形状を有する複数のプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層とを含み、各プレキャストコンクリート板は、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備え、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋は、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合されている。
【0009】
前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋が互いに結合され、かつ両プレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋が互いに結合されていることにより、両プレキャストコンクリート板が互いに接合されている。このため、両プレキャストコンクリート板をボルト及びナットにより互いに接合した場合のように各プレキャストコンクリート板内へのシースの配置を要することはなく、前記プレキャストコンクリート板を効率的に製作することができる。
【0010】
前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋との結合は結合手段によりなされており、該結合手段は、互いに平行な第1鉄筋及び第2鉄筋であって一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋に溶接され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋に溶接された第1鉄筋と、一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋に溶接され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋に溶接された第2鉄筋とからなるものとすることができる。
【0011】
また、前記結合手段は、それぞれが円弧状の断面形状を有する、互いに平行な第1鋼製部材及び第2鋼製部材であって一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋を受け入れかつ該下端鉄筋に向けての圧力を受けて前記下端鉄筋に固定され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋を受け入れかつ該下端鉄筋に向けての圧力を受けて前記下端鉄筋に固定された第1鋼製部材と、一端部が一方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋を受け入れかつ該補強鉄筋に向けての圧力を受けて前記補強鉄筋に固定され、他端部が他方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋を受け入れかつ該補強鉄筋に向けての圧力を受けて前記補強鉄筋に固定された第2鋼製部材とからなるものとすることができる。
【0012】
前記床スラブは、前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板の上に、両プレキャストコンクリート板の前記溝の内部及び両プレキャストコンクリート板の前記横リブの間に打設されたコンクリートからなる接合リブが設けられているものとすることができる。これにより、両プレキャストコンクリート板相互の接合をより強固にすることができる。
【0013】
本発明に係る、長方形の平面形状を有するプレキャストコンクリート板は、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備える。
【0014】
本発明に係る床スラブの施工法は、水平方向に互いに側部が隣接する、それぞれが長方形の平面形状を有する複数のプレキャストコンクリート板であって各プレキャストコンクリート板が、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備える、複数のプレキャストコンクリート板を用意すること、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋を、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合すること、前記プレキャストコンクリート板の上にコンクリート層を形成することを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板相互の接合を、両プレキャストコンクリート板の下端鉄筋相互の結合と両プレキャストコンクリート板の補強鉄筋相互の結合とにより行うことができ、両プレキャストコンクリート板をボルト及びナットにより互いに接合した場合のように各プレキャストコンクリート板内へのシースの配置を要することはなく、前記プレキャストコンクリート板を効率的に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すように、建物の床スラブ10が構築され、該床スラブは、水平方向に互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板12と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層14とを含む。図2に示すように、各プレキャストコンクリート板12は長方形の平面形状を有し、プレキャストコンクリート板12は互いに側部16が隣接している。
【0017】
図3に示すように、各プレキャストコンクリート板12は、該プレキャストコンクリート板の上面18に設けられた、それぞれがプレキャストコンクリート板12の横方向に伸びる複数の横リブ20と、該横リブと交差する、プレキャストコンクリート板12の縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブ22とを有する。縦リブ22の数は、図示の例では、2つであるが、これに代え、1つでもよいし、3以上であってもよい。
【0018】
各横リブ20は、プレキャストコンクリート板12の側部16から内方へ隔てられた端部24を有する。各プレキャストコンクリート板12は、該プレキャストコンクリート板の上面18に設けられた、各横リブ20の端部24から外方へ前記横方向に伸びる溝26を有する。溝26はプレキャストコンクリート板12の側部16で開放されている。図4ないし6に示すように、各プレキャストコンクリート板12は、該プレキャストコンクリート板の内部に、溝26を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋28と、横リブ20を経て前記横方向に伸びる補強鉄筋30とを備える。
【0019】
図1に示したように、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12のうち一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28は他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28と結合されている。また、一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30は他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30と結合されている。両プレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28相互の結合及び両プレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30相互の結合は結合手段32によりなされている。
【0020】
結合手段32は、互いに平行な第1鋼製部材34及び第2鋼製部材36からなる。図7に示すように、第1鋼製部材34及び第2鋼製部材36のそれぞれは円弧状の断面形状を有する。第1鋼製部材34は、一端部38が一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28を受け入れ、該下端鉄筋に向けての圧力を受けて下端鉄筋28に固定され、他端部40が他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28を受け入れ、該下端鉄筋に向けての圧力を受けて下端鉄筋28に固定されている。第2鋼製部材36は、一端部42が一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30を受け入れ、該補強鉄筋に向けての圧力を受けて補強鉄筋30に固定され、他端部44が他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30を受け入れ、該補強鉄筋に向けての圧力を受けて補強鉄筋30に固定されている。このように結合手段32は、いわゆるスクイーズジョイントからなる。結合手段32は、スクイーズジョイントからなる図1に示した例に代え、ねじ式継手のような他の機械式継手からなるものでもよい。
【0021】
第1鋼製部材34により一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28が他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28と結合され、第2鋼製部材36により一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30が他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30と結合されている図1に示した例に代え、一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28が他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28に溶接され、一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30が他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30に溶接されていてもよい。
【0022】
各プレキャストコンクリート板12は、図1に示したように、該プレキャストコンクリート板の内部に、それぞれが前記縦方向に伸び、下端鉄筋28と交差する複数の他の下端鉄筋48を備え、縦リブ22の内部に、前記縦方向に伸び、補強鉄筋30と交差する他の補強鉄筋50と、該他の補強鉄筋と他の下端鉄筋48との間にあって他の補強鉄筋50と他の下端鉄筋48とに接合されたラチス鉄筋52とを備える。コンクリート層14は、該コンクリート層の内部に、格子状に組まれた複数の上端鉄筋54を備える。
【0023】
床スラブ10を施工するとき、まず、図2、4、5に示したように、水平方向に互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板12を用意する。次に、図1、8に示したように、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12のうち一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28及び補強鉄筋30を、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28及び補強鉄筋30と結合する。その後、プレキャストコンクリート板12の上にコンクリート層14を形成する。
【0024】
ところで、プレキャストコンクリート板12の上にコンクリート層14を形成した後、コンクリート層14が硬化するまでの間、プレキャストコンクリート板12はコンクリート層14の自重による荷重に抵抗しなければならない。床スラブ10では、下端鉄筋28相互の結合と補強鉄筋30相互の結合とにより、互いに隣接する複数のプレキャストコンクリート板12の横リブ20を一体化させることができる。このため、床スラブ10は、全てのプレキャストコンクリート板12の縦リブ22及び横リブ20の双方により前記荷重に抵抗することができ、二方向スラブとして機能する。これにより、床スラブ10の前記荷重に対する強度を増大させることができ、床スラブ10を長スパン化することができる。
【0025】
図9に示す例では、結合手段32が、互いに平行な第1鋼製部材34及び第2鋼製部材36からなる図1に示した例に代え、互いに平行な第1鉄筋56及び第2鉄筋58からなる。第1鉄筋56は、一端部60が一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28に溶接され、他端部62が他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28に溶接されている。第2鉄筋58は、一端部64が一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30に溶接され、他端部66が他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30に溶接されている。
【0026】
図10ないし12に示す例では、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12の上に、両プレキャストコンクリート板12の溝26の内部及び両プレキャストコンクリート板12の横リブ20の間に打設されたコンクリートからなる接合リブ46が設けられている。接合リブ46は、両プレキャストコンクリート板12相互の接合を強固にし、両プレキャストコンクリート板12の接合部分の圧縮強度を増大させる。床スラブ10の施工時、両プレキャストコンクリート板12の上に接合リブ46を設けることは、一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28及び補強鉄筋30を、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28及び補強鉄筋30と結合した後、プレキャストコンクリート板12の上にコンクリート層14を形成する前に行う。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施例に係る床スラブの断面図。
【図2】本発明の第1実施例に係る、互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板の平面図。
【図3】本発明の第1実施例に係るプレキャストコンクリート板の平面図。
【図4】図2の線4におけるプレキャストコンクリート板の平面図。
【図5】図4の線5におけるプレキャストコンクリート板の断面図。
【図6】図5の線6におけるプレキャストコンクリート板の側面図。
【図7】図1の線7における床スラブの断面図。
【図8】コンクリート層を形成する前の、図1の線8におけるプレキャストコンクリート板の平面図。
【図9】本発明の第2実施例に係る床スラブの断面図。
【図10】本発明の第3実施例に係る床スラブの断面図。
【図11】図10の線11における床スラブの断面図。
【図12】コンクリート層を形成する前の、図10の線12におけるプレキャストコンクリート板の平面図。
【符号の説明】
【0028】
10 床スラブ
12 プレキャストコンクリート板
14 コンクリート層
16 側部
18 上面
20 横リブ
22 縦リブ
24 端部
26 溝
28 下端鉄筋
30 補強鉄筋
32 結合手段
34 第1鋼製部材
36 第2鋼製部材
38、42、60、64 一端部
40、44、62、66 他端部
【技術分野】
【0001】
本発明は、床スラブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の床スラブには、水平方向に互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板からなるものがある(特許文献1参照)。各プレキャストコンクリート板は長方形の平面形状を有し、前記プレキャストコンクリート板は互いに側部が隣接している。
【特許文献1】特開平8−151717号公報
【0003】
各プレキャストコンクリート板は、該プレキャストコンクリート板の下面に設けられた、前記側部において縦方向に伸びる縦リブと、それぞれが横方向に伸び、前記縦リブと交差する複数の横リブとを有する。隣接する2つのプレキャストコンクリート板は、両プレキャストコンクリート板の前記縦リブを貫通するボルトと、該ボルトと螺合されたナットとにより互いに接合されている。前記縦リブ及び前記横リブは前記プレキャストコンクリート板を補強する。
【0004】
各プレキャストコンクリート板の前記縦リブの内部に、該縦リブを前記横方向に貫くシースが配置されており、前記ボルトは前記シースを経て両プレキャストコンクリート板の前記縦リブを貫通している。ところで、仮に、前記シースの位置が予め決められた位置からずれている場合、前記ボルトを前記シースを経て両プレキャストコンクリート板の前記縦リブを貫通させることは難しく、両プレキャストコンクリート板の接合は困難である。このため、前記シースは前記プレキャストコンクリート板の内部に精度良く配置されていなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記プレキャストコンクリート板内に前記シースを精度良く配置することに多くの手間と時間とを要する。このため、前記プレキャストコンクリート板を効率良く製作することができない。
【0006】
本発明の目的は、互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板を有する床スラブにおいて、各プレキャストコンクリート板内に前記シースを配置しないことにより前記プレキャストコンクリート板を効率的に製作することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板相互の接合を、両プレキャストコンクリート板の下端鉄筋相互の結合と両プレキャストコンクリート板の補強鉄筋相互の結合とより行う。
【0008】
本発明に係る床スラブは、水平方向に互いに側部が隣接して配置された、それぞれが長方形の平面形状を有する複数のプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層とを含み、各プレキャストコンクリート板は、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備え、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋は、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合されている。
【0009】
前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋が互いに結合され、かつ両プレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋が互いに結合されていることにより、両プレキャストコンクリート板が互いに接合されている。このため、両プレキャストコンクリート板をボルト及びナットにより互いに接合した場合のように各プレキャストコンクリート板内へのシースの配置を要することはなく、前記プレキャストコンクリート板を効率的に製作することができる。
【0010】
前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋との結合は結合手段によりなされており、該結合手段は、互いに平行な第1鉄筋及び第2鉄筋であって一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋に溶接され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋に溶接された第1鉄筋と、一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋に溶接され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋に溶接された第2鉄筋とからなるものとすることができる。
【0011】
また、前記結合手段は、それぞれが円弧状の断面形状を有する、互いに平行な第1鋼製部材及び第2鋼製部材であって一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋を受け入れかつ該下端鉄筋に向けての圧力を受けて前記下端鉄筋に固定され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋を受け入れかつ該下端鉄筋に向けての圧力を受けて前記下端鉄筋に固定された第1鋼製部材と、一端部が一方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋を受け入れかつ該補強鉄筋に向けての圧力を受けて前記補強鉄筋に固定され、他端部が他方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋を受け入れかつ該補強鉄筋に向けての圧力を受けて前記補強鉄筋に固定された第2鋼製部材とからなるものとすることができる。
【0012】
前記床スラブは、前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板の上に、両プレキャストコンクリート板の前記溝の内部及び両プレキャストコンクリート板の前記横リブの間に打設されたコンクリートからなる接合リブが設けられているものとすることができる。これにより、両プレキャストコンクリート板相互の接合をより強固にすることができる。
【0013】
本発明に係る、長方形の平面形状を有するプレキャストコンクリート板は、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備える。
【0014】
本発明に係る床スラブの施工法は、水平方向に互いに側部が隣接する、それぞれが長方形の平面形状を有する複数のプレキャストコンクリート板であって各プレキャストコンクリート板が、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備える、複数のプレキャストコンクリート板を用意すること、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋を、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合すること、前記プレキャストコンクリート板の上にコンクリート層を形成することを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板相互の接合を、両プレキャストコンクリート板の下端鉄筋相互の結合と両プレキャストコンクリート板の補強鉄筋相互の結合とにより行うことができ、両プレキャストコンクリート板をボルト及びナットにより互いに接合した場合のように各プレキャストコンクリート板内へのシースの配置を要することはなく、前記プレキャストコンクリート板を効率的に製作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1に示すように、建物の床スラブ10が構築され、該床スラブは、水平方向に互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板12と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層14とを含む。図2に示すように、各プレキャストコンクリート板12は長方形の平面形状を有し、プレキャストコンクリート板12は互いに側部16が隣接している。
【0017】
図3に示すように、各プレキャストコンクリート板12は、該プレキャストコンクリート板の上面18に設けられた、それぞれがプレキャストコンクリート板12の横方向に伸びる複数の横リブ20と、該横リブと交差する、プレキャストコンクリート板12の縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブ22とを有する。縦リブ22の数は、図示の例では、2つであるが、これに代え、1つでもよいし、3以上であってもよい。
【0018】
各横リブ20は、プレキャストコンクリート板12の側部16から内方へ隔てられた端部24を有する。各プレキャストコンクリート板12は、該プレキャストコンクリート板の上面18に設けられた、各横リブ20の端部24から外方へ前記横方向に伸びる溝26を有する。溝26はプレキャストコンクリート板12の側部16で開放されている。図4ないし6に示すように、各プレキャストコンクリート板12は、該プレキャストコンクリート板の内部に、溝26を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋28と、横リブ20を経て前記横方向に伸びる補強鉄筋30とを備える。
【0019】
図1に示したように、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12のうち一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28は他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28と結合されている。また、一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30は他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30と結合されている。両プレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28相互の結合及び両プレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30相互の結合は結合手段32によりなされている。
【0020】
結合手段32は、互いに平行な第1鋼製部材34及び第2鋼製部材36からなる。図7に示すように、第1鋼製部材34及び第2鋼製部材36のそれぞれは円弧状の断面形状を有する。第1鋼製部材34は、一端部38が一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28を受け入れ、該下端鉄筋に向けての圧力を受けて下端鉄筋28に固定され、他端部40が他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28を受け入れ、該下端鉄筋に向けての圧力を受けて下端鉄筋28に固定されている。第2鋼製部材36は、一端部42が一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30を受け入れ、該補強鉄筋に向けての圧力を受けて補強鉄筋30に固定され、他端部44が他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30を受け入れ、該補強鉄筋に向けての圧力を受けて補強鉄筋30に固定されている。このように結合手段32は、いわゆるスクイーズジョイントからなる。結合手段32は、スクイーズジョイントからなる図1に示した例に代え、ねじ式継手のような他の機械式継手からなるものでもよい。
【0021】
第1鋼製部材34により一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28が他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28と結合され、第2鋼製部材36により一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30が他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30と結合されている図1に示した例に代え、一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28が他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28に溶接され、一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30が他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30に溶接されていてもよい。
【0022】
各プレキャストコンクリート板12は、図1に示したように、該プレキャストコンクリート板の内部に、それぞれが前記縦方向に伸び、下端鉄筋28と交差する複数の他の下端鉄筋48を備え、縦リブ22の内部に、前記縦方向に伸び、補強鉄筋30と交差する他の補強鉄筋50と、該他の補強鉄筋と他の下端鉄筋48との間にあって他の補強鉄筋50と他の下端鉄筋48とに接合されたラチス鉄筋52とを備える。コンクリート層14は、該コンクリート層の内部に、格子状に組まれた複数の上端鉄筋54を備える。
【0023】
床スラブ10を施工するとき、まず、図2、4、5に示したように、水平方向に互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板12を用意する。次に、図1、8に示したように、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12のうち一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28及び補強鉄筋30を、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28及び補強鉄筋30と結合する。その後、プレキャストコンクリート板12の上にコンクリート層14を形成する。
【0024】
ところで、プレキャストコンクリート板12の上にコンクリート層14を形成した後、コンクリート層14が硬化するまでの間、プレキャストコンクリート板12はコンクリート層14の自重による荷重に抵抗しなければならない。床スラブ10では、下端鉄筋28相互の結合と補強鉄筋30相互の結合とにより、互いに隣接する複数のプレキャストコンクリート板12の横リブ20を一体化させることができる。このため、床スラブ10は、全てのプレキャストコンクリート板12の縦リブ22及び横リブ20の双方により前記荷重に抵抗することができ、二方向スラブとして機能する。これにより、床スラブ10の前記荷重に対する強度を増大させることができ、床スラブ10を長スパン化することができる。
【0025】
図9に示す例では、結合手段32が、互いに平行な第1鋼製部材34及び第2鋼製部材36からなる図1に示した例に代え、互いに平行な第1鉄筋56及び第2鉄筋58からなる。第1鉄筋56は、一端部60が一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28に溶接され、他端部62が他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28に溶接されている。第2鉄筋58は、一端部64が一方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30に溶接され、他端部66が他方のプレキャストコンクリート板12の補強鉄筋30に溶接されている。
【0026】
図10ないし12に示す例では、互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板12の上に、両プレキャストコンクリート板12の溝26の内部及び両プレキャストコンクリート板12の横リブ20の間に打設されたコンクリートからなる接合リブ46が設けられている。接合リブ46は、両プレキャストコンクリート板12相互の接合を強固にし、両プレキャストコンクリート板12の接合部分の圧縮強度を増大させる。床スラブ10の施工時、両プレキャストコンクリート板12の上に接合リブ46を設けることは、一方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28及び補強鉄筋30を、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板12の下端鉄筋28及び補強鉄筋30と結合した後、プレキャストコンクリート板12の上にコンクリート層14を形成する前に行う。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施例に係る床スラブの断面図。
【図2】本発明の第1実施例に係る、互いに隣接して配置された複数のプレキャストコンクリート板の平面図。
【図3】本発明の第1実施例に係るプレキャストコンクリート板の平面図。
【図4】図2の線4におけるプレキャストコンクリート板の平面図。
【図5】図4の線5におけるプレキャストコンクリート板の断面図。
【図6】図5の線6におけるプレキャストコンクリート板の側面図。
【図7】図1の線7における床スラブの断面図。
【図8】コンクリート層を形成する前の、図1の線8におけるプレキャストコンクリート板の平面図。
【図9】本発明の第2実施例に係る床スラブの断面図。
【図10】本発明の第3実施例に係る床スラブの断面図。
【図11】図10の線11における床スラブの断面図。
【図12】コンクリート層を形成する前の、図10の線12におけるプレキャストコンクリート板の平面図。
【符号の説明】
【0028】
10 床スラブ
12 プレキャストコンクリート板
14 コンクリート層
16 側部
18 上面
20 横リブ
22 縦リブ
24 端部
26 溝
28 下端鉄筋
30 補強鉄筋
32 結合手段
34 第1鋼製部材
36 第2鋼製部材
38、42、60、64 一端部
40、44、62、66 他端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に互いに側部が隣接して配置された、それぞれが長方形の平面形状を有する複数のプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層とを含み、
各プレキャストコンクリート板は、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備え、
互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋は、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合されている、床スラブ。
【請求項2】
前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋との結合は結合手段によりなされており、該結合手段は、互いに平行な第1鉄筋及び第2鉄筋であって一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋に溶接され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋に溶接された第1鉄筋と、一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋に溶接され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋に溶接された第2鉄筋とからなる、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項3】
前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋との結合は結合手段によりなされており、該結合手段は、それぞれが円弧状の断面形状を有する、互いに平行な第1鋼製部材及び第2鋼製部材であって一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋を受け入れかつ該下端鉄筋に向けての圧力を受けて前記下端鉄筋に固定され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋を受け入れかつ該下端鉄筋に向けての圧力を受けて前記下端鉄筋に固定された第1鋼製部材と、一端部が一方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋を受け入れかつ該補強鉄筋に向けての圧力を受けて前記補強鉄筋に固定され、他端部が他方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋を受け入れかつ該補強鉄筋に向けての圧力を受けて前記補強鉄筋に固定された第2鋼製部材とからなる、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項4】
前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板の上に、両プレキャストコンクリート板の前記溝の内部及び両プレキャストコンクリート板の前記横リブの間に打設されたコンクリートからなる接合リブが設けられている、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項5】
長方形の平面形状を有するプレキャストコンクリート板であって、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備える、プレキャストコンクリート板。
【請求項6】
水平方向に互いに側部が隣接する、それぞれが長方形の平面形状を有する複数のプレキャストコンクリート板であって各プレキャストコンクリート板が、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備える、複数のプレキャストコンクリート板を用意すること、
互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋を、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合すること、
前記プレキャストコンクリート板の上にコンクリート層を形成することを含む、床スラブの施工法。
【請求項1】
水平方向に互いに側部が隣接して配置された、それぞれが長方形の平面形状を有する複数のプレキャストコンクリート板と、該プレキャストコンクリート板の上に形成されたコンクリート層とを含み、
各プレキャストコンクリート板は、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備え、
互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋は、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合されている、床スラブ。
【請求項2】
前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋との結合は結合手段によりなされており、該結合手段は、互いに平行な第1鉄筋及び第2鉄筋であって一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋に溶接され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋に溶接された第1鉄筋と、一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋に溶接され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋に溶接された第2鉄筋とからなる、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項3】
前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋との結合は結合手段によりなされており、該結合手段は、それぞれが円弧状の断面形状を有する、互いに平行な第1鋼製部材及び第2鋼製部材であって一端部が前記一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋を受け入れかつ該下端鉄筋に向けての圧力を受けて前記下端鉄筋に固定され、他端部が前記他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋を受け入れかつ該下端鉄筋に向けての圧力を受けて前記下端鉄筋に固定された第1鋼製部材と、一端部が一方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋を受け入れかつ該補強鉄筋に向けての圧力を受けて前記補強鉄筋に固定され、他端部が他方のプレキャストコンクリート板の前記補強鉄筋を受け入れかつ該補強鉄筋に向けての圧力を受けて前記補強鉄筋に固定された第2鋼製部材とからなる、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項4】
前記隣接する2つのプレキャストコンクリート板の上に、両プレキャストコンクリート板の前記溝の内部及び両プレキャストコンクリート板の前記横リブの間に打設されたコンクリートからなる接合リブが設けられている、請求項1に記載の床スラブ。
【請求項5】
長方形の平面形状を有するプレキャストコンクリート板であって、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備える、プレキャストコンクリート板。
【請求項6】
水平方向に互いに側部が隣接する、それぞれが長方形の平面形状を有する複数のプレキャストコンクリート板であって各プレキャストコンクリート板が、該プレキャストコンクリート板の上面に設けられた、それぞれが横方向に伸びる複数の横リブであって、それぞれが前記側部から内方へ隔てられた端部を有する複数の横リブと、該横リブと交差する、縦方向に伸びる少なくとも1つの縦リブと、各横リブの前記端部から外方へ前記横方向に伸び、前記側部で開放された溝とを有し、前記プレキャストコンクリート板の内部に、前記溝を経て前記横方向に伸びる下端鉄筋と、前記横リブを経て前記横方向に伸びる補強鉄筋とを備える、複数のプレキャストコンクリート板を用意すること、
互いに隣接する2つのプレキャストコンクリート板のうち一方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋を、それぞれ、他方のプレキャストコンクリート板の前記下端鉄筋及び前記補強鉄筋と結合すること、
前記プレキャストコンクリート板の上にコンクリート層を形成することを含む、床スラブの施工法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−197448(P2009−197448A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38846(P2008−38846)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
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