説明

床吹き出し方式空調装置

【課題】オープン空間などの空調対象域外からの外気の流入を防止することができ、しかも天井デザインを損ねることがない安価な床吹き出し方式空調装置を提供する。
【解決手段】床面36に設けられた複数の吹出孔30または通気性カーペットから空調空気を上方に向かって吹き出すことにより前記床面36上の空調対象域の空調を行う床吹き出し方式空調装置において、前記空調対象域内外の境界16の下方に設けられ、空気を上方へ吹き出して前記空調対象域内外を空気流で遮断するエアカーテン形成手段34を備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビル等の建物において、床スラブ上に敷設された二重床と床スラブとの間を空調ダクトとして利用して、二重床に形成した吹出孔または通気性カーペットから床上に向かって空調空気を吹き出すことによって空調を行う床吹き出し方式空調装置に関するものであり、特に、オープン空間などの空調対象域外からの外気が流入することを防止する床吹き出し方式空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスビル等の建物において、床面から床上の室内に向かって空調空気を吹き出すことで室内の空調を行ういわゆる床吹き出し方式空調装置あるいは空調方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような床吹き出し方式空調装置あるいは空調方法は、床スラブ上に多数の吹出孔が形成された二重床を敷設するとともに、床スラブと二重床との間に形成される空間を空調ダクトとして利用したものである。そして、このダクト内における空調空気を吹出孔または通気性カーペットから床上へ低速状態にて滲み出させることによって、床上室内の空調を行うようになっている。
【0004】
一方、近年のオフィスビル等の建物内において、開放感を高めるために、吹き抜け構造等のオープン空間が設けられるようになってきている(例えば、特許文献2参照)。こうしたオープン空間は通常、オフィスやリビング等の居室空間から見通せるように居住空間と隣接して配置される場合が多い。
【0005】
このような配置レイアウトにおいて、居室空間を床吹き出し方式によって空調する場合には、オープン空間内の比較的高温の外気または空気が居住空間との境界の開口部から居住空間に入り込むことがある。入り込んだ外気または空気は、居住空間内の上下温度差を大きくしたり、床面から低速状態にて吹き出している空調空気の気流をかき乱すように作用する。このため、室内に所望の空調状態を実現できなくなり、居住空間内の者が不快感を感じることがあった。こうした問題に対する一つの解決策として、例えば、図6に示される装置あるいは空調方法が知られている。
【0006】
図6に示すように、オープン空間1と全面床吹き出し方式によって空調される居住空間2とが隣接して建物3内に配置される。一般にオープン室内部はガラス面が多いため、特に上部は高温となり易い。居住空間2の左端には、オープン空間1との境界を画成すべく手摺パネル4が設置されており、手摺パネル4と居住空間2の天井面5との間にオープン空間1と居住空間2とを連通させる開口6が形成される。この構成において、オープン空間1との境界ちかくの天井面5に空気吹出口7を設け、空気を下向きに吹き出すことによって開口6にエアカーテン8を形成し、オープン空間1から開口6を通って流入しようとする外気9(高温空気)を遮断するようになっている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−247733号公報
【特許文献2】実開平5−10935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、天井レスのデザインと床吹き出し方式空調とを組み合わせた居住空間が利用されるようになってきている。この組み合わせが利用される主な理由は、床面下を空調ダクト兼用とすることによって室内を空調できるので、天井側に空調用の給気設備を配置しなくて済み、天井側に配置する設備を極力排除することを最大の目的としている天井デザインのコンセプトに適するという利点や、階高を低く抑えることで建築費のコストダウンが図れる利点があるからである。こうしたことから、この組み合わせにおいては、上記の従来の技術のように、エアカーテンを形成するために天井側に空気吹出口やダクトなどの付帯設備を設ける構造とすることは、天井デザインを損なうため難しいうえ、階高を上げる要因となる。
【0009】
また、床面側に給気設備が配置される床吹き出し方式空調において、上記の従来の技術のように、外気の流入を遮断するエアカーテンを形成するために床面から離れた天井側に専用の給気設備を配置することは、設備コストの上昇を招く要因となる。
【0010】
さらに、床吹き出し方式空調では、極めて低速の空調空気を床面から上方に吹き出して空調を行うものであることから、居住空間における空調空気の流速は非常に小さい。したがって、上記の従来の技術のように、エアカーテンを形成するために天井側に設けた空気吹出口から下方向に勢いよく気流を吹き出すと、居住空間における空調用の気流を乱すこととなる。このため、室内に上下温度差が生じるなど空調状態の不調を招く要因となる。また、逆に、居住空間内の空調用の気流を乱さないように、天井側の空気吹出口から低速にて吹き出すようにすると、エアカーテンを形成する風量が不十分となってオープン空間からの外気の侵入を許すことになりかねない。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、オープン空間などの空調対象域外からの外気の流入を防止することができ、しかも天井デザインを損ねることがない安価な床吹き出し方式空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る床吹き出し方式空調装置は、床面に設けられた複数の吹出孔または通気性カーペットから空調空気を上方に向かって吹き出すことにより前記床面上の空調対象域の空調を行う床吹き出し方式空調装置であって、前記空調対象域とオープンな半空調または非空調空間との境界の下方に設けられ、空気を上方へ吹き出して前記空調対象域内外を空気流で遮断するエアカーテン形成手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る床吹き出し方式空調装置は、上述した請求項1において、前記床面には天端部を有する壁体が設けられ、前記エアカーテン形成手段は、前記壁体近傍に設けられ、空気を上方へ吹き出す空気吹出口を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る床吹き出し方式空調装置は、上述した請求項2において、前記空気吹出口は、前記壁体の下端近傍の前記床面に設けられ、前記空気吹出口から噴出される空気を、前記壁体の表面に沿って上方に流すことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る床吹き出し方式空調装置は、上述した請求項3において、前記壁体表面の前記空気吹出口に近接する部分は略平面状に形成されることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項5に係る床吹き出し方式空調装置は、上述した請求項2から請求項4のいずれか一つにおいて、前記壁体は手摺パネルであり、前記手摺の握り部は、前記空気吹出口から所定距離隔てた上方に設けられることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項6に係る床吹き出し方式空調装置は、上述した請求項2において、前記空気吹出口は、前記壁体の天端部に設けられることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項7に係る床吹き出し方式空調装置は、上述した請求項6において、前記壁体は、対向配置された二枚の板状部材を含んで構成され、前記空気吹出口は、前記二枚の板状部材の間に形成された空間と連通することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項8に係る床吹き出し方式空調装置は、上述した請求項2から請求項7のいずれか一つにおいて、前記空気吹出口は、前記床面下に設けられる空調空気通路と連通することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項9に係る床吹き出し方式空調装置は、上述した請求項2から請求項8のいずれか一つにおいて、前記空気吹出口は、スリット状に形成され、前記スリット幅は略5〜25mmとされ、前記空気吹出口における吹き出し流速は略2.5〜6m/sとされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、空調対象域内外の境界の下方に設けられたエアカーテン形成手段が、空気を上方へ吹き出すことによって空調対象域内外を空気流で遮断するので、オープン空間などの空調対象域外から空調対象域内への外気の流入を防止することができる。また、天井側にエアカーテンを形成するための吹出口を設ける必要がないので、送風ダクト等の吹出口に伴う付帯設備を天井側に配置しなくて済む。このため、天井デザインを損ねることなく低コストにて外気の流入を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る床吹き出し方式空調装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る床吹き出し方式空調装置の実施形態の一例を示す概略側断面図であり、図2は図1の概略斜視図である。
【0023】
図1および図2に示すように、オフィスビル等の建物10内において、オフィスの居住空間12と吹き抜けによるオープン空間14とが隣接して設けられる。居住空間12にはオープン空間14との境界16側に手摺パネル18が設けられ、手摺パネル18上端と天井面20との間にはオープン空間14と居住空間12とを連通する開口22が形成される。
【0024】
本発明に係る床吹き出し方式空調装置100は、空調対象域としての居住空間12を床吹き出し方式で空調する装置であり、居住空間12の床24側に設けられ、図示しない空調送風機によって空調空気を送り込まれる空調空気通路26と、床パネル28全面に形成され、空調空気を居住空間12に吹き出すための多数の小さな吹出孔30または通気性カーペットとを含んで構成される。また、床吹き出し方式空調装置100は、境界16の開口22にエアカーテン32を形成するエアカーテン形成手段としての空気吹出口34を手摺パネル18下端近傍の床面36に備えている。
【0025】
空気吹出口34は、開口22に空気流によるエアカーテン32を形成するためのものであり、手摺パネル18の下端に沿う細長いスリット状の長孔として床面36に形成されている。空気吹出口34は、床面36下の空調空気通路26に連通され、図示しない空調送風機から空調空気通路26内に送り込まれる空調空気を床面36から上方に向かって吹き出せるようにされている。吹き出された気流は居住空間12の天井面20に到達する。これにより、手摺パネル18上端と天井面20に挟まれて形成される開口22にエアカーテン32を形成する。このようにして、空調対象域外としてのオープン空間14と、空調対象内としての居住空間12との連通を遮断し、オープン空間14からの外気38の流入を防止することができるようになっている。
【0026】
また、空気吹出口34は、手摺パネル18に接近した床面36に設けられており、ここから吹き出される空気は手摺パネル18の側面40に沿い易くされている。このため、空気吹出口34から上方に吹き出された気流は、いわゆるコアンダ効果によって手摺パネル表面40に吸い寄せられる。そして、この気流は手摺パネル表面40に案内されるように流れるので周囲に拡散しにくい態様で上昇し、手摺パネル表面40から吹出口34を離した場合よりも速い速度に保たれる。このため天井面20へ効率よく気流を到達させることができる。このことを図3を用いて説明すると、空気吹出口34上方の気流速度は大きく、居住空間12内の開放領域側の気流速度は小さいような流速分布となる。
【0027】
この場合、空気吹出口34からの気流の到達距離は、吹出孔30から低速にて吹き出している空調用の気流の到達距離に比べ、コアンダ効果により約1.4倍となる流速で上方に流れることがわかっている。このように、本発明ではコアンダ効果を誘発することを狙って空気吹出口34を手摺パネル18に接近して設けており、開口22を十分な風量のエアカーテン32で遮断するために必要な吹き出し風量をより小風量とすることができる。手摺パネル18上方における風量を小さくできるので、手摺パネル18近傍に居る者が勢いのある風に晒されることを軽減でき、この結果、勢いのある風に晒される範囲を狭めることで不快感を和らげることができる。
【0028】
空調空気通路26は、居住空間12の床スラブ42と、床スラブ42上に敷設された二重床44との間に形成される空間により画成される空気通路であり、図示しない空調送風機によって低温または高温に調整された空調空気が送気されている。二重床44は、上から通気性のタイルカーペット46および床パネル28が上下に積層設置されて構成されている。空調空気通路26に送り込まれる空調空気は、床パネル28全面の多数の吹出孔30または通気性カーペットから微速にて滲み出るようにされており、これにより居住空間12は所望の空調状態を実現されるようになっている。
【0029】
手摺パネル18は、天端を有する上下に延びた略平板状のパネルであり、境界16ちかくの居住空間12の床面36上に設けられる。手摺パネル18は、空調される居住空間12からの空調空気の漏洩を防止するために開口を有しない壁体構造とされ、パネル18の側面40はこれに沿う流れを円滑にするために略平面状に形成されている。手摺パネル18の居住空間12側の上部には、人が移動するのに便利なように握り部としての握り棒48が略水平方向に延びて設けられる。握り棒48は、所定間隔に配置された複数のアーム状の取り付け部材50によって手摺パネル18に取り付けられ、手摺パネル18下端床面36の空気吹出口34からの気流は、取り付け部材50と手摺パネル18と握り棒48とで囲まれた空間を通過して上方の開口22に到達することができるようになっている。
【0030】
上記構成の動作および作用について説明する。
手摺パネル18下端に接近するように床面36に設けられた空気吹出口34から空調空気を上方に向かって吹き出すと、この気流はコアンダ効果により手摺パネル18の側面40に吸い寄せられながら上方に向かって流れる。この気流は手摺パネル側面40に案内されるので周囲に拡散しにくい態様で上方に流れる。そして、手摺パネル18上方の開口22にエアカーテン32を形成しながら天井面20に到達する。開口22に上方向のエアカーテン32を形成することにより、オープン空間14と居住空間12との気流の連通を遮断する。これによりオープン空間14から居住空間12へ開口22を通って侵入しようとする外気38を防止することができる。
【0031】
このように、エアカーテン32を形成するための空気吹出口34を天井面20に設けずに済むので、天井面20側に送風ダクトを設ける必要がない。これにより天井デザインを損ねることがない。例えば居住空間12が天井レスのデザインの場合であっても容易に適用することができ、天井側のデザインの自由度の向上に資する。さらに、天井面20側に給気ダクト等を設けることによるイニシャルコスト上昇を回避することができる。
【0032】
また、エアカーテン32を形成するための気流の向きと、居住空間12を空調するための気流の向きとが上方向に一致することから、エアカーテン32を形成するための気流が居住空間12の空調気流を乱す可能性を低くすることができる。
【0033】
上記の実施形態において、手摺パネル18は一枚の略平板状のパネルにより構成されるものとして説明したが、このようにする代わりに、図4に示すように、手摺パネル18を対向配置した二枚の板状部材52a,52bによって二重手摺パネル構造とするとともに、この二枚の板状部材52a,52bによって挟まれて形成された空間54と、床面36下の空調用の空調空気通路26とを連通状態にしてもよい。この場合、空調空気通路26を通る空調空気を二枚の板状部材52a,52bに挟まれる空間54に導いて、この手摺パネル上端に形成される空気吹出口58から上方に向けて空調空気を吹き出すことにより、その上方の開口22にエアカーテン32を形成することができる。
【0034】
なお、この場合において考慮したものは、上記の実施形態で説明したコアンダ効果ではなく、空気吹出口58が手摺パネルの上端とされることにより、気流の吹き出し位置がより天井近くに配置されることによる効率的なエアカーテン形成を狙ったものである。こうすることにより、上記の実施形態のように手摺パネル18下端の床面36に空気吹き出し口34を設けた場合に比べて気流が拡散されにくくなり、より確実に気流を天井面20に到達することができるので効率的である。この場合、開口22を遮断するのに十分なエアカーテン32を形成するための必要な風量を小さくすることができる。
【0035】
上記の実施形態において、外気の流入を遮断するのに十分な風量のエアカーテン32を開口22に形成するための空気吹出口34、58における吹き出し風速は、空気吹出口34、58のスリット幅、空気吹出口34、58から天井面20までの高さおよびオープン空間14の外気温度などにより決定することができる。この場合、例えば空気吹出口34のスリット幅を5〜25mmとするとともに、スリットからの吹き出し風速を2.5〜6.0m/s等としてもよい。この場合、図5のスリット幅と吹き出し風速の関係図に示すように、単位長さあたりの風量を、床面吹出口の場合には170m3/h/m以上、手摺上端吹出口の場合には150m3/h/m以上とすることができる。
【0036】
上記の実施形態において、エアカーテン32を形成するための空気吹出口34を、手摺パネル18の下端に近接した位置に設ける代わりに、手摺パネル18下端から離して設けても上方の開口22にエアカーテン32を形成することができる。しかしながら、この場合における効果は、上記の実施形態のように手摺パネル18下端に近接して設ける場合に比べるとコアンダ効果があまり発揮されないと考えられるので、居住空間12の形状寸法や空調送風機の性能、あるいはオープン空間14における外気温度等によっては、より大きな吹き出し風速あるいはスリット幅が必要になると考えられる。このため、空気吹出口34等の設置位置や吹き出し風速等の設定については、予め実験や数値シミューレーションにより検討して適切な諸元を選択することが望ましい。
【0037】
また、上記の実施形態において、空気吹出口34は床面36に設けられる1本のスリット状の連続した長孔として説明したが、このようにする代わりに、複数のスリット状の長孔を床面36に設けるようにしてもよいし、空調空気通路26からの空気を手摺パネル18の略中央の高さまで導いて、そこから上方に向けて空気を吹き出すようにしてもよく、いずれにしても本発明と同一の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る床吹き出し方式空調装置の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図2】本発明に係る床吹き出し方式空調装置の実施形態の一例を示す概略斜視図である。
【図3】本発明に係る床吹き出し方式空調装置による居住空間内の流速分布の一例を示す概略側面図である。
【図4】本発明に係る床吹き出し方式空調装置の他の実施形態の一例を示す概略側断面図である。
【図5】本発明に係る床吹き出し方式空調装置のスリット幅と吹き出し風速と風量の関係の一例を示すグラフ図である。
【図6】従来の床吹き出し方式空調装置の一例を示す概略側断面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 建物
12 居住空間
14 オープン空間
18 手摺パネル
20 天井面
22 開口
26 空調空気通路
30 吹出孔(または通気性カーペット)
32 エアカーテン
34 空気吹出口
36 床面
38 外気
40 側面
48 握り棒
52a,52b 板状部材
100 床吹き出し方式空調装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設けられた複数の吹出孔または通気性カーペットから空調空気を上方に向かって吹き出すことにより前記床面上の空調対象域の空調を行う床吹き出し方式空調装置であって、
前記空調対象域とオープンな半空調または非空調空間との境界の下方に設けられ、空気を上方へ吹き出して前記空調対象域内外を空気流で遮断するエアカーテン形成手段を備えることを特徴とする床吹き出し方式空調装置。
【請求項2】
前記床面には天端部を有する壁体が設けられ、前記エアカーテン形成手段は、前記壁体近傍に設けられ、空気を上方へ吹き出す空気吹出口を備えることを特徴とする請求項1に記載の床吹き出し方式空調装置。
【請求項3】
前記空気吹出口は、前記壁体の下端近傍の前記床面に設けられ、前記空気吹出口から噴出される空気を、前記壁体の表面に沿って上方に流すことを特徴とする請求項2に記載の床吹き出し方式空調装置。
【請求項4】
前記壁体表面の前記空気吹出口に近接する部分は略平面状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の床吹き出し方式空調装置。
【請求項5】
前記壁体は手摺パネルであり、前記手摺の握り部は、前記空気吹出口から所定距離隔てた上方に設けられることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一つに記載の床吹き出し方式空調装置。
【請求項6】
前記空気吹出口は、前記壁体の天端部に設けられることを特徴とする請求項2に記載の床吹き出し方式空調装置。
【請求項7】
前記壁体は、対向配置された二枚の板状部材を含んで構成され、前記空気吹出口は、前記二枚の板状部材の間に形成された空間と連通することを特徴とする請求項6に記載の床吹き出し方式空調装置。
【請求項8】
前記空気吹出口は、前記床面下に設けられる空調空気通路と連通することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか一つに記載の床吹き出し方式空調装置。
【請求項9】
前記空気吹出口は、スリット状に形成され、前記スリット幅は略5〜25mmとされ、前記空気吹出口における吹き出し流速は略2.5〜6m/sとされることを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか一つに記載の床吹き出し方式空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−264638(P2009−264638A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113199(P2008−113199)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(599016431)学校法人 芝浦工業大学 (109)
【出願人】(000002299)清水建設株式会社 (2,433)