床構成材の施工方法
【課題】床を施工する前の色や柄を適宜ばらつかせるように配置する床材ピース仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース1,1,…毎の配置を検討できるようにするとともに、その施工性を向上させる。
【解決手段】互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピース1,1,…からなる床構成材Aとして、その各床材ピース1は、表面意匠の色柄情報、形情報及び施工位置情報を含む情報を表すマーキング8が床材ピース1,1,…の裏面にインクによる印刷により施されているものとする。床材ピース1,1,…の施工位置を示す床面の施工図面が作成されており、床材ピース1,1,…を、施工図面とマーキング8による施工位置情報とに基づき施工する。
【解決手段】互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピース1,1,…からなる床構成材Aとして、その各床材ピース1は、表面意匠の色柄情報、形情報及び施工位置情報を含む情報を表すマーキング8が床材ピース1,1,…の裏面にインクによる印刷により施されているものとする。床材ピース1,1,…の施工位置を示す床面の施工図面が作成されており、床材ピース1,1,…を、施工図面とマーキング8による施工位置情報とに基づき施工する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピースからなる床構成材の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の床板ピースには表面材を突板としたものが一般的に用いられているが、いわゆる銘木の突板は、資源枯渇により高コストとなっている。しかも、色や柄を部屋全体で同じようなものに揃える場合は、製造上の歩留まりが極めて低くなり、現実的ではない。そのため、色や柄を適宜ばらつかせるように配置する「仮並べ」という方法により、施工する前に位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置を検討することが必要であった。
【0003】
このような突板に代わる表面材として、従来、印刷シートや印刷紙が増えてきている(例えば特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−256684号公報
【特許文献2】特開平9−88304号公報
【特許文献3】特開平7−149100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記印刷シートによる床材は、一般的には輪転ロール印刷によるものであり、部屋全体の色柄を揃えることは容易となるものの、ロールの直径(一般的には600〜1500mm)毎に同じ絵柄が繰り返されることとなり、部屋全体に敷き詰めるとメリハリのない床材になってしまう。
【0006】
また、印刷シートにグラデーションを行うことでメリハリを出す手法も提案されているが、これらをうまく並べるためには、上記銘木突板の床材と同様にやはり「仮並べ」が必要である。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、床構成材をなす複数の床材ピースに所定の工夫を加えかつその施工方法を改良することにより、床を施工する前の色や柄を適宜ばらつかせるように配置する床材ピースの仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置をスムーズに検討できるようにするとともに、その施工性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明では、床材ピースに、その表面の意匠、床材ピースの形情報、位置情報を示すマーキングを付け、そのマーキングによる床材ピースの施工位置と、その施工位置を示す床面の施工図面とから各床材ピースを施工するようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピースからなる床構成材の施工方法として、上記各床材ピースに、少なくとも上記表面意匠の色柄情報、床材ピースの形情報及び施工位置情報を含む情報を表すマーキングが施されているとともに、床材ピースの施工位置を示す床面の施工図面が作成されている。そして、上記床材ピースを、上記施工図面と上記マーキングによる床材ピースの施工位置情報とに基づき施工することを特徴とする。本発明では、床構成材とは複数の床材ピースの集合体を意味するものとする。
【0010】
この請求項1の発明では、床構成材は各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピースからなり、それらの床材ピースを互いに実接合することで、床構成材が施工されて床面が構成される。
【0011】
そして、その各床材ピースに少なくとも上記表面意匠の色柄情報、床材ピースの形情報及び施工位置情報を表すマーキングが施されているので、このマーキングを各床材ピースに施すに当たり、例えば予め色柄のデータが大量にストックされたデータベースや顧客が持ち込んだ画像データを用いて、施工するスペースの設計図面を基に実際に施工する床面での床材ピースの形状・大きさ・配置・色柄を設定することで、その床材ピース毎にマーキングを施すともに、各床材ピースの施工位置を施工図面上に割り振って、各床材ピースの施工位置を示す施工図面を作成し、施工の際には、上記施工位置が示された施工図面と、各床材ピースに記されたマーキングの施工位置情報とに基づき両者を照合しながら施工する。
【0012】
そのため、一定の間隔毎に同じ絵柄が繰り返されることがなくて部屋全体でメリハリのある床面になる床材であっても、床を施工する前の床材ピースの仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置を検討することができる。
【0013】
すなわち、予め床材ピースに必要な色柄がマーキングにより取得可能なので、現場での色合わせなしに床構成材の提供を行うことができる。
【0014】
また、所定形状に加工された板材にインクジェット印刷したり、表面保護塗装膜を形成したりする場合は、予め加工された板材に印刷されるので、短納期での納入が可能である。
【0015】
さらに、床構成材の施工時には、床材ピースの施工位置が示された施工図面と、各床材ピースに記されたマーキングの施工位置情報とに基づき両者を照合しながら施工するので、施工性を大幅に高めることができる。
【0016】
請求項2の発明では、床面の長手方向に施工位置が連続する2枚以上の床材ピースが同一の梱包に収納されていて、該梱包の床材ピースを順に施工することを特徴とする。
【0017】
この請求項2の発明では、床面の長手方向の施工位置が連続した2枚以上の床材ピースが同一の梱包に入れられて梱包されているので、その梱包内の複数の床材ピースを順に取り出して床面の長手方向に施工していくことで、床材ピースの施工位置を常に確認することなく自動的に目的の意匠が得られるように施工でき、施工性を向上させることができる。
【0018】
請求項3の発明では、上記請求項1又は2の床構成材の施工方法において、上記マーキングは、情報を読取り可能な2次元コード又はマイクロチップとする。そして、これら2次元コード又はマイクロチップに示されているマーキングの情報を情報読み取り装置により読み取るとともに、その読み取った情報により、電子機器の画面上に床面の施工図面を表示して、その画面上の施工図面に基づき、複数の梱包に梱包された各床材ピースの施工位置を確認しながら、該梱包の各床材ピースを順に施工することを特徴とする。
【0019】
この請求項3の発明では、各床材ピースにマーキングとして2次元コード又はマイクロチップが施されているので、施工時に2次元コードに示されている各情報又はマイクロチップに格納されている各情報をそれぞれ情報読み取り装置により読み取り、その読み取った情報により、電子機器の画面上に床面の施工図面を表示し、その画面上の施工図面に基づき、複数の梱包に梱包された各床材ピースの施工位置を確認しながら該梱包の各床材ピースを順に施工する。このように、各床材ピースの施工位置を電子機器の画面上の施工図面で確認しながら施工できるので、正確な施工を容易に行うことができる。
【0020】
また、製造時の不良等により、順に施工できないような場合においても、施工図面を元に施工位置が確定できるため、万が一、順番に施工していく途中の1枚が別梱包になっていても、問題なく所定位置に当該床材を施工することができる。尚、好ましくは、梱包体にもマーキングが施されていて、開梱することなく中に梱包されている床材ピースを確認できるようにすればよい。
【発明の効果】
【0021】
以上説明した如く、請求項1の発明によると、互いに実接合されて床面を構成する複数の床材ピースを施工する場合において、各床材ピースに、その少なくとも表面意匠の色柄情報、形情報及び施工位置情報を含む情報を表すマーキングを施すとともに、床材ピースの施工位置を示す床面の施工図面を作成し、床材ピースを、施工図面とマーキングによる床材ピースの施工位置情報とに基づき施工することにより、一定の間隔毎に同じ絵柄が繰り返されることがなくて部屋全体でメリハリのある床面になる床材であっても、床を施工する前の床材ピースの仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置を検討することができる。そして、これら床材ピースの施工時に、床材ピースの施工図面と、各床材ピースのマーキングによる施工位置情報とを照合しながら施工して、施工性を大幅に高めることができる。
【0022】
請求項2の発明によると、床面の長手方向に施工位置が連続する2枚以上の床材ピースが同一の梱包に収納されている該梱包の床材ピースを順に施工することにより、自動的に目的の意匠が得られるように施工できて施工性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項3の発明によると、マーキングを2次元コード又はマイクロチップとし、施工時には、これら2次元コード又はマイクロチップの情報を読み取り、その読み取った情報により、電子機器の画面上に床面の施工図面を表示して、その画面上の施工図面に基づき、複数の梱包体に梱包された各床材ピースの施工位置を確認しながら該梱包体の各床材ピースを順に施工することにより、各床材ピースの施工位置を電子機器の画面上の施工図面で確認しながら施工して、正確な施工を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る床構成材を施工した床面の意匠を示す平面図である。
【図2】図2は床材ピースの斜視図である。
【図3】図3(a)は床材ピースの平面図、図3(b)は床材ピースの底面図である。
【図4】図4は、部屋の床面の形状及び大きさを示す図である。
【図5】図5は、施工パターン情報における色柄情報を示す図である。
【図6】図6は、施工パターン情報における床材ピースのマーキングに含まれる形情報及び施工位置情報を示す図である。
【図7】図7(a)は、施工床面における全ての床材ピースの色柄情報、形情報及び施工位置情報を示す図、図7(b)は一部の床材ピースの平面図、図7(c)は一部の床材ピースの底面図である。
【図8】図8(a)は、部屋の床面全体に形成しようとする意匠を示す図、図8(b)は、施工パターン情報に床面の形状及び大きさの情報をプロットした状態を示す図、図8(c)は、施工床面における意匠を示す図である。
【図9】図9(a)は、施工床面における全ての床材ピースの色柄情報、形情報及び施工位置情報を示す図、図9(b)は一部の床材ピースの平面図である。
【図10】図10は、施工パターン情報における意匠情報を示す図である。
【図11】図11は、施工パターン情報における床材ピースの形情報及び施工位置情報を示す図である。
【図12】図12(a)は、板材の四周に雌雄実を形成する実加工を行った無地ピースを示す斜視図、図12(b)は一部の床材ピースの平面図である。
【図13】図13(a)は、大判の板材に加工代部を残して施工パターン情報の複数の床材ピースに相当する色柄をインクジェット印刷した状態を示す平面図、図13(b)は板材から加工された床材ピースを示す平面図である。
【図14】図14(a)は、長さ方向の端部に切断除去部分が印刷された通常形状の床材ピースの平面図、図14(b)は切断除去部分を切断した異形の床材ピースの平面図である。
【図15】図15(a)は、長さ方向の大半部に切断除去部分が印刷された通常形状の床材ピースの平面図、図15(b)は切断除去部分を切断した異形の床材ピースの平面図である。
【図16】図16(a)は、長さ方向の中間部に切断除去部分が印刷された通常形状の床材ピースの平面図、図16(b)は切断除去部分を切断した2つの異形の床材ピースの平面図である。
【図17】図17は、施工床面における全ての床材ピースの色柄情報、形情報及び施工位置情報を示す図である。
【図18】図18(a)は、幅方向の中間部に切断除去部分が印刷された通常形状の床材ピースの平面図、図18(b)は切断除去部分を切断した2つの異形の床材ピースの平面図である。
【図19】図19は床構成材の製造装置の全体構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0026】
図1は本発明の実施形態に係る床構成材Aを示す。この床構成材Aは、互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピース1,1,…の集合体からなる。尚、床材ピース1としては、通常形状のものの他、その一部を切断除去した後述の異形床材ピース1′をも含んでいるものとする。
【0027】
上記各床材ピース1(通常形状のもの)は、図2及び図3に示すように、細長い矩形状の板材の四周に実部が形成されたものである。すなわち、各床材ピース1(板材)の幅方向に対向する長辺部の一方には、例えばその厚さ方向の中間部を断面矩形状に切り欠いた凹条からなる雌実3が形成されている一方、他方の長辺部には、例えばその厚さ方向の両端隅角部を断面矩形状に切り欠いて残った凸条からなる雄実4が形成されている。また、各床材ピース1の長さ方向に対向する短辺部の一方には上記と同様の凹条からなる雌実3が、また他方の短辺部には上記と同様の凸条からなる雄実4がそれぞれ形成されている。そして、複数の床材ピース1,1,…を各々が幅方向及び長さ方向で直線状に連続するように並べ、幅方向に隣り合う床材ピース1,1同士をその一方の雌実3に他方の雄実4を嵌合することで接合し、長さ方向に隣り合う床材ピース1,1同士もその一方の雌実3に他方の雄実4を嵌合することで接合し、これら床材1,1,…同士を互いに実接合して床面を構成するようになっている。
【0028】
(表面意匠)
上記各床材ピース1の表面には、インクジェット印刷により個別の色柄からなる意匠が形成されている。例えば図1に示される床構成材Aでは、床材ピース1,1,…毎に複数種類の色柄に分類されており、各床材ピース1はいずれかの色柄の表面意匠を有する。尚、この図示例では、便宜上、この表面意匠の色柄を斜線の向き及び間隔を異ならせて示しており、同じ色柄では斜線の向き及び間隔が同じであり、斜線の向き及び間隔が異なるものは色柄が異なっている。
【0029】
また、図8(c)や図10に示されるように、床面全体に文字及び絵の意匠を形成するために、床材ピース1,1,…は文字及び絵の一部が描かれる表面意匠を有するものとされている。
【0030】
この床材ピース1の表面に印刷により意匠を形成する方法としては、インクを微小なドットとしてノズルから噴射し、そのドットの組み合わせにより画像を形成する印刷装置としてのインクジェット式プリンタ25(図19参照)を使用する。このインクジェット印刷は、固定されたノズルに対して板材(後述の無地ピース11又は大判の板材10)が動いてもよいし、固定した板材上をノズルが移動しながらインクを噴射してもよく、さらに、板材を搬送しながらノズルがインクを噴射するようにしてもよい。いずれも、すでに公知である通常のインクジェットプリンタを使用すればよい(例えば特開平6−155729号、特開平7−328533号、特開平9−201564号の各公報等参照)。
【0031】
また、ドット噴射されたインクを速やかに板材上に定着させるために、板材上に予めインク受理層を設けておくことが好ましい。
【0032】
さらに、図示しないが、上記各床材ピース1における板材表面の印刷面上には少なくとも1層の透明保護塗膜層が形成され、その上に上塗り塗膜層が形成されている。上記透明保護塗膜層に少なくとも1層の減摩剤層が含まれているのが好ましい。
【0033】
(マーキング)
また、図3(b)や図7(c)に示すように、上記各床材ピース1にはマーキング8が施されている。このマーキング8は、各床材ピース1について、その表面意匠の色柄情報、床材ピース1の形情報及び施工位置情報を含む情報を表して他の床材ピース1,1,…と区別するもので、床材ピース1に施工後の意匠を損なわない状態で施されている。具体的に、この実施形態では、マーキング8は、床材ピース1の各情報(表面意匠の色柄情報、床材ピース1の形情報及び施工位置情報を含む)を表すための例えば「AF04」や「AG04」等、4桁のコード番号からなっており、インクジェット式プリンタ25により、例えば床材ピース1の裏面に直接インクによる印刷により施されている。
【0034】
マーキング8は、床材ピース1のどこか1箇所に施されていればよく、1つの床材ピース1に複数施されていてもよい。
【0035】
また、1枚の通常形状の床材ピース1により複数の異形床材ピース1′,1′を形成する場合は、各々の異形床材ピース1′にそれぞれ施工位置情報を含むマーキング8が施されているのが望ましい。
【0036】
さらに、1枚の通常形状の床材ピース1中に後述する切断除去部分6が印刷されて形成されている場合には、その切断除去部分6ではない残りの部分にマーキング8が施され(マーキング8が通常形状の床材ピース1において施されている通常の位置からずれ)、予め切断除去部分6を含まない両端面や複数個所にマーキング8されているのが好ましい。
【0037】
このようにマーキング8は床材ピース1の裏面に印刷により施すようにしてもよいが、その他、マーキング8を床材ピース1の実部、具体的には雌実3や雄実4の表裏面(上下面)或いは端面に印刷により施すようにしてもよい。また、マーキング8の情報をシールに印刷し、そのシールを床材ピース1の裏面(又は表面)に貼着してもよい。また、床材ピース1の実部(雌雄実3,4)や裏面にレーザー焼付けによりマーキング8を施すこともできる。さらには、マーキング8を、床材ピース1の表面(化粧表面)に、ブラックライトで光るインキにより施すようにしてもよい。
【0038】
また、この他、マーキング8は、上記のようなコード番号に代え、床材ピース1の各情報を含むバーコードや2次元コードとすることもでき、或いは同情報を格納したマイクロチップを埋め込んだり貼付したりしてもよい。マーキング8がバーコードや2次元コードの場合、そのバーコードや2次元コードがシールに印刷され、そのシールが床材ピース1の裏面(又は表面)に貼着されている。マーキング8がマイクロチップの場合、そのマイクロチップは、床材ピース1の端部に埋め込まれているか、床材ピース1の裏面側にテープや接着剤等により貼着されているか、或いはシールに取り付けられてそのシールが床材ピース1の裏面(又は表面)に貼着されている。
【0039】
そして、このように床構成材Aにおける各床材ピース1にその施工位置情報を含む情報を表すマーキング8が施される一方、図7に示すように、そのマーキング8に対応して当該床材ピース1の施工位置を示す床面の施工図面が同時に作成される。
【0040】
(床構成材の製造方法)
このような床構成材A(複数の床材ピース1,1,…の集合体)の製造方法について説明する。この方法は、施工パターン情報の設定、その施工パターン情報に対する部屋床面への当て嵌め、各床材ピースの印刷情報の抜き出しの各工程(プロセス)を有する。
【0041】
すなわち、図19は床構成材Aを製造するための製造装置の全体構成を概略的に示しており、この製造装置は、上記インクジェット式プリンタ25にその印刷を指示するためのパソコン装置26を備えている。このパソコン装置26は、インクジェット式プリンタ25に接続されたパソコン本体27と、このパソコン本体27に接続された表示装置としてのディスプレイ28と、パソコン本体27に接続された入力装置としてのキーボード29及びマウス30とを有する。また、31はパソコン装置26に接続可能な携帯端末である。
【0042】
そして、まず、予め、例えばパソコン本体27に格納されたソフトウェア等により、図5及び図6に示すような施工パターン情報20を設定する。この施工パターン情報20は、例えばディスプレイ28の画面上に表示されるもので、施工すべき実際の部屋の床面19(図4参照)と同一かそれよりも大きい大きさの床面を模した施工スペースが仮想的に設定され、その施工スペースは、該施工スペースに複数の床材ピース1,1,…が実接合により並べられて施工されたように所定形状に区画されており、その各床材ピース1には、図5に示すように床材ピース1毎に個別の意匠が施され、かつ図6に示すように床材ピース1の各情報(マーキング8に含まれる情報)が表されている。
【0043】
そして、図4に例示するような、施工する実際の部屋の床面19の形状や大きさが決まると、その床面19の形状や大きさの情報に基づき、図5及び図6で太い実線にて示すように、その部屋床面19の形状や大きさの情報を上記表示された施工パターン情報20上に当て嵌める。この工程では、施工パターン情報20上において部屋床面19の情報を任意に相対移動させて、施工パターン情報20の中から部屋の床面19を構成する床構成材Aにおける各床材ピース1毎の色柄情報、形情報、施工位置情報を選択することができる。その例を図5及び図6で仮想線にて示している。
【0044】
このような選択により、部屋床面19についての各床材ピース1毎の色柄情報、形情報、施工位置情報が決まると、その情報を施工パターン情報20上でプロット(記入)することで、図7(a)に示すように、部屋の床面19を構成する床構成材Aにおける各床材ピース1毎の色柄情報、形情報、施工位置情報を確定する。
【0045】
そして、その確定情報に基づき、インクジェット式プリンタ25に確定情報の信号を出力して、図7(b)に示すように、床材ピース1となる板材の表面に意匠をインクジェット印刷するとともに、図7(c)に示すように、同じ板材に確定情報を表すマーキング8を施す。この図7(c)では、コード番号「AF04」、「AG03」のマーキング8を有する床材ピース1,1を例示している。
【0046】
また、図8(a)に示すように、部屋の床面19全体に形成しようとする意匠があると、図8(b)に示すように、設定された施工パターン情報20上に部屋の床面19の形状及び大きさの情報をプロットするとともに、その施工パターン情報20上に上記床面19全体の意匠の情報をプロットすることで、図8(c)及び図9(a)に示すように、床構成材Aにおける各床材ピース1毎の色柄情報、形情報、施工位置情報を確定する。その確定情報に基づき、図9(b)に示すように、床材ピース1となる板材の表面に意匠を印刷するとともに、同じ板材に確定情報を表すマーキング8を施す。
【0047】
このように床構成材Aを製造することで、施工する部屋毎に床面19の形状や大きさが異なっていても、予め、その床面19における床材ピース1,1,…の貼り上がりの意匠を容易に確認できるようになり、居住者のイメージに合致した床面19を提供することができる。
【0048】
この床構成材Aの各床材ピース1を板材から製造する方法は2通りあり、1つは大判の板材から先に床材ピース1となる板材を切断加工した後に各板材の表面に印刷を行うものであり、他の方法は、大判の板材に先に印刷してから各床材ピース1に分割するものである。尚、この方法の説明において、便宜上、図10及び図11に示すように、床面19は全体に意匠が形成され、その大きさ及び形状は施工パターン情報20と同じとしている。
【0049】
前者の方法では、各床材ピース1に関して上記マーキング8で表される表面意匠の色柄情報及び形情報(図10及び図11に示す施工パターン情報20における各床材ピース1の色柄情報、形情報)に基づき、まず、例えば三×六版等の大判の板材(図13(a)参照)から床材ピース1,1,…となる複数の板材を分割加工して、各板材の四周に雌雄実を形成する実加工を行い、図12(a)に示すような無地ピース11を形成する。そして、この無地ピース11の表面に対し、上記床材ピース1の表面意匠の色柄をインクジェット印刷し、その上に透明保護塗料を塗布して透明保護塗膜層を形成し、その上に上塗り塗装を行って上塗り塗膜層を形成することで、図12(b)に示すような表面意匠の異なる複数の床材ピース1,1,…を製造する。また、その各床材ピース1にマーキング8を施す。この図12(b)に示す例では、図10及び図11に示す施工パターン情報20のうちの施工位置「AL01」、「AL05」、「AP06」に施工すべき各床材ピース1,1,…を示している。
【0050】
この前者の方法の場合、予め色柄情報が床材ピース1毎に設定され、これに基づき製造されるため、塗装不良や加工不良等により製造不良が発生した場合においても、当該不良の床材ピース1の色柄情報に基づきその床材ピース1のみを製造すればよいという格別の効果も期待できる。
【0051】
さらに、万が一、施工時の傷付きや施工居住後の傷付き等により1枚だけを取り替える必要が出た場合においても、当該傷付いた床材ピース1の色柄情報を元に同じものを製造し、提供できるという格別の効果も期待できる。
【0052】
後者の方法では、図13(a)に示すように、各床材ピース1に関してマーキング8で表される表面意匠の色柄情報及び形情報に基づき、上記と同様の大判の板材10に対し、切断や雌雄実の形成のための加工代部10aを残すとともに、その残部に、図10及び図11に示す施工パターン情報20における所定の複数の床材ピース1,1,…に相当する色柄をインクジェット印刷する。この図13(a)に示す例では、図10及び図11に示す施工パターン情報20のうちの施工位置「AL01」〜「AL07」、「AM01」〜「AM05」に施工すべき12枚の床材ピース1,1,…(図10及び図11において二点鎖線で囲む範囲)に相当する色柄を印刷している。その後、加工代部10aで床材ピース1,1,…の部分を切断分割して(小割)、四周に実加工を施すのであるが、その場合、上記インクジェット印刷により形成されたインクジェット印刷層は傷付き易いため、大判の板材10でインクジェット印刷した後は直ちに(切断分割や実加工等の切削加工に先立って)、その印刷面上に透明保護塗料を塗布して透明保護塗膜層を形成し(好ましくは、この透明保護塗膜層の少なくとも一層は減摩剤層を含むのがよい)、しかる後に、大判の板材10を加工代部10aで切断分割や実加工等の切削加工をする。その上に上塗り塗装を行って上塗り塗膜層を形成することで、図13(b)に示すような表面意匠の異なる複数の床材ピース1,1,…を製造する。また、その各床材ピース1にマーキング8を施す。
【0053】
このように、大判の板材10でインクジェット印刷した後に直ちに透明保護塗料の塗布により透明保護塗膜層を形成し、しかる後に、大判の板材10を切断分割や実加工等の切削加工をすることで、切削加工時に発生し易いインクジェット印刷層表面の傷付きによる製造不良を効果的に防ぐことが可能である。
【0054】
そして、後述の床構成材Aの施工方法での施工性の向上のために、床面の長手方向の施工位置が連続した2枚以上の床材ピース1,1,…を同一梱包に入れて梱包している。つまり、図13(b)に示す12枚の床材ピース1,1,…は図10に示す施工パターンでは、床面の長手方向(図で左右方向)の施工位置が連続しており、この順番に梱包されている。
【0055】
また、図1、図6及び図7、或いは図17に示すように、床面の形状によっては、その端部に位置する床材ピース1,1,…は、四周に雌雄実が形成されている通常形状のものをそのまま利用できないことがあり、その場合には、その通常形状の床材ピース1の一部を切断除去した形状の異形のものを形成してそれを使用する必要がある。そして、この異形の床材ピース1′,1′,…は、図14〜図16、図18に示すように、予め、その通常形状の床材ピース1の表面において切断除去部分6が上記表面意匠の色柄の印刷と共にインクジェット印刷により描かれている。すなわち、その場合、床材ピース1の表面意匠の色柄について予め作成された加工図面に基づき、加工時に切断除去する部分を他の部分と識別するようにインクジェット印刷する。また、その際、マーキング8は切断除去部分6以外の部分に施す。尚、この切断除去部分6の印刷は、当該部分が切断して除去すべき部分であると識別できれば、どのようなものであってもよい。
【0056】
例えば、図14及び図15に示す例では、異形の床材ピース1′は通常形状の床材ピース1の長さ方向の端部や大半部が切断除去されたものであり、図14(a)に示すように、「AF04」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′は、通常形状の床材ピース1の長さ方向の一端部が切断除去されるようになっているために、当該部分が切断除去部分6として印刷されており、図14(b)に示すように、後述の如く、製造工程又は施工現場で切断除去部分6が切断除去される。また、図15(a)に示すように、「AG01」のマーキング8で床面の端部位置に施工される略L字状の異形の床材ピース1′は、その長さ方向の大半部が平面視で段差状に切断除去されるようになっているために、当該部分が切断除去部分6として印刷され、図15(b)に示すように、製造工程又は施工現場で切断除去部分6が切断除去される。
【0057】
また、図16に示す例では、同様に異形の床材ピース1′は通常形状の床材ピース1の長さ方向の端部が切断除去されたものであるが、床面19で連続しない位置に施工される2枚の異形の床材ピース1′,1′が1枚の通常形状の床材ピース1に含まれており、この1枚の通常形状の床材ピース1において、2枚の異形の床材ピース1′,1′を除いた部分が切断除去部分6として印刷されている。すなわち、図16(a)に示すように、「AJ01」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′と、「AJ04」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′とは、図7に示す床面で連続しない位置に施工されるが、これらは1枚の通常形状の床材ピース1の長さ方向の両端部で構成されるために、当該両端部を除いた中間部分が切断除去部分6として印刷されている。そして、図16(b)に示すように、製造工程又は施工現場で切断除去部分6が切断除去されて2枚の異形床材ピース1′,1′として施工される。
【0058】
一方、図17に示す床面の形状において、床面の端部に位置する床材ピース1′,1′,…として、通常形状の床材ピース1の幅方向の端部が切断除去された異形のものが必要となる。図18(a)に示すように、この場合もやはり、床面19で連続しない位置に施工される2枚の異形の床材ピース1′,1′が1枚の通常形状の床材ピース1に含まれており、この1枚の通常形状の床材ピース1において、2枚の異形の床材ピース1′,1′を除いた部分が切断除去部分6として印刷されている。すなわち、「AA03」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′と、「AL03」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′とは、図17に示す床面で連続しない位置に施工されるが、図18(a)に示すように、これらは1枚の通常形状の床材ピース1の幅方向の両端部で構成されるために、当該両端部を除いた中間部分が切断除去部分6として印刷されている。そして、図18(b)に示すように、後述の如く、製造工程又は施工現場で切断除去部分6が切断除去されて2枚の異形床材ピース1′,1′として施工される。
【0059】
(床構成材の施工方法)
次に、上記床構成材Aを用いて部屋の床面における床下地材(図示せず)上に床材ピース1,1,…を施工する方法について説明する。
【0060】
この施工方法では、上記のように、床構成材Aの各床材ピース1に対するマーキング8と同時に、その施工位置が示されている施工図面が作成されているので、その施工図面の情報をパソコン装置26から携帯端末31に入力するか、或いはパソコン装置26で施工図面を印刷するかして、その携帯端末31の画面上に表示され又は印刷された施工図面と床材ピース1のマーキング8による施工位置情報とに基づき、両者を照合しながら各床材ピース1を床下地材上に施工する。このように、床構成材Aの施工時には、各床材ピース1の施工位置が示された施工図面と、各床材ピース1に記されたマーキング8の施工位置情報とに基づき両者を照合しながら施工するので、施工性を大幅に高めることができる。
【0061】
その場合、マーキング8が2次元コード又はマイクロチップであるときには、その2次元コード又はマイクロチップに示されているマーキング8の情報を携帯端末31(情報読み取り装置)により読み取り、その読み取ったマーキング8の各情報により、携帯端末31の画面上に床面の施工図面(図1、図7、図9、図10に示すもの)を表示し、その施工図面に基づき、複数の梱包体に梱包された各床材ピース1の施工位置を確認しながら、該梱包体の各床材ピース1を順に施工するようにしてもよい。こうすることで、各床材ピース1の施工位置を携帯端末31の画面上等の画面上の施工図面で確認しながら施工できるので、床材ピース1の正確な施工を容易に行うことができる。
【0062】
また、製造時の不良等により、床材ピース1,1,…を順に施工できないような場合においても、施工図面を元に施工位置が確定できるため、万が一、順番に施工していく途中の1枚が別梱包になっていても、問題なく所定位置に当該床材を施工することができる。
【0063】
尚、床材ピース1,1,…を梱包している梱包体にも、その中に梱包されている各床材ピース1のマーキング8を施しておいたり、床材ピース1毎にマイクロチップでマーキングをしておけば、開梱することなく中に梱包されている床材ピース1,1,…を確認できるので、好ましい。
【0064】
また、図13(b)に示すように、床面の長手方向の施工位置が連続した2枚以上の床材ピース1,1,…が同一の梱包に入れられて梱包されていると、その梱包内の複数の床材ピース1,1,…を取り出して順に床面の長手方向に施工していけば、床材ピース1,1,…の施工位置を確認することなく自動的に目的の意匠が得られるように施工できるので、施工性を向上させることができる。
【0065】
また、図14(a)及び図15(a)に示すように、床材ピース1の表面に予め切断除去部分6が印刷されている場合には、製造工程又は施工現場において、図14(b)及び図15(b)に示すように、その床材ピース1の切断除去部分6を除去して異形床材ピース1′を作製した後に、その異形床材ピース1′を切断除去部分6以外の残りの部分に表示されているマーキング8の施工位置情報に基づき施工する。
【0066】
さらに、図16(a)及び図18(a)に示すように、1枚の通常形状の床材ピース1の長さ方向の両端部や幅方向の両端部にそれぞれ異形床材ピース1′,1′が形成され、両者間に切断除去部分6が設けられている場合には、図16(b)及び図18(b)に示すように、その通常形状の床材ピース1を切断除去部分6の印刷に従って該切断除去部分6を除去する切断加工をして異形床材ピース1′を得、そうして得られた2枚の異形床材ピース1′,1′を床面端部の位置に施工する。図16に示す例では、2枚の異形床材ピース1′,1′を床面の一端部(図で下端部)にある同一列の両端部(図で左右端部)にそれぞれ振り分けて施工し、図18に示す例では、2枚の異形床材ピース1′,1′を床面の両端の最初の列(図で上端の列)と最後の列(図で下端の列)とにそれぞれ振り分けて施工する。
【0067】
したがって、この実施形態においては、互いに実接合されて床面を構成する複数の床材ピース1,1,…の各々に、その表面意匠の色柄情報、床材ピース1の形情報及び施工位置情報を表すマーキング8が施されているので、部屋全体でメリハリのある床面になる床材であっても、床を施工する前の仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース1,1,…毎の配置を検討することができる。
【0068】
また、上記マーキング8が床材ピース1,1,…に施工後の意匠を損なわない状態で施されているので、マーキング8が施されている床材ピース1,1,…を施工しても、そのマーキング8により施工状態の床面の意匠が損なわれることはなく、床面の意匠を目標のものに維持することができる。
【0069】
さらに、所定形状に加工された板材にインクジェット印刷しかつ表面保護塗装膜を形成する場合、予め加工された板材にインクジェット印刷されるので、短い納期で床構成材Aを納入することができる。
【0070】
また、予め必要な色柄の床材ピース1,1,…がマーキング8の情報により取得可能なので、施工現場での色合わせなしに床構成材Aの提供を行うことができる。
【0071】
さらに、床構成材Aにおける各床材ピース1にその施工位置情報を表すマーキング8が施されると同時に、そのマーキング8に対応して床材ピース1の施工位置を示す床面の施工図面が作成されるので、予め、その施工図面で床面の施工状態(貼り上がり)の意匠を確認することができ、居住者のイメージに合致した床を迅速に提供することができる。しかも、施工に前もって、部屋の大きさや形状を考慮して、様々な形状の床材ピース1,1,…を施工した、その施工状態のイメージを確認することができ、居住者の選択の自由度が広がるだけでなく、居住者の選択に対し提供製品のイメージが合致し、満足度が格段に向上する。
【0072】
また、床材ピース1に切断除去部分6がある場合、予め、その切断除去部分6が床材ピース1の表面に印刷されているので、施工現場での異形床材ピース1′への加工が便利となる。また、施工状態が美麗になるだけでなく、予め床材ピース1を加工してから施工できるので、施工が効率的である。
【0073】
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、各床材ピース1に施されるマーキング8の情報を、表面意匠の色柄情報、床材ピース1の形情報及び施工位置情報としているが、その他、例えば製品の品番情報や、製造日、製造ロットナンバー、検査員ナンバー等の製造情報等の情報を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、床を施工する前の床材ピースの仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置を検討できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0075】
A 床構成材
1 床材ピース
1′ 異形の床材ピース
3 雌実
4 雄実
6 切断除去部分
8 マーキング
19 部屋の床面
20 施エパターン情報
25 インクジェットプリンタ
26 パソコン装置
31 携帯端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピースからなる床構成材の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の床板ピースには表面材を突板としたものが一般的に用いられているが、いわゆる銘木の突板は、資源枯渇により高コストとなっている。しかも、色や柄を部屋全体で同じようなものに揃える場合は、製造上の歩留まりが極めて低くなり、現実的ではない。そのため、色や柄を適宜ばらつかせるように配置する「仮並べ」という方法により、施工する前に位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置を検討することが必要であった。
【0003】
このような突板に代わる表面材として、従来、印刷シートや印刷紙が増えてきている(例えば特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−256684号公報
【特許文献2】特開平9−88304号公報
【特許文献3】特開平7−149100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記印刷シートによる床材は、一般的には輪転ロール印刷によるものであり、部屋全体の色柄を揃えることは容易となるものの、ロールの直径(一般的には600〜1500mm)毎に同じ絵柄が繰り返されることとなり、部屋全体に敷き詰めるとメリハリのない床材になってしまう。
【0006】
また、印刷シートにグラデーションを行うことでメリハリを出す手法も提案されているが、これらをうまく並べるためには、上記銘木突板の床材と同様にやはり「仮並べ」が必要である。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、床構成材をなす複数の床材ピースに所定の工夫を加えかつその施工方法を改良することにより、床を施工する前の色や柄を適宜ばらつかせるように配置する床材ピースの仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置をスムーズに検討できるようにするとともに、その施工性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明では、床材ピースに、その表面の意匠、床材ピースの形情報、位置情報を示すマーキングを付け、そのマーキングによる床材ピースの施工位置と、その施工位置を示す床面の施工図面とから各床材ピースを施工するようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピースからなる床構成材の施工方法として、上記各床材ピースに、少なくとも上記表面意匠の色柄情報、床材ピースの形情報及び施工位置情報を含む情報を表すマーキングが施されているとともに、床材ピースの施工位置を示す床面の施工図面が作成されている。そして、上記床材ピースを、上記施工図面と上記マーキングによる床材ピースの施工位置情報とに基づき施工することを特徴とする。本発明では、床構成材とは複数の床材ピースの集合体を意味するものとする。
【0010】
この請求項1の発明では、床構成材は各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピースからなり、それらの床材ピースを互いに実接合することで、床構成材が施工されて床面が構成される。
【0011】
そして、その各床材ピースに少なくとも上記表面意匠の色柄情報、床材ピースの形情報及び施工位置情報を表すマーキングが施されているので、このマーキングを各床材ピースに施すに当たり、例えば予め色柄のデータが大量にストックされたデータベースや顧客が持ち込んだ画像データを用いて、施工するスペースの設計図面を基に実際に施工する床面での床材ピースの形状・大きさ・配置・色柄を設定することで、その床材ピース毎にマーキングを施すともに、各床材ピースの施工位置を施工図面上に割り振って、各床材ピースの施工位置を示す施工図面を作成し、施工の際には、上記施工位置が示された施工図面と、各床材ピースに記されたマーキングの施工位置情報とに基づき両者を照合しながら施工する。
【0012】
そのため、一定の間隔毎に同じ絵柄が繰り返されることがなくて部屋全体でメリハリのある床面になる床材であっても、床を施工する前の床材ピースの仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置を検討することができる。
【0013】
すなわち、予め床材ピースに必要な色柄がマーキングにより取得可能なので、現場での色合わせなしに床構成材の提供を行うことができる。
【0014】
また、所定形状に加工された板材にインクジェット印刷したり、表面保護塗装膜を形成したりする場合は、予め加工された板材に印刷されるので、短納期での納入が可能である。
【0015】
さらに、床構成材の施工時には、床材ピースの施工位置が示された施工図面と、各床材ピースに記されたマーキングの施工位置情報とに基づき両者を照合しながら施工するので、施工性を大幅に高めることができる。
【0016】
請求項2の発明では、床面の長手方向に施工位置が連続する2枚以上の床材ピースが同一の梱包に収納されていて、該梱包の床材ピースを順に施工することを特徴とする。
【0017】
この請求項2の発明では、床面の長手方向の施工位置が連続した2枚以上の床材ピースが同一の梱包に入れられて梱包されているので、その梱包内の複数の床材ピースを順に取り出して床面の長手方向に施工していくことで、床材ピースの施工位置を常に確認することなく自動的に目的の意匠が得られるように施工でき、施工性を向上させることができる。
【0018】
請求項3の発明では、上記請求項1又は2の床構成材の施工方法において、上記マーキングは、情報を読取り可能な2次元コード又はマイクロチップとする。そして、これら2次元コード又はマイクロチップに示されているマーキングの情報を情報読み取り装置により読み取るとともに、その読み取った情報により、電子機器の画面上に床面の施工図面を表示して、その画面上の施工図面に基づき、複数の梱包に梱包された各床材ピースの施工位置を確認しながら、該梱包の各床材ピースを順に施工することを特徴とする。
【0019】
この請求項3の発明では、各床材ピースにマーキングとして2次元コード又はマイクロチップが施されているので、施工時に2次元コードに示されている各情報又はマイクロチップに格納されている各情報をそれぞれ情報読み取り装置により読み取り、その読み取った情報により、電子機器の画面上に床面の施工図面を表示し、その画面上の施工図面に基づき、複数の梱包に梱包された各床材ピースの施工位置を確認しながら該梱包の各床材ピースを順に施工する。このように、各床材ピースの施工位置を電子機器の画面上の施工図面で確認しながら施工できるので、正確な施工を容易に行うことができる。
【0020】
また、製造時の不良等により、順に施工できないような場合においても、施工図面を元に施工位置が確定できるため、万が一、順番に施工していく途中の1枚が別梱包になっていても、問題なく所定位置に当該床材を施工することができる。尚、好ましくは、梱包体にもマーキングが施されていて、開梱することなく中に梱包されている床材ピースを確認できるようにすればよい。
【発明の効果】
【0021】
以上説明した如く、請求項1の発明によると、互いに実接合されて床面を構成する複数の床材ピースを施工する場合において、各床材ピースに、その少なくとも表面意匠の色柄情報、形情報及び施工位置情報を含む情報を表すマーキングを施すとともに、床材ピースの施工位置を示す床面の施工図面を作成し、床材ピースを、施工図面とマーキングによる床材ピースの施工位置情報とに基づき施工することにより、一定の間隔毎に同じ絵柄が繰り返されることがなくて部屋全体でメリハリのある床面になる床材であっても、床を施工する前の床材ピースの仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置を検討することができる。そして、これら床材ピースの施工時に、床材ピースの施工図面と、各床材ピースのマーキングによる施工位置情報とを照合しながら施工して、施工性を大幅に高めることができる。
【0022】
請求項2の発明によると、床面の長手方向に施工位置が連続する2枚以上の床材ピースが同一の梱包に収納されている該梱包の床材ピースを順に施工することにより、自動的に目的の意匠が得られるように施工できて施工性の向上を図ることができる。
【0023】
請求項3の発明によると、マーキングを2次元コード又はマイクロチップとし、施工時には、これら2次元コード又はマイクロチップの情報を読み取り、その読み取った情報により、電子機器の画面上に床面の施工図面を表示して、その画面上の施工図面に基づき、複数の梱包体に梱包された各床材ピースの施工位置を確認しながら該梱包体の各床材ピースを順に施工することにより、各床材ピースの施工位置を電子機器の画面上の施工図面で確認しながら施工して、正確な施工を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る床構成材を施工した床面の意匠を示す平面図である。
【図2】図2は床材ピースの斜視図である。
【図3】図3(a)は床材ピースの平面図、図3(b)は床材ピースの底面図である。
【図4】図4は、部屋の床面の形状及び大きさを示す図である。
【図5】図5は、施工パターン情報における色柄情報を示す図である。
【図6】図6は、施工パターン情報における床材ピースのマーキングに含まれる形情報及び施工位置情報を示す図である。
【図7】図7(a)は、施工床面における全ての床材ピースの色柄情報、形情報及び施工位置情報を示す図、図7(b)は一部の床材ピースの平面図、図7(c)は一部の床材ピースの底面図である。
【図8】図8(a)は、部屋の床面全体に形成しようとする意匠を示す図、図8(b)は、施工パターン情報に床面の形状及び大きさの情報をプロットした状態を示す図、図8(c)は、施工床面における意匠を示す図である。
【図9】図9(a)は、施工床面における全ての床材ピースの色柄情報、形情報及び施工位置情報を示す図、図9(b)は一部の床材ピースの平面図である。
【図10】図10は、施工パターン情報における意匠情報を示す図である。
【図11】図11は、施工パターン情報における床材ピースの形情報及び施工位置情報を示す図である。
【図12】図12(a)は、板材の四周に雌雄実を形成する実加工を行った無地ピースを示す斜視図、図12(b)は一部の床材ピースの平面図である。
【図13】図13(a)は、大判の板材に加工代部を残して施工パターン情報の複数の床材ピースに相当する色柄をインクジェット印刷した状態を示す平面図、図13(b)は板材から加工された床材ピースを示す平面図である。
【図14】図14(a)は、長さ方向の端部に切断除去部分が印刷された通常形状の床材ピースの平面図、図14(b)は切断除去部分を切断した異形の床材ピースの平面図である。
【図15】図15(a)は、長さ方向の大半部に切断除去部分が印刷された通常形状の床材ピースの平面図、図15(b)は切断除去部分を切断した異形の床材ピースの平面図である。
【図16】図16(a)は、長さ方向の中間部に切断除去部分が印刷された通常形状の床材ピースの平面図、図16(b)は切断除去部分を切断した2つの異形の床材ピースの平面図である。
【図17】図17は、施工床面における全ての床材ピースの色柄情報、形情報及び施工位置情報を示す図である。
【図18】図18(a)は、幅方向の中間部に切断除去部分が印刷された通常形状の床材ピースの平面図、図18(b)は切断除去部分を切断した2つの異形の床材ピースの平面図である。
【図19】図19は床構成材の製造装置の全体構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0026】
図1は本発明の実施形態に係る床構成材Aを示す。この床構成材Aは、互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピース1,1,…の集合体からなる。尚、床材ピース1としては、通常形状のものの他、その一部を切断除去した後述の異形床材ピース1′をも含んでいるものとする。
【0027】
上記各床材ピース1(通常形状のもの)は、図2及び図3に示すように、細長い矩形状の板材の四周に実部が形成されたものである。すなわち、各床材ピース1(板材)の幅方向に対向する長辺部の一方には、例えばその厚さ方向の中間部を断面矩形状に切り欠いた凹条からなる雌実3が形成されている一方、他方の長辺部には、例えばその厚さ方向の両端隅角部を断面矩形状に切り欠いて残った凸条からなる雄実4が形成されている。また、各床材ピース1の長さ方向に対向する短辺部の一方には上記と同様の凹条からなる雌実3が、また他方の短辺部には上記と同様の凸条からなる雄実4がそれぞれ形成されている。そして、複数の床材ピース1,1,…を各々が幅方向及び長さ方向で直線状に連続するように並べ、幅方向に隣り合う床材ピース1,1同士をその一方の雌実3に他方の雄実4を嵌合することで接合し、長さ方向に隣り合う床材ピース1,1同士もその一方の雌実3に他方の雄実4を嵌合することで接合し、これら床材1,1,…同士を互いに実接合して床面を構成するようになっている。
【0028】
(表面意匠)
上記各床材ピース1の表面には、インクジェット印刷により個別の色柄からなる意匠が形成されている。例えば図1に示される床構成材Aでは、床材ピース1,1,…毎に複数種類の色柄に分類されており、各床材ピース1はいずれかの色柄の表面意匠を有する。尚、この図示例では、便宜上、この表面意匠の色柄を斜線の向き及び間隔を異ならせて示しており、同じ色柄では斜線の向き及び間隔が同じであり、斜線の向き及び間隔が異なるものは色柄が異なっている。
【0029】
また、図8(c)や図10に示されるように、床面全体に文字及び絵の意匠を形成するために、床材ピース1,1,…は文字及び絵の一部が描かれる表面意匠を有するものとされている。
【0030】
この床材ピース1の表面に印刷により意匠を形成する方法としては、インクを微小なドットとしてノズルから噴射し、そのドットの組み合わせにより画像を形成する印刷装置としてのインクジェット式プリンタ25(図19参照)を使用する。このインクジェット印刷は、固定されたノズルに対して板材(後述の無地ピース11又は大判の板材10)が動いてもよいし、固定した板材上をノズルが移動しながらインクを噴射してもよく、さらに、板材を搬送しながらノズルがインクを噴射するようにしてもよい。いずれも、すでに公知である通常のインクジェットプリンタを使用すればよい(例えば特開平6−155729号、特開平7−328533号、特開平9−201564号の各公報等参照)。
【0031】
また、ドット噴射されたインクを速やかに板材上に定着させるために、板材上に予めインク受理層を設けておくことが好ましい。
【0032】
さらに、図示しないが、上記各床材ピース1における板材表面の印刷面上には少なくとも1層の透明保護塗膜層が形成され、その上に上塗り塗膜層が形成されている。上記透明保護塗膜層に少なくとも1層の減摩剤層が含まれているのが好ましい。
【0033】
(マーキング)
また、図3(b)や図7(c)に示すように、上記各床材ピース1にはマーキング8が施されている。このマーキング8は、各床材ピース1について、その表面意匠の色柄情報、床材ピース1の形情報及び施工位置情報を含む情報を表して他の床材ピース1,1,…と区別するもので、床材ピース1に施工後の意匠を損なわない状態で施されている。具体的に、この実施形態では、マーキング8は、床材ピース1の各情報(表面意匠の色柄情報、床材ピース1の形情報及び施工位置情報を含む)を表すための例えば「AF04」や「AG04」等、4桁のコード番号からなっており、インクジェット式プリンタ25により、例えば床材ピース1の裏面に直接インクによる印刷により施されている。
【0034】
マーキング8は、床材ピース1のどこか1箇所に施されていればよく、1つの床材ピース1に複数施されていてもよい。
【0035】
また、1枚の通常形状の床材ピース1により複数の異形床材ピース1′,1′を形成する場合は、各々の異形床材ピース1′にそれぞれ施工位置情報を含むマーキング8が施されているのが望ましい。
【0036】
さらに、1枚の通常形状の床材ピース1中に後述する切断除去部分6が印刷されて形成されている場合には、その切断除去部分6ではない残りの部分にマーキング8が施され(マーキング8が通常形状の床材ピース1において施されている通常の位置からずれ)、予め切断除去部分6を含まない両端面や複数個所にマーキング8されているのが好ましい。
【0037】
このようにマーキング8は床材ピース1の裏面に印刷により施すようにしてもよいが、その他、マーキング8を床材ピース1の実部、具体的には雌実3や雄実4の表裏面(上下面)或いは端面に印刷により施すようにしてもよい。また、マーキング8の情報をシールに印刷し、そのシールを床材ピース1の裏面(又は表面)に貼着してもよい。また、床材ピース1の実部(雌雄実3,4)や裏面にレーザー焼付けによりマーキング8を施すこともできる。さらには、マーキング8を、床材ピース1の表面(化粧表面)に、ブラックライトで光るインキにより施すようにしてもよい。
【0038】
また、この他、マーキング8は、上記のようなコード番号に代え、床材ピース1の各情報を含むバーコードや2次元コードとすることもでき、或いは同情報を格納したマイクロチップを埋め込んだり貼付したりしてもよい。マーキング8がバーコードや2次元コードの場合、そのバーコードや2次元コードがシールに印刷され、そのシールが床材ピース1の裏面(又は表面)に貼着されている。マーキング8がマイクロチップの場合、そのマイクロチップは、床材ピース1の端部に埋め込まれているか、床材ピース1の裏面側にテープや接着剤等により貼着されているか、或いはシールに取り付けられてそのシールが床材ピース1の裏面(又は表面)に貼着されている。
【0039】
そして、このように床構成材Aにおける各床材ピース1にその施工位置情報を含む情報を表すマーキング8が施される一方、図7に示すように、そのマーキング8に対応して当該床材ピース1の施工位置を示す床面の施工図面が同時に作成される。
【0040】
(床構成材の製造方法)
このような床構成材A(複数の床材ピース1,1,…の集合体)の製造方法について説明する。この方法は、施工パターン情報の設定、その施工パターン情報に対する部屋床面への当て嵌め、各床材ピースの印刷情報の抜き出しの各工程(プロセス)を有する。
【0041】
すなわち、図19は床構成材Aを製造するための製造装置の全体構成を概略的に示しており、この製造装置は、上記インクジェット式プリンタ25にその印刷を指示するためのパソコン装置26を備えている。このパソコン装置26は、インクジェット式プリンタ25に接続されたパソコン本体27と、このパソコン本体27に接続された表示装置としてのディスプレイ28と、パソコン本体27に接続された入力装置としてのキーボード29及びマウス30とを有する。また、31はパソコン装置26に接続可能な携帯端末である。
【0042】
そして、まず、予め、例えばパソコン本体27に格納されたソフトウェア等により、図5及び図6に示すような施工パターン情報20を設定する。この施工パターン情報20は、例えばディスプレイ28の画面上に表示されるもので、施工すべき実際の部屋の床面19(図4参照)と同一かそれよりも大きい大きさの床面を模した施工スペースが仮想的に設定され、その施工スペースは、該施工スペースに複数の床材ピース1,1,…が実接合により並べられて施工されたように所定形状に区画されており、その各床材ピース1には、図5に示すように床材ピース1毎に個別の意匠が施され、かつ図6に示すように床材ピース1の各情報(マーキング8に含まれる情報)が表されている。
【0043】
そして、図4に例示するような、施工する実際の部屋の床面19の形状や大きさが決まると、その床面19の形状や大きさの情報に基づき、図5及び図6で太い実線にて示すように、その部屋床面19の形状や大きさの情報を上記表示された施工パターン情報20上に当て嵌める。この工程では、施工パターン情報20上において部屋床面19の情報を任意に相対移動させて、施工パターン情報20の中から部屋の床面19を構成する床構成材Aにおける各床材ピース1毎の色柄情報、形情報、施工位置情報を選択することができる。その例を図5及び図6で仮想線にて示している。
【0044】
このような選択により、部屋床面19についての各床材ピース1毎の色柄情報、形情報、施工位置情報が決まると、その情報を施工パターン情報20上でプロット(記入)することで、図7(a)に示すように、部屋の床面19を構成する床構成材Aにおける各床材ピース1毎の色柄情報、形情報、施工位置情報を確定する。
【0045】
そして、その確定情報に基づき、インクジェット式プリンタ25に確定情報の信号を出力して、図7(b)に示すように、床材ピース1となる板材の表面に意匠をインクジェット印刷するとともに、図7(c)に示すように、同じ板材に確定情報を表すマーキング8を施す。この図7(c)では、コード番号「AF04」、「AG03」のマーキング8を有する床材ピース1,1を例示している。
【0046】
また、図8(a)に示すように、部屋の床面19全体に形成しようとする意匠があると、図8(b)に示すように、設定された施工パターン情報20上に部屋の床面19の形状及び大きさの情報をプロットするとともに、その施工パターン情報20上に上記床面19全体の意匠の情報をプロットすることで、図8(c)及び図9(a)に示すように、床構成材Aにおける各床材ピース1毎の色柄情報、形情報、施工位置情報を確定する。その確定情報に基づき、図9(b)に示すように、床材ピース1となる板材の表面に意匠を印刷するとともに、同じ板材に確定情報を表すマーキング8を施す。
【0047】
このように床構成材Aを製造することで、施工する部屋毎に床面19の形状や大きさが異なっていても、予め、その床面19における床材ピース1,1,…の貼り上がりの意匠を容易に確認できるようになり、居住者のイメージに合致した床面19を提供することができる。
【0048】
この床構成材Aの各床材ピース1を板材から製造する方法は2通りあり、1つは大判の板材から先に床材ピース1となる板材を切断加工した後に各板材の表面に印刷を行うものであり、他の方法は、大判の板材に先に印刷してから各床材ピース1に分割するものである。尚、この方法の説明において、便宜上、図10及び図11に示すように、床面19は全体に意匠が形成され、その大きさ及び形状は施工パターン情報20と同じとしている。
【0049】
前者の方法では、各床材ピース1に関して上記マーキング8で表される表面意匠の色柄情報及び形情報(図10及び図11に示す施工パターン情報20における各床材ピース1の色柄情報、形情報)に基づき、まず、例えば三×六版等の大判の板材(図13(a)参照)から床材ピース1,1,…となる複数の板材を分割加工して、各板材の四周に雌雄実を形成する実加工を行い、図12(a)に示すような無地ピース11を形成する。そして、この無地ピース11の表面に対し、上記床材ピース1の表面意匠の色柄をインクジェット印刷し、その上に透明保護塗料を塗布して透明保護塗膜層を形成し、その上に上塗り塗装を行って上塗り塗膜層を形成することで、図12(b)に示すような表面意匠の異なる複数の床材ピース1,1,…を製造する。また、その各床材ピース1にマーキング8を施す。この図12(b)に示す例では、図10及び図11に示す施工パターン情報20のうちの施工位置「AL01」、「AL05」、「AP06」に施工すべき各床材ピース1,1,…を示している。
【0050】
この前者の方法の場合、予め色柄情報が床材ピース1毎に設定され、これに基づき製造されるため、塗装不良や加工不良等により製造不良が発生した場合においても、当該不良の床材ピース1の色柄情報に基づきその床材ピース1のみを製造すればよいという格別の効果も期待できる。
【0051】
さらに、万が一、施工時の傷付きや施工居住後の傷付き等により1枚だけを取り替える必要が出た場合においても、当該傷付いた床材ピース1の色柄情報を元に同じものを製造し、提供できるという格別の効果も期待できる。
【0052】
後者の方法では、図13(a)に示すように、各床材ピース1に関してマーキング8で表される表面意匠の色柄情報及び形情報に基づき、上記と同様の大判の板材10に対し、切断や雌雄実の形成のための加工代部10aを残すとともに、その残部に、図10及び図11に示す施工パターン情報20における所定の複数の床材ピース1,1,…に相当する色柄をインクジェット印刷する。この図13(a)に示す例では、図10及び図11に示す施工パターン情報20のうちの施工位置「AL01」〜「AL07」、「AM01」〜「AM05」に施工すべき12枚の床材ピース1,1,…(図10及び図11において二点鎖線で囲む範囲)に相当する色柄を印刷している。その後、加工代部10aで床材ピース1,1,…の部分を切断分割して(小割)、四周に実加工を施すのであるが、その場合、上記インクジェット印刷により形成されたインクジェット印刷層は傷付き易いため、大判の板材10でインクジェット印刷した後は直ちに(切断分割や実加工等の切削加工に先立って)、その印刷面上に透明保護塗料を塗布して透明保護塗膜層を形成し(好ましくは、この透明保護塗膜層の少なくとも一層は減摩剤層を含むのがよい)、しかる後に、大判の板材10を加工代部10aで切断分割や実加工等の切削加工をする。その上に上塗り塗装を行って上塗り塗膜層を形成することで、図13(b)に示すような表面意匠の異なる複数の床材ピース1,1,…を製造する。また、その各床材ピース1にマーキング8を施す。
【0053】
このように、大判の板材10でインクジェット印刷した後に直ちに透明保護塗料の塗布により透明保護塗膜層を形成し、しかる後に、大判の板材10を切断分割や実加工等の切削加工をすることで、切削加工時に発生し易いインクジェット印刷層表面の傷付きによる製造不良を効果的に防ぐことが可能である。
【0054】
そして、後述の床構成材Aの施工方法での施工性の向上のために、床面の長手方向の施工位置が連続した2枚以上の床材ピース1,1,…を同一梱包に入れて梱包している。つまり、図13(b)に示す12枚の床材ピース1,1,…は図10に示す施工パターンでは、床面の長手方向(図で左右方向)の施工位置が連続しており、この順番に梱包されている。
【0055】
また、図1、図6及び図7、或いは図17に示すように、床面の形状によっては、その端部に位置する床材ピース1,1,…は、四周に雌雄実が形成されている通常形状のものをそのまま利用できないことがあり、その場合には、その通常形状の床材ピース1の一部を切断除去した形状の異形のものを形成してそれを使用する必要がある。そして、この異形の床材ピース1′,1′,…は、図14〜図16、図18に示すように、予め、その通常形状の床材ピース1の表面において切断除去部分6が上記表面意匠の色柄の印刷と共にインクジェット印刷により描かれている。すなわち、その場合、床材ピース1の表面意匠の色柄について予め作成された加工図面に基づき、加工時に切断除去する部分を他の部分と識別するようにインクジェット印刷する。また、その際、マーキング8は切断除去部分6以外の部分に施す。尚、この切断除去部分6の印刷は、当該部分が切断して除去すべき部分であると識別できれば、どのようなものであってもよい。
【0056】
例えば、図14及び図15に示す例では、異形の床材ピース1′は通常形状の床材ピース1の長さ方向の端部や大半部が切断除去されたものであり、図14(a)に示すように、「AF04」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′は、通常形状の床材ピース1の長さ方向の一端部が切断除去されるようになっているために、当該部分が切断除去部分6として印刷されており、図14(b)に示すように、後述の如く、製造工程又は施工現場で切断除去部分6が切断除去される。また、図15(a)に示すように、「AG01」のマーキング8で床面の端部位置に施工される略L字状の異形の床材ピース1′は、その長さ方向の大半部が平面視で段差状に切断除去されるようになっているために、当該部分が切断除去部分6として印刷され、図15(b)に示すように、製造工程又は施工現場で切断除去部分6が切断除去される。
【0057】
また、図16に示す例では、同様に異形の床材ピース1′は通常形状の床材ピース1の長さ方向の端部が切断除去されたものであるが、床面19で連続しない位置に施工される2枚の異形の床材ピース1′,1′が1枚の通常形状の床材ピース1に含まれており、この1枚の通常形状の床材ピース1において、2枚の異形の床材ピース1′,1′を除いた部分が切断除去部分6として印刷されている。すなわち、図16(a)に示すように、「AJ01」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′と、「AJ04」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′とは、図7に示す床面で連続しない位置に施工されるが、これらは1枚の通常形状の床材ピース1の長さ方向の両端部で構成されるために、当該両端部を除いた中間部分が切断除去部分6として印刷されている。そして、図16(b)に示すように、製造工程又は施工現場で切断除去部分6が切断除去されて2枚の異形床材ピース1′,1′として施工される。
【0058】
一方、図17に示す床面の形状において、床面の端部に位置する床材ピース1′,1′,…として、通常形状の床材ピース1の幅方向の端部が切断除去された異形のものが必要となる。図18(a)に示すように、この場合もやはり、床面19で連続しない位置に施工される2枚の異形の床材ピース1′,1′が1枚の通常形状の床材ピース1に含まれており、この1枚の通常形状の床材ピース1において、2枚の異形の床材ピース1′,1′を除いた部分が切断除去部分6として印刷されている。すなわち、「AA03」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′と、「AL03」のマーキング8で床面の端部位置に施工される異形の床材ピース1′とは、図17に示す床面で連続しない位置に施工されるが、図18(a)に示すように、これらは1枚の通常形状の床材ピース1の幅方向の両端部で構成されるために、当該両端部を除いた中間部分が切断除去部分6として印刷されている。そして、図18(b)に示すように、後述の如く、製造工程又は施工現場で切断除去部分6が切断除去されて2枚の異形床材ピース1′,1′として施工される。
【0059】
(床構成材の施工方法)
次に、上記床構成材Aを用いて部屋の床面における床下地材(図示せず)上に床材ピース1,1,…を施工する方法について説明する。
【0060】
この施工方法では、上記のように、床構成材Aの各床材ピース1に対するマーキング8と同時に、その施工位置が示されている施工図面が作成されているので、その施工図面の情報をパソコン装置26から携帯端末31に入力するか、或いはパソコン装置26で施工図面を印刷するかして、その携帯端末31の画面上に表示され又は印刷された施工図面と床材ピース1のマーキング8による施工位置情報とに基づき、両者を照合しながら各床材ピース1を床下地材上に施工する。このように、床構成材Aの施工時には、各床材ピース1の施工位置が示された施工図面と、各床材ピース1に記されたマーキング8の施工位置情報とに基づき両者を照合しながら施工するので、施工性を大幅に高めることができる。
【0061】
その場合、マーキング8が2次元コード又はマイクロチップであるときには、その2次元コード又はマイクロチップに示されているマーキング8の情報を携帯端末31(情報読み取り装置)により読み取り、その読み取ったマーキング8の各情報により、携帯端末31の画面上に床面の施工図面(図1、図7、図9、図10に示すもの)を表示し、その施工図面に基づき、複数の梱包体に梱包された各床材ピース1の施工位置を確認しながら、該梱包体の各床材ピース1を順に施工するようにしてもよい。こうすることで、各床材ピース1の施工位置を携帯端末31の画面上等の画面上の施工図面で確認しながら施工できるので、床材ピース1の正確な施工を容易に行うことができる。
【0062】
また、製造時の不良等により、床材ピース1,1,…を順に施工できないような場合においても、施工図面を元に施工位置が確定できるため、万が一、順番に施工していく途中の1枚が別梱包になっていても、問題なく所定位置に当該床材を施工することができる。
【0063】
尚、床材ピース1,1,…を梱包している梱包体にも、その中に梱包されている各床材ピース1のマーキング8を施しておいたり、床材ピース1毎にマイクロチップでマーキングをしておけば、開梱することなく中に梱包されている床材ピース1,1,…を確認できるので、好ましい。
【0064】
また、図13(b)に示すように、床面の長手方向の施工位置が連続した2枚以上の床材ピース1,1,…が同一の梱包に入れられて梱包されていると、その梱包内の複数の床材ピース1,1,…を取り出して順に床面の長手方向に施工していけば、床材ピース1,1,…の施工位置を確認することなく自動的に目的の意匠が得られるように施工できるので、施工性を向上させることができる。
【0065】
また、図14(a)及び図15(a)に示すように、床材ピース1の表面に予め切断除去部分6が印刷されている場合には、製造工程又は施工現場において、図14(b)及び図15(b)に示すように、その床材ピース1の切断除去部分6を除去して異形床材ピース1′を作製した後に、その異形床材ピース1′を切断除去部分6以外の残りの部分に表示されているマーキング8の施工位置情報に基づき施工する。
【0066】
さらに、図16(a)及び図18(a)に示すように、1枚の通常形状の床材ピース1の長さ方向の両端部や幅方向の両端部にそれぞれ異形床材ピース1′,1′が形成され、両者間に切断除去部分6が設けられている場合には、図16(b)及び図18(b)に示すように、その通常形状の床材ピース1を切断除去部分6の印刷に従って該切断除去部分6を除去する切断加工をして異形床材ピース1′を得、そうして得られた2枚の異形床材ピース1′,1′を床面端部の位置に施工する。図16に示す例では、2枚の異形床材ピース1′,1′を床面の一端部(図で下端部)にある同一列の両端部(図で左右端部)にそれぞれ振り分けて施工し、図18に示す例では、2枚の異形床材ピース1′,1′を床面の両端の最初の列(図で上端の列)と最後の列(図で下端の列)とにそれぞれ振り分けて施工する。
【0067】
したがって、この実施形態においては、互いに実接合されて床面を構成する複数の床材ピース1,1,…の各々に、その表面意匠の色柄情報、床材ピース1の形情報及び施工位置情報を表すマーキング8が施されているので、部屋全体でメリハリのある床面になる床材であっても、床を施工する前の仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース1,1,…毎の配置を検討することができる。
【0068】
また、上記マーキング8が床材ピース1,1,…に施工後の意匠を損なわない状態で施されているので、マーキング8が施されている床材ピース1,1,…を施工しても、そのマーキング8により施工状態の床面の意匠が損なわれることはなく、床面の意匠を目標のものに維持することができる。
【0069】
さらに、所定形状に加工された板材にインクジェット印刷しかつ表面保護塗装膜を形成する場合、予め加工された板材にインクジェット印刷されるので、短い納期で床構成材Aを納入することができる。
【0070】
また、予め必要な色柄の床材ピース1,1,…がマーキング8の情報により取得可能なので、施工現場での色合わせなしに床構成材Aの提供を行うことができる。
【0071】
さらに、床構成材Aにおける各床材ピース1にその施工位置情報を表すマーキング8が施されると同時に、そのマーキング8に対応して床材ピース1の施工位置を示す床面の施工図面が作成されるので、予め、その施工図面で床面の施工状態(貼り上がり)の意匠を確認することができ、居住者のイメージに合致した床を迅速に提供することができる。しかも、施工に前もって、部屋の大きさや形状を考慮して、様々な形状の床材ピース1,1,…を施工した、その施工状態のイメージを確認することができ、居住者の選択の自由度が広がるだけでなく、居住者の選択に対し提供製品のイメージが合致し、満足度が格段に向上する。
【0072】
また、床材ピース1に切断除去部分6がある場合、予め、その切断除去部分6が床材ピース1の表面に印刷されているので、施工現場での異形床材ピース1′への加工が便利となる。また、施工状態が美麗になるだけでなく、予め床材ピース1を加工してから施工できるので、施工が効率的である。
【0073】
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態では、各床材ピース1に施されるマーキング8の情報を、表面意匠の色柄情報、床材ピース1の形情報及び施工位置情報としているが、その他、例えば製品の品番情報や、製造日、製造ロットナンバー、検査員ナンバー等の製造情報等の情報を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、床を施工する前の床材ピースの仮並べを要することなく、位置や色柄を合わせながら床材ピース毎の配置を検討できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0075】
A 床構成材
1 床材ピース
1′ 異形の床材ピース
3 雌実
4 雄実
6 切断除去部分
8 マーキング
19 部屋の床面
20 施エパターン情報
25 インクジェットプリンタ
26 パソコン装置
31 携帯端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピースからなる床構成材の施工方法であって、
上記各床材ピースに、少なくとも上記表面意匠の色柄情報、床材ピースの形情報及び施工位置情報を含む情報を表すマーキングが施されているとともに、
上記床材ピースの施工位置を示す床面の施工図面が作成されており、
上記床材ピースを、上記施工図面と上記マーキングによる床材ピースの施工位置情報とに基づき施工することを特徴とする床構成材の施工方法。
【請求項2】
請求項1において、
床面の長手方向に施工位置が連続する2枚以上の床材ピースが同一の梱包に収納されていて、該梱包の床材ピースを順に施工することを特徴とする床構成材の施工方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
マーキングは、情報を読取り可能な2次元コード又はマイクロチップであり、
上記2次元コード又はマイクロチップに示されているマーキングの情報を情報読み取り装置により読み取るとともに、その読み取ったマーキングの情報により、電子機器の画面上に床面の施工図面を表示して、その画面上の施工図面に基づき、複数の梱包体に梱包された各床材ピースの施工位置を確認しながら、該梱包体の各床材ピースを順に施工することを特徴とする床構成材の施工方法。
【請求項1】
互いに実接合されて床面を構成しかつ各々が個別の表面意匠を有する複数の床材ピースからなる床構成材の施工方法であって、
上記各床材ピースに、少なくとも上記表面意匠の色柄情報、床材ピースの形情報及び施工位置情報を含む情報を表すマーキングが施されているとともに、
上記床材ピースの施工位置を示す床面の施工図面が作成されており、
上記床材ピースを、上記施工図面と上記マーキングによる床材ピースの施工位置情報とに基づき施工することを特徴とする床構成材の施工方法。
【請求項2】
請求項1において、
床面の長手方向に施工位置が連続する2枚以上の床材ピースが同一の梱包に収納されていて、該梱包の床材ピースを順に施工することを特徴とする床構成材の施工方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
マーキングは、情報を読取り可能な2次元コード又はマイクロチップであり、
上記2次元コード又はマイクロチップに示されているマーキングの情報を情報読み取り装置により読み取るとともに、その読み取ったマーキングの情報により、電子機器の画面上に床面の施工図面を表示して、その画面上の施工図面に基づき、複数の梱包体に梱包された各床材ピースの施工位置を確認しながら、該梱包体の各床材ピースを順に施工することを特徴とする床構成材の施工方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−77444(P2012−77444A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−220611(P2010−220611)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】
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