床用目地装置
【課題】目地プレートが外壁面より突出して見苦しくなったり、危険になったりするのを阻止するとともに、スムーズにスライド移動させることができる床用目地装置を得る。
【解決手段】一方の建物2の外壁面より低い上面を有する他方の建物7との間の目地部を覆う床用目地装置1において、前記一方の建物2の前記他方の建物7の低い上面と対応する部位で固定された一方のガイドレール10と、他方の建物のほぼ同じ高さに固定された他方のガイドレール9と、後端部が前記他方のガイドレール9に前後方向に、他端部の一方が前記一方のガイドレール10に、他方が前記低い上面4にスライド移動可能に支持される一方の目地プレート13と、この一方の目地プレート13の先端部がスライド移動可能に挿入される前記一方のガイドレール10が設けられた外壁面に固定され、上端部が前記低い上面にスライド移動可能に支持される他方の目地プレート17とで構成する。
【解決手段】一方の建物2の外壁面より低い上面を有する他方の建物7との間の目地部を覆う床用目地装置1において、前記一方の建物2の前記他方の建物7の低い上面と対応する部位で固定された一方のガイドレール10と、他方の建物のほぼ同じ高さに固定された他方のガイドレール9と、後端部が前記他方のガイドレール9に前後方向に、他端部の一方が前記一方のガイドレール10に、他方が前記低い上面4にスライド移動可能に支持される一方の目地プレート13と、この一方の目地プレート13の先端部がスライド移動可能に挿入される前記一方のガイドレール10が設けられた外壁面に固定され、上端部が前記低い上面にスライド移動可能に支持される他方の目地プレート17とで構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部がL字状に設けられた一方の建物と他方の建物との目地部を覆う床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方の建物のコーナ部と目地部を介して設けられたL字状で、一方が一方の建物の外壁面より低い上面を有する他方の建物との間の上面部位の目地部を覆う床用目地装置は他方の建物の上面と対応する部位の一方の建物の外壁面と、この外壁面と直角方向位置の他方の建物の外壁面とにスライド移動する目地プレートを設置して、一方の建物と他方の建物の異なる前後左右方向の揺れ動きを吸収することが考えられている。
【0003】
しかしながら、このような一方の建物の外壁面と他方の建物の外壁面にスライド移動可能な目地プレートは、目地部が狭くなるような揺れ動き時に目地プレートが建物の外方へ突出して危険な状態になったり、見苦しくなるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、地震によって、目地部が広くなったり、狭くなるような揺れ動きが生じても、目地プレートが建物の外壁面より突出して見苦しくなったり、危険になったりするのを確実に阻止するとともに、スムーズに一方の目地プレートと他方の目地プレートを、目地部を覆うようにスライド移動させることができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は一方の建物のコーナ部と目地部を介して設けられたL字状で、前記一方の建物の外壁面より低い上面を一方に有する他方の建物との間の上面位置の目地部を覆う床用目地装置において、前記一方の建物の前記他方の建物の低い上面と対応する部位で他方の建物の高い外壁面側の目地部側にほぼ水平方向となるように固定された一対のガイドレールと、この一対のガイドレールとほぼ同じ高さ部位の前記他方の建物の高い外壁面側にほぼ水平方向に固定された他方のガイドレールと、後端部が前記他方のガイドレールに前後方向にスライド移動可能に支持され、他端部の一方が前記一方のガイドレールにスライド移動可能に支持され、他方が前記低い上面にスライド移動可能に支持される一方の目地プレートと、この一方の目地プレートの先端部がスライド移動可能に挿入される後端部が前記一方のガイドレールに設けられた部位の外壁面に固定され、上端部が前記低い上面にスライド移動可能に支持される他方の目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0009】
(1)一方の目地プレートの先端部が他方の目地プレートにスライド移動可能に挿入されているので、目地部が広くなったり、狭くなったりする揺れ動き時に、他方の目地プレートより一方の目地プレートの先端部がスライド移動して、その揺れ動きを吸収することができる。
したがって、建物の外壁面より目地プレートが突出する不具合を確実に防止することができる。
【0010】
(2)他方の目地プレートは一方の建物と一体になって揺れ動き、一方の目地プレートは他方の目地プレートの前後方向の揺れ動きと同方向に他方のガイドレールに沿って移動するので、一方の建物と他方の建物が異なる前後左右方向の揺れ動きが生じても、その揺れ動きを吸収することができる。
【0011】
(3)一方の目地プレートの後端部を他方のガイドレールに前後方向にスライド移動可能に支持させるとともに、先端部側の一方を一方のガイドレールにスライド移動可能に支持させ、他方を他方の建物の低い上面にスライド移動可能に支持させているので、目地部に隙間が生じることなく、スムーズに地震の揺れ動きに対応したスライド移動が可能になる。
したがって、安全に使用することができる。
【0012】
(4)他方の目地プレート内へ左右方向にスライド移動可能に一方の目地プレートを設けるとともに、一方の目地プレートを前後方向にスライド移動可能に設置すればよく、容易に設置することができる。
【0013】
(5)請求項2も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、カバープレートによって段差を小さく、かつさらに安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】図1の3−3線に沿う断面図。
【図4】図1の4−4線に沿う断面図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の一方の目地プレートの説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態の他方の目地プレートの説明図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態の異なる前後方向の動作説明図。
【図8】本発明を実施するための第1の形態の異なる左右方向の動作説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う断面図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態のカバープレートを外した状態の平面図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図13】図12の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1ないし図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一方の建物2のコーナ部2aとL字状の目地部3を介して設けられた前記一方の建物2の外壁面2bより低い上面4の低い躯体5、この低い上面4の低い躯体5より高い躯体6を有する他方の建物7との間の低い上面4の位置の目地部を覆う床用目地装置で、この床用目地装置1は他方の建物7の低い上面4の躯体5の目地部側の低い上面4に形成された目地プレートスライド凹部8と、この目地プレートスライド凹部8の前記高い躯体6側の凹部壁8aおよび外壁面7aにほぼ水平方向となるように固定された他方のガイドレール9と、この他方のガイドレール9とほぼ同じ高さ部位の前記一方の建物2の高い躯体6側の目地部側にほぼ水平方向となるように固定された一方のガイドレール10と、後端部が前記他方のガイドレール9に複数個のローラ11を介して前後方向Xにスライド移動可能に支持され、他端部の一方が前記一方のガイドレール10にローラ12を介して左右方向Yにスライド移動可能に支持され、他方が前記低い上面4の目地プレートスライド凹部8のほぼ中央部に前後左右方向X、Yにスライド移動可能に支持された一方の目地プレート13と、前記一方の建物2の一方のガイドレール10が設けられた外壁面に、該一方のガイドレール10とほぼ同じ高さ位置にほぼ水平方向となるように固定された目地プレート支持台14と、この目地プレート支持台14に後端部が固定され、先端部が前記目地プレートスライド凹部8のほぼ中央部に位置して、複数個のローラ15によって前後左右方向X、Yにスライド移動でき、前記一方の目地プレート13側に該一方の目地プレート13の先端部が左右方向Yにスライド移動可能で、前後方向Xに一体となって移動できる一方の目地プレート収納部16が形成された他方の目地プレート17と、前記目地プレートスライド凹部8を前記目地一方の目地プレート13および他方の目地プレート17のスライド移動ができるように覆う、前記低い上面4に固定されたカバープレート18とで構成されている。
【0017】
上記構成の床用目地装置1は、通常時には一方の建物2と他方の建物7の低い上面4との間の目地部13を一方の目地プレート13および他方の目地プレート17で覆われた状態となる。
地震によって一方の建物2と他方の建物7とが異なる左右方向Yに揺れ動いた場合、図8に示すように一方の目地プレート13の先端部が他方の目地プレート17の一方の目地プレート収納部16内を左右方向Yにスライド移動し、目地部3に隙間なく覆うことができる。
また、一方の建物2と他方の建物7とが異なる前後方向Xに揺れ動いた場合、図7に示すように一方の目地プレート13と他方の目地プレート17が目地プレート支持凹部8内を前後方向Xにスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。 この時、一方の目地プレート13は一方のガイドレール10に沿って前後方向Xにスライド移動するので、スムーズに移動できる。
なお、一方の目地プレート13の先端部は他方の目地プレート17の一方の目地プレート13側の一方の目地プレート収納部16内を左右方向Yにスライド移動するため、他方の目地プレート17の反一方の目地プレート13側の端部よりは突出することなく、安全で、きれいに端部を仕上げることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0018】
次に、図9ないし図14に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、一方の目地プレート13の端部13aより、他方の目地プレート17の先端部を外方へ突出させ、前後左右方向X、Y のスライド移動時に一方の目地プレート13と衝突しない外方へ突出させた先端部位に複数個のローラ15を介して取付けるとともに、目地プレート支持凹部8を金属材製のカバープレート19で覆った点で、このように構成しても前記第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、一方の目地プレート13と他方の目地プレート17とがスムーズに前後左右方向にスライド移動させることができる床用目地装置1Aにすることができる。
【0020】
図12ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、一方の目地プレート13の先端部に、一方のガイドレール10にスライド移動可能なローラ12Aを取付け、一方の建物2と他方の建物7が前後左右方向以外に揺れ動いた場合に、一方の目地プレート13の先端部の一方のガイドレール10にスライド可能なローラ12Aを支点に回動して、その揺れ動きを吸収できるようにした点で、このように構成された床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0022】
1、1A、1B:床用目地装置、2:一方の建物、
3:目地部、 4:低い上面、
5:低い躯体、 6:高い躯体、
7:他方の建物、
8:目地プレートスライド支持凹部、
9:他方のガイドレール、 10:一方のガイドレール、
11:ローラ、 X:前後方向、
12:ローラ、 Y:左右方向、
13:一方の目地プレート、 14:目地プレート支持台、
15:ローラ、
16:一方の目地プレート収納部、
17:他方の目地プレート、 18:カバープレート、
19:カバープレート。
【技術分野】
【0001】
本発明は目地部がL字状に設けられた一方の建物と他方の建物との目地部を覆う床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一方の建物のコーナ部と目地部を介して設けられたL字状で、一方が一方の建物の外壁面より低い上面を有する他方の建物との間の上面部位の目地部を覆う床用目地装置は他方の建物の上面と対応する部位の一方の建物の外壁面と、この外壁面と直角方向位置の他方の建物の外壁面とにスライド移動する目地プレートを設置して、一方の建物と他方の建物の異なる前後左右方向の揺れ動きを吸収することが考えられている。
【0003】
しかしながら、このような一方の建物の外壁面と他方の建物の外壁面にスライド移動可能な目地プレートは、目地部が狭くなるような揺れ動き時に目地プレートが建物の外方へ突出して危険な状態になったり、見苦しくなるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特になし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、地震によって、目地部が広くなったり、狭くなるような揺れ動きが生じても、目地プレートが建物の外壁面より突出して見苦しくなったり、危険になったりするのを確実に阻止するとともに、スムーズに一方の目地プレートと他方の目地プレートを、目地部を覆うようにスライド移動させることができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0006】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は一方の建物のコーナ部と目地部を介して設けられたL字状で、前記一方の建物の外壁面より低い上面を一方に有する他方の建物との間の上面位置の目地部を覆う床用目地装置において、前記一方の建物の前記他方の建物の低い上面と対応する部位で他方の建物の高い外壁面側の目地部側にほぼ水平方向となるように固定された一対のガイドレールと、この一対のガイドレールとほぼ同じ高さ部位の前記他方の建物の高い外壁面側にほぼ水平方向に固定された他方のガイドレールと、後端部が前記他方のガイドレールに前後方向にスライド移動可能に支持され、他端部の一方が前記一方のガイドレールにスライド移動可能に支持され、他方が前記低い上面にスライド移動可能に支持される一方の目地プレートと、この一方の目地プレートの先端部がスライド移動可能に挿入される後端部が前記一方のガイドレールに設けられた部位の外壁面に固定され、上端部が前記低い上面にスライド移動可能に支持される他方の目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0008】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
【0009】
(1)一方の目地プレートの先端部が他方の目地プレートにスライド移動可能に挿入されているので、目地部が広くなったり、狭くなったりする揺れ動き時に、他方の目地プレートより一方の目地プレートの先端部がスライド移動して、その揺れ動きを吸収することができる。
したがって、建物の外壁面より目地プレートが突出する不具合を確実に防止することができる。
【0010】
(2)他方の目地プレートは一方の建物と一体になって揺れ動き、一方の目地プレートは他方の目地プレートの前後方向の揺れ動きと同方向に他方のガイドレールに沿って移動するので、一方の建物と他方の建物が異なる前後左右方向の揺れ動きが生じても、その揺れ動きを吸収することができる。
【0011】
(3)一方の目地プレートの後端部を他方のガイドレールに前後方向にスライド移動可能に支持させるとともに、先端部側の一方を一方のガイドレールにスライド移動可能に支持させ、他方を他方の建物の低い上面にスライド移動可能に支持させているので、目地部に隙間が生じることなく、スムーズに地震の揺れ動きに対応したスライド移動が可能になる。
したがって、安全に使用することができる。
【0012】
(4)他方の目地プレート内へ左右方向にスライド移動可能に一方の目地プレートを設けるとともに、一方の目地プレートを前後方向にスライド移動可能に設置すればよく、容易に設置することができる。
【0013】
(5)請求項2も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、カバープレートによって段差を小さく、かつさらに安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】図1の3−3線に沿う断面図。
【図4】図1の4−4線に沿う断面図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の一方の目地プレートの説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態の他方の目地プレートの説明図。
【図7】本発明を実施するための第1の形態の異なる前後方向の動作説明図。
【図8】本発明を実施するための第1の形態の異なる左右方向の動作説明図。
【図9】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図10】図9の10−10線に沿う断面図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態のカバープレートを外した状態の平面図。
【図12】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図13】図12の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第3の形態の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1ないし図8に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一方の建物2のコーナ部2aとL字状の目地部3を介して設けられた前記一方の建物2の外壁面2bより低い上面4の低い躯体5、この低い上面4の低い躯体5より高い躯体6を有する他方の建物7との間の低い上面4の位置の目地部を覆う床用目地装置で、この床用目地装置1は他方の建物7の低い上面4の躯体5の目地部側の低い上面4に形成された目地プレートスライド凹部8と、この目地プレートスライド凹部8の前記高い躯体6側の凹部壁8aおよび外壁面7aにほぼ水平方向となるように固定された他方のガイドレール9と、この他方のガイドレール9とほぼ同じ高さ部位の前記一方の建物2の高い躯体6側の目地部側にほぼ水平方向となるように固定された一方のガイドレール10と、後端部が前記他方のガイドレール9に複数個のローラ11を介して前後方向Xにスライド移動可能に支持され、他端部の一方が前記一方のガイドレール10にローラ12を介して左右方向Yにスライド移動可能に支持され、他方が前記低い上面4の目地プレートスライド凹部8のほぼ中央部に前後左右方向X、Yにスライド移動可能に支持された一方の目地プレート13と、前記一方の建物2の一方のガイドレール10が設けられた外壁面に、該一方のガイドレール10とほぼ同じ高さ位置にほぼ水平方向となるように固定された目地プレート支持台14と、この目地プレート支持台14に後端部が固定され、先端部が前記目地プレートスライド凹部8のほぼ中央部に位置して、複数個のローラ15によって前後左右方向X、Yにスライド移動でき、前記一方の目地プレート13側に該一方の目地プレート13の先端部が左右方向Yにスライド移動可能で、前後方向Xに一体となって移動できる一方の目地プレート収納部16が形成された他方の目地プレート17と、前記目地プレートスライド凹部8を前記目地一方の目地プレート13および他方の目地プレート17のスライド移動ができるように覆う、前記低い上面4に固定されたカバープレート18とで構成されている。
【0017】
上記構成の床用目地装置1は、通常時には一方の建物2と他方の建物7の低い上面4との間の目地部13を一方の目地プレート13および他方の目地プレート17で覆われた状態となる。
地震によって一方の建物2と他方の建物7とが異なる左右方向Yに揺れ動いた場合、図8に示すように一方の目地プレート13の先端部が他方の目地プレート17の一方の目地プレート収納部16内を左右方向Yにスライド移動し、目地部3に隙間なく覆うことができる。
また、一方の建物2と他方の建物7とが異なる前後方向Xに揺れ動いた場合、図7に示すように一方の目地プレート13と他方の目地プレート17が目地プレート支持凹部8内を前後方向Xにスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。 この時、一方の目地プレート13は一方のガイドレール10に沿って前後方向Xにスライド移動するので、スムーズに移動できる。
なお、一方の目地プレート13の先端部は他方の目地プレート17の一方の目地プレート13側の一方の目地プレート収納部16内を左右方向Yにスライド移動するため、他方の目地プレート17の反一方の目地プレート13側の端部よりは突出することなく、安全で、きれいに端部を仕上げることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
【0018】
次に、図9ないし図14に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、一方の目地プレート13の端部13aより、他方の目地プレート17の先端部を外方へ突出させ、前後左右方向X、Y のスライド移動時に一方の目地プレート13と衝突しない外方へ突出させた先端部位に複数個のローラ15を介して取付けるとともに、目地プレート支持凹部8を金属材製のカバープレート19で覆った点で、このように構成しても前記第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、一方の目地プレート13と他方の目地プレート17とがスムーズに前後左右方向にスライド移動させることができる床用目地装置1Aにすることができる。
【0020】
図12ないし図14に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、一方の目地プレート13の先端部に、一方のガイドレール10にスライド移動可能なローラ12Aを取付け、一方の建物2と他方の建物7が前後左右方向以外に揺れ動いた場合に、一方の目地プレート13の先端部の一方のガイドレール10にスライド可能なローラ12Aを支点に回動して、その揺れ動きを吸収できるようにした点で、このように構成された床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0022】
1、1A、1B:床用目地装置、2:一方の建物、
3:目地部、 4:低い上面、
5:低い躯体、 6:高い躯体、
7:他方の建物、
8:目地プレートスライド支持凹部、
9:他方のガイドレール、 10:一方のガイドレール、
11:ローラ、 X:前後方向、
12:ローラ、 Y:左右方向、
13:一方の目地プレート、 14:目地プレート支持台、
15:ローラ、
16:一方の目地プレート収納部、
17:他方の目地プレート、 18:カバープレート、
19:カバープレート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の建物のコーナ部と目地部を介して設けられたL字状で、前記一方の建物の外壁面より低い上面を一方に有する他方の建物との間の上面位置の目地部を覆う床用目地装置において、前記一方の建物の前記他方の建物の低い上面と対応する部位で他方の建物の高い外壁面側の目地部側にほぼ水平方向となるように固定された一対のガイドレールと、この一対のガイドレールとほぼ同じ高さ部位の前記他方の建物の高い外壁面側にほぼ水平方向に固定された他方のガイドレールと、後端部が前記他方のガイドレールに前後方向にスライド移動可能に支持され、他端部の一方が前記一方のガイドレールにスライド移動可能に支持され、他方が前記低い上面にスライド移動可能に支持される一方の目地プレートと、この一方の目地プレートの先端部がスライド移動可能に挿入される後端部が前記一方のガイドレールに設けられた部位の外壁面に固定され、上端部が前記低い上面にスライド移動可能に支持される他方の目地プレートとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項2】
他方の建物の低い上面の目地側には一方の目地プレートおよび他方の目地プレートが支持される目地プレート支持凹部ガ形成されるとともに、一方の目地プレートおよび他方の目地プレートのスライド移動ができるように、前記目地プレート支持凹部を覆うカバープレートが低い上面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【請求項1】
一方の建物のコーナ部と目地部を介して設けられたL字状で、前記一方の建物の外壁面より低い上面を一方に有する他方の建物との間の上面位置の目地部を覆う床用目地装置において、前記一方の建物の前記他方の建物の低い上面と対応する部位で他方の建物の高い外壁面側の目地部側にほぼ水平方向となるように固定された一対のガイドレールと、この一対のガイドレールとほぼ同じ高さ部位の前記他方の建物の高い外壁面側にほぼ水平方向に固定された他方のガイドレールと、後端部が前記他方のガイドレールに前後方向にスライド移動可能に支持され、他端部の一方が前記一方のガイドレールにスライド移動可能に支持され、他方が前記低い上面にスライド移動可能に支持される一方の目地プレートと、この一方の目地プレートの先端部がスライド移動可能に挿入される後端部が前記一方のガイドレールに設けられた部位の外壁面に固定され、上端部が前記低い上面にスライド移動可能に支持される他方の目地プレートとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項2】
他方の建物の低い上面の目地側には一方の目地プレートおよび他方の目地プレートが支持される目地プレート支持凹部ガ形成されるとともに、一方の目地プレートおよび他方の目地プレートのスライド移動ができるように、前記目地プレート支持凹部を覆うカバープレートが低い上面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−189933(P2010−189933A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35565(P2009−35565)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
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