床用目地装置
【課題】建物間のアングル状の目地部において、地震で一方の建物と他方の建物が異なる前後左右方向に揺れ動いても目地部に隙間が生じることなく覆ことができる床用目地装置を提供する。
【解決手段】一方の建物2のアングル状の外壁面3とアングル状の目地部4を介して他方の建物5が設けられた部位において、一方の建物の目地部側の角部の外壁に後端寄りの一方の角部側が枢支ピン6で枢支され、先端部および後端の他方の角部が他方の建物の目地部側床面5aにスライド移動可能に支持された床目地部を覆う回動目地プレート8と、回動目地プレートの先端部側の一側面を常時他方の建物の壁面に当接するように位置させる回動目地プレート位置決め機構9と、回動目地プレートの後端部側の上面を覆う突出カバー部11を有して後端部が一方の建物の外壁に取付けられ、先端部が他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された目地プレート13と、で構成する。
【解決手段】一方の建物2のアングル状の外壁面3とアングル状の目地部4を介して他方の建物5が設けられた部位において、一方の建物の目地部側の角部の外壁に後端寄りの一方の角部側が枢支ピン6で枢支され、先端部および後端の他方の角部が他方の建物の目地部側床面5aにスライド移動可能に支持された床目地部を覆う回動目地プレート8と、回動目地プレートの先端部側の一側面を常時他方の建物の壁面に当接するように位置させる回動目地プレート位置決め機構9と、回動目地プレートの後端部側の上面を覆う突出カバー部11を有して後端部が一方の建物の外壁に取付けられ、先端部が他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された目地プレート13と、で構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一方の建物のアングル状の外壁面とアングル状の目地部を介して他方の建物が設けられた部位の床目地部を、地震で一方の建物と他方の建物とが異なる方向に揺れ動いても、目地部に隙間が生じないように覆うことができる床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の床用目地装置は一方の建物と他方の建物との間の長方形状の目地部を覆う目地装置が実用化されているが、一方の建物の外壁面との間に目地部を介して他方の建物の床躯体が位置する部分のアングル状の目地部を覆う所に使用すると、一方の建物と他方の建物とが異なる左右方向に揺れ動く場合には、その揺れ動きを吸収して問題が生じないが、異なる前後方向に揺れ動くと、目地プレートが他方の建物の壁面と衝突して損傷するという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3122356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、一方の建物のアングル状の外壁面との間に目地部を介して他方の建物の床面が位置するアングル状の目地部を形成しなければならない所でも、地震で一方の建物と他方の建物が異なる前後左右方向に揺れ動いても、その揺れ動きを目地部に隙間が生じることなく確実に覆って安全に使用することができ、かつ構造が簡単で、楽で、安価に設置することができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は一方の建物のアングル状の外壁面とアングル状の目地部を介して他方の建物が設けられた部位において、前記一方の建物の目地部側の角部の外壁に後端寄りの一方の角部側が枢支ピンで枢支され、先端部および後端の他方の角部が前記他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された床目地部を覆う回動可能な回動目地プレートと、この回動目地プレートの先端部側の一側面を常時前記他方の建物の壁面に当接するように位置させる回動目地プレート位置決め機構と、前記回動目地プレートの後端部側の上面を覆い、かつ該回動目地プレートの回動を阻止しない隙間を有するように突出する突出カバー部を有する前記一方の建物の外壁に後端部が取付けられ、先端部が前記他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された、前記目地部を覆う目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、一方の建物のアングル状の外壁面とアングル状の目地部を介して他方の建物が設けられた部位の床目地部を、回動目地プレートと目地プレートで覆っているので、地震で一方の建物と他方の建物が異なる前後左右方向に揺れ動いても、目地プレートのスライド移動および回動目地プレートのスライド移動と回動によって床目地部に隙間が生じることなく、その揺れ動きを吸収することができる。
したがって、安全に使用することができるとともに、回動目地プレートと目地プレートの損傷を効率よく阻止することができる。
(2)前記(1)により、回動目地プレートの枢支ピンを支点とした回動を目地プレートのカバー部内で行なえるので、段差が生じることなく、安全に使用することができる。
(3)前記(1)により、回動目地プレート位置決め機構によって、回動目地プレートの先端部の一側面を他方の建物の壁面に常時当接するように位置させているので、回動目地プレートの先端部の一側面と他方の建物の壁面との間に隙間が生じないので、安全に使用することができる。
(4)前記(1)により、目地プレートのカバー部内で回動目地プレートが回動できるように取付けることができるので、構造が簡単で、楽で、安価に設置することができる。
(5)請求項2も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、一方の建物と他方の建物が目地部の幅寸法分の異なる前後左右方向に揺れ動いても、その揺れ動きを確実に吸収することができる。
(6)請求項3も前記(1)〜(4)と同様な作用効果が得られるとともに、回動目地プレートおよび目地プレートの先端部側をL字状のカバープレートで覆っているので、より安全に使用することができるとともに、美観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】図1の3−3線に沿う断面図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態の回動目地プレートの説明図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の目地プレートの説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態のカバープレートの説明図。
【図7】地震により一方の建物と他方の建物が異なる左右方向に離れるように揺れ動く動作説明図。
【図8】地震により一方の建物と他方の建物が異なる左右方向に近づくように揺れ動く動作説明図。
【図9】地震により一方の建物と他方の建物の異なる前後方向の一方に揺れ動く説明図。
【図10】地震により一方の建物と他方の建物の異なる前後方向の他方に揺れ動く説明図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図12】図11の12−12線に沿う断面図。
【図13】図11の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第2の形態の回動目地プレートの説明図。
【図15】本発明を実施するための第2の形態の目地プレートの説明図。
【図16】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図。
【図18】図16の18−18線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0010】
図1ないし10図に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一方の建物2のアングル状の外壁面3とアングル状の目地部4を介して他方の建物5が設けられた部位の床目地部4を覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記一方の建物2の目地部側の角部の外壁3に後端寄りの一方の角部側が枢支ピン6を用いた取付け具7で枢支され、先端部および後端の他方の角部が前記他方の建物5の目地部側床面5aにスライド移動可能に支持された床目地部4を覆う回動可能な回動目地プレート8と、この回動目地プレート8の先端部側の一側面を常時前記他方の建物5の壁面5bに当接するように位置させる回動目地プレート位置決め機構9と、前記回動目地プレート8の後端部側の上面を覆い、かつ該回動目地プレート8の回動を阻止しない隙間10を有するように突出するカバー部11を有する後端部が前記一方の建物2の外壁3に複数個のヒンジ部材を用いた取付け具12を介して取付けられ、先端部が前記他方の建物5の目地部側床面5aにスライド移動可能に支持された前記床目地部4を覆う目地プレート13と、この目地プレート13の先端部および前記回動目地プレート8の先端部側を覆う、前記他方の建物5の床面5aに複数本のアンカーピン14で固定されたL字状のカバープレート15とで構成されている。
【0011】
前記回動目地プレート8は図4に示すように、先端部が前記他方の建物5の床面5aをスライド移動できる方形状で、前記床目地部4の幅寸法Lの約2倍の幅寸法の回動目地プレート本体16と、この回動目地プレート本体16の壁面3、5a側に位置する後端部と先端部に、該回動目地プレート本体16の回動を阻止しないように形成した切欠部17、18とで構成されている。
【0012】
前記回動目地プレート8の取付け具7は前記回動目地プレート本体16の後端部寄りの外壁3側に固定された皿ビス状の枢支ピン6と、この枢支ピン6を回動可能に支持する前記一方の建物2の目地部側の角部の外壁3に複数本のアンカーピン19で固定された筒状の軸受部材20とで構成されている。
【0013】
前記回動目地プレート位置決め機構9は一端部が前記回動目地プレート8のほぼ中央底面に取付けられ、他端部が前記他方の建物5の該回動目地プレート8と離れている部分の壁面5bに取付けられた付勢スプリング21とで構成されている。
【0014】
前記目地プレート13は図5に示すように、前記床目地部の幅寸法Lの約2倍の幅寸法で、前記他方の建物5の床面5aをスライド移動できる目地プレート本体22と、この目地プレート本体22の一端部より下部に凹部23を有するように突出させたカバー部11とで構成されている。
【0015】
前記カバープレート15は図6に示すように、L字状に形成されたカバープレート本体24と、このカバープレート本体24の外側の底面に下方へ突出するように形成された前記目地プレート13の厚さ分の脚部25とで構成されている。
【0016】
上記構成の床用目地装置1は地震で一方の建物2と他方の建物5が異なる左右方向に離れるように揺れ動くと、図7に示すように目地プレート13および回動目地プレート8は一方の建物2と一体になって移動し、先端部側は他方の建物5の床面5aおよびカバープレート15内をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0017】
地震で一方の建物2と他方の建物5が異なる左右方向に近づくように揺れ動くと、図8に示すように目地プレート13および回動目地プレート8は一方の建物2と一体になって移動し、先端部側は他方の建物5の床面5aおよびカバープレート15内をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0018】
地震により一方の建物2と他方の建物5の異なる前後方向の一方に揺れ動くと、図9に示すように回動目地プレート8を他方の建物5の壁面5bで押して枢支ピン6を支点に回動させ、床目地部4に隙間が生じることなく覆った状態を保つ。
なお、この回動目地プレート8の回動はカバー部11の隙間10分だけ回動することができる。
【0019】
地震により一方の建物2と他方の建物5の異なる前後方向の他方に揺れ動くと、図10に示すように回動目地プレート8の先端部側は回動目地プレート位置決め機構9の付勢スプリング21によって他方の建物5の壁面5b方向に付勢され、枢支ピン6を支点に回動して、その揺れ動きを床目地部4に隙間を生じさせることなく覆った状態を保つ。
なお、この回動目地プレート8の回動は、回動目地プレート8とカバー部11の重なっている寸法分だけ安全に移動できる。
【0020】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図11ないし図18に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図11ないし図15に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、先端部の底面に所定間隔で複数個のローラ26を取付けた回動目地プレート8Aと、先端部の底面に所定間隔で複数個のローラ26を取付けた目地プレート13Aと、この目地プレート13Aの上面からローラ26の接地面との間の目地プレート13Aの厚さ寸法分の脚部25Aの寸法としたカバープレート15Aを用いた点で、このような回動目地プレート8A、目地プレート13Aおよびカバープレート15Aを用いて構成した床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、回動目地プレート8Aおよび目地プレート13Aをよりスムーズに他方の建物5の床面5aをスライド移動させることができる。
【0022】
図16ないし図18に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、カバープレートを使用しないで床用目地装置1Bを構成した点で、このように構成した床用目地装置1Bにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0023】
なお、前記本発明を実施するための各形態では回動目地プレート位置決め機構として付勢スプリング21を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、他方の建物5の壁面5bの下部に沿ってガイドレールを固定し、該ガイドレールと係合する係合ピンを回動目地プレートの壁面5b側の先端部に取付けたものを用いても、同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明はアングル状の目地部を覆い、地震の前後左右方向の異なる揺れ動きを吸収することができる床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0025】
1、1A、1B:床用目地装置、2:一方の建物、
3:外壁、 4:アングル状の目地部、
5:他方の建物、 6:枢支ピン、
7:取付け具、 8、8A:回動目地プレート、
9:回動目地プレート位置決め機構、
10:隙間、 11:カバー部、
12:取付け具、 13、13A:目地プレート、
14:アンカーピン、 15、15A:カバープレート、
16:回動目地プレート本体、 17、18:切欠部、
19:アンカーピン、 20:軸受部材、
21:付勢スプリング、 22:目地プレート本体、
23:凹部、 24:カバープレート本体、
25、25A:脚部。
【技術分野】
【0001】
本発明は一方の建物のアングル状の外壁面とアングル状の目地部を介して他方の建物が設けられた部位の床目地部を、地震で一方の建物と他方の建物とが異なる方向に揺れ動いても、目地部に隙間が生じないように覆うことができる床用目地装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の床用目地装置は一方の建物と他方の建物との間の長方形状の目地部を覆う目地装置が実用化されているが、一方の建物の外壁面との間に目地部を介して他方の建物の床躯体が位置する部分のアングル状の目地部を覆う所に使用すると、一方の建物と他方の建物とが異なる左右方向に揺れ動く場合には、その揺れ動きを吸収して問題が生じないが、異なる前後方向に揺れ動くと、目地プレートが他方の建物の壁面と衝突して損傷するという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3122356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、一方の建物のアングル状の外壁面との間に目地部を介して他方の建物の床面が位置するアングル状の目地部を形成しなければならない所でも、地震で一方の建物と他方の建物が異なる前後左右方向に揺れ動いても、その揺れ動きを目地部に隙間が生じることなく確実に覆って安全に使用することができ、かつ構造が簡単で、楽で、安価に設置することができる床用目地装置を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は一方の建物のアングル状の外壁面とアングル状の目地部を介して他方の建物が設けられた部位において、前記一方の建物の目地部側の角部の外壁に後端寄りの一方の角部側が枢支ピンで枢支され、先端部および後端の他方の角部が前記他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された床目地部を覆う回動可能な回動目地プレートと、この回動目地プレートの先端部側の一側面を常時前記他方の建物の壁面に当接するように位置させる回動目地プレート位置決め機構と、前記回動目地プレートの後端部側の上面を覆い、かつ該回動目地プレートの回動を阻止しない隙間を有するように突出する突出カバー部を有する前記一方の建物の外壁に後端部が取付けられ、先端部が前記他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された、前記目地部を覆う目地プレートとで床用目地装置を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、一方の建物のアングル状の外壁面とアングル状の目地部を介して他方の建物が設けられた部位の床目地部を、回動目地プレートと目地プレートで覆っているので、地震で一方の建物と他方の建物が異なる前後左右方向に揺れ動いても、目地プレートのスライド移動および回動目地プレートのスライド移動と回動によって床目地部に隙間が生じることなく、その揺れ動きを吸収することができる。
したがって、安全に使用することができるとともに、回動目地プレートと目地プレートの損傷を効率よく阻止することができる。
(2)前記(1)により、回動目地プレートの枢支ピンを支点とした回動を目地プレートのカバー部内で行なえるので、段差が生じることなく、安全に使用することができる。
(3)前記(1)により、回動目地プレート位置決め機構によって、回動目地プレートの先端部の一側面を他方の建物の壁面に常時当接するように位置させているので、回動目地プレートの先端部の一側面と他方の建物の壁面との間に隙間が生じないので、安全に使用することができる。
(4)前記(1)により、目地プレートのカバー部内で回動目地プレートが回動できるように取付けることができるので、構造が簡単で、楽で、安価に設置することができる。
(5)請求項2も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、一方の建物と他方の建物が目地部の幅寸法分の異なる前後左右方向に揺れ動いても、その揺れ動きを確実に吸収することができる。
(6)請求項3も前記(1)〜(4)と同様な作用効果が得られるとともに、回動目地プレートおよび目地プレートの先端部側をL字状のカバープレートで覆っているので、より安全に使用することができるとともに、美観の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図2】図1の2−2線に沿う断面図。
【図3】図1の3−3線に沿う断面図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態の回動目地プレートの説明図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の目地プレートの説明図。
【図6】本発明を実施するための第1の形態のカバープレートの説明図。
【図7】地震により一方の建物と他方の建物が異なる左右方向に離れるように揺れ動く動作説明図。
【図8】地震により一方の建物と他方の建物が異なる左右方向に近づくように揺れ動く動作説明図。
【図9】地震により一方の建物と他方の建物の異なる前後方向の一方に揺れ動く説明図。
【図10】地震により一方の建物と他方の建物の異なる前後方向の他方に揺れ動く説明図。
【図11】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図12】図11の12−12線に沿う断面図。
【図13】図11の13−13線に沿う断面図。
【図14】本発明を実施するための第2の形態の回動目地プレートの説明図。
【図15】本発明を実施するための第2の形態の目地プレートの説明図。
【図16】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図17】図16の17−17線に沿う断面図。
【図18】図16の18−18線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0010】
図1ないし10図に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は一方の建物2のアングル状の外壁面3とアングル状の目地部4を介して他方の建物5が設けられた部位の床目地部4を覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記一方の建物2の目地部側の角部の外壁3に後端寄りの一方の角部側が枢支ピン6を用いた取付け具7で枢支され、先端部および後端の他方の角部が前記他方の建物5の目地部側床面5aにスライド移動可能に支持された床目地部4を覆う回動可能な回動目地プレート8と、この回動目地プレート8の先端部側の一側面を常時前記他方の建物5の壁面5bに当接するように位置させる回動目地プレート位置決め機構9と、前記回動目地プレート8の後端部側の上面を覆い、かつ該回動目地プレート8の回動を阻止しない隙間10を有するように突出するカバー部11を有する後端部が前記一方の建物2の外壁3に複数個のヒンジ部材を用いた取付け具12を介して取付けられ、先端部が前記他方の建物5の目地部側床面5aにスライド移動可能に支持された前記床目地部4を覆う目地プレート13と、この目地プレート13の先端部および前記回動目地プレート8の先端部側を覆う、前記他方の建物5の床面5aに複数本のアンカーピン14で固定されたL字状のカバープレート15とで構成されている。
【0011】
前記回動目地プレート8は図4に示すように、先端部が前記他方の建物5の床面5aをスライド移動できる方形状で、前記床目地部4の幅寸法Lの約2倍の幅寸法の回動目地プレート本体16と、この回動目地プレート本体16の壁面3、5a側に位置する後端部と先端部に、該回動目地プレート本体16の回動を阻止しないように形成した切欠部17、18とで構成されている。
【0012】
前記回動目地プレート8の取付け具7は前記回動目地プレート本体16の後端部寄りの外壁3側に固定された皿ビス状の枢支ピン6と、この枢支ピン6を回動可能に支持する前記一方の建物2の目地部側の角部の外壁3に複数本のアンカーピン19で固定された筒状の軸受部材20とで構成されている。
【0013】
前記回動目地プレート位置決め機構9は一端部が前記回動目地プレート8のほぼ中央底面に取付けられ、他端部が前記他方の建物5の該回動目地プレート8と離れている部分の壁面5bに取付けられた付勢スプリング21とで構成されている。
【0014】
前記目地プレート13は図5に示すように、前記床目地部の幅寸法Lの約2倍の幅寸法で、前記他方の建物5の床面5aをスライド移動できる目地プレート本体22と、この目地プレート本体22の一端部より下部に凹部23を有するように突出させたカバー部11とで構成されている。
【0015】
前記カバープレート15は図6に示すように、L字状に形成されたカバープレート本体24と、このカバープレート本体24の外側の底面に下方へ突出するように形成された前記目地プレート13の厚さ分の脚部25とで構成されている。
【0016】
上記構成の床用目地装置1は地震で一方の建物2と他方の建物5が異なる左右方向に離れるように揺れ動くと、図7に示すように目地プレート13および回動目地プレート8は一方の建物2と一体になって移動し、先端部側は他方の建物5の床面5aおよびカバープレート15内をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0017】
地震で一方の建物2と他方の建物5が異なる左右方向に近づくように揺れ動くと、図8に示すように目地プレート13および回動目地プレート8は一方の建物2と一体になって移動し、先端部側は他方の建物5の床面5aおよびカバープレート15内をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
【0018】
地震により一方の建物2と他方の建物5の異なる前後方向の一方に揺れ動くと、図9に示すように回動目地プレート8を他方の建物5の壁面5bで押して枢支ピン6を支点に回動させ、床目地部4に隙間が生じることなく覆った状態を保つ。
なお、この回動目地プレート8の回動はカバー部11の隙間10分だけ回動することができる。
【0019】
地震により一方の建物2と他方の建物5の異なる前後方向の他方に揺れ動くと、図10に示すように回動目地プレート8の先端部側は回動目地プレート位置決め機構9の付勢スプリング21によって他方の建物5の壁面5b方向に付勢され、枢支ピン6を支点に回動して、その揺れ動きを床目地部4に隙間を生じさせることなく覆った状態を保つ。
なお、この回動目地プレート8の回動は、回動目地プレート8とカバー部11の重なっている寸法分だけ安全に移動できる。
【0020】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図11ないし図18に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
図11ないし図15に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、先端部の底面に所定間隔で複数個のローラ26を取付けた回動目地プレート8Aと、先端部の底面に所定間隔で複数個のローラ26を取付けた目地プレート13Aと、この目地プレート13Aの上面からローラ26の接地面との間の目地プレート13Aの厚さ寸法分の脚部25Aの寸法としたカバープレート15Aを用いた点で、このような回動目地プレート8A、目地プレート13Aおよびカバープレート15Aを用いて構成した床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、回動目地プレート8Aおよび目地プレート13Aをよりスムーズに他方の建物5の床面5aをスライド移動させることができる。
【0022】
図16ないし図18に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、カバープレートを使用しないで床用目地装置1Bを構成した点で、このように構成した床用目地装置1Bにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0023】
なお、前記本発明を実施するための各形態では回動目地プレート位置決め機構として付勢スプリング21を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限らず、他方の建物5の壁面5bの下部に沿ってガイドレールを固定し、該ガイドレールと係合する係合ピンを回動目地プレートの壁面5b側の先端部に取付けたものを用いても、同様な作用効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明はアングル状の目地部を覆い、地震の前後左右方向の異なる揺れ動きを吸収することができる床用目地装置を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0025】
1、1A、1B:床用目地装置、2:一方の建物、
3:外壁、 4:アングル状の目地部、
5:他方の建物、 6:枢支ピン、
7:取付け具、 8、8A:回動目地プレート、
9:回動目地プレート位置決め機構、
10:隙間、 11:カバー部、
12:取付け具、 13、13A:目地プレート、
14:アンカーピン、 15、15A:カバープレート、
16:回動目地プレート本体、 17、18:切欠部、
19:アンカーピン、 20:軸受部材、
21:付勢スプリング、 22:目地プレート本体、
23:凹部、 24:カバープレート本体、
25、25A:脚部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の建物のアングル状の外壁面とアングル状の目地部を介して他方の建物が設けられた部位において、前記一方の建物の目地部側の角部の外壁に後端寄りの一方の角部側が枢支ピンで枢支され、先端部および後端の他方の角部が前記他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された床目地部を覆う回動可能な回動目地プレートと、この回動目地プレートの先端部側の一側面を常時前記他方の建物の壁面に当接するように位置させる回動目地プレート位置決め機構と、前記回動目地プレートの後端部側の上面を覆い、かつ該回動目地プレートの回動を阻止しない隙間を有するように突出する突出カバー部を有する前記一方の建物の外壁に後端部が取付けられ、先端部が前記他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された、前記目地部を覆う目地プレートとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項2】
回動目地プレートおよび目地プレートは目地部の幅寸法の2倍の幅寸法に形成されたものが用いられていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【請求項3】
回動目地プレートの先端部側および目地プレートの先端部側は他方の建物の床面に固定されたL字状のカバープレートで、該回動目地プレートおよび目地プレートの移動が可能に覆われていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【請求項1】
一方の建物のアングル状の外壁面とアングル状の目地部を介して他方の建物が設けられた部位において、前記一方の建物の目地部側の角部の外壁に後端寄りの一方の角部側が枢支ピンで枢支され、先端部および後端の他方の角部が前記他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された床目地部を覆う回動可能な回動目地プレートと、この回動目地プレートの先端部側の一側面を常時前記他方の建物の壁面に当接するように位置させる回動目地プレート位置決め機構と、前記回動目地プレートの後端部側の上面を覆い、かつ該回動目地プレートの回動を阻止しない隙間を有するように突出する突出カバー部を有する前記一方の建物の外壁に後端部が取付けられ、先端部が前記他方の建物の目地部側床面にスライド移動可能に支持された、前記目地部を覆う目地プレートとからなることを特徴とする床用目地装置。
【請求項2】
回動目地プレートおよび目地プレートは目地部の幅寸法の2倍の幅寸法に形成されたものが用いられていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【請求項3】
回動目地プレートの先端部側および目地プレートの先端部側は他方の建物の床面に固定されたL字状のカバープレートで、該回動目地プレートおよび目地プレートの移動が可能に覆われていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−246615(P2012−246615A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116842(P2011−116842)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000110365)ドーエイ外装有限会社 (152)
【Fターム(参考)】
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