店内サーバ、店外サーバ、及び注文処理方法
【課題】商品の提供時刻が異なる店内外からの注文情報を効率よく情報処理すること。
【解決手段】注文システム1は、店舗内に設けられた店内ネットワーク10と店外ネットワーク11が接続されて構成されている。注文サーバ9は、ネットワーク上で注文サイトを運営しており、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの顧客端末12を介して顧客から注文を受ける。店外の顧客からの注文には配達時刻が指定されている。注文サーバ9は、顧客から受けた注文を注文コントローラ3に送信する。注文コントローラ3は、携帯注文装置7から店内の注文を受けると共に注文サーバ9から店外の注文を受ける。注文コントローラ3は、店内の注文に関しては受注後速やかに厨房プリンタ4に調理指示を出力させ、店外の注文に関しては配達時刻から調理と配達に要する時間だけ前に厨房プリンタ4に調理指示を出力させる。
【解決手段】注文システム1は、店舗内に設けられた店内ネットワーク10と店外ネットワーク11が接続されて構成されている。注文サーバ9は、ネットワーク上で注文サイトを運営しており、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの顧客端末12を介して顧客から注文を受ける。店外の顧客からの注文には配達時刻が指定されている。注文サーバ9は、顧客から受けた注文を注文コントローラ3に送信する。注文コントローラ3は、携帯注文装置7から店内の注文を受けると共に注文サーバ9から店外の注文を受ける。注文コントローラ3は、店内の注文に関しては受注後速やかに厨房プリンタ4に調理指示を出力させ、店外の注文に関しては配達時刻から調理と配達に要する時間だけ前に厨房プリンタ4に調理指示を出力させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店内サーバ、店外サーバ、及び注文処理方法に関し、例えば、飲食店の注文システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、注文システムを導入する飲食店が増えている。注文システムは、コンピュータシステムを用いて発注の迅速化と注文管理を行うものである。
図11は、従来の注文システムのネットワーク構成の一例を示したブロック図である。この注文システムは飲食店の店内に設置されている。
図に示したように、注文システムは、中継器2によってネットワーク接続された注文コントローラ3、会計装置5、マルチディスプレイ8、無線通信機6と、無線通信機6を介してネットワークに接続される厨房プリンタ4、携帯注文装置7、7、・・・などから構成されている。
【0003】
給仕担当者は、携帯注文装置7を携帯し、顧客のテーブルに赴いて注文を受ける。給仕担当者は注文を受けると、これを携帯注文装置7に入力し、無線通信機6を介して注文コントローラ3に無線送信する。
注文コントローラ3は、携帯注文装置7から注文を受信すると、厨房プリンタ4に調理伝票を印刷させる。
調理伝票には、商品名や個数などが印刷されており、厨房の調理担当者は、調理伝票に従って調理を行う。
調理担当者は、調理が完了した場合、厨房プリンタ4の入力装置を用いて調理完了を注文コントローラ3に通知する。
また、注文コントローラ3は、厨房プリンタ4に調理伝票を印刷させる際に顧客伝票も印刷させる。顧客伝票には、伝票番号、商品の明細、代金などが印刷されており、給仕担当者によって商品と共に顧客に届けられる。
【0004】
顧客は、食事が終了すると、顧客伝票を会計装置5に持参し、会計担当者が会計処理を行う。会計が完了すると、会計担当者が会計装置5の入力装置を用いて会計完了を注文コントローラ3に通知する。
このようにして、注文コントローラ3は、注文の受け付け、調理指示、調理完了の確認、及び会計完了の確認などの一連の情報処理を行う。
【0005】
注文システムはこのような店内向けのものが一般的であるが、最近では、次の特許文献
1の飲食物受注システムのように、店外からの出前の注文に対応したものも提案されている。
この技術は、受注センタが顧客からの注文を受け、顧客住所近傍の集配センタに転送するものである。これによって、顧客は最寄りの集配センタから飲食物の宅配を受けることができる。
【特許文献1】特開2002−269204公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、店内での注文は商品の迅速な提供が求められ、一方、店外からの出前注文の場合は配達時刻が顧客から指定される。
食材や人的な資源には限りがあり、例えば、店外からの注文に対しては予め食材やスタッフを確保しておくなど、時間的に取り扱いの異なる店内外の注文の処理を如何に調和させるかということは重要な課題であった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、商品の提供時刻が異なる店内外からの注文情報を効率よく情報処理することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するために、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店内サーバであって、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバから、店外の注文情報を受信して記憶する店外注文情報受信記憶手段と、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受信して記憶する店内注文情報受信記憶手段と、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻で、店内の注文情報に関しては店内端末から受け付けた時刻に基づく時刻で、前記記憶した注文情報で指定される作業指示情報を作業指示装置に出力する作業指示情報出力手段と、を具備したことを特徴とする店内サーバを提供する(第1の構成)。
第1の構成において、予め設定された時間帯ごとの商品提供能力を記憶する提供能力記憶手段と、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時間帯の前記記憶した商品提供能力を当該注文情報に基づいて更新し、店内の注文情報に関しては注文を受け付けた時刻に基づく時間帯の前記記憶した商品提供能力を当該注文情報に基づいて調整する提供能力調整手段と、前記商品提供能力の調整によって商品提供能力が所定値を下回った時間帯があった場合に、前記店外サーバと前記店内端末に対して当該時間帯での当該商品の注文受け付けの制限を指示する制限情報を送信する制限情報送信手段と、を具備するように構成することもできる(第2の構成)。
第1の構成、又は第2の構成において、商品と当該商品を供給するために使用する材料の在庫数量を記憶した在庫記憶手段と、商品提供能力が所定値を下回った商品の材料を特定する材料特定手段と、前記特定した材料の発注を指示する発注指示手段と、を具備するように構成することもできる(第3の構成)。
また、本発明は、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店内サーバで用いる方法であって、前記店内サーバは、店外注文情報受信記憶手段と、店内注文情報受信記憶手段と、作業指示情報出力手段と、を備え、前記店外注文情報受信記憶手段によって、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバから、店外の注文情報を受信して記憶する店外注文情報受信記憶ステップと、前記店内注文情報受信記憶手段によって、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受信して記憶する店内注文情報受信記憶ステップと、前記作業指示情報出力手段によって、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻で、店内の注文情報に関しては店内端末から受け付けた時刻に基づく時刻で、前記記憶した注文情報で指定される作業指示情報を作業指示装置に出力する作業指示情報出力ステップと、から構成されたことを特徴とする注文処理方法を提供する(第4の構成)。
また、本発明は、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店外サーバであって、前記顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む注文情報を受信する注文情報受信手段と、前記受信した注文情報を前記店内サーバに送信する注文情報送信手段と、前記店内サーバから商品の注文受け付けの制限を指示するための制限情報を受信する制限情報受信手段と、前記受信した制限情報に基づいて前記顧客端末からの商品の注文を制限する注文制限手段と、を具備したことを特徴とする店外サーバを提供する(第5の構成)。
更に、本発明は、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店外サーバであって、前記店外サーバは、注文情報受信手段と、注文情報送信手段と、制限情報受信手段と、注文制限手段と、を備え、前記注文情報受信手段によって、前記顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む注文情報を受信する注文情報受信ステップと、前記注文情報送信手段によって、前記受信した注文情報を前記店内サーバに送信する注文情報送信ステップと、前記制限情報受信手段によって、前記店内サーバから商品の注文受け付けの制限を指示するための制限情報を受信する制限情報受信ステップと、前記注文制限手段によって、前記受信した制限情報に基づいて前記顧客端末からの商品の注文を制限する注文制限ステップと、から構成されたことを特徴とする注文処理方法を提供する(第6の構成)。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、店内外の注文の時刻管理を行うことにより、商品の提供時刻が異なる店内外からの注文情報を効率よく情報処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)実施の形態の概要
注文システム1(図1)は、店舗内に設けられた店内ネットワーク10と店外ネットワーク11が接続されて構成されている。注文サーバ9は、ネットワーク上で注文サイトを運営しており、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの顧客端末12を介して顧客から注文を受ける。店外の顧客からの注文には配達時刻が指定されている。注文サーバ9は、顧客から受けた注文を注文コントローラ3に送信する。注文コントローラ3は、携帯注文装置7から店内の注文を受けると共に注文サーバ9から店外の注文を受ける。注文コントローラ3は、店内の注文に関しては受注後速やかに厨房プリンタ4に調理指示を出力させ、店外の注文に関しては配達時刻から調理と配達に要する時間だけ前に厨房プリンタ4に調理指示を出力させる。調理担当者は、店内外の注文の別を意識せずに厨房プリンタ4から出力された調理指示に従って調理を行えばよい。また、注文コントローラ3は、調理・配達に要する人的資源や食材を時間帯ごとに管理しており、注文の制限や食材の発注指示を行う。
【0011】
(2)実施の形態の詳細
図1は、本実施の形態に係る注文システムのネットワーク構成の一例を示したブロック図である。
注文システム1は、例えば、レストラン、ファーストフード店、健康ランドなどの飲食店に設置されており、店内の顧客からの注文を受け付けると共に、店外の顧客からの出前注文も受け付ける。
注文システム1は、大別して、店内に設置された店内ネットワーク10と、店外に設置された店外ネットワーク11から構成されている。
【0012】
店内ネットワーク10は、注文コントローラ3、厨房プリンタ4、会計装置5、無線通信機6、マルチディスプレイ8、携帯注文装置7、7、・・・(以下、携帯注文装置7)、及び中継器2などが接続可能に配設されて構成されている。
これらのうち、注文コントローラ3、会計装置5、無線通信機6、マルチディスプレイ8は、通信ケーブルによって中継器2に接続されており、注文コントローラ3は、中継器2(ハブなど)を介して、マルチディスプレイ8、会計装置5、無線通信機6と有線通信を行う。
【0013】
厨房プリンタ4と携帯注文装置7は、無線通信機6と無線通信を行う無線通信機能を備えており、注文コントローラ3は、無線通信機6を介して厨房プリンタ4及び携帯注文装置7と通信を行うことができる。
なお、本実施の形態では、厨房プリンタ4と携帯注文装置7を無線通信にて店内ネットワーク10に接続したが、これは携帯注文装置7の携帯性や厨房プリンタ4の設置箇所の自由度を高めるためであり、中継器2と有線接続して注文コントローラ3と通信するように構成することもできる。
同様に、マルチディスプレイ8、会計装置5、無線通信機6が無線通信機6を介して注文コントローラ3と無線通信するように構成することもできる。
【0014】
店外ネットワーク11は、注文サーバ9、顧客端末12、12、・・・(以下、単に顧客端末12と記す)などが接続可能に配設されて構成されている。
店外ネットワーク11では、例えば、インターネットや、LAN(Local Area Network)、専用回線、あるいはこれらの組み合わせなどによって構築されたネットワークを介して注文サーバ9が顧客端末12と通信できるようになっている。
また、店外ネットワーク11は、中継器2を介して店内ネットワーク10に接続されており、注文コントローラ3は、中継器2を介して注文サーバ9と通信することができるようになっている。
【0015】
次に、注文システム1を構成する各構成要素の機能について説明する。
注文コントローラ3は、注文システム1で中心的な機能を果たすサーバ装置であって、店内外からの顧客から注文を受け付け、注文商品の調理指示、調理完了確認、会計完了確認など、注文管理に関する一連の情報処理を行う。
店外の注文(以下、店外注文)に関しては、注文サーバ9が顧客端末12からの注文の受け付けを代行し、注文コントローラ3は注文サーバ9から注文情報を受信する。
店内の注文(以下、店内注文)に関しては、注文コントローラ3は携帯注文装置7から注文情報を受信する。
【0016】
一般に、店外注文は、例えば、「カレーライスを2つ」などと品名と数量のほかに例えば、「2時に配達してください」などと、時刻指定(出前の時間指定)がなされる場合が一般的であり、一方、店内からの注文は、注文後に速やかに商品を提供することが求められる。
そのため、注文コントローラ3は、店内注文に関しては速やかに調理指示を行い、店外注文に関しては、顧客の時刻指定に対して所定時間(調理・配達の時間を見込んだ時間)だけ前の時刻に調理指示を行うというように、注文で要求されている商品の提供時刻に基づいて調理担当者に調理指示を行う。
【0017】
また、店外注文の場合は配達時刻が指定されるため、その時刻の注文を執行するために予め食材や配達担当者を確保しておく必要がある。また、店内注文の場合には、店外注文のために確保されている食材を除いた範囲で注文を受ける必要がある。
そのため、注文コントローラ3は、後述するように、食材の在庫や配達担当者のスケジュールを時間帯に区分して時間帯ごとに注文の可能数量を管理している。
【0018】
厨房プリンタ4は、例えば、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどの印刷機能部を備えており、注文コントローラ3からの指示に基づいて調理伝票や顧客伝票などを印刷する。
調理伝票には、伝票番号、商品名と数量、また、「トマト抜き」などの付属情報などが印刷される。
伝票番号は、顧客の会計単位(家族連れなら家族など会計を一緒に行う単位)に対して一意に発行されたID情報であり、注文の受け付けから会計の完了まで、個々の注文は伝票番号によって管理される。
調理担当者は、厨房プリンタ4から調理伝票が出力されると、これに基づいて調理を行う。
店内注文と店外注文の時間調整は注文コントローラ3が行うため、調理担当者は店内外の注文の時間調整を意識せずに厨房プリンタ4から出力された調理伝票に従って調理を行えばよい。
また、顧客伝票は、調理伝票が印刷される際に共に印刷され、給仕担当者によって商品と共に顧客に届けられて会計の際に使用される。
【0019】
厨房プリンタ4は、操作パネルを備えており、調理担当者が商品の調理を完了した際に、操作パネルを操作して、厨房プリンタ4に当該商品の調理の完了を入力するようになっている。
厨房プリンタ4は、当該商品の調理の完了が入力されると、これを注文コントローラ3に通知する。これによって、注文コントローラ3は、当該商品の調理が完了したことを認識することができる。
【0020】
会計装置5は、顧客が会計時に持参した顧客伝票を用いて精算処理を行う端末装置である。
会計装置5は、会計担当者からの伝票番号の入力を受け付けて注文コントローラ3に送信する。そして、会計装置5は、会計担当者から精算が終了した商品の入力を受け付け、注文コントローラ3に送信する。
そして、注文コントローラ3は、注文商品の会計が完了したことを記録する。
【0021】
携帯注文装置7は、給仕担当者が顧客からの注文を受け付けるための携帯端末装置(ハンディターミナル)であり、テーブル番号、商品、個数などの注文情報を入力することができる。
携帯注文装置7は、注文情報を注文コントローラ3に送信し、これによって注文コントローラ3に注文が登録される。
携帯注文装置7は、注文コントローラ3と通信し、商品ごとの提供能力を更新する。商品の提供能力とは、例えば、食材の在庫などの関係により、カレーライスは10個提供でき、天丼は20個提供できるなど、飲食店側が顧客に商品を提供できる能力のことである。提供能力を使い果たした商品がある場合、携帯注文装置7はその商品は品切れとし、顧客からの注文を受け付けないように受注を制限する。
【0022】
マルチディスプレイ8は、例えば、タッチパネルを備えており、担当者が注文コントローラ3にアクセスして現在の注文状況を表示したり、注文の追加・変更・取消処理を行うための端末である。
【0023】
注文サーバ9は、店外の顧客から出前などの店外注文を受け付けるサーバ装置である。
注文サーバ9は、注文コントローラ3と同様の商品マスタを記憶しており、これを用いてメニューを注文サイト(注文を受けるウェブサイト)で表示する。
注文サイトでは、メニューの一覧が表示され、顧客が商品と個数、及び配達時刻を指定できるようになっている。
注文サーバ9は、注文サイトにて顧客端末12から注文を受け付け、注文コントローラ3に送信する。
【0024】
また、注文サーバ9は、注文コントローラ3から商品ごとに時間帯ごとの提供能力を受け、これを注文サイトに反映する。
そして、顧客が提供能力を超えた注文を行おうとした場合、例えば、「その時間帯はカツ丼は2個まで提供できます。」などと表示し、顧客の注文を制限する。
注文サーバ9は、予め顧客マスタを記憶しており、発注の際にパスワードで顧客を認証するようになっている。顧客を認証することにより、例えば、いたずらや間違いによる注文を抑制することができる。
【0025】
顧客端末12は、例えば、携帯電話やパーソナルコンピュータなどのブラウザを備えた端末装置で構成されており、注文サーバ9の注文サイトにアクセスして商品の注文を行うのに用いられる。
【0026】
次に、図2を用いて注文コントローラ3のハードウェア的な構成の一例について説明する。
注文コントローラ3は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)24、通信制御部23、記憶装置25などがバスラインで接続して構成されている。
【0027】
CPU21は、中央処理装置であって、ROM22、RAM24、記憶装置25などに記憶されたプログラムに従って動作し、各種の演算処理や注文コントローラ3の制御を行う。
ROM22は、読み出し専用の記憶装置であって、注文コントローラ3が動作する上で基本となるプログラムやパラメータなどを記憶している。
RAM24は、読み書き可能な記憶装置であって、注文サーバ9や携帯注文装置7からの注文情報の受け付けや、厨房プリンタ4への調理指示、厨房プリンタ4からの調理完了の受け付け、会計装置5からの会計完了の受け付けなどの情報処理をCPU21が行うためのワーキングエリアを提供する。
【0028】
通信制御部23は、注文コントローラ3と店内ネットワーク10を接続するための接続装置である。
記憶装置25は、例えば、ハードディスクや半導体記憶装置などで構成された大容量の記憶装置である。記憶装置25には、各種プログラムを格納するプログラム格納部26と、各種データを格納するデータ格納部27が形成されている。
【0029】
プログラム格納部26には、注文コントローラ3を動作させるための基本的なプログラムであるOS(Operating System)や注文処理プログラムなどが格納されている。
CPU21は、注文処理プログラムを実行することにより、注文サーバ9とのデータの同期(後述)、注文サーバ9や携帯注文装置7からの注文情報の受け付け、厨房プリンタ4への調理指示、厨房プリンタ4からの調理完了の受け付け、会計装置5からの会計完了の受け付けなどを行う機能を発揮することができる。
データ格納部27には、CPU21が一連の注文処理を行うための各種のデータ(後述)が記憶されている。
【0030】
以上、注文コントローラ3のハードウェア的な構成について説明したが、マルチディスプレイ8、会計装置5、携帯注文装置7、注文サーバ9、顧客端末12なども基本的に同様に構成されている。
【0031】
次に、図3の各図を用いて、注文サーバ9が記憶しているデータベースについて説明する。
このデータベースは、例えば、ハードディスクなど、注文サーバ9が備えた大容量の記憶装置に記憶されているものであり、顧客マスタ、商品店外マスタ、調理能力店外データ、配達能力店外データ、注文店外データなどの各種データが関連づけられたリレーショナルデータベースにより構成されている。
なお、本実施の形態では、注文サーバ9と注文コントローラ3の両方に調理能力データなどが記憶されているため、注文サーバ9の調理能力データを調理能力店外データ、注文コントローラ3の調理能力データを調理能力店内データなどと呼んで区別することにする。
【0032】
図3(a)は、顧客マスタの論理的な構成の一例を示した図である。注文サーバ9は、予め顧客マスタに登録してある顧客からの注文を受け付ける。
顧客マスタは、「顧客ID」、「パスワード」、「氏名」、「住所」、「電話番号」、・・・などの項目から構成されている。
「顧客ID」は、各顧客に対して一意的に付与されたID情報である。「パスワード」は、顧客が顧客認証を行うためのパスワードである。注文サーバ9は、顧客が入力したパスワードが登録してあるパスワードと一致することにより顧客を認証する。
「氏名」、「住所」、「電話番号」は、それぞれ顧客が登録した氏名、住所、電話番号である。
【0033】
図3(b)は、商品店外マスタの論理的な構成の一例を示した図である。
商品店外マスタは、注文コントローラ3で注文可能な商品に関する情報が記憶されており、「商品ID」、「商品名」、「分類」、「商品画像」、・・・などの項目から構成されている。
【0034】
「商品ID」は、各商品に一意に付与されたID情報である。
「商品名」は、例えば、「ハンバーグ定食」、「ドリア」、「カレーライス」などの商品の名称である。この名称は、注文サイトで商品名を表示するのに用いられる。
「分類」は、例えば、「ハンバーグ系」、「シチュー系」、「パスタ系」、「カレー系」など、商品の種類による区分である。
「商品画像」は、商品の画像データであり、注文サイトで顧客に商品の画像を提示するのに用いられる。
【0035】
図3(c)は、調理能力店外データの論理的な構成の一例を示した図である。
調理能力店外データは、商品の調理能力を規定する情報を記憶したデータベースであり、この調理能力と次に説明する配達能力により、顧客に商品を提供する提供能力が規定される。
即ち、顧客には、調理能力の範囲内かつ配達能力の範囲内で商品を提供することができるため、これらの2つの能力により提供能力が規定されるのである。
【0036】
調理能力店外データは、「分類」と「時間帯」などから構成されている。「分類」は、商品店外マスタの「分類」に対応しており、「シチュー系」、「ハンバーグ系」などとなっている。
「時間帯」は、「00時」、「01時」〜「23時」などと、1日を1時間ごとの時間帯に区分している。なお、「00時」は、00時から01時までの時間帯を示しており、他の時間帯も同様である。
このように構成された調理能力店外データは、商品の区分ごとに、1時間ごとの提供可能数量を規定している。図の例では、「ハンバーグ系」の商品の00時から01時までの提供可能数量は10個となっている。
なお、注文コントローラ3にも同様の調理能力店内データが記憶されており、提供可能数量の管理は注文コントローラ3が行っている。
そして、両者の提供可能数量が同一となるように注文サーバ9と注文コントローラ3の間で同期処理が行われる。
【0037】
図3(d)は、配達能力店外データの論理的な構成の一例を示した図である。
配達能力店外データベースは、配達担当者の配達可能回数を時間帯ごとに記憶したものである。
配達能力店外データの時間帯は調理能力店外データの時間帯に対応させてあり、「00時」、「01時」〜「23時」などと、1日を1時間ごとの時間帯に区分している。これによって、提供能力の計算を簡単にすることができる。
【0038】
図の例では、00時から01時までの配達回数は5回に設定されている。即ち、この時間帯では、5回まで配達を行うことができる。
なお、注文コントローラ3にも同様の配達能力店内データが記憶されており、配達可能数の管理は注文コントローラ3が行っている。
そして、両者の配達可能数が同一となるように注文サーバ9と注文コントローラ3の間で同期処理が行われる。
【0039】
図3(e)は、注文店外データの論理的な構成の一例を示した図である。
注文サーバ9は、顧客端末12から注文を受けると、注文内容を注文店外データに記憶し、これを所定のタイミングで注文コントローラ3に送信する。
注文店外データは、「顧客ID」、「商品ID」、「個数」、「配達時刻」、「配達先」、・・・などの項目から構成されている。
「顧客ID」は、注文を行った顧客の顧客IDである。
「商品ID」は、顧客が注文した商品の商品IDであり、「個数」はその個数である。
「配達時刻」は、顧客が指定した配達時刻であり、「配達先」は顧客が指定した配達先である。
【0040】
次に、図4(a)〜(e)の各図を用いて、注文コントローラ3が記憶しているデータベースについて説明する。
このデータベースは、データ格納部27(図2)に記憶されており、商品店内マスタ、食材能力データ、調理能力店内データ、配達能力店内データ、注文店内データなど各種のデータが関連づけられたリレーショナルデータベースにより構成されている。
【0041】
図4(a)は、商品店内マスタの論理的な構成の一例を示した図である。
商品店内マスタは、図3(b)の商品店外マスタと同じ項目に加えて項目「使用食材」を備えている。
「使用食材」は、当該商品で使用する食材を一覧にしたデータである。この項目によって商品と食材が対応づけられる。
図の商品ID「001」の「ハンバーグ定食」の場合、1つにつき食材Aが2単位、食材Bが1単位、・・・など消費される。単位は、例えば、牛肉の場合はグラム数、タマネギの場合は個数など、食材に応じて適当に決められている。
【0042】
図4(b)は、食材能力データの論理的な構成の一例を示した図である。
食材能力データは、各時間帯ごとに、使用可能な各食材の在庫数量を記憶したものである。時間帯は、00時から1時間単位で設定され、図3(c)の調理能力店外データなどと同じになっている。
図の例では、食材Aの場合、00時から01時までは50単位、食材Bの場合、00時から01時までは40単位などとなっている。
【0043】
これらの食材は、商品の注文があると、商品店内マスタの「使用食材」に対応する食材が注文数量分だけ注文コントローラ3によって減算される。なお、店内注文の場合は注文があった時間帯の食材が減算され、店外注文の場合は商品を調理する時間帯の食材が減算される。
また、食材の入荷があった場合は、担当者によってマルチディスプレイ8などから入力される。
【0044】
図4(c)は、調理能力店内データの論理的な構成の一例を示した図である。
調理能力店内データは、図3(c)に示した調理能力店外データと同等の構成となっている。
図4(d)は、配達能力店内データの論理的な構成の一例を示した図である。
配達能力店内データは、図3(d)に示した配達能力店外データと同等の構成となっている。
【0045】
図4(e)は、注文店内データの論理的な構成の一例を示した図である。
注文店内データは、顧客からの注文を記憶しており、「伝票番号」、「店内」、「店外」などの項目から構成されている。
「伝票番号」は、注文コントローラ3によって会計単位となる注文ごとに一意に付与されたID情報である。伝票番号によって各注文を識別して管理することができ、調理伝票、顧客伝票などに印刷される。伝票番号は、店内注文、店外注文を問わず、受け付けた順序で通し番号が付与される。
【0046】
項目「店内」は、店内注文による注文情報を記憶しており、「テーブル番号」、「商品ID」、・・・などの項目から構成されている。
「テーブル番号」は、注文がなされたテーブルのID情報である。注文の商品はテーブル番号で特定されるテーブルに対して配膳される。
「商品ID」は、顧客から注文された商品の商品IDである。図示しないが、「項目」はこのほかに、商品の個数や人数などの情報も含まれている。
【0047】
項目「店外」は、店外注文による注文情報を記憶しており、「顧客ID」、「商品ID」、「個数」、「配達時刻」、「配達先」、・・・などの項目から構成されている。
項目「店外」の各項目は、注文コントローラ3が注文サーバ9から図3(e)の注文店外データを受信して記憶したものである。
【0048】
次に、図5のフローチャートを用いて、注文コントローラ3と注文サーバ9が、データベースを同期させる手順について説明する。
まず、注文コントローラ3は、所定のタイミングで、注文サーバ9に接続し、注文店外データの送信を要求する(ステップ5)。
このタイミングは、例えば、5分おきなど、所定の時間間隔ごとに行うようになっている。
【0049】
注文サーバ9は、注文コントローラ3から注文店外データの要求を受けると、注文店外データを参照し、前回送信したものを除いた差分を注文コントローラ3に送信する(ステップ10)。
注文コントローラ3は、注文サーバ9から注文データを受信し、これに伝票番号を付与して注文店内データの項目「店外」に登録して、注文店内データを更新する(ステップ15)。
【0050】
次に、注文コントローラ3は、店外注文の商品ID、個数、及び配達時刻などを参照し、次の要領で調理能力店内データを更新する(ステップ20)。
まず、注文コントローラ3は、商品IDの該当する分類(例えば、シチュー系)を商品店内マスタを用いて特定する。
次に、注文コントローラ3は、配達時刻に対応する調理能力の時間帯を特定する。これは、配達時刻に商品を配達するために調理を行う時間帯であって、例えば、配達時刻の20分前が含まれる時間帯である。
次に、注文コントローラ3は、調理能力店内データにおいて、当該分類の当該時間帯における能力を商品個数分だけ減算して調整する。
【0051】
次に、注文コントローラ3は、店外注文に係る商品を調理するための食材と数量を商品店内マスタを参照して算出し(例えば、ハンバーグ定食であれば図4(a)から食材Aを2単位使用し、食材Bを1単位使用する)、食材能力データのうち調理時刻(例えば、配達時刻の所定時間前、通常20分程度)が属する時間帯から、それぞれ使用する食材を使用する数量だけ減算して更新する(ステップ23)。
以上のようにして、調理能力店内データと食材能力データが更新される。
【0052】
次に、注文コントローラ3は、店外注文の配達時刻を参照し、当該配達時刻が含まれる時間帯の配達回数を1回減算することにより配達能力店内データを調整して更新する(ステップ25)。
次に、注文コントローラ3は、調理能力店内データと配達能力店内データで更新によって変化した差分を更新データとして注文サーバ9に送信する(ステップ30)。
【0053】
注文サーバ9は、注文コントローラ3から更新データを受信し、これを用いて調理能力店外データを更新し(ステップ35)、更に配達能力店外データを更新する(ステップ40)。
以上の処理によって、所定時間ごとに、調理能力店内データと調理能力店外データが同じ内容となるように同期され、また、配達能力店内データと配達能力店外データとが同じ内容となるように同期される。
【0054】
なお、本実施の形態では、所定時間ごとに注文コントローラ3と注文サーバ9のデータベースを同期させたが、同期させるタイミングはこれに限定するものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、注文サーバ9は、顧客から注文を受けて注文店外データを更新する度に注文コントローラ3にアクセスしてデータベースの同期を要求し、更に、注文コントローラ3も店内注文によってデータベースを更新する度に注文サーバ9にデータベースの更新を要求するように構成することもできる。
【0055】
次に、図6のフローチャートを用いて、注文サーバ9が顧客端末12から注文を受け付ける手順について説明する。
まず、顧客端末12がブラウザなどによって注文サーバ9の注文サイトに接続する(ステップ50)。
注文サーバ9は、顧客端末12と接続すると、配達時刻の指定と顧客IDの入力を行う配達時刻画面を顧客端末12で表示するための配達時刻画面データを顧客端末12に送信する(ステップ55)。
【0056】
この際に、注文サーバ9は、配達能力店外データを参照し、配達回数が1回以上に設定されている時間帯を顧客が指定できるように配達時刻画面データを構成する。
また、例えば、「2時から3時までは配達できません」などと、配達回数が0回に設定されている時間帯を表示し、顧客に注意を促すこともできる。
このようにして、配達時刻画面では、配達が可能な時間帯の範囲内で顧客が配達時刻を指定できるようになっている。
【0057】
顧客端末12は、注文サーバ9から配達時刻画面データを受信すると、これを用いて配達時刻画面を表示する。
顧客は、顧客IDを入力するほか、配達時刻画面データに表示された配達可能時間帯の範囲内で希望する配達時刻を顧客端末12に入力し、顧客端末12は、この顧客IDと配達時刻を注文サーバ9に送信する(ステップ60)。
【0058】
注文サーバ9は、顧客端末12から顧客IDと配達時刻を受信すると、調理能力店外データのうち、当該配達時刻に対応する時間帯(調理・配達時刻を見込んだ時間帯)のデータを参照し、調理可能な商品の分類を特定する。
更に、注文サーバ9は、この分類に属する商品を商品店外マスタで検索し、配達可能な商品を特定する。
【0059】
次に、注文サーバ9は、検索された商品の一覧を表示するためのメニュー画面データを生成して顧客端末12に送信する(ステップ65)。
このように、注文サーバ9は、配達能力及び調理能力の両方を満たす商品を選択してメニュー画面を構成することができる。
【0060】
顧客端末12は、注文サーバ9からメニュー画面データを受信し、これを用いてメニュー画面を表示する。
メニュー画面では、商品名、商品の画像、価格、及びカロリーなどの付加情報がブラウザ上で一覧できるほか、注文の商品と個数を指定できるようになっている。
顧客端末12は、顧客から商品と個数の指定を受けると、商品IDと個数を注文サーバ9に送信し、これらの商品の注文を注文サーバ9に要求する(ステップ70)。
【0061】
注文サーバ9は、顧客端末12から商品の注文要求を受けると、認証画面データを生成して顧客端末12に送信する(ステップ75)。
顧客端末12は、注文サーバ9から認証画面データを受信すると、これを用いて認証画面を表示する。
認証画面では、顧客確認用に注文内容の明細や配達先住所などが表示されるとともに、認証データ(パスワード)が入力できるようになっている。配達先は、顧客が送信した顧客IDに顧客マスタで対応づけられている住所がデフォルトで表示される。
顧客端末12は、顧客から認証データの入力を受け付けると、これを注文サーバ9に送信する(ステップ80)。
【0062】
注文サーバ9は、顧客端末12から認証データを受信すると、これを顧客マスタに登録してある顧客ID及びパスワードと照合することにより顧客認証を行う(ステップ85)。認証データが一致する場合、注文サーバ9は、正規の顧客からの注文と判断して注文情報を注文店外データに書き込み、これを更新する(ステップ90)。
一方、顧客IDとパスワードのうち、少なくとも一方が一致しなかった場合、注文サーバ9は顧客端末12にエラーメッセージを送信する。
【0063】
なお、配達先のデフォルトは顧客マスタで登録してある住所に設定されているが、顧客が希望する場合、配達先を変更することもできるようになっている。
以上の手順によって、注文サーバ9は、顧客端末12から注文情報を取得してこれを注文店外データに登録することができる。
【0064】
次に、図7のフローチャートを用いて、注文コントローラ3が調理指示を出力する手順について説明する。
まず、注文コントローラ3は、携帯注文装置7から注文を受けたか否かを確認し(ステップ100)、携帯注文装置7から注文を受けた場合は(ステップ100;Y)、これを用いて注文店内データの項目「店内」を更新する(ステップ105)。
次に、注文コントローラ3は、調理能力店内データのうち、現在時刻が属する時間帯の調理能力を注文を受けた分だけ減算してこれを更新する(ステップ107)。
【0065】
次に、注文コントローラ3は、食材能力データのうち、現在時刻が属する時間帯の食材数から、調理に使用するものを減算してこれを更新する(ステップ109)。
なお、注文コントローラ3は、食材能力データにおいて現在の時間帯の経過時に食材が余っていた場合、これを次の時間帯に繰り越して更新する。
そして、注文コントローラ3は、店内注文を受けた場合、速やかに厨房プリンタ4に対して調理指示を送信する(ステップ110)。
厨房プリンタ4は、注文コントローラ3から調理指示を受信すると、調理伝票を印刷する(ステップ125)。
なお、注文コントローラ3からは顧客伝票の印刷指示も送られてくるので、厨房プリンタ4は、調理伝票を印刷する際に顧客伝票も印刷する。
【0066】
注文コントローラ3は、携帯注文装置7から注文を受けなかった場合(ステップ100;N)、又はステップ110で店内注文の調理指示を行った後、注文店内データの項目「店外」を参照し、配達時刻20分前の注文があるか否かを確認する(ステップ115)。
この20分前という時間は、顧客のもとに配達時刻に商品が到着することを見込んだ調理時間である。即ち、20分前に調理を開始すると、指定された配達時刻付近に商品を配達することができる。
【0067】
配達時刻20分前の店外注文があった場合(ステップ115;Y)、厨房プリンタ4に調理指示を送信し、ステップ100にリターンする。
厨房プリンタ4は、注文コントローラ3から調理指示を受信すると、調理伝票を印刷する(ステップ125)。
配達20分前の店外注文がなかった場合(ステップ115;N)、ステップ100にリターンする。
【0068】
次に、注文コントローラ3が行う食材の発注処理について説明する。
注文コントローラ3は、食材能力データ(図4(b))を監視しており、例えば、食材Aに関して数量2、食材Bに関しては数量3など、食材ごとに予め設定した所定値を下回った場合は、厨房プリンタ4に当該食材の発注指示を印刷させる。
発注指示には、所定値を下回った食材の種類と時間帯が印刷され、担当者はこれを参照して食材の発注・補充を行う。
【0069】
図8(a)は、厨房プリンタ4が印刷した調理伝票の一例を示した図である。
図に示した調理伝票には「2 ハンバーグ定食」などと商品名と個数が印刷されており、これによって調理担当者にハンバーグ定食を2個調理するように指示している。
また、項目「区分」が「店外」となっており、店外注文であることがわかる。店内注文の場合は「店内」と印刷される。更に、「伝票番号」として「025」が印刷されている。
【0070】
図8(b)は、厨房プリンタ4が印刷した顧客伝票の一例を示した図である。この顧客伝票は店外注文に対応したものである。
顧客伝票には、「伝票番号」、「区分」、「配達先」、「配達時刻」などの項目が記されている。「伝票番号」は伝票番号であり、「区分」は店内注文と店外注文の何れであるかを示している。
店外注文の場合、項目「配達先」に配達先の住所が印刷されるが、店内注文の場合はテーブル番号が印刷される。
項目「配達時刻」には、顧客が指定した配達時刻が印刷されている。店内注文の場合はこの項目はない。
【0071】
これらの項目の下には、「品名」、「個数」、「単価」、「小計」、「配達料」、「合計」などの項目からなる明細が印刷されている。
図の例では、単価800円のハンバーグ定食を2個注文したことが記されている。「小計」は、商品の代金であり、「配達料」は配達料であり、「合計」は、これらの合計を表している。
更に、明細の下には、伝票番号を特定するバーコードが印刷されている。会計装置5にテンキーから伝票番号を打ち込むことによって伝票番号を入力することもできるし、あるいはバーコードを読み取って伝票番号を入力することもできる。
【0072】
図9(a)〜(c)の各図は、注文サーバ9が運営する注文サイトによって顧客端末12で表示される各画面の一例を示した図である。
図9(a)は、ステップ55(図6)で顧客端末12に提供される配達時刻画面の一例を示した図である。
配達時刻画面には配達時刻と顧客IDの入力欄があり、これらの入力欄に入力されたデータを注文サーバ9に送信するための送信ボタンが設けられている。
配達時刻は、時、分をドロップダウンメニューで選択するようになっており、配達能力のある時刻が選択できるようになっている。
【0073】
なお、本実施の形態では、配達能力のない時刻は選択できないようにしたが、例えば、「混雑が予測されるため20分間前後するかも知れません。21時なら時間通りに配達できます。」などと、配達時刻の前後の見込みや他の配達候補時刻を示すなど、より細かな対応を行うことも可能である。
【0074】
図9(b)は、ステップ65で顧客端末12に提供されるメニュー画面の一例を示した図である。
メニュー画面では、商品の名称、価格、画像、カロリーなどのその他の情報が表示されるほか、顧客が注文数量を選択できるようになっている。
メニューは、画面右端のスクロールバーによってスクロールし、顧客が一覧することができる。
なお、メニューでは、商品のうち、顧客の指定した配達時刻で調理能力があるものが表示される。
【0075】
また、商品マスタを注文コントローラ3と注文サーバ9で同期させると共にこれを注文サイトに反映し、例えば、「12時から14時まではライスサービス。」といったようなタイムサービス情報や、「本日の日替わり定食はチキンの竜田揚げ定食です。」などいったような日替わり情報などをメニュー画面で提供することもできる。
【0076】
図9(c)は、ステップ75で顧客端末12に提供される認証画面の一例を示した図である。
認証画面では、顧客が行った注文内容が表示されるほか、注文・配達先変更ボタン、パスワード入力欄、送信ボタンなどが表示される。
注文・配達先変更ボタンは、注文内容や配達先を変更する場合に使用するボタンであり、このボタンをクリックすると、これらを変更するための変更画面が表示される。
パスワード入力欄は顧客認証のためのパスワードを入力する欄である。
送信ボタンをクリックすると、注文内容とパスワードが顧客端末12から注文サーバ9に送信される。
【0077】
以上に説明したように本実施の形態の注文システム1では、店外の顧客からの注文を受ける注文サーバ9とレストランシステムなどを有する店舗とをネットワークで接続する。
そして、店舗情報(調理能力など同期させるデータ)を注文サーバ9が常に把握できることにより、顧客はネットワークを介して注文するときに「品切れ」、「タイムサービス」等の情報を入手することができ、さらに調理時間を考慮した配送時刻指定もできるようになる。
【0078】
以上、本実施の形態について説明したが、各種の変形が可能である。
例えば、図10に示したように調理能力に店内枠と店外枠を設けておくように構成することもできる。
図の例では、ハンバーグ系に関しては00時から01時までの時間帯では、店内枠が10個で店外枠が30となっている。
注文コントローラ3は、店内注文に関しては店内枠から個数を減算していき、店外注文に関しては店外枠から個数を減算していく。
この場合、例えば、現在時刻の属する時間帯終了10分前に店外枠の調理能力が余っている場合はこれを店内注文に移動するなど、注文の状況に応じて店外枠と店内枠の個数を融通させて運用するとより柔軟な運用ができる。
【0079】
また、本実施の形態では、注文コントローラ3と注文サーバ9を設け、両者でデータを同期させたが、注文サーバ9がデータを持たず、顧客端末12からアクセスがある度に注文コントローラ3に調理能力や配達能力をネットワーク経由で問い合わせるように構成することもできる。
更に、注文コントローラ3にWebサーバとしての機能を持たせ、直接顧客端末12と注文コントローラ3を接続するように構成することもできる。
【0080】
また、注文サーバ9は、複数の店舗の店外注文の受注を代行するように構成することもできる。
この場合、注文サーバ9は、例えば、中華料理店である店舗Aやイタリアンレストランである店舗B、その他の店舗用の個別の注文サイトを運用し、店舗Aに対する店外注文は店舗Aに設置された注文コントローラ3に送信し、店舗Bに対する店外注文は店舗Bに設置された注文コントローラ3に送信する。
また、調理能力、配達能力なども各店舗の注文コントローラ3ごとに個別に同期させる。
【0081】
更に、例えば、店舗外から直接電話などで出前注文を受けた場合は、担当者がマルチディスプレイ8を用いて注文コントローラ3にアクセスし、店外注文を手動で入力することもできる。
この場合、担当者は、顧客から商品、個数、配達時刻、配達先などを聞き出し、マルチディスプレイ8からこれらの情報を入力する。入力された情報は、注文店内データの店外の領域に格納される。
【0082】
以上に説明した、本実施の形態において、注文サーバ9は、店外の顧客端末12から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバとして機能し、注文コントローラ3は、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバとして機能し、厨房プリンタ4は、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置として機能している。
そして、注文コントローラ3の通信制御部23とデータ格納部27は、注文サーバ9から店外注文を中継器2を介して注文サーバ9より受信して注文店外データに記憶する店外注文情報受信記憶手段として機能すると共に、店内端末(携帯注文装置7)から店内注文を受信して注文店内データに記憶する店内注文情報受信記憶手段として機能している。
更に、注文コントローラ3のCPU21は、注文処理プログラムを実行することにより、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻(例えば、配達時刻の所定時間前)で、店内の注文情報に関しては携帯注文装置7から受け付けた時刻に基づく時刻で、注文店内データに記憶した注文情報で指定される作業指示情報を厨房プリンタ4に出力する作業指示情報出力手段として機能している。
【0083】
また、注文コントローラ3のCPU21は注文処理プログラムを実行することにより、調理能力店内データと配達能力店内データによって商品の提供能力を管理しており、CPU21やこれらのデータベースは、予め設定された時間帯ごとの商品提供能力を記憶する提供能力記憶手段として機能している。
そして、注文コントローラ3のCPU21は注文処理プログラムを実行することにより、店外注文に関しては配達時刻に基づく時間帯の商品提供能力を当該店外注文に基づいて更新し、店内注文に関しては注文を受け付けた時刻に基づく時間帯の商品提供能力を当該店内注文に基づいて調整する提供能力調整手段として機能し、更に、商品提供能力の調整によって商品提供能力が所定値を下回った時間帯があった場合に、注文サーバ9と携帯注文装置7に対して当該時間帯での当該商品の注文受け付けの制限を指示する制限情報を送信する制限情報送信手段として機能している。
ここで、制限情報としては、例えば、注文コントローラ3が注文サーバ9に送信する更新データが該当する。なぜならば、注文コントローラ3は、更新データによって更新された調理能力店外データや配達能力店外データを用いて顧客端末12から注文を制限するからである。
【0084】
また、注文コントローラ3のCPU21は、注文処理プログラムを実行することにより、食材能力データを監視しており、この場合、CPU21と食材能力データは、商品と当該商品を供給するために使用する材料の在庫数量を記憶した在庫記憶手段として機能している。
また、CPU21は、注文処理プログラムを実行することにより、食材能力データを参照することにより商品提供能力が所定値を下回った商品の材料を特定する材料特定手段として機能し、厨房プリンタ4に対してこの材料の発注を指示する発注指示手段として機能している。
【0085】
また、注文サーバ9は、顧客端末12から顧客が指定した配達時刻を含む注文情報を受信して注文店外データに記憶する注文情報受信手段としての機能を備えており、また、この注文情報をネットワークを介して注文コントローラ3に送信する注文情報送信手段としての機能を備えている。
また、注文サーバ9は、顧客端末12からの注文を制限するのに用いる調理能力店外データや配達能力店外データなどを形成するための更新データ(制限情報に対応)を注文コントローラ3から受信する制限情報受信手段としての機能と、更新データによって形成された調理能力店外データや配達能力店外データに基づいて顧客端末12からの商品の注文を制限する注文制限手段としての機能を備えている。
【0086】
以上に説明した本実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)受注に際して速やかに納品を求められる店内注文と、将来のある時刻である配達時刻に納品を求められる店外注文の執行の時間調整を行うことができる。
(2)調理担当者は、店内注文、店外注文の別を意識する必要がなく、厨房プリンタ4から出力された調理指示に従って調理をすればよい。
(3)店外注文に関して、配達時刻に基づいてその時間帯の商品提供能力を予め確保しておくことができる。
(4)注文サイトにて顧客認証を行うため、注文の間違いやいたずらなどを低減することができる。
(5)店内外の注文に基づいて時間帯ごとの食材の在庫管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施の形態に係る注文システムのネットワーク構成の一例を示したブロック図である。
【図2】注文コントローラのハードウェア的な構成の一例について説明するための図である。
【図3】注文サーバが記憶しているデータベースについて説明するための図である。
【図4】注文コントローラが記憶しているデータベースについて説明するための図である。
【図5】注文コントローラと注文サーバがデータを同期させる手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】注文サーバが顧客端末から注文を受け付ける手順について説明するためのフローチャートである。
【図7】注文コントローラが調理指示を出力する手順について説明するためのフローチャートである。
【図8】調理伝票と顧客伝票の一例を示した図である。
【図9】注文サイトで表示される画面の例を示した図である。
【図10】変形例を説明するための表である。
【図11】従来の注文システムのネットワーク構成の一例を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0088】
1 注文システム
2 中継器
3 注文コントローラ
4 厨房プリンタ
5 会計装置
6 無線通信機
7 携帯注文装置
8 マルチディスプレイ
9 注文サーバ
10 店内ネットワーク
11 店外ネットワーク
12 顧客端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、店内サーバ、店外サーバ、及び注文処理方法に関し、例えば、飲食店の注文システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、注文システムを導入する飲食店が増えている。注文システムは、コンピュータシステムを用いて発注の迅速化と注文管理を行うものである。
図11は、従来の注文システムのネットワーク構成の一例を示したブロック図である。この注文システムは飲食店の店内に設置されている。
図に示したように、注文システムは、中継器2によってネットワーク接続された注文コントローラ3、会計装置5、マルチディスプレイ8、無線通信機6と、無線通信機6を介してネットワークに接続される厨房プリンタ4、携帯注文装置7、7、・・・などから構成されている。
【0003】
給仕担当者は、携帯注文装置7を携帯し、顧客のテーブルに赴いて注文を受ける。給仕担当者は注文を受けると、これを携帯注文装置7に入力し、無線通信機6を介して注文コントローラ3に無線送信する。
注文コントローラ3は、携帯注文装置7から注文を受信すると、厨房プリンタ4に調理伝票を印刷させる。
調理伝票には、商品名や個数などが印刷されており、厨房の調理担当者は、調理伝票に従って調理を行う。
調理担当者は、調理が完了した場合、厨房プリンタ4の入力装置を用いて調理完了を注文コントローラ3に通知する。
また、注文コントローラ3は、厨房プリンタ4に調理伝票を印刷させる際に顧客伝票も印刷させる。顧客伝票には、伝票番号、商品の明細、代金などが印刷されており、給仕担当者によって商品と共に顧客に届けられる。
【0004】
顧客は、食事が終了すると、顧客伝票を会計装置5に持参し、会計担当者が会計処理を行う。会計が完了すると、会計担当者が会計装置5の入力装置を用いて会計完了を注文コントローラ3に通知する。
このようにして、注文コントローラ3は、注文の受け付け、調理指示、調理完了の確認、及び会計完了の確認などの一連の情報処理を行う。
【0005】
注文システムはこのような店内向けのものが一般的であるが、最近では、次の特許文献
1の飲食物受注システムのように、店外からの出前の注文に対応したものも提案されている。
この技術は、受注センタが顧客からの注文を受け、顧客住所近傍の集配センタに転送するものである。これによって、顧客は最寄りの集配センタから飲食物の宅配を受けることができる。
【特許文献1】特開2002−269204公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、店内での注文は商品の迅速な提供が求められ、一方、店外からの出前注文の場合は配達時刻が顧客から指定される。
食材や人的な資源には限りがあり、例えば、店外からの注文に対しては予め食材やスタッフを確保しておくなど、時間的に取り扱いの異なる店内外の注文の処理を如何に調和させるかということは重要な課題であった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、商品の提供時刻が異なる店内外からの注文情報を効率よく情報処理することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記目的を達成するために、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店内サーバであって、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバから、店外の注文情報を受信して記憶する店外注文情報受信記憶手段と、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受信して記憶する店内注文情報受信記憶手段と、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻で、店内の注文情報に関しては店内端末から受け付けた時刻に基づく時刻で、前記記憶した注文情報で指定される作業指示情報を作業指示装置に出力する作業指示情報出力手段と、を具備したことを特徴とする店内サーバを提供する(第1の構成)。
第1の構成において、予め設定された時間帯ごとの商品提供能力を記憶する提供能力記憶手段と、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時間帯の前記記憶した商品提供能力を当該注文情報に基づいて更新し、店内の注文情報に関しては注文を受け付けた時刻に基づく時間帯の前記記憶した商品提供能力を当該注文情報に基づいて調整する提供能力調整手段と、前記商品提供能力の調整によって商品提供能力が所定値を下回った時間帯があった場合に、前記店外サーバと前記店内端末に対して当該時間帯での当該商品の注文受け付けの制限を指示する制限情報を送信する制限情報送信手段と、を具備するように構成することもできる(第2の構成)。
第1の構成、又は第2の構成において、商品と当該商品を供給するために使用する材料の在庫数量を記憶した在庫記憶手段と、商品提供能力が所定値を下回った商品の材料を特定する材料特定手段と、前記特定した材料の発注を指示する発注指示手段と、を具備するように構成することもできる(第3の構成)。
また、本発明は、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店内サーバで用いる方法であって、前記店内サーバは、店外注文情報受信記憶手段と、店内注文情報受信記憶手段と、作業指示情報出力手段と、を備え、前記店外注文情報受信記憶手段によって、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバから、店外の注文情報を受信して記憶する店外注文情報受信記憶ステップと、前記店内注文情報受信記憶手段によって、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受信して記憶する店内注文情報受信記憶ステップと、前記作業指示情報出力手段によって、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻で、店内の注文情報に関しては店内端末から受け付けた時刻に基づく時刻で、前記記憶した注文情報で指定される作業指示情報を作業指示装置に出力する作業指示情報出力ステップと、から構成されたことを特徴とする注文処理方法を提供する(第4の構成)。
また、本発明は、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店外サーバであって、前記顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む注文情報を受信する注文情報受信手段と、前記受信した注文情報を前記店内サーバに送信する注文情報送信手段と、前記店内サーバから商品の注文受け付けの制限を指示するための制限情報を受信する制限情報受信手段と、前記受信した制限情報に基づいて前記顧客端末からの商品の注文を制限する注文制限手段と、を具備したことを特徴とする店外サーバを提供する(第5の構成)。
更に、本発明は、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店外サーバであって、前記店外サーバは、注文情報受信手段と、注文情報送信手段と、制限情報受信手段と、注文制限手段と、を備え、前記注文情報受信手段によって、前記顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む注文情報を受信する注文情報受信ステップと、前記注文情報送信手段によって、前記受信した注文情報を前記店内サーバに送信する注文情報送信ステップと、前記制限情報受信手段によって、前記店内サーバから商品の注文受け付けの制限を指示するための制限情報を受信する制限情報受信ステップと、前記注文制限手段によって、前記受信した制限情報に基づいて前記顧客端末からの商品の注文を制限する注文制限ステップと、から構成されたことを特徴とする注文処理方法を提供する(第6の構成)。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、店内外の注文の時刻管理を行うことにより、商品の提供時刻が異なる店内外からの注文情報を効率よく情報処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(1)実施の形態の概要
注文システム1(図1)は、店舗内に設けられた店内ネットワーク10と店外ネットワーク11が接続されて構成されている。注文サーバ9は、ネットワーク上で注文サイトを運営しており、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの顧客端末12を介して顧客から注文を受ける。店外の顧客からの注文には配達時刻が指定されている。注文サーバ9は、顧客から受けた注文を注文コントローラ3に送信する。注文コントローラ3は、携帯注文装置7から店内の注文を受けると共に注文サーバ9から店外の注文を受ける。注文コントローラ3は、店内の注文に関しては受注後速やかに厨房プリンタ4に調理指示を出力させ、店外の注文に関しては配達時刻から調理と配達に要する時間だけ前に厨房プリンタ4に調理指示を出力させる。調理担当者は、店内外の注文の別を意識せずに厨房プリンタ4から出力された調理指示に従って調理を行えばよい。また、注文コントローラ3は、調理・配達に要する人的資源や食材を時間帯ごとに管理しており、注文の制限や食材の発注指示を行う。
【0011】
(2)実施の形態の詳細
図1は、本実施の形態に係る注文システムのネットワーク構成の一例を示したブロック図である。
注文システム1は、例えば、レストラン、ファーストフード店、健康ランドなどの飲食店に設置されており、店内の顧客からの注文を受け付けると共に、店外の顧客からの出前注文も受け付ける。
注文システム1は、大別して、店内に設置された店内ネットワーク10と、店外に設置された店外ネットワーク11から構成されている。
【0012】
店内ネットワーク10は、注文コントローラ3、厨房プリンタ4、会計装置5、無線通信機6、マルチディスプレイ8、携帯注文装置7、7、・・・(以下、携帯注文装置7)、及び中継器2などが接続可能に配設されて構成されている。
これらのうち、注文コントローラ3、会計装置5、無線通信機6、マルチディスプレイ8は、通信ケーブルによって中継器2に接続されており、注文コントローラ3は、中継器2(ハブなど)を介して、マルチディスプレイ8、会計装置5、無線通信機6と有線通信を行う。
【0013】
厨房プリンタ4と携帯注文装置7は、無線通信機6と無線通信を行う無線通信機能を備えており、注文コントローラ3は、無線通信機6を介して厨房プリンタ4及び携帯注文装置7と通信を行うことができる。
なお、本実施の形態では、厨房プリンタ4と携帯注文装置7を無線通信にて店内ネットワーク10に接続したが、これは携帯注文装置7の携帯性や厨房プリンタ4の設置箇所の自由度を高めるためであり、中継器2と有線接続して注文コントローラ3と通信するように構成することもできる。
同様に、マルチディスプレイ8、会計装置5、無線通信機6が無線通信機6を介して注文コントローラ3と無線通信するように構成することもできる。
【0014】
店外ネットワーク11は、注文サーバ9、顧客端末12、12、・・・(以下、単に顧客端末12と記す)などが接続可能に配設されて構成されている。
店外ネットワーク11では、例えば、インターネットや、LAN(Local Area Network)、専用回線、あるいはこれらの組み合わせなどによって構築されたネットワークを介して注文サーバ9が顧客端末12と通信できるようになっている。
また、店外ネットワーク11は、中継器2を介して店内ネットワーク10に接続されており、注文コントローラ3は、中継器2を介して注文サーバ9と通信することができるようになっている。
【0015】
次に、注文システム1を構成する各構成要素の機能について説明する。
注文コントローラ3は、注文システム1で中心的な機能を果たすサーバ装置であって、店内外からの顧客から注文を受け付け、注文商品の調理指示、調理完了確認、会計完了確認など、注文管理に関する一連の情報処理を行う。
店外の注文(以下、店外注文)に関しては、注文サーバ9が顧客端末12からの注文の受け付けを代行し、注文コントローラ3は注文サーバ9から注文情報を受信する。
店内の注文(以下、店内注文)に関しては、注文コントローラ3は携帯注文装置7から注文情報を受信する。
【0016】
一般に、店外注文は、例えば、「カレーライスを2つ」などと品名と数量のほかに例えば、「2時に配達してください」などと、時刻指定(出前の時間指定)がなされる場合が一般的であり、一方、店内からの注文は、注文後に速やかに商品を提供することが求められる。
そのため、注文コントローラ3は、店内注文に関しては速やかに調理指示を行い、店外注文に関しては、顧客の時刻指定に対して所定時間(調理・配達の時間を見込んだ時間)だけ前の時刻に調理指示を行うというように、注文で要求されている商品の提供時刻に基づいて調理担当者に調理指示を行う。
【0017】
また、店外注文の場合は配達時刻が指定されるため、その時刻の注文を執行するために予め食材や配達担当者を確保しておく必要がある。また、店内注文の場合には、店外注文のために確保されている食材を除いた範囲で注文を受ける必要がある。
そのため、注文コントローラ3は、後述するように、食材の在庫や配達担当者のスケジュールを時間帯に区分して時間帯ごとに注文の可能数量を管理している。
【0018】
厨房プリンタ4は、例えば、サーマルプリンタ、インクジェットプリンタ、レーザプリンタなどの印刷機能部を備えており、注文コントローラ3からの指示に基づいて調理伝票や顧客伝票などを印刷する。
調理伝票には、伝票番号、商品名と数量、また、「トマト抜き」などの付属情報などが印刷される。
伝票番号は、顧客の会計単位(家族連れなら家族など会計を一緒に行う単位)に対して一意に発行されたID情報であり、注文の受け付けから会計の完了まで、個々の注文は伝票番号によって管理される。
調理担当者は、厨房プリンタ4から調理伝票が出力されると、これに基づいて調理を行う。
店内注文と店外注文の時間調整は注文コントローラ3が行うため、調理担当者は店内外の注文の時間調整を意識せずに厨房プリンタ4から出力された調理伝票に従って調理を行えばよい。
また、顧客伝票は、調理伝票が印刷される際に共に印刷され、給仕担当者によって商品と共に顧客に届けられて会計の際に使用される。
【0019】
厨房プリンタ4は、操作パネルを備えており、調理担当者が商品の調理を完了した際に、操作パネルを操作して、厨房プリンタ4に当該商品の調理の完了を入力するようになっている。
厨房プリンタ4は、当該商品の調理の完了が入力されると、これを注文コントローラ3に通知する。これによって、注文コントローラ3は、当該商品の調理が完了したことを認識することができる。
【0020】
会計装置5は、顧客が会計時に持参した顧客伝票を用いて精算処理を行う端末装置である。
会計装置5は、会計担当者からの伝票番号の入力を受け付けて注文コントローラ3に送信する。そして、会計装置5は、会計担当者から精算が終了した商品の入力を受け付け、注文コントローラ3に送信する。
そして、注文コントローラ3は、注文商品の会計が完了したことを記録する。
【0021】
携帯注文装置7は、給仕担当者が顧客からの注文を受け付けるための携帯端末装置(ハンディターミナル)であり、テーブル番号、商品、個数などの注文情報を入力することができる。
携帯注文装置7は、注文情報を注文コントローラ3に送信し、これによって注文コントローラ3に注文が登録される。
携帯注文装置7は、注文コントローラ3と通信し、商品ごとの提供能力を更新する。商品の提供能力とは、例えば、食材の在庫などの関係により、カレーライスは10個提供でき、天丼は20個提供できるなど、飲食店側が顧客に商品を提供できる能力のことである。提供能力を使い果たした商品がある場合、携帯注文装置7はその商品は品切れとし、顧客からの注文を受け付けないように受注を制限する。
【0022】
マルチディスプレイ8は、例えば、タッチパネルを備えており、担当者が注文コントローラ3にアクセスして現在の注文状況を表示したり、注文の追加・変更・取消処理を行うための端末である。
【0023】
注文サーバ9は、店外の顧客から出前などの店外注文を受け付けるサーバ装置である。
注文サーバ9は、注文コントローラ3と同様の商品マスタを記憶しており、これを用いてメニューを注文サイト(注文を受けるウェブサイト)で表示する。
注文サイトでは、メニューの一覧が表示され、顧客が商品と個数、及び配達時刻を指定できるようになっている。
注文サーバ9は、注文サイトにて顧客端末12から注文を受け付け、注文コントローラ3に送信する。
【0024】
また、注文サーバ9は、注文コントローラ3から商品ごとに時間帯ごとの提供能力を受け、これを注文サイトに反映する。
そして、顧客が提供能力を超えた注文を行おうとした場合、例えば、「その時間帯はカツ丼は2個まで提供できます。」などと表示し、顧客の注文を制限する。
注文サーバ9は、予め顧客マスタを記憶しており、発注の際にパスワードで顧客を認証するようになっている。顧客を認証することにより、例えば、いたずらや間違いによる注文を抑制することができる。
【0025】
顧客端末12は、例えば、携帯電話やパーソナルコンピュータなどのブラウザを備えた端末装置で構成されており、注文サーバ9の注文サイトにアクセスして商品の注文を行うのに用いられる。
【0026】
次に、図2を用いて注文コントローラ3のハードウェア的な構成の一例について説明する。
注文コントローラ3は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)24、通信制御部23、記憶装置25などがバスラインで接続して構成されている。
【0027】
CPU21は、中央処理装置であって、ROM22、RAM24、記憶装置25などに記憶されたプログラムに従って動作し、各種の演算処理や注文コントローラ3の制御を行う。
ROM22は、読み出し専用の記憶装置であって、注文コントローラ3が動作する上で基本となるプログラムやパラメータなどを記憶している。
RAM24は、読み書き可能な記憶装置であって、注文サーバ9や携帯注文装置7からの注文情報の受け付けや、厨房プリンタ4への調理指示、厨房プリンタ4からの調理完了の受け付け、会計装置5からの会計完了の受け付けなどの情報処理をCPU21が行うためのワーキングエリアを提供する。
【0028】
通信制御部23は、注文コントローラ3と店内ネットワーク10を接続するための接続装置である。
記憶装置25は、例えば、ハードディスクや半導体記憶装置などで構成された大容量の記憶装置である。記憶装置25には、各種プログラムを格納するプログラム格納部26と、各種データを格納するデータ格納部27が形成されている。
【0029】
プログラム格納部26には、注文コントローラ3を動作させるための基本的なプログラムであるOS(Operating System)や注文処理プログラムなどが格納されている。
CPU21は、注文処理プログラムを実行することにより、注文サーバ9とのデータの同期(後述)、注文サーバ9や携帯注文装置7からの注文情報の受け付け、厨房プリンタ4への調理指示、厨房プリンタ4からの調理完了の受け付け、会計装置5からの会計完了の受け付けなどを行う機能を発揮することができる。
データ格納部27には、CPU21が一連の注文処理を行うための各種のデータ(後述)が記憶されている。
【0030】
以上、注文コントローラ3のハードウェア的な構成について説明したが、マルチディスプレイ8、会計装置5、携帯注文装置7、注文サーバ9、顧客端末12なども基本的に同様に構成されている。
【0031】
次に、図3の各図を用いて、注文サーバ9が記憶しているデータベースについて説明する。
このデータベースは、例えば、ハードディスクなど、注文サーバ9が備えた大容量の記憶装置に記憶されているものであり、顧客マスタ、商品店外マスタ、調理能力店外データ、配達能力店外データ、注文店外データなどの各種データが関連づけられたリレーショナルデータベースにより構成されている。
なお、本実施の形態では、注文サーバ9と注文コントローラ3の両方に調理能力データなどが記憶されているため、注文サーバ9の調理能力データを調理能力店外データ、注文コントローラ3の調理能力データを調理能力店内データなどと呼んで区別することにする。
【0032】
図3(a)は、顧客マスタの論理的な構成の一例を示した図である。注文サーバ9は、予め顧客マスタに登録してある顧客からの注文を受け付ける。
顧客マスタは、「顧客ID」、「パスワード」、「氏名」、「住所」、「電話番号」、・・・などの項目から構成されている。
「顧客ID」は、各顧客に対して一意的に付与されたID情報である。「パスワード」は、顧客が顧客認証を行うためのパスワードである。注文サーバ9は、顧客が入力したパスワードが登録してあるパスワードと一致することにより顧客を認証する。
「氏名」、「住所」、「電話番号」は、それぞれ顧客が登録した氏名、住所、電話番号である。
【0033】
図3(b)は、商品店外マスタの論理的な構成の一例を示した図である。
商品店外マスタは、注文コントローラ3で注文可能な商品に関する情報が記憶されており、「商品ID」、「商品名」、「分類」、「商品画像」、・・・などの項目から構成されている。
【0034】
「商品ID」は、各商品に一意に付与されたID情報である。
「商品名」は、例えば、「ハンバーグ定食」、「ドリア」、「カレーライス」などの商品の名称である。この名称は、注文サイトで商品名を表示するのに用いられる。
「分類」は、例えば、「ハンバーグ系」、「シチュー系」、「パスタ系」、「カレー系」など、商品の種類による区分である。
「商品画像」は、商品の画像データであり、注文サイトで顧客に商品の画像を提示するのに用いられる。
【0035】
図3(c)は、調理能力店外データの論理的な構成の一例を示した図である。
調理能力店外データは、商品の調理能力を規定する情報を記憶したデータベースであり、この調理能力と次に説明する配達能力により、顧客に商品を提供する提供能力が規定される。
即ち、顧客には、調理能力の範囲内かつ配達能力の範囲内で商品を提供することができるため、これらの2つの能力により提供能力が規定されるのである。
【0036】
調理能力店外データは、「分類」と「時間帯」などから構成されている。「分類」は、商品店外マスタの「分類」に対応しており、「シチュー系」、「ハンバーグ系」などとなっている。
「時間帯」は、「00時」、「01時」〜「23時」などと、1日を1時間ごとの時間帯に区分している。なお、「00時」は、00時から01時までの時間帯を示しており、他の時間帯も同様である。
このように構成された調理能力店外データは、商品の区分ごとに、1時間ごとの提供可能数量を規定している。図の例では、「ハンバーグ系」の商品の00時から01時までの提供可能数量は10個となっている。
なお、注文コントローラ3にも同様の調理能力店内データが記憶されており、提供可能数量の管理は注文コントローラ3が行っている。
そして、両者の提供可能数量が同一となるように注文サーバ9と注文コントローラ3の間で同期処理が行われる。
【0037】
図3(d)は、配達能力店外データの論理的な構成の一例を示した図である。
配達能力店外データベースは、配達担当者の配達可能回数を時間帯ごとに記憶したものである。
配達能力店外データの時間帯は調理能力店外データの時間帯に対応させてあり、「00時」、「01時」〜「23時」などと、1日を1時間ごとの時間帯に区分している。これによって、提供能力の計算を簡単にすることができる。
【0038】
図の例では、00時から01時までの配達回数は5回に設定されている。即ち、この時間帯では、5回まで配達を行うことができる。
なお、注文コントローラ3にも同様の配達能力店内データが記憶されており、配達可能数の管理は注文コントローラ3が行っている。
そして、両者の配達可能数が同一となるように注文サーバ9と注文コントローラ3の間で同期処理が行われる。
【0039】
図3(e)は、注文店外データの論理的な構成の一例を示した図である。
注文サーバ9は、顧客端末12から注文を受けると、注文内容を注文店外データに記憶し、これを所定のタイミングで注文コントローラ3に送信する。
注文店外データは、「顧客ID」、「商品ID」、「個数」、「配達時刻」、「配達先」、・・・などの項目から構成されている。
「顧客ID」は、注文を行った顧客の顧客IDである。
「商品ID」は、顧客が注文した商品の商品IDであり、「個数」はその個数である。
「配達時刻」は、顧客が指定した配達時刻であり、「配達先」は顧客が指定した配達先である。
【0040】
次に、図4(a)〜(e)の各図を用いて、注文コントローラ3が記憶しているデータベースについて説明する。
このデータベースは、データ格納部27(図2)に記憶されており、商品店内マスタ、食材能力データ、調理能力店内データ、配達能力店内データ、注文店内データなど各種のデータが関連づけられたリレーショナルデータベースにより構成されている。
【0041】
図4(a)は、商品店内マスタの論理的な構成の一例を示した図である。
商品店内マスタは、図3(b)の商品店外マスタと同じ項目に加えて項目「使用食材」を備えている。
「使用食材」は、当該商品で使用する食材を一覧にしたデータである。この項目によって商品と食材が対応づけられる。
図の商品ID「001」の「ハンバーグ定食」の場合、1つにつき食材Aが2単位、食材Bが1単位、・・・など消費される。単位は、例えば、牛肉の場合はグラム数、タマネギの場合は個数など、食材に応じて適当に決められている。
【0042】
図4(b)は、食材能力データの論理的な構成の一例を示した図である。
食材能力データは、各時間帯ごとに、使用可能な各食材の在庫数量を記憶したものである。時間帯は、00時から1時間単位で設定され、図3(c)の調理能力店外データなどと同じになっている。
図の例では、食材Aの場合、00時から01時までは50単位、食材Bの場合、00時から01時までは40単位などとなっている。
【0043】
これらの食材は、商品の注文があると、商品店内マスタの「使用食材」に対応する食材が注文数量分だけ注文コントローラ3によって減算される。なお、店内注文の場合は注文があった時間帯の食材が減算され、店外注文の場合は商品を調理する時間帯の食材が減算される。
また、食材の入荷があった場合は、担当者によってマルチディスプレイ8などから入力される。
【0044】
図4(c)は、調理能力店内データの論理的な構成の一例を示した図である。
調理能力店内データは、図3(c)に示した調理能力店外データと同等の構成となっている。
図4(d)は、配達能力店内データの論理的な構成の一例を示した図である。
配達能力店内データは、図3(d)に示した配達能力店外データと同等の構成となっている。
【0045】
図4(e)は、注文店内データの論理的な構成の一例を示した図である。
注文店内データは、顧客からの注文を記憶しており、「伝票番号」、「店内」、「店外」などの項目から構成されている。
「伝票番号」は、注文コントローラ3によって会計単位となる注文ごとに一意に付与されたID情報である。伝票番号によって各注文を識別して管理することができ、調理伝票、顧客伝票などに印刷される。伝票番号は、店内注文、店外注文を問わず、受け付けた順序で通し番号が付与される。
【0046】
項目「店内」は、店内注文による注文情報を記憶しており、「テーブル番号」、「商品ID」、・・・などの項目から構成されている。
「テーブル番号」は、注文がなされたテーブルのID情報である。注文の商品はテーブル番号で特定されるテーブルに対して配膳される。
「商品ID」は、顧客から注文された商品の商品IDである。図示しないが、「項目」はこのほかに、商品の個数や人数などの情報も含まれている。
【0047】
項目「店外」は、店外注文による注文情報を記憶しており、「顧客ID」、「商品ID」、「個数」、「配達時刻」、「配達先」、・・・などの項目から構成されている。
項目「店外」の各項目は、注文コントローラ3が注文サーバ9から図3(e)の注文店外データを受信して記憶したものである。
【0048】
次に、図5のフローチャートを用いて、注文コントローラ3と注文サーバ9が、データベースを同期させる手順について説明する。
まず、注文コントローラ3は、所定のタイミングで、注文サーバ9に接続し、注文店外データの送信を要求する(ステップ5)。
このタイミングは、例えば、5分おきなど、所定の時間間隔ごとに行うようになっている。
【0049】
注文サーバ9は、注文コントローラ3から注文店外データの要求を受けると、注文店外データを参照し、前回送信したものを除いた差分を注文コントローラ3に送信する(ステップ10)。
注文コントローラ3は、注文サーバ9から注文データを受信し、これに伝票番号を付与して注文店内データの項目「店外」に登録して、注文店内データを更新する(ステップ15)。
【0050】
次に、注文コントローラ3は、店外注文の商品ID、個数、及び配達時刻などを参照し、次の要領で調理能力店内データを更新する(ステップ20)。
まず、注文コントローラ3は、商品IDの該当する分類(例えば、シチュー系)を商品店内マスタを用いて特定する。
次に、注文コントローラ3は、配達時刻に対応する調理能力の時間帯を特定する。これは、配達時刻に商品を配達するために調理を行う時間帯であって、例えば、配達時刻の20分前が含まれる時間帯である。
次に、注文コントローラ3は、調理能力店内データにおいて、当該分類の当該時間帯における能力を商品個数分だけ減算して調整する。
【0051】
次に、注文コントローラ3は、店外注文に係る商品を調理するための食材と数量を商品店内マスタを参照して算出し(例えば、ハンバーグ定食であれば図4(a)から食材Aを2単位使用し、食材Bを1単位使用する)、食材能力データのうち調理時刻(例えば、配達時刻の所定時間前、通常20分程度)が属する時間帯から、それぞれ使用する食材を使用する数量だけ減算して更新する(ステップ23)。
以上のようにして、調理能力店内データと食材能力データが更新される。
【0052】
次に、注文コントローラ3は、店外注文の配達時刻を参照し、当該配達時刻が含まれる時間帯の配達回数を1回減算することにより配達能力店内データを調整して更新する(ステップ25)。
次に、注文コントローラ3は、調理能力店内データと配達能力店内データで更新によって変化した差分を更新データとして注文サーバ9に送信する(ステップ30)。
【0053】
注文サーバ9は、注文コントローラ3から更新データを受信し、これを用いて調理能力店外データを更新し(ステップ35)、更に配達能力店外データを更新する(ステップ40)。
以上の処理によって、所定時間ごとに、調理能力店内データと調理能力店外データが同じ内容となるように同期され、また、配達能力店内データと配達能力店外データとが同じ内容となるように同期される。
【0054】
なお、本実施の形態では、所定時間ごとに注文コントローラ3と注文サーバ9のデータベースを同期させたが、同期させるタイミングはこれに限定するものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、注文サーバ9は、顧客から注文を受けて注文店外データを更新する度に注文コントローラ3にアクセスしてデータベースの同期を要求し、更に、注文コントローラ3も店内注文によってデータベースを更新する度に注文サーバ9にデータベースの更新を要求するように構成することもできる。
【0055】
次に、図6のフローチャートを用いて、注文サーバ9が顧客端末12から注文を受け付ける手順について説明する。
まず、顧客端末12がブラウザなどによって注文サーバ9の注文サイトに接続する(ステップ50)。
注文サーバ9は、顧客端末12と接続すると、配達時刻の指定と顧客IDの入力を行う配達時刻画面を顧客端末12で表示するための配達時刻画面データを顧客端末12に送信する(ステップ55)。
【0056】
この際に、注文サーバ9は、配達能力店外データを参照し、配達回数が1回以上に設定されている時間帯を顧客が指定できるように配達時刻画面データを構成する。
また、例えば、「2時から3時までは配達できません」などと、配達回数が0回に設定されている時間帯を表示し、顧客に注意を促すこともできる。
このようにして、配達時刻画面では、配達が可能な時間帯の範囲内で顧客が配達時刻を指定できるようになっている。
【0057】
顧客端末12は、注文サーバ9から配達時刻画面データを受信すると、これを用いて配達時刻画面を表示する。
顧客は、顧客IDを入力するほか、配達時刻画面データに表示された配達可能時間帯の範囲内で希望する配達時刻を顧客端末12に入力し、顧客端末12は、この顧客IDと配達時刻を注文サーバ9に送信する(ステップ60)。
【0058】
注文サーバ9は、顧客端末12から顧客IDと配達時刻を受信すると、調理能力店外データのうち、当該配達時刻に対応する時間帯(調理・配達時刻を見込んだ時間帯)のデータを参照し、調理可能な商品の分類を特定する。
更に、注文サーバ9は、この分類に属する商品を商品店外マスタで検索し、配達可能な商品を特定する。
【0059】
次に、注文サーバ9は、検索された商品の一覧を表示するためのメニュー画面データを生成して顧客端末12に送信する(ステップ65)。
このように、注文サーバ9は、配達能力及び調理能力の両方を満たす商品を選択してメニュー画面を構成することができる。
【0060】
顧客端末12は、注文サーバ9からメニュー画面データを受信し、これを用いてメニュー画面を表示する。
メニュー画面では、商品名、商品の画像、価格、及びカロリーなどの付加情報がブラウザ上で一覧できるほか、注文の商品と個数を指定できるようになっている。
顧客端末12は、顧客から商品と個数の指定を受けると、商品IDと個数を注文サーバ9に送信し、これらの商品の注文を注文サーバ9に要求する(ステップ70)。
【0061】
注文サーバ9は、顧客端末12から商品の注文要求を受けると、認証画面データを生成して顧客端末12に送信する(ステップ75)。
顧客端末12は、注文サーバ9から認証画面データを受信すると、これを用いて認証画面を表示する。
認証画面では、顧客確認用に注文内容の明細や配達先住所などが表示されるとともに、認証データ(パスワード)が入力できるようになっている。配達先は、顧客が送信した顧客IDに顧客マスタで対応づけられている住所がデフォルトで表示される。
顧客端末12は、顧客から認証データの入力を受け付けると、これを注文サーバ9に送信する(ステップ80)。
【0062】
注文サーバ9は、顧客端末12から認証データを受信すると、これを顧客マスタに登録してある顧客ID及びパスワードと照合することにより顧客認証を行う(ステップ85)。認証データが一致する場合、注文サーバ9は、正規の顧客からの注文と判断して注文情報を注文店外データに書き込み、これを更新する(ステップ90)。
一方、顧客IDとパスワードのうち、少なくとも一方が一致しなかった場合、注文サーバ9は顧客端末12にエラーメッセージを送信する。
【0063】
なお、配達先のデフォルトは顧客マスタで登録してある住所に設定されているが、顧客が希望する場合、配達先を変更することもできるようになっている。
以上の手順によって、注文サーバ9は、顧客端末12から注文情報を取得してこれを注文店外データに登録することができる。
【0064】
次に、図7のフローチャートを用いて、注文コントローラ3が調理指示を出力する手順について説明する。
まず、注文コントローラ3は、携帯注文装置7から注文を受けたか否かを確認し(ステップ100)、携帯注文装置7から注文を受けた場合は(ステップ100;Y)、これを用いて注文店内データの項目「店内」を更新する(ステップ105)。
次に、注文コントローラ3は、調理能力店内データのうち、現在時刻が属する時間帯の調理能力を注文を受けた分だけ減算してこれを更新する(ステップ107)。
【0065】
次に、注文コントローラ3は、食材能力データのうち、現在時刻が属する時間帯の食材数から、調理に使用するものを減算してこれを更新する(ステップ109)。
なお、注文コントローラ3は、食材能力データにおいて現在の時間帯の経過時に食材が余っていた場合、これを次の時間帯に繰り越して更新する。
そして、注文コントローラ3は、店内注文を受けた場合、速やかに厨房プリンタ4に対して調理指示を送信する(ステップ110)。
厨房プリンタ4は、注文コントローラ3から調理指示を受信すると、調理伝票を印刷する(ステップ125)。
なお、注文コントローラ3からは顧客伝票の印刷指示も送られてくるので、厨房プリンタ4は、調理伝票を印刷する際に顧客伝票も印刷する。
【0066】
注文コントローラ3は、携帯注文装置7から注文を受けなかった場合(ステップ100;N)、又はステップ110で店内注文の調理指示を行った後、注文店内データの項目「店外」を参照し、配達時刻20分前の注文があるか否かを確認する(ステップ115)。
この20分前という時間は、顧客のもとに配達時刻に商品が到着することを見込んだ調理時間である。即ち、20分前に調理を開始すると、指定された配達時刻付近に商品を配達することができる。
【0067】
配達時刻20分前の店外注文があった場合(ステップ115;Y)、厨房プリンタ4に調理指示を送信し、ステップ100にリターンする。
厨房プリンタ4は、注文コントローラ3から調理指示を受信すると、調理伝票を印刷する(ステップ125)。
配達20分前の店外注文がなかった場合(ステップ115;N)、ステップ100にリターンする。
【0068】
次に、注文コントローラ3が行う食材の発注処理について説明する。
注文コントローラ3は、食材能力データ(図4(b))を監視しており、例えば、食材Aに関して数量2、食材Bに関しては数量3など、食材ごとに予め設定した所定値を下回った場合は、厨房プリンタ4に当該食材の発注指示を印刷させる。
発注指示には、所定値を下回った食材の種類と時間帯が印刷され、担当者はこれを参照して食材の発注・補充を行う。
【0069】
図8(a)は、厨房プリンタ4が印刷した調理伝票の一例を示した図である。
図に示した調理伝票には「2 ハンバーグ定食」などと商品名と個数が印刷されており、これによって調理担当者にハンバーグ定食を2個調理するように指示している。
また、項目「区分」が「店外」となっており、店外注文であることがわかる。店内注文の場合は「店内」と印刷される。更に、「伝票番号」として「025」が印刷されている。
【0070】
図8(b)は、厨房プリンタ4が印刷した顧客伝票の一例を示した図である。この顧客伝票は店外注文に対応したものである。
顧客伝票には、「伝票番号」、「区分」、「配達先」、「配達時刻」などの項目が記されている。「伝票番号」は伝票番号であり、「区分」は店内注文と店外注文の何れであるかを示している。
店外注文の場合、項目「配達先」に配達先の住所が印刷されるが、店内注文の場合はテーブル番号が印刷される。
項目「配達時刻」には、顧客が指定した配達時刻が印刷されている。店内注文の場合はこの項目はない。
【0071】
これらの項目の下には、「品名」、「個数」、「単価」、「小計」、「配達料」、「合計」などの項目からなる明細が印刷されている。
図の例では、単価800円のハンバーグ定食を2個注文したことが記されている。「小計」は、商品の代金であり、「配達料」は配達料であり、「合計」は、これらの合計を表している。
更に、明細の下には、伝票番号を特定するバーコードが印刷されている。会計装置5にテンキーから伝票番号を打ち込むことによって伝票番号を入力することもできるし、あるいはバーコードを読み取って伝票番号を入力することもできる。
【0072】
図9(a)〜(c)の各図は、注文サーバ9が運営する注文サイトによって顧客端末12で表示される各画面の一例を示した図である。
図9(a)は、ステップ55(図6)で顧客端末12に提供される配達時刻画面の一例を示した図である。
配達時刻画面には配達時刻と顧客IDの入力欄があり、これらの入力欄に入力されたデータを注文サーバ9に送信するための送信ボタンが設けられている。
配達時刻は、時、分をドロップダウンメニューで選択するようになっており、配達能力のある時刻が選択できるようになっている。
【0073】
なお、本実施の形態では、配達能力のない時刻は選択できないようにしたが、例えば、「混雑が予測されるため20分間前後するかも知れません。21時なら時間通りに配達できます。」などと、配達時刻の前後の見込みや他の配達候補時刻を示すなど、より細かな対応を行うことも可能である。
【0074】
図9(b)は、ステップ65で顧客端末12に提供されるメニュー画面の一例を示した図である。
メニュー画面では、商品の名称、価格、画像、カロリーなどのその他の情報が表示されるほか、顧客が注文数量を選択できるようになっている。
メニューは、画面右端のスクロールバーによってスクロールし、顧客が一覧することができる。
なお、メニューでは、商品のうち、顧客の指定した配達時刻で調理能力があるものが表示される。
【0075】
また、商品マスタを注文コントローラ3と注文サーバ9で同期させると共にこれを注文サイトに反映し、例えば、「12時から14時まではライスサービス。」といったようなタイムサービス情報や、「本日の日替わり定食はチキンの竜田揚げ定食です。」などいったような日替わり情報などをメニュー画面で提供することもできる。
【0076】
図9(c)は、ステップ75で顧客端末12に提供される認証画面の一例を示した図である。
認証画面では、顧客が行った注文内容が表示されるほか、注文・配達先変更ボタン、パスワード入力欄、送信ボタンなどが表示される。
注文・配達先変更ボタンは、注文内容や配達先を変更する場合に使用するボタンであり、このボタンをクリックすると、これらを変更するための変更画面が表示される。
パスワード入力欄は顧客認証のためのパスワードを入力する欄である。
送信ボタンをクリックすると、注文内容とパスワードが顧客端末12から注文サーバ9に送信される。
【0077】
以上に説明したように本実施の形態の注文システム1では、店外の顧客からの注文を受ける注文サーバ9とレストランシステムなどを有する店舗とをネットワークで接続する。
そして、店舗情報(調理能力など同期させるデータ)を注文サーバ9が常に把握できることにより、顧客はネットワークを介して注文するときに「品切れ」、「タイムサービス」等の情報を入手することができ、さらに調理時間を考慮した配送時刻指定もできるようになる。
【0078】
以上、本実施の形態について説明したが、各種の変形が可能である。
例えば、図10に示したように調理能力に店内枠と店外枠を設けておくように構成することもできる。
図の例では、ハンバーグ系に関しては00時から01時までの時間帯では、店内枠が10個で店外枠が30となっている。
注文コントローラ3は、店内注文に関しては店内枠から個数を減算していき、店外注文に関しては店外枠から個数を減算していく。
この場合、例えば、現在時刻の属する時間帯終了10分前に店外枠の調理能力が余っている場合はこれを店内注文に移動するなど、注文の状況に応じて店外枠と店内枠の個数を融通させて運用するとより柔軟な運用ができる。
【0079】
また、本実施の形態では、注文コントローラ3と注文サーバ9を設け、両者でデータを同期させたが、注文サーバ9がデータを持たず、顧客端末12からアクセスがある度に注文コントローラ3に調理能力や配達能力をネットワーク経由で問い合わせるように構成することもできる。
更に、注文コントローラ3にWebサーバとしての機能を持たせ、直接顧客端末12と注文コントローラ3を接続するように構成することもできる。
【0080】
また、注文サーバ9は、複数の店舗の店外注文の受注を代行するように構成することもできる。
この場合、注文サーバ9は、例えば、中華料理店である店舗Aやイタリアンレストランである店舗B、その他の店舗用の個別の注文サイトを運用し、店舗Aに対する店外注文は店舗Aに設置された注文コントローラ3に送信し、店舗Bに対する店外注文は店舗Bに設置された注文コントローラ3に送信する。
また、調理能力、配達能力なども各店舗の注文コントローラ3ごとに個別に同期させる。
【0081】
更に、例えば、店舗外から直接電話などで出前注文を受けた場合は、担当者がマルチディスプレイ8を用いて注文コントローラ3にアクセスし、店外注文を手動で入力することもできる。
この場合、担当者は、顧客から商品、個数、配達時刻、配達先などを聞き出し、マルチディスプレイ8からこれらの情報を入力する。入力された情報は、注文店内データの店外の領域に格納される。
【0082】
以上に説明した、本実施の形態において、注文サーバ9は、店外の顧客端末12から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバとして機能し、注文コントローラ3は、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバとして機能し、厨房プリンタ4は、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置として機能している。
そして、注文コントローラ3の通信制御部23とデータ格納部27は、注文サーバ9から店外注文を中継器2を介して注文サーバ9より受信して注文店外データに記憶する店外注文情報受信記憶手段として機能すると共に、店内端末(携帯注文装置7)から店内注文を受信して注文店内データに記憶する店内注文情報受信記憶手段として機能している。
更に、注文コントローラ3のCPU21は、注文処理プログラムを実行することにより、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻(例えば、配達時刻の所定時間前)で、店内の注文情報に関しては携帯注文装置7から受け付けた時刻に基づく時刻で、注文店内データに記憶した注文情報で指定される作業指示情報を厨房プリンタ4に出力する作業指示情報出力手段として機能している。
【0083】
また、注文コントローラ3のCPU21は注文処理プログラムを実行することにより、調理能力店内データと配達能力店内データによって商品の提供能力を管理しており、CPU21やこれらのデータベースは、予め設定された時間帯ごとの商品提供能力を記憶する提供能力記憶手段として機能している。
そして、注文コントローラ3のCPU21は注文処理プログラムを実行することにより、店外注文に関しては配達時刻に基づく時間帯の商品提供能力を当該店外注文に基づいて更新し、店内注文に関しては注文を受け付けた時刻に基づく時間帯の商品提供能力を当該店内注文に基づいて調整する提供能力調整手段として機能し、更に、商品提供能力の調整によって商品提供能力が所定値を下回った時間帯があった場合に、注文サーバ9と携帯注文装置7に対して当該時間帯での当該商品の注文受け付けの制限を指示する制限情報を送信する制限情報送信手段として機能している。
ここで、制限情報としては、例えば、注文コントローラ3が注文サーバ9に送信する更新データが該当する。なぜならば、注文コントローラ3は、更新データによって更新された調理能力店外データや配達能力店外データを用いて顧客端末12から注文を制限するからである。
【0084】
また、注文コントローラ3のCPU21は、注文処理プログラムを実行することにより、食材能力データを監視しており、この場合、CPU21と食材能力データは、商品と当該商品を供給するために使用する材料の在庫数量を記憶した在庫記憶手段として機能している。
また、CPU21は、注文処理プログラムを実行することにより、食材能力データを参照することにより商品提供能力が所定値を下回った商品の材料を特定する材料特定手段として機能し、厨房プリンタ4に対してこの材料の発注を指示する発注指示手段として機能している。
【0085】
また、注文サーバ9は、顧客端末12から顧客が指定した配達時刻を含む注文情報を受信して注文店外データに記憶する注文情報受信手段としての機能を備えており、また、この注文情報をネットワークを介して注文コントローラ3に送信する注文情報送信手段としての機能を備えている。
また、注文サーバ9は、顧客端末12からの注文を制限するのに用いる調理能力店外データや配達能力店外データなどを形成するための更新データ(制限情報に対応)を注文コントローラ3から受信する制限情報受信手段としての機能と、更新データによって形成された調理能力店外データや配達能力店外データに基づいて顧客端末12からの商品の注文を制限する注文制限手段としての機能を備えている。
【0086】
以上に説明した本実施の形態により次のような効果を得ることができる。
(1)受注に際して速やかに納品を求められる店内注文と、将来のある時刻である配達時刻に納品を求められる店外注文の執行の時間調整を行うことができる。
(2)調理担当者は、店内注文、店外注文の別を意識する必要がなく、厨房プリンタ4から出力された調理指示に従って調理をすればよい。
(3)店外注文に関して、配達時刻に基づいてその時間帯の商品提供能力を予め確保しておくことができる。
(4)注文サイトにて顧客認証を行うため、注文の間違いやいたずらなどを低減することができる。
(5)店内外の注文に基づいて時間帯ごとの食材の在庫管理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本実施の形態に係る注文システムのネットワーク構成の一例を示したブロック図である。
【図2】注文コントローラのハードウェア的な構成の一例について説明するための図である。
【図3】注文サーバが記憶しているデータベースについて説明するための図である。
【図4】注文コントローラが記憶しているデータベースについて説明するための図である。
【図5】注文コントローラと注文サーバがデータを同期させる手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】注文サーバが顧客端末から注文を受け付ける手順について説明するためのフローチャートである。
【図7】注文コントローラが調理指示を出力する手順について説明するためのフローチャートである。
【図8】調理伝票と顧客伝票の一例を示した図である。
【図9】注文サイトで表示される画面の例を示した図である。
【図10】変形例を説明するための表である。
【図11】従来の注文システムのネットワーク構成の一例を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0088】
1 注文システム
2 中継器
3 注文コントローラ
4 厨房プリンタ
5 会計装置
6 無線通信機
7 携帯注文装置
8 マルチディスプレイ
9 注文サーバ
10 店内ネットワーク
11 店外ネットワーク
12 顧客端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店内サーバであって、
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバから、店外の注文情報を受信して記憶する店外注文情報受信記憶手段と、
店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受信して記憶する店内注文情報受信記憶手段と、
店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻で、店内の注文情報に関しては店内端末から受け付けた時刻に基づく時刻で、前記記憶した注文情報で指定される作業指示情報を作業指示装置に出力する作業指示情報出力手段と、
を具備したことを特徴とする店内サーバ。
【請求項2】
予め設定された時間帯ごとの商品提供能力を記憶する提供能力記憶手段と、
店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時間帯の前記記憶した商品提供能力を当該注文情報に基づいて更新し、店内の注文情報に関しては注文を受け付けた時刻に基づく時間帯の前記記憶した商品提供能力を当該注文情報に基づいて調整する提供能力調整手段と、
前記商品提供能力の調整によって商品提供能力が所定値を下回った時間帯があった場合に、前記店外サーバと前記店内端末に対して当該時間帯での当該商品の注文受け付けの制限を指示する制限情報を送信する制限情報送信手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1に記載の店内サーバ。
【請求項3】
商品と当該商品を供給するために使用する材料の在庫数量を記憶した在庫記憶手段と、
商品提供能力が所定値を下回った商品の材料を特定する材料特定手段と、
前記特定した材料の発注を指示する発注指示手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の店内サーバ。
【請求項4】
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店内サーバで用いる方法であって、
前記店内サーバは、店外注文情報受信記憶手段と、店内注文情報受信記憶手段と、作業指示情報出力手段と、を備え、
前記店外注文情報受信記憶手段によって、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバから、店外の注文情報を受信して記憶する店外注文情報受信記憶ステップと、
前記店内注文情報受信記憶手段によって、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受信して記憶する店内注文情報受信記憶ステップと、
前記作業指示情報出力手段によって、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻で、店内の注文情報に関しては店内端末から受け付けた時刻に基づく時刻で、前記記憶した注文情報で指定される作業指示情報を作業指示装置に出力する作業指示情報出力ステップと、
から構成されたことを特徴とする注文処理方法。
【請求項5】
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店外サーバであって、
前記顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む注文情報を受信する注文情報受信手段と、
前記受信した注文情報を前記店内サーバに送信する注文情報送信手段と、
前記店内サーバから商品の注文受け付けの制限を指示するための制限情報を受信する制限情報受信手段と、
前記受信した制限情報に基づいて前記顧客端末からの商品の注文を制限する注文制限手段と、
を具備したことを特徴とする店外サーバ。
【請求項6】
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店外サーバであって、
前記店外サーバは、注文情報受信手段と、注文情報送信手段と、制限情報受信手段と、注文制限手段と、を備え、
前記注文情報受信手段によって、前記顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む注文情報を受信する注文情報受信ステップと、
前記注文情報送信手段によって、前記受信した注文情報を前記店内サーバに送信する注文情報送信ステップと、
前記制限情報受信手段によって、前記店内サーバから商品の注文受け付けの制限を指示するための制限情報を受信する制限情報受信ステップと、
前記注文制限手段によって、前記受信した制限情報に基づいて前記顧客端末からの商品の注文を制限する注文制限ステップと、
から構成されたことを特徴とする注文処理方法。
【請求項1】
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店内サーバであって、
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバから、店外の注文情報を受信して記憶する店外注文情報受信記憶手段と、
店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受信して記憶する店内注文情報受信記憶手段と、
店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻で、店内の注文情報に関しては店内端末から受け付けた時刻に基づく時刻で、前記記憶した注文情報で指定される作業指示情報を作業指示装置に出力する作業指示情報出力手段と、
を具備したことを特徴とする店内サーバ。
【請求項2】
予め設定された時間帯ごとの商品提供能力を記憶する提供能力記憶手段と、
店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時間帯の前記記憶した商品提供能力を当該注文情報に基づいて更新し、店内の注文情報に関しては注文を受け付けた時刻に基づく時間帯の前記記憶した商品提供能力を当該注文情報に基づいて調整する提供能力調整手段と、
前記商品提供能力の調整によって商品提供能力が所定値を下回った時間帯があった場合に、前記店外サーバと前記店内端末に対して当該時間帯での当該商品の注文受け付けの制限を指示する制限情報を送信する制限情報送信手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1に記載の店内サーバ。
【請求項3】
商品と当該商品を供給するために使用する材料の在庫数量を記憶した在庫記憶手段と、
商品提供能力が所定値を下回った商品の材料を特定する材料特定手段と、
前記特定した材料の発注を指示する発注指示手段と、
を具備したことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の店内サーバ。
【請求項4】
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店内サーバで用いる方法であって、
前記店内サーバは、店外注文情報受信記憶手段と、店内注文情報受信記憶手段と、作業指示情報出力手段と、を備え、
前記店外注文情報受信記憶手段によって、店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバから、店外の注文情報を受信して記憶する店外注文情報受信記憶ステップと、
前記店内注文情報受信記憶手段によって、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受信して記憶する店内注文情報受信記憶ステップと、
前記作業指示情報出力手段によって、店外の注文情報に関しては指定時刻に基づく時刻で、店内の注文情報に関しては店内端末から受け付けた時刻に基づく時刻で、前記記憶した注文情報で指定される作業指示情報を作業指示装置に出力する作業指示情報出力ステップと、
から構成されたことを特徴とする注文処理方法。
【請求項5】
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店外サーバであって、
前記顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む注文情報を受信する注文情報受信手段と、
前記受信した注文情報を前記店内サーバに送信する注文情報送信手段と、
前記店内サーバから商品の注文受け付けの制限を指示するための制限情報を受信する制限情報受信手段と、
前記受信した制限情報に基づいて前記顧客端末からの商品の注文を制限する注文制限手段と、
を具備したことを特徴とする店外サーバ。
【請求項6】
店外の顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む店外の注文情報を受け付ける店外サーバと、店内端末から指定時刻を含まない店内の注文情報を受け付ける店内サーバと、注文情報に基づいて作業を行う作業者に作業指示を通知する作業指示装置と、を用いて構成される注文システムで使用する店外サーバであって、
前記店外サーバは、注文情報受信手段と、注文情報送信手段と、制限情報受信手段と、注文制限手段と、を備え、
前記注文情報受信手段によって、前記顧客端末から顧客が指定した指定時刻を含む注文情報を受信する注文情報受信ステップと、
前記注文情報送信手段によって、前記受信した注文情報を前記店内サーバに送信する注文情報送信ステップと、
前記制限情報受信手段によって、前記店内サーバから商品の注文受け付けの制限を指示するための制限情報を受信する制限情報受信ステップと、
前記注文制限手段によって、前記受信した制限情報に基づいて前記顧客端末からの商品の注文を制限する注文制限ステップと、
から構成されたことを特徴とする注文処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−193669(P2007−193669A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−12637(P2006−12637)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)
【Fターム(参考)】
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