説明

店舗システム及び情報処理装置

【課題】店舗外の天候を容易に記録することを可能とする。
【解決手段】店舗システム1は、屋外カメラ20、ストアサーバ30を有する。屋外カメラ20は、店舗外を撮像する。ストアサーバ30は、所定の時刻に屋外カメラ20が撮像した画像を取得し、取得した画像をもとに、店舗外の天候を判定し、その時刻を示す情報に対応付けて、判定された天候を記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、店舗システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大型ショッピングモールなどの店舗では、現在の天候などの屋外の状況を店舗内から容易に分かるようにするため、屋外に設置されたカメラの映像をPOS(Point Of Sale)端末に表示する店舗システムを用いるところがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来技術では、屋外に設置されたカメラの映像から店舗外の現在の天候を知らしめることはできても、店舗外の天候を記録することはできなかった。例えば、店舗外の天候は売上に大きく影響することがあり、店舗外の天候を記録して活用できれば、経営方針を決める際に大いに参考になる。ところが、近年の天候は局所的な雷雨などが多発していることが示すように、ピンポイントで天候が大きく変化する場合がある。このため、インターネット上の検索サービスやニュースサイトなどでは店舗が存在するピンポイントの天候に関する情報が得られないため、店員が外の様子を観察して天候を記録しており、不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明の実施形態は、店舗外を撮像する撮像装置と、サーバ装置とを有することを特徴とする店舗システムである。サーバ装置は、画像取得手段、判定手段、記録手段を備える。画像取得手段は、所定の時刻に撮像装置が撮像した画像を取得する。判定手段は、取得した画像をもとに、店舗外の天候を判定する。記録手段は、時刻を示す情報に対応付けて、判定された天候を記録する。
【0005】
また、本発明の実施形態は、画像取得手段と、判定手段と、記録手段とを備えることを特徴とする情報処理装置である。画像取得手段は、店舗外を撮像する撮像装置が所定の時刻に撮像した画像を取得する。判定手段は、取得した画像をもとに、店舗外の天候を判定する。記録手段は、時刻を示す情報に対応付けて、判定された天候を記録する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、店舗システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、店舗の外観を示す外観斜視図である。
【図3】図3は、屋外カメラが撮像した画像の一例を示す図である。
【図4】図4は、ストアサーバのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図5】図5は、天候情報のデータ構成を例示する概念図である。
【図6】図6は、売上情報のデータ構成を例示する概念図である。
【図7】図7は、ストアサーバの動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、表示部の表示例を示す概念図である。
【図9】図9は、表示部の表示例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、本実施形態にかかる店舗システム及び情報処理装置の詳細を説明する。なお、本実施形態においては、大型ショッピングモールやコンビニエンスストアなどの店舗において設置される、POS端末やストアサーバなどから構成されるシステムに適用する場合を例示して説明する。
【0008】
図1は、店舗システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、店舗システム1は、POS端末10、屋外カメラ20、ストアサーバ30及びプリンタサーバ40を備える。POS端末10、屋外カメラ20、ストアサーバ30及びプリンタサーバ40は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)などである通信ネットワークNTを介して互いに通信可能に接続される。POS端末10は、顧客がカウンタ(図示しない)などに持ち込んだ商品の登録及び精算を行う。屋外カメラ20は、店舗の屋外に設置され、店舗外を撮像するデジタルカメラである。屋外カメラ20は、所定のフレームレートで撮像を行い、撮像したフレーム画像を通信ネットワークNTにブロードキャストする。これにより、通信ネットワークNTを介して接続する機器(例えばPOS端末10や屋外カメラ20)では、ブロードキャストされた店舗外の画像を取得できる。
【0009】
図2は、店舗100の外観を示す外観斜視図である。図2に示すように、屋外カメラ20は、店舗100の軒下などにおいて、店舗100の外に向けて設置される。図3は、屋外カメラ20が撮像した画像Gの一例を示す図である。図3に示すように、屋外カメラ20からは、店舗100の外の状況を示す画像Gがブロードキャストされる。画像Gは、後述する天候判定において必要な店舗外の空と地面とを含む画像であればよく、魚眼レンズなどで撮像された超広角の画像であってもよい。本実施形態では、店舗100の外に設置された屋外カメラ20により店舗外の画像Gを撮像する構成を例示した。しかしながら、画像Gと同様な店舗外の状況を示す画像を撮像可能であれば、店舗の中にデジタルカメラを設置する構成であってよい。
【0010】
図1に戻り、ストアサーバ30は、POS端末10の上位機として機能するサーバ装置であり、POS端末10により登録されて精算された商品の売上データなどを通信ネットワークNTを介してPOS端末10より取得し、店舗の売上として売上情報363(図4参照)に記録する。また、ストアサーバ30は、屋外カメラ20が通信ネットワークNTにブロードキャストする店舗外の画像を取得し、その取得した画像をもとに店舗外の天候を判定して記録する(詳細は後述する)。プリンタサーバ40は、各種帳票を印刷するためのプリンタ50を制御するサーバ装置である。
【0011】
次に、ストアサーバ30の詳細について図4を参照して説明する。図4は、ストアサーバ30のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図4に示すように、ストアサーバ30は、CPU31(Central Processing Unit)、ROM32(Read Only Memory)、RAM33(Random Access Memory)、操作部34、表示部35、HDD36(Hard Disk Drive)及び通信部37を備える。上記各部はバス38により互いに接続される。
【0013】
CPU31は、ストアサーバ30の動作を中央制御する。具体的には、CPU31は、ROM32やHDD36などに記憶されたプログラムをRAM33の作業領域に展開して順次実行し、バス38を介して接続する各部に制御信号を出力する。ROM32は、CPU31が実行するプログラムや各種設定データなどを記憶する。RAM33は、CPU31がプログラムを実行する際に作業領域を提供する。なお、CPU31は、RTC(Real Time Clock)機能を有しており、例えばRTC機能により計時された時刻に応じた処理を実行する。
【0014】
操作部34は、キーボード及びマウスなどのポインティングデバイスなどである。操作部34は、ユーザの操作を受け付けてその操作に応じた信号をCPU31に出力する。表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置であり、CPU31から出力される信号に応じた画面表示を行う。HDD36は、いわゆる大容量記憶装置であり、CPU31が実行するプログラムの他、店舗100にかかる各種業務データを記憶する。具体的には、HDD36は、天候情報361、画像データ362、売上情報363などを記憶する。通信部37は、通信ネットワークNTと接続するための通信インタフェースである。
【0015】
天候情報361は、屋外カメラ20が撮像し、通信ネットワークNTにブロードキャストされた店舗外の画像をもとに判定した天候を記録するデータファイルなどである。図5は、天候情報361のデータ構成を例示する概念図である。図5に示すように、天候情報361は、通信ネットワークNTにブロードキャストされた店舗外の画像を取得して天候の判定を行った日時、判定した天候、判定に用いた画像データを特定する情報(ファイル名など)を記録している。
【0016】
画像データ362は、屋外カメラ20が撮像し、通信ネットワークNTにブロードキャストされた店舗外の画像において、天候の判定を行った画像のデータである。具体的には、通信ネットワークNTにブロードキャストされた店舗外のフレーム画像の中で、天候の判定を行ったフレーム画像を、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式などの静止画像ファイルに変換したデータである。
【0017】
売上記録手段としての売上情報363は、店舗の売上を記録するデータファイルなどである。図6は、売上情報363のデータ構成を例示する概念図である。図6に示すように、売上情報363は、日時に記録された時刻ごとに、その時刻を含む時間帯でPOS端末10により取得された売上データ(売上額)を記録する。例えば、図示例では、9:00、10:00…の1時間ごとの売上額が売上情報363に記録されている。
【0018】
ここで、CPU31がプログラムを順次実行することで実現されるストアサーバ30の機能部について説明する。図4に示すように、CPU31は、プログラムを順次実行することにより、画像取得部311、天候判定部312、天候記録部313、表示制御部314としての機能を備える。
【0019】
画像取得部311は、ROMなどに予め設定されている所定の時刻に通信ネットワークNTにブロードキャストされている店舗外の画像を、通信部37より取得する。なお、画像取得部311が店舗外の画像を取得する時刻は、例えば1時間おきに設定されてよい。この場合は、9:00、10:00…などのように、1時間おきに店舗外の画像が取得されることとなる。
【0020】
天候判定部312は、画像取得部311が取得した店舗外の画像をもとに、店舗外の天候を判定する。具体的には、店舗外の画像に含まれる空部分や地面部分の明度、色合いをもとに晴れ又は曇りの判定を行う。例えば、空部分の色合いが青より白が強く、地面部分が暗く、予め設定された明るさ以下である場合は、店舗外の天候は曇りであると判定する。また、空部分の色合いが白より青より強く、地面部分が照り返しなどにより明るく、予め設定された明るさ以上である場合は、店舗外の天候は晴れであると判定する。なお、店舗外の画像に含まれる空部分や地面部分については、画像の上半分又は下半分などのように、予めROMなどに設定されているものとする。
【0021】
また、天候判定部312は、曇りであると判定した場合には、店舗外の画像に筋状の画像が含まれるか否かをもとに、雨又は雪の判定を行う。例えば、店舗外の画像に筋状に光る画像が含まれる場合には、雨滴や雪の結晶が落下しているものとして、店舗外の天候は雨又は雪であると判定する。なお、天候判定部312は、筋状に光る画像の太さや長さをもとに、雨又は雪のいずれであるかを判定してもよい。例えば、筋状に光る画像が太く、長さが短い場合には、粒子幅が大きく落下速度の遅い雪の結晶であることから、雪であると判定する。また、筋状に光る画像が細く、長さが長い場合には、粒子幅が小さく落下速度の早い雨滴であることから、雨であると判定する。
【0022】
記録手段としての天候記録部313は、所定の時刻に画像取得部311より取得された店舗外の画像から天候判定部312が判定した天候を、その時刻を示す情報に対応付けて天候情報361に記録する。具体的には、図5に示すように、××××年××月××日の9:00に画像取得部311より取得された店舗外の画像から天候判定部312が判定した「曇り」が、その時刻に対応したセルに記録される。また、天候記録部313は、その時の店舗外の画像として画像データ362に記録された静止画像の画像ファイル名を天候情報361に記録する。
【0023】
表示制御部314は、表示部35の表示を制御する。具体的には、操作部34によりHDD36に記録した天候情報361の表示が指示された場合は、天候情報361を読みだして、表示部35への表示を行う。例えば、操作部34により時間帯などの指定が行われた場合は、天候情報361における日時を参照することで、その指定された時間帯にかかるデータが読み出されて表示される。
【0024】
次に、ストアサーバ30の動作について詳細に説明する。図7は、ストアサーバ30の動作の一例を示すフローチャートである。
【0025】
図7に示すように、処理が開始されると、画像取得部311は、現在の時刻が予め設定された所定の時刻である否かを判定する(S1)。所定の時刻でない場合(S1:NO)は、S9へ処理を進める。所定の時刻である場合(S1:YES)、画像取得部311は、通信ネットワークNTにブロードキャストされている屋外カメラ20の画像を通信部37を介して取得する(S2)。
【0026】
次いで、天候判定部312は、画像取得部311が取得した屋外カメラ20の画像から空、地面部分の明度、色合いを取得する(S3)。具体的には、取得した画像の上半分から空の明度及び色合いを取得し、下半分から地面の明度、色合いを取得する。次いで、天候判定部312は、上述したとおり、画像に含まれる空部分や地面部分の明度、色合いを基に晴れ又は曇りの判定を行う(S4)。
【0027】
次いで、天候判定部312は、S4において曇りと判定したか否かを判定する(S5)。曇りと判定していない場合(S5:NO)、すなわち、晴れと判定した場合には、S8へ処理を進める。
【0028】
曇りと判定した場合(S5:YES)、天候判定部312は、取得した屋外カメラ20の画像に筋状に光る画像が含まれるか否かを判定する(S6)。筋状に光る画像が含まれない場合(S6:NO)は、S8へ処理を進める。筋状に光る画像が含まれる場合(S6:YES)は、上述したとおり、筋状に光る画像の太さや長さをもとに、雨又は雪のいずれであるかを判定する(S7)。
【0029】
S8において、天候記録部313は、所定の時刻に取得された屋外カメラ20の画像から天候判定部312がS4又はS7で判定した天候を、その時刻を示す情報に対応付けて天候情報361に記録し、S9へ処理を進める。
【0030】
S9において、表示制御部314は、記録した天候情報361の、操作部34による表示指示があるか否かを判定する。表示指示がない場合(S9:NO)はS11へ処理を進める。表示指示がある場合(S9:YES)、表示制御部314は、天候情報361を読みだして表示部35への表示を行い(S10)、S11へ処理を進める。
【0031】
図8、図9は、表示部35の表示例を示す概念図である。図8に示すように、S10において、表示部35には、天候情報361より読み出された時刻、その時刻に屋外カメラ20より取得した画像から判定した天候、及び天候情報361の画像データの項目をもとに読み出された画像データ362がその時の屋外カメラ20の映像として表示される。このため、ユーザ(店員)は、記録された天候を、その時の屋外カメラの映像と合わせて確認できる。
【0032】
図9に示すように、S10において、表示部35には、天候情報361より読み出された時刻、及びその時刻に屋外カメラ20より取得した画像から判定した天候の他、時刻をもとに売上情報363を参照して取得した売上額などの売上情報を表示してもよい。この場合、店員は、記録された天候とともに、その時の売上を確認することができ、天候に対応した経営方針を決める際の参考とすることができる。
【0033】
S11において、CPU31は、操作部34の終了操作などによる処理の終了の有無を判定する。終了操作が行われず、処理を継続する場合(S11:NO)、CPU31はS1へ処理を戻す。終了操作が行われた場合(S11:YES)、CPU31は処理を終了する。
【0034】
本実施形態のストアサーバ30で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態のストアサーバ30で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0035】
さらに、本実施形態のストアサーバ30で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態のストアサーバ30で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0036】
本実施形態のストアサーバ30で実行されるプログラムは、上述した各部(画像取得部311、天候判定部312、天候記録部313、表示制御部314)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、画像取得部311、天候判定部312、天候記録部313、表示制御部314が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0037】
1 店舗システム
10 POS端末
20 屋外カメラ
30 ストアサーバ
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 操作部
35 表示部
36 HDD
311 画像取得部
312 天候判定部
313 天候記録部
314 表示制御部
361 天候情報
362 画像データ
363 売上情報
G 画像
NT 通信ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特開平5−266349公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗外を撮像する撮像装置と、
所定の時刻に前記撮像装置が撮像した画像を取得する画像取得手段、
取得した前記画像をもとに、店舗外の天候を判定する判定手段、
前記時刻を示す情報に対応付けて、判定された前記天候を記録する記録手段を備えるサーバ装置と、
を有することを特徴とする店舗システム。
【請求項2】
前記判定手段は、前記画像に含まれる空部分及び地面部分にかかる、明度及び色をもとに天候を判定すること、
を特徴とする請求項1に記載の店舗システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記画像に筋状の画像が含まれる場合に、前記天候が雨又は雪であると判定すること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の店舗システム。
【請求項4】
前記記録された天候を表示する表示装置を更に備え、
前記記録手段は、前記天候を判定した画像をさらに記録し、
前記表示装置は、記録された前記天候とともに当該天候を判定した画像を表示すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の店舗システム。
【請求項5】
前記記録された天候を表示する表示装置と、
時刻ごとの店舗の売上を示す売上情報を記録する売上記録手段とを更に備え、
前記表示装置は、記録された前記天候とともに当該天候を判定した時刻にかかる前記売上情報を表示すること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の店舗システム。
【請求項6】
店舗外を撮像する撮像装置が所定の時刻に撮像した画像を取得する画像取得手段と、
取得した前記画像をもとに、店舗外の天候を判定する判定手段と、
前記時刻を示す情報に対応付けて、判定された前記天候を記録する記録手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−52930(P2012−52930A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196208(P2010−196208)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】