座クッション
【課題】座クッションにおいて、製造が簡易であり、且つ、十分なフィット感・サポート感を発揮して座り心地を向上させることを可能とする。
【解決手段】上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3と下層板状弾性部材4とを上下に重ねた積層構造とし、中間層板状弾性部材3に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点10,10が収まる範囲の上下方向の貫通穴3aを形成するようにした。
【解決手段】上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3と下層板状弾性部材4とを上下に重ねた積層構造とし、中間層板状弾性部材3に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点10,10が収まる範囲の上下方向の貫通穴3aを形成するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座クッションに関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば、種々の椅子の座板やシート・ソファの座部に載置してクッションとして用いたり、車いす用のクッションや福祉機器に使用するクッションとして用いたり、床や畳に載置して座布団として用いたりして好適な座クッションに関する。
【背景技術】
【0002】
シートの座部に用いられる従来のクッションパッドとしては、例えば、図12に示すように、樹脂フォームからなるパッド本体101と、該パッド本体101の臀部下部110の底面側に樹脂フォームの発泡成形によって積層一体化されたパッド本体101よりも高硬度の樹脂フォームからなる小パッド102とを備えてなる車両用シートパッド100において、小パッド102における着座者Pの左右の坐骨が当接する箇所(以下、坐骨当接点と呼ぶ)P1,P1の直下に相当する位置に上下方向の貫通穴103,103を設け、当該貫通穴103,103によってパッド本体101の左右一対の坐骨当接点P1,P1の直下に相当する位置の下方に空洞部104,104を設けるようにするものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−112582号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のクッションパッドでは、パッド本体101と硬度違いの小パッド102を嵌め込むための凹部105の側周面や小パッド102の貫通穴103の周面はどちらも垂直方向の滑らかな壁面である。このため、着座したときに硬度違いやサポート有無の境界が凹凸としてはっきりと感じられ、座り心地が良いとは言い難い。
【0005】
また、特許文献1のクッションパッドでは、坐骨が強く当接する箇所のみ貫通穴103,103を設けるようにしており、この場合には、臀部や大腿部に十分なフィット感が得られ難いという問題がある。
【0006】
また、特許文献1のクッションパッドでは、パッド本体101の凹部105に硬度違いの小パッド102を嵌め込むようにしており、パッドに凹部を形成すると共に別部材を形成し且つ当該別部材を前記凹部に嵌め込む必要があり、製造の手間とコストとがかかるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、製造が簡易であり、且つ、十分なフィット感・サポート感を発揮して座り心地を向上させることができる座クッションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の座クッションは、上層板状弾性部材と中間層板状弾性部材と下層板状弾性部材とを上下に重ねた積層構造をなし、中間層板状弾性部材に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点が収まる範囲の上下方向の貫通穴が形成されているようにしている。
【0009】
したがって、この座クッションによると、中間層板状弾性部材に着座者の左右の坐骨当接点が収まる範囲の上下方向の貫通穴を形成することのみによって着座者の臀部の圧迫感を低減させると共にフィット感・サポート感を発揮させるようにしているので、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がない。
【0010】
また、中間層板状弾性部材の貫通穴は板状部材を単に打ち抜くことによって形成することも可能であり、この場合には、金型を使わないで製作することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の座クッションにおいて、貫通穴の周面に周方向の凹凸が形成されているようにしている。この場合には、中間層板状弾性部材によるサポート有無が徐々に変化するようになる。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の座クッションにおいて、貫通穴の前側周面の凹凸の凹部底面から凸部頂点までの寸法が貫通穴の後側周面の凹凸の凹部底面から凸部頂点までの寸法よりも長いようにしている。この場合には、中間層板状弾性部材によるサポート有無が、前方に延出する大腿接触部の体圧分布の全体に亘って徐々に変化するようになる。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の座クッションにおいて、貫通穴の周面が、上端よりも下端の方が貫通穴の内側に張り出している斜面として形成されているようにしている。この場合には、中間層板状弾性部材によるサポート有無が徐々に変化するようになる。
【0014】
また、請求項5記載の座クッションは、上層板状弾性部材と下層板状弾性部材とを上下に重ねた積層構造をなし、上層板状弾性部材の下面側に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点が収まる範囲の凹部が形成されているようにしている。
【0015】
したがって、この座クッションによると、上層板状弾性部材の下面側に着座者の左右の坐骨当接点が収まる範囲の凹部を形成することのみによって着座者の臀部の圧迫感を低減させると共にフィット感・サポート感を発揮させるようにしているので、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がない。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の座クッションによれば、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がないので、部品点数を減らすと共に製造の手間を軽減して製造コストを低減させることが可能になる。また、金型を使わないで製作するようにすることもでき、その場合には製造コストを更に低減させることが可能になる。
【0017】
さらに、請求項2記載の座クッションによれば、中間層板状弾性部材によるサポート有無を徐々に変化させることができるので、着座したときにサポート有無の境界が凹凸としてはっきりと感じられてしまうことが避けられ、座り心地を向上させることが可能になる。
【0018】
また、請求項3記載の座クッションによれば、中間層板状弾性部材によるサポート有無を前方に延出する大腿接触部の体圧分布の全体に亘って徐々に変化させることができるので、着座者の臀部に加えて大腿部のフィット感及びサポート感・ホールド感を一層良好なものにして座り心地を更に向上させることが可能になる。
【0019】
また、請求項4記載の座クッションによれば、中間層板状弾性部材によるサポート有無を徐々に変化させることができるので、着座したときにサポート有無の境界が凹凸としてはっきりと感じられてしまうことが避けられ、座り心地を向上させることが可能になる。
【0020】
請求項5記載の座クッションによれば、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がないので、部品点数を減らすと共に製造の手間を軽減して製造コストを低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の座クッションの実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】実施形態の座クッションの分解斜視図である。
【図3】着座者の体圧分布と貫通穴との関係を説明する図である。(A)は着座者の体圧分布を示す図である。(B)は着座者の体圧分布と実施形態の座クッションの貫通穴との位置関係を示す図である。
【図4】実施形態の座クッションの貫通穴周面の鋸歯形の凹凸の寸法を説明する図である。
【図5】貫通穴の他の実施形態を説明する図である。(A)は中間層板状弾性部材の平面図である。(B)は中間層板状弾性部材の斜視図である。
【図6】貫通穴の更に他の実施形態を説明する図である。(A)は中間層板状弾性部材の平面図である。(B)は中間層板状弾性部材の斜視図である。(C)は中間層板状弾性部材の左右方向中央位置における前後方向縦断面図である。
【図7】他の実施形態の座クッションを説明する図である。(A)は中間層板状弾性部材の平面図である。(B)は中間層板状弾性部材の斜視図である。(C)は中間層板状弾性部材の左右方向中央位置における前後方向縦断面図である。
【図8】実施例1の座クッションを説明する図である。(A)は着座者の体圧分布の寸法及び貫通穴に纏わる寸法を説明する図である。(B)は着座者の坐骨当接点と貫通穴とに纏わる寸法を説明する図である。
【図9】実施例1の座クッションの寸法を説明する図である。
【図10A】従来のクッションに着座したときの体圧分布を示す図である。
【図10B】従来のクッションに着座したときの体圧分布を示す図である。
【図11A】実施例1の座クッションに着座したときの体圧分布を示す図である。
【図11B】実施例1の座クッションに着座したときの体圧分布を示す図である。
【図12】従来のクッションパッドを説明する図である。(A)は平面図である。(B)は(A)のII−II線の縦断面図である。(C)は(A)のIII−III線の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1から図4に、本発明の座クッションの実施形態の一例を示す。なお、本明細書においては、椅子の座板などに載置された座クッションに座った着座者を基準にして上下、前後、左右を定義する。
【0024】
本実施形態の座クッション1は、上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3と下層板状弾性部材4とを上下に重ねた積層構造をなし、中間層板状弾性部材3に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点10,10が収まる範囲の上下方向の貫通穴3aが形成されているものである。
【0025】
また、本実施形態では、座クッション1は、下層板状弾性部材4の下面側に、通気性向上のための第四の板状弾性部材5(以下、下面板状弾性部材5と呼ぶ)を更に有する。すなわち、本実施形態の座クッション1は四枚の板状弾性部材からなる四層構造を有するものとして構成されている。なお、四枚の板状弾性部材は、単に積み重ねられているだけでも構わないが、上下隣接するもの同士が接着されることが好ましい。
【0026】
さらに、座クッション1は、例えば布製のカバー(図示していない)によって全体が包まれ、当該カバーによっても四枚の板状弾性部材2,3,4,5がばらばらにならずに上下に重なっている積層構造が保たれる。
【0027】
上層,中間層,下層,下面の板状弾性部材2,3,4,5の材質としては、例えば、ウレタンフォーム,ポリエステル系弾性体(具体的には例えばブレスエアー(登録商標:東洋紡績株式会社)),オレフィン系(複合)弾性体(具体的には例えばエアースクリーン(登録商標:野村貿易株式会社)),繊維立体織物,繊維立体弾性体(具体的には例えばエアクィーン(登録商標:帝人ファイバー株式会社)),エアクッション,ジェルなどが用いられる。
【0028】
本発明では、四枚の板状弾性部材2,3,4,5を全て同じ材質で形成しても良いし、一部の板状弾性部材を他のものとは異なる材質で形成しても良いし、四枚の板状弾性部材を全て異なる材質で形成しても良い。なお、各板状弾性部材の素材は、通気性が良いものであれば使用中の不快感を抑えることができるので好ましく、洗えるものであれば清潔に保つことができるので好ましく、軽量であれば持ち運びや設置を容易にすることができるので好ましい。また、下面板状弾性部材5は座クッション1の通気性を向上させるために特に通気性の良い材質で形成されることが好ましい。
【0029】
また、四枚の板状弾性部材2,3,4,5の硬さ・弾力を相互に変える場合であっても、上述のものであれば同じ材質でも硬度を調整することができる。なお、各板状弾性部材の硬さ・弾力を相互に変える場合には、例えば、上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3を柔らかめにすると共に下層板状弾性部材4を硬めにすることにより、ソフトな感触と十分なフィット感・サポート感を実現して一層良好な座り心地を発揮させることができる。
【0030】
ここで、本実施形態では座クッション1の平面形状を正方形としているが、本発明の座クッションの平面形状は正方形に限られるものではなく、例えば長方形でも良いし、三角形や五角形や他の多角形でも良いし、円形や楕円形でも良い。また、四枚の板状弾性部材2,3,4,5の平面形状やその大きさは同じであることが好ましいが、相互に若干異なっていても構わない。また、座クッション1の前後方向,左右方向の長さは特定の長さには限られない。なお、例えば、座クッション1の前後方向,左右方向の長さを300〜600〔mm〕程度にすることが考えられる。
【0031】
また、本発明では、四枚の板状弾性部材2,3,4,5の厚さは特定の厚さに限られないし、相互の厚さの関係の制限もない。すなわち、四枚の板状弾性部材が全て同じ厚さでも良いし、相互に異なる厚さでも良い。なお、例えば、板状弾性部材一枚(即ち、一層)の厚さを10〜40〔mm〕程度にし、四層合計で50〜120〔mm〕程度にすることが考えられる。
【0032】
そして、本発明では、中間層板状弾性部材3の後方寄りの位置に上下方向の貫通穴3aが設けられる。当該貫通穴3aにより、板状弾性部材の積層構造によって構成される座クッション1の内部に空洞が形成される。
【0033】
貫通穴3aは、板状弾性部材を打ち抜くことによって形成するようにしても良いし、貫通穴を初めから有する板状弾性部材として成型する金型を用いて形成するようにしても良い。なお、板状弾性部材を打ち抜くことによって貫通穴を形成する場合には、金型を使わないで製作することができるので、金型の製作と金型を用いた成型過程の手間とを省いて製作コストを低減させることができる。
【0034】
ここで、着座時の着座者の一般的な体圧分布は、図3(A)に示すように、着座者の左右の坐骨が当接する箇所(即ち、坐骨当接点)10,10が最も圧力が高くなり、当該坐骨当接点10,10を中心として徐々に小さくなりながら概ね同心円状に拡がり、さらに、坐骨当接点10,10のそれぞれから左右の大腿接触部11,11に沿って前方に拡がる。
【0035】
そして、貫通穴3aは、図3(B)に示すように、着座者の左右の坐骨当接点10,10が全て若しくは殆ど収まる範囲で設けられる。すなわち、本発明における貫通穴3aの大きさは、着座者の左右の坐骨当接点10,10が全て若しくは殆ど収まる大きさであれば特定の大きさに限定されるものではなく、どのような体型の使用者を想定するかによって、場合によっては座クッション1の平面形状の大きさと共に適当な大きさが選択される。本発明では、上述の範囲で貫通穴3aが設けられるようにすることにより、着座時の圧力が最も高くなる坐骨当接点10,10の緩衝帯として貫通穴3aが機能し、これによって着座時の臀部の圧迫感が低減する。
【0036】
本実施形態では、中間層板状弾性部材3の貫通穴3aの周面に周方向の凹凸が形成されている。本実施形態では、周面の周方向の凹凸として、周面が鋸歯形に(言い換えると、貫通穴内側に向かう山形の突出部と貫通穴外側に向かう山形の切り込みとが)形成されている。なお、本実施形態では、鋸歯先端の尖鋭部分は切り取られており、鋸歯の平面形状は概ね台形になっている。
【0037】
このように、中間層板状弾性部材3に貫通穴3aを設けることによって座クッション1内部に空洞を形成すると共に貫通穴3aの周面に周方向の凹凸を形成することにより、着座時の体圧が最も高くなる坐骨当接点10,10部分が特に変形し易くなると共に、着座者の坐骨当接点10,10を含む臀部及び大腿接触部11,11の体圧分布に対して中間層板状弾性部材3によるサポート有無の境界が複雑に交錯することになるので、着座者の臀部の圧迫感を低減させることができると共に貫通穴3aとクッション部3bとの境界がはっきりと感じられてしまって座り心地を悪化させてしまうことを防ぐことができる。さらに、貫通穴3aを有する中間層板状弾性部材3を上層板状弾性部材2と下層板状弾性部材4とで上下に挟んで積層構造を構成しているので、貫通穴3aとその周面の凹凸との働きによってフィット感を向上させることができると共に上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3のクッション部3bと下層板状弾性部材4との働きによって十分なサポート感を発揮させることができる。
【0038】
また、座クッション1内部に空洞を形成することにより、座クッション1の通気性を向上させる効果も期待できる。
【0039】
さらに、本実施形態では、貫通穴3aの周面の鋸歯形の凹凸の寸法(言い換えると、鋸歯の長さ、或いは、凹部底面から凸部頂点までの寸法)は、前側周面の凹凸の方が後側周面の凹凸よりも長くなるようにしている。すなわち、図4に示すように、貫通穴3aの前側周面の凹凸の寸法Lf1,Lf2は後側周面の凹凸の寸法Lbよりも長い。このようにすることによって、中間層板状弾性部材3によるサポートの有無を、前方に延出する大腿接触部11,11の体圧分布の全体に亘って徐々に変化させることができるので、座り心地を一層向上させることができると共に着座者の大腿部のサポート感・ホールド感を一層良好なものにすることができる。
【0040】
さらに、本実施形態では、貫通穴3aの前側周面の凹部(言い換えると、貫通穴3aからクッション部3bへの切り込み)のうち、左右の大腿接触部11,11それぞれの概ね中心位置の凹部3ac,3ac(図3参照)の寸法が最も長くなるようにしている。すなわち、図4に示すように、前側周面の凹凸のうち、左右の大腿接触部11,11の概ね中心位置の凹部3acの寸法(言い換えると、凹部底面から凸部頂点までの寸法)Lf2が、前側周面中央部の凹凸の寸法Lf1よりも長い。このようにすることによって、大腿接触部11の体圧分布に一層適切に沿ってサポート有無を変化させることができるので、座り心地を一層向上させることができると共に着座者の大腿部のサポート感・ホールド感を一層良好なものにすることができる。
【0041】
以上の構成を有する本発明の座クッションによれば、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がないので、部品点数を減らすと共に製造の手間を軽減して製造コストを低減させることが可能になる。また、金型を使わないで製作するようにすることもでき、その場合には製造コストを更に低減させることが可能になる。
【0042】
また、本発明の座クッションによれば、中間層板状弾性部材3によるサポート有無を徐々に変化させることができるので、着座したときにサポート有無の境界が凹凸としてはっきりと感じられてしまうことが避けられ、座り心地を向上させることが可能になる。また、本発明の座クッションによれば、中間層板状弾性部材3によるサポート有無を前方に延出する大腿接触部11,11の体圧分布の全体に亘って徐々に変化させることができるので、着座者の臀部に加えて大腿部のフィット感及びサポート感・ホールド感を一層良好なものにして座り心地を更に向上させることが可能になる。
【0043】
なお、本発明の座クッションは、例えば、家庭,オフィス,各種施設,店舗などで用いられる種々の椅子の座板やシート・ソファの座部に載置してクッションとして用いたり、車いす用のクッションや座板・座部を有する各種の福祉機器に使用するクッションとして用いたり、家庭,各種施設,店舗などで床や畳に載置して座布団として用いたりするのに好適である。特に、車いすや各種の福祉機器の利用者は長時間に亘って着座することが多いので、着座者の臀部の圧迫感を低減させることができると共に着座者の臀部に加えて大腿部のフィット感及びサポート感・ホールド感を良好なものにして座り心地を向上させることができる本発明はこれらのクッションとして用いて好適である。
【0044】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では下面板状弾性部材5を含めて四層構造として構成されているが、下面板状弾性部材5は本発明においては必須の部材ではない。すなわち、下面板状弾性部材5を除く、上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3と下層板状弾性部材4とによる三層構造として構成されていれば本発明の効果を発揮することができる。
【0045】
また、上述の実施形態では貫通穴3a周面の鋸歯形の凹凸は鋸歯先端の尖鋭部分が切り取られて鋸歯は概ね台形に形成されているが、図5に示すように先端鋭角の鋸歯形であっても良い。
【0046】
さらに言えば、貫通穴3a周面の周方向の凹凸は、上述の実施形態のような鋸歯形には限られない。すなわち、周方向の凹凸は、着座者の臀部及び大腿部の体圧分布に対して中間層板状弾性部材3によるサポート有無の境界が交錯すればどのような形状であっても良く、例えば周方向の波形でも良いし、櫛歯形のように細かい凹凸でも良い。なお、鋸歯形や波形のように着座者の坐骨当接点10を中心とする同心円状に着座者の臀部及び大腿部を支える中間層板状弾性部材3の面積が徐々に増加する形状が、中間層板状弾性部材3によるサポート有無を徐々に変化させるという点で好ましい。
【0047】
また、上述の実施形態では貫通穴3a周面の鋸歯形の凹凸を形成する壁面は垂直方向であるが、上端(即ち、中間層板状弾性部材3の上面側)よりも下端(即ち、同下面側)が貫通穴3aの内側に向かって張り出している傾斜面として形成されても良い(すなわち、貫通穴3aの上端径よりも下端径の方が小さい)。
【0048】
また、貫通穴3aの形状は、図6に示すように、楕円形であっても、すなわち鋸歯形や波形などの周方向の凹凸がなくても、良い。ただしこの場合には、弾性部材によるサポート有無を徐々に変化させるため、貫通穴3aの周面は上端よりも下端が貫通穴3aの内側に向かって張り出している傾斜面として形成される。
【0049】
さらに、本発明の座クッションは、二層構造として構成されても良い。すなわち、図7に示すように、上層板状弾性部材2’の下面側に凹部2aを形成することによって本発明の効果を発揮させるための空洞を形成するようにしても良い。この場合には、上述の実施形態における上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3とを一体の上層板状弾性部材2’として形成し、下層板状弾性部材4と組み合わせて二層構造とする。また、二層構造の場合には、弾性部材によるサポート有無を徐々に変化させるため、着座者の坐骨当接点10,10を最深部とし、臀部及び大腿部の体圧分布に合わせて徐々に浅くなる凹みとして凹部2aを形成する。したがって、大腿部に沿って前方への二つの延出部2af,2afが形成される。この場合も、上層板状弾性部材2’の凹部2a及びクッション部2b並びに下層板状弾性部材4とによって十分なフィット感・サポート感を発揮して良好な座り心地を発揮させることができる。
【実施例1】
【0050】
本発明の座クッションの実施例を図8から図11を用いて説明する。
【0051】
本実施例では、上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3が無膜ウレタンで形成され、下層板状弾性部材4がエアースクリーンで形成され、下面板状弾性部材5がエアクイーンで形成された。なお、上述の素材はいずれも通気性が良く且つ洗える素材であって更に軽量であるので、使用中の不快感を抑制でき、清潔を維持でき、持ち運び・設置が容易にできる。
【0052】
そして、下層板状弾性部材4は上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3並びに下面板状弾性部材5よりも硬めに形成された。このように、上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3を柔らかめに形成すると共に下層板状弾性部材4を硬めに形成することにより、ソフトな感触と十分なフィット感・サポート感を実現して良好な座り心地を発揮させることができる。
【0053】
また、上述の四層の積層構造として構成された四枚の板状弾性部材はダブルラッセル構造のニット製のカバーで包まれた。
【0054】
本実施例の座クッション1は、図8(A)に示すように、標準的な体型の人が用いるのに適当な大きさとして400〔mm〕四方の正方形に形成された。
【0055】
また、本実施例の座クッション1は、上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3は厚さ20〔mm〕に形成され、下層板状弾性部材4は厚さ30〔mm〕に形成され、下面板状弾性部材5は厚さ15〔mm〕に形成された。
【0056】
また、図8(A)に示すように、着座時の体圧分布に基づいて、着座者の左右の坐骨当接点10,10間の寸法は90〜140〔mm〕程度が適当であり、座クッション1の後端から坐骨当接点10までの寸法は95〜145〔mm〕程度が適当であると判断された。
【0057】
そして、図8(B)に示すように、中間層板状弾性部材3の貫通穴3aの範囲を定める基準(すなわち、凹凸や傾斜を有する貫通穴3aの内径の目安)として、着座時の体圧分布に基づいて、着座者の臀部に対応する横幅の目安として坐骨当接点10からの横幅Dsは60〜100〔mm〕程度が適当であり、坐骨当接点10からの後幅Dbは40〜80〔mm〕程度,前幅Dfは60〜100〔mm〕程度が適当であると判断された。また、坐骨当接点10からの後幅Dbよりも前幅Dfの方が長い方が好ましいと判断された。
【0058】
そして、本実施例では具体的に、図9に示すように、左右の坐骨当接点10,10間の寸法を120〔mm〕とすると共に座クッション1の後端から坐骨当接点10までの寸法を120〔mm〕とした。さらに、貫通穴3aの範囲を定める基準としての坐骨当接点10からの横幅Dsを83〔mm〕とすると共に坐骨当接点10からの後幅Dbを63〔mm〕,前幅Dfを80〔mm〕とした。また、貫通穴3aの前側周面の凹凸の寸法である中央部の凹凸の寸法Lf1を100〔mm〕,大腿接触部11の概ね中心位置の凹部3acの寸法Lf2を130〔mm〕とすると共に後側周面の凹凸の寸法である凹凸の寸法Lbに対応する寸法を35〔mm〕とした。
【0059】
そして、本実施例では、中間層板状弾性部材3が図9に示す寸法を有する座クッションと従来のクッションとを用いて実際に着座したときの体圧分布を比較した。なお、本実施例では、椅子の座板にクッションを載置して体重65〔kg〕の人が着座した場合の体圧分布を計測した。具体的には、Vista Medical社製圧力分布測定装置FSAを用い、クッション上面における圧力分布を計測した。
【0060】
本実施例では、従来のクッションとして、400〔mm〕四方の正方形且つ厚さ30〔mm〕で凹凸や貫通穴がない単なる板状のウレタン製のクッションを用いた。
【0061】
そして、従来のクッションに座ったときの体圧分布を計測して図10A,図10Bに示す結果が得られ、本実施例の座クッションに座ったときの体圧分布を計測して図11A,図11Bに示す結果が得られた。なお、図10A及び図11Aではグレー階調の色が濃いほど圧力が大きく、図10B及び図11Bでは山が高いほど圧力が大きい。
【0062】
図10A,図10B及び図11A,図11Bに示す結果から、従来のクッションと比べて本発明の座クッションの方が、着座者の坐骨部分の圧力が小さくなっており、臀部の圧迫感の低減が実現されていることが確認された。また、従来のクッションと比べて本発明の座クッションの方が、臀部から大腿部にかけての体圧分布がクッションの前端近くまで延出すると共に圧力変化が緩やかになっており、臀部から大腿部にかけて高いフィット感・サポート感の創出が実現されていることが確認された。
【0063】
以上より、本発明の座クッションによれば、臀部の圧迫感の低減と共に十分なフィット感・サポート感を実現して良好な座り心地が発揮されることが確認された。
【符号の説明】
【0064】
1 座クッション
2 上層板状弾性部材
3 中間層板状弾性部材
3a 貫通穴
4 下層板状弾性部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、座クッションに関する。さらに詳述すると、本発明は、例えば、種々の椅子の座板やシート・ソファの座部に載置してクッションとして用いたり、車いす用のクッションや福祉機器に使用するクッションとして用いたり、床や畳に載置して座布団として用いたりして好適な座クッションに関する。
【背景技術】
【0002】
シートの座部に用いられる従来のクッションパッドとしては、例えば、図12に示すように、樹脂フォームからなるパッド本体101と、該パッド本体101の臀部下部110の底面側に樹脂フォームの発泡成形によって積層一体化されたパッド本体101よりも高硬度の樹脂フォームからなる小パッド102とを備えてなる車両用シートパッド100において、小パッド102における着座者Pの左右の坐骨が当接する箇所(以下、坐骨当接点と呼ぶ)P1,P1の直下に相当する位置に上下方向の貫通穴103,103を設け、当該貫通穴103,103によってパッド本体101の左右一対の坐骨当接点P1,P1の直下に相当する位置の下方に空洞部104,104を設けるようにするものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−112582号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のクッションパッドでは、パッド本体101と硬度違いの小パッド102を嵌め込むための凹部105の側周面や小パッド102の貫通穴103の周面はどちらも垂直方向の滑らかな壁面である。このため、着座したときに硬度違いやサポート有無の境界が凹凸としてはっきりと感じられ、座り心地が良いとは言い難い。
【0005】
また、特許文献1のクッションパッドでは、坐骨が強く当接する箇所のみ貫通穴103,103を設けるようにしており、この場合には、臀部や大腿部に十分なフィット感が得られ難いという問題がある。
【0006】
また、特許文献1のクッションパッドでは、パッド本体101の凹部105に硬度違いの小パッド102を嵌め込むようにしており、パッドに凹部を形成すると共に別部材を形成し且つ当該別部材を前記凹部に嵌め込む必要があり、製造の手間とコストとがかかるという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、製造が簡易であり、且つ、十分なフィット感・サポート感を発揮して座り心地を向上させることができる座クッションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、請求項1記載の座クッションは、上層板状弾性部材と中間層板状弾性部材と下層板状弾性部材とを上下に重ねた積層構造をなし、中間層板状弾性部材に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点が収まる範囲の上下方向の貫通穴が形成されているようにしている。
【0009】
したがって、この座クッションによると、中間層板状弾性部材に着座者の左右の坐骨当接点が収まる範囲の上下方向の貫通穴を形成することのみによって着座者の臀部の圧迫感を低減させると共にフィット感・サポート感を発揮させるようにしているので、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がない。
【0010】
また、中間層板状弾性部材の貫通穴は板状部材を単に打ち抜くことによって形成することも可能であり、この場合には、金型を使わないで製作することができる。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の座クッションにおいて、貫通穴の周面に周方向の凹凸が形成されているようにしている。この場合には、中間層板状弾性部材によるサポート有無が徐々に変化するようになる。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の座クッションにおいて、貫通穴の前側周面の凹凸の凹部底面から凸部頂点までの寸法が貫通穴の後側周面の凹凸の凹部底面から凸部頂点までの寸法よりも長いようにしている。この場合には、中間層板状弾性部材によるサポート有無が、前方に延出する大腿接触部の体圧分布の全体に亘って徐々に変化するようになる。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の座クッションにおいて、貫通穴の周面が、上端よりも下端の方が貫通穴の内側に張り出している斜面として形成されているようにしている。この場合には、中間層板状弾性部材によるサポート有無が徐々に変化するようになる。
【0014】
また、請求項5記載の座クッションは、上層板状弾性部材と下層板状弾性部材とを上下に重ねた積層構造をなし、上層板状弾性部材の下面側に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点が収まる範囲の凹部が形成されているようにしている。
【0015】
したがって、この座クッションによると、上層板状弾性部材の下面側に着座者の左右の坐骨当接点が収まる範囲の凹部を形成することのみによって着座者の臀部の圧迫感を低減させると共にフィット感・サポート感を発揮させるようにしているので、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がない。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載の座クッションによれば、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がないので、部品点数を減らすと共に製造の手間を軽減して製造コストを低減させることが可能になる。また、金型を使わないで製作するようにすることもでき、その場合には製造コストを更に低減させることが可能になる。
【0017】
さらに、請求項2記載の座クッションによれば、中間層板状弾性部材によるサポート有無を徐々に変化させることができるので、着座したときにサポート有無の境界が凹凸としてはっきりと感じられてしまうことが避けられ、座り心地を向上させることが可能になる。
【0018】
また、請求項3記載の座クッションによれば、中間層板状弾性部材によるサポート有無を前方に延出する大腿接触部の体圧分布の全体に亘って徐々に変化させることができるので、着座者の臀部に加えて大腿部のフィット感及びサポート感・ホールド感を一層良好なものにして座り心地を更に向上させることが可能になる。
【0019】
また、請求項4記載の座クッションによれば、中間層板状弾性部材によるサポート有無を徐々に変化させることができるので、着座したときにサポート有無の境界が凹凸としてはっきりと感じられてしまうことが避けられ、座り心地を向上させることが可能になる。
【0020】
請求項5記載の座クッションによれば、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がないので、部品点数を減らすと共に製造の手間を軽減して製造コストを低減させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の座クッションの実施形態の一例を示す斜視図である。
【図2】実施形態の座クッションの分解斜視図である。
【図3】着座者の体圧分布と貫通穴との関係を説明する図である。(A)は着座者の体圧分布を示す図である。(B)は着座者の体圧分布と実施形態の座クッションの貫通穴との位置関係を示す図である。
【図4】実施形態の座クッションの貫通穴周面の鋸歯形の凹凸の寸法を説明する図である。
【図5】貫通穴の他の実施形態を説明する図である。(A)は中間層板状弾性部材の平面図である。(B)は中間層板状弾性部材の斜視図である。
【図6】貫通穴の更に他の実施形態を説明する図である。(A)は中間層板状弾性部材の平面図である。(B)は中間層板状弾性部材の斜視図である。(C)は中間層板状弾性部材の左右方向中央位置における前後方向縦断面図である。
【図7】他の実施形態の座クッションを説明する図である。(A)は中間層板状弾性部材の平面図である。(B)は中間層板状弾性部材の斜視図である。(C)は中間層板状弾性部材の左右方向中央位置における前後方向縦断面図である。
【図8】実施例1の座クッションを説明する図である。(A)は着座者の体圧分布の寸法及び貫通穴に纏わる寸法を説明する図である。(B)は着座者の坐骨当接点と貫通穴とに纏わる寸法を説明する図である。
【図9】実施例1の座クッションの寸法を説明する図である。
【図10A】従来のクッションに着座したときの体圧分布を示す図である。
【図10B】従来のクッションに着座したときの体圧分布を示す図である。
【図11A】実施例1の座クッションに着座したときの体圧分布を示す図である。
【図11B】実施例1の座クッションに着座したときの体圧分布を示す図である。
【図12】従来のクッションパッドを説明する図である。(A)は平面図である。(B)は(A)のII−II線の縦断面図である。(C)は(A)のIII−III線の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図1から図4に、本発明の座クッションの実施形態の一例を示す。なお、本明細書においては、椅子の座板などに載置された座クッションに座った着座者を基準にして上下、前後、左右を定義する。
【0024】
本実施形態の座クッション1は、上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3と下層板状弾性部材4とを上下に重ねた積層構造をなし、中間層板状弾性部材3に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点10,10が収まる範囲の上下方向の貫通穴3aが形成されているものである。
【0025】
また、本実施形態では、座クッション1は、下層板状弾性部材4の下面側に、通気性向上のための第四の板状弾性部材5(以下、下面板状弾性部材5と呼ぶ)を更に有する。すなわち、本実施形態の座クッション1は四枚の板状弾性部材からなる四層構造を有するものとして構成されている。なお、四枚の板状弾性部材は、単に積み重ねられているだけでも構わないが、上下隣接するもの同士が接着されることが好ましい。
【0026】
さらに、座クッション1は、例えば布製のカバー(図示していない)によって全体が包まれ、当該カバーによっても四枚の板状弾性部材2,3,4,5がばらばらにならずに上下に重なっている積層構造が保たれる。
【0027】
上層,中間層,下層,下面の板状弾性部材2,3,4,5の材質としては、例えば、ウレタンフォーム,ポリエステル系弾性体(具体的には例えばブレスエアー(登録商標:東洋紡績株式会社)),オレフィン系(複合)弾性体(具体的には例えばエアースクリーン(登録商標:野村貿易株式会社)),繊維立体織物,繊維立体弾性体(具体的には例えばエアクィーン(登録商標:帝人ファイバー株式会社)),エアクッション,ジェルなどが用いられる。
【0028】
本発明では、四枚の板状弾性部材2,3,4,5を全て同じ材質で形成しても良いし、一部の板状弾性部材を他のものとは異なる材質で形成しても良いし、四枚の板状弾性部材を全て異なる材質で形成しても良い。なお、各板状弾性部材の素材は、通気性が良いものであれば使用中の不快感を抑えることができるので好ましく、洗えるものであれば清潔に保つことができるので好ましく、軽量であれば持ち運びや設置を容易にすることができるので好ましい。また、下面板状弾性部材5は座クッション1の通気性を向上させるために特に通気性の良い材質で形成されることが好ましい。
【0029】
また、四枚の板状弾性部材2,3,4,5の硬さ・弾力を相互に変える場合であっても、上述のものであれば同じ材質でも硬度を調整することができる。なお、各板状弾性部材の硬さ・弾力を相互に変える場合には、例えば、上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3を柔らかめにすると共に下層板状弾性部材4を硬めにすることにより、ソフトな感触と十分なフィット感・サポート感を実現して一層良好な座り心地を発揮させることができる。
【0030】
ここで、本実施形態では座クッション1の平面形状を正方形としているが、本発明の座クッションの平面形状は正方形に限られるものではなく、例えば長方形でも良いし、三角形や五角形や他の多角形でも良いし、円形や楕円形でも良い。また、四枚の板状弾性部材2,3,4,5の平面形状やその大きさは同じであることが好ましいが、相互に若干異なっていても構わない。また、座クッション1の前後方向,左右方向の長さは特定の長さには限られない。なお、例えば、座クッション1の前後方向,左右方向の長さを300〜600〔mm〕程度にすることが考えられる。
【0031】
また、本発明では、四枚の板状弾性部材2,3,4,5の厚さは特定の厚さに限られないし、相互の厚さの関係の制限もない。すなわち、四枚の板状弾性部材が全て同じ厚さでも良いし、相互に異なる厚さでも良い。なお、例えば、板状弾性部材一枚(即ち、一層)の厚さを10〜40〔mm〕程度にし、四層合計で50〜120〔mm〕程度にすることが考えられる。
【0032】
そして、本発明では、中間層板状弾性部材3の後方寄りの位置に上下方向の貫通穴3aが設けられる。当該貫通穴3aにより、板状弾性部材の積層構造によって構成される座クッション1の内部に空洞が形成される。
【0033】
貫通穴3aは、板状弾性部材を打ち抜くことによって形成するようにしても良いし、貫通穴を初めから有する板状弾性部材として成型する金型を用いて形成するようにしても良い。なお、板状弾性部材を打ち抜くことによって貫通穴を形成する場合には、金型を使わないで製作することができるので、金型の製作と金型を用いた成型過程の手間とを省いて製作コストを低減させることができる。
【0034】
ここで、着座時の着座者の一般的な体圧分布は、図3(A)に示すように、着座者の左右の坐骨が当接する箇所(即ち、坐骨当接点)10,10が最も圧力が高くなり、当該坐骨当接点10,10を中心として徐々に小さくなりながら概ね同心円状に拡がり、さらに、坐骨当接点10,10のそれぞれから左右の大腿接触部11,11に沿って前方に拡がる。
【0035】
そして、貫通穴3aは、図3(B)に示すように、着座者の左右の坐骨当接点10,10が全て若しくは殆ど収まる範囲で設けられる。すなわち、本発明における貫通穴3aの大きさは、着座者の左右の坐骨当接点10,10が全て若しくは殆ど収まる大きさであれば特定の大きさに限定されるものではなく、どのような体型の使用者を想定するかによって、場合によっては座クッション1の平面形状の大きさと共に適当な大きさが選択される。本発明では、上述の範囲で貫通穴3aが設けられるようにすることにより、着座時の圧力が最も高くなる坐骨当接点10,10の緩衝帯として貫通穴3aが機能し、これによって着座時の臀部の圧迫感が低減する。
【0036】
本実施形態では、中間層板状弾性部材3の貫通穴3aの周面に周方向の凹凸が形成されている。本実施形態では、周面の周方向の凹凸として、周面が鋸歯形に(言い換えると、貫通穴内側に向かう山形の突出部と貫通穴外側に向かう山形の切り込みとが)形成されている。なお、本実施形態では、鋸歯先端の尖鋭部分は切り取られており、鋸歯の平面形状は概ね台形になっている。
【0037】
このように、中間層板状弾性部材3に貫通穴3aを設けることによって座クッション1内部に空洞を形成すると共に貫通穴3aの周面に周方向の凹凸を形成することにより、着座時の体圧が最も高くなる坐骨当接点10,10部分が特に変形し易くなると共に、着座者の坐骨当接点10,10を含む臀部及び大腿接触部11,11の体圧分布に対して中間層板状弾性部材3によるサポート有無の境界が複雑に交錯することになるので、着座者の臀部の圧迫感を低減させることができると共に貫通穴3aとクッション部3bとの境界がはっきりと感じられてしまって座り心地を悪化させてしまうことを防ぐことができる。さらに、貫通穴3aを有する中間層板状弾性部材3を上層板状弾性部材2と下層板状弾性部材4とで上下に挟んで積層構造を構成しているので、貫通穴3aとその周面の凹凸との働きによってフィット感を向上させることができると共に上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3のクッション部3bと下層板状弾性部材4との働きによって十分なサポート感を発揮させることができる。
【0038】
また、座クッション1内部に空洞を形成することにより、座クッション1の通気性を向上させる効果も期待できる。
【0039】
さらに、本実施形態では、貫通穴3aの周面の鋸歯形の凹凸の寸法(言い換えると、鋸歯の長さ、或いは、凹部底面から凸部頂点までの寸法)は、前側周面の凹凸の方が後側周面の凹凸よりも長くなるようにしている。すなわち、図4に示すように、貫通穴3aの前側周面の凹凸の寸法Lf1,Lf2は後側周面の凹凸の寸法Lbよりも長い。このようにすることによって、中間層板状弾性部材3によるサポートの有無を、前方に延出する大腿接触部11,11の体圧分布の全体に亘って徐々に変化させることができるので、座り心地を一層向上させることができると共に着座者の大腿部のサポート感・ホールド感を一層良好なものにすることができる。
【0040】
さらに、本実施形態では、貫通穴3aの前側周面の凹部(言い換えると、貫通穴3aからクッション部3bへの切り込み)のうち、左右の大腿接触部11,11それぞれの概ね中心位置の凹部3ac,3ac(図3参照)の寸法が最も長くなるようにしている。すなわち、図4に示すように、前側周面の凹凸のうち、左右の大腿接触部11,11の概ね中心位置の凹部3acの寸法(言い換えると、凹部底面から凸部頂点までの寸法)Lf2が、前側周面中央部の凹凸の寸法Lf1よりも長い。このようにすることによって、大腿接触部11の体圧分布に一層適切に沿ってサポート有無を変化させることができるので、座り心地を一層向上させることができると共に着座者の大腿部のサポート感・ホールド感を一層良好なものにすることができる。
【0041】
以上の構成を有する本発明の座クッションによれば、板状部材に凹部を形成すると共に別部材を形成して凹部に別部材を嵌め込む必要がないので、部品点数を減らすと共に製造の手間を軽減して製造コストを低減させることが可能になる。また、金型を使わないで製作するようにすることもでき、その場合には製造コストを更に低減させることが可能になる。
【0042】
また、本発明の座クッションによれば、中間層板状弾性部材3によるサポート有無を徐々に変化させることができるので、着座したときにサポート有無の境界が凹凸としてはっきりと感じられてしまうことが避けられ、座り心地を向上させることが可能になる。また、本発明の座クッションによれば、中間層板状弾性部材3によるサポート有無を前方に延出する大腿接触部11,11の体圧分布の全体に亘って徐々に変化させることができるので、着座者の臀部に加えて大腿部のフィット感及びサポート感・ホールド感を一層良好なものにして座り心地を更に向上させることが可能になる。
【0043】
なお、本発明の座クッションは、例えば、家庭,オフィス,各種施設,店舗などで用いられる種々の椅子の座板やシート・ソファの座部に載置してクッションとして用いたり、車いす用のクッションや座板・座部を有する各種の福祉機器に使用するクッションとして用いたり、家庭,各種施設,店舗などで床や畳に載置して座布団として用いたりするのに好適である。特に、車いすや各種の福祉機器の利用者は長時間に亘って着座することが多いので、着座者の臀部の圧迫感を低減させることができると共に着座者の臀部に加えて大腿部のフィット感及びサポート感・ホールド感を良好なものにして座り心地を向上させることができる本発明はこれらのクッションとして用いて好適である。
【0044】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態では下面板状弾性部材5を含めて四層構造として構成されているが、下面板状弾性部材5は本発明においては必須の部材ではない。すなわち、下面板状弾性部材5を除く、上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3と下層板状弾性部材4とによる三層構造として構成されていれば本発明の効果を発揮することができる。
【0045】
また、上述の実施形態では貫通穴3a周面の鋸歯形の凹凸は鋸歯先端の尖鋭部分が切り取られて鋸歯は概ね台形に形成されているが、図5に示すように先端鋭角の鋸歯形であっても良い。
【0046】
さらに言えば、貫通穴3a周面の周方向の凹凸は、上述の実施形態のような鋸歯形には限られない。すなわち、周方向の凹凸は、着座者の臀部及び大腿部の体圧分布に対して中間層板状弾性部材3によるサポート有無の境界が交錯すればどのような形状であっても良く、例えば周方向の波形でも良いし、櫛歯形のように細かい凹凸でも良い。なお、鋸歯形や波形のように着座者の坐骨当接点10を中心とする同心円状に着座者の臀部及び大腿部を支える中間層板状弾性部材3の面積が徐々に増加する形状が、中間層板状弾性部材3によるサポート有無を徐々に変化させるという点で好ましい。
【0047】
また、上述の実施形態では貫通穴3a周面の鋸歯形の凹凸を形成する壁面は垂直方向であるが、上端(即ち、中間層板状弾性部材3の上面側)よりも下端(即ち、同下面側)が貫通穴3aの内側に向かって張り出している傾斜面として形成されても良い(すなわち、貫通穴3aの上端径よりも下端径の方が小さい)。
【0048】
また、貫通穴3aの形状は、図6に示すように、楕円形であっても、すなわち鋸歯形や波形などの周方向の凹凸がなくても、良い。ただしこの場合には、弾性部材によるサポート有無を徐々に変化させるため、貫通穴3aの周面は上端よりも下端が貫通穴3aの内側に向かって張り出している傾斜面として形成される。
【0049】
さらに、本発明の座クッションは、二層構造として構成されても良い。すなわち、図7に示すように、上層板状弾性部材2’の下面側に凹部2aを形成することによって本発明の効果を発揮させるための空洞を形成するようにしても良い。この場合には、上述の実施形態における上層板状弾性部材2と中間層板状弾性部材3とを一体の上層板状弾性部材2’として形成し、下層板状弾性部材4と組み合わせて二層構造とする。また、二層構造の場合には、弾性部材によるサポート有無を徐々に変化させるため、着座者の坐骨当接点10,10を最深部とし、臀部及び大腿部の体圧分布に合わせて徐々に浅くなる凹みとして凹部2aを形成する。したがって、大腿部に沿って前方への二つの延出部2af,2afが形成される。この場合も、上層板状弾性部材2’の凹部2a及びクッション部2b並びに下層板状弾性部材4とによって十分なフィット感・サポート感を発揮して良好な座り心地を発揮させることができる。
【実施例1】
【0050】
本発明の座クッションの実施例を図8から図11を用いて説明する。
【0051】
本実施例では、上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3が無膜ウレタンで形成され、下層板状弾性部材4がエアースクリーンで形成され、下面板状弾性部材5がエアクイーンで形成された。なお、上述の素材はいずれも通気性が良く且つ洗える素材であって更に軽量であるので、使用中の不快感を抑制でき、清潔を維持でき、持ち運び・設置が容易にできる。
【0052】
そして、下層板状弾性部材4は上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3並びに下面板状弾性部材5よりも硬めに形成された。このように、上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3を柔らかめに形成すると共に下層板状弾性部材4を硬めに形成することにより、ソフトな感触と十分なフィット感・サポート感を実現して良好な座り心地を発揮させることができる。
【0053】
また、上述の四層の積層構造として構成された四枚の板状弾性部材はダブルラッセル構造のニット製のカバーで包まれた。
【0054】
本実施例の座クッション1は、図8(A)に示すように、標準的な体型の人が用いるのに適当な大きさとして400〔mm〕四方の正方形に形成された。
【0055】
また、本実施例の座クッション1は、上層板状弾性部材2及び中間層板状弾性部材3は厚さ20〔mm〕に形成され、下層板状弾性部材4は厚さ30〔mm〕に形成され、下面板状弾性部材5は厚さ15〔mm〕に形成された。
【0056】
また、図8(A)に示すように、着座時の体圧分布に基づいて、着座者の左右の坐骨当接点10,10間の寸法は90〜140〔mm〕程度が適当であり、座クッション1の後端から坐骨当接点10までの寸法は95〜145〔mm〕程度が適当であると判断された。
【0057】
そして、図8(B)に示すように、中間層板状弾性部材3の貫通穴3aの範囲を定める基準(すなわち、凹凸や傾斜を有する貫通穴3aの内径の目安)として、着座時の体圧分布に基づいて、着座者の臀部に対応する横幅の目安として坐骨当接点10からの横幅Dsは60〜100〔mm〕程度が適当であり、坐骨当接点10からの後幅Dbは40〜80〔mm〕程度,前幅Dfは60〜100〔mm〕程度が適当であると判断された。また、坐骨当接点10からの後幅Dbよりも前幅Dfの方が長い方が好ましいと判断された。
【0058】
そして、本実施例では具体的に、図9に示すように、左右の坐骨当接点10,10間の寸法を120〔mm〕とすると共に座クッション1の後端から坐骨当接点10までの寸法を120〔mm〕とした。さらに、貫通穴3aの範囲を定める基準としての坐骨当接点10からの横幅Dsを83〔mm〕とすると共に坐骨当接点10からの後幅Dbを63〔mm〕,前幅Dfを80〔mm〕とした。また、貫通穴3aの前側周面の凹凸の寸法である中央部の凹凸の寸法Lf1を100〔mm〕,大腿接触部11の概ね中心位置の凹部3acの寸法Lf2を130〔mm〕とすると共に後側周面の凹凸の寸法である凹凸の寸法Lbに対応する寸法を35〔mm〕とした。
【0059】
そして、本実施例では、中間層板状弾性部材3が図9に示す寸法を有する座クッションと従来のクッションとを用いて実際に着座したときの体圧分布を比較した。なお、本実施例では、椅子の座板にクッションを載置して体重65〔kg〕の人が着座した場合の体圧分布を計測した。具体的には、Vista Medical社製圧力分布測定装置FSAを用い、クッション上面における圧力分布を計測した。
【0060】
本実施例では、従来のクッションとして、400〔mm〕四方の正方形且つ厚さ30〔mm〕で凹凸や貫通穴がない単なる板状のウレタン製のクッションを用いた。
【0061】
そして、従来のクッションに座ったときの体圧分布を計測して図10A,図10Bに示す結果が得られ、本実施例の座クッションに座ったときの体圧分布を計測して図11A,図11Bに示す結果が得られた。なお、図10A及び図11Aではグレー階調の色が濃いほど圧力が大きく、図10B及び図11Bでは山が高いほど圧力が大きい。
【0062】
図10A,図10B及び図11A,図11Bに示す結果から、従来のクッションと比べて本発明の座クッションの方が、着座者の坐骨部分の圧力が小さくなっており、臀部の圧迫感の低減が実現されていることが確認された。また、従来のクッションと比べて本発明の座クッションの方が、臀部から大腿部にかけての体圧分布がクッションの前端近くまで延出すると共に圧力変化が緩やかになっており、臀部から大腿部にかけて高いフィット感・サポート感の創出が実現されていることが確認された。
【0063】
以上より、本発明の座クッションによれば、臀部の圧迫感の低減と共に十分なフィット感・サポート感を実現して良好な座り心地が発揮されることが確認された。
【符号の説明】
【0064】
1 座クッション
2 上層板状弾性部材
3 中間層板状弾性部材
3a 貫通穴
4 下層板状弾性部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上層板状弾性部材と中間層板状弾性部材と下層板状弾性部材とを上下に重ねた積層構造をなし、前記中間層板状弾性部材に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点が収まる範囲の上下方向の貫通穴が形成されていることを特徴とする座クッション。
【請求項2】
前記貫通穴の周面に周方向の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1記載の座クッション。
【請求項3】
前記貫通穴の前側周面の前記凹凸の凹部底面から凸部頂点までの寸法が前記貫通穴の後側周面の前記凹凸の凹部底面から凸部頂点までの寸法よりも長いことを特徴とする請求項2記載の座クッション。
【請求項4】
前記貫通穴の周面が、上端よりも下端の方が前記貫通穴の内側に張り出している斜面として形成されていることを特徴とする請求項1記載の座クッション。
【請求項5】
上層板状弾性部材と下層板状弾性部材とを上下に重ねた積層構造をなし、前記上層板状弾性部材の下面側に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点が収まる範囲の凹部が形成されていることを特徴とする座クッション。
【請求項1】
上層板状弾性部材と中間層板状弾性部材と下層板状弾性部材とを上下に重ねた積層構造をなし、前記中間層板状弾性部材に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点が収まる範囲の上下方向の貫通穴が形成されていることを特徴とする座クッション。
【請求項2】
前記貫通穴の周面に周方向の凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1記載の座クッション。
【請求項3】
前記貫通穴の前側周面の前記凹凸の凹部底面から凸部頂点までの寸法が前記貫通穴の後側周面の前記凹凸の凹部底面から凸部頂点までの寸法よりも長いことを特徴とする請求項2記載の座クッション。
【請求項4】
前記貫通穴の周面が、上端よりも下端の方が前記貫通穴の内側に張り出している斜面として形成されていることを特徴とする請求項1記載の座クッション。
【請求項5】
上層板状弾性部材と下層板状弾性部材とを上下に重ねた積層構造をなし、前記上層板状弾性部材の下面側に着座者の少なくとも左右の坐骨当接点が収まる範囲の凹部が形成されていることを特徴とする座クッション。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図12】
【図3】
【図8】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図12】
【図3】
【図8】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【公開番号】特開2011−218005(P2011−218005A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91554(P2010−91554)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]