説明

廃トナータンク及び画像形成装置

【課題】 スクリューを搭載することなしに、廃トナーを十分に充填することができる廃トナータンクを提供する。
【解決手段】 上面開口3が廃トナー充填用のノズル4に接続され、複数個の穴6、7、8を任意の位置に形成した下窄まり状の筒体2を備えた廃トナータンク1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃トナーを効率良く充填するための廃トナータンク及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機やプリンタなどの画像形成装置は、転写後に感光体等に残留したトナーを回収する廃トナータンクを備えている。図4は従来の廃トナータンクの一例を示し、この廃トナータンク100は、入口101からタンク奥側に向けて廃トナーを搬送するためのスクリュー102を搭載し、スクリューを回転させることにより廃トナーの搬送が可能となる。このスクリュー102がない場合には廃トナータンク100内への廃トナー充填量が減少してしまい、廃トナータンク100の交換頻度が増すことにつながる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、廃トナータンク内にスクリューを搭載する場合、部品点数、組立時間を増加してしまうという欠点があった。
本発明は、スクリューを搭載することなしに、廃トナーを十分に充填することができる廃トナータンク及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、上面に廃トナー充填用のノズルに接続された開口を有し、複数個の穴を任意の位置に形成した下窄まり状の筒体状の排出手段と、排出手段から排出された廃トナーを収容するタンク本体と、を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記排出手段は、下方に向けて段階的に径が小さくなる複数の筒体部を有し、各筒体部の任意の位置に穴を形成したことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記各筒体部の底面を穴に向けて下方に傾斜させたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1、2、又は3において、前記タンク本体内に、排出手段に設けた各穴から排出される廃トナーを専用的に受け入れる区画を形成したことを特徴とする。
請求項5の発明に係る画像形成装置は、請求項1、2、3又は4に記載の廃トナータンクを組み込んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、上面開口が廃トナー充填用のノズルに接続され、複数個の穴を任意の位置に形成した下窄まり状の筒体を備えた排出手段により、または、上面開口が廃トナー充填用のノズルに接続され、下方に向けて段階的に径が小さくなる任意の数の筒体部を有し、各筒体部の任意の位置に穴を形成した筒体を備えた排出手段により、所期の目的を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図面に基づき以下に本実施の形態を説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る廃トナータンクの構成図である。廃トナータンク1は、タンク本体1aと、タンク本体1a内に配置される排出手段1bと、を備えている。排出手段1bは、下窄まり状(下方へ向かうほど径が漸減する形状)の筒体2を有し、その上面開口3は廃トナー充填用のノズル4に接続している。廃トナー5は筒体2の最下部の穴6からタンク本体1a内に充填されて行く。筒体2の外壁には高さが異なる穴7と8が形成されている。また、穴7と8は、その周方向位置も異なっている。タンク本体1a内の廃トナーの高さが穴7の高さまで来ると、最下部の穴6からは排出されにくくなり、穴7からタンク内に排出される。次に廃トナーの高さが穴8の高さまで来ると、穴7からは排出されにくくなるため、穴8からタンク内に充填される。このように徐々に下部の穴から廃トナーがタンク本体1a内に充填されていく。
このような構成においては、高さ及び周方向位置の異なる複数の穴からの充填となり、かつ廃トナーが落下する位置が異なるため、1箇所の穴からのみの充填量に比べ、廃トナーのタンク本体1a内への充填量を増大させることができる。
図2は本発明の第2の実施形態に係る廃トナータンクの構成図である。廃トナータンク9は、タンク本体9aと、タンク本体内に配置された排出手段9bとから成る。排出手段9bは、下方に向けて複数段階的に径が小さくなる複数の筒体部13、16、18から成る筒体10を有し、最上部の筒体部18の上面開口11は廃トナー充填用のノズル12に接続している。最下部の最小径の筒体部13の下面の穴14から廃トナー15はタンク本体9a内に充填されてゆき、筒体部13の直上に連結された径の大きい筒体部16の側面の穴17、次に径が大きい筒体部18の側面の穴19と、廃トナーが増えるに従いこれら上部の穴からもタンク本体内に廃トナー15が充填されていく。各穴17、19の周方向位置は異ならせてある。
【0007】
図3は図2に示すタンク本体9aの内部を仕切板30、31によって三個の区画に仕切った場合の上面略図である。各筒体部13、16、18に夫々設けた穴14、17、19に対応して、廃トナータンク9のタンク本体9a内部を仕切った区画として、穴14に対して仕切った区画21、穴17に対して仕切った区画22、穴19に対して仕切った区画23を設ける。
このような構成においては、それぞれの穴に対応してタンク本体9a内を仕切った区画を設け、各穴からは専用的に対応する区画内にのみ廃トナーが排出されるので、タンク内の充填効率を向上させることが可能となる。また仕切った区画の面積(容積)に対して穴の個数も任意に設定することができる。
図4は本発明の第2の実施形態に係る廃トナータンクの変形例を示す構成図である。この実施形態では、排出手段9bを構成する筒体部16、18の各底面を構成する底板16a、18aが夫々側面に設けた穴17、19に向けて下向きに傾いている。このような構成においては、各筒体部内において廃トナーの各穴に向かっての流れが良くなり、廃トナーのつまりを防止することができ、それにより廃トナーのタンク本体9a内への充填量を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る廃トナータンクの構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る廃トナータンクの構成図。
【図3】図2に示す廃トナータンクの内部を仕切った区画の上面図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る廃トナータンクの変形例を示す構成図。
【図5】従来例に係る廃トナータンクの構成図。
【符号の説明】
【0009】
1 廃トナータンク、1a タンク本体、1b 排出手段、2 筒体、3 上面開口、4 ノズル、5 廃トナー、6、7、8 穴、9 廃トナータンク、9a タンク本体、9b 排出手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に廃トナー充填用のノズルに接続された開口を有し、複数個の穴を任意の位置に形成した下窄まり状の筒体状の排出手段と、排出手段から排出された廃トナーを収容するタンク本体と、を備えたことを特徴とする廃トナータンク。
【請求項2】
前記排出手段は、下方に向けて段階的に径が小さくなる複数の筒体部を有し、各筒体部の任意の位置に穴を形成したことを特徴とする請求項1に記載の廃トナータンク。
【請求項3】
前記各筒体部の底面を穴に向けて下方に傾斜させたことを特徴とする請求項2に記載の廃トナータンク。
【請求項4】
前記タンク本体内に、排出手段に設けた各穴から排出される廃トナーを専用的に受け入れる区画を形成したことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の廃トナータンク。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載の廃トナータンクを組み込んだことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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