説明

廃棄物搬送システム

廃棄物が、地域の廃棄物空間16の廃棄物コンテナ10又は輸送コンテナにおいて、たとえば吸引システムによって回収又は搬送され、次いでコンテナ内で又はコンテナから廃棄物がさらなる処理へと搬送される、廃棄物搬送システム。廃棄物空間16、及び/又は、廃棄物コンテナ10又は輸送コンテナは、交通トンネル、有利には地下トンネル等のトンネル20内、若しくは該トンネル20付近に配置され、或いは、廃棄物空間16、及び/又は、廃棄物コンテナ10又は輸送コンテナからトンネル20までの搬送接続部があり、該トンネル20を通じて廃棄物が離れた場所に搬送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の廃棄物搬送システムに関する。
【0002】
本発明は、包括的には、家庭廃棄物の搬送のような廃棄物の回収及び搬送に関し、特に、都市廃棄物の処理に関する。高人口密度地における従来の廃棄物管理のように、家庭廃棄物が持ち込まれた廃棄物コンテナが、廃棄物室に配置されており、手作業で廃棄物トラックへ中身が移されてから、この廃棄物トラックによって廃棄物は埋立地へ運ばれる。しかし、これは、廃棄物トラックが廃棄物をピックアップして道路を周りながら埋立地へ運ぶため、交通、環境及び衛生等に関する問題を引き起こす。
【背景技術】
【0003】
また、吸引によって廃棄物を配管内で搬送するシステムが知られている。これらのシステムでは、廃棄物は吸引によって配管内で長距離搬送される。しかし、このシステムは、極めて大量の電力を使用することが分かっており、また保守が何度も必要である。同等な構成がいくつか存在する。特に、異なる施設に廃棄物を搬送する装置が利用される。このような装置では通常、差圧を得るために真空装置が使用され、真空装置において、搬送パイプ内の負圧が真空ポンプ又はエジェクタ装置等の真空発生器によって与えられる。搬送パイプ内には、通常は少なくとも1つの弁要素があり、弁要素の開閉によってパイプに入る補給空気が調節される。廃棄物は、通常は人口集中地域外に設けられているごみ中継所まで非常に長い距離を配管に沿って搬送される。ごみ中継所から、廃棄物は、たとえば廃棄物トラックによって埋立地へさらに搬送される。
【0004】
廃棄物を配管内で長距離間搬送することは、実際には費用効果的ではない。通常、吸引では1バール未満(実際には0.1バール〜0.4バール)の差圧が利用される。小さな差圧では、配管内で搬送される材料を移動させるには配管内の流速を速く設計することが必要である。パイプ内を通る廃棄物材料はその堅さ(tightness)、大きさ及び形状が不規則であるため、配管内にバイパス流が形成されることによって、吸引を生じさせる真空発生器/吸引装置は、その容量及び電力が極めて大規模でなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、廃棄物搬送システムに関する完全に新規な構成を得ることであり、これによって既知の構成の不利な点が回避される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、交通トンネルシステム、好ましくは地下トンネルシステム等の典型的に既存のトンネルシステムを廃棄物の回収及び搬送に利用するという概念に基づいている。
【0007】
本発明によるシステムは、廃棄物空間及び/又は廃棄物コンテナ若しくは輸送コンテナが、交通トンネル、有利には地下トンネル等のトンネル内、又はそのトンネルの付近に構成されているか、或いは廃棄物空間及び/又は廃棄物コンテナ若しくは輸送コンテナからトンネルまでの搬送接続部があり、トンネルを通じて廃棄物コンテナ若しくは輸送コンテナ又は少なくとも廃棄物が離れた場所に搬送されることを主に特徴とする。
【0008】
さらに、本発明によるシステムは、請求項2〜14に記載の内容を特徴とする。
【0009】
本発明による構成は、多数の重要な利点を有する。交通トンネルシステム、有利には地下トンネルシステム等の一般的に存在するトンネルシステムが、廃棄物の回収及び搬送に利用される。別の方法では不利な点も、最小限に抑える、環境に優しく費用効果的な廃棄物搬送システムが提供される。本発明によれば、旅客輸送等の従来の輸送に加えて、最も有利には夜間等の交通が遅い間にトンネル内において廃棄物を搬送することが可能であるため、本発明を利用することによって、トンネル建設及び/又は地下建設の採算性を向上させることもできる。本発明によるシステムを利用することによって、廃棄物トラックを使用する従来のシステムと比べて交通安全性を改善すると共に廃棄物トラックの走行がもたらす環境影響を縮小することも可能である。この理由は、本システムを利用するエリアにおいて地上を走行する廃棄物トラックの数が大幅に減少するためである。本発明によるシステムの利点はまた、密集した社会構造が通常、地下鉄のようなトンネルシステムのネットワークに沿って配置されており、これにより、整備されたトンネルのインフラを利用することによって、本発明によるシステムにより廃棄物管理に対処することがコスト効果的でもあることである。したがって、本発明は、特別な方法で、廃棄物の配管搬送システムと、廃棄物を搬送するのに使用することもできるトンネルによって使用可能となる搬送路とを組み合わせる。
【0010】
本発明のシステムによって使用されるトンネルは、廃棄物搬送用にすぎないが交通トンネル網、最も有利には地下トンネル網等のトンネル網に接続する、トンネルの分岐とすることもできる。
【0011】
本発明では、地下トンネルは、通常、地下鉄又は同等物が運行する大都市において特に従来的な交通システムのトンネル及び地下部分を意味し、典型的には少なくとも部分的に地下に建設される。
【0012】
以下において、本発明が添付の図面を参照して例によって詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明によるシステムの側面図を概略的に示す。
【図2】図1のシステムの上面図を示す。
【図3】本発明によるシステムの別の実施形態の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1及び図2は、本発明によるシステムを概略的に示す。図面は交通トンネル、有利には地下トンネル等のトンネル20の一部を示しており、トンネル20の凹所には、廃棄物空間16、詳細には廃棄物室が構成されている。本発明によれば、トンネル及び該トンネルの車両通路は、廃棄物を搬送する際に利用される。トンネル網に沿って、廃棄物空間16は、トンネル空間20及び/若しくはトンネル空間20に接続する空間内に、且つ/又は廃棄物のために若しくはトンネル空間20内で廃棄物コンテナを搬送するために廃棄物空間16からの搬送接続部があるように、適した場所に配置される。したがって、廃棄物空間は、廃棄物搬送用にすぎないが地下トンネル網に接続するトンネルの分岐であり得る。廃棄物空間16内に配置されるコンテナ10は、廃棄物輸送車又は廃棄物輸送トラックへ中身を移され、廃棄物輸送車又は廃棄物輸送トラックは、廃棄物をトンネル網に沿って、燃焼プラント、埋立地又は他の何らかの処理場等へさらなる処理のために搬送する。代替的に、廃棄物コンテナ/輸送コンテナを、廃棄物輸送車又は輸送トラックに載せて(abroad)搬送しさらなる処理場へ運ぶこともできる。図面の例では、廃棄物コンテナ10には車輪24が設けられており、したがって廃棄物コンテナ10は、トンネル内でたとえば線路対21、22に沿って搬送されることができる廃棄物輸送車である。廃棄物輸送車は、トンネル内を走行するように構成される廃棄物輸送列車から分離したもの又はその一部であり得る。明確にするために、図面は、車輪が設けられた別の廃棄物コンテナ10’、すなわち実際のトンネル空間20内の廃棄物輸送車を含む。地下トンネルでは、車両通路、詳細には、地下鉄及び地下輸送車(underground carriages)等の地下システムの交通ユニット23が走行するのに利用する線路対21、22が構成される。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、トンネルは、特に、地下の旅客輸送のような、トンネル内の他の交通が遅れているか又は停止しているときに廃棄物の搬送に用いられる。
【0016】
本発明によれば、交通トンネル等のトンネルは、有利には地下トンネルであり、したがって廃棄物の搬送システムの一部として用いられる。
【0017】
図1及び図2では、参照符号1は、搬送される廃棄物材の供給ステーションを示し、供給ステーションから家庭廃棄物等の廃棄物が搬送システムへ供給される。供給ステーション1は、開閉可能ハッチ7によって覆われる建物内部の廃棄物シュート5の供給開口であり得る。図面では、供給点が地面25上に置かれることによって搬送配管が主に地面25の下を通る場合の、簡略化された供給点が示される。また、吸引点8は、たとえば供給漏斗9と接続して使用することができる。システムは、通常、いくつかの供給ステーション1又は吸引点8を備えており、そこから搬送される廃棄物材が搬送配管2、3、4へ供給される。通常、搬送配管は主搬送パイプ4を備えており、いくつかの供給ステーション1及び/又は吸引点8が供給パイプ2、3を通じて主搬送パイプ4内へ接続することができる。供給された廃棄物材は、搬送配管2、3、4、5に沿って廃棄物コンテナ10へ搬送され、廃棄物コンテナ10において、搬送された廃棄物材は、搬送空気から分離される。別個の廃棄物コンテナを使用することも可能であり、分離装置内で搬送空気から分離した廃棄物がこのコンテナに入って搬送される。廃棄物コンテナ10は、たとえば、図面に示される廃棄物輸送車又は貨物コンテナ又は中間コンテナであり得る。図2によれば、パイプ11が廃棄物コンテナ10から真空ユニット12までをつなげる。真空ユニット12によって、必要な負圧が、廃棄物材を供給ステーション1及び吸引点8から廃棄物コンテナ10まで搬送するために搬送配管4内にもたらされる。真空ユニット12は、たとえば、真空ポンプ、エジェクタデバイス又は同等物であり得る。負圧は、搬送配管内の材料を搬送するのに必要な力を提供する。
【0018】
図面の例では、弁要素13、15が供給パイプ2、3内に構成されており、弁要素13、15は、廃棄物材を供給パイプ2、3から搬送配管4へ搬送するように開閉する。弁13、15が開いているとき、補給空気が配管へ流入することによって廃棄物材は配管2、3、4に沿って廃棄物輸送車、貨物コンテナ、又は廃棄物コンテナ10内へ搬送される。材料は供給ステーション1から廃棄物シュート5を通じて、又は吸引点8から供給パイプへ供給される。搬送パイプ4内に負圧が存在すると、補給空気は搬送パイプ4へ供給される。弁15は供給ステーション1と接続しており、すなわち補給空気弁は、図面の実施形態では地面25の下に配置されている空間26内に配置されている。空間26は、たとえばこの空間の屋根として通気性のある格子窓(grate)を備える。
【0019】
図面は、搬送パイプ4が廃棄物を廃棄物コンテナ10へ運ぶ廃棄物空間の構成を示す。真空発生器12すなわち吸引装置は、パイプ11を通じて廃棄物コンテナ10と接続している。空気出口パイプ19を通じて、搬送に用いられる空気がシステムから排出される。必要であれば、排出前に排気を洗浄装置に通すことができる。
【0020】
廃棄物コンテナ10は廃棄物室等の廃棄物空間16内に配置される。廃棄物空間は、トンネル、特に地下トンネルと接続するようにトンネル20内に配置されるか、又はトンネル20の付近に配置される。廃棄物空間16内で廃棄物シュート17が接続する場合があり、廃棄物シュート17内において廃棄物材が供給点18から重力的に上から供給される。供給点にセットされた廃棄物が、廃棄物シュート17に沿って廃棄物空間16の廃棄物コンテナ10に又は廃棄物輸送車に直接落下する。
【0021】
廃棄物空間16の廃棄物コンテナ10から、廃棄物をいくつかの方法で輸送車へ搬送することができる。昇降装置を使用することができ、昇降装置によって廃棄物又は廃棄物コンテナ/輸送コンテナが輸送車に載せられて搬送される。吸引システムを使用することも可能であり、この吸引システムによって、廃棄物が廃棄物コンテナから輸送車のコンテナ内へ搬送される。廃棄物コンテナ10が輸送車でもある図面の実施形態を使用することも可能である。廃棄物コンテナ10は、廃棄物で充填され、搬送のために輸送車へと持ち上げられる貨物コンテナであり得る。
【0022】
図面において、地面は参照符号25で示される。吸引点8の供給漏斗9は、たとえば廃棄物容器(bin)であり得る。
【0023】
図3は、本発明によるシステムの別の実施形態の詳細を示す。図3では、廃棄物空間16は、廃棄物空間16又は廃棄物空間16の付近からトンネル20まで接続部が配置されるように、トンネル20の付近に配置される。廃棄物空間は、たとえば地面上に構成することができるが、トンネル20への接続部を有する。この実施形態による構成では、廃棄物空間16内に搬送デバイス30が配置されている。搬送デバイス30は、たとえば昇降装置であり、この昇降装置によって廃棄物コンテナ10は、廃棄物空間16から搬送されてシュート36を通じてトンネル20内に降ろされる。図3による構成では、搬送デバイス30は通路31(通路31に沿って昇降キャリッジ32が動くように配置されている)と、昇降キャリッジ内に配置される昇降手段33とを備えている。昇降キャリッジ32に対する昇降手段33の反対端には把持手段34が配置されており、把持手段34によって、搬送デバイスは廃棄物コンテナ10を把持することができる。図3による実施形態では、廃棄物空間16内には、たとえば遠心分離式のセパレータ要素である、いくつかのセパレータ要素35があり、セパレータ要素35において廃棄物材が搬送空気から分離される。廃棄物材は、セパレータ要素35から、たとえば重力の影響を受けてセパレータ要素の出口開口を通じて廃棄物コンテナ10へ搬送される。図3の実施形態の出口開口は、円錐台の形状であるセパレータ要素の下部に配置される。セパレータ要素の出口開口及び廃棄物コンテナの供給開口は、一致するように(in incidence)配置される。図3は、たとえば廃棄物輸送列車である、トンネル内を走行する車両(廃棄物コンテナ10をシュート36を通じて降ろしてこの車両に載せることができる)を示していない。同様に、たとえば空の廃棄物コンテナも、搬送デバイス30によってトンネル20からシュート36を通じて廃棄物空間16内へ持ち上げられることができる。
【0024】
次に、本発明によるシステムのいくつかの好ましい実施形態が説明される。
本発明は、廃棄物が、地域の廃棄物空間16の廃棄物コンテナ10又は輸送コンテナにおいて、たとえば吸引システムによって回収又は搬送され、次いでコンテナ内で又はコンテナから廃棄物がさらなる処理へと搬送される、廃棄物搬送システムに関する。廃棄物空間16及び/又は廃棄物コンテナ10若しくは輸送コンテナは、交通トンネル、有利には地下トンネル等のトンネル20内、若しくは該トンネル20付近に配置されるか、或いは廃棄物空間16及び/又は廃棄物コンテナ10若しくは輸送コンテナからトンネル20までの搬送接続部があり、該トンネル20を通じて廃棄物が離れた場所に搬送される。廃棄物は、輸送車等の搬送手段、地下鉄等の列車、輸送トラック又は同等物によってトンネルから搬送される。
【0025】
有利な一実施形態によれば、本システムはトンネル20内を走行する廃棄物輸送車10'を備えており、トンネル20において、廃棄物が廃棄物コンテナ10から搬送され、及び/又は、廃棄物コンテナ又は輸送コンテナが搬送される。同様に、本システムは、トンネル内を走行する少なくとも1つの輸送トラックを備えることができ、トンネルにおいて、廃棄物が廃棄物コンテナ10から搬送され、及び/又は、廃棄物コンテナ又は輸送コンテナが搬送される。
【0026】
本システムは、廃棄物シュート17によって廃棄物空間16の廃棄物コンテナ10又は輸送コンテナと接続するように構成される少なくとも1つの供給点18をさらに備える。
【0027】
本システムは、供給及び搬送配管2、3、4をさらに備え、該供給及び搬送配管2、3、4に沿って、廃棄物が1つ又は複数の供給点1、8から差圧によって搬送される。
【0028】
供給点1、8、18のいくつかは本システムのエリアに分散して配置されている。
【0029】
本システムは、いくつかの廃棄物空間16を備える。
【0030】
本システムにおいて、廃棄物コンテナ10は、吸引装置若しくは昇降装置等の移送装置(emptying device)、又は手作業によって輸送車へ中身を移される。
【0031】
本システムにおいて、廃棄物コンテナ10は、搬送デバイス、昇降装置又は手作業によって輸送車10’へ搬送される。
【0032】
本システムにおいて、特に旅客輸送が遅れている間又は停止しているときに廃棄物が地下トンネル20内で搬送される。
【0033】
廃棄物搬送配管4の少なくとも一部が地下トンネル20内に配置される。
【0034】
廃棄物コンテナ10は、廃棄物輸送車10’の一部である。
【0035】
廃棄物は、廃棄物輸送車10’の廃棄物コンテナ10へ直接搬送される。
【0036】
廃棄物輸送車10’は、機関車等の搬送ユニットによってトンネル内で搬送され、トンネル内でいくつかの廃棄物輸送車10’が接続され得る。
【0037】
図3の実施形態によれば、廃棄物空間16は、垂直方向において地下トンネル20よりも上に配置される。
【0038】
図3の実施形態では、廃棄物コンテナ10は、搬送デバイス30によって廃棄物空間16から地下トンネル20まで、有利には廃棄物輸送車又は同等物内へ直接降ろされる。同様に、たとえば廃棄物空間16内の空の廃棄物コンテナ10をトンネル20を通じて運ぶことが可能であり、それによって搬送デバイス30は、廃棄物コンテナ10をトンネル20からシュート36を通じて廃棄物空間16まで持ち上げる。
【0039】
本発明によるシステムの一実施形態によれば、廃棄物の吸引搬送システムは、比較的短い距離で使用され、たとえばトンネルシステムに接続されるため、廃棄物室が、廃棄物回収車及び廃棄物コンテナが配置されるトンネル網のすぐ近くに設計される。廃棄物シュートを廃棄物室上に直接配置することも可能であり、それによって廃棄物はコンテナ内に直接落下する。コンテナは、真空搬送システム又は局所的に設けられた廃棄物シュートによって廃棄物で充填され、地下の廃棄物輸送車又は廃棄物貨物コンテナによって、直接又は間接的に埋立地又は燃焼プラントへの廃棄物及び/又はコンテナの搬送が行われる。コンテナは中間コンテナとすることができ、中間コンテナから廃棄物が輸送車内に吸引される。廃棄物の搬送は有利には夜間に行われ、それによってトンネルの交通システムの使用量がわずかで済む。本発明によって、環境に優しく、費用効果的で、もしくは非有害である廃棄物搬送システムが提供される。本発明によれば、旅客輸送に加えて、たとえば夜間にトンネル内で廃棄物を搬送することが可能であるため、本発明を利用することによって、トンネル建設、交通システム建設、特に地下建設の採算性を向上させることができる。本発明によるシステムを利用することによって、特にシステムが、地下鉄システムのような鉄道交通システムに接続する場合、廃棄物トラックの交通量を大幅に低減することが可能である。
【0040】
真空搬送システムの主配管の一部又は全部がトンネル内を走るように配置されることを検討することも可能である。
【0041】
本発明は、廃棄物の回収及び搬送システムに関し、該システムでは廃棄物はたとえば地域の廃棄物空間の中間コンテナ、又は交通トンネル、有利には地下トンネル等のトンネルの付近に配置された輸送コンテナにおいて、吸引システムによって回収又は搬送される。これらのトンネルを通じて、廃棄物は、自動車交通又は列車交通及び/若しくは地下交通等の交通が走る同じトンネル内の離れた場所に搬送される。
【0042】
廃棄物輸送車、廃棄物輸送列車又は廃棄物輸送トラックに、廃棄物をトンネルの廃棄物室の中間コンテナから輸送車まで吸引する吸引システムを設けることができる。
【0043】
廃棄物コンテナは、廃棄物で充填され搬送のために輸送車又はトラックへ移送される貨物コンテナであり得る。
【0044】
廃棄物シュートは、特に、ごみ袋、ダンボール箱等のような大きな廃棄物のために廃棄物室のコンテナ上に直接配置される。
【0045】
搬送システムの主配管は、トンネル内に全体的又は部分的に設置される。
【0046】
トンネルは、交通トンネル又は地下トンネル以外のものであってもよい。トンネルは、たとえば、廃棄物搬送用にすぎないが交通トンネル網、有利には地下トンネル網に接続する、トンネルの分岐であり得る。
【0047】
適用対象の現場で生じる廃棄物の量のような適用対象の構造及び要件、並びに多くの他の要因によってシステムの大きさが決まることは当業者には明らかである。
【0048】
本発明が上述の実施形態に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲内で変更できることは当業者には明らかである。必要であれば、本明細書に記載された可能性のある特徴と共に他の特徴は、互いに別個に使用することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物が、地域の廃棄物空間の廃棄物コンテナ又は輸送コンテナにおいて、たとえば吸引システムによって回収又は搬送され、次いで前記廃棄物コンテナ又は前記輸送コンテナ内で、若しくは前記廃棄物コンテナ又は前記輸送コンテナから前記廃棄物がさらなる処理へと搬送される廃棄物搬送システムであって、
前記廃棄物空間、及び/又は、前記廃棄物コンテナ又は前記輸送コンテナは、交通トンネル、最も有利には地下トンネル等のトンネル内、若しくは前記トンネル付近に配置されるか、或いは前記廃棄物空間、及び/又は、前記廃棄物コンテナ又は前記輸送コンテナから前記トンネルまでの搬送接続部があり、
前記トンネルを通じて前記廃棄物が離れた場所に搬送されることを特徴とする、廃棄物搬送システム。
【請求項2】
前記システムは、前記トンネル内を走行する廃棄物輸送車又は廃棄物輸送トラックを備え、
前記トンネルにおいて、前記廃棄物が前記廃棄物コンテナから搬送され、及び/又は、前記廃棄物コンテナ又は前記輸送コンテナが搬送されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記廃棄物空間の前記廃棄物コンテナ又は前記輸送コンテナと接続するように、廃棄物シュートによって構成される少なくとも1つの供給点をさらに備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
供給及び搬送配管をさらに備え、
前記供給及び搬送配管に沿って、廃棄物が1つ又は複数の供給点から差圧によって搬送されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムのエリアに分散して配置されたいくつかの供給点があることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
いくつかの廃棄物空間を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムにおいて、前記廃棄物コンテナは、吸引装置、昇降装置又は手作業によって輸送車又は輸送トラックへ中身を移されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムにおいて、前記廃棄物コンテナは、搬送デバイス、昇降装置又は手作業によって、輸送車又は輸送トラックへ搬送されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムにおいて、特に交通が遅れている間又は他の交通が停止しているときに、廃棄物が前記トンネル内で搬送されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記搬送パイプの少なくとも一部が前記トンネル内に配置されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記廃棄物コンテナは、前記廃棄物輸送車又は前記廃棄物輸送トラックの一部であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
廃棄物は、前記廃棄物輸送車の前記廃棄物コンテナ又は前記廃棄物輸送トラックの前記廃棄物コンテナへ直接導かれることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記廃棄物空間は、垂直方向において前記トンネルよりも上に配置されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記廃棄物コンテナは、搬送デバイスによって前記廃棄物空間から前記トンネルまで、有利には前記廃棄物輸送車、前記廃棄物輸送トラック又は同等物へ直接降ろされることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−538945(P2010−538945A)
【公表日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−525379(P2010−525379)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/FI2008/050499
【国際公開番号】WO2009/037376
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(508342644)マリキャップ オーワイ (28)
【Fターム(参考)】