説明

廃蛍光管の処理装置

【課題】 各種類のものが混在する大量の廃蛍光管を効率的に分別処理することができる装置を安価に且つ簡素に構成するとともに、分別回収効率を一層高めることができるようにする。
【解決手段】 各種類の廃蛍光管Kをランダムに搬入することのできるコンベア2の上流側から下流側に向けて、第1の幅寄せ手段6、第1の切除手段3、第2の幅寄せ手段7、第2の切除手段4、掃気手段5を順に配置し、第1の幅寄せ手段6で廃蛍光管Kの一端側端部を一定の位置に規制しつつ、第1の切除手段3の回転刃15で一端側の口金部分Kcを切除する。次いで、第2の幅寄せ手段7で廃蛍光管Kの他端側端部を一定の位置に規制しつつ、第2の切除手段4の回転刃15で他端側の口金部分Kcを切除する。両端が切除されたガラス管内に、掃気手段5の掃気ノズル32からエアを吹き込み、内部の水銀蒸気等のガスや蛍光粉を払い出して回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管形蛍光灯の廃蛍光管を効率良く分別処理するための装置構成を安価にかつ簡素に構成するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直管形蛍光灯の廃蛍光管を処理する技術として、両端の口金部分を切断し、管内にエアを吹き込んで内部のガスや微粉等を排出した後、管本体を破砕し、破砕されたガラスの破片を加熱して水銀を除去するような処理方法が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
また、廃蛍光管を破砕処理すると、内部に封入されている水銀による汚染が問題となるため、水銀が外部に排出されるのを防止しつつ処理するような技術も知られており(例えば、特許文献2参照。)、この技術では、廃蛍光管を破砕した後、スクリューコンベアによって細目分級筒に運び、水銀と破砕片とを分離するようにしている。
一方、ガラスバルブ付きの気体放電ランプからキャップを分離する技術も知られており(例えば、特許文献3参照。)、この技術では、プラズマ炎によってキャップの近傍に破断箇所を形成し、キャップと一緒に気体放電ランプの端部を吹き飛ばすようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−150138号広報
【特許文献2】特開平8−243498号広報
【特許文献3】特表2000−505587号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の処理技術の場合、大量に発生する廃蛍光管を分別処理しようとしても効率的に分別処理することができず、また、分別しないで全体を破砕した後、金属やガラスや水銀等を分別回収しようとする場合には、回収効率がよくないという問題があった。
また、特許文献3のようなキャップ分離技術では、プラズマ炎発生装置等の装置構成が複雑化するとともに、設備費用が嵩むという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、管長や管径等が異なる各種類のものが混在する大量の廃蛍光管を効率的に分別処理することができる装置を安価に且つ簡素に構成するとともに、分別回収効率を一層高めることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、管径・管長の異なる直管形蛍光灯の廃蛍光管を処理するための装置として、各種類の廃蛍光管をランダムに搬送するコンベアと、搬送される廃蛍光管の一端側の位置を所定の位置に規制するための第1の幅寄せ手段と、一端側の位置が所定位置に規制された廃蛍光管の一端側の口金部分を切除する第1の切除手段と、搬送される廃蛍光管の他端側の位置を所定の位置に規制するための第2の幅寄せ手段と、他端側の位置が所定位置に規制された廃蛍光管の他端側の口金部分を切除する第2の切除手段と、両端の口金部分が切除されたガラス管内にエアを吹き込んで掃気する掃気手段を設けるようにした。
【0007】
ここで、蛍光管の種類は複数種類あり、それぞれの種類に応じて管長や管径等が異なっているが、各種類の廃蛍光管をランダムに投入しても処理できるようにし、廃蛍光管の一端側の口金部分を切除する際は、第1の幅寄せ手段によって、廃蛍光管の一端側の位置を所定位置に規制し、第1の切除手段で一端側の口金部分を切除する。そして、廃蛍光管の他端側の口金部分を切除する際は、第2の幅寄せ手段によって、廃蛍光管の他端側の位置を所定位置に規制し、第2の切除手段によって他端側の口金部分を切除する。
そして、両端の口金部分が切除されると、筒状のガラス管内にエアを吹き込んで、水銀蒸気等の内部のガスや蛍光粉を掃気する。
【0008】
この際、本発明では、前記第1と第2の切除手段として、口金部の鉛ガラス等で構成されるフィラメント部を切断することなく、口金近傍のガラス部分だけを切断できるようにし、また、切除する廃蛍光管を下方からバランス機構を介して僅かな力で持ち上げて軸周りに回転させることのできる持上げローラと、上方からバランス機構を介して僅かな力で口金周辺部分に荷重をかけながらガラス周囲に切り傷を形成することのできる回転刃と、この回転刃の下流側に配置され、搬送される廃蛍光管の端部を衝突せしめることで口金部分を除去することのできる除去部材を設けるようにしている。
【0009】
このように、フィラメント部を切断することなく、口金近傍のガラス部分を切断することで、切断後ガラスを破砕したときにガラス内にフィラメントや鉛ガラスが混在するような不具合が防止され、リサイクルにかかる負荷が軽減するとともに、切断機構を簡素に構成できるようになり、また、廃蛍光管を下方から僅かな力で持ち上げながら回転させ、上方の回転刃でガラス周囲に切り傷を付けた後、端部を除去部材に衝突させて口金部分を除去するような構造を採用することで、管径が異なる場合でも、より確実に且つ安価に切除機構を構成することができる。また、フィラメント部を切断することがないので、刃の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0010】
また本発明では、前記第1と第2の幅寄せ手段として、搬送される廃蛍光管の下面に当接して回転自在で且つ搬路方向と平行なロール軸を有する幅寄せローラを設け、これら第1と第2の幅寄せ手段の幅寄せローラを同じ駆動源で駆動するようにした。
このような構成にすることで、廃蛍光管の管長が異なる場合でも廃蛍光管の口金部分を一定の位置で切除できるようになり、また、駆動源を共通化することで、装置構成が簡素で安価となる。
【0011】
また本発明では、前記掃気手段として、搬送される廃蛍光管の長さに対応して、自動的に通風路の長さを変化させることのできる通風長さ可変機構を設けるようにした。
ここで、長さの異なる各種類の廃蛍光管内部にエアを吹き込む場合、エア吹き出し孔を複数個所に配置するか、またはエア吹き出し孔を一定の箇所に配置し、通風路の長さを変化させるか等の処置が必要である。そこで、本発明では、エア吹き出し孔を一定の位置に配置し、通風路の長さを自動的に変化させるような構造を採用することにより、装置の簡素化を図っている。ここで、通風長さ可変機構の一例としては、例えば、エア吹き出し孔に連通する通風路上に複数の通風管を揺動自在に吊り下げておき、長さの長い廃蛍光管がコンベア上を搬送されて通有路の位置に達すると、廃蛍光管に押された通風管が通風路から退避するよう揺動し、廃蛍光管が下流に流れ去ると、自動的に通風路上に復元するような構造を採用すれば簡素で安価に構成できる。
【発明の効果】
【0012】
廃蛍光管を処理するための装置として、第1、第2の幅寄せ手段や第1、第2の切除手段を設けることにより、管長や管径の異なる各種類の廃蛍光管の両側端部の口金部分を常に一定の箇所で切除することができ、また、両端が切除された筒内を掃気手段によって確実に掃気できるため、分別処理が効率的に行えるとともに、装置構成を簡素化して安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る廃蛍光管の処理装置の全体斜視図である。
【図2】同処理装置の要部を示す正面図である。
【図3】同処理装置の要部を示す平面図である。
【図4】切除手段を正面方向から見た説明図である。
【図5】同切断手段を側面方向から見た説明図である。
【図6】通風長さ可変機構の説明図で(a)は側面方向から見た説明図、(b)は正面方向から見た説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態について添付した図面に基づき説明する。
本発明に係る廃蛍光管の処理装置は、大量に発生する各種の廃蛍光管を分別処理するに際し、効率的に処理すると同時に、設備構成の簡素化を図り、しかも確実に処理できるようにされ、管長や管径の異なる各種類の廃蛍光管をランダムに投入しても、確実に処理できるようにされている。
【0015】
すなわち、本発明に係る廃蛍光管の処理装置1の一例は、図1乃至図3に示すように、図中、左方から右方に向けて廃蛍光管Kを搬送するコンベア2と、コンベア2で搬送される廃蛍光管Kの両端の口金部分Kcを切除する第1の切除手段3、及び第2の切除手段4と、両側の口金部分が切除されたガラス管内にエアを吹き込んで掃気する掃気手段5を備えており、また、図3に示すように、第1の切除手段3の上流側下方には、廃蛍光管5を図中下方に幅寄せして下方側の端部の位置するための第1の幅寄せ手段6が設けられ、第2の切除手段4の上流側下方には、第2の幅寄せ手段7が設けられている。
【0016】
そして、前記コンベア2は、二列のチェーンコンベアから構成され、それぞれのチェーンは、図2、図3に示すような駆動モータ8によって同期して駆動できるようにされ、また、それぞれのチェーンには、投入された廃蛍光管Kを一本ずつ保持するための隔壁リンク9が所定間隔置きに多数設けられている。そして、各種類の廃蛍光管Kが隔壁リンク9間にランダムに投入されると、これらをそのまま下流側に向けて搬送できるようにされている。
【0017】
前記第1の幅寄せ手段6は、コンベア2上を搬送される廃蛍光管Kを、搬路と直行する方向の一方側(図3の下方側)に移動させて、一端側の位置を位置規制部材11で規制するようにされ、一方側のチェーンコンベアを挟んで両側に、コンベア2搬路と平行な二本のローラ軸12a、12bを設けるとともに、各ローラ軸12a、12bには、それぞれ一対の幅寄せローラ13(合計4個)が設けられている。そして、この幅寄せローラ13は、廃蛍光管Kの下面に当接して、図1、図2に示す駆動モータ14によって回転駆動されるようになっている。
【0018】
また、廃蛍光管Kの一端側端部を規制する位置規制部材11は、幅寄せローラ13に対応する部分はコンベア2搬路と平行な平行部分11aとされているが、その下流側では、廃蛍光管Kの一端側部分が、以下に述べる第1の切除手段3の回転刃15に近づくような傾斜部分11bとされている。
このため、幅寄せローラ13や位置規制部材11によって、廃蛍光管Kの一端側端部は、位置規制されながら第1の切除手段3に送り込まれることになる。
【0019】
前記第1の切除手段3は、図2に示すように、切除する廃蛍光管Kを、下方からバランス機構16を介して僅かな力で持ち上げて軸周りに回転させることのできる持上げローラ17と、上方からバランス機構18を介して口金部分Kc周辺に僅かな荷重をかけながらガラス周囲に切り傷を与えることのできる回転刃15と、切り傷が与えられた廃蛍光管Kから口金部分Kcを除去するための除去部材20を備えており、この除去部材20は、切り傷が与えられた廃蛍光管Kがコンベア2で搬送される途中で、口金部分Kcが衝突して切り傷部分より端部側が自動的に除去されるよう、回転刃15の下流側に配設している。
【0020】
下方の持上げローラ17側のバランス機構16は、図4にも示すように、前記持上げローラ17を回転駆動するための駆動モータ21や、その下方のバランスウエイト22のような、枢支軸23を中心にした右側の重量が、持上げローラ17などの枢支軸23を中心にした左側の重量より僅かに大きくされ、このため、回転刃15の位置まで搬送された廃蛍光管Kを僅かに持上げるとともに、持上げローラ17の回転駆動によって、持上げた廃蛍光管Kを図4の時計回りの方向に回転させることができるようにされている。
【0021】
上方の回転刃15側のバランス機構18は、図4、図5にも示すように、回転刃15及びその後方に配設される駆動モータ24が紐に吊り下げられ、この紐は、滑車を介してバランスウエイト25に接続されている。そして、回転刃15や駆動モータ24の重量とバランスウエイト25の重量とを比較した場合、回転刃15や駆動モータ24側の重量が僅かに大きくされ、その結果、廃蛍光管Kに対して回転刃15が僅かに荷重をかけることができるようにされている。そして、駆動モータ24によって駆動される回転刃15の回転方向は、図4の時計回りの方向とされ、廃蛍光管Kのガラスの口金部分Kc周辺のガラス面に全周に亘って効果的に切り傷をつけることができるようにされている。
因みに、このような回転刃15は、外周端部にダイヤモンド砥粒等が配設されるものであり、切り傷としては、例えば、ガラスの厚みが1mm程度とした場合、0.1〜0・5mm程度の深さであれば、その後、口金部分Kcが除去部材20に衝突することで、切り傷部分を中心にして除去することができる。
【0022】
また、回転刃15の近傍と、これと反対側の上部には、下方から持上げられる廃蛍光管Kが浮き上がり過ぎないよう、高さ位置を規制するストッパ部材28が一対設けられている。そしてこのストッパ部材28は固定状態であるが、回転刃15は上下に遊動可能な状態である。
【0023】
前記第2の幅寄せ手段7は、図3に示すように、一方側のローラ軸12aだけに取り付けられる2つの幅寄せローラ26を備えており、この幅寄せローラ26は、第1の幅寄せローラ13と同じく、すべての廃蛍光管Kを図中下方に送ることができるようにされるとともに、廃蛍光管Kの他方側端部が幅寄せローラ26から外れると、その位置で廃蛍光管Kの幅寄せが終了するようにされている。
すなわち、この幅寄せローラ26を通過した廃蛍光管Kは、種類(長さ)の如何に拘らず、他方側(図の上方側)端部が常に一定位置に規制されるようになる。
なお、前記第1の幅寄せ手段6の一対のローラ軸12a、12bに取り付けられる幅寄せローラ13と、第2の幅寄せ手段7のローラ軸12aに取り付けられる幅寄せローラ26は、同じ駆動モータ14によって同時に駆動されるため、装置の簡素化が図られている。
【0024】
また、第2の切除手段4の手前には、廃蛍光管Kの他端側の位置を規制する位置規制部材27(図3)が設けられ、この位置規制部材27は、廃蛍光管Kの他端側(図の上方側)端部が、第2の切除手段4の回転刃15に近づく方向に傾斜して配置されている。
このため、幅寄せローラ26や位置規制部材27によって、廃蛍光管Kの他端側端部は、位置規制されながら第2の切除手段に送り込まれることになる。
【0025】
第2の切除手段4は、前記第1の切除手段3と同様な構成であり、図2に示すような下方のバランス機構16や、持上げローラ17や、上方のバランス機構18や、回転刃15や、除去部材20等を備えるとともに、持上げローラ17によって廃蛍光管Kを持上げながら回転させつつ、上方の回転刃15によって廃蛍光管Kの他端側の口金部分Kc周辺のガラス面に全周に亘って切り傷をつけることができるようにされている。また、この回転刃15の近傍と、これと反対側の上部に、下方から持上げられる廃蛍光管Kの高さ位置を規制するためのストッパ部材28が一対設けられている。
【0026】
このため、前記第1の切除手段3で廃蛍光管Kの一端側の口金部分Kcが切除され、第2の切除手段4によって、廃蛍光管Kの他端側の口金部分Kcが切除され、この第2の切除手段3を通過した廃蛍光管Kは、両端の口金部分Kcが切除された状態のガラス管となって掃気手段5に送られる。
【0027】
掃気手段5には、通風長さを可変にするため、廃蛍光管Kの種類(長さ)に合わせて、図6(a)に示すような4種類の掃気管30が揺動プレート35を介して揺動軸31に吊り下げられた状態でコンベア2の搬路と直交する方向に連通状態で配設されている。そして、それぞれの掃気管30が、揺動軸31周りに別個に揺動自在にされており、これらの掃気管30は、機台側に固定される掃気ノズル32に連通するとともに、搬路の上流側から流れてきた廃蛍光管Kが通気ノズル32の延長線上に位置すると、図6(b)に示すように、廃蛍光管Kに押された掃気管30は掃気ノズル32の直線上から退避し、廃蛍光管Kが更に下流側に流動すると、再び元の位置に復元揺動するようにしており、これら掃気管30や揺動機構等によって通風長さ可変機構29を構成している。
【0028】
そして、それぞれの掃気管30の長さは、廃蛍光管30の5種類の長さに対応するとともに、隣接する排気管30同士の間のクリアランスを狭くすることで、どの種類の廃蛍光管30が流れてきても、その場に留まっている掃気管30を通して、掃気ノズル32から吹き付けられるエアを効率的に廃蛍光管Kの内部に導き、管内に滞留するガスや微粉や水銀等を反対側の収集部33(図3)に送り込むことができるようにされている。
因みに、長さが一番短い廃蛍光管Kが流動してきたときは、どの掃気管32も揺動しないで、その場に留まっている。
また、掃気ノズル32からエアを吹き込む際、ガラス管がコンベア2上に浮き上がらないよう、ガラス管を上から自重で押さえ付けておく押え付けローラ36(図1、図3)を設けている。
【0029】
なお、以上のような処理装置1は説明上、外部に露出した状態を図示しているが、実際は、コンベア2の周囲全体をカバーで覆い、カバー内の空間部全体を吸引することで、異物やガス等が外部に漏洩しないようにしている。
【0030】
また、コンベア2のうち、少なくとも第1の切除手段3や第2の切除手段4が含まれる中央部分の下方には、切除された口金部分Kcや、ガラス屑等を集めるためのシュータ34(図1)が設けられている。
【0031】
以上のような廃蛍光管Kの処理装置1において、各種類の廃蛍光管Kをランダムに投入すると、第1の幅寄せ手段6により、廃蛍光管Kの一端側端部が所定の位置に規制された後、第1の切除手段3によって、一端側の口金部分Kcが切除される。この際、持上げローラ17によって僅かに上方に持上げられて回転させられた後、上方から僅かな力で荷重をかけながら回転刃15で切り傷を与えられるため管径が異なっている場合でも確実に切り傷を形成することができ、しかも、レーザー光とか、プラズマ炎等の高価は設備を使用しないため安価である。
【0032】
次いで、廃蛍光管Kの他端側を第2の幅寄せ手段7により規制することにより、他端側の口金部分Kcの位置を一定に規制し、第2の切除手段4により他端側の口金部分Kcを切除すれば、両端が切除されたガラス管の態様となり、これが掃気手段5の掃気ノズル32の延長線上にくると、センサ等が感知して掃気ノズル32からエアが吹き付けられて内部が掃気される。そして、内部が掃気されて綺麗になったガラス管は、コンベア2の端部で回収される。
以上のような要領により、両端の口金部分Kcはシュータ34で回収され、ガラス管はコンベア2の端部で回収し、内部の水銀等は収集部33を通して回収できるため、分別処理が極めて効率的に行える。
【0033】
なお、本発明は以上のような実施形態に限定されるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本発明の技術的範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0034】
大量に発生する廃蛍光管を極めて効率良く、確実に分別処理でき、しかも装置構成が簡素で安価に構成できるため、今後の広い普及が期待される。
【符号の説明】
【0035】
1…処理装置、2…コンベア、3…第1の切除手段、4…第2の切除手段、5…掃気手段、6…第1の幅寄せ手段、7…第2の幅寄せ手段、13…幅寄せローラ、15…回転刃、16…バランス機構、17…持上げローラ、18…バランス機構、20…除去部材、26…幅寄せローラ、29…通風長さ可変機構、K…廃蛍光管、Kc…口金部分。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃蛍光管を処理するための装置であって、管径・管長の異なる直管形蛍光灯の廃蛍光管を事前に仕分けすることなくランダムに搬送するコンベアと、搬送される廃蛍光管の一端側の位置を所定の位置に規制するための第1の幅寄せ手段と、一端側の位置が所定位置に規制された廃蛍光管の一端側の口金部分を切除する第1の切除手段と、搬送される廃蛍光管の他端側の位置を所定の位置に規制するための第2の幅寄せ手段と、他端側の位置が所定位置に規制された廃蛍光管の他端側の口金部分を切除する第2の切除手段と、両端の口金部分が切除されたガラス管内にエアを吹き込んで掃気する掃気手段を備えたことを特徴とする廃蛍光管の処理装置。
【請求項2】
前記第1と第2の切除手段は、口金部の鉛ガラス等で構成されるフィラメント部を切断することなく口金近傍のガラス部分のみを切断する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の廃蛍光管の処理装置。
【請求項3】
前記第1と第2の切除手段は、切除する廃蛍光管を下方からバランス機構を介して僅かな力で持ち上げて軸周りに回転させることのできる持上げローラと、上方からバランス機構を介して僅かな力で口金周辺部分に荷重をかけながらガラス周囲に切り傷を形成することのできる回転刃と、この回転刃の下流側に配置され、搬送される廃蛍光管の端部を衝突せしめることで口金部分を除去することのできる除去部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃蛍光管の処理装置。
【請求項4】
前記第1と第2の幅寄せ手段は、搬送される廃蛍光管の下面に当接して回転自在で且つ搬路方向と平行なロール軸を有する幅寄せローラを備え、これら第1と第2の幅寄せ手段の幅寄せローラは、同じ駆動源にて駆動されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の廃蛍光管の処理装置。
【請求項5】
前記掃気手段は、搬送される廃蛍光管の長さに対応して、自動的に通風路の長さを変化させることのできる通風長さ可変機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の廃蛍光管の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−50928(P2011−50928A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204762(P2009−204762)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(500570427)JFE環境株式会社 (21)
【出願人】(501298904)株式会社パワー工業 (5)
【出願人】(303030483)株式会社エヌ・アイ・シー (5)
【Fターム(参考)】