建物およびその維持管理システム
【課題】 戸建て住宅でも導入が容易で建物の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画を一般の人にも分かりやすく表現した、建物およびその維持管理システムを提供する。
【解決手段】 定期的にメンテナンスが必要な部材を基本躯体101、外装部材102および埋設設備部材103とし、基本躯体101の耐用年数より短い耐用年数の部材については、部品交換あるいは補修が健全な部分の取り壊しを伴わずに行えることが担保されている構造の建物であり、建物維持管理システムは、邸別情報データベースと部材別情報データベースのデータに基づいて、建物の維持管理計画を出力し、または処理対象の建物を出力する。
【解決手段】 定期的にメンテナンスが必要な部材を基本躯体101、外装部材102および埋設設備部材103とし、基本躯体101の耐用年数より短い耐用年数の部材については、部品交換あるいは補修が健全な部分の取り壊しを伴わずに行えることが担保されている構造の建物であり、建物維持管理システムは、邸別情報データベースと部材別情報データベースのデータに基づいて、建物の維持管理計画を出力し、または処理対象の建物を出力する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材毎の耐用年数を設定し維持・管理を行う、建物およびその維持管理を支援するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の維持管理の方法として、部材毎の耐用年数を設定し、維持・管理の計画(プログラム)を提示するシステムとして、例えば下記のC.H.S(センチュリー・ハウジング・システム)がある。
(1)建設省住宅局生産課監修:“センチュリー・ハウジング・システム設計マニュアル”、財団法人 住宅部品開発センター、昭和60年(2)“センチュリー・ハウジング認定申請説明書”、財団法人 ベターリビング、平成3年10月
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記C.H.Sでは、内装や露出設備まで含め建物の構成部材全てを対象としている。ここで、特に内装部材や露出設備機器は、・耐用年数が住み手の使い方や感覚に左右される面が大きいため、維持管理をプログラム化する意味が無い。
・補修・交換等は発生の都度で対応しても建物全体の耐久性に悪影響を与えない。
・独自のモジュラー・コーディネーションの下では、独自仕様の長期供給態勢に大きなコストがかかる。
等の問題を抱えている。
【0004】このような状況下で、従来の建物の維持・管理においては、個々の部材の耐用年数の目安はあるものの、問題が生じてから修理を行うという後追いの対策のため、予防的メンテナンスに比べて無駄な費用が発生しがちである。具体的には、建物各部のメンテナンスが時期的にばらばらに行われるため、その都度仮設費用等(プレハブ、足場の費用等)が発生し、無駄が多い。
【0005】また、多くの場合は建物のメンテナンス計画は新築当初の20年程度であり、建物本体の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画が無く、さらには建物所有者や管理者にとってメンテナンス計画を立てにくいのに加えて、建物本体の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画の全体像が一般の人には分かりにくい、という解決すべき課題が従来技術にはあった。
【0006】そこで本発明の目的は、メンテナンスの容易な建物およびその維持管理システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明の建物は、基本躯体、外装部材および埋設設備部材を使用する建物であって、前記基本躯体を最長耐用年数とし、前記外装部材の耐用年数と前記埋設設備部材の耐用年数とは、いずれも前記基本躯体の耐用年数の整数分の1であり、前記基本躯体の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1とされ、最長耐用年数の整数分の1の間隔で定期的にメンテナンスを行うように設計されたことを特徴とする。
【0008】ここで、前記外装部材あるいは前記埋設設備部材については、部品交換あるいは補修が健全な部分の破壊を伴わずに行えることが担保されている構造であることを特徴とすることができる。
【0009】また、建物の構成部材分野は、定期的にメンテナンスが必要な部材と、任意に更新すればよい部材とに仕分けられており、前記定期的にメンテナンスが必要な部材は、前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材であり、前記任意に更新すればよい部材は、内装部材、露出設備機器であることを特徴とすることができる。
【0010】また、上記目的を達成するために、本発明の建物維持管理システムは、基本躯体、外装部材および埋設設備部材を使用し、前記基本躯体を最長耐用年数とし、前記外装部材の耐用年数と前記埋設設備部材の耐用年数とは、いずれも前記基本躯体の耐用年数の整数分の1であり、前記基本躯体の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1とされ、最長耐用年数の整数分の1の間隔で定期的にメンテナンスを行うように設計された建物を、該建物の耐用年数全体に渡って維持管理を行うための、サーバマシンと該サーバマシンに接続可能なクライアントマシンとを有する建物維持管理システムであって、前記サーバマシンは、前記建物の情報を建物別に記憶する第1のデータベースと、メンテナンス対象の部材である前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材の耐用年数を含む部材情報を部材別に記憶する第2のデータベースとを備え、前記建物に関する検索条件に基づいて、前記第1のデータベース、前記第2のデータベースにアクセスし、前記検索条件に合致する建物別情報と部材別情報とを抽出可能であり、前記クライアントマシンは、前記検索条件を入力し、前記サーバマシンによって抽出された建物別情報と部材別情報とに応じて、建物の想定耐用年数全体にわたり、メンテナンス対象の部材である前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材と、前記耐用年数に基づく各部材のメンテナンス時期とを明記した建物維持管理計画を作成し,当該作成された建物維持管理計画を表示出力または印刷出力することを特徴とする。
【0011】ここで、前記サーバマシンは、抽出された情報に基づいて、メンテナンス対象の建物名のリストを抽出することを特徴とすることができる。
【0012】また、前記クライアントマシンは、特定の日時に基づいて、前記メンテナンス対象の建物の施工計画を出力することを特徴とすることができる。
【0013】また、前記サーバマシンは、特定の日時がメンテナンス時期に差しかかっている前記メンテナンス対象の建物について前記リストを抽出し、当該出力されたリストの各建物に対して、前記クライアントマシンは、メンテナンスを促すアラームを出力することを特徴とすることができる。
【0014】また、前記サーバマシンは、特定の部材を使用している前記メンテナンス対象の建物を特定することを特徴とすることができる。
【0015】また、上記目的を達成するために、本発明の建物維持管理システムのサーバマシンは、上述のいずれかに記載のサーバマシンの機能を有することを特徴とすることができる。
【0016】また、上記目的を達成するために、本発明の建物維持管理システムのクライアントマシンは、上述のいずれかに記載のクライアントマシンの機能を有することを特徴とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】本実施形態の建物の主要構成を図1に示す。ここで、以下、本実施形態で述べられる建物は、ある住宅建築会社(以下、住宅サプライヤと呼ぶ)の60年耐用住宅を例としている。
【0019】図1、図2において本実施形態に係わる建物は、基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103、内装部材・露出設備機器104およびその他から構成される。
【0020】図2は、基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103、内装部材・露出設備機器104を、各々部材細目に分け、各部材細目の部材毎の耐用年数を示した例である。なお、図1と同様の部材分野の欄には図1と同様の符号を付す。
【0021】図1、図2において、基本躯体101の部材として、基礎、鉄骨、ALC等があり、全て耐用年数60年の部材である。外装部材102の部材としては、屋根葺材、屋根防水層、外壁(防水塗装)、開口部等があり、さらに、埋設設備部材103の部材としては、給水給湯配管、排水配管、電気配線、ガス配管、暖冷房の埋設配管、情報関連配管、ユニットバス等がある。上記外装部材102、埋設設備部材103は、耐用年数15年、30年、60年の部材で構成されている。
【0022】一方、図1、図2において、内装部材・露出設備機器104の部材としては、間仕切り壁下地、天井下地、壁仕上げ、天井仕上げ、床仕上げ、内部建具、家具、造作等があり、部材に耐用年数は設けられていない。
【0023】次に、基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103、内装部材・露出設備機器104の各々が包含する部材に対する、定期的なメンテナンスの計画(以下、メンテナンス・プログラムと呼ぶ)の実施形態を以下に述べる。
(1)メンテナンス・プログラム対象部材図2に示すように、下記の2条件を満たしている「基本躯体、外装、埋設設備」の3つの分野の部材を対象とする。
■その耐久性が建物全体の耐久性(基本性能)に直接影響する部材。
■建物全体の耐久性(基本性能)維持のためには、原則メンテナンス・フリーまたは予防保全されるべき部材。
(2)メンテナンス・プログラム非対象部材「内装・露出設備」は、上記メンテナンス・プログラム対象部材の条件を満たさないことに加え、下記の3点の特徴により、原則として世間並みの耐用年数とメンテナンス・システムによる対応で十分と考え、図2に示すようにメンテナンス・プログラム非対象とする。
■耐用年数が、住み手の使い方や感覚に左右される面が大きいため、維持管理をプログラム化する意味が無い。
■補修交換等は、発生の都度で対応しても問題が無い。
■補修技術や補修部品の供給等は、世の中で一般的に市販されている部品の活用により、無意味なコスト上昇を抑制できる。
【0024】さらに本実施形態では、上述のように、図1R>1、図2においてメンテナンス・プログラムの対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に属する各部材には、15年、30年、60年というように順に整数倍となるように耐用年数を持たせている。以下に、メンテナンス・プログラム対象部材の耐用年数の持たせ方に係わる基本的な計画を述べる。
【0025】本実施形態においては、基本躯体101の部材を全て同一最長耐用年数とし、基本躯体101の部材の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1になるようにしている。例として、本実施形態においては、基本躯体101の部材を全て耐用年数60年とし、基本躯体101の部材の耐用年数60年を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1になるようにしている。
【0026】具体的には、下位の耐用年数15年は、15年より上位の耐用年数30年および60年の整数分の1であり、下位の耐用年数30年は、30年より上位の耐用年数60年の整数分の1である。逆に耐用年数が、20年、30年、60年という組み合わせは、下位の20年が上位の30年の整数分の1になっていないため、本発明の耐用年数の持たせ方には不適となる。
【0027】最長である基本躯体101の部材の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1になるように部材の耐用年数を持たせる理由は、多くのメンテナンス項目を一度に施工して、仮設費用等(プレハブ、足場の費用等)を節約するためである。すなわち、耐用年数が、前述のような20年、30年、60年という組み合わせは、下位の20年が上位の30年の整数分の1になっていないため、同時期にまとめてメンテナンスの合理化ができず、不適となる。
【0028】メンテナンス・プログラム対象部材の構造について説明する。本実施形態では、メンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に属する部材の内、基本躯体101の部材の耐用年数より短い耐用年数の部材については、部品交換あるいは補修が健全な部分の取り壊しを伴わずに行える構造にしている。
【0029】すなわち、メンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に属する部材の内、耐用年数が基本躯体101の部材の耐用年数60年より短い部材で、手前の健全な部材(例えば壁や床)を取り壊さないとメンテナンスができないような部材の例としては、壁体内に埋め込まれた給水給湯配管がある。
【0030】上記給水給湯配管以外のメンテナンス・プログラム対象部材は、全て、より寿命の長い部材(例えば壁や床)の背後には無い構造のため、本実施形態では、上記給水給湯配管以外は健全な部材を破壊しないでメンテナンスが可能である。
【0031】このため、本実施形態では、上記給水給湯配管に関し、図3に示す「サヤ管方式」と呼ばれる方式を導入している。「サヤ管方式」は配管が2重になっており、耐用年数が来たら、他の部材に全く影響無く給水給湯用の樹脂配管を引き抜き、配管の交換ができる。以上説明したように、本実施形態の住宅では、メンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に属する部材の内、耐用年数が基本躯体101の部材の耐用年数60年より短い部材全てにおいて、健全な部材を取り壊さないでメンテナンスが可能となる。
【0032】次に、図1、図2から考えられる建物のメンテナンス・プログラムを、一般顧客に情報提供するための建物維持管理システムについて説明する。
【0033】図4は、本実施形態の建物維持管理システムのシステム構成を示す。図4において、建物維持管理システムは、住宅サプライヤのデータベース・サーバ401と邸別情報データベース(以下、DBと略す)402、部材別情報DB403、および上記住宅サプライヤの各店舗のクライアント・マシン404、プリンタ405、および客先へ持ち運ぶノート・パソコンのようなクライアント・マシン406、通信ネットワーク407を有する。
【0034】データベース・サーバ401は、クライアント・マシン404、クライアント・マシン406からの問い合わせに応じて、邸別情報DB402、部材別情報DB403へのアクセスとデータの処理、各クライアント・マシンへのサービスを行う。
【0035】クライアント・マシン404、プリンタ405は、住宅サプライヤの店舗において、顧客の建物のメンテナンス・プログラムをモニタ表示、または紙に出力して、顧客へ提供する。この場合の通信ネットワーク407としては、社内LANやイントラネット、インターネット等がある。
【0036】クライアント・マシン406は、顧客の客先その他社外でモバイル通信により、顧客の建物のメンテナンス・プログラムをディスプレイ表示して、顧客へ提供する。この場合の通信ネットワーク407としては、一般電話回線によるリモート・アクセス、インターネット等を使用できる。
【0037】図5に邸別情報DB402、部材別情報DB403の蓄積情報を示す。なお、図4と同様なDBの欄には図4と同一の符号を付す。ここで部材別情報DB403の蓄積情報は、図2におけるメンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103の部材情報である。以下、フロー・チャートを用いて、建物維持管理システムの処理内容を説明する。
【0038】(処理1)図6のフロー・チャートは、クライアント・マシン404またはクライアント・マシン406から、建物別の問い合わせを行う場合の処理内容を示す。本実施形態では、クライアント・マシン404を例に取る。
【0039】クライアント・マシン404に対して、ユーザから邸名または契約NO.が入力されると(ステップS610)、クライアント・マシン404から問い合わせを受けたデータベース・サーバ401は、邸別情報DB402、部材別情報DB403にアクセスする(ステップS620)。
【0040】続いてデータベース・サーバ401は、問い合わせの邸名または問い合わせの契約NO.にリンクした邸名で、該当邸名に関わる邸別情報と部材別情報を抽出する(ステップS630)。
【0041】最後に、クライアント・マシン404は、上記抽出された邸名に関わる邸別情報と部材別情報を、データベース・サーバ401より受け取り、上記邸名の邸別メンテナンス・プログラムを画面に表示し、ユーザからの指示が有ればプリンタ405に印刷出力する(ステップS640)。
【0042】上記ステップS640での邸別メンテナンス・プログラムの出力内容、例えば表示画面を図7に示す。
【0043】図7に示すように、邸別メンテナンス・プログラムの表示(または印刷結果)には、建物の想定耐用年数全体をカバーする目盛りを設けてあり、目盛り上にメンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に含まれる各部材のメンテナンス時期を明記する。これによりユーザは、いつ、何をメンテナンスすべきかが一覧できる。また、表示中では等円形、矢印、文字等を活用し、部材毎の耐用年数のばらつきがわかりやすく表現されている。
【0044】(処理2)図8のフロー・チャートは、クライアント・マシン404(またはクライアント・マシン406)から、年月を入力して年内のメンテナンス・プログラムを取得する処理形態を示す。
【0045】クライアント・マシン404に、特定の年月が入力されると(ステップS810)、クライアント・マシン404から問い合わせを受けたデータベース・サーバ401は、邸別情報DB402、部材別情報DB403にアクセスする(ステップS820)。
【0046】データベース・サーバ401は、問い合わせの年月以降で、年内のメンテナンスを要する部材を持った建物リストを抽出する(ステップS830)。
【0047】クライアント・マシン404または406は、上記抽出された建物リストを、データベース・サーバ401より受け取り、上記建物リストの各建物について、前述の図6の処理を行い(ステップS840)、上記建物リストの各建物に関わる年内メンテナンス・プログラム(不図示)を画面に表示し、ユーザからの指示が有ればプリンタ405に印刷出力する(ステップS850)。
【0048】なお、上記年内メンテナンス・プログラムは図7の表現方法に則り、図7より横のスパンを年内分向けに縮小した、より詳細な施工計画を図示したものが考えられる。
【0049】(処理3)図9のフロー・チャートは、クライアント・マシン404(またはクライアント・マシン406)から、年月日を入力した場合のメンテナンス・アラームを出す処理形態を示す。
【0050】クライアント・マシン404に、特定の年月日が入力されると(ステップS910)、クライアント・マシン404から問い合わせを受けたデータベース・サーバ401は、邸別情報DB402、部材別情報DB403にアクセスする(ステップS920)。
【0051】データベース・サーバ401は、問い合わせの年月日がメンテナンス時期に差しかかっている部材リストを抽出し(ステップS930)、抽出された部材リストの各部材について、メンテナンス未着手の建物リストを抽出する(ステップS940)。
【0052】クライアント・マシン404または406は、上記抽出された建物リストを、データベース・サーバ401より受け取り、上記建物リストの各建物について、メンテナンスを促すアラームを画面に表示し、ユーザからの指示が有ればプリンタ405に印刷出力する(ステップS950)。
【0053】(処理4)図10のフロー・チャートは、クライアント・マシン404(またはクライアント・マシン406)から、問題が生じた部材名を入力して対処計画を取得する処理形態を示す。
【0054】クライアント・マシン404に、問題発生部材が入力されると(ステップS1010)、クライアント・マシン404から問い合わせを受けたデータベース・サーバ401は、邸別情報DB402、部材別情報DB403にアクセスする(ステップS1020)。
【0055】続いてデータベース・サーバ401は、問い合わせの部材を使用している建物リストを抽出する(ステップS1030)。
【0056】次にクライアント・マシン404は、上記抽出された建物リストを、データベース・サーバ401より受け取り、上記建物リストの各建物について、対処計画(不図示)を画面に表示し、ユーザの指示が有ればプリンタ405に印刷出力する(ステップS1040)。
【0057】上述の実施形態の他に次の形態を実施できる。
1)上述の実施形態では、クライアント・マシン404または406が、データベース・サーバ401より受け取ったデータをもとに、上記クライアント・マシン上のアプリケーション・ソフトウェアで上記データを加工し邸別メンテナンス・プログラム表示、各建物に関わる年内メンテナンス・プログラムの表示、メンテナンスを促すアラーム表示および各建物の問題発生部材に関わる対処計画の表示等を行っている。しかし、住宅サプライヤにWWW(World Wide Web)・サーバを設けて、住宅サプライヤ側で邸別メンテナンス・プログラムその他の上記表示イメージを作成したHTML(Hypertext Markup Language)ファイルをクライアント・マシン404または406が受信し、クライアント・マシン側ではWWWブラウザで上記HTMLファイルを表示するのみ、としてもよい。
【0058】2)上述の実施形態では、クライアント・マシン404または406からの入力年月日においてメンテナンスを要する建物についてアラームを出すようにしているが、住宅サプライヤのデータベース・サーバ401側で1週間に1回等定期的にDBをチェックし、メンテナンスを要する建物が抽出された場合に、メンテナンスを要する建物に対するアラームをデータベース・サーバ401側からクライアント・マシン404または406へ自動配信するようにしてもよい。
【0059】3)上述の実施形態では、60年耐用住宅を例としたため、各部材の耐用年数も15年、30年、60年という形態になっている。しかし、建物本体の耐用年数は60年に限ったものではないため、本発明の建物および建物維持管理システムが対象とする各部材の耐用年数は、15年、30年、60年という形態には限らない。
【0060】4)上述の実施形態では、図7に示す邸別メンテナンス・プログラムの表示または印刷結果を得るようにしているが、図11に示すような建物維持管理シートを印刷し、ユーザが邸別情報記入欄に情報を記入して使用するようにしてもよい。
【0061】図11の建物維持管理シートは、建物の想定耐用年数をカバーする目盛りが付されており、該目盛りと直行する方向にメンテナンス対象部位である外装部材および埋設設備部材に含まれる部材名称が印刷され、前記目盛り方向に沿って、前記外装部材および前記埋設設備部材に含まれる各部材のメンテナンス時期を示す図形が印刷され、メンテナンス対象の建物に関する情報を記入するための邸別情報記入欄を設けたフォーマットとなっている。
【0062】邸別情報記入欄は、例として、邸別コスト(概算)、邸別メンテナンス時期、御主人年齢、御長男年齢等の記入欄が、上記目盛りに対応して設けられており、これによりユーザは、いつ、何を、いくら位のコストでメンテナンスすべきかが一覧できる。また、表示中では等円形、矢印、文字等を活用し、部材毎の耐用年数のばらつきがわかりやすく表現されている。
【0063】邸別情報記入欄は、空白のままで印刷してもよいし、必要事項をキー・ボードからシステムに入力した後、プリンタにより印刷してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、建物本体の性能を維持するために定期的にメンテナンスが必要な部材として、基本躯体、外装部材、埋設設備部材に分類、限定し、住まい方やニーズの変化に合わせて任意に更新すればよい部材との仕分けを明確にした構造の建物とした。
【0065】このため、メンテナンスが容易であるだけでなく、建物の部材の選択肢が広く、コストも低減でき、上記構造を戸建て住宅でも導入が容易にできる。さらに上記構造の建物は、多くの部材を、ある一定間隔でまとめてメンテナンスすることができるため、仮設費用等の固定費部分の削減にも貢献することができる。また、本発明によれば、建物維持管理システムの出力は、建物の想定耐用年数全体にわたる目盛りを設け、目盛り上に基本躯体、外装部材、埋設設備部材のメンテナンス時期を明記することにより、いつ、何をメンテナンスすべきかが一覧できる様に表現し、かつ、部材毎の耐用年数のばらつきを分かりやすく表現した。
【0066】このため、建物の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画を一般の消費者でも容易に理解できるため、問題が生じてからではなく予防的に建物を保全することができるため、建物品質の継続的な維持が容易である。さらに、基本躯体の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画が明確なため、将来必要となるメンテナンス費用とメンテナンス時期を建物の使用期間全体に渡り予め知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の建物の主要構成図である。
【図2】本実施形態の部材毎の耐用年数の例を示した図である。
【図3】本実施形態のサヤ管方式の説明図である。
【図4】本実施形態の建物維持管理システムのシステム構成図である。
【図5】本実施形態の邸別情報DB、部材別情報DBの蓄積情報の説明図である。
【図6】本実施形態の、建物別の問い合わせが発生した場合の、メンテナンス・プログラムを取得する処理概要を説明するフロー・チャートである。
【図7】本実施形態の邸別メンテナンス・プログラムの出力例を示す図である。
【図8】本実施形態の、年月を入力した場合の、年内のメンテナンス・プログラムを取得する処理概要を説明するフロー・チャートである。
【図9】本実施形態の、年月日を入力した場合の、メンテナンス・アラームを出す処理概要を説明するフロー・チャートである。
【図10】本実施形態の、問題が生じた部材を入力した場合の、対処計画を取得する処理概要を説明するフロー・チャートである。
【図11】本実施形態の建物維持管理シートの出力例を示す図である。
【符号の説明】
101 基本躯体
102 外装部材
103 埋設設備部材
104 内装部材・露出設備機器
301 サヤ管
302 樹脂配管(給水給湯用)
401 データベース・サーバ
402 邸別情報DB
403 部材別情報DB
404 クライアント・マシン(デスクトップ)
405 プリンタ
406 クライアント・マシン(モバイル)
407 通信ネットワーク
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材毎の耐用年数を設定し維持・管理を行う、建物およびその維持管理を支援するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建物の維持管理の方法として、部材毎の耐用年数を設定し、維持・管理の計画(プログラム)を提示するシステムとして、例えば下記のC.H.S(センチュリー・ハウジング・システム)がある。
(1)建設省住宅局生産課監修:“センチュリー・ハウジング・システム設計マニュアル”、財団法人 住宅部品開発センター、昭和60年(2)“センチュリー・ハウジング認定申請説明書”、財団法人 ベターリビング、平成3年10月
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記C.H.Sでは、内装や露出設備まで含め建物の構成部材全てを対象としている。ここで、特に内装部材や露出設備機器は、・耐用年数が住み手の使い方や感覚に左右される面が大きいため、維持管理をプログラム化する意味が無い。
・補修・交換等は発生の都度で対応しても建物全体の耐久性に悪影響を与えない。
・独自のモジュラー・コーディネーションの下では、独自仕様の長期供給態勢に大きなコストがかかる。
等の問題を抱えている。
【0004】このような状況下で、従来の建物の維持・管理においては、個々の部材の耐用年数の目安はあるものの、問題が生じてから修理を行うという後追いの対策のため、予防的メンテナンスに比べて無駄な費用が発生しがちである。具体的には、建物各部のメンテナンスが時期的にばらばらに行われるため、その都度仮設費用等(プレハブ、足場の費用等)が発生し、無駄が多い。
【0005】また、多くの場合は建物のメンテナンス計画は新築当初の20年程度であり、建物本体の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画が無く、さらには建物所有者や管理者にとってメンテナンス計画を立てにくいのに加えて、建物本体の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画の全体像が一般の人には分かりにくい、という解決すべき課題が従来技術にはあった。
【0006】そこで本発明の目的は、メンテナンスの容易な建物およびその維持管理システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成するために、本発明の建物は、基本躯体、外装部材および埋設設備部材を使用する建物であって、前記基本躯体を最長耐用年数とし、前記外装部材の耐用年数と前記埋設設備部材の耐用年数とは、いずれも前記基本躯体の耐用年数の整数分の1であり、前記基本躯体の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1とされ、最長耐用年数の整数分の1の間隔で定期的にメンテナンスを行うように設計されたことを特徴とする。
【0008】ここで、前記外装部材あるいは前記埋設設備部材については、部品交換あるいは補修が健全な部分の破壊を伴わずに行えることが担保されている構造であることを特徴とすることができる。
【0009】また、建物の構成部材分野は、定期的にメンテナンスが必要な部材と、任意に更新すればよい部材とに仕分けられており、前記定期的にメンテナンスが必要な部材は、前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材であり、前記任意に更新すればよい部材は、内装部材、露出設備機器であることを特徴とすることができる。
【0010】また、上記目的を達成するために、本発明の建物維持管理システムは、基本躯体、外装部材および埋設設備部材を使用し、前記基本躯体を最長耐用年数とし、前記外装部材の耐用年数と前記埋設設備部材の耐用年数とは、いずれも前記基本躯体の耐用年数の整数分の1であり、前記基本躯体の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1とされ、最長耐用年数の整数分の1の間隔で定期的にメンテナンスを行うように設計された建物を、該建物の耐用年数全体に渡って維持管理を行うための、サーバマシンと該サーバマシンに接続可能なクライアントマシンとを有する建物維持管理システムであって、前記サーバマシンは、前記建物の情報を建物別に記憶する第1のデータベースと、メンテナンス対象の部材である前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材の耐用年数を含む部材情報を部材別に記憶する第2のデータベースとを備え、前記建物に関する検索条件に基づいて、前記第1のデータベース、前記第2のデータベースにアクセスし、前記検索条件に合致する建物別情報と部材別情報とを抽出可能であり、前記クライアントマシンは、前記検索条件を入力し、前記サーバマシンによって抽出された建物別情報と部材別情報とに応じて、建物の想定耐用年数全体にわたり、メンテナンス対象の部材である前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材と、前記耐用年数に基づく各部材のメンテナンス時期とを明記した建物維持管理計画を作成し,当該作成された建物維持管理計画を表示出力または印刷出力することを特徴とする。
【0011】ここで、前記サーバマシンは、抽出された情報に基づいて、メンテナンス対象の建物名のリストを抽出することを特徴とすることができる。
【0012】また、前記クライアントマシンは、特定の日時に基づいて、前記メンテナンス対象の建物の施工計画を出力することを特徴とすることができる。
【0013】また、前記サーバマシンは、特定の日時がメンテナンス時期に差しかかっている前記メンテナンス対象の建物について前記リストを抽出し、当該出力されたリストの各建物に対して、前記クライアントマシンは、メンテナンスを促すアラームを出力することを特徴とすることができる。
【0014】また、前記サーバマシンは、特定の部材を使用している前記メンテナンス対象の建物を特定することを特徴とすることができる。
【0015】また、上記目的を達成するために、本発明の建物維持管理システムのサーバマシンは、上述のいずれかに記載のサーバマシンの機能を有することを特徴とすることができる。
【0016】また、上記目的を達成するために、本発明の建物維持管理システムのクライアントマシンは、上述のいずれかに記載のクライアントマシンの機能を有することを特徴とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】本実施形態の建物の主要構成を図1に示す。ここで、以下、本実施形態で述べられる建物は、ある住宅建築会社(以下、住宅サプライヤと呼ぶ)の60年耐用住宅を例としている。
【0019】図1、図2において本実施形態に係わる建物は、基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103、内装部材・露出設備機器104およびその他から構成される。
【0020】図2は、基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103、内装部材・露出設備機器104を、各々部材細目に分け、各部材細目の部材毎の耐用年数を示した例である。なお、図1と同様の部材分野の欄には図1と同様の符号を付す。
【0021】図1、図2において、基本躯体101の部材として、基礎、鉄骨、ALC等があり、全て耐用年数60年の部材である。外装部材102の部材としては、屋根葺材、屋根防水層、外壁(防水塗装)、開口部等があり、さらに、埋設設備部材103の部材としては、給水給湯配管、排水配管、電気配線、ガス配管、暖冷房の埋設配管、情報関連配管、ユニットバス等がある。上記外装部材102、埋設設備部材103は、耐用年数15年、30年、60年の部材で構成されている。
【0022】一方、図1、図2において、内装部材・露出設備機器104の部材としては、間仕切り壁下地、天井下地、壁仕上げ、天井仕上げ、床仕上げ、内部建具、家具、造作等があり、部材に耐用年数は設けられていない。
【0023】次に、基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103、内装部材・露出設備機器104の各々が包含する部材に対する、定期的なメンテナンスの計画(以下、メンテナンス・プログラムと呼ぶ)の実施形態を以下に述べる。
(1)メンテナンス・プログラム対象部材図2に示すように、下記の2条件を満たしている「基本躯体、外装、埋設設備」の3つの分野の部材を対象とする。
(2)メンテナンス・プログラム非対象部材「内装・露出設備」は、上記メンテナンス・プログラム対象部材の条件を満たさないことに加え、下記の3点の特徴により、原則として世間並みの耐用年数とメンテナンス・システムによる対応で十分と考え、図2に示すようにメンテナンス・プログラム非対象とする。
【0024】さらに本実施形態では、上述のように、図1R>1、図2においてメンテナンス・プログラムの対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に属する各部材には、15年、30年、60年というように順に整数倍となるように耐用年数を持たせている。以下に、メンテナンス・プログラム対象部材の耐用年数の持たせ方に係わる基本的な計画を述べる。
【0025】本実施形態においては、基本躯体101の部材を全て同一最長耐用年数とし、基本躯体101の部材の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1になるようにしている。例として、本実施形態においては、基本躯体101の部材を全て耐用年数60年とし、基本躯体101の部材の耐用年数60年を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1になるようにしている。
【0026】具体的には、下位の耐用年数15年は、15年より上位の耐用年数30年および60年の整数分の1であり、下位の耐用年数30年は、30年より上位の耐用年数60年の整数分の1である。逆に耐用年数が、20年、30年、60年という組み合わせは、下位の20年が上位の30年の整数分の1になっていないため、本発明の耐用年数の持たせ方には不適となる。
【0027】最長である基本躯体101の部材の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1になるように部材の耐用年数を持たせる理由は、多くのメンテナンス項目を一度に施工して、仮設費用等(プレハブ、足場の費用等)を節約するためである。すなわち、耐用年数が、前述のような20年、30年、60年という組み合わせは、下位の20年が上位の30年の整数分の1になっていないため、同時期にまとめてメンテナンスの合理化ができず、不適となる。
【0028】メンテナンス・プログラム対象部材の構造について説明する。本実施形態では、メンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に属する部材の内、基本躯体101の部材の耐用年数より短い耐用年数の部材については、部品交換あるいは補修が健全な部分の取り壊しを伴わずに行える構造にしている。
【0029】すなわち、メンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に属する部材の内、耐用年数が基本躯体101の部材の耐用年数60年より短い部材で、手前の健全な部材(例えば壁や床)を取り壊さないとメンテナンスができないような部材の例としては、壁体内に埋め込まれた給水給湯配管がある。
【0030】上記給水給湯配管以外のメンテナンス・プログラム対象部材は、全て、より寿命の長い部材(例えば壁や床)の背後には無い構造のため、本実施形態では、上記給水給湯配管以外は健全な部材を破壊しないでメンテナンスが可能である。
【0031】このため、本実施形態では、上記給水給湯配管に関し、図3に示す「サヤ管方式」と呼ばれる方式を導入している。「サヤ管方式」は配管が2重になっており、耐用年数が来たら、他の部材に全く影響無く給水給湯用の樹脂配管を引き抜き、配管の交換ができる。以上説明したように、本実施形態の住宅では、メンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に属する部材の内、耐用年数が基本躯体101の部材の耐用年数60年より短い部材全てにおいて、健全な部材を取り壊さないでメンテナンスが可能となる。
【0032】次に、図1、図2から考えられる建物のメンテナンス・プログラムを、一般顧客に情報提供するための建物維持管理システムについて説明する。
【0033】図4は、本実施形態の建物維持管理システムのシステム構成を示す。図4において、建物維持管理システムは、住宅サプライヤのデータベース・サーバ401と邸別情報データベース(以下、DBと略す)402、部材別情報DB403、および上記住宅サプライヤの各店舗のクライアント・マシン404、プリンタ405、および客先へ持ち運ぶノート・パソコンのようなクライアント・マシン406、通信ネットワーク407を有する。
【0034】データベース・サーバ401は、クライアント・マシン404、クライアント・マシン406からの問い合わせに応じて、邸別情報DB402、部材別情報DB403へのアクセスとデータの処理、各クライアント・マシンへのサービスを行う。
【0035】クライアント・マシン404、プリンタ405は、住宅サプライヤの店舗において、顧客の建物のメンテナンス・プログラムをモニタ表示、または紙に出力して、顧客へ提供する。この場合の通信ネットワーク407としては、社内LANやイントラネット、インターネット等がある。
【0036】クライアント・マシン406は、顧客の客先その他社外でモバイル通信により、顧客の建物のメンテナンス・プログラムをディスプレイ表示して、顧客へ提供する。この場合の通信ネットワーク407としては、一般電話回線によるリモート・アクセス、インターネット等を使用できる。
【0037】図5に邸別情報DB402、部材別情報DB403の蓄積情報を示す。なお、図4と同様なDBの欄には図4と同一の符号を付す。ここで部材別情報DB403の蓄積情報は、図2におけるメンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103の部材情報である。以下、フロー・チャートを用いて、建物維持管理システムの処理内容を説明する。
【0038】(処理1)図6のフロー・チャートは、クライアント・マシン404またはクライアント・マシン406から、建物別の問い合わせを行う場合の処理内容を示す。本実施形態では、クライアント・マシン404を例に取る。
【0039】クライアント・マシン404に対して、ユーザから邸名または契約NO.が入力されると(ステップS610)、クライアント・マシン404から問い合わせを受けたデータベース・サーバ401は、邸別情報DB402、部材別情報DB403にアクセスする(ステップS620)。
【0040】続いてデータベース・サーバ401は、問い合わせの邸名または問い合わせの契約NO.にリンクした邸名で、該当邸名に関わる邸別情報と部材別情報を抽出する(ステップS630)。
【0041】最後に、クライアント・マシン404は、上記抽出された邸名に関わる邸別情報と部材別情報を、データベース・サーバ401より受け取り、上記邸名の邸別メンテナンス・プログラムを画面に表示し、ユーザからの指示が有ればプリンタ405に印刷出力する(ステップS640)。
【0042】上記ステップS640での邸別メンテナンス・プログラムの出力内容、例えば表示画面を図7に示す。
【0043】図7に示すように、邸別メンテナンス・プログラムの表示(または印刷結果)には、建物の想定耐用年数全体をカバーする目盛りを設けてあり、目盛り上にメンテナンス・プログラム対象部材である基本躯体101、外装部材102、埋設設備部材103に含まれる各部材のメンテナンス時期を明記する。これによりユーザは、いつ、何をメンテナンスすべきかが一覧できる。また、表示中では等円形、矢印、文字等を活用し、部材毎の耐用年数のばらつきがわかりやすく表現されている。
【0044】(処理2)図8のフロー・チャートは、クライアント・マシン404(またはクライアント・マシン406)から、年月を入力して年内のメンテナンス・プログラムを取得する処理形態を示す。
【0045】クライアント・マシン404に、特定の年月が入力されると(ステップS810)、クライアント・マシン404から問い合わせを受けたデータベース・サーバ401は、邸別情報DB402、部材別情報DB403にアクセスする(ステップS820)。
【0046】データベース・サーバ401は、問い合わせの年月以降で、年内のメンテナンスを要する部材を持った建物リストを抽出する(ステップS830)。
【0047】クライアント・マシン404または406は、上記抽出された建物リストを、データベース・サーバ401より受け取り、上記建物リストの各建物について、前述の図6の処理を行い(ステップS840)、上記建物リストの各建物に関わる年内メンテナンス・プログラム(不図示)を画面に表示し、ユーザからの指示が有ればプリンタ405に印刷出力する(ステップS850)。
【0048】なお、上記年内メンテナンス・プログラムは図7の表現方法に則り、図7より横のスパンを年内分向けに縮小した、より詳細な施工計画を図示したものが考えられる。
【0049】(処理3)図9のフロー・チャートは、クライアント・マシン404(またはクライアント・マシン406)から、年月日を入力した場合のメンテナンス・アラームを出す処理形態を示す。
【0050】クライアント・マシン404に、特定の年月日が入力されると(ステップS910)、クライアント・マシン404から問い合わせを受けたデータベース・サーバ401は、邸別情報DB402、部材別情報DB403にアクセスする(ステップS920)。
【0051】データベース・サーバ401は、問い合わせの年月日がメンテナンス時期に差しかかっている部材リストを抽出し(ステップS930)、抽出された部材リストの各部材について、メンテナンス未着手の建物リストを抽出する(ステップS940)。
【0052】クライアント・マシン404または406は、上記抽出された建物リストを、データベース・サーバ401より受け取り、上記建物リストの各建物について、メンテナンスを促すアラームを画面に表示し、ユーザからの指示が有ればプリンタ405に印刷出力する(ステップS950)。
【0053】(処理4)図10のフロー・チャートは、クライアント・マシン404(またはクライアント・マシン406)から、問題が生じた部材名を入力して対処計画を取得する処理形態を示す。
【0054】クライアント・マシン404に、問題発生部材が入力されると(ステップS1010)、クライアント・マシン404から問い合わせを受けたデータベース・サーバ401は、邸別情報DB402、部材別情報DB403にアクセスする(ステップS1020)。
【0055】続いてデータベース・サーバ401は、問い合わせの部材を使用している建物リストを抽出する(ステップS1030)。
【0056】次にクライアント・マシン404は、上記抽出された建物リストを、データベース・サーバ401より受け取り、上記建物リストの各建物について、対処計画(不図示)を画面に表示し、ユーザの指示が有ればプリンタ405に印刷出力する(ステップS1040)。
【0057】上述の実施形態の他に次の形態を実施できる。
1)上述の実施形態では、クライアント・マシン404または406が、データベース・サーバ401より受け取ったデータをもとに、上記クライアント・マシン上のアプリケーション・ソフトウェアで上記データを加工し邸別メンテナンス・プログラム表示、各建物に関わる年内メンテナンス・プログラムの表示、メンテナンスを促すアラーム表示および各建物の問題発生部材に関わる対処計画の表示等を行っている。しかし、住宅サプライヤにWWW(World Wide Web)・サーバを設けて、住宅サプライヤ側で邸別メンテナンス・プログラムその他の上記表示イメージを作成したHTML(Hypertext Markup Language)ファイルをクライアント・マシン404または406が受信し、クライアント・マシン側ではWWWブラウザで上記HTMLファイルを表示するのみ、としてもよい。
【0058】2)上述の実施形態では、クライアント・マシン404または406からの入力年月日においてメンテナンスを要する建物についてアラームを出すようにしているが、住宅サプライヤのデータベース・サーバ401側で1週間に1回等定期的にDBをチェックし、メンテナンスを要する建物が抽出された場合に、メンテナンスを要する建物に対するアラームをデータベース・サーバ401側からクライアント・マシン404または406へ自動配信するようにしてもよい。
【0059】3)上述の実施形態では、60年耐用住宅を例としたため、各部材の耐用年数も15年、30年、60年という形態になっている。しかし、建物本体の耐用年数は60年に限ったものではないため、本発明の建物および建物維持管理システムが対象とする各部材の耐用年数は、15年、30年、60年という形態には限らない。
【0060】4)上述の実施形態では、図7に示す邸別メンテナンス・プログラムの表示または印刷結果を得るようにしているが、図11に示すような建物維持管理シートを印刷し、ユーザが邸別情報記入欄に情報を記入して使用するようにしてもよい。
【0061】図11の建物維持管理シートは、建物の想定耐用年数をカバーする目盛りが付されており、該目盛りと直行する方向にメンテナンス対象部位である外装部材および埋設設備部材に含まれる部材名称が印刷され、前記目盛り方向に沿って、前記外装部材および前記埋設設備部材に含まれる各部材のメンテナンス時期を示す図形が印刷され、メンテナンス対象の建物に関する情報を記入するための邸別情報記入欄を設けたフォーマットとなっている。
【0062】邸別情報記入欄は、例として、邸別コスト(概算)、邸別メンテナンス時期、御主人年齢、御長男年齢等の記入欄が、上記目盛りに対応して設けられており、これによりユーザは、いつ、何を、いくら位のコストでメンテナンスすべきかが一覧できる。また、表示中では等円形、矢印、文字等を活用し、部材毎の耐用年数のばらつきがわかりやすく表現されている。
【0063】邸別情報記入欄は、空白のままで印刷してもよいし、必要事項をキー・ボードからシステムに入力した後、プリンタにより印刷してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれば、建物本体の性能を維持するために定期的にメンテナンスが必要な部材として、基本躯体、外装部材、埋設設備部材に分類、限定し、住まい方やニーズの変化に合わせて任意に更新すればよい部材との仕分けを明確にした構造の建物とした。
【0065】このため、メンテナンスが容易であるだけでなく、建物の部材の選択肢が広く、コストも低減でき、上記構造を戸建て住宅でも導入が容易にできる。さらに上記構造の建物は、多くの部材を、ある一定間隔でまとめてメンテナンスすることができるため、仮設費用等の固定費部分の削減にも貢献することができる。また、本発明によれば、建物維持管理システムの出力は、建物の想定耐用年数全体にわたる目盛りを設け、目盛り上に基本躯体、外装部材、埋設設備部材のメンテナンス時期を明記することにより、いつ、何をメンテナンスすべきかが一覧できる様に表現し、かつ、部材毎の耐用年数のばらつきを分かりやすく表現した。
【0066】このため、建物の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画を一般の消費者でも容易に理解できるため、問題が生じてからではなく予防的に建物を保全することができるため、建物品質の継続的な維持が容易である。さらに、基本躯体の耐用年数全体を通じてのメンテナンス計画が明確なため、将来必要となるメンテナンス費用とメンテナンス時期を建物の使用期間全体に渡り予め知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の建物の主要構成図である。
【図2】本実施形態の部材毎の耐用年数の例を示した図である。
【図3】本実施形態のサヤ管方式の説明図である。
【図4】本実施形態の建物維持管理システムのシステム構成図である。
【図5】本実施形態の邸別情報DB、部材別情報DBの蓄積情報の説明図である。
【図6】本実施形態の、建物別の問い合わせが発生した場合の、メンテナンス・プログラムを取得する処理概要を説明するフロー・チャートである。
【図7】本実施形態の邸別メンテナンス・プログラムの出力例を示す図である。
【図8】本実施形態の、年月を入力した場合の、年内のメンテナンス・プログラムを取得する処理概要を説明するフロー・チャートである。
【図9】本実施形態の、年月日を入力した場合の、メンテナンス・アラームを出す処理概要を説明するフロー・チャートである。
【図10】本実施形態の、問題が生じた部材を入力した場合の、対処計画を取得する処理概要を説明するフロー・チャートである。
【図11】本実施形態の建物維持管理シートの出力例を示す図である。
【符号の説明】
101 基本躯体
102 外装部材
103 埋設設備部材
104 内装部材・露出設備機器
301 サヤ管
302 樹脂配管(給水給湯用)
401 データベース・サーバ
402 邸別情報DB
403 部材別情報DB
404 クライアント・マシン(デスクトップ)
405 プリンタ
406 クライアント・マシン(モバイル)
407 通信ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基本躯体、外装部材および埋設設備部材を使用する建物であって、前記基本躯体を最長耐用年数とし、前記外装部材の耐用年数と前記埋設設備部材の耐用年数とは、いずれも前記基本躯体の耐用年数の整数分の1であり、前記基本躯体の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1とされ、最長耐用年数の整数分の1の間隔で定期的にメンテナンスを行うように設計されたことを特徴とする建物。
【請求項2】 請求項1に記載の建物において、前記外装部材あるいは前記埋設設備部材については、部品交換あるいは補修が健全な部分の破壊を伴わずに行えることが担保されている構造であることを特徴とする建物。
【請求項3】 請求項1に記載の建物において、該建物の構成部材分野は、定期的にメンテナンスが必要な部材と、任意に更新すればよい部材とに仕分けられており、前記定期的にメンテナンスが必要な部材は、前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材であり、前記任意に更新すればよい部材は、内装部材、露出設備機器であることを特徴とする建物。
【請求項4】 基本躯体、外装部材および埋設設備部材を使用し、前記基本躯体を最長耐用年数とし、前記外装部材の耐用年数と前記埋設設備部材の耐用年数とは、いずれも前記基本躯体の耐用年数の整数分の1であり、前記基本躯体の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1とされ、最長耐用年数の整数分の1の間隔で定期的にメンテナンスを行うように設計された建物を、該建物の耐用年数全体に渡って維持管理を行うための、サーバマシンと該サーバマシンに接続可能なクライアントマシンとを有する建物維持管理システムであって、前記サーバマシンは、前記建物の情報を建物別に記憶する第1のデータベースと、メンテナンス対象の部材である前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材の耐用年数を含む部材情報を部材別に記憶する第2のデータベースとを備え、前記建物に関する検索条件に基づいて、前記第1のデータベース、前記第2のデータベースにアクセスし、前記検索条件に合致する建物別情報と部材別情報とを抽出可能であり、前記クライアントマシンは、前記検索条件を入力し、前記サーバマシンによって抽出された建物別情報と部材別情報とに応じて、建物の想定耐用年数全体にわたり、メンテナンス対象の部材である前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材と、前記耐用年数に基づく各部材のメンテナンス時期とを明記した建物維持管理計画を作成し、当該作成された建物維持管理計画を表示出力または印刷出力することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項5】 請求項4に記載の建物維持管理システムにおいて、前記サーバマシンは、抽出された情報に基づいて、メンテナンス対象の建物名のリストを抽出することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項6】 請求項5に記載の建物維持管理システムにおいて、前記クライアントマシンは、特定の日時に基づいて、前記メンテナンス対象の建物の施工計画を出力することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項7】 請求項5に記載の建物維持管理システムにおいて、前記サーバマシンは、特定の日時がメンテナンス時期に差しかかっている前記メンテナンス対象の建物について前記リストを抽出し、当該出力されたリストの各建物に対して、前記クライアントマシンは、メンテナンスを促すアラームを出力することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項8】 請求項5に記載の建物維持管理システムにおいて、前記サーバマシンは、特定の部材を使用している前記メンテナンス対象の建物を特定することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項9】 請求項4〜請求項8のいずれかに記載のサーバマシンの機能を有することを特徴とする建物維持管理システムのサーバマシン。
【請求項10】 請求項4〜請求項8のいずれかに記載のクライアントマシンの機能を有することを特徴とする建物維持管理システムのクライアントマシン。
【請求項1】 基本躯体、外装部材および埋設設備部材を使用する建物であって、前記基本躯体を最長耐用年数とし、前記外装部材の耐用年数と前記埋設設備部材の耐用年数とは、いずれも前記基本躯体の耐用年数の整数分の1であり、前記基本躯体の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1とされ、最長耐用年数の整数分の1の間隔で定期的にメンテナンスを行うように設計されたことを特徴とする建物。
【請求項2】 請求項1に記載の建物において、前記外装部材あるいは前記埋設設備部材については、部品交換あるいは補修が健全な部分の破壊を伴わずに行えることが担保されている構造であることを特徴とする建物。
【請求項3】 請求項1に記載の建物において、該建物の構成部材分野は、定期的にメンテナンスが必要な部材と、任意に更新すればよい部材とに仕分けられており、前記定期的にメンテナンスが必要な部材は、前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材であり、前記任意に更新すればよい部材は、内装部材、露出設備機器であることを特徴とする建物。
【請求項4】 基本躯体、外装部材および埋設設備部材を使用し、前記基本躯体を最長耐用年数とし、前記外装部材の耐用年数と前記埋設設備部材の耐用年数とは、いずれも前記基本躯体の耐用年数の整数分の1であり、前記基本躯体の耐用年数を基準に、下位の耐用年数が上位の耐用年数全てに対して整数分の1とされ、最長耐用年数の整数分の1の間隔で定期的にメンテナンスを行うように設計された建物を、該建物の耐用年数全体に渡って維持管理を行うための、サーバマシンと該サーバマシンに接続可能なクライアントマシンとを有する建物維持管理システムであって、前記サーバマシンは、前記建物の情報を建物別に記憶する第1のデータベースと、メンテナンス対象の部材である前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材の耐用年数を含む部材情報を部材別に記憶する第2のデータベースとを備え、前記建物に関する検索条件に基づいて、前記第1のデータベース、前記第2のデータベースにアクセスし、前記検索条件に合致する建物別情報と部材別情報とを抽出可能であり、前記クライアントマシンは、前記検索条件を入力し、前記サーバマシンによって抽出された建物別情報と部材別情報とに応じて、建物の想定耐用年数全体にわたり、メンテナンス対象の部材である前記基本躯体、前記外装部材および前記埋設設備部材と、前記耐用年数に基づく各部材のメンテナンス時期とを明記した建物維持管理計画を作成し、当該作成された建物維持管理計画を表示出力または印刷出力することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項5】 請求項4に記載の建物維持管理システムにおいて、前記サーバマシンは、抽出された情報に基づいて、メンテナンス対象の建物名のリストを抽出することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項6】 請求項5に記載の建物維持管理システムにおいて、前記クライアントマシンは、特定の日時に基づいて、前記メンテナンス対象の建物の施工計画を出力することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項7】 請求項5に記載の建物維持管理システムにおいて、前記サーバマシンは、特定の日時がメンテナンス時期に差しかかっている前記メンテナンス対象の建物について前記リストを抽出し、当該出力されたリストの各建物に対して、前記クライアントマシンは、メンテナンスを促すアラームを出力することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項8】 請求項5に記載の建物維持管理システムにおいて、前記サーバマシンは、特定の部材を使用している前記メンテナンス対象の建物を特定することを特徴とする建物維持管理システム。
【請求項9】 請求項4〜請求項8のいずれかに記載のサーバマシンの機能を有することを特徴とする建物維持管理システムのサーバマシン。
【請求項10】 請求項4〜請求項8のいずれかに記載のクライアントマシンの機能を有することを特徴とする建物維持管理システムのクライアントマシン。
【図1】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図7】
【図11】
【図3】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図7】
【図11】
【公開番号】特開2003−321938(P2003−321938A)
【公開日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−67259(P2003−67259)
【分割の表示】特願平11−345095の分割
【出願日】平成11年12月3日(1999.12.3)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際特許分類】
【分割の表示】特願平11−345095の分割
【出願日】平成11年12月3日(1999.12.3)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】
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