説明

建物の生物生育システム

【課題】建物において設備面での過剰負担を招くことなく、生物の生育環境を好適に整える。
【解決手段】建物10には複数の建物内空間が設けられている。建物内空間には屋内温度センサ54など設けられており、屋内温度センサ54などにより検出された温度、湿度、照度といった建物内空間の実環境の情報はコントローラ51に対して出力され、記憶部52に記憶される。コントローラ51は、鉢センサ34から観賞植物31の植物周囲情報を取得するとともに、操作装置61や通信装置63から観賞植物31の生育に適した生育環境を示す生育用情報を取得する。コントローラ51は、植物周囲情報及び生育用情報に基づいて観賞植物の設置場所の適否を判定するとともに、適していない場合には複数の建物内空間のうち生育に適した建物内空間を観賞植物31の設置場所の移動先に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の生物生育システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物において植物やペットなどの生物を好適に生育させるための技術が提案されている。例えば特許文献1には、建物内に植物の栽培室が設けられ、その栽培室と居室との間で換気が行われる構成が記載されている。この構成によれば、栽培室と居室との間で換気が行われることにより、栽培室において温度や二酸化炭素濃度といった環境が整えられ、植物が好適に生育できるようにすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−247274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された構成では、生物の生育環境を整えるために植物栽培室と換気設備とが設けられているが、一般の住宅などの建物ではこれらの設備を新たに設ける必要があり、植物栽培室や換気設備を設置する上で設置スペースを確保しなくてはならないといった問題が生じる。
【0005】
本発明は、建物において設備面での過剰負担を招くことなく、生物の生育環境を好適に整えることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、第1の発明の建物の生物生育システムは、環境の異なる複数の空間部を有する建物に適用され、植物又はペットを生育対象の生物とし該生物を前記複数の空間部のいずれかで生育させる建物の生物生育システムであって、前記複数の空間部について各々の環境の情報を基準情報として記憶している記憶手段と、前記生物の生育場所とされている前記空間部の実環境の情報を取得する第1取得手段と、前記生物の生育に適した生育環境の情報を取得する第2取得手段と、前記第1取得手段及び前記第2取得手段により取得された各情報に基づいて、前記生物にとっての現在の前記生育場所の適否を判定する適否判定手段と、前記適否判定手段により前記生育場所が不適であると判定された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記基準情報に基づいて前記生育場所の変更先を判定する変更先判定手段と、前記変更先判定手段の判定結果を通知する通知手段とを備えていることを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、複数の空間部が植物やペットといった生物の生育場所とされる建物において、現在の生育場所が生物の生育に適していない場合、生物の生育場所の変更先が通知される。このため、現在の生育場所となっている空間部が人の都合に合わせた環境とされている場合に、人は生物を他の空間部に移動させることが可能となる。この場合、生育場所となっていた空間部の環境を人にとって快適な環境に保ちつつ、変更先の空間において生物を生育に適した環境に存在させることができる。したがって、例えば生物を生育させるための専用設備が建物内に設けられている構成とは異なり、建物において設備面での過剰負担を招くことなく、生物の生育環境を好適に整えることができる。
【0008】
第2の発明では、前記複数の空間部のそれぞれに設けられ、各空間部における実環境に関する情報を個別に取得する手段と、前記各空間部における実環境に関する情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記空間部ごとの前記基準情報をそれぞれ更新する手段とを備えている。
【0009】
第2の発明によれば、複数の空間部にて実環境に関する情報が取得されるとともに、その情報に基づいて空間部ごとの基準情報が更新されるため、各空間部の現在の環境状態を基準情報に含ませることが可能となる。したがって、生育場所の変更先を判定する場合に、複数の空間部のうち現在の環境状態が生物の生育に適した空間部を変更先とすることができる。
【0010】
第3の発明では、前記複数の空間部のそれぞれについて今後の環境変化を推定する推定手段を備え、前記変更先判定手段は、前記基準情報に加えて前記推定手段の推定結果に基づいて前記生育場所の変更先を判定する。
【0011】
第3の発明によれば、複数の空間部における今後の環境変化が推定され、基準情報に加えてその推定結果に基づいて生育場所の変更先が判定される。この場合、複数の空間部のうち今後の環境変化が生物の生育に適した空間部を変更先とすることができる。例えば、一時的な環境変化が発生したとしてもその変化発生ごとに生育場所を変更させるということを回避できる。つまり、同一の空間部を比較的長い期間にわたって生育場所とすることができる。
【0012】
第4の発明では、前記記憶手段には、前記基準情報として、1日の環境変化が時系列データにて記憶されており、前記推定手段は、前記時系列データに基づいて前記今後の環境変化を推定する。
【0013】
第4の発明によれば、1日の環境変化を示す時系列データに基づいて空間部の今後の環境変化が推定されるため、空間部における1日のうちの今後の環境変化を精度良く推定することができる。
【0014】
第5の発明では、前記複数の空間部のそれぞれにおける実環境に関する情報を蓄積する手段を備え、前記推定手段は、前記蓄積された実環境の過去情報に基づいて前記今後の環境変化を推定する。
【0015】
建物において複数の空間部の実環境はそれぞれ連続的に変化すると考えられる。したがって、第5の発明のように、空間部の実環境の過去情報に基づいて今後の環境変化を推定することにより、空間部における今後の環境変化を精度良く推定することができる。
【0016】
第6の発明では、前記建物におけるユーザの行動予定をスケジュール情報として取得する手段を備え、前記推定手段は、前記スケジュール情報に基づいて前記今後の環境変化を推定する。
【0017】
建物において複数の空間部の実環境は人の行動に合わせて変化することが多いと考えられる。例えば、空間部に人がいる期間中は空調装置等の運転により空間部の環境が一定に保たれると考えられ、空間部から人がいなくなると空調装置等の運転が停止されて空間部の環境が変化しやすいと考えられる。したがって、第6の発明のように、スケジュール情報に基づいて今後の環境変化を推定することにより、空間部における今後の環境変化を精度良く推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態における建物の構成を示す概略断面図。
【図2】データベースについて説明するための図。
【図3】生育制御処理の処理手順を示すフローチャート。
【図4】居室環境改善処理の処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明を建物において植物を生育させる生物生育システムとして具体化している。図1は建物10の構成を示す概略断面図である。なお、図1は、生物生育システムに関する電気的な構成を示すブロック図を含んでいる。
【0020】
図1に示すように、住宅等の建物10には複数の建物空間として、居室11、廊下12、ガレージ13、床下空間14、屋根裏空間15、軒下16が設けられている。居室11及び廊下12は居住空間となっており、それら居室11及び廊下12は隣り合っている。ガレージ13は、建物10と一体的に形成されたインナガレージ(付属車庫)となっており、車両を駐車させる駐車スペースを有している。外壁17のうちガレージ13と屋外空間とを仕切る部分には開口部としての車両出入口18が設けられている。床下空間14は、居室11や廊下12といった居住空間の下方に形成されている。
【0021】
建物10には屋根21が設けられており、屋根21は切妻屋根となっている。屋根裏空間15は、建物10内において居室等の居住空間の上方であって屋根21の下方に設けられている。つまり、居室11等の居住空間と屋根21との間に形成されている。建物10において屋根21の軒先22が建物10の側方に突出している。軒下16は軒先22の下方に設けられており、軒下16は縁側などのデッキ24を有する例えばテラスとなっている。
【0022】
なお、居室11、廊下12、ガレージ13、床下空間14及び屋根裏空間15は建物内空間となっており、軒下16は建物10周辺の屋外空間となっている。ここでは、これら建物内空間や屋外空間は環境の異なる複数の空間部に相当する。
【0023】
居室11には、照明器具27とエアコン28とが設けられている。照明器具27はLEDを含んで構成されており、点灯時において照度を調整する照度調整機能を有している。照明器具27は例えば居室11の天井面に取り付けられている。エアコン28は、居室11の温度及び湿度を調整する空調装置となっており、例えば居室11の壁面に取り付けられている。また、居室11には窓部が設けられており、窓部にはその窓部を開閉するサッシ戸と日差しを遮るカーテンとが設けられている。
【0024】
本実施形態の建物10では、生物としての観賞植物31を生育させる生物生育システムが構築されており、生物生育システムにより観賞植物31を生育に好適な場所にて栽培することができるようになっている。
【0025】
観賞植物31は人が容易に移動させることができる状態で栽培されている。具体的には、観賞植物31は鉢植えとなっており、生育容器としての鉢33に入れられた培養土等の培養材に植えられている。また、鉢33には、観賞植物31周囲において温度や湿度、明るさなど実環境を示す情報を植物周囲情報として検出する第1取得手段としての鉢センサ34が取り付けられている。鉢センサ34は無線通信を可能とする通信機能を有しており、検出信号を出力することが可能となっている。なお、鉢センサ34は、培養材に挿されるなどして培養材に対して設けられていてもよく、観賞植物31に直接取り付けられていてもよい。要は、鉢センサ34は観賞植物31に対して直接的又は間接的に取り付けられていればよい。
【0026】
建物10において、居室11や廊下12、ガレージ13といった人が出入りする空間が観賞植物31の設置場所となるのはもちろんのこと、床下空間14や屋根裏空間15など通常は人が出入りしない空間が観賞植物31の設置場所となる構成となっている。
【0027】
具体的には、床下空間14について、居室11の床部41には床下空間14に通じる床下開口部42が設けられている。床下開口部42は、観賞植物31の出し入れが可能な大きさとなっており、人は床下開口部42を通じて観賞植物31を居室11又は床下空間14に移動させることができる。床下開口部42には開閉可能な床下開閉体43が設けられている。なお、床下開口部42は、床下空間14の周面のいずれかを開放していればよく、居室11以外の建物内空間に通じていてもよく、屋外空間に通じていてもよい。
【0028】
屋根裏空間15について、居室11の天井部45には、屋根裏空間15に通じる屋根裏開口部46が設けられている。屋根裏開口部46は、床下開口部42と同様に観賞植物31の出し入れが可能な大きさとなっており、人は屋根裏開口部46を通じて観賞植物31を居室11又は屋根裏空間15に移動させることができる。屋根裏開口部46には開閉可能な屋根裏開閉体47が設けられている。なお、屋根裏開口部46は、屋根裏空間15の周面のいずれかを開放していればよく、居室11以外の建物内空間に通じていてもよく、屋外空間に通じていてもよい。
【0029】
次に、生物生育システムに関する電気的な構成について説明する。
【0030】
生物生育システムは制御手段としてのコントローラ51を有している。コントローラ51はCPUや各種メモリ等からなるマイクロコンピュータを含んで構成されている。コントローラ51は建物10内に設けられており、例えば居室11の壁面に取り付けられている。コントローラ51は、生物生育システムに関する情報を記憶する記憶部52を有している。生物生育システムに関する情報には、観賞植物31の生育に適した温度や湿度、照度などの生育環境を示す生育用情報や、観賞植物31の設置場所となり得る居室11等の建物内空間について温度や湿度、照度などの環境を示す基準情報、建物10における人の行動予定を示すスケジュール情報などが含まれている。特に、基準情報は、記憶部52においてデータベースに格納されている。
【0031】
なお、生育用情報には、観賞植物31の生育に適した環境を示す情報の他に、観賞植物31の種類や大きさなどを示す情報、観賞植物31に水や肥料、生育用の薬品を与える方法を示す情報などが含まれている。
【0032】
コントローラ51には、居室11、廊下12、ガレージ13、床下空間14、屋根裏空間15といった複数の建物内空間の温度を個別に検出する屋内温度センサ54と、それら建物内空間の湿度を個別に検出する屋内湿度センサ55と、それら建物内空間の照度を個別に検出する屋内照度センサ56と、外気温度を検出する屋外温度センサ57と、外気湿度を検出する屋外湿度センサ58と、屋外の照度を検出する屋外照度センサ59とが接続されており、これらセンサ54〜59は検出信号をコントローラ51に対して出力する。
【0033】
屋内温度センサ54、屋内湿度センサ55及び屋内照度センサ56は各建物内空間のそれぞれに設けられており、温度、湿度及び照度といった環境を示す情報を建物内空間の実環境の情報として検出する。なお、これらセンサ54〜56は、建物内空間において観賞植物31が置かれることの多い場所が検出範囲に含まれるように設置されている。例えば居室11であれば、窓際のスペースやディスプレイ用の棚などがセンサ54〜56の検出範囲に含まれている。
【0034】
屋外温度センサ57、屋外湿度センサ58及び屋外照度センサ59は、屋外において例えば外壁17に取り付けられている。なお、これらセンサ57〜59は、建物10周辺において観賞植物31が置かれることの多い軒下16が検出範囲に含まれるように設置されている。
【0035】
コントローラ51には、人により入力操作が行われる操作装置61が接続されている。操作装置61は建物10内に設けられており、例えば居室11の壁面において人が操作可能な位置に取り付けられている。操作装置61は、入力操作により入力された各種情報をコントローラ51に対して出力し、コントローラ51は操作装置61から入力された各種情報を記憶部52に記憶させる。操作装置61から入力される情報には、人の行動予定を示すスケジュール情報や、観賞植物31の生育用情報、天気情報などが含まれている。なお、スケジュール情報には、人の行動予定に加えて、照明器具27の点灯予定や、エアコン28の運転予定、窓部のサッシ戸の開放予定、窓部のカーテンの開閉予定などが含まれている。つまり、建物内空間において今後の照度や温度、湿度、風通し、日当たりなどを推定できる予定が含まれている。
【0036】
コントローラ51には、照明器具27と、エアコン28と、報知動作を行う報知装置62と、有線又は無線通信が可能な通信装置63とが制御対象として接続されており、コントローラ51は指令信号を出力することにより制御対象の動作制御を行う。報知装置62は、音声を出力するスピーカや報知画面を表示する表示モニタなどを含んで構成されており、建物10内において例えば居室11の壁面に取り付けられている。
【0037】
通信装置63は、鉢センサ34との無線通信が可能となっているとともに、インターネット等への接続が可能となっている。鉢センサ34から出力された検出信号は通信装置63を通じてコントローラ51に入力され、コントローラ51は鉢センサ34からの植物周囲情報を記憶部52に時系列で記憶させる。コントローラ51は通信装置63を通じてインターネット等から観賞植物31の生育用情報や天気情報などを取得する。なお、通信装置63や操作装置61が生育用情報(生育環境の情報)を取得する第2取得手段に相当する。
【0038】
続いて、記憶部52において基準情報を格納しているデータベースについて図2を参照しつつ説明する。図2は、データベースについて説明するための図である。
【0039】
図2に示すように、データベースには、温度や湿度、照度など環境に関する情報が基準情報として居室11や廊下12など各建物内空間に関連付けて格納されている。基準情報は、データベースにおいて現在時刻が基準時刻として基準時刻より以前の情報及び以後の情報が時系列で並べられている。基準情報には、建物内空間の1日の環境変化が時系列となっている時系列データが含まれている。また、屋内温度センサ54や屋内湿度センサ55、屋内照度センサ56などにより検出された検出値はその都度最新の情報としてデータベースに格納され、それにより基準情報が更新される。なお、基準情報には、建物内空間の環境が1日(24時間)で変化する一般的な態様が含まれている。
【0040】
また、記憶部52には、建物内空間の今後の環境が推定された推定情報が時系列で記憶されている。コントローラ51は、記憶部52にて蓄積されている建物内空間の過去の実環境の情報や、データベースに格納されている基準情報、人のスケジュール情報、天気情報などに基づいて推定情報を算出する。
【0041】
例えば、推定情報を人のスケジュール情報に基づいて算出する場合、人が今後も滞在する予定になっている建物内空間については、滞在予定期間の環境には大きな変化がないとして推定する。特に、夜間においては滞在予定期間のうち睡眠予定期間については照明器具27が消灯された状態の環境を推定し、睡眠予定時間以外については照明器具27が点灯された状態の環境を推定する。また、人が滞在しない予定になっている建物内空間については、現在の環境を基準として天気情報による温度、湿度、日当たりを考慮して今後の環境の変化態様を推定する。
【0042】
生物生育システムにおいてコントローラ51は、観賞植物31の生育に適した位置にて観賞植物31を生育させるための処理を生育制御処理として行う。ここでは、生育制御処理の処理手順について、図3、図4のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、生育制御処理は所定周期で繰り返し実行される。
【0043】
図3において、ステップS101では各種センサの検出信号を取得する。ステップS102では、屋内温度センサ54、屋内湿度センサ55及び屋内照度センサ56の検出信号などに基づいてデータベースを更新する。ここでは、取得した検出信号に基づいて最新の実環境の情報を算出し、その実環境の情報を現在の情報としてデータベースに格納するとともに、過去の情報を現在時刻が基準となるように更新する。
【0044】
ステップS103では、鉢センサ34の検出信号に基づいて、観賞植物31周囲の温度や湿度、照度といった植物周囲情報を取得する。ステップS104では、記憶部52やインターネットなどから観賞植物31の生育用情報を取得する。ステップS105では、記憶部52のデータベースから基準情報を取得する。ステップS106では、記憶部52から人のスケジュール情報を取得する。
【0045】
ステップS107では、観賞植物31の現在位置が観賞植物31の生育にとって好適であるか否かを判定する。ここでは、植物周囲情報と生育用情報とを比較し、観賞植物31周囲の現在の環境や今後の環境が生育用情報の示す環境に適合しているか否かを判定し、適合していれば観賞植物31の現在位置が好適であるとする。この場合、現在の環境と今後の環境とのうち現在の環境を優先して観賞植物31の現在位置の適否を判定する。なお、適否判定について、現在の環境と今後の環境とで今後の環境を優先してもよく、観賞植物31の生育状況(大きさなど)に合わせていずれかの環境を優先してもよい。
【0046】
ここで、観賞植物31周囲の今後の環境については、記憶部52に記憶されている過去の植物周囲情報や、データベースに格納されている基準情報、人のスケジュール情報などに基づいて推定する。
【0047】
また、観賞植物31周囲の今後の環境として例えば現在時刻から1日(24時間)経過するまでの今後の環境変化を用いて適否判定を行っており、これにより都度の環境変化をきめ細かく把握することができる。したがって、設置場所にて環境変化が発生したとしてもその変化が1日の中で一時的なもの(例えば一時間)であれば、設置場所の環境が生育に不適ではないと判定することができる。また、今後の情報として例えば現在時刻から1週間や1ヶ月経過するまでの今後の環境変化を用いて適否判定を行った場合、環境変化を平均的に把握することができる。したがって、設置場所にて環境変化が発生したとしてもその変化が1週間や1ヶ月の中で一時的なもの(例えば1日)であれば、設置場所の環境が生育に不適ではないと判定することができる。
【0048】
観賞植物31の現在位置が好適である場合、ステップS108に進み、観賞植物31の現在位置が好適である旨を報知する報知処理を行う。なお、観賞植物31の現在位置が継続して好適である場合、報知を行わなくてもよい。
【0049】
観賞植物31の現在位置が好適でない場合、ステップS109に進み、現在位置の他に好適な場所があるか否かを判定する。ここでは、鉢センサ34の検出信号や操作装置61からの信号に基づいて観賞植物31の現在位置が複数の建物内空間のうちいずれであるかを特定し、現在位置となっている建物内空間以外の建物内空間を対象として、対象空間ごとに現在の環境や今後の環境が生育用情報の示す環境に適合するか否かを判定し、適合する建物内空間がある場合に好適な場所があると判定する。この場合、現在の環境と今後の環境とのうち現在の環境を優先して建物内空間の適否を判定する。なお、適否判定について、現在の環境と今後の環境とで今後の環境を優先してもよく、観賞植物31の生育状況(大きさなど)に合わせていずれかの環境を優先してもよい。
【0050】
また、今後の情報として例えば現在時刻から1日(24時間)経過するまでの今後の環境変化を用いて適否判定を行っており、これにより都度の環境変化をきめ細かく把握することができる。したがって、建物内空間にて環境変化が発生したとしてもその変化が1日の中で一時的なもの(例えば一時間)であれば、その変化を反映させずに適否判定を行うことができる。また、今後の情報として例えば現在時刻から1週間や1ヶ月経過するまでの今後の環境変化を用いて適否判定を行った場合、環境変化を平均的に把握することができる。したがって、建物内空間にて環境変化が発生したとしてもその変化が1週間や1ヶ月の中で一時的なもの(例えば1日)であれば、その変化を反映させずに適否判定を行うことができる。
【0051】
なお、建物10内において他に好適な場所がない場合、屋外温度センサ57、屋外湿度センサ58、屋外照度センサ59の検出信号に基づいて屋外の温度や湿度、照度といった屋外環境を取得するとともに、その屋外環境と生育用情報とを比較し、生育用情報の示す環境に例えば軒下16などの屋外空間が適合するか否かを判定してもよい。この場合、生育用情報の示す環境と軒下16などの環境とが適合すれば、軒先22などの屋外空間を観賞植物31の設置場所の変更先にするとする。また、軒下16などの屋外空間における生育の適否を判定し、屋外空間が成育に適さない場合に建物10内における生育の適否を判定してもよい。つまり、屋外空間を建物内空間に比べて優先的に生育場所とする判定を行ってもよい。
【0052】
ステップS110では、現在の環境や今後の環境が生育用情報の示す環境に適合した建物内空間を観賞植物31に適した場所として特定する。ステップS108では、観賞植物31の現在位置が生育にとって好適でない旨、及び生育にとって好適な場所のアドバイスなどを報知する報知処理を行う。
【0053】
観賞植物31にとって現在位置の他に好適な場所がない場合、ステップS111に進み、観賞植物31の現在位置が居室11であるか否かを判定する。つまり、温度や湿度、照度といった場所環境を積極的に変えることができる空間(照明器具27やエアコン28等が設けられている空間)であるか否かを判定する。ステップS112では、居室11に人がいるか否かを判定する。ここでは、スケジュール情報に基づいて現在時刻が居室11を使用する時間帯に該当するか否かを判定し、該当する場合に居室11に人がいると判定する。なお、居室11に人感センサが設けられていれば、人感センサの検出信号に基づいて人の有無を判定してもよい。観賞植物31の現在位置が居室11であり、且つ居室11に人がいない場合、ステップS113に進み、居室環境改善処理を行う。
【0054】
ステップS113の居室環境改善処理の処理手順について図4のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0055】
図4においてステップS201では、観賞植物31にとって居室11の温度が不適であるか否かを判定する。ここでは、記憶部52のデータベースから居室11の温度を取得するとともに、居室11の温度と生育用情報の示す温度とを比較し、居室11の温度が生育用情報の許容範囲外であれば居室11の温度が不適であるとして、ステップS202に進む。ステップS202では、温度調整処理を行う。この処理では、居室11の温度が許容範囲内となるようにエアコン28に温度調整運転を行わせる処理や、窓部を開放させて居室11の換気を行うように報知装置62に報知させる処理を行う。
【0056】
ステップS203では、観賞植物31にとって居室11の湿度が不適であるか否かを判定する。ここでは、居室11の湿度と生育用情報の示す湿度とを比較し、居室11の湿度が生育用情報の許容範囲外であれば居室11の湿度が不適であるとして、ステップS204に進む。ステップS204では、湿度調整処理を行う。この処理では、居室11の湿度が許容範囲内となるようにエアコン28に湿度調整運転を行わせる処理や、窓部を開放させて居室11の換気を行うように報知装置62に報知させる処理を行う。
【0057】
ステップS205では、観賞植物31にとって居室11の照度が不適であるか否かを判定する。ここでは、居室11の照度と生育用情報の示す照度とを比較し、居室11の照度が生育用情報の許容範囲外であれば居室11の照度が不適であるとして、ステップS206に進む。ステップS206では、照度調整処理を行う。この処理では、居室11の照度が許容範囲内となるように、照明器具27を点灯又は消灯させる処理や、カーテンを開放又は閉鎖させて居室11の日当たりを調整するように報知装置62に報知させる処理を行う。
【0058】
居室環境改善処理の終了後、ステップS108に進み、観賞植物31が置かれている居室11の環境が観賞植物31にとって好適でない旨を報知する報知処理を行う。
【0059】
また、観賞植物31にとって好適な場所が建物10内になく、観賞植物31の現在位置が居室11でなく、さらに居室11に人がいる場合(ステップS111がNO判定及びステップS112がYES判定の場合)、ステップS108に進み、その旨を報知する報知処理を行う。
【0060】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0061】
建物10において、観賞植物31が設置されている場所が観賞植物31の生育に適していない場合、その旨が報知装置62により報知される。また、この場合、設置場所が存在する建物内空間とは別に生育に適した建物内空間があれば、その建物内空間が設置場所の変更先に適している旨が報知装置62により報知される。このため、例えば観賞植物31が居室11に置かれており且つ居室11に人がいる場合、人は観賞植物31を生育に適した他の空間に移動させることができる。つまり、人のいる居室11を人にとって快適な状態で保ちつつ、居室11とは別の空間で観賞植物31を好適に生育させることができる。したがって、例えば観賞植物31を生育させるための専用設備が建物10内に設けられている構成とは異なり、建物10において設備面での過剰負担を招くことなく、観賞植物31の生育環境を好適に整えることができる。
【0062】
記憶部52に記憶されているデータベースには、各建物内空間に関連付けて基準情報が格納されており、基準情報は建物内空間の1日の環境変化を示す時系列データであるため、建物内空間ごとに観賞植物31の生育に適しているか否かを判定する構成として好適である。また、屋内温度センサ54や屋内湿度センサ55、屋内照度センサ56などにより検出された都度の実環境の情報が格納されることでデータベースが更新される。したがって、建物内空間の都度の状態に合わせて観賞植物31の設置場所を選択することができる。換言すれば、観賞植物31の設置場所に関する通知内容と建物10内の現状との間に差異が生じることを回避できる。
【0063】
記憶部52には、建物内空間における今後の環境の変化態様を示す推定情報が記憶されているため、今後の環境の変化態様に合わせて観賞植物31の生育の適否を建物内空間ごとに判定することができる。この場合、生育の適否の判定要素に今後の環境の変化態様が含まれていない構成とは異なり、建物内空間にて環境変化が発生した場合にその環境変化が一時的なものであるか否かを把握することができる。したがって、観賞植物31の移動先として比較的長い期間にわたって設置することができる空間を選択することができる。つまり、建物内空間の環境の変化に合わせて観賞植物31をその都度移動させるという煩わしさを緩和することができる。
【0064】
建物内空間について今後の環境の変化が過去の実環境に基づいて推定される。ここで、建物内空間の環境は、外気温度や天気、時間経過などに応じて連続的に変化すると考えられる。特に、人が不在である建物内空間の環境は、屋外の環境の変化に応じて緩やかに変化すると考えられる。したがって、建物内空間について今後の環境の変化を過去の実環境に基づいて推定することにより、今後の環境の変化を精度良く推定することができる。
【0065】
建物内空間について今後の環境の変化が人のスケジュール情報に基づいて推定される。ここで、人がいる建物内空間については温度等の環境が人にとって快適な状態で保持されることなどにより、人がいない建物内空間に比べて環境の変化が少ないと考えられる。したがって、建物内空間について今後の環境の変化を人の有無等を含むスケジュール情報に基づいて推定することにより、今後の環境の変化を精度良く推定することができる。
【0066】
観賞植物31が植えられている鉢33に対して鉢センサ34が取り付けられているため、鉢センサ34により観賞植物31の周囲の環境に関する情報を精度良く取得することができる。この結果、観賞植物31の設置場所が生育に適しているか否かの判定の精度が高められるため、建物10内で観賞植物31を好適に生育させることができる。
【0067】
居室11に人がいない場合に限って居室11を対象とした環境改善処理が行われるため、居室11において、照明器具27やエアコン28などにより環境を強制的に変えることで観賞植物31の生育にとって好ましい環境を整えつつ、人に不快な思いをさせることを抑制できる。
【0068】
建物10においては、床下空間14及び屋根裏空間15を観賞植物31の設置場所とすることが可能となっているため、太陽光や照明器具27の明かりに当てたくない観賞植物31を設置する際に好適である。また、居室11などの居住空間とは異なり、床下空間14や屋根裏空間15の環境は照明器具27やエアコン28等による環境制御の対象となっていないため、床下空間14や屋根裏空間15に観賞植物31を置くことにより、環境制御が観賞植物31の生育の阻害要因となることを抑制できる。
【0069】
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
【0070】
(1)建物10内で生育させる生物をペットとしてもよい。例えば、犬等のペットの周囲の環境を示すペット周囲情報を検出するセンサがペットの首輪や寝床に設けられている構成とする。寝床にセンサが設けられている場合、寝床がペットの睡眠にとって適していないことを通知できる。この場合、ペットに快適な睡眠環境を提供することになる。この結果、建物内空間の環境を人にとって快適な環境に保ちつつ、建物10内でペットを好適に生育させることができる。
【0071】
(2)屋内温度センサ54や屋内湿度センサ55、屋内照度センサ56といった建物内空間の環境を検出するセンサが、第1取得手段として観賞植物31の設置場所における実環境の情報を検出してもよい。
【0072】
また、建物内空間の環境を検出するセンサは、1つの建物内空間に環境の異なる複数の空間部が存在するとして、それら空間部ごとに環境を検出するように1つの建物内空間に複数設けられていてもよい。この場合、建物内空間のうち例えば日当たりの良い場所と日当たりの良くない場所とをそれぞれ環境の異なる空間部とすることができ、観賞植物31の生育環境を変える際に1つの建物内空間の中で観賞植物31を移動させるだけで済ませることが可能となる。
【0073】
(3)記憶部52に記憶されているデータベースは、格納されている情報が更新されない方式のデータベースであってもよい。例えば、データベースが操作装置61や通信装置63から記憶部52に記憶される構成とする。
【0074】
(4)コントローラ51は、観賞植物31の現在位置が生育に適しているか否かに関係なく、現在位置とは別の建物内空間が観賞植物31の生育に適しているか否かを判定してもよい。この場合、例えば住人等の都合で観賞植物31を移動させる場合に、観賞植物31の現在位置が生育に適していても生育に適した他の建物内空間を住人等に知らせることができる。
【0075】
(5)生物生育システムが構築されている建物10は複数階建てであってもよい。この場合、観賞植物31の設置可能な空間には、上階部分と下階部分との間に形成された階間空間が含まれていてもよい。
【0076】
(6)建物10内で生育させる生物を観賞植物31ではなく食用植物としてもよい。例えば鉢33に食用植物としての野菜が植えられており、野菜が設置されている場所がその野菜の生育に適していない場合にその旨が報知装置62により報知される構成とする。鉢33に植えられる野菜としては、トマト、きゅうり、レタス、白菜、玉葱などが挙げられる。ここで、野菜の生育には昼夜温較差の存在が好ましいとされており、野菜の生育に関する生育用情報には、野菜の生育に適した昼間の温度や夜間の温度が野菜の種類ごとに含まれている。また、生育用情報には、野菜の花芽の分化や生育に適した温度などの環境情報が含まれている。したがって、現在の環境が野菜の生育に適しているか否かの判定が生育用情報に基づいて行われることにより、建物10内において野菜を好適に生育させることが可能となる。
【0077】
(7)生物生育システムにおいて、人のいる場所がその人に適しているか否かの判定が行われてもよい。例えば、通信装置63が人の携帯する携帯機と無線通信可能であり、その携帯機が人の周囲の環境を示す人周囲情報を検出するセンサを有している構成とする。この構成では、人の嗜好や健康状態に関する人情報が記憶部52に記憶されており、コントローラ51は記憶部52からの人情報と携帯機からの人周囲情報とを比較し、その比較結果に基づいて人の現在位置が人の嗜好や健康状態にとって適しているか否かを判定し、さらにその判定結果を通知する処理を行う。通知する処理には、報知装置62の表示モニタに通知内容を表示する処理が含まれている。
【0078】
また、人のスケジュール情報に基づいてアドバイス処理を行ってもよい。例えば、勉強部屋などで長時間勉強している人に対しては、アドバイス処理として時々陽の当たる場所(屋外空間など)に行くように提案する処理を行う。
【0079】
(8)生物生育システムにおいて、食品の保管場所がその食品に適しているか否かの判定が行われてもよい。例えば、建物10が食品を保管可能な保管空間を複数有する構成とする。この構成では、保管空間の温度や湿度等の情報を保管先情報として取得する手段としてセンサが設けられており、操作装置61から入力された食品に関する食品情報が記憶部52に記憶され、コントローラ51が保管先情報と食品情報とを比較し、その比較結果に基づいて保管場所の適否を判定し、さらにその判定結果を通知する処理を行う。
【0080】
なお、保管空間としては、冷蔵庫(温度調整可能な空間)や、食品収納庫(キッチンに備え付けられており内部の環境を大まかに制御可能な空間)、床下空間14(冷暗所)、階間空間(居室11とは異なる環境を有する空間)、屋根裏空間15(居室11より暑い空間)、廊下12(冷暗所であって風が抜ける空間)、軒先22(乾燥や陽干しに適した空間)、ガレージ13(乾燥や陰干しに適した空間)、玄関土間(冷暗所)などが挙げられる。
【0081】
また、保管場所の適否判定のパラメータには、住人等のユーザが望む保存方法が含まれていてもよい。ユーザが望む保存方法としては、なるべく長くおいしく食べられるようにしたいといった味及び期間を優先する方法や、とにかく長持ちさせたいといった期間を優先する方法、すぐ食べられるようにしておきたいといったつくり置き品を対象とした利便さを優先する方法、食べごろまでねかせておきたいといったタイミングを優先する方法などが挙げられる。
【0082】
コントローラ51は、保管場所に保管する食品に関して、居住者に合わせた賞味期限の提案を行う処理を行ってもよい。この提案内容としては、子供、老人、病人は賞味期限より早めに食することを推奨する内容や、大人、健常者は賞味期限を少し延ばしても旨を知らせる内容、お客様には食べごろのものを勧めることを推奨する内容などが挙げられる。
【0083】
また、コントローラ51は、食品に関して他のアドバイスを行う処理を行ってもよい。他のアドバイスを行う処理としては、賞味期限が迫っている食品について賞味期限までの日数を報知する処理や、賞味期限を過ぎた旨を報知する処理、賞味期限を過ぎた食品に関して問題なく食するための方法を報知する処理、食べごろまでの日数を報知する処理などが挙げられる。
【符号の説明】
【0084】
10…建物、11…空間部としての居室、12…空間部としての廊下、13…空間部としてのガレージ、14…空間部としての床下空間、15…屋根裏空間、16…空間部としての軒下、34…第1取得手段としての鉢センサ、51…適否判定手段、変更先判定手段及び推定手段としてのコントローラ、52…記憶手段としての記憶部、61…第2取得手段としての操作装置、62…通知手段としての報知装置、63…第2取得手段としての通信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境の異なる複数の空間部を有する建物に適用され、植物又はペットを生育対象の生物とし該生物を前記複数の空間部のいずれかで生育させる建物の生物生育システムであって、
前記複数の空間部について各々の環境の情報を基準情報として記憶している記憶手段と、
前記生物の生育場所とされている前記空間部の実環境の情報を取得する第1取得手段と、
前記生物の生育に適した生育環境の情報を取得する第2取得手段と、
前記第1取得手段及び前記第2取得手段により取得された各情報に基づいて、前記生物にとっての現在の前記生育場所の適否を判定する適否判定手段と、
前記適否判定手段により前記生育場所が不適であると判定された場合に、前記記憶手段に記憶されている前記基準情報に基づいて前記生育場所の変更先を判定する変更先判定手段と、
前記変更先判定手段の判定結果を通知する通知手段と、
を備えていることを特徴とする建物の生物生育システム。
【請求項2】
前記複数の空間部のそれぞれに設けられ、各空間部における実環境に関する情報を個別に取得する手段と、
前記各空間部における実環境に関する情報に基づいて、前記記憶手段に記憶されている前記空間部ごとの前記基準情報をそれぞれ更新する手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の建物の生物生育システム。
【請求項3】
前記複数の空間部のそれぞれについて今後の環境変化を推定する推定手段を備え、
前記変更先判定手段は、前記基準情報に加えて前記推定手段の推定結果に基づいて前記生育場所の変更先を判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の建物の生物生育システム。
【請求項4】
前記記憶手段には、前記基準情報として、1日の環境変化が時系列データにて記憶されており、
前記推定手段は、前記時系列データに基づいて前記今後の環境変化を推定することを特徴とする請求項3に記載の建物の生物生育システム。
【請求項5】
前記複数の空間部のそれぞれにおける実環境に関する情報を蓄積する手段を備え、
前記推定手段は、前記蓄積された実環境の過去情報に基づいて前記今後の環境変化を推定することを特徴とする請求項3又は4に記載の建物の生物生育システム。
【請求項6】
前記建物におけるユーザの行動予定をスケジュール情報として取得する手段を備え、
前記推定手段は、前記スケジュール情報に基づいて前記今後の環境変化を推定することを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の建物の生物生育システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−182764(P2011−182764A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54681(P2010−54681)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】