説明

建物用の加熱および冷却ネットワーク

少なくとも2つの小型家屋1が大地中の共通エネルギー貯蔵所2に接続され、エネルギー貯蔵所2に接続された配管4で熱搬送媒体を運ぶために制御デバイス3が配設されて成る、2以上の家屋の各々を加熱および冷却する装置。本発明は、小型家屋1が、それぞれ独立した個別ヒートポンプ装置を有するように構成され、また、各ヒートポンプ装置が前記配管4に接続され、それによって、第1に、熱搬送媒体が前記ヒートポンプ装置を経て流れることができ、第2に、小型家屋1が互いに対して並列に配管4に接続されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の小型家屋を加熱および/または冷却する方法と装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日小型家屋は、いわゆる地熱暖房、すなわち地中で循環する熱搬送媒体に接続されたヒートポンプを利用することによって暖めるのが一般的である。このような設備は、或る場合には、夏場に小型家屋を冷却するために使用されることもある。
【0003】
このような地熱暖房設備に関する共通の問題は、エネルギー井戸とも呼ばれる掘削孔の周囲の大地が加熱運転中に必要以上に冷却されるというリスクに遭遇することであり、これは、冬期における加熱作業中、熱搬送媒体が掘削孔を冷却する際、温度が地中で局所的に連続して低下する時、この設備の効率に悪影響を与える。
【0004】
新たな設置を行う際、所定区域におけるより多くの小型家屋の所有者が、互いに熱的悪影響を及ぼさないように2つの隣接する掘削孔間で通常およそ30メートルの所定距離を守るように地熱暖房を設置するため、それはより難しくなる。例えば、これは密集して建設された区域では、大地の広汎な冷却につながることになり、この設備の効率を低下させる可能性がある。
【0005】
これらの問題を回避するために複数の建物に共通の1つの地熱暖房設備を設置することができ、これは1つまたは複数の共通の掘削孔を利用する。このように1つまたは複数の穴の中で熱搬送媒体の流れに対して増大した制御を実現することができ、これにより前記問題の影響を軽減させることができる。
【0006】
このようなシステムは、そこから熱または冷気が遠隔式の加熱または遠隔式の冷却の形態で接続された建物に分配されるセントラルヒートポンプで構成することができる。
【0007】
しかしながら、このようなシステムは、時間内の任意の段階において加熱運転または冷却運転のいずれかしか行うことができない。例えば、これは、接続された建物内の室内の空気を冷却するのと同時に水道水を加熱するには別個のシステムを設置しなければならないことを意味している。これはまた他の人が空気を冷却したいと望むのと同時に特定の家の所有者が室内の空気を暖めたいと望む場合、すなわち例えば屋外の空気が20°に近いときに推測され得るような場合である。
【0008】
また、かかる設置は、セントラルヒートポンプと分配設備の維持費ともども経費高である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】スウェーデン特許出願第0600428−7号
【特許文献2】スウェーデン特許出願第0602688−4号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって本発明は、少なくとも2つの小型家屋が地中で共通のエネルギー貯蔵所に接続され、エネルギー貯蔵所に接続された配管内で熱搬送媒体を移送するために制御デバイスが配置される2つ以上の家を各々加熱および冷却するための装置であって、小型家屋がそれぞれ別個の各々のヒートポンプ装置を有するように構成され、各ヒートポンプ装置が、第1に熱搬送媒体がヒートポンプ装置を介して流れることができ第2に小型家屋が互いに対して並列に配管に接続されるように配管に接続されることを特徴とする装置に関する。
【0012】
以下、本発明の実施例および添付図面を見ながら本発明の細目について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による小型家屋およびエネルギー貯蔵所の区域を示す説明のための見取り図である。
【図2】本発明によるエネルギー貯蔵所をより接近した詳細で示す説明のための見取り図である。
【図3】本発明によるヒートポンプ装置をより接近した詳細で示す説明のための見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1には、全て共通のエネルギー貯蔵所2に接続されたいくつかの小型家屋1が示されている。小型家屋1の数は変えることができるが、本発明の目的を達成するには少なくとも2つの小型家屋がエネルギー貯蔵所2に接続される必要がある。さらに本発明者等は、およそ10〜100の数の平均サイズの小型家屋またはこれに相当する建物容積を特に効率的な方法で単一の共通するエネルギー貯蔵所2を用いて加熱および/または冷却することができることを見出した。
【0015】
エネルギー貯蔵所2は、例としてドリル穿孔された穴の形態の地中に配置された多数の穴で構成される。エネルギー貯蔵所2は、設置などに付随する妨害およびその後のメンテナンス作業の際にアクセスする可能性に関して好適な位置に建設されてよい。エネルギー貯蔵所2は、例えば公園内または林の中など芝生で覆われた一部の土地の上など公のまたは建物が密集していない区域内の小型家屋の近傍に建設されるのが好ましい。
【0016】
小型家屋1並びにエネルギー貯蔵所2に接続された配管4内での熱搬送媒体の移送を制御するために制御デバイス3が配置される。熱搬送媒体は、不凍剤が添加された水など好適な従来式のものでよい。配管4は、その中で熱搬送媒体が移送される閉鎖系で構成されるのが好ましい。
【0017】
各小型家屋1は、それぞれヒートポンプ装置を具備している。さらに、各小型家屋1は、小型家屋相互間で、またエネルギー貯蔵所2に対しても配管4に並列接続されている。このような並列接続は、例えば、熱搬送媒体用の2つの主導管4a、4bを配置することによって実現することができ、その一方が所定時点でエネルギー貯蔵所2から熱搬送媒体を運ぶように構成され、他方が所定時点でエネルギー貯蔵所2に戻るように熱搬送媒体を運ぶように構成され、2つの主導管4a、4bがそれぞれの離れた端部で互いに接続され、それによって、熱搬送媒体が、まず第1の主導管を通ってエネルギー貯蔵所2から外に導かれ、その後、第2の主導管を通って直ちにエネルギー貯蔵所2に戻る。その後、熱搬送媒体が第1の主導管から引き出され、第2の主導管を経て戻り方向に導かれるように、各小型家屋1を、第1および第2の主導管の両者に接続することができる。もとろん、例えば3つ以上の導管形態等、その他の好適な配管構成を用いてもよい。
【0018】
配管4、および各小型家屋1における各ヒートポンプ装置は、各ヒートポンプ設備を経て第1の主導管から第2の主導管へ熱搬送媒体が搬送されるように配置される。したがって特定の小型家屋において可逆性のヒートポンプ装置が使用される場合、ヒートポンプ装置は、ヒートポンプ装置を経て流れる熱搬送媒体に熱エネルギーを加えるか、または、そこから熱エネルギーを取り去ることによって、冷気または熱を発生させることができ、この冷気または熱は、例として室内の空気を冷却するか、または空気或いは水道水を加熱するために小型家屋で局所的に使用できる。ヒートポンプ装置が可逆性でない場合、それは、そこを介して流れる熱搬送媒体の助けを借りて熱のみまたは冷気のみのいずれかを生成するように構成されてよい。
【0019】
小型家屋1はエネルギー貯蔵所2に対して並列に接続されるため、問題の小型家屋から戻る熱搬送媒体を主導管内を流れる残りの熱搬送媒体と混合した結果として熱搬送媒体に対する個々の小型家屋の熱的影響は、これが残りの小型家屋に到達する際、熱搬送媒体の温度に影響するのは限られた範囲にすぎない。これは、個々の小型家屋それぞれにおいて加熱および冷却の両方の作業に関して当てはまる。
【0020】
換言すると個々の小型家屋は、問題の小型家屋が熱搬送媒体に熱エネルギーを加えるかまたはそこから熱エネルギーを取り去るかとは関係なく、他の小型家屋に搬送される熱搬送媒体の温度に影響するのは限られた範囲のみである。エネルギー貯蔵所は、その中を通って熱搬送媒体が搬送される大地にドリル穿孔された多数の穴で構成されるため、エネルギー貯蔵所から外に流れる熱搬送媒体は、手近な地理的位置の平均年間温度に基本的に相当するほぼ一定の温度を保つ。したがって他の家が加熱するように運転されるのと同時に、特定の家が冷却するためにそのそれぞれの熱ヒートポンプ装置を介して流れる熱搬送媒体を利用することができる。エネルギー貯蔵所2に戻る熱搬送媒体の温度は、全ての接続された小型家屋1においてそれぞれ付加されたおよび利用された全体の熱エネルギーによって決まる。
【0021】
小型家屋ごとの局所エネルギー貯蔵所を用いる(これは、各小型家屋1が別体地熱暖房設備を有する場合である)というよりは、複数の小型家屋1に対してセントラル式エネルギー貯蔵所2を用いることによって、大地のエネルギーバランスをより良好に保つことができるという利点が得られる。具体的には、エネルギー貯蔵所2の種々の各々のエネルギー井戸を通る熱搬送媒体の処理量を制御することが可能であり、その結果個々のエネルギー井戸の周囲の大地は、小型家屋における大量消費且つ長時間の加熱作業中ですらその効率が必要以上に低下するというリスクに遭遇する程には冷却されない。さらにヒートポンプ装置の効率は、熱搬送媒体の平均温度がより高くなり得るため加熱作業中向上する可能性がある。
【0022】
各小型家屋をエネルギー貯蔵所2に対して並列に接続することによって、2つの隣接する小型家屋の間で重大なロスが生じなくなることが実現する。同様におよび上記に言及したように、各小型家屋は、残りの小型家屋の作業状態とは関係なく時間内の各段階で任意選択で加熱または冷却作業をするように設定することができる。これは特に夏の間、例えば特定の小型家屋が室内の空気を冷却することを要求するのと同時にお湯に対する一般的な要望があるときに有益である。例えば水道水の加熱と室内の空気の冷却とで作業を変更することが望ましい場合がある。これらの特定のケースでは、お湯を生成するために熱搬送媒体から取り出された熱エネルギーは部分的に、室内の空気を冷却する際熱搬送媒体に加えられる熱エネルギーに対応することができる。
【0023】
各小型家屋それぞれに別個のヒートポンプ設備を配置することによって、標準タイプのヒートポンプを使用することができるという利点が達成され、これは比較的安価で且つ設置に時間がかからず、コスト効率のよいメンテナンスおよびスペア部品に対する適切なアクセス並びに例えば各個々の家における加熱/冷却システムの機能および寸法決定に関する広範な適合性を意味している。
【0024】
エネルギー貯蔵所2内の効率を可能な限り向上させるために、スウェーデン特許出願第0600428−7号に記載される種類のエネルギー貯蔵所を用いることが好ましい。このようなエネルギー貯蔵所6が、図2に示されている。
【0025】
好ましい実施例によると、エネルギー貯蔵所2は少なくとも4つのエネルギー井戸21を備え、これを介して閉鎖系内で熱搬送媒体を循環させるために制御デバイス3が配置され、これにより各エネルギー井戸21の周りの大地25をそれぞれ加熱または冷却する。エネルギー井戸21は基本的に、少なくとも2つの同心円22、23、24に沿って配置される。図2には3つの同心円22、23、24が示されており、最も内側の円22のみが1つの単一のエネルギー井戸を備える。
【0026】
制御デバイス3は、特定の円に沿って配置されたエネルギー井戸に対して熱搬送媒体を制御し、これにより問題の円に沿って大地をそれぞれ加熱または冷却するように構成された第1の弁装置32を制御するために配置された制御部材31を備え、各円22、23、24それぞれに沿って導管が伸び、熱搬送媒体がこの中を問題の円に沿って配置されたエネルギー井戸1つずつを介して弁装置32から流れ、最終的には弁装置32に戻ることができる。
【0027】
各円22、23、24の流出流れおよび戻り流れ導管それぞれに沿って多数の温度センサ33が配置され、この温度センサ33は制御部材31に接続される。これにより熱搬送媒体が作業条件によって特定の1つの円または複数の特定の円の中だけを循環するように、制御部材31は第1の弁装置32を制御することができる。
【0028】
したがって、制御デバイス3は、熱搬送媒体の温度が周囲大地25の温度より高くなるとき、すなわち小型家屋1が平均して室内の空気を冷却するように運転されるとき内側の円が外側の円より先に加熱されるように、制御部材31が第1の弁装置32を介して熱搬送媒体を制御するように構成される。逆に熱搬送媒体の温度が大地25の温度より低くなるとき、すなわち小型家屋1が平均して室内の空気および/またはお湯を加熱するように運転されるとき外側の円が内側の円より先に冷却されるように熱搬送媒体は制御される。
【0029】
熱搬送媒体が小型家屋1(図2には示されていない)に対して分散されるように、前記主導管は第1の弁装置32に接続される。
【0030】
このようにエネルギー貯蔵所2を構成することによって、上記に言及したスウェーデン特許出願に記載されるように蓄積された熱または冷気をその後必要なときに効率的に利用することができるという利点が達成される。その結果、共通の管理並びに熱および冷気の取り出しに対する制御を伴って運転されない複数の小型家屋がそれぞれの固有の地熱暖房設備を有する場合に比べて非常に効率のよい方法で共通のエネルギー貯蔵所2内のエネルギーバランスを保つことができる。とりわけ、夏の時季に室内の空気を冷却する際に生成された熱エネルギーをエネルギー貯蔵所2内に効率的に蓄積し、その後冬に加熱するためにこの蓄積された熱エネルギーを利用することができるため、大きな経済的利益が達成される。
【0031】
本発明の利点から十分に利益を得るために、小型家屋1の中に配置されたヒートポンプ装置のうちの少なくとも1つは、室内の空気および/または水道水を加熱する或いは室内の空気を冷却する形態で小型家屋で局所的に使用するために任意選択で熱または冷気を発生させ得るように構成されることが好ましい。結果として、各小型家屋それぞれが有利には、残りの小型家屋の現行の作業状態とは関係なくエネルギー貯蔵所2から熱並びに冷気を独立して利用することができる。
【0032】
好ましい実施例によると、このためにスウェーデン特許出願第0602688−4号に記載されるタイプの可逆式のヒートポンプ装置が使用される。このようなヒートポンプ装置100は図3に簡素化された形態で表されている。
【0033】
ヒートポンプ装置100は、運転中一方が低温側で他方が高温側である2つの側部101、102を備える。側部101は、導管101a、101bを介してエネルギー貯蔵所2に接続される。側部102は、導管102a、102bを介して加熱/冷却ユニット(図示せず)に接続される。加熱作業中側部102は高温側であり、加熱/冷却ユニットは、問題の小型家屋における室内の空気またはお湯をそれ自体従来式の方法で加熱するように構成される。同時に側部101はこの場合低温側である。冷却作業中側部102は代わりに低温側であり、加熱/冷却ユニットは室内の空気を冷却するように構成される。同時に側部101は高温側である。したがって側部101、102は、上記に言及したスウェーデン特許出願および以下においてもより綿密に記載される方法で互いに役割を切り替えることが可能である。
【0034】
該側部101、102のそれぞれに各々の熱交換器103、104が接続される。拡張弁(図示せず)を備える第2の弁装置105が各熱交換器103、104それぞれに接続される。さらに圧縮装置106が第2の弁装置105に接続される。第2の弁装置105は、ヒートポンプ装置100の高温側または低温側を加熱/冷却ユニットに任意選択で接続するように構成され、これにより加熱/冷却ユニットは任意選択で熱または冷気を放出することができる。これは、拡張弁および熱交換器103、104を併用する圧縮装置106の助けを借りてヒートポンプ作用が実現するように、ヒートポンプ装置内に閉鎖ループが形成され、このループを通って第2の熱搬送媒体が循環するように、熱交換器103、104、圧縮装置106および拡張弁を相互に接続させるように構成された第2の弁装置105によって達成される。第2の熱搬送媒体の流れ方向の向きを変えるのにこのような弁装置を使用することによって、ヒートポンプ装置100における高温の側部と低温の側部の逆転も達成される。
【0035】
ヒートポンプ装置は液−液式である。これにより同時に複数の部屋を効率的に加熱することができる、および暖かい気候で運転される際、結露の度合いが低いなど多くの利点が生じる。
【0036】
このようなヒートポンプ装置100はこのように可逆性であり、加熱および冷却の両運転において極めて優れた効率と経済性を提供する。多数の小型家屋1が並列してそれに接続される本発明による共通のエネルギー貯蔵所2と共に効率的且つ可逆式のヒートポンプ装置を使用することによって、総じてシステムの良好なエネルギーバランスをより容易に実現することが可能になるため、小型家屋1のうちの少なくとも1つ、好ましくは家1のうちの複数、より好ましくは家1の全てがこのタイプのヒートポンプ装置100を備えるのが好ましい。
【0037】
小型家屋に配置されたヒートポンプ装置のうちの少なくとも1つは加熱運転中、約3〜4℃だけ熱搬送媒体の温度より低くなるように構成されることが好ましい。
【0038】
同じように小型家屋に配置されたヒートポンプ装置のうちの少なくとも1つは冷却運転中、およそ3から4℃だけ熱搬送媒体の温度より高くなるように構成されることが好ましい。
【0039】
したがって、本発明を使用することによって複数の小型家屋の効率的且つ安価な個々の加熱および冷却が実現し、これにより従来技術を使用する場合と比べて利用率が不十分であることのリスクが低くなる。さらに、システムに接続されたそれぞれの小型家屋が、近隣の利用形態を考慮する必要がなく必要に応じて任意選択で熱または冷気を取り出することができるという利点が達成される。最後に、コスト効率、スペア部品のメンテナンスおよび可用性、適応性などの観点においてそれに関連する利点を備えた、大部分が商業的に利用可能な標準的構成要素で構成されたシステムが実現する。
【0040】
上記には好ましい実施例が記載されている。しかしながら本発明の概念から逸脱することなく記載される実施例に多くの修正を行うことができることは当業者には明らかである。したがって本発明は記載の実施例によって限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の範囲内で変更可能であるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 小型家屋
2 エネルギー貯蔵所
3 制御デバイス
4 配管
4a、4b 主導管
21 エネルギー井戸
22、23、24 同心円
25 大地
31 制御部材
32 第1の弁装置
33 温度センサ
100 ヒートポンプ装置
101、102 側部
101a、101b 導管
102a、102b 導管
103、104 熱交換器
105 第2の弁装置
106 圧縮装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの小型家屋(1)が大地(25)中の共通エネルギー貯蔵所(2)に接続され、前記エネルギー貯蔵所(2)に接続された配管(4)で熱搬送媒体を運ぶために制御デバイス(3)が配設されて成る、2以上の家屋の各々を加熱および冷却するための装置において、
前記小型家屋(1)が、それぞれ独立した個別ヒートポンプ装置を有するように構成され、また、各ヒートポンプ装置が前記配管(4)に接続され、それによって、第1に、前記熱搬送媒体が前記ヒートポンプ装置を経て流れることができ、第2に、前記小型家屋(1)が互いに対して並列に前記配管(4)に接続されていることを特徴とする2以上の家屋の各々を加熱および冷却する装置。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵所(2)が少なくとも4つのエネルギー井戸(21)を含み、該エネルギー井戸(21)を通して、閉鎖系内で、前記制御デバイス(3)が、前記熱搬送媒体を循環させ、もって前記大地(25)を加熱または冷却するように構成され、
前記エネルギー井戸(21)が事実上少なくとも2つの同心円(22;23;24)に沿って配置され、
前記制御デバイス(3)が、第1の弁装置(32)を制御するように構成された制御部材(31)を含み、前記第1の弁装置(32)は、円に沿って配置されたエネルギー井戸に対して前記熱搬送媒体を誘導し、それによって前記円に沿って前記大地を加熱または冷却するように構成され、
また、前記制御部材(31)が前記第1の弁装置(32)を制御するように構成され、それによって、前記熱搬送媒体の温度が前記周囲大地(25)の温度よりも高い時に、内側の円が外側の円よりも前に加熱され、前記熱搬送媒体の温度が前記周囲大地(25)の温度よりも低い時に、外側の円が内側の円よりも前に冷却されるようになされていることを特徴とする請求項1に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する装置。
【請求項3】
前記小型家屋(1)内に配設された前記ヒートポンプ装置のうちの少なくとも1つが、室内空気および/または水道水を加熱するか、または室内空気を冷却する形態で、前記小型家屋で局所的に使用するために選択的に熱または冷気を発生できるように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのヒートポンプ装置(100)が、一方が冷側で他方が温側である2つの側部(101;102)を含み、前記冷側および前記温側にそれぞれ熱交換器(103;104)が接続され、該熱交換器の一方(103)が加熱/冷却ユニットに接続され、2つ目の前記熱交換器(104)が前記配管(4)に接続され、第2の弁装置(105)が前記ヒートポンプ装置(100)の前記温側または冷側を前記加熱/冷却ユニットに選択的に接続できるように構成され、もって前記加熱/冷却ユニットが選択的に熱または冷気を放出することができ、前記ヒートポンプ(100)が液・液式であることを特徴とする請求項3に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する装置。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵所(2)に接続される小型家屋(1)の数が10〜100であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する装置。
【請求項6】
少なくとも2つの小型家屋(1)が大地(25)中の共通エネルギー貯蔵所(2)に接続されるようになされ、制御デバイス(3)が前記エネルギー貯蔵所(2)に接続された配管(4)内で熱搬送媒体を運ぶようになされる、2以上の家屋の各々を加熱および冷却する方法において、
前記小型家屋(1)が、それぞれが独立した個別ヒートポンプ装置を有するようになされ、また、各ヒートポンプ装置が、前記配管(4)に接続されるようになされ、それによって、第1に、前記熱搬送媒体が前記ヒートポンプ装置を経て流れることができ、第2に、前記小型家屋(1)が互いに対して並列に前記配管(4)に接続されるようになされることを特徴とする2以上の家屋の各々を加熱および冷却する方法。
【請求項7】
前記エネルギー貯蔵所(2)が少なくとも4つのエネルギー井戸(21)を含むようになされ、該エネルギー井戸(21)を通して、閉鎖系内で、前記制御デバイス(3)が、前記熱搬送媒体を循環させ、もって前記大地(25)を加熱または冷却するようになされ、
前記エネルギー井戸(21)が事実上少なくとも2つの同心円(22;23;24)に沿って配置されるようになされ、
前記制御デバイス(3)が、第1の弁装置(32)を制御するようになされた制御部材(31)を含むようになされ、前記第1の弁装置(32)は、円に沿って配置されたエネルギー井戸に対して前記熱搬送媒体を誘導し、それによって前記円に沿って前記大地を加熱または冷却するようになされ、
また、前記制御部材(31)が前記第1の弁装置(32)を制御するようになされ、それによって、前記熱搬送媒体の温度が前記周囲大地(25)の温度よりも高い時に、内側の円が外側の円よりも前に加熱され、前記熱搬送媒体の温度が前記周囲大地(25)の温度よりも低い時に、外側の円が内側の円よりも前に冷却されるようになされることを特徴とする請求項1に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する方法。
【請求項8】
前記小型家屋(1)に配設された前記ヒートポンプ装置のうちの少なくとも1つが、室内空気および/または水道水を加熱するか、または室内空気を冷却する形態で、前記小型家屋で局所的に使用するために選択的に熱または冷気を発生させ得るようになされることを特徴とする請求項6または請求項7に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つのヒートポンプ装置(100)が、一方が冷側で他方が温側である2つの側部(101;102)を含むようになされ、前記冷側および前記温側にそれぞれ熱交換器(103;104)が接続されるようになされ、該熱交換器の一方(103)が加熱/冷却ユニットに接続されるようになされ、2つ目の前記熱交換器(104)が前記配管(4)に接続されるようになされ、第2の弁装置(105)が前記ヒートポンプ装置(100)の前記温側または冷側を前記加熱/冷却ユニットに選択的に接続できるようになされ、もって前記加熱/冷却ユニットが選択的に熱または冷気を放出できるようになし、前記ヒートポンプ(100)が液・液式であるようにすることを特徴とする請求項8に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する方法。
【請求項10】
前記エネルギー貯蔵所(2)に接続される小型家屋(1)の数が10〜100になされることを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つのヒートポンプ装置が、加熱運転中、前記熱搬送媒体の温度を約3〜4℃低下させるようにすることを特徴とする請求項8または請求項9に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのヒートポンプ装置が、冷却運転中、前記熱搬送媒体の温度を約3〜4℃上昇させるようにすることを特徴とする請求項8または請求項9に記載された2以上の家屋の各々を加熱および冷却する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−521193(P2011−521193A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509439(P2011−509439)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際出願番号】PCT/SE2009/050498
【国際公開番号】WO2009/139699
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(508256145)スカンジナビアン エナジー エフィシェンシー カンパニー シーク エービー (4)