建物設備の制御装置、建物設備の制御装置を備えた建物
【課題】従来技術においては、現状の気象条件に合わせて建物設備を制御するものであるため、時間経過に伴い気象条件が変動する状況において、建物設備を効率的に利用しているとはいえなかった。
【解決手段】以上の課題を解決するために、将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を保持する設備制御情報保持部と、取得した将来の気象情報と保持されている設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する制御部と、を有する建物設備の制御装置を提案する。
【解決手段】以上の課題を解決するために、将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を保持する設備制御情報保持部と、取得した将来の気象情報と保持されている設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する制御部と、を有する建物設備の制御装置を提案する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物設備の制御装置、建物設備の制御装置を備えた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅の窓の開け閉めなど建物設備の管理は建物の住人などが手動で行ってきていた。しかしながら近年、建物設備の電化に伴って建物設備を自動制御する技術が開発されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、雨量センサなどから降雨量や風速の情報を取得し、当該情報に基づいて窓部の電動シャッターを制御し、建物内への雨の降り込みを抑制する制御装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2においては、外気温センサから外気温度の情報を取得し、当該情報に基づいて特定空間の空調装置を制御し、気温環境を整える空調システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−280737
【特許文献2】特開2010−249460
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術においては、現状の気象条件に合わせて建物設備を制御するものであるため、時間経過に伴い気象条件が変動する場合、建物設備を効率的に利用しているとはいえなかった。例えば、雨が降ったり止んだりする状況において窓部の電動シャッターを上げたり下げたりするのは非効率であり、電力の浪費につながっていた。
【0007】
以上の課題を解決するために、将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を保持する設備制御情報保持部と、取得した将来の気象情報と保持されている設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する制御部と、を有する建物設備の制御装置を提案する。
【発明の効果】
【0008】
以上のような構成をとる本発明によって、将来の気象条件を見越して建物設備を稼働することができるため、建物設備をより効率的に利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1の建物設備の制御装置の概要図
【図2】実施形態1の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図
【図3】設備制御情報の一例を示す図
【図4】実施形態1の建物設備の制御装置のハードウェア構成の一例を示す図
【図5】実施形態1の建物設備の制御装置の処理の流れの一例を示す図
【図6】実施形態2の建物設備の制御装置の概要図
【図7】実施形態2の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図
【図8】消費パターンの学習処理の流れの一例を示す図
【図9】消費パターン情報の取得処理の流れの一例を示す図
【図10】実施形態2の建物設備の制御装置の処理の流れの一例を示す図
【図11】実施形態3の建物設備の制御装置の概要図
【図12】実施形態3の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図
【図13】供給パターンの学習処理の流れの一例を示す図
【図14】供給パターン情報の取得処理の流れの一例を示す図
【図15】実施形態3の建物設備の制御装置の処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1、4に関し、実施形態2は主に請求項2、4に関し、実施形態3は主に請求項3、4に関する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
【0011】
<<実施形態1>>
【0012】
<概要>
図1は、本実施形態の建物設備の制御装置の概要を示す図である。本実施形態の「建物設備の制御装置」0100は、将来の気象情報を「気象予報情報サーバ」0101等から取得し、将来の気象情報に応じて「エネルギー消費設備」0102などの建物設備を制御する構成を有する。当該構成とすることにより、将来の気象条件を見越して建物設備を稼働することができ、建物設備をより効率的に利用することが可能になる。
【0013】
<構成>
図2は、本実施形態の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の建物設備の「制御装置」0200は、「将来気象情報取得部」0201と、「設備制御情報保持部」0202と、「制御部」0203と、を有する。
【0014】
本実施形態の制御装置により制御される建物設備としては、エネルギー消費設備や、エネルギー供給設備、エネルギー蓄電設備、エネルギー管理設備などが考えられる。
【0015】
エネルギー消費設備としては、電気を消費する機器、ガスを消費する機器、熱を消費する機器、水を消費する機器などが考えられ、具体的には照明装置、空調装置、窓・ドア・ブラインド・シャッター等の開閉・施錠装置、入退室管理装置、換気装置、空気循環装置、採光装置、給湯装置、ガス暖房装置、洗濯装置、洗浄装置、散水装置などが挙げられる。
【0016】
また、エネルギー供給設備としては、電気を供給する装置、ガスを供給する装置、熱を供給する装置、水を供給する装置などが考えられ、具体的には太陽光発電装置、風力発電装置、商用電力受電装置、地熱発電装置、ガス供給装置、太陽熱供給装置、給水装置などが挙げられる。また、エネルギー蓄積設備としては、蓄電装置、ガス蓄積装置、蓄熱装置、貯水装置などが考えられる。また、エネルギー管理設備としては、エネルギーの消費・供給・蓄積の情報を管理可能な各エネルギー管理装置や、配電盤・分電盤、パワーユニットなどが考えられる。
【0017】
また、制御装置はエネルギー管理設備を制御することにより、エネルギー供給設備にて供給されるエネルギーをエネルギー消費設備やエネルギー蓄積設備に供給したり、商用系統へ逆供給したりすることを制御することが可能になる。同様に、エネルギー蓄積設備にて蓄積されているエネルギーをエネルギー消費設備に供給したり、商用系統へ逆供給したりすることを制御することが可能になる。
【0018】
「将来気象情報取得部」は、将来の気象情報を取得する機能を有する。ここで、将来の気象情報はネットワークを介して特定のサーバ等から取得することが主として考えられるが、操作入力機器を介して利用者から情報入力を受け付けることも可能である。
【0019】
将来の気象情報は、現時点から所定時間先(例えば24時間先)までの気象情報であってもよいし、数日先までの気象情報や数週間先までの気象情報であってもよい。気象情報の内容としては、降水確率・降水量、気温、湿度、日照量・日照時間、風速・風向き、降雪量、波の高さ、雷や花粉、突風の警報・注意報、など気象に関連する種々の情報が考えられる。取得した将来の気象情報は、制御装置の記憶部(RAMやフラッシュメモリ、ハードディスクなど)に格納される。また、将来の気象情報は所定時間おき(例えば、30分おき)に取得して、随時最新の情報に更新することが考えられる。
【0020】
「設備制御情報保持部」は、将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を保持する機能を有する。また、「制御部」は、取得した将来の気象情報と保持されている設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する機能を有する。
【0021】
ここで、建物設備の制御方法の内容としては、建物設備を制御して実行させるべき処理のID、処理を実行・終了させるタイミング、継続時間、処理の優先度などが考えられる。各建物設備の最適な制御方法の内容は、将来の気象情報によって変化するものであり、各建物設備の種類や各建物設備の居住者などによって異なってくる。設備制御情報はネットワークを介して所定のサーバ等から受信して追加したり、操作入力装置を介して設定・修正したりする構成が考えられる。
【0022】
制御部は、例えば所定期間先までの気象情報に応じて、現在又は所定期間先までの所定タイミングにおいて各建物設備にて実行させる動作処理のスケジュールを作成する。ここで制御部が動作処理を実行させるための制御命令を各建物設備に対して送信するタイミングは、各建物設備が動作処理を実行するタイミングの直前とすることも可能であるし、動作処理のスケジュールを作成した段階とすることも可能である。各建物設備は、制御部からの制御命令を受信して指定された動作処理を指定されたタイミングで実行することになる。
【0023】
設備制御情報としては、例えば図3に示すように今後所定時間の降水確率と窓の開閉装置の制御方法とを関連付けた情報が考えられる。具体的には、今後所定時間(例えば1時間)の降水確率が第一の基準未満(例えば30%未満)である場合は上記所定時間にわたって窓を開いた状態とし、降水確率が第一の基準以上である場合は上記所定時間にわたって窓を閉じた状態とする制御命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定時間の降水確率の情報を取得し、第一の基準未満である場合は窓の開閉装置に対して上記所定時間にわたって窓を開いた状態とするための制御命令を送信し、第一の基準以上である場合は窓の開閉装置に対して上記所定時間にわたって窓を閉じた状態とするための制御命令を送信する。窓の開閉装置は制御部から受信する制御命令に従って窓の開閉を行う。このように、先を見越して窓の開閉装置を制御することが可能であるため、雨が降ったり止んだりするような状況において雨の降り込みを最小限に抑え、かつ開閉部の駆動によって浪費される電力量を抑制できる。
【0024】
なお、上記例では降水確率に応じて窓の開閉のいずれかを選択する構成を示したが、窓をスライドさせる大きさ又は窓を開く角度を降水確率に応じて段階的に変化させる構成も考えられる。また、今後所定時間の平均的な風速と窓の開閉装置の制御方法とをさらに連付けることも考えられる。具体的には、今後所定時間の平均的な風速が第一の基準以上(例えば、5.0[m/s]以上)の場合、降水確率が所定値未満(例えば30%未満)であっても窓を閉じた状態とし、平均的な風速が第一の基準未満であり、かつ降水確率が所定値未満であれば窓を開けた状態とする。
【0025】
また、設備制御情報として、今後所定時間の気温と散水装置の単位時間当たりの散水量のレベルとを関連付けた情報も考えられる。具体的には、今後所定時間(例えば1時間)の平均気温が第一の基準以上(例えば30℃以上)で第二の基準未満(例えば35℃未満)である場合は中レベルの水量(例えば1時間に1回、5リットル)で散水を行うよう散水装置を駆動し、第二の基準以上(35℃以上)である場合は高レベルの水量(例えば1時間に2回、5リットルずつ)で散水を行うよう散水装置を駆動する制御命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定時間の気温の情報を取得し、気温の高さに応じた制御命令を散水装置に送信し、散水装置は制御部からの制御命令に従って散水を行う。なお、上記散水量のレベルの設定は、建物ごとに操作入力機器を介して行うことや、ネットワークを介して設定情報を受信することによって行うことも可能である(以下、同様である)。上記構成とすることにより、地面などが高温になる前に散水することが可能になり、より快適な環境を整えることが可能になる。
【0026】
また、設備制御情報として、今後所定時間の天気及び気温と断熱ブラインド装置の開閉とを関連付けた情報を考えられる。具体的には、今後所定時間(例えば3時間)の天気が曇り・雨であり平均気温が所定基準値未満(例えば10℃)である場合、又は日没時間帯である場合は断熱ブラインド装置を閉じた状態とし、それ以外の場合は断熱ブラインド装置を開けた状態とするよう断熱ブラインド装置を駆動する制御命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定時間の天気及び平均気温の情報を取得し、天気・平均気温に応じた制御命令を断熱ブラインド装置に送信し、断熱ブラインド装置は制御部からの制御命令に従って開閉を行う。上記構成とすることにより、特に冬季において日射が期待できない曇りや雨の場合は断熱ブラインドを閉じることで建物内部の熱が逃げるのを効率的に抑制し、日射が期待できる晴れの場合は断熱ブラインドを開けることで建物外部からの日射を取り入れることが可能になる。
【0027】
また、設備制御情報として、今後所定時間の降雪量と屋根のヒータ装置の加熱レベルとを関連付けた情報も考えられる。具体的には今後所定時間(例えば6時間)の降雪量が0cmより大きく第一の基準未満(例えば20cm未満)である場合は低レベルの加熱(例えば1時間ごとに10分間程加熱)を行うようヒータ装置を駆動し、第一の基準以上第二の基準未満(例えば40cm未満)である場合は中レベルの加熱(例えば30分間ごとに10分間加熱)を行うようヒータ装置を駆動し、第二の基準以上である場合は高レベルの加熱(例えば常時加熱)を行うようヒータ装置を駆動する制御命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定時間の予想降雪量の情報を取得し、降雪量の大きさに応じた制御命令をヒータ装置に送信し、ヒータ装置は制御部からの制御命令に従ってヒータを駆動する。上記構成とすることにより、積雪センサなどを設けなくても屋根に対する積雪を効率的に抑制することが可能になる。
【0028】
また、設備制御情報として、今後所定期間の気温と貯水装置の貯水量とを関連付けた情報も考えられる。具体的には、今後所定期間(例えば1カ月)において最高気温が所定以上(例えば35℃以上)となる日が第一の基準以上(例えば20日以上)である場合は水道料金の安い時間帯を使って高いレベルの貯水量(例えば100リットル)を維持するよう給水装置・貯水装置を制御し、第一の基準未満で第二の基準以上(例えば10日以上)である場合は水道料金の安い時間帯を使って中レベルの貯水量(例えば50リットル)を維持するよう給水装置・貯水装置を制御する命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定期間の予想最高気温の情報を取得し、最高気温が所定以上となる日数に応じた制御命令を給水装置・貯水装置に送信し、給水装置・貯水装置は制御部からの制御命令に従って給水・貯水を行う。なお、水道料金の安い時間帯に給水を行えるように、時間帯ごとの水道料金の情報も設備制御情報として保持しておく。同様に、今後所定期間の気温の情報と蓄電装置やガス蓄積装置の蓄積量とを関連付けた設備制御情報を保持することも考えられる。
【0029】
<具体的な構成>
図4は、本実施形態の建物設備の制御装置の機能をハードウェア構成により実現した際の一例を示す図である。この図の例では、本実施形態の制御装置は、「CPU」0401と、「RAM」0402と、「ROM」0403と、「補助記憶装置」0404と、「通信装置」0405と、「表示装置」0406と、「操作入力装置」0407と、から構成される。
【0030】
ROMには、CPUにて処理を実行するためのプログラムが格納されており、必要に応じてRAMに読み出される。また、補助記憶装置には、気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報が格納されており、必要に応じてRAMに読み出される。ここで、設備制御情報には、気象情報の内容に応じて所定のタイミングで実行すべき建物設備の制御命令などの情報が含まれている。
【0031】
また、建物設備の制御装置と各建物設備は信号線を介して接続されており、建物設備の制御装置と将来の気象情報を提供するサーバ装置は通信回線を介して接続されている。建物装置の制御装置のCPUは、所定時間単位(例えば30分単位)で通信タスクを実行し、通信装置を介してサーバ装置から所定時間先まで(例えば24時間先まで)の気象情報を取得し、補助記憶装置に格納する。さらに、取得した所定時間先までの気象情報と設備制御情報をRAMに読み出して建物設備に対して送信すべき制御命令を選択し、選択した制御命令を所定のタイミングで該当する建物設備に対して送信する。制御命令を受信した各建物設備は制御命令に従って処理を実行する。
【0032】
また、制御装置は各建物設備に対して送信した制御命令の内容を示す情報を表示装置に対して送信し、表示装置は当該情報をディスプレイに対して表示出力する。さらに、制御装置は操作入力装置を介して各建物設備に対する制御方法に関する設定情報を受け付けた場合、補助記憶装置に格納されている設備制御情報をRAMに読み出して、情報の追加又は変更する処理を行う。
【0033】
<処理の流れ>
図5は、本実施形態の建物設備の制御装置の処理の流れを示した図である。まずステップS0501において、将来の気象情報を取得する(将来気象情報取得ステップ)。次にステップS0502において、将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を取得する(設備制御情報取得ステップ)。次にステップS0503において、取得した将来の気象情報と設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する(制御ステップ)。
【0034】
<効果>
本実施形態の建物設備の制御装置により、将来の気象条件を見越して建物設備を制御することができるため、建物設備を効率的に利用することが可能になる。
【0035】
<<実施形態2>>
【0036】
<概要>
図6は、本実施形態の建物設備の制御装置の概要を示す図である。本実施形態の「建物設備の制御装置」0600は、「気象予報情報サーバ」0601や「エネルギー管理設備」0602などからの情報に基づいて、「エネルギー消費設備」0603の消費パターンを学習し、将来の気象情報と学習した消費パターンの情報に応じて「エネルギー消費設備」0603や「エネルギー蓄積設備」0604などの建物設備を制御する構成を有する。当該構成とすることにより、将来の消費パターンを見越して建物設備を制御することができ、建物設備をより効率的に利用することが可能になる。
【0037】
<構成>
図7は、本実施形態の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「建物設備の制御装置」0700は、「将来気象情報取得部」0701と、「稼働情報取得部」0702と、「消費パターン学習部」0703と、「消費パターン情報保持部」0704と、「消費パターン情報取得部」0705と、「第二設備制御情報保持部」0706と、「第二制御部」0707と、を有する。以下、実施形態1との相違点である「稼働情報取得部」と、「消費パターン学習部」と、「消費パターン情報保持部」と、「消費パターン情報取得部」と、「第二設備制御情報保持部」と、「第二制御部」について説明する。
【0038】
「稼働情報取得部」は、時間情報及び気象情報と関連付けた建設設備の稼働情報を取得する機能を有する。具体的には、稼働情報取得部は、建物設備の稼働時の時間情報及び稼働時の気象情報を取得して建物設備の稼働情報と関連付ける機能を有する。
【0039】
ここで、稼働時の時間情報としては、稼働時の時間帯、曜日、季節、年度などが考えられる。また、稼働時の時間情報は制御装置の内部の時計部から取得する構成が主として考えられるが、ネットワークを介して取得する構成も可能である。稼働時の気象情報は、将来気象情報取得部にて取得した気象情報から抽出することも可能であるし、ネットワークを介して特定のサーバ等から別に取得することも可能である。
【0040】
稼働情報としては、例えば各時間帯で稼働された建物設備のID、各建物設備の稼働モード、稼働時間、消費エネルギーなどの情報が挙げられる。稼働情報は、気象条件(温度、湿度、降水量、日照量など)や時間情報(時間帯、曜日、季節、年度など)に応じて変化するものであり、建物の居住者、人数などによって異なってくるものである。
【0041】
なお、各建物設備の消費エネルギーなどの稼働情報は、建物設備から直接的に取得することも可能であるし、建物設備のエネルギーの消費・供給・蓄積などの情報を時間情報と関連付けて管理可能なエネルギー管理装置から取得することも可能である。
【0042】
「消費パターン学習部」は、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する機能を有する。また、「消費パターン情報保持部」は、学習した消費パターンの情報を保持する機能を有する。
【0043】
建物設備にて消費されるエネルギーとしては、電気、ガス、熱、水が主として考えられるが、これらに限定されるものではない。また、建物設備のエネルギーの消費パターンの情報としては、例えば各建物設備が各時間条件・各気象条件の区分の下でいかなる稼働状態となるかを示す情報などが考えられる。消費パターンは、数分や数時間のタイムスケールであってもよいし、数日、数か月のタイムスケールであってもよい。
【0044】
消費パターンの学習は、例えば図8に示す処理によって行われる。まず、ステップS0801において、取得した稼働情報を時間情報で分類する処理を行う(時間分類処理)。具体的には、取得した稼働情報を曜日(月〜日・祝日)と時間帯(30分単位)で分類する。次に、ステップS0802において、ステップS0801にて分類した稼働情報をさらに気象情報で分類する(気象分類処理)。具体的には、天候(晴れ・曇り・雨)と気温(5℃幅)で分類する。次に、ステップS0803において、ステップS0802にて分類した稼働情報をさらにエネルギーの消費設備などの建物設備のIDで分類する(設備ID分類処理)。
【0045】
以上、ステップS0801〜S0803の処理により、各建物設備が各曜日・各時間帯・各天候の区分の下でいかなる稼働状態であったかを抽出することが可能になる。なお、上記ステップS0801〜ステップS0803の処理の順番はこれに限定されるものではなく、互いに処理の順番を入れ替えることも可能である。
【0046】
次に、ステップS0804において、各建物設備について各曜日・各時間帯・各天候の区分の下での代表的な稼働状態を抽出する処理を行う(代表的状態抽出処理)。具体的には、最も選択される可能性が高い設定モード(過去所定期間内で最も選択された回数が多い設定モードや、最近に選択された設定モードなど)を決定する処理を行ったり、平均稼働時間、平均消費エネルギーなどを算出する処理を行ったりする。以上の処理により、各建物設備について各曜日・各時間帯・各天候の区分の下での代表的な稼働状態を示す消費パターン情報が生成され、消費パターン情報保持部にて保持されることになる。
【0047】
建物設備のエネルギーの消費パターンの学習は、定期的に決まったスケジュールで行うことも可能であるし、各建物設備の稼働情報が更新された段階にて行うことも可能である。学習した消費パターンの情報は、消費パターン情報保持部にて保持すると同時に、特定の情報管理サーバに送信する構成とすることも可能である。複数の建物から消費パターンの情報を受信した特定の情報管理サーバは、消費パターンの情報に応じたリコメンド情報を記憶部から取得し、当該リコメンド情報を各建物に対して送信する構成とすることが考えられる。
【0048】
「消費パターン情報取得部」は、取得した将来の気象情報に応じて消費パターン情報保持部から予測される消費パターンの情報を取得する機能を有する。
【0049】
消費パターン情報の取得は、例えば図9に示すような処理によって行われる。まず、ステップS0901において、取得した将来の気象情報に基づいてこの先所定時間(例えば、24時間)の時間帯ごと(例えば1時間ごと)の気象情報を抽出する処理を行う。具体的には上記所定時間の時間帯ごとの天候と気温の情報を抽出する。次に、ステップS0902において、時間帯ごとに抽出された気象情報に基づいてその時間帯ごとに稼働されると予想される建物設備のID、代表的な設定モード、平均消費エネルギーを抽出する処理を行う。次に、ステップS0903において、時間帯ごとに消費されると予想されるエネルギー量の総和をエネルギー種別ごとに算出する処理を行う。次に、ステップS0904において、上記所定時間で消費されると予想されるエネルギー量の総和をエネルギー種別ごとに算出する処理を行う。
【0050】
「第二設備制御情報保持部」は、消費パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である第二設備制御情報を保持する機能を有する。また、「第二制御部」は、予測される消費パターンの情報と保持される第二設備制御情報に基づいて建物設備を制御する機能を有する。
【0051】
各建物設備の最適な制御方法の内容は、消費パターンによって変化するものであり、各建物設備の種類、建物設備の居住者などによって異なってくる。第二設備制御情報はネットワークを介して所定のサーバ等から受信して追加したり、操作入力装置を介して設定・修正したりする構成が考えられる。第二制御部は、例えば所定期間先までの消費パターンに応じて、現在又は所定期間先までの所定タイミングにおいて各建物設備にて実行させる動作処理のスケジュールを作成する。
【0052】
第二設備制御情報として、エネルギー料金の高い時間帯(例えば午前7時〜午後23時)において消費されると予想されるエネルギー量と、建物のエネルギー蓄積設備の制御方法とを関連付けた情報が一例として考えられる。この場合、エネルギー蓄積設備の制御命令の他に、エネルギー料金の高い時間帯の情報や、安い時間帯の情報などが第二設備制御情報として保持される。
【0053】
この場合、第二制御部は、消費パターンの情報に基づいてエネルギー料金の高い時間帯において消費されると予想されるエネルギー量を取得し、エネルギー料金の安い時間帯から商用系統を介して当該エネルギー量又はその一部を蓄積するようエネルギー蓄積設備を制御する。さらに、第二制御部はエネルギー料金の高い時間帯になった場合においてエネルギー蓄積設備に蓄積されたエネルギーをエネルギー消費設備が消費可能なようにエネルギー蓄積設備を制御する。
【0054】
<具体的な構成>
本実施形態の建物設備の制御装置のハードウェア構成は、図4で説明した実施形態1のハードウェア構成と同様である。以下、実施形態1と相違する処理について説明する。
【0055】
CPUは、信号線を介して各建物設備から稼働の開始・中断・終了、稼働モードの設定・変更の通知などを受信する。ここで、信号線を介してエネルギー管理設備から各建物設備にて消費されるエネルギー量の情報を受信する。また、これらの稼働情報を受信した際に、補助記憶装置に格納されている気象情報から各建物設備の稼働時の気象情報を抽出する処理を行う。
【0056】
さらにCPUは、取得した稼働時の時間情報及び気象情報と関連付けた稼働情報を作成又は更新する処理を行い、作成又は更新したデータを補助記憶装置の所定のアドレスに格納する。さらに、補助記憶装置に格納されている稼働情報のうち過去所定期間(例えば過去3カ月)のデータをRAMに読み出して、各建物設備・各時間・各気象条件の稼働情報に分類する処理を行い、分類された区分ごとに各建物設備が最も頻繁に取っていた稼働状態を抽出する処理を行う。分類された区分ごとに抽出された各建物設備の稼働状態のデータを、学習した消費パターンの情報として補助記憶装置の所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0057】
さらにCPUは、補助記憶装置に格納されている今後所定時間先までの気象情報と学習した消費パターンの情報をRAMに読み出す処理を行う。続いて、今後所定時間先までの気象情報から予測される消費パターンの情報を学習した消費パターンの情報から抽出し、RAMに格納する処理を行う。
【0058】
さらにCPUは、補助記憶装置に格納されている第二設備制御情報をRAMに読み出して、予測される消費パターンに関連付けられた建物設備の制御命令の情報を抽出し、RAMに格納する処理を行う。さらに、各制御命令の情報を参照し、制御命令にて指定されたタイミングにおいて対応する建物設備に対して制御命令を送信する処理を行う。制御装置から制御命令を受信した各建物設備は制御命令に従って動作処理を実行する。
【0059】
<処理の流れ>
図10は、本実施形態の建物設備の制御装置の学習処理の流れと制御処理の流れの一例を示す図である。まずステップS1001Aでは、時間情報及び気象情報と関連付けた建物設備の稼働情報を取得する(稼働情報取得ステップ)。次にステップS1002Aでは、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する(消費パターン学習ステップ)。また、ステップS1001Bでは、将来の気象情報を取得する(将来気象情報取得ステップ)。次にステップS1002Bでは、ステップS1002Aにて学習した消費パターンの情報から将来の気象情報に応じて予測される消費パターンの情報を取得する(消費パターン情報取得ステップ)。次にステップS1003Bでは、消費パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付ける情報である第二設備制御情報を取得する(第二設備制御情報取得ステップ)。次にステップS1004Bでは、予測される消費パターンの情報と第二設備制御情報に基づいて建物設備を制御する(第二制御ステップ)。
【0060】
<効果>
本実施形態の建物設備の制御装置は、将来の気象条件によって変化する消費パターンを予測して建物設備を制御することができるため、建物設備を効率的に利用することが可能になる。
【0061】
<<実施形態3>>
【0062】
<概要>
図11は、本実施形態の建物設備の制御装置の概要を示す図である。本実施形態の「建物設備の制御装置」1100は、「気象予報情報サーバ」1101や「エネルギー管理設備」1102などからの情報に基づいて、「エネルギー消費設備」1103の消費パターンや「エネルギー供給設備」1104の供給パターンを学習し、将来の気象情報と学習した消費パターン及び供給パターンの情報に応じて「エネルギー消費設備」1103や「エネルギー蓄積設備」1105などの建物設備などを制御する構成を有する。当該構成とすることにより、将来の消費パターンを見越して建物設備を制御することができ、建物設備をより効率的に利用することが可能になる。
【0063】
<構成>
図12は、本実施形態の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「制御装置」1200は、「将来気象情報取得部」1201と、「稼働情報取得部」1202と、「消費パターン学習部」1203と、「消費パターン情報保持部」1204と、「消費パターン情報取得部」1205と、「供給パターン学習部」1206と、「供給パターン情報保持部」1207と、「供給パターン情報取得部」1208と、「第三設備制御情報保持部」1209と、「第三制御部」1210と、から構成される。以下、実施形態1、2との相違点である「供給パターン学習部」と、「供給パターン情報保持部」と、「供給パターン情報取得部」と、「第三設備制御情報保持部」と、「第三制御部」について説明する。
【0064】
「供給パターン学習部」は、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備によるエネルギーの供給パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する機能を有する。また、「供給パターン情報保持部」は、学習した供給パターンの情報を保持する機能を有する。
【0065】
ここで、建物設備から供給されるエネルギーとしては、電気、熱、ガス、水が主として考えられるが、これらに限定されるものではない。また、建物設備のエネルギーの供給パターンの情報としては、例えば各エネルギー供給設備が各時間条件・各気象条件の区分の下でどれくらいのエネルギーを供給するかを示す情報などが考えられる。供給パターンは、数分や数時間のタイムスケールであってもよいし、数日、数か月のタイムスケールであってもよい。
【0066】
ここで、供給パターンの学習は、例えば図13に示す処理によって行われる。まず、ステップS1301において、取得した稼働情報を時間情報で分類する処理を行う(時間分類処理)。具体的には、取得した稼働情報を曜日(月〜日・祝日)と時間帯(30分単位)で分類する。次に、ステップS1302において、ステップS1301にて分類した稼働情報をさらに気象情報で分類する(気象分類処理)。具体的には、天候(晴れ・曇り・雨)で分類する。次に、ステップS1303において、ステップS1302にて分類した稼働情報をさらに建物の供給設備のIDで分類する(供給設備ID分類処理)。
【0067】
以上、ステップS1301〜S1303の処理により、各供給設備が各曜日・各時間帯・各天候の区分の下でどれくらいのエネルギーを供給する状況であったかを情報として抽出する。なお、上記ステップS1301〜ステップS1303の処理の順番はこれに限定されるものではなく、互いに処理の順番を入れ替えることも可能である。
【0068】
次にステップS1304において、各供給設備について各曜日・各時間帯・各天候の区分の下での平均エネルギー供給量を算出する処理を行う。以上の処理により、各供給設備から各曜日・各時間帯・各天候の区分の下で供給される平均エネルギー量の情報が生成され、供給パターン情報として供給パターン情報保持部にて保持される。
【0069】
「供給パターン情報取得部」は、取得した将来の気象情報に応じて供給パターン情報保持部から予測される供給パターンの情報を取得する機能を有する。
【0070】
供給パターン情報の取得は、例えば図14に示すような処理によって行われる。まず、ステップS1401において、取得した将来の気象情報に基づいてこの先所定時間(例えば24時間)の時間帯ごと(例えば1時間ごと)の気象情報を抽出する処理を行う。具体的には時間帯ごとの天候と気温の情報を抽出する。次に、ステップS1402において、時間帯ごとに抽出された気象情報に基づいて時間帯ごとに建物の各エネルギー供給設備から供給されると予想されるエネルギー量を決定する処理を行う。次に、ステップS1403において、時間帯ごとに供給されると予想されるエネルギー量の総和をエネルギー種別ごとに算出する処理を行う。次に、ステップS1404において、この先所定時間で供給されると予想されるエネルギー量の総和をエネルギー種別ごとに算出する処理を行う。
【0071】
「第三設備制御情報保持部」は、消費パターンの情報及び供給パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である第三設備制御情報を保持する機能を有する。また、「第三制御部」は、予測される消費パターンの情報及び供給パターンの情報と保持される第三設備制御情報に基づいて建物設備を制御する機能を有する。
【0072】
各建物設備の最適な制御方法の内容は、消費パターン及び供給パターンによって変化するものであり、各消費設備及び供給設備の種類、建物設備の居住者などによって異なってくる。第三設備制御情報はネットワークを介して所定のサーバ等から受信して追加したり、操作入力装置を介して設定・修正したりする構成が考えられる。第三制御部は、例えば所定期間先までの消費パターン及び供給パターンに応じて、現在又は所定期間先までの所定タイミングにおいて各建物設備にて実行させる動作処理のスケジュールを作成する。
【0073】
第三設備制御情報としては、電気料金の高い時間帯(例えば、午前7時〜午後11時)において消費されると予想されるエネルギー量と、エネルギー料金の安い時間帯(例えば、午後11時〜午前7時)及び高い時間帯にてエネルギー供給設備から供給されると予想されるエネルギー量と、エネルギー料金の安い時間帯及び高い時間帯において建物のエネルギー蓄積設備を制御する方法とを関連付けた情報が一例として考えられる。この場合、エネルギー蓄積設備に対する制御命令の他に、エネルギー料金の安い時間帯の情報や高い時間帯の情報などが第三設備制御情報として保持される。
【0074】
この場合、第三制御部は、消費パターンの情報及び供給パターンの情報に基づいてエネルギー料金の高い時間帯において消費されると予想されるエネルギー量とエネルギー料金の安い時間帯及び高い時間帯にて供給されると予想されるエネルギー量を算出し、エネルギー料金の高い時間帯において不足すると予想されるエネルギー量を算出する。さらに、不足すると予想されるエネルギー量をエネルギー料金の安い時間帯から商用系統を介して蓄積するようエネルギー蓄積設備を制御する。また、エネルギー供給設備から供給されるエネルギーはエネルギー消費設備にて消費し、余剰エネルギーをエネルギー蓄積設備に蓄電するようエネルギー供給設備を制御する。
【0075】
<具体的な構成>
本実施形態の建物設備の制御装置のハードウェア構成は、図4で説明した実施形態1のハードウェア構成と同様である。以下、実施形態1、2と相違する処理について説明する。
【0076】
CPUは、信号線を介して建物の各供給設備からエネルギー供給の開始・中断・終了の通知を受信する。ここで、信号線を介してエネルギー管理ユニットから建物のエネルギー供給設備から供給されるエネルギー量の情報を受信する。さらに、これらの稼働情報を受信した際に内部の時計部から現在日時などの時間情報を取得して、RAMに格納する。
【0077】
また、CPUは、上記時間情報に基づいて稼働時の気象情報を補助記憶装置からRAMに読み出す処理を行う。さらに、稼働時の時間情報と気象情報と稼働情報とを関連付けたテーブルを作成又は更新する処理を行い、当該テーブルデータを供給設備の稼働情報として補助記憶装置の所定のアドレスに格納する。
【0078】
また、CPUは、補助記憶装置に格納されている供給設備の稼働情報のうち過去所定期間(例えば過去1年間)のデータをRAMに読み出す処理を行う。さらに、各供給設備・各時間条件・各気象条件の稼働情報に分類する処理を行い、分類された区分ごとに各建物設備が最も頻繁に取っていた稼働状態を決定する処理を行う。分類された区分ごとに決定された各供給設備の稼働状態のデータを学習した供給パターンの情報として補助記憶装置の所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0079】
また、CPUは、補助記憶装置に格納されている今後所定時間先までの気象情報と学習した供給パターンの情報をRAMに読み出す処理を行う。さらに、今後所定時間先までの気象情報から予測される供給パターンの情報を学習した供給パターンの情報から抽出し、RAMに格納する処理を行う。
【0080】
さらにCPUは、補助記憶装置に格納されている第三設備制御情報をRAMに読み出して、予測される消費パターン及び供給パターンに関連付けられた建物設備の制御命令の情報を抽出し、RAMに格納する処理を行う。さらに、各制御命令の情報を参照し、制御命令にて指定されたタイミングにおいて対応する建物設備に対して制御命令を送信する処理を行う。制御装置から制御命令を受信した建物設備は制御命令に従って動作処理を実行する。
【0081】
<処理の流れ>
図15は、本実施形態の建物設備の制御装置の学習処理の流れと制御処理の流れの一例を示す図である。まずステップS1501Aでは、時間情報及び気象情報と関連付けた建物設備の稼働情報を取得する(稼働情報取得ステップ)。次にステップS1502Aでは、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する(消費パターン学習ステップ)。次にステップS1503Aでは、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの供給パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する(供給パターン学習ステップ)。
【0082】
また、ステップS1501Bでは、将来の気象情報を取得する(将来気象情報取得ステップ)。次にステップS1502Bでは、ステップS1502Aにて学習した消費パターンの情報から将来の気象情報に応じて予測される消費パターンの情報を取得する(消費パターン情報取得ステップ)。次にステップS1503Bでは、ステップS1503Aにて学習した供給パターンの情報から将来の気象情報に応じて予測される供給パターンの情報を取得する(供給パターン情報取得ステップ)。次にステップS1504Bでは、消費パターンの情報及び供給パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付ける情報である第三設備制御情報を取得する(第三設備制御情報取得ステップ)。次にステップS1505Bでは、予測される消費パターンの情報及び予測される供給パターンの情報と第三設備制御情報に基づいて建物設備を制御する(第三制御ステップ)。
【0083】
<効果>
本実施形態の建物設備の制御装置は、将来の気象条件によって変化する消費パターン及び供給パターンを予測して建物設備を制御することができるため、建物設備を効率的に利用することが可能になる。
【符号の説明】
【0084】
0200…建物設備の制御装置、0201…将来気象情報取得部、0202…設備制御情報保持部、0203…制御部、0401…CPU、0402…RAM、0403…ROM、0404…補助記憶装置、0405…通信装置、0406…表示装置、0407…操作入力装置、0408…システムバス、0700…建物設備の制御装置、0701…将来気象情報取得部、0702…稼働情報取得部、0703…消費パターン学習部、0704…消費パターン情報保持部、0705…消費パターン情報取得部、0706…第二設備制御情報保持部、0707…第二制御部、1200…建物設備の制御装置、1201…将来気象情報取得部、1202…稼働情報取得部、1203…消費パターン学習部、1204…消費パターン情報保持部、1205…消費パターン情報取得部、1206…供給パターン学習部、1207…供給パターン情報保持部、1208…供給パターン情報取得部、1209…第三設備制御情報保持部、1210…第三制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物設備の制御装置、建物設備の制御装置を備えた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅の窓の開け閉めなど建物設備の管理は建物の住人などが手動で行ってきていた。しかしながら近年、建物設備の電化に伴って建物設備を自動制御する技術が開発されてきている。
【0003】
例えば、特許文献1においては、雨量センサなどから降雨量や風速の情報を取得し、当該情報に基づいて窓部の電動シャッターを制御し、建物内への雨の降り込みを抑制する制御装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2においては、外気温センサから外気温度の情報を取得し、当該情報に基づいて特定空間の空調装置を制御し、気温環境を整える空調システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−280737
【特許文献2】特開2010−249460
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術においては、現状の気象条件に合わせて建物設備を制御するものであるため、時間経過に伴い気象条件が変動する場合、建物設備を効率的に利用しているとはいえなかった。例えば、雨が降ったり止んだりする状況において窓部の電動シャッターを上げたり下げたりするのは非効率であり、電力の浪費につながっていた。
【0007】
以上の課題を解決するために、将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を保持する設備制御情報保持部と、取得した将来の気象情報と保持されている設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する制御部と、を有する建物設備の制御装置を提案する。
【発明の効果】
【0008】
以上のような構成をとる本発明によって、将来の気象条件を見越して建物設備を稼働することができるため、建物設備をより効率的に利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態1の建物設備の制御装置の概要図
【図2】実施形態1の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図
【図3】設備制御情報の一例を示す図
【図4】実施形態1の建物設備の制御装置のハードウェア構成の一例を示す図
【図5】実施形態1の建物設備の制御装置の処理の流れの一例を示す図
【図6】実施形態2の建物設備の制御装置の概要図
【図7】実施形態2の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図
【図8】消費パターンの学習処理の流れの一例を示す図
【図9】消費パターン情報の取得処理の流れの一例を示す図
【図10】実施形態2の建物設備の制御装置の処理の流れの一例を示す図
【図11】実施形態3の建物設備の制御装置の概要図
【図12】実施形態3の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図
【図13】供給パターンの学習処理の流れの一例を示す図
【図14】供給パターン情報の取得処理の流れの一例を示す図
【図15】実施形態3の建物設備の制御装置の処理の流れの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施例を説明する。実施例と請求項の相互の関係は、以下のとおりである。実施形態1は主に請求項1、4に関し、実施形態2は主に請求項2、4に関し、実施形態3は主に請求項3、4に関する。なお、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、様々な態様で実施しうる。
【0011】
<<実施形態1>>
【0012】
<概要>
図1は、本実施形態の建物設備の制御装置の概要を示す図である。本実施形態の「建物設備の制御装置」0100は、将来の気象情報を「気象予報情報サーバ」0101等から取得し、将来の気象情報に応じて「エネルギー消費設備」0102などの建物設備を制御する構成を有する。当該構成とすることにより、将来の気象条件を見越して建物設備を稼働することができ、建物設備をより効率的に利用することが可能になる。
【0013】
<構成>
図2は、本実施形態の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の建物設備の「制御装置」0200は、「将来気象情報取得部」0201と、「設備制御情報保持部」0202と、「制御部」0203と、を有する。
【0014】
本実施形態の制御装置により制御される建物設備としては、エネルギー消費設備や、エネルギー供給設備、エネルギー蓄電設備、エネルギー管理設備などが考えられる。
【0015】
エネルギー消費設備としては、電気を消費する機器、ガスを消費する機器、熱を消費する機器、水を消費する機器などが考えられ、具体的には照明装置、空調装置、窓・ドア・ブラインド・シャッター等の開閉・施錠装置、入退室管理装置、換気装置、空気循環装置、採光装置、給湯装置、ガス暖房装置、洗濯装置、洗浄装置、散水装置などが挙げられる。
【0016】
また、エネルギー供給設備としては、電気を供給する装置、ガスを供給する装置、熱を供給する装置、水を供給する装置などが考えられ、具体的には太陽光発電装置、風力発電装置、商用電力受電装置、地熱発電装置、ガス供給装置、太陽熱供給装置、給水装置などが挙げられる。また、エネルギー蓄積設備としては、蓄電装置、ガス蓄積装置、蓄熱装置、貯水装置などが考えられる。また、エネルギー管理設備としては、エネルギーの消費・供給・蓄積の情報を管理可能な各エネルギー管理装置や、配電盤・分電盤、パワーユニットなどが考えられる。
【0017】
また、制御装置はエネルギー管理設備を制御することにより、エネルギー供給設備にて供給されるエネルギーをエネルギー消費設備やエネルギー蓄積設備に供給したり、商用系統へ逆供給したりすることを制御することが可能になる。同様に、エネルギー蓄積設備にて蓄積されているエネルギーをエネルギー消費設備に供給したり、商用系統へ逆供給したりすることを制御することが可能になる。
【0018】
「将来気象情報取得部」は、将来の気象情報を取得する機能を有する。ここで、将来の気象情報はネットワークを介して特定のサーバ等から取得することが主として考えられるが、操作入力機器を介して利用者から情報入力を受け付けることも可能である。
【0019】
将来の気象情報は、現時点から所定時間先(例えば24時間先)までの気象情報であってもよいし、数日先までの気象情報や数週間先までの気象情報であってもよい。気象情報の内容としては、降水確率・降水量、気温、湿度、日照量・日照時間、風速・風向き、降雪量、波の高さ、雷や花粉、突風の警報・注意報、など気象に関連する種々の情報が考えられる。取得した将来の気象情報は、制御装置の記憶部(RAMやフラッシュメモリ、ハードディスクなど)に格納される。また、将来の気象情報は所定時間おき(例えば、30分おき)に取得して、随時最新の情報に更新することが考えられる。
【0020】
「設備制御情報保持部」は、将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を保持する機能を有する。また、「制御部」は、取得した将来の気象情報と保持されている設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する機能を有する。
【0021】
ここで、建物設備の制御方法の内容としては、建物設備を制御して実行させるべき処理のID、処理を実行・終了させるタイミング、継続時間、処理の優先度などが考えられる。各建物設備の最適な制御方法の内容は、将来の気象情報によって変化するものであり、各建物設備の種類や各建物設備の居住者などによって異なってくる。設備制御情報はネットワークを介して所定のサーバ等から受信して追加したり、操作入力装置を介して設定・修正したりする構成が考えられる。
【0022】
制御部は、例えば所定期間先までの気象情報に応じて、現在又は所定期間先までの所定タイミングにおいて各建物設備にて実行させる動作処理のスケジュールを作成する。ここで制御部が動作処理を実行させるための制御命令を各建物設備に対して送信するタイミングは、各建物設備が動作処理を実行するタイミングの直前とすることも可能であるし、動作処理のスケジュールを作成した段階とすることも可能である。各建物設備は、制御部からの制御命令を受信して指定された動作処理を指定されたタイミングで実行することになる。
【0023】
設備制御情報としては、例えば図3に示すように今後所定時間の降水確率と窓の開閉装置の制御方法とを関連付けた情報が考えられる。具体的には、今後所定時間(例えば1時間)の降水確率が第一の基準未満(例えば30%未満)である場合は上記所定時間にわたって窓を開いた状態とし、降水確率が第一の基準以上である場合は上記所定時間にわたって窓を閉じた状態とする制御命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定時間の降水確率の情報を取得し、第一の基準未満である場合は窓の開閉装置に対して上記所定時間にわたって窓を開いた状態とするための制御命令を送信し、第一の基準以上である場合は窓の開閉装置に対して上記所定時間にわたって窓を閉じた状態とするための制御命令を送信する。窓の開閉装置は制御部から受信する制御命令に従って窓の開閉を行う。このように、先を見越して窓の開閉装置を制御することが可能であるため、雨が降ったり止んだりするような状況において雨の降り込みを最小限に抑え、かつ開閉部の駆動によって浪費される電力量を抑制できる。
【0024】
なお、上記例では降水確率に応じて窓の開閉のいずれかを選択する構成を示したが、窓をスライドさせる大きさ又は窓を開く角度を降水確率に応じて段階的に変化させる構成も考えられる。また、今後所定時間の平均的な風速と窓の開閉装置の制御方法とをさらに連付けることも考えられる。具体的には、今後所定時間の平均的な風速が第一の基準以上(例えば、5.0[m/s]以上)の場合、降水確率が所定値未満(例えば30%未満)であっても窓を閉じた状態とし、平均的な風速が第一の基準未満であり、かつ降水確率が所定値未満であれば窓を開けた状態とする。
【0025】
また、設備制御情報として、今後所定時間の気温と散水装置の単位時間当たりの散水量のレベルとを関連付けた情報も考えられる。具体的には、今後所定時間(例えば1時間)の平均気温が第一の基準以上(例えば30℃以上)で第二の基準未満(例えば35℃未満)である場合は中レベルの水量(例えば1時間に1回、5リットル)で散水を行うよう散水装置を駆動し、第二の基準以上(35℃以上)である場合は高レベルの水量(例えば1時間に2回、5リットルずつ)で散水を行うよう散水装置を駆動する制御命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定時間の気温の情報を取得し、気温の高さに応じた制御命令を散水装置に送信し、散水装置は制御部からの制御命令に従って散水を行う。なお、上記散水量のレベルの設定は、建物ごとに操作入力機器を介して行うことや、ネットワークを介して設定情報を受信することによって行うことも可能である(以下、同様である)。上記構成とすることにより、地面などが高温になる前に散水することが可能になり、より快適な環境を整えることが可能になる。
【0026】
また、設備制御情報として、今後所定時間の天気及び気温と断熱ブラインド装置の開閉とを関連付けた情報を考えられる。具体的には、今後所定時間(例えば3時間)の天気が曇り・雨であり平均気温が所定基準値未満(例えば10℃)である場合、又は日没時間帯である場合は断熱ブラインド装置を閉じた状態とし、それ以外の場合は断熱ブラインド装置を開けた状態とするよう断熱ブラインド装置を駆動する制御命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定時間の天気及び平均気温の情報を取得し、天気・平均気温に応じた制御命令を断熱ブラインド装置に送信し、断熱ブラインド装置は制御部からの制御命令に従って開閉を行う。上記構成とすることにより、特に冬季において日射が期待できない曇りや雨の場合は断熱ブラインドを閉じることで建物内部の熱が逃げるのを効率的に抑制し、日射が期待できる晴れの場合は断熱ブラインドを開けることで建物外部からの日射を取り入れることが可能になる。
【0027】
また、設備制御情報として、今後所定時間の降雪量と屋根のヒータ装置の加熱レベルとを関連付けた情報も考えられる。具体的には今後所定時間(例えば6時間)の降雪量が0cmより大きく第一の基準未満(例えば20cm未満)である場合は低レベルの加熱(例えば1時間ごとに10分間程加熱)を行うようヒータ装置を駆動し、第一の基準以上第二の基準未満(例えば40cm未満)である場合は中レベルの加熱(例えば30分間ごとに10分間加熱)を行うようヒータ装置を駆動し、第二の基準以上である場合は高レベルの加熱(例えば常時加熱)を行うようヒータ装置を駆動する制御命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定時間の予想降雪量の情報を取得し、降雪量の大きさに応じた制御命令をヒータ装置に送信し、ヒータ装置は制御部からの制御命令に従ってヒータを駆動する。上記構成とすることにより、積雪センサなどを設けなくても屋根に対する積雪を効率的に抑制することが可能になる。
【0028】
また、設備制御情報として、今後所定期間の気温と貯水装置の貯水量とを関連付けた情報も考えられる。具体的には、今後所定期間(例えば1カ月)において最高気温が所定以上(例えば35℃以上)となる日が第一の基準以上(例えば20日以上)である場合は水道料金の安い時間帯を使って高いレベルの貯水量(例えば100リットル)を維持するよう給水装置・貯水装置を制御し、第一の基準未満で第二の基準以上(例えば10日以上)である場合は水道料金の安い時間帯を使って中レベルの貯水量(例えば50リットル)を維持するよう給水装置・貯水装置を制御する命令を保持する。この場合、制御部は、将来の気象情報として今後所定期間の予想最高気温の情報を取得し、最高気温が所定以上となる日数に応じた制御命令を給水装置・貯水装置に送信し、給水装置・貯水装置は制御部からの制御命令に従って給水・貯水を行う。なお、水道料金の安い時間帯に給水を行えるように、時間帯ごとの水道料金の情報も設備制御情報として保持しておく。同様に、今後所定期間の気温の情報と蓄電装置やガス蓄積装置の蓄積量とを関連付けた設備制御情報を保持することも考えられる。
【0029】
<具体的な構成>
図4は、本実施形態の建物設備の制御装置の機能をハードウェア構成により実現した際の一例を示す図である。この図の例では、本実施形態の制御装置は、「CPU」0401と、「RAM」0402と、「ROM」0403と、「補助記憶装置」0404と、「通信装置」0405と、「表示装置」0406と、「操作入力装置」0407と、から構成される。
【0030】
ROMには、CPUにて処理を実行するためのプログラムが格納されており、必要に応じてRAMに読み出される。また、補助記憶装置には、気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報が格納されており、必要に応じてRAMに読み出される。ここで、設備制御情報には、気象情報の内容に応じて所定のタイミングで実行すべき建物設備の制御命令などの情報が含まれている。
【0031】
また、建物設備の制御装置と各建物設備は信号線を介して接続されており、建物設備の制御装置と将来の気象情報を提供するサーバ装置は通信回線を介して接続されている。建物装置の制御装置のCPUは、所定時間単位(例えば30分単位)で通信タスクを実行し、通信装置を介してサーバ装置から所定時間先まで(例えば24時間先まで)の気象情報を取得し、補助記憶装置に格納する。さらに、取得した所定時間先までの気象情報と設備制御情報をRAMに読み出して建物設備に対して送信すべき制御命令を選択し、選択した制御命令を所定のタイミングで該当する建物設備に対して送信する。制御命令を受信した各建物設備は制御命令に従って処理を実行する。
【0032】
また、制御装置は各建物設備に対して送信した制御命令の内容を示す情報を表示装置に対して送信し、表示装置は当該情報をディスプレイに対して表示出力する。さらに、制御装置は操作入力装置を介して各建物設備に対する制御方法に関する設定情報を受け付けた場合、補助記憶装置に格納されている設備制御情報をRAMに読み出して、情報の追加又は変更する処理を行う。
【0033】
<処理の流れ>
図5は、本実施形態の建物設備の制御装置の処理の流れを示した図である。まずステップS0501において、将来の気象情報を取得する(将来気象情報取得ステップ)。次にステップS0502において、将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を取得する(設備制御情報取得ステップ)。次にステップS0503において、取得した将来の気象情報と設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する(制御ステップ)。
【0034】
<効果>
本実施形態の建物設備の制御装置により、将来の気象条件を見越して建物設備を制御することができるため、建物設備を効率的に利用することが可能になる。
【0035】
<<実施形態2>>
【0036】
<概要>
図6は、本実施形態の建物設備の制御装置の概要を示す図である。本実施形態の「建物設備の制御装置」0600は、「気象予報情報サーバ」0601や「エネルギー管理設備」0602などからの情報に基づいて、「エネルギー消費設備」0603の消費パターンを学習し、将来の気象情報と学習した消費パターンの情報に応じて「エネルギー消費設備」0603や「エネルギー蓄積設備」0604などの建物設備を制御する構成を有する。当該構成とすることにより、将来の消費パターンを見越して建物設備を制御することができ、建物設備をより効率的に利用することが可能になる。
【0037】
<構成>
図7は、本実施形態の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「建物設備の制御装置」0700は、「将来気象情報取得部」0701と、「稼働情報取得部」0702と、「消費パターン学習部」0703と、「消費パターン情報保持部」0704と、「消費パターン情報取得部」0705と、「第二設備制御情報保持部」0706と、「第二制御部」0707と、を有する。以下、実施形態1との相違点である「稼働情報取得部」と、「消費パターン学習部」と、「消費パターン情報保持部」と、「消費パターン情報取得部」と、「第二設備制御情報保持部」と、「第二制御部」について説明する。
【0038】
「稼働情報取得部」は、時間情報及び気象情報と関連付けた建設設備の稼働情報を取得する機能を有する。具体的には、稼働情報取得部は、建物設備の稼働時の時間情報及び稼働時の気象情報を取得して建物設備の稼働情報と関連付ける機能を有する。
【0039】
ここで、稼働時の時間情報としては、稼働時の時間帯、曜日、季節、年度などが考えられる。また、稼働時の時間情報は制御装置の内部の時計部から取得する構成が主として考えられるが、ネットワークを介して取得する構成も可能である。稼働時の気象情報は、将来気象情報取得部にて取得した気象情報から抽出することも可能であるし、ネットワークを介して特定のサーバ等から別に取得することも可能である。
【0040】
稼働情報としては、例えば各時間帯で稼働された建物設備のID、各建物設備の稼働モード、稼働時間、消費エネルギーなどの情報が挙げられる。稼働情報は、気象条件(温度、湿度、降水量、日照量など)や時間情報(時間帯、曜日、季節、年度など)に応じて変化するものであり、建物の居住者、人数などによって異なってくるものである。
【0041】
なお、各建物設備の消費エネルギーなどの稼働情報は、建物設備から直接的に取得することも可能であるし、建物設備のエネルギーの消費・供給・蓄積などの情報を時間情報と関連付けて管理可能なエネルギー管理装置から取得することも可能である。
【0042】
「消費パターン学習部」は、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する機能を有する。また、「消費パターン情報保持部」は、学習した消費パターンの情報を保持する機能を有する。
【0043】
建物設備にて消費されるエネルギーとしては、電気、ガス、熱、水が主として考えられるが、これらに限定されるものではない。また、建物設備のエネルギーの消費パターンの情報としては、例えば各建物設備が各時間条件・各気象条件の区分の下でいかなる稼働状態となるかを示す情報などが考えられる。消費パターンは、数分や数時間のタイムスケールであってもよいし、数日、数か月のタイムスケールであってもよい。
【0044】
消費パターンの学習は、例えば図8に示す処理によって行われる。まず、ステップS0801において、取得した稼働情報を時間情報で分類する処理を行う(時間分類処理)。具体的には、取得した稼働情報を曜日(月〜日・祝日)と時間帯(30分単位)で分類する。次に、ステップS0802において、ステップS0801にて分類した稼働情報をさらに気象情報で分類する(気象分類処理)。具体的には、天候(晴れ・曇り・雨)と気温(5℃幅)で分類する。次に、ステップS0803において、ステップS0802にて分類した稼働情報をさらにエネルギーの消費設備などの建物設備のIDで分類する(設備ID分類処理)。
【0045】
以上、ステップS0801〜S0803の処理により、各建物設備が各曜日・各時間帯・各天候の区分の下でいかなる稼働状態であったかを抽出することが可能になる。なお、上記ステップS0801〜ステップS0803の処理の順番はこれに限定されるものではなく、互いに処理の順番を入れ替えることも可能である。
【0046】
次に、ステップS0804において、各建物設備について各曜日・各時間帯・各天候の区分の下での代表的な稼働状態を抽出する処理を行う(代表的状態抽出処理)。具体的には、最も選択される可能性が高い設定モード(過去所定期間内で最も選択された回数が多い設定モードや、最近に選択された設定モードなど)を決定する処理を行ったり、平均稼働時間、平均消費エネルギーなどを算出する処理を行ったりする。以上の処理により、各建物設備について各曜日・各時間帯・各天候の区分の下での代表的な稼働状態を示す消費パターン情報が生成され、消費パターン情報保持部にて保持されることになる。
【0047】
建物設備のエネルギーの消費パターンの学習は、定期的に決まったスケジュールで行うことも可能であるし、各建物設備の稼働情報が更新された段階にて行うことも可能である。学習した消費パターンの情報は、消費パターン情報保持部にて保持すると同時に、特定の情報管理サーバに送信する構成とすることも可能である。複数の建物から消費パターンの情報を受信した特定の情報管理サーバは、消費パターンの情報に応じたリコメンド情報を記憶部から取得し、当該リコメンド情報を各建物に対して送信する構成とすることが考えられる。
【0048】
「消費パターン情報取得部」は、取得した将来の気象情報に応じて消費パターン情報保持部から予測される消費パターンの情報を取得する機能を有する。
【0049】
消費パターン情報の取得は、例えば図9に示すような処理によって行われる。まず、ステップS0901において、取得した将来の気象情報に基づいてこの先所定時間(例えば、24時間)の時間帯ごと(例えば1時間ごと)の気象情報を抽出する処理を行う。具体的には上記所定時間の時間帯ごとの天候と気温の情報を抽出する。次に、ステップS0902において、時間帯ごとに抽出された気象情報に基づいてその時間帯ごとに稼働されると予想される建物設備のID、代表的な設定モード、平均消費エネルギーを抽出する処理を行う。次に、ステップS0903において、時間帯ごとに消費されると予想されるエネルギー量の総和をエネルギー種別ごとに算出する処理を行う。次に、ステップS0904において、上記所定時間で消費されると予想されるエネルギー量の総和をエネルギー種別ごとに算出する処理を行う。
【0050】
「第二設備制御情報保持部」は、消費パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である第二設備制御情報を保持する機能を有する。また、「第二制御部」は、予測される消費パターンの情報と保持される第二設備制御情報に基づいて建物設備を制御する機能を有する。
【0051】
各建物設備の最適な制御方法の内容は、消費パターンによって変化するものであり、各建物設備の種類、建物設備の居住者などによって異なってくる。第二設備制御情報はネットワークを介して所定のサーバ等から受信して追加したり、操作入力装置を介して設定・修正したりする構成が考えられる。第二制御部は、例えば所定期間先までの消費パターンに応じて、現在又は所定期間先までの所定タイミングにおいて各建物設備にて実行させる動作処理のスケジュールを作成する。
【0052】
第二設備制御情報として、エネルギー料金の高い時間帯(例えば午前7時〜午後23時)において消費されると予想されるエネルギー量と、建物のエネルギー蓄積設備の制御方法とを関連付けた情報が一例として考えられる。この場合、エネルギー蓄積設備の制御命令の他に、エネルギー料金の高い時間帯の情報や、安い時間帯の情報などが第二設備制御情報として保持される。
【0053】
この場合、第二制御部は、消費パターンの情報に基づいてエネルギー料金の高い時間帯において消費されると予想されるエネルギー量を取得し、エネルギー料金の安い時間帯から商用系統を介して当該エネルギー量又はその一部を蓄積するようエネルギー蓄積設備を制御する。さらに、第二制御部はエネルギー料金の高い時間帯になった場合においてエネルギー蓄積設備に蓄積されたエネルギーをエネルギー消費設備が消費可能なようにエネルギー蓄積設備を制御する。
【0054】
<具体的な構成>
本実施形態の建物設備の制御装置のハードウェア構成は、図4で説明した実施形態1のハードウェア構成と同様である。以下、実施形態1と相違する処理について説明する。
【0055】
CPUは、信号線を介して各建物設備から稼働の開始・中断・終了、稼働モードの設定・変更の通知などを受信する。ここで、信号線を介してエネルギー管理設備から各建物設備にて消費されるエネルギー量の情報を受信する。また、これらの稼働情報を受信した際に、補助記憶装置に格納されている気象情報から各建物設備の稼働時の気象情報を抽出する処理を行う。
【0056】
さらにCPUは、取得した稼働時の時間情報及び気象情報と関連付けた稼働情報を作成又は更新する処理を行い、作成又は更新したデータを補助記憶装置の所定のアドレスに格納する。さらに、補助記憶装置に格納されている稼働情報のうち過去所定期間(例えば過去3カ月)のデータをRAMに読み出して、各建物設備・各時間・各気象条件の稼働情報に分類する処理を行い、分類された区分ごとに各建物設備が最も頻繁に取っていた稼働状態を抽出する処理を行う。分類された区分ごとに抽出された各建物設備の稼働状態のデータを、学習した消費パターンの情報として補助記憶装置の所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0057】
さらにCPUは、補助記憶装置に格納されている今後所定時間先までの気象情報と学習した消費パターンの情報をRAMに読み出す処理を行う。続いて、今後所定時間先までの気象情報から予測される消費パターンの情報を学習した消費パターンの情報から抽出し、RAMに格納する処理を行う。
【0058】
さらにCPUは、補助記憶装置に格納されている第二設備制御情報をRAMに読み出して、予測される消費パターンに関連付けられた建物設備の制御命令の情報を抽出し、RAMに格納する処理を行う。さらに、各制御命令の情報を参照し、制御命令にて指定されたタイミングにおいて対応する建物設備に対して制御命令を送信する処理を行う。制御装置から制御命令を受信した各建物設備は制御命令に従って動作処理を実行する。
【0059】
<処理の流れ>
図10は、本実施形態の建物設備の制御装置の学習処理の流れと制御処理の流れの一例を示す図である。まずステップS1001Aでは、時間情報及び気象情報と関連付けた建物設備の稼働情報を取得する(稼働情報取得ステップ)。次にステップS1002Aでは、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する(消費パターン学習ステップ)。また、ステップS1001Bでは、将来の気象情報を取得する(将来気象情報取得ステップ)。次にステップS1002Bでは、ステップS1002Aにて学習した消費パターンの情報から将来の気象情報に応じて予測される消費パターンの情報を取得する(消費パターン情報取得ステップ)。次にステップS1003Bでは、消費パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付ける情報である第二設備制御情報を取得する(第二設備制御情報取得ステップ)。次にステップS1004Bでは、予測される消費パターンの情報と第二設備制御情報に基づいて建物設備を制御する(第二制御ステップ)。
【0060】
<効果>
本実施形態の建物設備の制御装置は、将来の気象条件によって変化する消費パターンを予測して建物設備を制御することができるため、建物設備を効率的に利用することが可能になる。
【0061】
<<実施形態3>>
【0062】
<概要>
図11は、本実施形態の建物設備の制御装置の概要を示す図である。本実施形態の「建物設備の制御装置」1100は、「気象予報情報サーバ」1101や「エネルギー管理設備」1102などからの情報に基づいて、「エネルギー消費設備」1103の消費パターンや「エネルギー供給設備」1104の供給パターンを学習し、将来の気象情報と学習した消費パターン及び供給パターンの情報に応じて「エネルギー消費設備」1103や「エネルギー蓄積設備」1105などの建物設備などを制御する構成を有する。当該構成とすることにより、将来の消費パターンを見越して建物設備を制御することができ、建物設備をより効率的に利用することが可能になる。
【0063】
<構成>
図12は、本実施形態の建物設備の制御装置の機能ブロックの一例を示す図である。この図にあるように、本実施形態の「制御装置」1200は、「将来気象情報取得部」1201と、「稼働情報取得部」1202と、「消費パターン学習部」1203と、「消費パターン情報保持部」1204と、「消費パターン情報取得部」1205と、「供給パターン学習部」1206と、「供給パターン情報保持部」1207と、「供給パターン情報取得部」1208と、「第三設備制御情報保持部」1209と、「第三制御部」1210と、から構成される。以下、実施形態1、2との相違点である「供給パターン学習部」と、「供給パターン情報保持部」と、「供給パターン情報取得部」と、「第三設備制御情報保持部」と、「第三制御部」について説明する。
【0064】
「供給パターン学習部」は、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備によるエネルギーの供給パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する機能を有する。また、「供給パターン情報保持部」は、学習した供給パターンの情報を保持する機能を有する。
【0065】
ここで、建物設備から供給されるエネルギーとしては、電気、熱、ガス、水が主として考えられるが、これらに限定されるものではない。また、建物設備のエネルギーの供給パターンの情報としては、例えば各エネルギー供給設備が各時間条件・各気象条件の区分の下でどれくらいのエネルギーを供給するかを示す情報などが考えられる。供給パターンは、数分や数時間のタイムスケールであってもよいし、数日、数か月のタイムスケールであってもよい。
【0066】
ここで、供給パターンの学習は、例えば図13に示す処理によって行われる。まず、ステップS1301において、取得した稼働情報を時間情報で分類する処理を行う(時間分類処理)。具体的には、取得した稼働情報を曜日(月〜日・祝日)と時間帯(30分単位)で分類する。次に、ステップS1302において、ステップS1301にて分類した稼働情報をさらに気象情報で分類する(気象分類処理)。具体的には、天候(晴れ・曇り・雨)で分類する。次に、ステップS1303において、ステップS1302にて分類した稼働情報をさらに建物の供給設備のIDで分類する(供給設備ID分類処理)。
【0067】
以上、ステップS1301〜S1303の処理により、各供給設備が各曜日・各時間帯・各天候の区分の下でどれくらいのエネルギーを供給する状況であったかを情報として抽出する。なお、上記ステップS1301〜ステップS1303の処理の順番はこれに限定されるものではなく、互いに処理の順番を入れ替えることも可能である。
【0068】
次にステップS1304において、各供給設備について各曜日・各時間帯・各天候の区分の下での平均エネルギー供給量を算出する処理を行う。以上の処理により、各供給設備から各曜日・各時間帯・各天候の区分の下で供給される平均エネルギー量の情報が生成され、供給パターン情報として供給パターン情報保持部にて保持される。
【0069】
「供給パターン情報取得部」は、取得した将来の気象情報に応じて供給パターン情報保持部から予測される供給パターンの情報を取得する機能を有する。
【0070】
供給パターン情報の取得は、例えば図14に示すような処理によって行われる。まず、ステップS1401において、取得した将来の気象情報に基づいてこの先所定時間(例えば24時間)の時間帯ごと(例えば1時間ごと)の気象情報を抽出する処理を行う。具体的には時間帯ごとの天候と気温の情報を抽出する。次に、ステップS1402において、時間帯ごとに抽出された気象情報に基づいて時間帯ごとに建物の各エネルギー供給設備から供給されると予想されるエネルギー量を決定する処理を行う。次に、ステップS1403において、時間帯ごとに供給されると予想されるエネルギー量の総和をエネルギー種別ごとに算出する処理を行う。次に、ステップS1404において、この先所定時間で供給されると予想されるエネルギー量の総和をエネルギー種別ごとに算出する処理を行う。
【0071】
「第三設備制御情報保持部」は、消費パターンの情報及び供給パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である第三設備制御情報を保持する機能を有する。また、「第三制御部」は、予測される消費パターンの情報及び供給パターンの情報と保持される第三設備制御情報に基づいて建物設備を制御する機能を有する。
【0072】
各建物設備の最適な制御方法の内容は、消費パターン及び供給パターンによって変化するものであり、各消費設備及び供給設備の種類、建物設備の居住者などによって異なってくる。第三設備制御情報はネットワークを介して所定のサーバ等から受信して追加したり、操作入力装置を介して設定・修正したりする構成が考えられる。第三制御部は、例えば所定期間先までの消費パターン及び供給パターンに応じて、現在又は所定期間先までの所定タイミングにおいて各建物設備にて実行させる動作処理のスケジュールを作成する。
【0073】
第三設備制御情報としては、電気料金の高い時間帯(例えば、午前7時〜午後11時)において消費されると予想されるエネルギー量と、エネルギー料金の安い時間帯(例えば、午後11時〜午前7時)及び高い時間帯にてエネルギー供給設備から供給されると予想されるエネルギー量と、エネルギー料金の安い時間帯及び高い時間帯において建物のエネルギー蓄積設備を制御する方法とを関連付けた情報が一例として考えられる。この場合、エネルギー蓄積設備に対する制御命令の他に、エネルギー料金の安い時間帯の情報や高い時間帯の情報などが第三設備制御情報として保持される。
【0074】
この場合、第三制御部は、消費パターンの情報及び供給パターンの情報に基づいてエネルギー料金の高い時間帯において消費されると予想されるエネルギー量とエネルギー料金の安い時間帯及び高い時間帯にて供給されると予想されるエネルギー量を算出し、エネルギー料金の高い時間帯において不足すると予想されるエネルギー量を算出する。さらに、不足すると予想されるエネルギー量をエネルギー料金の安い時間帯から商用系統を介して蓄積するようエネルギー蓄積設備を制御する。また、エネルギー供給設備から供給されるエネルギーはエネルギー消費設備にて消費し、余剰エネルギーをエネルギー蓄積設備に蓄電するようエネルギー供給設備を制御する。
【0075】
<具体的な構成>
本実施形態の建物設備の制御装置のハードウェア構成は、図4で説明した実施形態1のハードウェア構成と同様である。以下、実施形態1、2と相違する処理について説明する。
【0076】
CPUは、信号線を介して建物の各供給設備からエネルギー供給の開始・中断・終了の通知を受信する。ここで、信号線を介してエネルギー管理ユニットから建物のエネルギー供給設備から供給されるエネルギー量の情報を受信する。さらに、これらの稼働情報を受信した際に内部の時計部から現在日時などの時間情報を取得して、RAMに格納する。
【0077】
また、CPUは、上記時間情報に基づいて稼働時の気象情報を補助記憶装置からRAMに読み出す処理を行う。さらに、稼働時の時間情報と気象情報と稼働情報とを関連付けたテーブルを作成又は更新する処理を行い、当該テーブルデータを供給設備の稼働情報として補助記憶装置の所定のアドレスに格納する。
【0078】
また、CPUは、補助記憶装置に格納されている供給設備の稼働情報のうち過去所定期間(例えば過去1年間)のデータをRAMに読み出す処理を行う。さらに、各供給設備・各時間条件・各気象条件の稼働情報に分類する処理を行い、分類された区分ごとに各建物設備が最も頻繁に取っていた稼働状態を決定する処理を行う。分類された区分ごとに決定された各供給設備の稼働状態のデータを学習した供給パターンの情報として補助記憶装置の所定のアドレスに格納する処理を行う。
【0079】
また、CPUは、補助記憶装置に格納されている今後所定時間先までの気象情報と学習した供給パターンの情報をRAMに読み出す処理を行う。さらに、今後所定時間先までの気象情報から予測される供給パターンの情報を学習した供給パターンの情報から抽出し、RAMに格納する処理を行う。
【0080】
さらにCPUは、補助記憶装置に格納されている第三設備制御情報をRAMに読み出して、予測される消費パターン及び供給パターンに関連付けられた建物設備の制御命令の情報を抽出し、RAMに格納する処理を行う。さらに、各制御命令の情報を参照し、制御命令にて指定されたタイミングにおいて対応する建物設備に対して制御命令を送信する処理を行う。制御装置から制御命令を受信した建物設備は制御命令に従って動作処理を実行する。
【0081】
<処理の流れ>
図15は、本実施形態の建物設備の制御装置の学習処理の流れと制御処理の流れの一例を示す図である。まずステップS1501Aでは、時間情報及び気象情報と関連付けた建物設備の稼働情報を取得する(稼働情報取得ステップ)。次にステップS1502Aでは、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する(消費パターン学習ステップ)。次にステップS1503Aでは、時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの供給パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する(供給パターン学習ステップ)。
【0082】
また、ステップS1501Bでは、将来の気象情報を取得する(将来気象情報取得ステップ)。次にステップS1502Bでは、ステップS1502Aにて学習した消費パターンの情報から将来の気象情報に応じて予測される消費パターンの情報を取得する(消費パターン情報取得ステップ)。次にステップS1503Bでは、ステップS1503Aにて学習した供給パターンの情報から将来の気象情報に応じて予測される供給パターンの情報を取得する(供給パターン情報取得ステップ)。次にステップS1504Bでは、消費パターンの情報及び供給パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付ける情報である第三設備制御情報を取得する(第三設備制御情報取得ステップ)。次にステップS1505Bでは、予測される消費パターンの情報及び予測される供給パターンの情報と第三設備制御情報に基づいて建物設備を制御する(第三制御ステップ)。
【0083】
<効果>
本実施形態の建物設備の制御装置は、将来の気象条件によって変化する消費パターン及び供給パターンを予測して建物設備を制御することができるため、建物設備を効率的に利用することが可能になる。
【符号の説明】
【0084】
0200…建物設備の制御装置、0201…将来気象情報取得部、0202…設備制御情報保持部、0203…制御部、0401…CPU、0402…RAM、0403…ROM、0404…補助記憶装置、0405…通信装置、0406…表示装置、0407…操作入力装置、0408…システムバス、0700…建物設備の制御装置、0701…将来気象情報取得部、0702…稼働情報取得部、0703…消費パターン学習部、0704…消費パターン情報保持部、0705…消費パターン情報取得部、0706…第二設備制御情報保持部、0707…第二制御部、1200…建物設備の制御装置、1201…将来気象情報取得部、1202…稼働情報取得部、1203…消費パターン学習部、1204…消費パターン情報保持部、1205…消費パターン情報取得部、1206…供給パターン学習部、1207…供給パターン情報保持部、1208…供給パターン情報取得部、1209…第三設備制御情報保持部、1210…第三制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、
将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を保持する設備制御情報保持部と、
取得した将来の気象情報と保持されている設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する制御部と、
を有する建物設備の制御装置。
【請求項2】
将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、
時間情報及び気象情報と関連付けた建設設備の稼働情報を取得する稼働情報取得部と、
時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する消費パターン学習部と、
学習した消費パターンの情報を保持する消費パターン情報保持部と、
取得した将来の気象情報に応じて消費パターン情報保持部から予測される消費パターンの情報を取得する消費パターン情報取得部と、
消費パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である第二設備制御情報を保持する第二設備制御情報保持部と、
予測される消費パターンの情報と保持される第二設備制御情報に基づいて建物設備を制御する第二制御部と、
を有する建物設備の制御装置。
【請求項3】
将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、
時間情報及び気象情報と関連付けた建物設備の稼働情報を取得する稼働情報取得部と、
時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する消費パターン学習部と、
学習した消費パターンの情報を保持する消費パターン情報保持部と、
取得した将来の気象情報に応じて消費パターン情報保持部から予測される消費パターンの情報を取得する消費パターン情報取得部と、
時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備によるエネルギーの供給パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する供給パターン学習部と、
学習した供給パターンの情報を保持する供給パターン情報保持部と、
取得した将来の気象情報に応じて供給パターン情報保持部から予測される供給パターンの情報を取得する供給パターン情報取得部と、
消費パターンの情報及び供給パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である第三設備制御情報を保持する第三設備制御情報保持部と、
予測される消費パターンの情報及び供給パターンの情報と保持される第三設備制御情報に基づいて建物設備を制御する第三制御部と、
を有する建物設備の制御装置。
【請求項4】
建物設備と、請求項1から3に記載の建物設備の制御装置とを備えた建物。
【請求項1】
将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、
将来の気象情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である設備制御情報を保持する設備制御情報保持部と、
取得した将来の気象情報と保持されている設備制御情報とに基づいて建物設備を制御する制御部と、
を有する建物設備の制御装置。
【請求項2】
将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、
時間情報及び気象情報と関連付けた建設設備の稼働情報を取得する稼働情報取得部と、
時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する消費パターン学習部と、
学習した消費パターンの情報を保持する消費パターン情報保持部と、
取得した将来の気象情報に応じて消費パターン情報保持部から予測される消費パターンの情報を取得する消費パターン情報取得部と、
消費パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である第二設備制御情報を保持する第二設備制御情報保持部と、
予測される消費パターンの情報と保持される第二設備制御情報に基づいて建物設備を制御する第二制御部と、
を有する建物設備の制御装置。
【請求項3】
将来の気象情報を取得する将来気象情報取得部と、
時間情報及び気象情報と関連付けた建物設備の稼働情報を取得する稼働情報取得部と、
時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備のエネルギーの消費パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する消費パターン学習部と、
学習した消費パターンの情報を保持する消費パターン情報保持部と、
取得した将来の気象情報に応じて消費パターン情報保持部から予測される消費パターンの情報を取得する消費パターン情報取得部と、
時間情報及び気象情報との関係で示す建物設備によるエネルギーの供給パターンを、取得した稼働情報に基づいて学習する供給パターン学習部と、
学習した供給パターンの情報を保持する供給パターン情報保持部と、
取得した将来の気象情報に応じて供給パターン情報保持部から予測される供給パターンの情報を取得する供給パターン情報取得部と、
消費パターンの情報及び供給パターンの情報と建物設備の制御方法とを関連付けた情報である第三設備制御情報を保持する第三設備制御情報保持部と、
予測される消費パターンの情報及び供給パターンの情報と保持される第三設備制御情報に基づいて建物設備を制御する第三制御部と、
を有する建物設備の制御装置。
【請求項4】
建物設備と、請求項1から3に記載の建物設備の制御装置とを備えた建物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−145992(P2012−145992A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1643(P2011−1643)
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】
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