建物
【目的】 パネル構成の壁体を有する建物において、準備が簡単で搬送が容易で組立性にすぐれた壁体及びこの壁体で構成された建物を提供する。
【構成】 壁パネル1a〜1gを回転機構1Aで順次連結する。展開状態では面状(平面状、曲面に沿った多角形状)となる。回転機構1Aを中心にして隣接するパネルを交互に反対方向に回動すると蛇腹状となる。これを縮めて行くと壁パネル1a〜1gは順次重なって行く。壁パネル1a〜1gを重ねた状態で建設現場へ搬送する。建設現場では壁パネル1a〜1gを展開するだけで一壁体が出来る。
【構成】 壁パネル1a〜1gを回転機構1Aで順次連結する。展開状態では面状(平面状、曲面に沿った多角形状)となる。回転機構1Aを中心にして隣接するパネルを交互に反対方向に回動すると蛇腹状となる。これを縮めて行くと壁パネル1a〜1gは順次重なって行く。壁パネル1a〜1gを重ねた状態で建設現場へ搬送する。建設現場では壁パネル1a〜1gを展開するだけで一壁体が出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は建物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の壁体としては、柱、梁等の横架材を組み立てて躯体とし、二本の柱と二本の柱の上下をとおる横架材間の方形の空間に、方形状の板材を嵌め込み壁面を構成する壁パネルがある。
【0003】
また、柱、梁等の横架材を組み立てて躯体とし、外部側より単体の外壁パネルの竪方向の両縁を順次隣接する柱の外側に固定する。そして、内部側より単体の内壁パネルの竪方向の両縁を順次隣接する柱の内側に固定することにより、各隣接する柱間に単体の内外壁パネルを固定して内外壁を構成する壁パネルがある。また、複数壁パネルを建築現場で立設して、隣接する壁パネルを剛結して躯体として耐力壁を構成する。そして、耐力壁のみで躯体とするもの、耐力壁と条鋼材よりなる躯体を併せて強度を保つ建物がある。
【0004】
このような壁パネルは周知されており単体の壁パネルを水平状態に重ねて減容状態とし、建築現場に搬送し、建築現場で組立てている。ただし、大型の壁パネルは立てた状態に保持してトラック等で搬送している。
上述した壁パネルは工場生産し、建築現場に搬送され、組立てられる点は共通している。
【0005】
現場作業が短縮される従来技術として、特開2009−155814号公報に開示されている発明がある。これによると、台所、トイレ、浴室等の機能を有する設備建物ユニットと、居住空間建物ユニットにより組立てられている。設備建物ユニットは海上コンテナが用いられている。
前記設備建物ユニットといえども人の居住性を考え、最低限必要な広さがあり、一体型ユニットなので、小さくするのに限界があった。
【0006】
特に建設現場に最終的に搬送するのは車両になるが、車両が大型でなければならず、建設現場までの道路も広い幅の道路でなければならないので、建設できる場所が限られていた。
また、特開平10−121649号公報に開示されている発明がある。これによると、パネルにより組立てられるので適宜な大きさの荷姿にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許文献1 特開2009−155814
特許文献2 特開平10−121649
【非特許文献】
【0008】
なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特開2009−155814号公報によれば、建物ユニットは室内の設備も含めて工場生産されるため、建築現場での工数は少ない。しかし、前述したように、建設場所、搬送に問題がある。
【0010】
従来の壁パネルを重ねて建築現場へ搬送して組立てる構成の建物では、その建物の仕様に合せて種類の異なる壁パネルを準備する必要がある。壁パネルは一般に高さは同一であるが幅に数種類があるものもある。そして、窓を有する壁パネル、出入口を有する壁パネル、壁のみの耐力壁パネルがある。このように複数の幅、仕様の異なる壁パネルを建物の仕様に合せて選択して準備するのに多くの時間がかかる。
【0011】
そして、建築現場まで搬送された壁パネルは荷卸後、設計図を斟酌して一枚づつ選択して組立てなければならなかったので、建設コストが嵩んだ。小規模工事では作業員が建設現場まで遠方から通って組立てたりする。そこで、単体の壁パネルは工場生産であるけれども組立てる現場は壁パネルでもって建物を構成するのに最適な条件下ではないので、効率が低下し、コストが上っていた。
本発明は準備が簡単で搬送性、特段に組立て性のすぐれた建物の壁体及び建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は複数の壁パネルを連設して設ける壁体を有する建物ににおいて、
複数の壁パネルと、
隣接する壁パネルの竪方向の縁を互いに連結して、隣接する壁パネルを蛇腹状に重ねた位置と面状に展開可能とした位置とをとることを可能にした回転機構と、
を有する壁体を有することを特徴とする建物である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、壁体を構成する複数の壁パネルを折り畳め、搬送手段、例えば、自動車や列車、航空機、船舶の大きさや搭載制限規約に係わらず搬送でき、更には現地では折り畳んだ状態から展開するだけなので建物として組立て作業が効率的に行えるようになる。
又本発明によれば、幅の広い壁体であっても少なくとも壁体よりも幅の小さいパネルとして折り畳めるので、より大きな建物を効率よく建築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】建物を示す斜視図である。
【図2】建物の正面に用いられる壁体の正面図である。
【図3】壁体の組立て、収納過程を示す平面図である。
【図4】壁体の収納状態を示す壁体の端面側より見る平面図である。
【図5】耐力パネルの内部を示す斜視図ある。
【図6】耐力パネルの組立を示す斜視図である。
【図7】回転機構を含む壁パネルの組立状態での水平断面図である。
【図8】回転機構の一部断面で示す正面図である。
【図9】回転機構の上部を示す正面図である。
【図10】壁パネルを折り畳んで平置した状態における回転機構の縦断面図である。
【図11】壁パネルの他の実施例の壁面に対して直角な断面図である。
【図12】壁パネルの他の実施例の壁面に対して直角な断面図である。
【図13】床パネルの縦断面図である。
【図14】床パネルの縦断面図である。
【図15】回転機構の他の実施例の水平断面図である。
【図16】回転機構の他の実施例の平面図である。
【図17】搬送コンテナの斜視図である。
【図18】壁体の平面図である。
【図19】回転機構の実施例2を用いた壁体の平面図である。
【図20】耐力壁とした壁体の縦断面図である。
【実施例】
【0015】
以下、図面に従って本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
図1は実施例1を示す建物である。
【0016】
正面壁1、右側壁2、陸屋根3、左側壁4(不図示)、裏側壁5(不図示)、床6(不図示)の六面体構造に係る、店舗、事務所、住宅、倉庫等の何れか1つの建物である。
[壁体]
図2は壁体である正面壁1のみを外部より見た正面図である。
【0017】
正面壁1は複数の壁パネル(以下、パネルという)1a〜1gからなる。これらのパネル1a〜1gは、耐力パネル1a、1c、1e、1gと、採光、換気等の目的で窓が設けられた窓用パネル1b、1dと、人が出入りするための扉または引戸が設けられた出入戸用パネル1fとからなる。
【0018】
耐力パネル1a、1c、1e、1gは、後述のように建物の壁体として組立てられた場合に建物(壁や屋根)の重さ、強風及び地震に耐えられる以上の強度を持たせるものである。
【0019】
図5、図6に耐力パネルの例がある。耐力パネル1aのフレーム1a−1は図6に示すように竪枠1a−1bと横枠1a−1cで四方組されている。パネル1aは、例えばスチール製のフレーム1a−1には、まず筋交い1a−3が例えば図5のようにフレーム1a−1の四隅の対角上に交差するように設けられる(図5ではフレーム1a−1は図略、図6では筋交いは図略)。そしてフレーム1a−1両面の開口1a−1aにスチール板1a−2を夫々嵌め込み、両者をねじ止め、または溶接で固定する。
フレーム1a−1は図6、図7に示すように断面半円形の条鋼材の堅枠1a−1bと断面溝型鋼形の条鋼材の横枠1a−1cを構成材としている。
【0020】
フレーム1a−1は竪枠1a−1bと横枠1a−1cをこれらの溝が開口1a−1aに望むようにして四方組みされて溶接で一体にされている。そこでフレーム1a−1の内側の縁で構成される開口1a−1aにこの開口1a−1aと同寸のスチール板1a−2を嵌め込む。フレーム1a−1の内側の縁から開口1a−1a内に向って不図示のブラケットを突出して設けてある。このブラケットはフレーム1a−1の内側面に溶着されている。フレーム1a−1とスチール板1a−2の構成材の板厚は等しい。従ってスチール板1a−2をフレーム1a−1の開口に嵌め込むとスチール板1a−2とフレーム1a−1の内外側面は夫々一平面となる。スチール板1a−2をフレーム1a−1にねじ止めするには図示されないスチール板1a−2の穴を挿通して前記ブラケットに設けためねじにねじ込む。スチール板1a−2をフレーム1a−1に溶接する場合も、前記ブラケットは作業上必要である。
【0021】
フレーム1a−1、両面のスチール板1a−2間の空間に発泡性ウレタン材を注入し、パネル内の空間は発泡ウレタンで充満することになる。発泡ウレタンの注入はフレーム1a−1に外部と前記空間を通ずる穴を設け、この穴から注入する。
この発泡ウレタンにより耐力パネル1a,1c,1e,1gの断熱効果を奏することができるようになる。
【0022】
別の例としては、上記実施例に対して、フレーム1a−1の1面にスチール板1a−2を固定し、他面にスチール板1a−2を固定する前に、発泡ウレタンではなく、グラスウール等の断熱材を耐力パネル内に配置してから該他面にスチール板1a−2を張り付け閉じることにより製造されるものであってもよい。なお、グラスウールの型崩れが起きて、下の方にグラスウール等の断熱材が偏ってしまう場合には、断熱材をシール、または糊等の粘着材で固定してもよく、小ねじ等を適宜箇所にねじ込んで止めてもよい。
【0023】
図1において窓用パネル1b,1dは耐力パネル1a,1c,1e,1gにおいて筋交いのない構成であって、四方組されたフレーム1a−1には内部に横桟(図示されない)が設けてある。両面のスチール板1a−2が窓の形状に合せて開口部を有し、その開口部にはガラス窓を取り付ける。そこで、該開口部にはサッシ等の開閉可能な障子を建て込む窓枠、または嵌めごろし窓を取り付ける窓枠1b−1を有し、窓枠1b−1にはガラス障子1b−2が設けられる。窓用パネル1dも同様に窓枠1d−1、ガラス障子1d−2が設けられる。
【0024】
出入戸用パネル1fの枠構成は窓用パネル1b,1dと同様である。出入戸用パネル1fには扉又は引戸(総じて出入戸と呼ぶ)1f−2に応じた開口部を有するスチール板が両面に取り付けられる。この出入戸1f−2は、出入戸取付けのための枠1f−1が設けられ、その枠1f−1に出入戸1f−2が設けられる。この出入戸1f−2は片引き戸、引き違い戸、開き戸(扉)の何れであってもよい。
【0025】
壁体に耐力壁として耐力パネル1a,1c,1e,1gを設けることにより、建物としての構造を堅固にでき、更に窓用パネル1b,1dにより窓を設けることにより、建物内に採光換気可能となり、また出入戸用パネル1fにより人の出入口となる戸を設けたので、この壁体を用いた建物は居住用建物、店舗、事務所、倉庫等各種人の出入りのできる建物に有効である。
【0026】
ここで、パネル1a〜1gの高さは等しい。パネル1c,1f,1gの幅は夫々Wである。パネル1a,1b,1d,1eの幅は夫々W−△Wである。各パネル1a〜1gの厚さは等しい。
【0027】
これらのパネル1a〜1gは、隣接するパネル1aと1b、1bと1c、1cと1d、1dと1e、1eと1f、1fと1gの竪方向の縁を連結して、隣接する壁パネルを蛇腹状に重ねた位置と面状に展開可能とした回転機構1Aにより連結して連設されている。例えば図7から図9に示す回転機構1Aにより、回転可能に連結される。
【0028】
図7は立設したパネルの一部の水平断面を上から見た図である。図7では隣接するパネル1a,1bの回転機構部分は夫々同符号を用いて示す。以下、回転機構の説明については同様である。
【0029】
フレーム1a−1には回転軸受取付プレート1a−5が溶接またはねじ止めされている。回転軸受取付プレート1a−5はフレーム1a−1の堅枠1a−1bの両端部に夫々設けられる(位置は図示されない)。そして、該プレート1a−5に円筒形のパイプ状の回転軸受1a−6の両端部が夫々固定して設けられている。回転軸受1a−6の中に回転軸1a−7が挿通されている。
【0030】
図8に示すように回転軸1a−7の両端には回転軸支持台1a−8が設けられ、この回転軸支持台1a−8にはねじ用穴1a−9が設けられ、ねじ用穴1a−9を挿通して六角穴付ボルト1a−11が回転軸1a−7の両端のめねじにねじ込まれ、回転軸支持台1a−8に回転軸1a−7がねじ止めして固定される。
【0031】
フレーム1a−1の竪枠1a−1b、即ち、パネル1a〜1gの回転軸1a−7が設けられている図7における縁部はR形状とする。このR形状は点Pを中心とした半円形状とした例である。ここで、点Pはパネル1a〜1gの見込方向厚さを二分する位置にある。そして、回転軸1a−7の中心が点Pにくるように回転軸受1a−6を設けるようにする。回転軸受1a−6は回転軸1a−7が引っかかりなく回転するように、回転軸受1a−6と回転軸1a−7間には、はめ合いに遊びを設けることが望ましい。回転をよりスムーズにするために、グリス等の潤滑剤を回転軸1a−7に塗っておいてもよい。
【0032】
図9に示すように回転軸支持台1a−8の上端面とパネル1a,1bの上端面を同一平面上にあるようにして、回転軸支持台1a−8が回転動作が可能なように隣接するパネル1a,1bの対向部の上下に切欠1a−10を設けている。この実施例では切欠1a−10でフレーム1a−1が切り欠かれることになる。場合によっては、スチール板1a−2(図9には図示されない)の方まで切欠くことになる場合もある。
【0033】
図7において矢印xのように隣接するパネル1a,1bを夫々点Pを中心として回転させると、両側のパネル1a,1aに対して回転軸支持台1a−8が両側のパネル1a,1bの点P間の距離を保って90度回転し、一方のパネル1aは回転機構1Aで連結されている他方のパネル1aに対して180度回転して、図10に示すように折り畳まれる。即ち、隣接するパネル1a,1bの表と表が接してパネル同士が重なる。パネル1a,1bの端部がR形状なので、擦れても傷が付くこともなく、スムーズに回転することが可能である。
【0034】
図7において、矢印xとは反対方向に隣接するパネル1a,1bを点Pを中心として回転させても、隣接するパネル1a,1bの裏と裏が接してパネル同士が重なる。
【0035】
上記において、両側のパネルの竪枠1a−1b、回転軸受取付プレート1a−5、回転軸受1a−6、回転軸1a−7、回転軸支持台1a−8でもって回転機構1Aを構成している。この回転機構1Aは、リンクとしてパネル1a,1b、回転軸支持台1a−8を回り対偶である回転軸受1a−6、回転軸1a−7で結合したリンク機構であるので厚さのあるパネル同士を重ねることができる。
【0036】
回転機構1Aは隣接するパネルの対向部が点Pを中心とする半円形のR形状であるため、隣接するパネル同士間が接近しても回転可能となり、パネル間の隙間を狭くでき、より雨水の浸入、断熱効果、強度等、に関する性能が向上する。パネル1bと1c、1cと1d、1dと1e、1eと1f、1fと1g間の回転機構1Aもパネル1a,1b間の回転機構1Aと同様である。
【0037】
展開した壁体である図2に示す前面壁1は図3に矢印で示すように蛇腹を縮めるようにして減容する。又は、前面壁1の一方の片端のパネル1aをパネル1bに対して、これらパネル1aと1bを結合している回転機構1Aを中心にして回転して、パネル1a,1bを重ねる。次に重ねたパネル1a,1bをパネル1bと1cを結合している回転機構1Aを中心にして前記パネル1aと1b間の回転方向とは逆方向に回転してパネル1a、1b、及び1cを重ねる。以下、同様にパネル1a〜1gを重ねる。後者は蛇腹を端部から順次縮めることに相当する。縮めたパネル1a〜1gを展開する場合も、全体を蛇腹状に保って延ばす、または端部のパネルから順次開いて行くようにする。
【0038】
図4に示すように各パネル1a〜1gが折り畳まれると、その最大幅Wはパネル1c,1f,1gの幅と同じになっている。これは、パネル1c,1f間にある幅がWより△W小さいパネル1d,1eのように同等な幅のパネルの枚数を偶数としてある。本例ではパネル1c,1f間にあるパネル1d,1eは2枚であり、4枚、6枚等実施できる。同様に、パネル1cよりも端側に設けられているパネル1a,1bについても、幅がWより△W小さいパネルとし、これら同等な幅のパネルの枚数を偶数としてあり、本例では2枚であり、4枚、6枚等実施できる。パネル1a,1b,1d,1eの幅は夫々等しい。パネル1c,1f,1gの幅は夫々等しい。パネル1a,1b,1d,1eの幅よりもパネル1c,1f,1gの幅の方が大きい。
このようにした場合は壁体を折り畳んで搬送する際に最大幅のパネルの幅が搬送可能な幅と一致させるか、搬送可能な幅以下とすることが出来る。
【0039】
図4に示すようにしないで、重ねた状態で図4においてパネル1c,1f間に、例えばパネル1dが一枚としてパネル1c,1d,1fを蛇腹状に畳むと、重ねたパネル1a〜1gの全幅はW+△Wとなる。
【0040】
図2から図4に示す正面壁1はパネルの幅が2種である。パネルの幅が2種以上での場合も同様に折り畳めるが、折り畳んだ状態の全幅は搬送可能な幅とすることにより、搬送可能な大きさよりも大きな壁面を搬送して建物に構成でき、建設現地で効率的に建物を組立てることが可能となる。
【0041】
回転機構1Aの堅枠断面のR形状は半円であるので、パネル1a〜1gの折り畳み方向は何れの方向にも折り畳める。即ち、図3、図4の図の上下を逆にした状態でもパネル1a〜1gは折り畳み可能である。
【0042】
図4のように折り畳まれた前面壁1は図3の矢印と反対方向に引き延ばして蛇腹状にし乍展開する。又は、端部のパネル1a又は1g側から順次隣接するパネル間の重なりを解いて引き延ばして展開する。
[壁パネルの組立て]
【0043】
パネルは2枚以上回転機構で結合して組み立てることにより効果を奏する。壁体は建物の仕様に合せてパネルが連結されているので、従来のように建物の仕様に合せて種々のパネルを選択して準備する必要がない。壁体は建物のある一壁面を折り畳むことができるので、パネルを搬送する幅に収めることができ、なおかつ、搬送した先の建築現場での組み立て作業が簡素化し、組立作業効率が向上する。
また、パネルを2枚以上の複数枚連結していくと、図2のように例えばパネル1a−1g7枚の正面壁1全体を形成することも可能である。
【0044】
この場合、パネルを折ると、図3のように蛇腹形状となるので、前面壁1の幅が狭くなる。パネル1a〜1gを折り畳むと、図4のようになる。折り畳まれたパネル1a〜1gを正面から見るとその幅はパネル1c,1f,1gの何れかの幅と等しい。
【0045】
また、例えば正面壁1と右側壁2といったように2壁面の壁体を構成することもできる。その場合、正面壁1と右側壁2の境界となるパネルの連結部分は略直角になるように折られた状態で固定される。
【0046】
同様にして、壁面を3壁面分、4壁面分といった具合に増やしていくこともできる。もし、建物が五角形、六角形と多角系建造物であれば、その形状に合わせて、構成する壁面の数は、5壁面、6壁面とするとよい。建造物が円形であってもパネルを弧状にあわせた形状とし、その円周の一部または、その円周の全周を覆う構造としてもよい。
実施例1図2の壁パネルを構成材とした建物の例は、図1に示される。正面壁1、右側壁2、左側壁4、裏側壁5の4壁面を有することが示されている。
【0047】
上述は前面壁1を伸縮可能なパネル群で壁体を構成する例をのべた。右側壁2、左側壁4、裏側壁5夫々についても、同様に伸縮可能なパネル群で構成できる。また、正面壁1、右側壁2、左側壁4、裏側壁5を夫々を伸縮可能なパネル群を用いた壁体とし更に各壁体端部を回転機構1Aで連結して一棟の壁体とすることもできる。
これらの壁体は全体として耐力壁であり、構造材としての強度の大部分又は一部分を受け持つものである。
【0048】
壁体はパネルが2枚の場合においても、折り畳んで減容されるので搬送が容易となる。そして、展開した2枚のパネルを連設して建物の壁面を構成して、大きな建物に対応可能である。
[屋根パネル]
本実施例での屋根は、陸屋根3である。
【0049】
屋根も壁体と同様に製作することができる。但し、断熱材が不要であれば、断熱材を省くこともでき、また断熱材を用いる場合には、適宜な量に調整されればよい。折り畳み後の形状も長さが異なるだけで、幅は壁パネルと同様に搬送可能幅とすることができる。
【0050】
この陸屋根3は壁体同様な回転機構で屋根パネル3a〜3gの長手の縁を回転可能に連結することができる。折り畳まれたパネルの全体を通して搬送可能な幅以下として、これらのパネルを折り畳んだ状態で搬送することが可能になる。
[床パネル]
【0051】
床6も壁体と同様蛇腹状に折り畳み可能に製作することができる。断熱材が不要であれば、断熱材を省くこともでき、また、断熱材を用いる場合には、適宜な量に調整されればよい。折り畳み後の形状も長さが異なるだけで、幅は壁体と同様に搬送可能な幅とすることができる。
[パネルの内外装等]
さらなる他の壁パネルの実施例を図11に示す。
【0052】
スチール板1a−2、形状によってはフレーム1a−1も含むが、内壁側(図11において上側)のスチール板1a−2には内装クロス(壁紙)1a−52が貼られる。直接スチール板1a−2に内装クロス1a−52を貼ることもできるが、他に木材、石膏ボード、その他材質のボードを介することも可能である。
【0053】
外壁側(図11においての下側)のスチール板1a−2には外壁材1a−51(例えば窯業系材料が焼成されている)が設けられている。パネル内には断熱材1a−4が隙間なく充填されている。
【0054】
また、図12では、断熱材1a−4と外壁側のスチール板1a−2との間に、間隙1a−53を設けてもよい。このようにすると、外壁に室内の熱が伝わり辛く、外壁に水滴等が付着することを防止でき、冬季においては、凍結による外壁劣化も防止することができる。その他の構成は図11と同じである。
【0055】
図15はパネル内外のスチール板1a−2に内装クロス1a−52、外壁材1a−51を設けた場合のフレーム1a−1の竪枠1a−1b端部の形状を示す水平断面図である。パネル内外面のスチール板1a−2に内装クロス1a−52、外壁材1a−51を設けたパネルは、パネルの厚みが厚くなる。厚くなっても、厚くなったパネルの厚みに対して見込方向のパネル内外面間の中央となる位置に半円中心を設け、この半円中心を回転機構1Aの回転中心として、パネルの内外面(内装クロス1a−52の室内側の面、外壁材1a−51の外面)を結ぶように半円1a−61を画き、パネルの端部では半円1a−61の内側になるように端部を設ければよい。その範囲になるように端部を設ければよい。スチールパネルのみの厚さで形成される半円1a−62よりも先端が飛び出した形をすれば、パネルの間の隙間で埋められる。上記端部は竪枠1a−1bの形状である。
【0056】
図16のように回転軸受1a−6が円形ではなく断面がパネルの幅方向に長い長穴形状であってもよい。この場合、パネル1a,1bを重ねた状態では、前述したクロス例えば外壁材1a−51は互に接している。このとき、回転軸1a−7の直径dと長穴の長径との差Lを外壁材1a−51の厚さと内装クロス1a−52との厚さの差と等しいか、大としておく、差Lを外壁材1a−51と内装クロス1a−52との厚さの差と等しいとすると、パネル1a,1bを展開すると、パネル1a,1b間の隙間は2Lとなる。展開した後にパネル間を矢印のように寄せ合う動作をすれば、パネル1a,1b間の隙間2Lが埋められる。ここで、図16においてLは分り易くするため大きく誇張して示した。
【0057】
図15、図16においてパネルが折り畳まれた場合には、内装クロス1a−52と内装クロス1a−52、または外壁材1a−51と外壁材1a−51が重なり合い、傷が付く場合があるので、その前面を覆うように緩衝シートを敷くとよい。材質は紙、ビニール又はゴム等の薄いシートでもよい。
[床パネルの内外装]
【0058】
図13、図14に床パネルの断面を示す。床パネルは正面壁1と同様にパネルを回転機構で連結して構成する。図14に示すように床パネル1a−70の居住空間側に、フローリング1a−71を張り合わせ、または、ねじ止め等により固定する。図13に示すように、店舗、事務所、居住空間であれば必要に応じて、フロ−リングやカーペット等の床材の間には断熱パネル1a−72を設けても良い。この断熱パネル1a−72内にはカーボンフィルムまたは、カーボン配線1a−73が配置され、通電することによって発電するようになっており、図示していない電力調節手段により断熱パネル1a−72の発熱量を調節し、建物内の室温を調節することができる。特に冬場は足元付近の雰囲気が暖まりずらいので、居住空間、店舗、事務所など、人が長い時間居る用途の建物に適している。
【0059】
パネルが折り畳まれた場合には、フローリング等の床材が重なり合い、傷がつく場合があるので、その全面を覆うように緩衝シートを敷くと良い。緩衝シートとしては材質は紙、ビニール又はゴム等の薄いシートでも良い。
[搬送コンテナ]
【0060】
搬送コンテナ8の実施例を図17に示す。搬送コンテナ8は直方体の上面の稜線に沿って設けられた梁8c、同下面上に設けられた土台(床盤を兼ねる)8a、梁8cと土台8aを結合する柱8bを有する。
【0061】
上記、土台8aは図示されない四方枠を有し、四方枠上に柱8bが立設される。土台8aの四方枠、柱8b、梁8cは夫々型鋼材又は軽量形鋼材を材料としている。
【0062】
搬送コンテナ8の柱8bは土台8aの外側面8a−1に合わせて外側面よりもはみ出さないように土台8aに立設される。梁8cは各柱8bの外側面に接して夫々の各柱8bに固定される。
【0063】
コーナ柱8b−1は壁体の1つである正面壁1のパネル1aの図2において左端が重なる位置にある。間柱8b−3はパネル1bと1cを連結している回転機構1Aと重なる位置にある。間柱8b−4はパネル1eと1fを連結している回転機構1Aと重なる位置にある。コーナ柱8b−2はパネル1gの図2において右側と重なる位置にある。
【0064】
梁8cの下面と土台8a表面間の距離よりも正面壁1の高さは大きいが、組立状態において正面壁1の下縁1hは地面より離れており、正面壁1の上縁1iは梁8cの下面と一致するように製作されている。
【0065】
壁体を搬送する場合には、搬送コンテナ8に折り畳んだパネル1a〜1g群をクレーン等で吊り上げて載せる。このパネル1a〜1g群が載せられた搬送コンテナ8ごとクレーンで吊り上げてもよく、フォークリフトのような装置または機械で持ち上げてトラックやトレーラー等の搬送手段の荷台に積み込むことができる。このようにすれば、先に搬送コンテナ8を荷台に積み込んでからパネル群をその搬送コンテナ8に積み込むよりも、安全に効率よく積み込むことができる。搬送コンテナを用いると、予め搬送コンテナに折り畳んだ壁体及び建物として必要な装備品を積載して置くと、トラックやトレーラーへの積載時間が短くてすみ、トラックやトレーラーの実働時間を増加することができる。
【0066】
搬送コンテナ8の短手側の辺の長さFからコーナ柱8bの夫々の1辺の長さSを引いた長さF−2S=FIが、折り畳んだ正面壁1の幅W以上とし、搬送コンテナ8の長手側の辺が正面壁1の高さよりも長くする必要がある。
【0067】
この搬送コンテナ8とパネル1a〜1g群が建設現場まで搬送されると、まずパネル1a〜1g群が荷おろされ、次に搬送コンテナ8が建物が建設される所定の場所に設置される。所定の場所には鉄筋コンクリートで形成されたベタ基礎であると、建物の耐久性や耐震性にすぐれた建物を形成することができる。基礎への搬送コンテナ8の取り付けについては、ボルト等で固定することができる。
【0068】
そして、この搬送コンテナ8に一緒に搬送されてきたパネル1a〜1g群が取り付けられる。パネル1a〜1g群は土台8aや柱8bにボルト等で取り付けられる。
【0069】
陸屋根3の重みがあるので、まずは壁パネル群である壁体から組み立て、建物の強度を上げてから、陸屋根3を取り付けるとよい。フローリングはボルトや工具が落下してくると、傷が付き、取替えなければならなくなるので、それでは、折角工場でパネル群を作り上げてきた意味がなくなってしまう。そこで、床は最後に組むのが良い。なお、床は、壁体を取り付ける前に建物内部に搬入しておかなければならないが、床材の貼られていない面を上にしておく、または床材が上になってしまう場合には保護シートで覆って、壁体と陸屋根を組み立てるようにするとよい。
【0070】
搬送コンテナ8内に床が搬入された後は、壁体を組み立てる。壁体は例えば正面壁1は図2に示すように地面上に展開するが、下縁1hを土台8aの長手側において外側面8a−1に沿わせて置いた土台8aの高さよりも低い条材(図示されない)上に置くようにする。そして正面壁1の上縁1i側を下縁1hを中心にして正面壁1を回動して持ち上げて搬送コンテナ8の前面のコーナ柱8b−1,8b−2、間柱8b−3,8b−4に押し当てて後に、正面壁1とこれらの各柱を締結(締結手段は図示されない)する。このとき、正面壁1の上縁1iは梁8cの下面とは隙間の少ない位置にあるか、または当接させてもよい。
【0071】
正面壁1は展開した面状態では折り畳み方向には剛性がないので、例えば、溝形鋼形の横架材を正面壁1の立設状態の上縁となる部分に嵌合する。又は、搬送コンテナ8に正面壁1を組付けた後は、梁8cと正面壁1の上縁との外側から重なる横架材を梁8cと正面壁1に固定してもよい。
組立てられた正面壁1の回転機構1Aのあるパネル間には上下方向全体に亘って水密、気密を計れる条材を施工する。
上述のように搬送コンテナは搬送時に折り畳んだ壁体の搬送台とすることができ搬送効率は向上するばかりでなく、強固な建物を建設できる。
搬送コンテナのパネルの積みこまれていない場所にはキッチンセット、バスユニット、トイレユニットの何れかを積載してもよい。
また、ガス、上下水道等の設備配管、電気配線、電話、インターネット等の通信配線を搬送コンテナに取り付けてくると、さらに組み立て効率が向上する。
【0072】
実施例はパネル1a〜1gより正面壁1を構成する例をのべた。右側壁2、左側壁4、裏側壁5も夫々正面壁1と同様に蛇腹状として折り畳み可能に展開できる壁体を構成できる。そして、正面壁1、右側壁2、裏側壁5、左側壁4の幅方向の端縁を前述の回転機構1Aで連結して例えば平面図形が方形の空間を形成してもよい。正面壁1と右側壁2のように直角となる角の連結部のパネル同士回転機構で連結して建物の2壁面を展開可能に折り畳める構成とするようにすることもできる。
【0073】
上述のように、一壁面だけでなく隣り合う他の壁面も含めて、搬送可能な幅よりも大きな壁体を折り畳んで搬送することができ、かつ建設現地で効率的に建物を建設(組立てる)ことが可能となる。壁体は建物の周囲(上から見て矩形であれば4壁面)を覆うものとすることができ、さらに効率的に建物を建設することができる。
<実施例2>
【0074】
図18は実施例1の展開した正面壁1を立設して見る平面図、図19は実施例2の展開した正面壁1を立設して見る平面図である。図18、図19は正面図で見ると図2と同じである。図18、図19は何れもパネル1a〜1gの見込方向厚さを誇張して示してある。図18、図19は何れも図の上側が内部側(室内側)、図の下側が外部側として示す。
【0075】
実施例1は回転機構1Aにおけるパネル対向部は夫々パネル内外側面間を結ぶ半円の形状なので、図18に矢印イに示すようにパネル1bに対してパネル1aは両方向に回転機構1Aで結合状態で回動できる。パネル1bに対してパネル1aを矢印イの内、上方向に回動するとパネル1aはパネル1bの夫々の室内側の面を接する。矢印イにおいて下方向に回転してパネル1aと1bの外壁側の面を接するように重ねることができる。
【0076】
実施例2では回転機構1Bの隣接するパネルの対向部の形状はパネルの見込方向の半分を四分円R1とR1又はR2とR2とする。ここで、パネル1bと1aに設けられた四分円R1とR1、およびパネル1bと1cに設けられた四分円R2とR2はパネル1bの見込方向において夫々外部側と室内側に設ける。四分円R1に接する面PL1は見込方向の平面である。正面壁1の展開状態でパネル1aと1bは面PL1で接する。ただし、面PL1に代えて面PL1の位置において隙間としてもよい。面PL1のあるパネル1a,1bの回転機構1Bの部分は、室内側面1a1,1b1と面PL1とが直角をなし、角形となっている。回転機構1Bはパネル対向部の形状を除いて既にのべた回転機構1Aと同じである。
【0077】
回転機構1Bは、パネル1aと1b、1cと1d、1eと1fにおいて展開された正面壁1の見込方向の外部側に四分円R1を有し、同じく見込み方向の内部側が角形である。回転機構1Bはパネル1bと1c、1dと1e、1fと1gは展開された前面壁1の内部側に四分円R2を有し、同じく見込方向の外部側が方形である。
【0078】
図19においてパネル1aはパネル1bに対して矢印ロの方向に折り畳みできる。従って、前面壁はパネル1a〜1gを順次矢印ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、トとの方向に回動することにより、蛇腹状に折り畳まれる。折り畳まれた前面壁1は上記と逆の作用で展開される。パネル1a〜1gは矢印ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、トで示す矢印と反対方向には折り畳めない。
【0079】
図19における実施例によると、パネル1a〜1gを展開したときに容易に平面状に直接配置することが可能となるばかりでなく隣接するパネル間の隙間の通気性を低減でき、パネル間の上下方向全体に亘って水密、気密を計れる条材を施工した場合、条材をR1又はR2の凹部に施すことができ、条材の劣化 をより低減できる。
【0080】
上述した搬送コンテナを用いることにより、建築現場では、パネルを壁体に展開して搬送コンテナの周囲に取り付けるだけであるので、工期を短くできる。建物の強度、剛性としては搬送コンテナと壁体に外力に対する抗力を分担させることができる。
搬送コンテナを用いないで建築現場で搬送コンテナと同様の躯体を構築して、この躯体に展開した壁体を取り付けてもよい。
【0081】
また、この壁体、例えば正面壁1を用いて、耐力壁のみによる構成も可能である。その場合、上述した正面壁1を一平面に展開した後に、図20に示すように正面壁1の各パネル1a〜1gの上縁1iに正面壁1の左右方向の長さと等しい一本の条溝である溝型鋼9を丁度嵌合固定する。そして、正面壁1の下縁1hには各パネル1a〜1gの下縁1hの端面にウエヴが接し、各パネル1a〜1gの内側面に一つのフランジが接し、各パネル1a〜1gの外側面の延長上に垂下する他のフランジを有し正面壁1の左右方向の長さと等しい一本のZ型鋼11が固定される。
【符号の説明】
【0082】
1…正面壁 1A,1B…回転機構 1a〜1g…壁パネル 1h…下縁 1i…上縁 1a1…室内側面 1a−1…フレーム 1a−2…スチール板 1a−3…筋交い 1a−4…断熱材 1a−5…回転軸受取付プレート 1a−6…回転軸受 1a−7…回転軸 1a−8…回転軸支持台 1a−9…ねじ用穴 1a−10…切欠 1a−11…六角穴付ボルト 1a−51…外壁材 1a−52…内装クロス 1a−53…間隙 1a−61,1a−62…半円 1a−70…床パネル 1a−71…フローリング 1a−72…断熱パネル 1a−73…カーボン配線 1a−1a…開口 1a−1b…竪枠 1a−1c…横枠 1b1…室内側面 1b−1…窓枠 1b−2…ガラス障子 1d−1…窓枠 1d−2…ガラス障子 1f−1…枠 1f−2…出入戸
2…右側壁
3…陸屋根 3a〜3g…屋根パネル
4…左側壁
5…裏側壁
6…床
8…搬送コンテナ 8a…土台 8b…柱 8c…梁 8a−1…外側面 8b−1,8b−2…コーナ柱 8b−3,8b−4…間柱 8b−6…コーナ柱
9…溝型鋼
11…Z型鋼
F…搬送コンテナの短手側の辺の長さ
L…差 2L…間隙
P…点 PL1…面
R1,R2…四分円
S…柱の1辺の長さ
W…幅
d…直径
x…矢印
【技術分野】
【0001】
この発明は建物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の壁体としては、柱、梁等の横架材を組み立てて躯体とし、二本の柱と二本の柱の上下をとおる横架材間の方形の空間に、方形状の板材を嵌め込み壁面を構成する壁パネルがある。
【0003】
また、柱、梁等の横架材を組み立てて躯体とし、外部側より単体の外壁パネルの竪方向の両縁を順次隣接する柱の外側に固定する。そして、内部側より単体の内壁パネルの竪方向の両縁を順次隣接する柱の内側に固定することにより、各隣接する柱間に単体の内外壁パネルを固定して内外壁を構成する壁パネルがある。また、複数壁パネルを建築現場で立設して、隣接する壁パネルを剛結して躯体として耐力壁を構成する。そして、耐力壁のみで躯体とするもの、耐力壁と条鋼材よりなる躯体を併せて強度を保つ建物がある。
【0004】
このような壁パネルは周知されており単体の壁パネルを水平状態に重ねて減容状態とし、建築現場に搬送し、建築現場で組立てている。ただし、大型の壁パネルは立てた状態に保持してトラック等で搬送している。
上述した壁パネルは工場生産し、建築現場に搬送され、組立てられる点は共通している。
【0005】
現場作業が短縮される従来技術として、特開2009−155814号公報に開示されている発明がある。これによると、台所、トイレ、浴室等の機能を有する設備建物ユニットと、居住空間建物ユニットにより組立てられている。設備建物ユニットは海上コンテナが用いられている。
前記設備建物ユニットといえども人の居住性を考え、最低限必要な広さがあり、一体型ユニットなので、小さくするのに限界があった。
【0006】
特に建設現場に最終的に搬送するのは車両になるが、車両が大型でなければならず、建設現場までの道路も広い幅の道路でなければならないので、建設できる場所が限られていた。
また、特開平10−121649号公報に開示されている発明がある。これによると、パネルにより組立てられるので適宜な大きさの荷姿にすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特許文献1 特開2009−155814
特許文献2 特開平10−121649
【非特許文献】
【0008】
なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特開2009−155814号公報によれば、建物ユニットは室内の設備も含めて工場生産されるため、建築現場での工数は少ない。しかし、前述したように、建設場所、搬送に問題がある。
【0010】
従来の壁パネルを重ねて建築現場へ搬送して組立てる構成の建物では、その建物の仕様に合せて種類の異なる壁パネルを準備する必要がある。壁パネルは一般に高さは同一であるが幅に数種類があるものもある。そして、窓を有する壁パネル、出入口を有する壁パネル、壁のみの耐力壁パネルがある。このように複数の幅、仕様の異なる壁パネルを建物の仕様に合せて選択して準備するのに多くの時間がかかる。
【0011】
そして、建築現場まで搬送された壁パネルは荷卸後、設計図を斟酌して一枚づつ選択して組立てなければならなかったので、建設コストが嵩んだ。小規模工事では作業員が建設現場まで遠方から通って組立てたりする。そこで、単体の壁パネルは工場生産であるけれども組立てる現場は壁パネルでもって建物を構成するのに最適な条件下ではないので、効率が低下し、コストが上っていた。
本発明は準備が簡単で搬送性、特段に組立て性のすぐれた建物の壁体及び建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は複数の壁パネルを連設して設ける壁体を有する建物ににおいて、
複数の壁パネルと、
隣接する壁パネルの竪方向の縁を互いに連結して、隣接する壁パネルを蛇腹状に重ねた位置と面状に展開可能とした位置とをとることを可能にした回転機構と、
を有する壁体を有することを特徴とする建物である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、壁体を構成する複数の壁パネルを折り畳め、搬送手段、例えば、自動車や列車、航空機、船舶の大きさや搭載制限規約に係わらず搬送でき、更には現地では折り畳んだ状態から展開するだけなので建物として組立て作業が効率的に行えるようになる。
又本発明によれば、幅の広い壁体であっても少なくとも壁体よりも幅の小さいパネルとして折り畳めるので、より大きな建物を効率よく建築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】建物を示す斜視図である。
【図2】建物の正面に用いられる壁体の正面図である。
【図3】壁体の組立て、収納過程を示す平面図である。
【図4】壁体の収納状態を示す壁体の端面側より見る平面図である。
【図5】耐力パネルの内部を示す斜視図ある。
【図6】耐力パネルの組立を示す斜視図である。
【図7】回転機構を含む壁パネルの組立状態での水平断面図である。
【図8】回転機構の一部断面で示す正面図である。
【図9】回転機構の上部を示す正面図である。
【図10】壁パネルを折り畳んで平置した状態における回転機構の縦断面図である。
【図11】壁パネルの他の実施例の壁面に対して直角な断面図である。
【図12】壁パネルの他の実施例の壁面に対して直角な断面図である。
【図13】床パネルの縦断面図である。
【図14】床パネルの縦断面図である。
【図15】回転機構の他の実施例の水平断面図である。
【図16】回転機構の他の実施例の平面図である。
【図17】搬送コンテナの斜視図である。
【図18】壁体の平面図である。
【図19】回転機構の実施例2を用いた壁体の平面図である。
【図20】耐力壁とした壁体の縦断面図である。
【実施例】
【0015】
以下、図面に従って本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
図1は実施例1を示す建物である。
【0016】
正面壁1、右側壁2、陸屋根3、左側壁4(不図示)、裏側壁5(不図示)、床6(不図示)の六面体構造に係る、店舗、事務所、住宅、倉庫等の何れか1つの建物である。
[壁体]
図2は壁体である正面壁1のみを外部より見た正面図である。
【0017】
正面壁1は複数の壁パネル(以下、パネルという)1a〜1gからなる。これらのパネル1a〜1gは、耐力パネル1a、1c、1e、1gと、採光、換気等の目的で窓が設けられた窓用パネル1b、1dと、人が出入りするための扉または引戸が設けられた出入戸用パネル1fとからなる。
【0018】
耐力パネル1a、1c、1e、1gは、後述のように建物の壁体として組立てられた場合に建物(壁や屋根)の重さ、強風及び地震に耐えられる以上の強度を持たせるものである。
【0019】
図5、図6に耐力パネルの例がある。耐力パネル1aのフレーム1a−1は図6に示すように竪枠1a−1bと横枠1a−1cで四方組されている。パネル1aは、例えばスチール製のフレーム1a−1には、まず筋交い1a−3が例えば図5のようにフレーム1a−1の四隅の対角上に交差するように設けられる(図5ではフレーム1a−1は図略、図6では筋交いは図略)。そしてフレーム1a−1両面の開口1a−1aにスチール板1a−2を夫々嵌め込み、両者をねじ止め、または溶接で固定する。
フレーム1a−1は図6、図7に示すように断面半円形の条鋼材の堅枠1a−1bと断面溝型鋼形の条鋼材の横枠1a−1cを構成材としている。
【0020】
フレーム1a−1は竪枠1a−1bと横枠1a−1cをこれらの溝が開口1a−1aに望むようにして四方組みされて溶接で一体にされている。そこでフレーム1a−1の内側の縁で構成される開口1a−1aにこの開口1a−1aと同寸のスチール板1a−2を嵌め込む。フレーム1a−1の内側の縁から開口1a−1a内に向って不図示のブラケットを突出して設けてある。このブラケットはフレーム1a−1の内側面に溶着されている。フレーム1a−1とスチール板1a−2の構成材の板厚は等しい。従ってスチール板1a−2をフレーム1a−1の開口に嵌め込むとスチール板1a−2とフレーム1a−1の内外側面は夫々一平面となる。スチール板1a−2をフレーム1a−1にねじ止めするには図示されないスチール板1a−2の穴を挿通して前記ブラケットに設けためねじにねじ込む。スチール板1a−2をフレーム1a−1に溶接する場合も、前記ブラケットは作業上必要である。
【0021】
フレーム1a−1、両面のスチール板1a−2間の空間に発泡性ウレタン材を注入し、パネル内の空間は発泡ウレタンで充満することになる。発泡ウレタンの注入はフレーム1a−1に外部と前記空間を通ずる穴を設け、この穴から注入する。
この発泡ウレタンにより耐力パネル1a,1c,1e,1gの断熱効果を奏することができるようになる。
【0022】
別の例としては、上記実施例に対して、フレーム1a−1の1面にスチール板1a−2を固定し、他面にスチール板1a−2を固定する前に、発泡ウレタンではなく、グラスウール等の断熱材を耐力パネル内に配置してから該他面にスチール板1a−2を張り付け閉じることにより製造されるものであってもよい。なお、グラスウールの型崩れが起きて、下の方にグラスウール等の断熱材が偏ってしまう場合には、断熱材をシール、または糊等の粘着材で固定してもよく、小ねじ等を適宜箇所にねじ込んで止めてもよい。
【0023】
図1において窓用パネル1b,1dは耐力パネル1a,1c,1e,1gにおいて筋交いのない構成であって、四方組されたフレーム1a−1には内部に横桟(図示されない)が設けてある。両面のスチール板1a−2が窓の形状に合せて開口部を有し、その開口部にはガラス窓を取り付ける。そこで、該開口部にはサッシ等の開閉可能な障子を建て込む窓枠、または嵌めごろし窓を取り付ける窓枠1b−1を有し、窓枠1b−1にはガラス障子1b−2が設けられる。窓用パネル1dも同様に窓枠1d−1、ガラス障子1d−2が設けられる。
【0024】
出入戸用パネル1fの枠構成は窓用パネル1b,1dと同様である。出入戸用パネル1fには扉又は引戸(総じて出入戸と呼ぶ)1f−2に応じた開口部を有するスチール板が両面に取り付けられる。この出入戸1f−2は、出入戸取付けのための枠1f−1が設けられ、その枠1f−1に出入戸1f−2が設けられる。この出入戸1f−2は片引き戸、引き違い戸、開き戸(扉)の何れであってもよい。
【0025】
壁体に耐力壁として耐力パネル1a,1c,1e,1gを設けることにより、建物としての構造を堅固にでき、更に窓用パネル1b,1dにより窓を設けることにより、建物内に採光換気可能となり、また出入戸用パネル1fにより人の出入口となる戸を設けたので、この壁体を用いた建物は居住用建物、店舗、事務所、倉庫等各種人の出入りのできる建物に有効である。
【0026】
ここで、パネル1a〜1gの高さは等しい。パネル1c,1f,1gの幅は夫々Wである。パネル1a,1b,1d,1eの幅は夫々W−△Wである。各パネル1a〜1gの厚さは等しい。
【0027】
これらのパネル1a〜1gは、隣接するパネル1aと1b、1bと1c、1cと1d、1dと1e、1eと1f、1fと1gの竪方向の縁を連結して、隣接する壁パネルを蛇腹状に重ねた位置と面状に展開可能とした回転機構1Aにより連結して連設されている。例えば図7から図9に示す回転機構1Aにより、回転可能に連結される。
【0028】
図7は立設したパネルの一部の水平断面を上から見た図である。図7では隣接するパネル1a,1bの回転機構部分は夫々同符号を用いて示す。以下、回転機構の説明については同様である。
【0029】
フレーム1a−1には回転軸受取付プレート1a−5が溶接またはねじ止めされている。回転軸受取付プレート1a−5はフレーム1a−1の堅枠1a−1bの両端部に夫々設けられる(位置は図示されない)。そして、該プレート1a−5に円筒形のパイプ状の回転軸受1a−6の両端部が夫々固定して設けられている。回転軸受1a−6の中に回転軸1a−7が挿通されている。
【0030】
図8に示すように回転軸1a−7の両端には回転軸支持台1a−8が設けられ、この回転軸支持台1a−8にはねじ用穴1a−9が設けられ、ねじ用穴1a−9を挿通して六角穴付ボルト1a−11が回転軸1a−7の両端のめねじにねじ込まれ、回転軸支持台1a−8に回転軸1a−7がねじ止めして固定される。
【0031】
フレーム1a−1の竪枠1a−1b、即ち、パネル1a〜1gの回転軸1a−7が設けられている図7における縁部はR形状とする。このR形状は点Pを中心とした半円形状とした例である。ここで、点Pはパネル1a〜1gの見込方向厚さを二分する位置にある。そして、回転軸1a−7の中心が点Pにくるように回転軸受1a−6を設けるようにする。回転軸受1a−6は回転軸1a−7が引っかかりなく回転するように、回転軸受1a−6と回転軸1a−7間には、はめ合いに遊びを設けることが望ましい。回転をよりスムーズにするために、グリス等の潤滑剤を回転軸1a−7に塗っておいてもよい。
【0032】
図9に示すように回転軸支持台1a−8の上端面とパネル1a,1bの上端面を同一平面上にあるようにして、回転軸支持台1a−8が回転動作が可能なように隣接するパネル1a,1bの対向部の上下に切欠1a−10を設けている。この実施例では切欠1a−10でフレーム1a−1が切り欠かれることになる。場合によっては、スチール板1a−2(図9には図示されない)の方まで切欠くことになる場合もある。
【0033】
図7において矢印xのように隣接するパネル1a,1bを夫々点Pを中心として回転させると、両側のパネル1a,1aに対して回転軸支持台1a−8が両側のパネル1a,1bの点P間の距離を保って90度回転し、一方のパネル1aは回転機構1Aで連結されている他方のパネル1aに対して180度回転して、図10に示すように折り畳まれる。即ち、隣接するパネル1a,1bの表と表が接してパネル同士が重なる。パネル1a,1bの端部がR形状なので、擦れても傷が付くこともなく、スムーズに回転することが可能である。
【0034】
図7において、矢印xとは反対方向に隣接するパネル1a,1bを点Pを中心として回転させても、隣接するパネル1a,1bの裏と裏が接してパネル同士が重なる。
【0035】
上記において、両側のパネルの竪枠1a−1b、回転軸受取付プレート1a−5、回転軸受1a−6、回転軸1a−7、回転軸支持台1a−8でもって回転機構1Aを構成している。この回転機構1Aは、リンクとしてパネル1a,1b、回転軸支持台1a−8を回り対偶である回転軸受1a−6、回転軸1a−7で結合したリンク機構であるので厚さのあるパネル同士を重ねることができる。
【0036】
回転機構1Aは隣接するパネルの対向部が点Pを中心とする半円形のR形状であるため、隣接するパネル同士間が接近しても回転可能となり、パネル間の隙間を狭くでき、より雨水の浸入、断熱効果、強度等、に関する性能が向上する。パネル1bと1c、1cと1d、1dと1e、1eと1f、1fと1g間の回転機構1Aもパネル1a,1b間の回転機構1Aと同様である。
【0037】
展開した壁体である図2に示す前面壁1は図3に矢印で示すように蛇腹を縮めるようにして減容する。又は、前面壁1の一方の片端のパネル1aをパネル1bに対して、これらパネル1aと1bを結合している回転機構1Aを中心にして回転して、パネル1a,1bを重ねる。次に重ねたパネル1a,1bをパネル1bと1cを結合している回転機構1Aを中心にして前記パネル1aと1b間の回転方向とは逆方向に回転してパネル1a、1b、及び1cを重ねる。以下、同様にパネル1a〜1gを重ねる。後者は蛇腹を端部から順次縮めることに相当する。縮めたパネル1a〜1gを展開する場合も、全体を蛇腹状に保って延ばす、または端部のパネルから順次開いて行くようにする。
【0038】
図4に示すように各パネル1a〜1gが折り畳まれると、その最大幅Wはパネル1c,1f,1gの幅と同じになっている。これは、パネル1c,1f間にある幅がWより△W小さいパネル1d,1eのように同等な幅のパネルの枚数を偶数としてある。本例ではパネル1c,1f間にあるパネル1d,1eは2枚であり、4枚、6枚等実施できる。同様に、パネル1cよりも端側に設けられているパネル1a,1bについても、幅がWより△W小さいパネルとし、これら同等な幅のパネルの枚数を偶数としてあり、本例では2枚であり、4枚、6枚等実施できる。パネル1a,1b,1d,1eの幅は夫々等しい。パネル1c,1f,1gの幅は夫々等しい。パネル1a,1b,1d,1eの幅よりもパネル1c,1f,1gの幅の方が大きい。
このようにした場合は壁体を折り畳んで搬送する際に最大幅のパネルの幅が搬送可能な幅と一致させるか、搬送可能な幅以下とすることが出来る。
【0039】
図4に示すようにしないで、重ねた状態で図4においてパネル1c,1f間に、例えばパネル1dが一枚としてパネル1c,1d,1fを蛇腹状に畳むと、重ねたパネル1a〜1gの全幅はW+△Wとなる。
【0040】
図2から図4に示す正面壁1はパネルの幅が2種である。パネルの幅が2種以上での場合も同様に折り畳めるが、折り畳んだ状態の全幅は搬送可能な幅とすることにより、搬送可能な大きさよりも大きな壁面を搬送して建物に構成でき、建設現地で効率的に建物を組立てることが可能となる。
【0041】
回転機構1Aの堅枠断面のR形状は半円であるので、パネル1a〜1gの折り畳み方向は何れの方向にも折り畳める。即ち、図3、図4の図の上下を逆にした状態でもパネル1a〜1gは折り畳み可能である。
【0042】
図4のように折り畳まれた前面壁1は図3の矢印と反対方向に引き延ばして蛇腹状にし乍展開する。又は、端部のパネル1a又は1g側から順次隣接するパネル間の重なりを解いて引き延ばして展開する。
[壁パネルの組立て]
【0043】
パネルは2枚以上回転機構で結合して組み立てることにより効果を奏する。壁体は建物の仕様に合せてパネルが連結されているので、従来のように建物の仕様に合せて種々のパネルを選択して準備する必要がない。壁体は建物のある一壁面を折り畳むことができるので、パネルを搬送する幅に収めることができ、なおかつ、搬送した先の建築現場での組み立て作業が簡素化し、組立作業効率が向上する。
また、パネルを2枚以上の複数枚連結していくと、図2のように例えばパネル1a−1g7枚の正面壁1全体を形成することも可能である。
【0044】
この場合、パネルを折ると、図3のように蛇腹形状となるので、前面壁1の幅が狭くなる。パネル1a〜1gを折り畳むと、図4のようになる。折り畳まれたパネル1a〜1gを正面から見るとその幅はパネル1c,1f,1gの何れかの幅と等しい。
【0045】
また、例えば正面壁1と右側壁2といったように2壁面の壁体を構成することもできる。その場合、正面壁1と右側壁2の境界となるパネルの連結部分は略直角になるように折られた状態で固定される。
【0046】
同様にして、壁面を3壁面分、4壁面分といった具合に増やしていくこともできる。もし、建物が五角形、六角形と多角系建造物であれば、その形状に合わせて、構成する壁面の数は、5壁面、6壁面とするとよい。建造物が円形であってもパネルを弧状にあわせた形状とし、その円周の一部または、その円周の全周を覆う構造としてもよい。
実施例1図2の壁パネルを構成材とした建物の例は、図1に示される。正面壁1、右側壁2、左側壁4、裏側壁5の4壁面を有することが示されている。
【0047】
上述は前面壁1を伸縮可能なパネル群で壁体を構成する例をのべた。右側壁2、左側壁4、裏側壁5夫々についても、同様に伸縮可能なパネル群で構成できる。また、正面壁1、右側壁2、左側壁4、裏側壁5を夫々を伸縮可能なパネル群を用いた壁体とし更に各壁体端部を回転機構1Aで連結して一棟の壁体とすることもできる。
これらの壁体は全体として耐力壁であり、構造材としての強度の大部分又は一部分を受け持つものである。
【0048】
壁体はパネルが2枚の場合においても、折り畳んで減容されるので搬送が容易となる。そして、展開した2枚のパネルを連設して建物の壁面を構成して、大きな建物に対応可能である。
[屋根パネル]
本実施例での屋根は、陸屋根3である。
【0049】
屋根も壁体と同様に製作することができる。但し、断熱材が不要であれば、断熱材を省くこともでき、また断熱材を用いる場合には、適宜な量に調整されればよい。折り畳み後の形状も長さが異なるだけで、幅は壁パネルと同様に搬送可能幅とすることができる。
【0050】
この陸屋根3は壁体同様な回転機構で屋根パネル3a〜3gの長手の縁を回転可能に連結することができる。折り畳まれたパネルの全体を通して搬送可能な幅以下として、これらのパネルを折り畳んだ状態で搬送することが可能になる。
[床パネル]
【0051】
床6も壁体と同様蛇腹状に折り畳み可能に製作することができる。断熱材が不要であれば、断熱材を省くこともでき、また、断熱材を用いる場合には、適宜な量に調整されればよい。折り畳み後の形状も長さが異なるだけで、幅は壁体と同様に搬送可能な幅とすることができる。
[パネルの内外装等]
さらなる他の壁パネルの実施例を図11に示す。
【0052】
スチール板1a−2、形状によってはフレーム1a−1も含むが、内壁側(図11において上側)のスチール板1a−2には内装クロス(壁紙)1a−52が貼られる。直接スチール板1a−2に内装クロス1a−52を貼ることもできるが、他に木材、石膏ボード、その他材質のボードを介することも可能である。
【0053】
外壁側(図11においての下側)のスチール板1a−2には外壁材1a−51(例えば窯業系材料が焼成されている)が設けられている。パネル内には断熱材1a−4が隙間なく充填されている。
【0054】
また、図12では、断熱材1a−4と外壁側のスチール板1a−2との間に、間隙1a−53を設けてもよい。このようにすると、外壁に室内の熱が伝わり辛く、外壁に水滴等が付着することを防止でき、冬季においては、凍結による外壁劣化も防止することができる。その他の構成は図11と同じである。
【0055】
図15はパネル内外のスチール板1a−2に内装クロス1a−52、外壁材1a−51を設けた場合のフレーム1a−1の竪枠1a−1b端部の形状を示す水平断面図である。パネル内外面のスチール板1a−2に内装クロス1a−52、外壁材1a−51を設けたパネルは、パネルの厚みが厚くなる。厚くなっても、厚くなったパネルの厚みに対して見込方向のパネル内外面間の中央となる位置に半円中心を設け、この半円中心を回転機構1Aの回転中心として、パネルの内外面(内装クロス1a−52の室内側の面、外壁材1a−51の外面)を結ぶように半円1a−61を画き、パネルの端部では半円1a−61の内側になるように端部を設ければよい。その範囲になるように端部を設ければよい。スチールパネルのみの厚さで形成される半円1a−62よりも先端が飛び出した形をすれば、パネルの間の隙間で埋められる。上記端部は竪枠1a−1bの形状である。
【0056】
図16のように回転軸受1a−6が円形ではなく断面がパネルの幅方向に長い長穴形状であってもよい。この場合、パネル1a,1bを重ねた状態では、前述したクロス例えば外壁材1a−51は互に接している。このとき、回転軸1a−7の直径dと長穴の長径との差Lを外壁材1a−51の厚さと内装クロス1a−52との厚さの差と等しいか、大としておく、差Lを外壁材1a−51と内装クロス1a−52との厚さの差と等しいとすると、パネル1a,1bを展開すると、パネル1a,1b間の隙間は2Lとなる。展開した後にパネル間を矢印のように寄せ合う動作をすれば、パネル1a,1b間の隙間2Lが埋められる。ここで、図16においてLは分り易くするため大きく誇張して示した。
【0057】
図15、図16においてパネルが折り畳まれた場合には、内装クロス1a−52と内装クロス1a−52、または外壁材1a−51と外壁材1a−51が重なり合い、傷が付く場合があるので、その前面を覆うように緩衝シートを敷くとよい。材質は紙、ビニール又はゴム等の薄いシートでもよい。
[床パネルの内外装]
【0058】
図13、図14に床パネルの断面を示す。床パネルは正面壁1と同様にパネルを回転機構で連結して構成する。図14に示すように床パネル1a−70の居住空間側に、フローリング1a−71を張り合わせ、または、ねじ止め等により固定する。図13に示すように、店舗、事務所、居住空間であれば必要に応じて、フロ−リングやカーペット等の床材の間には断熱パネル1a−72を設けても良い。この断熱パネル1a−72内にはカーボンフィルムまたは、カーボン配線1a−73が配置され、通電することによって発電するようになっており、図示していない電力調節手段により断熱パネル1a−72の発熱量を調節し、建物内の室温を調節することができる。特に冬場は足元付近の雰囲気が暖まりずらいので、居住空間、店舗、事務所など、人が長い時間居る用途の建物に適している。
【0059】
パネルが折り畳まれた場合には、フローリング等の床材が重なり合い、傷がつく場合があるので、その全面を覆うように緩衝シートを敷くと良い。緩衝シートとしては材質は紙、ビニール又はゴム等の薄いシートでも良い。
[搬送コンテナ]
【0060】
搬送コンテナ8の実施例を図17に示す。搬送コンテナ8は直方体の上面の稜線に沿って設けられた梁8c、同下面上に設けられた土台(床盤を兼ねる)8a、梁8cと土台8aを結合する柱8bを有する。
【0061】
上記、土台8aは図示されない四方枠を有し、四方枠上に柱8bが立設される。土台8aの四方枠、柱8b、梁8cは夫々型鋼材又は軽量形鋼材を材料としている。
【0062】
搬送コンテナ8の柱8bは土台8aの外側面8a−1に合わせて外側面よりもはみ出さないように土台8aに立設される。梁8cは各柱8bの外側面に接して夫々の各柱8bに固定される。
【0063】
コーナ柱8b−1は壁体の1つである正面壁1のパネル1aの図2において左端が重なる位置にある。間柱8b−3はパネル1bと1cを連結している回転機構1Aと重なる位置にある。間柱8b−4はパネル1eと1fを連結している回転機構1Aと重なる位置にある。コーナ柱8b−2はパネル1gの図2において右側と重なる位置にある。
【0064】
梁8cの下面と土台8a表面間の距離よりも正面壁1の高さは大きいが、組立状態において正面壁1の下縁1hは地面より離れており、正面壁1の上縁1iは梁8cの下面と一致するように製作されている。
【0065】
壁体を搬送する場合には、搬送コンテナ8に折り畳んだパネル1a〜1g群をクレーン等で吊り上げて載せる。このパネル1a〜1g群が載せられた搬送コンテナ8ごとクレーンで吊り上げてもよく、フォークリフトのような装置または機械で持ち上げてトラックやトレーラー等の搬送手段の荷台に積み込むことができる。このようにすれば、先に搬送コンテナ8を荷台に積み込んでからパネル群をその搬送コンテナ8に積み込むよりも、安全に効率よく積み込むことができる。搬送コンテナを用いると、予め搬送コンテナに折り畳んだ壁体及び建物として必要な装備品を積載して置くと、トラックやトレーラーへの積載時間が短くてすみ、トラックやトレーラーの実働時間を増加することができる。
【0066】
搬送コンテナ8の短手側の辺の長さFからコーナ柱8bの夫々の1辺の長さSを引いた長さF−2S=FIが、折り畳んだ正面壁1の幅W以上とし、搬送コンテナ8の長手側の辺が正面壁1の高さよりも長くする必要がある。
【0067】
この搬送コンテナ8とパネル1a〜1g群が建設現場まで搬送されると、まずパネル1a〜1g群が荷おろされ、次に搬送コンテナ8が建物が建設される所定の場所に設置される。所定の場所には鉄筋コンクリートで形成されたベタ基礎であると、建物の耐久性や耐震性にすぐれた建物を形成することができる。基礎への搬送コンテナ8の取り付けについては、ボルト等で固定することができる。
【0068】
そして、この搬送コンテナ8に一緒に搬送されてきたパネル1a〜1g群が取り付けられる。パネル1a〜1g群は土台8aや柱8bにボルト等で取り付けられる。
【0069】
陸屋根3の重みがあるので、まずは壁パネル群である壁体から組み立て、建物の強度を上げてから、陸屋根3を取り付けるとよい。フローリングはボルトや工具が落下してくると、傷が付き、取替えなければならなくなるので、それでは、折角工場でパネル群を作り上げてきた意味がなくなってしまう。そこで、床は最後に組むのが良い。なお、床は、壁体を取り付ける前に建物内部に搬入しておかなければならないが、床材の貼られていない面を上にしておく、または床材が上になってしまう場合には保護シートで覆って、壁体と陸屋根を組み立てるようにするとよい。
【0070】
搬送コンテナ8内に床が搬入された後は、壁体を組み立てる。壁体は例えば正面壁1は図2に示すように地面上に展開するが、下縁1hを土台8aの長手側において外側面8a−1に沿わせて置いた土台8aの高さよりも低い条材(図示されない)上に置くようにする。そして正面壁1の上縁1i側を下縁1hを中心にして正面壁1を回動して持ち上げて搬送コンテナ8の前面のコーナ柱8b−1,8b−2、間柱8b−3,8b−4に押し当てて後に、正面壁1とこれらの各柱を締結(締結手段は図示されない)する。このとき、正面壁1の上縁1iは梁8cの下面とは隙間の少ない位置にあるか、または当接させてもよい。
【0071】
正面壁1は展開した面状態では折り畳み方向には剛性がないので、例えば、溝形鋼形の横架材を正面壁1の立設状態の上縁となる部分に嵌合する。又は、搬送コンテナ8に正面壁1を組付けた後は、梁8cと正面壁1の上縁との外側から重なる横架材を梁8cと正面壁1に固定してもよい。
組立てられた正面壁1の回転機構1Aのあるパネル間には上下方向全体に亘って水密、気密を計れる条材を施工する。
上述のように搬送コンテナは搬送時に折り畳んだ壁体の搬送台とすることができ搬送効率は向上するばかりでなく、強固な建物を建設できる。
搬送コンテナのパネルの積みこまれていない場所にはキッチンセット、バスユニット、トイレユニットの何れかを積載してもよい。
また、ガス、上下水道等の設備配管、電気配線、電話、インターネット等の通信配線を搬送コンテナに取り付けてくると、さらに組み立て効率が向上する。
【0072】
実施例はパネル1a〜1gより正面壁1を構成する例をのべた。右側壁2、左側壁4、裏側壁5も夫々正面壁1と同様に蛇腹状として折り畳み可能に展開できる壁体を構成できる。そして、正面壁1、右側壁2、裏側壁5、左側壁4の幅方向の端縁を前述の回転機構1Aで連結して例えば平面図形が方形の空間を形成してもよい。正面壁1と右側壁2のように直角となる角の連結部のパネル同士回転機構で連結して建物の2壁面を展開可能に折り畳める構成とするようにすることもできる。
【0073】
上述のように、一壁面だけでなく隣り合う他の壁面も含めて、搬送可能な幅よりも大きな壁体を折り畳んで搬送することができ、かつ建設現地で効率的に建物を建設(組立てる)ことが可能となる。壁体は建物の周囲(上から見て矩形であれば4壁面)を覆うものとすることができ、さらに効率的に建物を建設することができる。
<実施例2>
【0074】
図18は実施例1の展開した正面壁1を立設して見る平面図、図19は実施例2の展開した正面壁1を立設して見る平面図である。図18、図19は正面図で見ると図2と同じである。図18、図19は何れもパネル1a〜1gの見込方向厚さを誇張して示してある。図18、図19は何れも図の上側が内部側(室内側)、図の下側が外部側として示す。
【0075】
実施例1は回転機構1Aにおけるパネル対向部は夫々パネル内外側面間を結ぶ半円の形状なので、図18に矢印イに示すようにパネル1bに対してパネル1aは両方向に回転機構1Aで結合状態で回動できる。パネル1bに対してパネル1aを矢印イの内、上方向に回動するとパネル1aはパネル1bの夫々の室内側の面を接する。矢印イにおいて下方向に回転してパネル1aと1bの外壁側の面を接するように重ねることができる。
【0076】
実施例2では回転機構1Bの隣接するパネルの対向部の形状はパネルの見込方向の半分を四分円R1とR1又はR2とR2とする。ここで、パネル1bと1aに設けられた四分円R1とR1、およびパネル1bと1cに設けられた四分円R2とR2はパネル1bの見込方向において夫々外部側と室内側に設ける。四分円R1に接する面PL1は見込方向の平面である。正面壁1の展開状態でパネル1aと1bは面PL1で接する。ただし、面PL1に代えて面PL1の位置において隙間としてもよい。面PL1のあるパネル1a,1bの回転機構1Bの部分は、室内側面1a1,1b1と面PL1とが直角をなし、角形となっている。回転機構1Bはパネル対向部の形状を除いて既にのべた回転機構1Aと同じである。
【0077】
回転機構1Bは、パネル1aと1b、1cと1d、1eと1fにおいて展開された正面壁1の見込方向の外部側に四分円R1を有し、同じく見込み方向の内部側が角形である。回転機構1Bはパネル1bと1c、1dと1e、1fと1gは展開された前面壁1の内部側に四分円R2を有し、同じく見込方向の外部側が方形である。
【0078】
図19においてパネル1aはパネル1bに対して矢印ロの方向に折り畳みできる。従って、前面壁はパネル1a〜1gを順次矢印ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、トとの方向に回動することにより、蛇腹状に折り畳まれる。折り畳まれた前面壁1は上記と逆の作用で展開される。パネル1a〜1gは矢印ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、トで示す矢印と反対方向には折り畳めない。
【0079】
図19における実施例によると、パネル1a〜1gを展開したときに容易に平面状に直接配置することが可能となるばかりでなく隣接するパネル間の隙間の通気性を低減でき、パネル間の上下方向全体に亘って水密、気密を計れる条材を施工した場合、条材をR1又はR2の凹部に施すことができ、条材の劣化 をより低減できる。
【0080】
上述した搬送コンテナを用いることにより、建築現場では、パネルを壁体に展開して搬送コンテナの周囲に取り付けるだけであるので、工期を短くできる。建物の強度、剛性としては搬送コンテナと壁体に外力に対する抗力を分担させることができる。
搬送コンテナを用いないで建築現場で搬送コンテナと同様の躯体を構築して、この躯体に展開した壁体を取り付けてもよい。
【0081】
また、この壁体、例えば正面壁1を用いて、耐力壁のみによる構成も可能である。その場合、上述した正面壁1を一平面に展開した後に、図20に示すように正面壁1の各パネル1a〜1gの上縁1iに正面壁1の左右方向の長さと等しい一本の条溝である溝型鋼9を丁度嵌合固定する。そして、正面壁1の下縁1hには各パネル1a〜1gの下縁1hの端面にウエヴが接し、各パネル1a〜1gの内側面に一つのフランジが接し、各パネル1a〜1gの外側面の延長上に垂下する他のフランジを有し正面壁1の左右方向の長さと等しい一本のZ型鋼11が固定される。
【符号の説明】
【0082】
1…正面壁 1A,1B…回転機構 1a〜1g…壁パネル 1h…下縁 1i…上縁 1a1…室内側面 1a−1…フレーム 1a−2…スチール板 1a−3…筋交い 1a−4…断熱材 1a−5…回転軸受取付プレート 1a−6…回転軸受 1a−7…回転軸 1a−8…回転軸支持台 1a−9…ねじ用穴 1a−10…切欠 1a−11…六角穴付ボルト 1a−51…外壁材 1a−52…内装クロス 1a−53…間隙 1a−61,1a−62…半円 1a−70…床パネル 1a−71…フローリング 1a−72…断熱パネル 1a−73…カーボン配線 1a−1a…開口 1a−1b…竪枠 1a−1c…横枠 1b1…室内側面 1b−1…窓枠 1b−2…ガラス障子 1d−1…窓枠 1d−2…ガラス障子 1f−1…枠 1f−2…出入戸
2…右側壁
3…陸屋根 3a〜3g…屋根パネル
4…左側壁
5…裏側壁
6…床
8…搬送コンテナ 8a…土台 8b…柱 8c…梁 8a−1…外側面 8b−1,8b−2…コーナ柱 8b−3,8b−4…間柱 8b−6…コーナ柱
9…溝型鋼
11…Z型鋼
F…搬送コンテナの短手側の辺の長さ
L…差 2L…間隙
P…点 PL1…面
R1,R2…四分円
S…柱の1辺の長さ
W…幅
d…直径
x…矢印
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の壁パネルを連設して設ける壁体を有する建物において、
複数の壁パネルと、
隣接する壁パネルの竪方向の縁を互いに連結して、隣接する壁パネルを蛇腹状に重ねた位置と面状に展開可能とした位置とをとることを可能にした回転機構と、
を有する壁体を有する建物。
【請求項1】
複数の壁パネルを連設して設ける壁体を有する建物において、
複数の壁パネルと、
隣接する壁パネルの竪方向の縁を互いに連結して、隣接する壁パネルを蛇腹状に重ねた位置と面状に展開可能とした位置とをとることを可能にした回転機構と、
を有する壁体を有する建物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−202045(P2012−202045A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−65520(P2011−65520)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【特許番号】特許第4859077号(P4859077)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(507187880)有限会社シー・エフ・ビルマネジメント (4)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【特許番号】特許第4859077号(P4859077)
【特許公報発行日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【出願人】(507187880)有限会社シー・エフ・ビルマネジメント (4)
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