説明

建物

【課題】外出先から玄関に帰宅した住人等が居室等に衣類を持ち込むことなく、当該衣類を容易に収納したり着替えることができるとともに外部用品を容易に収納でき、さらに収納した衣類等を脱臭・除菌できる機能を備えた建物を提供する。
【解決手段】中間床3の下方に設けられた低天井収納空間6に隣接して、下階と天井高が等しい脱臭・除菌機能付き収納室14が配置され、この脱臭・除菌機能付き収納室14と低天井収納空間6とが第1建具16によって連通可能であり、脱臭・除菌機能付き収納室14と玄関17が第2建具18によって連通可能であり、脱臭・除菌機能付き収納室14と玄関17に連通する廊下20とが第3建具21によって連通可能であるので、居室等に衣類を持ち込むことなく、当該衣類を容易に収納したり着替えることができるとともに外部用品を容易に収納でき、さらに収納した衣類等を脱臭・除菌できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上階へ至る階段と下階へ至る階段が接続される中間床を有し、この中間床の下方に低天井収納空間が設けられた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
下階床部と、上階床部とを連結すると共に、中間部に踊り場が形成された階段を有する建物の一例として、特許文献1に記載のものが知られている。
この建物では、踊り場の階段昇降方向と平面視で平行する辺に、該踊り場と略同一高さとして、該踊り場と連設される中間床部を設け、該中間床部の下方に、下階床部の床面よりも低い位置に床面を有する中間床下空間が設けられていて、該建物の玄関土間部と、前記中間床下空間とが連通している。
このような建物では、玄関土間部と、中間床下空間とが連通して、該玄関土間を介して、建物の外部から、該中間床下空間へ往来を行う際のアクセス性が良好であるので、外部用品をそのまま中間床下空間に収納することができる。
【0003】
また、除菌機能を有する衣服収納ロッカーの一例として、特許文献2に記載のものが知られている。
この衣服収納ロッカーは、金属製ロッカー本体と、ロッカー本体の底部に配設された赤外線ヒータと、ロッカー本体の底部に配設され、前記赤外線ヒータの熱を吹き上げるための送風機と、ロッカー本体の中段に設けられた衣服収納空間と、ロッカー本体の天井部に設けられ、前記衣服収納空間を通過して衣服収納空間内の衣服を乾燥した温風を吸引する吸引部と、吸引部に設けられ、吸引された温風を殺菌する殺菌部と、殺菌部を通過した熱風が流入するタンクとで構成されたものである。
このような衣服収納ロッカーでは、衣服をロッカー本体に収納するだけで除菌が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−75429号公報
【特許文献2】特開2000−70055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の建物では、玄関土間部に連通する中間床下空間が低天井のため、外出先から帰宅した住人等がコート等の上下に長い衣類を収納したり、着替えたりするのには不向きであった。また、中間床下空間に比較的上下に短い衣類を収納することは可能であるが、中間床下空間には汚れた外部の空気に触れた外部用品をそのまま収納しているため、中間床下空間に収納した衣類が外部の汚れた空気に汚染され易いという問題もある。
一方、上記従来の除菌機能を有する衣服収納ロッカーは居室内に設置するために、外部の汚れた空気を居室内に持ち込まざるを得ず、衛生面で問題があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、外出先から玄関に帰宅した住人等が居室等に衣類を持ち込むことなく、当該衣類を容易に収納したり着替えることができるとともに外部用品を容易に収納でき、さらに収納した衣類等を脱臭・除菌できる機能を備えた建物を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、上階床2と下階床1との間に設けられた階段4の途中が接続される中間床3を有し、この中間床3の下方に低天井収納空間6が設けられた建物であって、
前記低天井収納空間6に隣接して、脱臭機能と除菌機能を有しかつ下階と天井高が等しい脱臭・除菌機能付き収納室14が配置され、この脱臭・除菌機能付き収納室14と前記低天井収納空間6とが第1建具16によって連通可能であり、
前記脱臭・除菌機能付き収納室14に隣接して玄関17が配置されるとともに、これら脱臭・除菌機能付き収納室14と玄関17とが第2建具18によって連通可能であり、
前記脱臭・除菌機能付き収納室14と前記玄関17に連通する部屋または廊下20とが第3建具21によって連通可能であることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、脱臭・除菌機能付き収納室14に隣接して玄関17が配置されるとともに、これら脱臭・除菌機能付き収納室14と玄関17とが第2建具18によって連通可能であるので、外出先から帰宅した住人等は玄関17から第2建具18を通って脱臭・除菌機能付き収納室14に入り、この脱臭・除菌機能付き収納室14でコート等の衣類を脱いで収納することができ、居室等の部屋に持ち込まなくても済む。
また、靴、自転車、アウトドア用品等は、脱臭・除菌機能付き収納室14から第1建具16を通して、低天井収納空間6に収納できる。
したがって、外部の汚れた空気を居室等の部屋に持ち込む量を軽減できる。
【0009】
また、脱臭・除菌機能付き収納室14と玄関17に連通する部屋または廊下20とが第3建具21によって連通可能であるので、脱臭・除菌機能付き収納室14からコート等の衣類を脱いだ状態でそのまま第3建具21を通って部屋または廊下20に入ることができる。
さらに、第1〜第3建具の開閉を調整することによって、脱臭・除菌機能付き収納室14の脱臭・除菌効果を調整できる。例えば、第2建具18および第3建具21を閉じるとともに、第1建具16を開けることによって、脱臭・除菌効果を低天井収納空間6に拡げることができ、第1建具16および第3建具21を閉じるとともに、第2建具18を開けることによって、脱臭・除菌効果を玄関17に拡げることができる。
また、第1〜第3建具を閉じることによって、脱臭・除菌機能付き収納室14の脱臭・除菌効果を高いものとすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物において、
前記低天井収納空間6の床面の一部が下階の床面より低い低床面7aとなっており、この低床面7aと、前記脱臭・除菌機能付き収納室14の床面14aと、前記玄関17の土間床面17aとが連続し、かつ略面一であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、低天井収納空間6の低床面7aと、脱臭・除菌機能付き収納室14の床面14aと、玄関17の土間床面17aとが連続し、かつ略面一であるので、自転車や大型収納物を玄関17から脱臭・除菌機能付き収納室14を通って低天井収納空間6に容易に出し入れできる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の建物において、
前記低天井収納空間6は、前記低床面7aを有する第1低天井収納空間7と、前記低床面以外の床面8aを有する第2低天井収納空間8とを備え、
前記第2低天井収納空間8の床面8aが、前記低天井収納空間6と隣接する部屋10の床面10aとほぼ面一であり、
前記第2低天井収納空間8と前記部屋10とを仕切る壁に開口部11が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、第2低天井収納空間8の床面8aが、低天井収納空間6と隣接する部屋10の床面10aとほぼ面一であり、第2低天井収納空間8と部屋10とを仕切る壁に開口部11が設けられているので、部屋10から開口部11を通して第2低天井収納空間8に出入りでき、収納物の出し入れが容易となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の建物において、
前記第2低天井収納空間8に連通して第3低天井収納空間23が設けられており、
前記開口部11に設けられた引戸12が第3低天井収納空間23に引き込み可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、第2低天井収納空間8と部屋10とを仕切る壁に設けられた開口部11に設けられた引戸12が第3低天井収納空間23に引き込み可能であるので、前記開口部11を全開口でき、収納物の出し入れが容易となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、例えば図5および図6に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物において、
前記中間床3上の空間と、前記脱臭・除菌機能付き収納室14とを仕切る壁37に第4建具38が設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、上階に収納された衣類やベランダ等に干してあった衣類を中間床上の空間から第4建具38を通して脱臭・除菌機能付き収納室14に容易に出し入れできる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、低天井収納空間に隣接して、脱臭機能と除菌機能を有しかつ下階と天井高が等しい脱臭・除菌機能付き収納室が配置され、この脱臭・除菌機能付き収納室と前記低天井収納空間とが第1建具によって連通可能であり、脱臭・除菌機能付き収納室に隣接して玄関が配置されるとともに、これら脱臭・除菌機能付き収納室と玄関とが第2建具によって連通可能であり、脱臭・除菌機能付き収納室と前記玄関に連通する部屋または廊下とが第3建具によって連通可能であるので、玄関から第2建具を通って脱臭・除菌機能付き収納室に入り、この脱臭・除菌機能付き収納室でコート等の衣類を脱いで収納することができ、居室等の部屋に持ち込まなくても済み、また、靴、自転車、アウトドア用品等は、脱臭・除菌機能付き収納室から第1建具を通して、低天井収納空間に収納できる。
したがって、外部の汚れた空気を居室等の部屋に持ち込む量を軽減できる。
また、脱臭・除菌機能付き収納室からコート等の衣類を脱いだ状態でそのまま第3建具を通って部屋または廊下に入ることができ、さらに、第1〜第3建具の開閉を調整することによって、脱臭・除菌機能付き収納室の脱臭・除菌効果を調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る建物の第1の実施の形態を示すもので、1階の平面図である。
【図2】同、2階の平面図である。
【図3】同、縦断面図である。
【図4】本発明に係る建物の第2の実施の形態を示すもので、1階の要部の平面図である。
【図5】同、中間階の要部の平面図である。
【図6】同、階段付近の要部の断面図である。
【図7】本発明に係る建物の第3の実施の形態を示すもので、1階の要部の平面図である。
【図8】本発明に係る建物の第4の実施の形態を示すもので、1階の要部の平面図である。
【図9】同、中間階の要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明に係る建物の実施の形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図3は、第1の実施の形態を示すもので、図1は建物の1階の平面図、図2は2階の平面図、図3は縦断面図である。
図3に示すように、1階の床である下階床1と、2階の床である上階床2との間には中間床3が設けられている。この中間床3は、図2に示すように、踊り場4aと、この踊り場4aに連通する中間部屋5の床を構成している。そして、この踊り場4aに下階床1と上階床2との間に設けられた階段4の途中が接続されている。
【0021】
前記中間床3の下方には、図1および図3に示すように、低天井収納空間6が設けられている。この低天井収納空間6は天井高さが0.9m〜1.4m程度となっている。
低天井収納空間6は、図1に示すように、低床面7aを有する第1低天井収納空間7と、低床面7a以外の床面8aを有する第2低天井収納空間8とを備えている。第2低天井収納空間8の床面8aは、低天井収納空間6と隣接する部屋(食堂)10の床面10aとほぼ面一である。なお、第1低天井収納空間7には、その壁面に沿って収納棚7bが設けられている。第1低天井収納空間7は、前記踊り場4aの下方に設けられており、その低床面7aは1階の床面10aより1段低くなっている。
また、第2低天井収納空間8と部屋(食堂)10とを仕切る壁には、開口部11が設けられており、この開口部11は引違い式の引戸12によって開閉可能となっている。
【0022】
また、第1低天井収納空間7に隣接して、脱臭・除菌機能付き収納室14が配置されている。この脱臭・除菌機能付き収納室14は脱臭・除菌機能を有しかつ下階(1階)と天井高が等しくなっている。脱臭・除菌機能付き収納室14の内壁には、脱臭・除菌機能を備えた空調機15が取り付けられている。この空調機15は、例えば、脱臭・除菌効果のあるイオン送風機と、湿度センサ付き換気扇によって構成されており、臭いの付着した衣類や菌の付着した衣類を脱臭・除菌機能付き収納室14に収納するだけで、臭いや菌を部屋に持ち込まないようになっている。また、イオン送風機は、所定の水分(湿度)がないと有効に機能しないことから、換気扇を連動運転させると、イオン送風機の効果がないまま乾燥してしまうため、前記湿度センサによって、適正な湿度(所定の湿度)が保たれるようにセンシングして換気扇を自動運転するようになっている。
また、脱臭・除菌機能付き収納室14と第1低天井収納空間7とは第1建具16によって連通可能である。すなわち、脱臭・除菌機能付き収納室14と第1低天井収納空間7とを仕切る壁16bには開口部16aが形成されており、当該壁16bには開口部16aを開閉する第1建具16としての引戸16,16が設けられている。したがって、引戸16,16を開けることによって、脱臭・除菌機能付き収納室14と第1低天井収納空間7とが連通するようになっている。なお、開口部16aの上辺の高さは床面から0.9m〜1.4m程度となっている。
【0023】
また、前記脱臭・除菌機能付き収納室14に隣接して玄関17が配置されており、当該玄関17と脱臭・除菌機能付き収納室14とは第2建具18によって連通可能となっている。
すなわち、玄関17に設けられた壁19aの一端部(南側の端部)と、これに対向する壁19bの間を通って玄関17と脱臭・除菌機能付き収納室14との行き来を行えるようになっており、壁19bに第2建具18としての折戸18が取り付けられている。したがって、この折戸18を開けることによって、玄関17と脱臭・除菌機能付き収納室14とが連通可能となっている。
また、脱臭・除菌機能付き収納室14と、玄関17に連通する廊下20とが第3建具21によって連通可能である。
すなわち、前記壁16bの他端部(北側の端部)と、これに対向する壁19aの端部との間を通って脱臭・除菌機能付き収納室14と廊下20との行き来を行えるようになっており、壁16bに第3建具21としての折戸21が取り付けられている。したがって、この折戸21を開けることによって、脱臭・除菌機能付き収納室14と廊下20とが連通可能となっている。
廊下20の東側の端部は玄関ホールに連通しており、西側の端部は前記食堂(部屋)10と連続する居間26に連通している。なお、食堂10と居間26によってリビングダイニング27を構成している。また、この居間26に西側に洗面室、浴室、トイレ等の水廻り系の部屋が配置されている。
【0024】
前記低天井収納空間6の床面の一部、すなわち、第1低天井収納空間7の低床面7aと、脱臭・除菌機能付き収納室14の床面14aと、玄関17の土間床面17aとは連続しており、かつ略面一である。
また、第1低天井収納空間7に隣接している第2低天井収納空間8の床面8aは第1低天井収納空間7の低床面7aより1段高くなっており、第1低天井収納空間7と第2低天井収納空間8とを仕切る壁に設けられた開口部を通って行き来できるようになっている。
【0025】
前記第2低天井収納空間8に連通して第3低天井収納空間23が設けられている。この第3低天井収納空間23を形成する壁は、建物の部屋10の南側の外壁より突出した外壁24となっていて、玄関ポーチに隣接している。この突出した平面視略コ字形の外壁24の内側に第3低天井収納空間23が設けられている。
第3低天井収納空間23の床面23aは、第2低天井収納空間8の床面8aより1段低くなっており、玄関17の土間床面17aや玄関ポーチの床面と面一になっている。前記外壁24には、掃き出し窓25が設けられており、この掃き出し窓25を開けて、第3低天井収納空間23と外部とが行き来できるようになっている。
また、第3低天井収納空間23の左右の幅は、第2低天井収納空間8の左右の幅と等しくなっている。そして、第2低天井収納空間8と部屋(食堂)10とを仕切る壁に設けられた開口部11を開閉する引戸12が第3低天井収納空間23に引き込み可能となっている。つまり、引戸12が前記平面視コ字形の外壁24の西側の外壁の内面に沿って引き込み可能となっている。これによって、開口部11は全開口できるようになっている。
【0026】
前記リビングダイニング27には、図3に示すように、下階床1から中間部屋5の天井高さ位置まで吹き抜ける吹抜け部30が中間部屋5に面して配置されている。すなわち、吹抜け部30は平面視において中間部屋5に隣接しかつ連通して配置されている。この吹抜け部30の幅は、第2低天井収納空間8の開口部11とほぼ同幅になっており、この開口部11は吹抜け部30面している。
中間部屋5の床を構成する中間床3の吹抜け部30側の端部には、透明なガラス板で構成された手摺31が設けられている。この手摺31の高さは上階床2の床面より低くなっている。
また、吹抜け部30は、上階床2上の部屋である寝室33に面している。すなわち、吹抜け部30は平面視において寝室33に隣接しかつ連通して配置されている。具体的には寝室33と吹抜け部30との間にある壁34には、開口部35が形成されており、この開口部35によって吹抜け部30と寝室33とは連通している。開口部35はその下辺部が大人の腰程度の高さに位置しており、当該開口部35にはガラス窓が設けられている。このガラス窓は嵌め殺し式のものであるが、開閉式であってもよい。
【0027】
なお、2階の中央部にはホール32が階段4の下り口に面して配置されており、このホール32から寝室33、部屋36a,36bに行き来できるようになっている。
【0028】
本実施の形態によれば、脱臭・除菌機能付き収納室14に隣接して玄関17が配置されるとともに、これら脱臭・除菌機能付き収納室14と玄関17とが第2建具18によって連通可能であるので、外出先から帰宅した住人等は玄関17から第2建具18を通って脱臭・除菌機能付き収納室14に入り、この脱臭・除菌機能付き収納室14でコート等の衣類を脱いで収納することができ、居室等の部屋(例えばリビングダイニング27等)に持ち込まなくても済む。
また、靴、自転車、アウトドア用品等は、脱臭・除菌機能付き収納室14から第1建具16を通して、低天井収納空間6の第1低天井収納空間7に収納できる。
したがって、外部の汚れた空気を居室等の部屋(例えばリビングダイニング27等)に持ち込む量を軽減できる。
また、脱臭・除菌機能付き収納室14と玄関17に連通する廊下20とが第3建具21によって連通可能であるので、脱臭・除菌機能付き収納室14からコート等の衣類を脱いだ状態でそのまま第3建具21を通って廊下20から部屋(例えばリビングダイニング27等)に入ることができる。
さらに、第1〜第3建具の開閉を調整することによって、脱臭・除菌機能付き収納室14の脱臭・除菌効果を調整できる。例えば、第2建具18および第3建具21を閉じるとともに、第1建具16を開けることによって、脱臭・除菌効果を第1低天井収納空間7に拡げることができ、第1建具16および第3建具21を閉じるとともに、第2建具18を開けることによって、脱臭・除菌効果を玄関17に拡げることができる。
また、第1〜第3建具を閉じることによって、脱臭・除菌機能付き収納室14の脱臭・除菌効果が低下するのを防止できる。
【0029】
また、第1低天井収納空間7の低床面7aと、脱臭・除菌機能付き収納室14の床面14aと、玄関17の土間床面17aとが連続し、かつ略面一であるので、自転車や大型収納物を玄関17から脱臭・除菌機能付き収納室14を通って第1低天井収納空間7に容易に出し入れできる。
また、第2低天井収納空間8の床面8aが、低天井収納空間6と隣接する部屋10の床面10aとほぼ面一であり、第2低天井収納空間8と部屋10とを仕切る壁に開口部11が設けられているので、部屋10から開口部11を通して第2低天井収納空間8に出入りでき、収納物の出し入れが容易となる。
さらに、第2低天井収納空間8と部屋10とを仕切る壁に設けられた開口部11に設けられた引戸12が第3低天井収納空間23に引き込み可能であるので、開口部11を全開口でき、収納物の出し入れが容易となる。
【0030】
また、下階床1から上階の天井または中間部屋5の天井高さ位置まで吹き抜ける吹抜け部30が中間部屋5に面して配置され、下階床上の部屋10に、平面視において、吹抜け部30が配置されているので、下階床上の部屋10と中間部屋5とは吹抜け部30によって繋がった状態となる。
したがって、下階床上の部屋10と、中間床上の中間部屋5との間で吹抜け部30を通してコミュニケーションを容易にとることができる。
また、下階床上の部屋10と中間部屋5との間で吹抜け部30を通して、通風や採光を確保できるので、下階床上の部屋10に中間部屋5から光を採り入れて、下階床上の部屋10を明るくでき、また、下階床上の部屋10と中間部屋5とで空気を流通させることができる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図4〜図6は第2の実施の形態を示すもので、図4は1階の要部の平面図、図5は中間階の要部の平面図、図6は階段付近の要部の断面図である。
図4〜図6に示す第2の実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる点は、中間床上の空間と、脱臭・除菌機能付き収納室とを仕切る壁に第4建具が設けられている点であるので、以下ではこの点について詳しく説明し、第1の実施の形態と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0032】
本実施の形態では、図4〜図6に示すように、中間床3の一部を構成する踊り場4aに面する壁37、つまり、踊り場4a上の空間と脱臭・除菌機能付き収納室14の上部空間とを仕切る壁37に開口部37aが形成されている。この開口部37aの下辺部は中間床3の位置とほぼ等しくなっており、上辺は2階の床の位置とほぼ等しくなっている。
また、壁37には開口部37aを開閉する第4建具38としての引戸38が設けられている。
さらに、脱臭・除菌機能付き収納室14の天井には、ハンガー等を掛けるハンガーパイプ39が取り付けられている。
【0033】
本実施の形態によれば、上階に収納された衣類やベランダ等に干してあった衣類を持って2階から階段4を下りて踊り場4aに行き、この衣類を踊り場4aから第4建具38を通して脱臭・除菌機能付き収納室14に容易に出し入れできる。
また、踊り場4aから脱臭・除菌機能付き収納室14に衣類等を出し入れするため、脱臭・除菌機能付き収納室14の天井に取り付けられたハンガーパイプ39に容易に衣類等を吊るすことができる。
【0034】
(第3の実施の形態)
図7は第3の実施の形態を示すもので、1階の要部の平面図である。
本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、1階の床である下階床と、2階の床である上階床との間に中間床が設けられ、この中間床は、踊り場と、この踊り場に連通する中間部屋の床を構成している。そして、この踊り場に下階床と上階床との間に設けられた階段40(図7参照)の途中が接続されている。
【0035】
前記中間床の下方には、図7に示すように、天井高さが0.9m〜1.4m程度の低天井収納空間41が設けられている。
低天井収納空間41は、低床面42aを有する第1低天井収納空間42と、低床面42a以外の床面43aを有する第2低天井収納空間43とを備えている。第2低天井収納空間43の床面43aは、低天井収納空間41と隣接する部屋10の床面10aとほぼ面一である。
また、第2低天井収納空間43と部屋10とを仕切る壁には、開口部11が設けられており、この開口部11は引戸12によって開閉可能となっている。
前記第1低天井収納空間42は、前記踊り場の一部およびこの踊り場から2階へ至る階段40の下方に設けられており、その低床面42aは1階の床面10aより1段低くなっている。
【0036】
また、第1低天井収納空間42に隣接して、脱臭・除菌機能付き収納室44が配置されている。この脱臭・除菌機能付き収納室44は脱臭・除菌機能を有しかつ下階(1階)と天井高が等しくなっている。脱臭・除菌機能付き収納室44の内壁には、脱臭・除菌機能を備えた空調機15が取り付けられている。
また、脱臭・除菌機能付き収納室44と第1低天井収納空間42とを仕切る壁46bには開口部46aが形成されており、当該壁には開口部46aを開閉する第1建具46としての引戸46が設けられている。したがって、引戸46を開けることによって、脱臭・除菌機能付き収納室44と第1低天井収納空間42とが連通するようになっている。
【0037】
また、前記脱臭・除菌機能付き収納室44に隣接して玄関47が配置されており、当該玄関47と脱臭・除菌機能付き収納室44とは第2建具18によって連通可能となっている。
すなわち、玄関47に設けられた壁49の一端部(東側の端部)の裏側を通って玄関47と脱臭・除菌機能付き収納室44との行き来を行えるようになっており、壁49の端部と対向する壁に第2建具48としての折戸48が取り付けられている。したがって、この折戸48を開けることによって、玄関47と脱臭・除菌機能付き収納室44とが連通可能となっている。
また、脱臭・除菌機能付き収納室44と、玄関17に連通する部屋10とが第3建具51によって連通可能である。
すなわち、前記壁46bの他端部(西側の端部)と、これに対向する壁49の間を通って脱臭・除菌機能付き収納室44と部屋10との行き来を行えるようになっており、壁46bに第3建具51としての折戸51が取り付けられている。したがって、この折戸51を開けることによって、脱臭・除菌機能付き収納室44と部屋10とが連通可能となっている。
【0038】
前記低天井収納空間41の床面の一部、すなわち、第1低天井収納空間42の低床面42aと、脱臭・除菌機能付き収納室44の床面44aと、玄関47の土間床面47aとは連続しており、かつ略面一である。
また、第1低天井収納空間42に隣接している第2低天井収納空間43の床面43aは第1低天井収納空間42の低床面42aより1段高くなっており、第1低天井収納空間42と第2低天井収納空間43とを仕切る壁に設けられた開口部を通って行き来できるようになっている。
【0039】
前記第2低天井収納空間43に連通して第3低天井収納空間53が設けられている。この第3低天井収納空間53を形成する壁は、建物の部屋10の南側の外壁より突出した外壁となっており、この突出した平面視略コ字形の外壁54の内側に第3低天井収納空間53が設けられている。
第3低天井収納空間53の床面53aは、第2低天井収納空間43の床面43aより1段低くなっており、玄関47の土間床面47aや玄関ポーチの床面と面一になっている。前記外壁54には、掃き出し窓55が設けられており、この掃き出し窓55を開けて、第3低天井収納空間53と外部とが行き来できるようになっている。
また、第3低天井収納空間53の左右の幅は、第2低天井収納空間43の左右の幅と等しくなっている。そして、第2低天井収納空間43と部屋10とを仕切る壁に設けられた開口部11を開閉する引戸12が第3低天井収納空間53に引き込み可能となっている。つまり、引戸12が前記平面視コ字形の外壁54の西側の外壁の内面に沿って引き込み可能となっている。これによって、開口部11は全開口できるようになっている。
【0040】
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様に、外出先から帰宅した住人等は玄関47から第2建具48を通って脱臭・除菌機能付き収納室44に入り、この脱臭・除菌機能付き収納室44でコート等の衣類を脱いで収納することができ、居室等の部屋10に持ち込まなくても済む。
また、靴、自転車、アウトドア用品等は、脱臭・除菌機能付き収納室44から第1建具46を通して、第1低天井収納空間42に収納できる。
したがって、外部の汚れた空気を居室等の部屋10等に持ち込む量を軽減できる。
また、脱臭・除菌機能付き収納室44からコート等の衣類を脱いだ状態でそのまま第3建具51を通って部屋10に入ることができる。
さらに、第1〜第3建具の開閉を調整することによって、脱臭・除菌機能付き収納室44の脱臭・除菌効果を調整できる。
【0041】
また、第1低天井収納空間42の低床面42aと、脱臭・除菌機能付き収納室44の床面44aと、玄関47の土間床面47aとが連続し、かつ略面一であるので、自転車や大型収納物を玄関47から脱臭・除菌機能付き収納室44を通って第1低天井収納空間42に容易に出し入れできる。
さらに、部屋10から開口部11を通して第2低天井収納空間43に出入りでき、収納物の出し入れが容易となる。
加えて、引戸12が第3低天井収納空間53に引き込み可能であるので、開口部11を全開口でき、収納物の出し入れが容易となる。
【0042】
(第4の実施の形態)
図8および図9は第4の実施の形態を示すもので、図8は1階の要部の平面図、図9は中間階の要部の平面図である。
本実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様に、1階の床である下階床と、2階の床である上階床との間に中間床3が設けられ、この中間床3は、踊り場60aと、この踊り場60aに連通する中間部屋62の床を構成している。そして、この踊り場60aに下階床と上階床との間に設けられた平面視L形の階段60の途中が接続されている。
【0043】
前記中間床3の下方には、天井高さが0.9m〜1.4m程度の低天井収納空間61が設けられている。
低天井収納空間61は中間床上の中間部屋62の下方に設けられており、当該低天井収納空間61の床面の一部は、1階の部屋より1段低い低床面61aとなっている。
また、低天井収納空間61に隣接して、脱臭・除菌機能付き収納室64が配置されている。この脱臭・除菌機能付き収納室64は脱臭・除菌機能を有しかつ下階(1階)と天井高が等しくなっている。脱臭・除菌機能付き収納室64の内壁には、脱臭・除菌機能を備えた空調機15が取り付けられている。
また、脱臭・除菌機能付き収納室64と低天井収納空間61とを仕切る壁66bには開口部66aが形成されており、当該壁66bには開口部66aを開閉する第1建具66としての引戸66が設けられている。したがって、引戸66を開けることによって、脱臭・除菌機能付き収納室64と低天井収納空間61とが連通するようになっている。
【0044】
また、前記脱臭・除菌機能付き収納室64に隣接して玄関67が配置されており、当該玄関67と脱臭・除菌機能付き収納室64とは第2建具68によって連通可能となっている。
すなわち、玄関67と脱臭・除菌機能付き収納室64と仕切る壁に開口部が形成されており、この開口部に、第2建具68としての折戸68が取り付けられている。したがって、この折戸68を開けることによって、玄関67と脱臭・除菌機能付き収納室64とが連通可能となっている。
また、脱臭・除菌機能付き収納室64と、玄関67に連通するホール69とが第3建具71によって連通可能である。
すなわち、脱臭・除菌機能付き収納室64とホール69とを仕切る壁に開口部が形成されており、この開口部に、第3建具71としての折戸71が取り付けられている。したがって、この折戸71を開けることによって、脱臭・除菌機能付き収納室64とホール69とが連通可能となっている。
また、前記低天井収納空間61の床面61aと、脱臭・除菌機能付き収納室64の床面64aと、玄関67の土間床面67aとは連続しており、かつ略面一である。
【0045】
また、図9に示すように、中間床3の一部を構成する踊り場60aに面する壁73、つまり踊り場60a上の空間と脱臭・除菌機能付き収納室64の上部空間とを仕切る壁73に開口部73aが形成されている。この開口部73aの下辺部は中間床3の位置とほぼ等しくなっており、上辺は2階の床の位置とほぼ等しくなっている。
また、壁73には開口部73aを開閉する第4建具74としての引戸74が設けられている。
なお、脱臭・除菌機能付き収納室64の天井には、ハンガー等を掛けるハンガーパイプが取り付けられている。
【0046】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、外出先から帰宅した住人等は玄関67から第2建具68を通って脱臭・除菌機能付き収納室64に入り、この脱臭・除菌機能付き収納室64でコート等の衣類を脱いで収納することができ、居室等の部屋に持ち込まなくても済む。
また、靴、自転車、アウトドア用品等は、脱臭・除菌機能付き収納室64から第1建具66を通して、低天井収納空間61に収納できる。
したがって、外部の汚れた空気を居室等の部屋等に持ち込む量を軽減できる。
また、脱臭・除菌機能付き収納室64からコート等の衣類を脱いだ状態でそのまま第3建具71を通ってホール69に入ることができる。
さらに、第1〜第3建具の開閉を調整することによって、脱臭・除菌機能付き収納室64の脱臭・除菌効果を調整できる。
また、低天井収納空間61の低床面61aと、脱臭・除菌機能付き収納室64の床面64aと、玄関67の土間床面67aとが連続し、かつ略面一であるので、自転車や大型収納物を玄関67から脱臭・除菌機能付き収納室64を通って低天井収納空間61に容易に出し入れできる。
【0047】
また、第2の実施の形態と同様に、上階に収納された衣類やベランダ等に干してあった衣類を持って2階から階段60を下りて踊り場60aに行き、この衣類を踊り場60aから第4建具74を通して脱臭・除菌機能付き収納室64に容易に出し入れできる。
また、踊り場60aから脱臭・除菌機能付き収納室64に衣類等を出し入れするため、脱臭・除菌機能付き収納室64の天井に取り付けられたハンガーパイプに容易に衣類等を吊るすことができる。
【符号の説明】
【0048】
1 下階床
2 上階床
3 中間床
4,40,60 階段
4a,40a,60a 踊り場
6,41,61 低天井収納空間
7,42 第1低天井収納空間
8,43 第2低天井収納空間
10 部屋
14,44,64 脱臭・除菌機能付き収納室
16,46,66 第1建具
17,47,67 玄関
18,48,68 第2建具
20 廊下
21,51,71 第3建具
23,53 第3低天井収納空間
38,74 第4建具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上階床と下階床との間に設けられた階段の途中が接続される中間床を有し、この中間床の下方に低天井収納空間が設けられた建物であって、
前記低天井収納空間に隣接して、脱臭機能と除菌機能を有しかつ下階と天井高が等しい脱臭・除菌機能付き収納室が配置され、この脱臭・除菌機能付き収納室と前記低天井収納空間とが第1建具によって連通可能であり、
前記脱臭・除菌機能付き収納室に隣接して玄関が配置されるとともに、これら脱臭・除菌機能付き収納室と玄関とが第2建具によって連通可能であり、
前記脱臭・除菌機能付き収納室と前記玄関に連通する部屋または廊下とが第3建具によって連通可能であることを特徴とする建物。
【請求項2】
請求項1に記載の建物において、
前記低天井収納空間の床面の一部が下階の床面より低い低床面となっており、この低床面と、前記脱臭・除菌機能付き収納室の床面と、前記玄関の土間床面とが連続し、かつ略面一であることを特徴とする建物。
【請求項3】
請求項2に記載の建物において、
前記低天井収納空間は、前記低床面を有する第1低天井収納空間と、前記低床面以外の床面を有する第2低天井収納空間とを備え、
前記第2低天井収納空間の床面が、前記低天井収納空間と隣接する部屋の床面とほぼ面一であり、
前記第2低天井収納空間と前記部屋とを仕切る壁に開口部が設けられていることを特徴とする建物。
【請求項4】
請求項3に記載の建物において、
前記第2低天井収納空間に連通して第3低天井収納空間が設けられており、
前記開口部に設けられた引戸が第3低天井収納空間に引き込み可能であることを特徴とする建物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物において、
前記中間床上の空間と、前記脱臭・除菌機能付き収納室とを仕切る壁に第4建具が設けられていることを特徴とする建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−211464(P2012−211464A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77408(P2011−77408)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】