説明

建築コンペ選択型設計システム及び建築コンペ設計施工受注方法

【課題】
予算に自由かつ柔軟に対応できる建築コンペ選択型設計システムを提供すること。
【解決手段】
本発明に係る建築コンペ選択型設計システムは、依頼者が所定の情報に基づいて建築家を自ら選択して建築物の設計及び見積をする建築コンペ選択型設計システムであって、依頼者の意思により建築家を決めてから設計を行う単独指名方式または複数の建築家に建築依頼を行うコンペ方式に係る情報及び/または画像やテキストの各情報のうちの少なくとも1を含む伝達情報を入力する手段に係る入力手段と、該伝達情報を基に画像やテキストの各情報のうちの少なくとも1を含む発信情報を生成する手段に係る生成手段と、該伝達情報及び該発信情報を出力する手段に係る出力手段と、該伝達情報及び該発信情報を記憶装置に収納及び記憶装置から呼び出しする手段とを有する管理装置と、前記収納された情報を格納する手段を有する記憶装置を備えたことを特徴として構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、依頼者の建築物創作の依頼の際に用いる建築コンペ選択型設計システム及び建築コンペ設計施工受注方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、注文建築の施工に当たっては、依頼者は自分の希望する建築物の創作のため建築請負会社に建築の依頼をし、請負会社はインターネットを利用したオンライン設計コンペシステム或いは登録されている複数の建築家の中から依頼者の意思を尊重して所定の手段により建築家を決定する設計コンペシステムが主流となっていた。
【特許文献1】特開2001−338020
【特許文献2】特開2006−215760
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、依頼者が抱く建築物に対する要望を実現させるために、設計コンペを行う際の運営費用として依頼者にその分の負担がかかる場合がある。依頼者は建築物の創作自体に対して資金を費やしたいと考えるのは当然であり、建築家の決定等に係る建築物見積段階においては余計な投資は避けたいと考えられる。
【0004】
このような、設計コンペを開けば、依頼者の要望の十分に対応できるとはいえ、請負会社にて建築物創作の実績がある建築家について、建築物完成までの過程に係る情報(例えば、建築物創作スケジュール管理技術情報、リスク管理技術情報を含む)を有している必要がある。かかる情報は必然的にコストがかかってしまう。
【0005】
本発明は、このような従来技術上の問題点を解決するためになされたもので、予算に自由かつ柔軟に対応できる建築コンペ選択型設計システムを提供することを目的とする。さらに具体的には、本発明は、依頼者の希望する建築物の創作をするため、建築家を単独指名する方式又はコンペにて建築家を選択する方式のうちのいずれか1つを選択して行うことができる建築コンペ選択型設計システム及び建築コンペ設計施工受注方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、これまで特に住宅建築においては、コンペ形式では、プラン等の計画案情報に主に基づいて決定することを余儀なくされていたことによる不具合(予算の不一致、予想外のコスト高等)に鑑み、不具合の発生度合いが少なく、受注側からすれば受注率の高い建築コンペ選択型設計システム及び建築コンペ設計施工受注方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明に係る建築コンペ選択型設計システムは、建築物の創作を依頼する依頼者の所定の情報に基づいて建築家を依頼者自らが選択し、かかる選択に沿って依頼者に対して建築物の設計及び見積を提示する建築コンペ選択型設計システムであって、前記依頼者の意思により建築家を決めてから設計を行う単独指名方式または複数の建築家に建築依頼を行うコンペ方式に係る情報及び/または画像、テキストの各情報のうちの少なくとも1を含む伝達情報を入力する手段に係る入力手段と、該伝達情報を基に画像、テキストの各情報のうちの少なくとも1を含む発信情報を生成する生成手段と、前記伝達情報及び前記発信情報を出力する出力手段と、前記伝達情報及び前記発信情報を記憶装置に収納し及び記憶装置から呼び出す手段とを有する管理装置と、前記収納された情報を格納する手段を有する記憶装置とを具備することを特徴として構成される。
【0008】
かかる構成を備える本発明によれば、管理装置は依頼者からの依頼における単独指名方式またはコンペ方式に係る情報を含む所定の伝達情報を入力でき、管理装置内に搭載される各情報処理部にて、依頼者及び/または建築家への発信情報を生成し、この生成された発信情報を通信部が依頼者及び/または建築家に配信することにより、依頼者及び/または建築家は該情報を受信して該情報について認識することができる。さらに伝達情報及び発信情報は記憶装置にて格納されるため、必要に応じて管理装置から該情報の更新等のための収納または呼び出しを行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る前記伝達情報は、依頼者の意思により建築家を決めてから設計を行う単独指名方式または複数の建築家に建築依頼を行うコンペ方式に係る情報及び依頼者の個人に係る情報を含む依頼者情報、希望する建築物の条件に係る建築依頼情報、依頼者が建築家を選択する条件に係る建築家選定情報、建築家が作成する建築プランに係る建築プラン情報が含まれることを特徴として構成される。なお、建築プラン情報は、建築家を選定するために用いられる第一の建築プラン情報(以下、「建築プラン」ともいう。)と、決定された建築家が提案する第二の建築プラン情報(以下、「再建築プラン」ともいう。)を含む。なお、「再建築プラン」とは、リフォーム等の意味ではなく、一つの物件についてコンペによる建築家決定後に再び提示されるプランをいう。
【0010】
ここで、依頼者情報は、例えば、依頼者の氏名、住所、連絡の各種情報(以下、「依頼者ID」という。)やかかる建築家を選択する方式に係る情報を含む。具体的には、図10に示すものを含んでいる。また、建築依頼情報は、例えば、建築計画、住宅形式、階数、延床面積、住まいのイメージ、駐車場、外観イメージ、予算、資金計画、他社での計画、玄関、ダイニング、和室、書斎、階段、洗面、浴室、バルコニーに係る面積、材質、色彩等の要望を示すための各種情報を含む。具体的には、図11A乃至Cに示すものを含んでいる。また、建築家選定情報は、例えば、建築家に係る氏名、求める経歴、得意な建築物の特徴を示すための各種情報、概算見積情報或いは建築プラン情報を含む。なお、概算見積情報は、第一の建築プラン情報を基に生成される。この概算見積情報は、たとえば、既存の見積・積算システム(ソフトウェア)を用い、このシステムの入力情報として必要最小限度の情報もしくは絶対的情報(入力情報から任意的情報を除いたもの)のみを与えることによって、通常の見積作成よりも簡略化して得ることができ、見積情報を得るための手間が省力化できることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る前記発信情報は、建築家に対して最終的な建築物創作の依頼に係る建築家決定情報が含まれることを特徴として構成される。
【0012】
また、本発明に係る入力する手段は、ネットワークを介して情報端末、例えばパーソナルコンピュータからサーバに送信される伝達情報を受信する機能を実現するプログラム、ソフトウェア、かかるソフトを実行可能形式にして記録媒体に搭載したもの、ROM、アルゴリズムを電子回路化したものを含んで実現される場合や店頭に設置されているパーソナルコンピュータにて該情報を入力する機能を実現するプログラム、ソフトウェア、かかるソフトを実行可能形式にして記録媒体に搭載したもの、ROM、アルゴリズムを電子回路化したものを含んで実現される場合が含まれることを特徴として構成される。
【0013】
また、本発明に係る記憶装置は、依頼者情報と建築依頼情報と建築家選定情報とを格納する依頼者情報記憶部と、建築家の情報である建築家情報と建築家決定情報とを格納する建築家情報記憶部と、建築プラン情報と建築物の見積費に係る建築物見積費情報とを格納する建築内容情報記憶部と、建築費の見積項目情報を格納する建築費情報記憶部が含まれることを特徴として構成される。
【0014】
ここで、建築家情報とは、例えば、建築家に係る氏名、年齢、性別、血液型、性格、経歴、得意な建築物、建築実績、過去に作成した建築プラン、該建築プランにて建築した際のスケジュール管理技術やリスク管理技術に係る情報の各種情報を含む。また、見積項目情報とは、例えば、建築家、工法、防火指定、附帯工事、ガス、水道、夢炭、冷暖房設備、屋根、庇、外壁、バルコニー床、サッシ、玄関ドア、タイル、内部壁、天井、木製建具、巾木、窓代、和室、床下収納、ロフトに係る面積、材質、色彩等の要望を示すための各種情報を含む。具体的には、図12に示すものを含む情報とする。
【0015】
また、本発明に係る前記生成手段は、建築家選定情報及び建築家情報を基に建築家決定情報を算定する手段と、建築プラン情報及び見積項目情報を基に建築物見積費情報を算定する手段が含まれることを特徴として構成される。
【0016】
なお、建築物見積費情報を算定する手段には、概算見積費情報を算出する手段が含まれる。
【0017】
ここで、建築家決定情報を算定する手段とは、例えば、建築家選定情報と建築家情報との一致不一致を認定するための閾値を設定し、かかる閾値以上の一致がある場合は、該建築家に依頼を決定し、該閾値以下の場合は、依頼者が優先する項目に最も適合した建築家を選定する条件に基づいて建築家を決定する機能を実現するプログラム、ソフトウェア、かかるソフトを実行可能形式にして記録媒体に搭載したもの、ROM、アルゴリズムを電子回路化したものを含んで実現される。また、建築物見積費情報を算定する手段とは、例えば、見積に必要な項目の各見積費用を積算する機能を実現するプログラム、ソフトウェア、かかるソフトを実行可能形式にして記録媒体に搭載したもの、ROM、アルゴリズムを電子回路化したものを含んで実現されることを特徴として構成される。
【0018】
また、本発明に係る出力する手段は、ネットワークを介して前記発信情報を依頼者及び/または建築家に配信する機能を実現するプログラム、ソフトウェア、かかるソフトを実行可能形式にして記録媒体に搭載したもの、ROM、アルゴリズムを電子回路化したものや店頭に設置されているパーソナルコンピュータにて該情報を出力して依頼者及び建築家に伝達する機能を実現するプログラム、ソフトウェア、かかるソフトを実行可能形式にして記録媒体に搭載したもの、ROM、アルゴリズムを電子回路化したものを含んで実現されることを特徴として構成される。
【0019】
本発明に係る建築コンペ設計施工受注方法は、建築物の創作を依頼する依頼者に係る所定の情報を収集し、前記収集した所定の情報を建築家群に対して提示し、前記提示された建築家群から建築プラン情報及び概算見積情報を受信し、前記受信した建築プラン情報及び概算見積情報を前記依頼者に対して提示し、前記提示された依頼者から前記建築物の創作に着手すべき建築家として決定された情報を受信し、前記決定された建築家から所定の詳細情報を受信することを特徴とする。
【0020】
こうした構成を有することにより、依頼者は、自分の希望に沿って複数の建築家が提示した複数の建築プラン及びそれの概算見積を参照して、自分の希望及び/または予算に最も適合した建築プラン及び建築家を選定できる。その上で、施工側はこの決定された建築家が作成・(第一次)提示したプランに沿って詳細見積、施工を行うので、依頼者及び施工者間でコスト等に係る意思伝達の行き違いをなくし、円滑な建築設計・施工の受注を推進することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、依頼者の希望する建築物の創作をするため、予算に応じて建築家を単独指名する方式又はコンペにて建築家を選択する方式のうちのいずれか1つを選択して行う建築コンペ選択型設計システムが提供される。これにより依頼者は建築家を選定する段階において、資金面での負担が軽減される。
【0022】
また、本発明によれば、依頼者は建築家を選定する際に、概算見積費情報を参考にすることができるため、依頼者の予算に応じて最適な建築家を選定することが実現される。さらに、概算見積費情報を生成することにより、依頼者と建築家との間に生じる建築物に係るイメージの差異を未然に防ぐことができる。こうすることで、建築家決定後に算定する見積費情報と依頼者の予算との誤差を軽減し、希望通りの建築物を発注することができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、概算見積費情報を基に見積費情報を算定することができるため、見積費情報の算定に必要な処理時間の短縮化が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る建築コンペ設計システムの構成を示す図である。本発明は、サーバ10及びデータベース20を基本的な構成としている。また、サーバ10とデータベース20とは、情報のやり取りが可能な状態に接続させている。サーバ10は、通信網30(インターネット/イントラネットでもよい。)を介して依頼者端末40、建築家端末50、51、52と情報のやり取りが可能な状態に接続されている。さらに、サーバ10は、店頭端末60からの情報の入出力が可能な状態に接続されている。なお、図1では依頼者及び建築家との情報伝達手段の代表として、パーソナルコンピュータ等の情報端末を記載しているが、依頼者及び建築家との通信手段は通信網30に限らず、例えば、電話やFAXを含んでもよい。また、データベース20にて各情報を格納しているが、補助記憶装置(例えば、ハードディスクやその他記憶媒体等を含む。)に記憶させてもよい。
【0026】
サーバ10は、制御部101、通信部102、依頼者情報処理部103、建築家情報処理部104、建築情報処理部105、建築家決定処理部106、建築費見積処理部107を備えて構成される。
【0027】
制御部101は、CPU、RAM等を有し、依頼者情報処理部103等の処理を実現させるためのコンピュータプログラムに基づいて動作する。
【0028】
通信部102は、通信網30を介して接続された依頼者端末40、建築家50、51、52との関係において、依頼者情報処理部103等の処理による情報を入出力する機能を有する。
【0029】
依頼者情報処理部103は、依頼者情報と建築家選定情報と建築依頼情報に関する処理、例えば、該情報の入力、データベースへの収納、データベースからの呼び出しを含む処理を実行する。
【0030】
建築家情報処理部104は、建築家情報に関する処理、例えば、該情報の入力、データベースへの収納、データベースからの呼び出しを含む処理を実行する。
【0031】
建築情報処理部105は、建築家により作成された建築プラン情報に関する処理、例えば、該情報の入力、データベースへの収納、データベースからの呼び出しを含む処理を実行する。
【0032】
建築家決定処理部106は、依頼者の要望に即した建築家の決定に係る建築家決定情報に関する処理、例えば、建築家決定情報を算出するための算定(数値演算)、該情報の入力、データベースへの収納、データベースからの呼び出しを含む処理を実行する。
【0033】
建築費見積処理部107は、建築プラン情報に従って、建築物費用の見積に関する処理、例えば、見積費を算出するための算定(数値演算)、該情報の入力、データベースへの収納、データベースからの呼び出しを含む処理を実行する。
【0034】
データベース20には、依頼者情報記憶部201、建築家情報記憶部202、建築内容情報記憶部203、建築費情報記憶部204を備えて構成される。
【0035】
依頼者情報記憶部201は、依頼者情報、例えば、依頼者の氏名、住所、連絡の各種情報(以下、「依頼者ID」という。)やかかる建築家を選択する方式に係る情報が格納されている。具体的には、図10に示すものを含んでいる。また、建築依頼情報、例えば、建築計画、住宅形式、階数、延床面積、住まいのイメージ、駐車場、外観イメージ、予算、資金計画、他社での計画、玄関、ダイニング、和室、書斎、階段、洗面、浴室、バルコニーに係る面積、高さ、材質、色彩、デザイン等の要望を示すための各種情報(以下同じ。)が格納されている。具体的には、図11A乃至Cに示すものを含んでいる。また、建築家選定情報、例えば、建築家に係る氏名、求める経歴、得意な建築物の各種情報が格納されている。
【0036】
建築家情報記憶部202は、建築家情報、例えば、建築家に係る氏名、年齢、性別、血液型、性格、経歴、得意な建築物、建築実績、過去に作成した建築プラン、該建築プランにて建築した際のスケジュール管理技術情報やリスク管理技術情報に係る情報の各種情報が格納されている。
【0037】
建築内容情報記憶部203は、建築プラン情報及び建築物見積費情報が格納されている。
【0038】
建築費情報記憶部204は、建築費の見積項目情報、例えば、建築家、工法、防火指定、附帯工事、ガス、水道、夢炭、冷暖房設備、屋根、庇、外壁、バルコニー床、サッシ、玄関ドア、タイル、内部壁、天井、木製建具、巾木、窓代、和室、床下収納、ロフトに係る面積、材質、色彩等の要望を示すための各種情報が格納されている。
【0039】
依頼者端末40は、依頼者が所持する、例えば、パーソナルコンピュータ等である。該端末は、通信網30を介してサーバ10との間で情報のやりとりを行う。
【0040】
建築家端末50、51、52は、本システムに登録されている複数の建築家が所持する、例えば、パーソナルコンピュータ等である。該端末は、通信網30を介してサーバ10との間で情報のやりとりを行う。
【0041】
入出力端末60は、サーバ10に接続され、例えば、パーソナルコンピュータ等である。該端末は、サーバ10との間で情報の入出力を行う。
【0042】
通信網30は、インターネット/イントラネットであってもよい。
【0043】
本発明に係るシステムの全体的な動作・機能の流れは図2に示すフローチャートのようになる。即ち、依頼者はシステム側に対して建築プランの申込を行うが(ステップS―101)、申込の際、建築家の単独指名方式若しくは複数の建築家による建築プランのコンペ方式のいずれかを選択する。申し込みは、電子メール又は店頭にて担当者に申し出てもよい。申し込みに係る依頼者情報や単独指名方式または複数の建築家に建築依頼を行うコンペ方式に係る情報は、本システムに入力され、該情報は依頼者情報処理部103を介しては依頼者情報記憶部201に格納される。
【0044】
次に、例えば、単独指名方式を選択した場合、依頼者は登録されている複数の建築家の中から1名を選択することができる。この場合、所定の手段によって決定した建築家は依頼者から伝達された建築依頼情報を基に建築プランを作成し(ステップS−102)、依頼者にプランを提案する(ステップS−103)。
【0045】
一方、コンペ方式を選択した場合、登録されている複数の建築家は、依頼者から伝達された建築家選定情報を基に建築プランを作成する(ステップS−104)。プラン作成後、各建築家は依頼者に対してプランを提案し、その中から所定の手段によって最適な建築家を決定する(ステップS‐105)。プラン提案後、依頼者による再建築依頼情報を基に建築家は再建築プランを作成する(ステップS−106)。そしてプラン決定後、見積作成を行う(ステップS−107)。
【0046】
次に本発明に係る依頼者によるプラン申込の詳細な構成及び動作について、図3に示すタイミングフローチャートと図1を用いて説明する。依頼者は依頼者情報を本システムに伝達し(ステップC−1001)、サーバ10は依頼者情報処理部103により該情報を入力し、データベース20に収納し、データベース20は依頼者情報記憶部201に格納を実行する(ステップS−1001)。ここで、伝達方法には、例えば、電子メールやFAXや電話等が含まれる。依頼者情報の具体的な内容については図10に示す。
【0047】
次に本発明に係る単独指名方式による建築プラン作成の詳細な構成及び動作について、図4に示すタイミングフローチャートと図1を用いて説明する。依頼者は建築家選定情報を本システムに伝達し(ステップC−2001)、サーバ10は建築家選定処理部104により該情報を入力し、データベース20に収納し、データベース20は依頼者情報記憶部201に格納を実行する(ステップS−2001)。
【0048】
その後、建築家決定処理部106により、建築家選定情報と建築家情報との一致不一致を認定して、ある一定値以上の一致がある場合は、該建築家に依頼を決定し、一定値以下の場合は、依頼者が優先する建築家を選定する条件に基づいて建築家を決定し、建築家情報記憶部202に格納する(ステップS−2002)。
【0049】
その後、建築家決定処理部106により、建築家決定情報を呼び出し、建築家に対して該情報を配信し(ステップS−2003)、建築家は該情報を受信したことにより、該建築家が建築依頼されたことを認識する(ステップA−2001)。なお、建築家決定情報を基に、決定した建築家が本当に相応しいかどうかの面談を行うのが、より好ましい。ここで、伝達方法には、例えば、電子メールやFAXや電話等が含まれる。建築家が決定後、依頼者は建築依頼情報を本システムに伝達し(ステップC−2002)、サーバ10は依頼者情報処理部103により該情報を入力し、該入力された情報をデータベース20に収納し、データベース20は依頼者情報記憶部201に格納を実行する(ステップS−2004)。
【0050】
その後、依頼者情報処理部106により、建築依頼情報を呼び出し、建築家に対して該情報を配信し(ステップS−2005)、建築家は該情報を受信により確認後(ステップA−2002)、建築プランの作成に取り掛かる(ステップA−2003)。ここで、伝達方法には、例えば、電子メールやFAXや電話等が含まれる。
【0051】
次に本発明に係るコンペ方式による建築プラン作成の詳細な構成及び動作について、図5に示すタイミングフローチャートと図1を用いて説明する。依頼者はプラン申込後、建築依頼情報を本システムに伝達し(ステップC−3001)、サーバ10は依頼者情報処理部103により該情報を入力し、該入力された情報をデータベース20に収納し、データベース20は依頼者情報記憶部201に格納を実行する(ステップS−3001)。
【0052】
その後、依頼者情報処理部103により、建築依頼情報を呼び出し、登録されている複数の建築家に該情報を配信し(ステップS−3002)、建築家は該情報を受信により確認後(ステップA−3001)、コンペ参加を希望する建築家は建築プランの作成に取り掛かる(ステップA−3002)。ここで、伝達方法には、例えば、電子メールやFAXや電話等が含まれる。
【0053】
次に本発明に係る単独指名方式による建築プラン提案の詳細な構成及び動作について、図6に示すタイミングフローチャートと図1を用いて説明する。建築家により作成された建築プランは、建築家により本システムに伝達し(ステップA−4001)、サーバ10は建築情報処理部105により該情報を入力し、該入力された情報をデータベース20に収納し、データベース20は建築内容情報記憶部203に格納を実行する(ステップS−4001)。
【0054】
その後、該建築プランを依頼者に提案(例えば、スライドを用いたプレゼンテーションや該建築プランの原稿をコピーした資料等によるプレゼンテーション等を含む。)をするため、サーバ10が建築内容情報記憶部203から呼び出し、その後、依頼者に対して配信する(ステップS−4002)。依頼者は該建築プランを受信する(ステップC−4001)。ここで、伝達方法には、例えば、電子メールやFAXや電話等が含まれる。なお、建築プランに関する画像やテキストの各情報のうちの少なくとも1を含む情報は、補助記憶装置(例えば、ハードディスクやその他記憶媒体等を含む。)に記憶させることも好ましい。
【0055】
次に本発明に係るコンペ方式による建築プラン提案及び建築家決定の詳細な構成及び動作について、図7に示すタイミングフローチャートと図1を用いて説明する。コンペに参加する建築家により作成された建築プランは、建築家により本システムに伝達し(ステップA−5001)、サーバ10は建築情報処理部105により該情報を入力し、該入力された情報をデータベース20に収納し、データベース20は建築内容情報記憶部203に格納を実行する(ステップS−5001)。
【0056】
その後、該建築プランを依頼者に提案(例えば、スライドを用いたプレゼンテーションや該建築プランの原稿をコピーした資料等によるプレゼンテーション等を含む。)をするため、建築内容情報記憶部203から呼び出し、その後、依頼者に対して配信する(ステップS−5002)。依頼者は該建築プランを受信し(ステップC−5001)、該建築プランを基に建築家を選定する。建築家選定情報は、依頼者により本システムに伝達し(ステップC−5002)、サーバ10は依頼者情報処理部103により該情報を入力し、該入力された情報をデータベース20に収納し、データベース20は依頼者情報記憶部201に格納を実行する(ステップS−5003)。
【0057】
その後、建築家決定処理部106により、建築家選定情報と建築家情報との一致不一致を認定して、ある一定値以上の一致がある場合は、該建築家に依頼を決定し、一定値以下の場合は、依頼者が優先する建築家を選定する条件に基づいて建築家を決定し、建築家情報記憶部202に格納する(ステップS−5004)。その後、建築家決定処理部106により、建築家決定情報を呼び出し、建築家に対して該情報を配信し(ステップS−5005)、建築家は該情報を受信したことにより、該建築家が建築依頼されたことを認識する(ステップA−5002)。ここで、伝達方法には、例えば、電子メールやFAXや電話等が含まれる。
【0058】
また、図7Aは、本発明の一実施形態に係るコンペ方式による概算見積費の算定を含む建築プラン情報提案のフローを示すタイミングローチャートで示す。同図にて、上記記載の図7に係るシステムフローに加え、建築家から送信された建築プランを受信した後(ステップS−5001)、システム内で概算見積費情報を算出する工程(S−5001a)を含むことを示す。詳細には、概算見積費情報は建築プランに係る建築物全体或いは各部材の面積、寸法、高さ及びその他の建築物に関する情報のうち少なくとも1つを含む必須情報(つまり部屋名等の入力が任意的である任意情報を除いた入力情報)を基に建築費見積処理部107により算出される。算出された概算見積費情報と合わせて建築プランは送信され(S−5002a)、依頼者は、建築プランと概算見積費情報とを受信する(C−5001a)。したがって、依頼者は、概算見積費情報を建築家選定情報に加味することができ、最良な建築家選定情報を決定の上伝達することができる(C−5002)。
【0059】
図8は、本発明の一実施形態に係るコンペ方式による概算見積費の一覧表の一例を示す図である。同図中、A、B、C、D、Eはそれぞれ当コンペに参加する建築家を指標する名称である。このように、建築プランに加えて、概算見積情報が提示されることで、依頼者は、好みのプランだけでなく、現実的な予算リミットを加味してプランを評価できる。これによって、依頼者の計画自体がより現実との乖離が少なくなる。このことにより、依頼者は所望のプランが予算と見積との乖離により実現不可能となる事態を防げるばかりでなく、施工側にとっても、決定された後で詳細見積を提示した段階で予算との乖離によって計画が流れるといった事態の発生を防止でき、これが受注割合の増進に繋がる。
【0060】
次に本発明に係る建築プラン再作成の詳細な構成及び動作について、図8に示すタイミングフローチャートと図1を用いて説明する。依頼者は提案された建築プランを基に、プラン変更等がある場合は、建築依頼情報を本システムに伝達し(ステップC−6001)、サーバ10は依頼者情報処理部103により該情報を入力し、該入力された情報をデータベース20に収納し、データベース20は依頼者情報記憶部201に格納を実行する(ステップS−6001)。
【0061】
その後、依頼者情報処理部103により、該建築依頼情報を呼び出し、決定した建築家に該情報を配信し(ステップS−6002)、建築家は該情報を受信により確認後(ステップA−6001)、再び建築プランの作成に取り掛かる(ステップA−6002)。なお、この際の建築プランの作成は、例えば、依頼者からの建築依頼情報を基に、当初の建築プランを修正する程度のものを含む。該建築プランは、建築家により本システムに伝達し(ステップA−6003)、サーバ10は建築情報処理部105により該情報を入力し、データベース20に収納し、該入力された情報をデータベース20は建築内容情報記憶部203に格納を実行する(ステップS−6003)。
【0062】
その後、該建築プランを依頼者に提案(例えば、スライドを用いたプレゼンテーションや該建築プランの原稿をコピーした資料等によるプレゼンテーション等を含む。)をするため、サーバ10が建築内容情報記憶部203から呼び出し、その後、依頼者に対して配信する(ステップS−6004)。依頼者は該建築プランを受信する(ステップC−6002)。ここで、伝達方法には、例えば、電子メールやFAXや電話等が含まれる。なお、建築プランに関する画像やテキストの各情報のうちの少なくとも1を含む情報は、補助記憶装置(例えば、ハードディスクやその他記憶媒体等を含む。)に記憶させることも好ましい。
【0063】
次に本発明に係る建築費見積算出の詳細な構成及び動作について、図9に示すタイミングフローチャートと図1を用いて説明する。本システムにより、建築プラン情報に基づいて、建築費見積処理部107により建築費情報記憶部204に格納されている建築費用の見積項目情報から該建築物に必要な見積項目情報の選別を行い、積算のための算出を行う(ステップS−7001)。
その後、建築物の見積費に係る建築物見積費情報が算出される(ステップS−7002)。ここで、見積項目情報には、例えば、ガス、水道、冷暖房設備、屋根、外壁、バルコニー床、サッシ、玄関ドア、タイル、内部壁、天井、木製建具、窓台、和室、床下収納、ロフト等が含まれる。具体的には、図12に示すものを含む。この後、該建築物見積費情報は依頼者及び/または建築家に提示され、契約へと進む(図示はしない)。
【0064】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る建築コンペ選択型設計システムによれば、建築家の決定及び見積積算の際は算定方式を採用しているため、依頼者にとっても信頼性の高い結果を得られると考えられる。しかも、本発明によれば、依頼者の希望する建築物の創作をするため、予算に応じて建築家を単独指名する方式又はコンペにて建築家を選択する方式のうちのいずれか1つを選択して行う建築コンペ選択型設計システムが提供される。これにより依頼者は建築家を選定する段階において、資金面での負担が軽減される。
【0065】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【0066】
また、上述したものは本願に係る技術思想を具現化するための実施形態の一例を示したにすぎないものであり、他の実施形態でも本願に係る技術思想を適用することが可能である。
【0067】
さらにまた、本願発明を用いて生産される装置、方法、システムが、その2次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明に係る建築コンペ選択型設計システムによれば、本発明において、依頼者の希望する建築物の創作をするため、予算に応じて建築家を単独指名する方式又はコンペにて建築家を選択する方式のうちのいずれか1つを選択し得ることで、所定の算定方式によって最適な建築家を決定することが可能となる。したがって、建築家の選択方式によって依頼者の要望に即した建築物の購入が可能となり、この効果は、一般ユーザー向け戸建建築業界にとどまらず、マンションやオフィス等の企業向け建築業界にとっても、デザイン性豊かな空間を創作できる点で、非常な有益性をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係る建築コンペ設計システム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るシステムの全体的な動作・機能の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る依頼者によるプランを申込むフローを示すタイミングローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る単独指名方式による建築プラン情報作成のフローを示すタイミングローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係るコンペ方式による建築プラン情報作成のフローを示すタイミングローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る単独指名方式による建築プラン情報提案のフローを示すタイミングローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係るコンペ方式による建築プラン情報提案のフローを示すタイミングローチャートである。
【図7A】本発明の一実施形態に係るコンペ方式による概算見積費の算定を含む建築プラン情報提案のフローを示すタイミングローチャートである。
【図7B】本発明の一実施形態に係るコンペ方式による概算見積費の一覧表の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る再建築プラン情報作成のフローを示すタイミングローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係る見積のフローを示すタイミングローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態に係る依頼者のプラン申込書である。
【図11A】本発明の一実施形態に係る依頼者情報を整理する書類である。
【図11B】本発明の一実施形態に係る依頼者情報を整理する書類である。
【図11C】本発明の一実施形態に係る依頼者情報を整理する書類である。
【図12】本発明の一実施形態に係る建築費用の見積項目情報に係る資料である。
【符号の説明】
【0070】
10 サーバ
20 データベース
30 通信網
40 依頼者端末
50 建築家端末
51 建築家端末
52 建築家端末
101 制御部
102 通信部
103 依頼者情報処理部
104 建築家情報処理部
105 建築情報処理部
106 建築家決定処理部
107 建築費見積処理部
201 依頼者情報記憶部
202 建築家情報記憶部
203 建築内容情報記憶部
204 建築費情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の創作を依頼する依頼者の所定の情報に基づいて建築家を依頼者自らが選択し、かかる選択に沿って依頼者に対して建築物の設計及び見積を提示する建築コンペ選択型設計システムであって、
前記依頼者の意思により建築家を決めてから設計を行う単独指名方式または複数の建築家に建築依頼を行うコンペ方式に係る情報及び/または画像、テキストの各情報のうちの少なくとも1を含む伝達情報を入力する手段に係る入力手段と、該伝達情報を基に画像、テキストの各情報のうちの少なくとも1を含む発信情報を生成する生成手段と、前記伝達情報及び前記発信情報を出力する出力手段と、前記伝達情報及び前記発信情報を記憶装置に収納し及び記憶装置から呼び出す手段とを有する管理装置と、
前記収納された情報を格納する手段を有する記憶装置と
を具備することを特徴とする建築コンペ選択型設計システム。
【請求項2】
前記伝達情報は、依頼者の意思により建築家を決めてから設計を行う単独指名方式または複数の建築家に建築依頼を行うコンペ方式に係る情報及び依頼者の個人に係る情報を含む依頼者情報、希望する建築物の条件に係る建築依頼情報、依頼者が建築家を選択する条件に係る建築家選定情報、建築家が作成する建築プランに係る建築プラン情報が含まれることを特徴とする請求項1記載の建築コンペ選択型設計システム。
【請求項3】
前記発信情報は、建築家に対して最終的な建築物創作の依頼に係る建築家決定情報が含まれることを特徴とする請求項1もしくは2記載の建築コンペ選択型設計システム。
【請求項4】
前記入力手段は、ネットワークを介して、パーソナルコンピュータ等を含む情報端末から管理装置に送信される伝達情報を受信する手段及び店頭に設置されているパーソナルコンピュータ等にて該情報を入力する手段が含まれることを特徴とする請求項1及至3のいずれか1項記載の建築コンペ選択型設計システム。
【請求項5】
前記記憶装置は、依頼者情報と建築依頼情報と建築家選定情報とを格納する依頼者情報記憶部と、建築家の情報である建築家情報と建築家決定情報とを格納する建築家情報記憶部と、建築プラン情報と建築物の見積費に係る建築物見積費情報とを格納する建築内容情報記憶部と、建築費の見積項目情報を格納する建築費情報記憶部が含まれることを特徴とする請求項1及至4のいずれか1項記載の建築コンペ選択型設計システム。
【請求項6】
前記生成手段は、建築家選定情報及び建築家情報を基に建築家決定情報を算定する手段と、建築プラン情報及び見積項目情報を基に建築物見積費情報を算定する手段が含まれることを特徴とする請求項1及至5のいずれか1項記載の建築コンペ選択型設計システム。
【請求項7】
前記出力手段は、ネットワークを介して発信情報を依頼者及び/または建築家に配信する手段及び店頭に設置されているパーソナルコンピュータ等にて該情報を出力して依頼者及び建築家に伝達する手段が含まれることを特徴とする請求項1及至6のいずれか1項記載の建築コンペ選択型設計システム。
【請求項8】
建築物の創作を依頼する依頼者に係る所定の情報を収集し、
前記収集した所定の情報を建築家群に対して提示し、
前記提示された建築家群から建築プラン情報及び概算見積情報を受信し、
前記受信した建築プラン情報及び概算見積情報を前記依頼者に対して提示し、
前記提示された依頼者から前記建築物の創作に着手すべき建築家として決定された情報を受信し、
前記決定された建築家から所定の詳細情報を受信する
ことを特徴とする建築コンペ設計施工受注方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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