説明

建設機械の無線操縦装置

【課題】安価で装備しやすい建設機械の無線操縦装置を提供する。
【解決手段】油圧ポンプ38から油圧アクチュエータ16,21,22への圧油の流れを制御し電気信号によって制御されるコントロールバルブ39,40,41と、電気操作信号を出力する操作装置37L,37Rと、操作装置37L,37Rからの電気操作信号又は油圧アクチュエータ16,21,22を操縦するためのシリアル信号に応じて駆動信号を生成しコントロールバルブ39,40,41に出力するコントローラ31とを備えた建設機械の無線操縦装置において、操縦スイッチ47A〜47FのON操作に応じて無線信号を送信する送信機48と、この送信機48からの無線信号を受信してON/OFF信号を出力する受信機49と、この受信機49からのON/OFF信号をシリアル信号に変換して制御装置31に出力する変換器50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の無線操縦装置に係わり、特に、油圧アクチュエータを操縦するためのシリアル信号に応じて駆動信号を生成し出力する制御装置を備えた建設機械の無線操縦装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、建設機械の1つである油圧ショベルは、下部走行体と、この下部走行体に旋回可能に設けた上部旋回体と、この上部旋回体に俯仰可能に接続され、ブーム、アーム、及びバケット(作業具)を含む多関節型の作業機とを備えている。これら下部走行体、上部旋回体、及び作業機は、この油圧ショベルに備えられた油圧駆動装置の被駆動部材を構成している。この油圧駆動装置は、一般に、エンジン等の原動機と、この原動機によって駆動する少なくとも1つの油圧ポンプと、この油圧ポンプから吐出された圧油によりブーム、アーム、バケットをそれぞれ駆動するブーム用油圧シリンダ、アーム用油圧シリンダ、バケット用油圧シリンダ、下部走行体を走行させる走行用油圧モータ、及び上部旋回体を下部走行体に対し旋回させる旋回用油圧モータを含む複数の油圧アクチュエータと、油圧ポンプからそれら複数の油圧アクチュエータへ供給される圧油の流れをそれぞれ制御する制御弁手段と、それら制御弁手段を操作する操作レバーをそれぞれ備えた複数の操作手段とを有している。
【0003】
上記操作手段としては、大別して油圧パイロット方式と電気レバー方式とがある。油圧パイロット方式は、油圧源(例えばパイロットポンプ)からのパイロット元圧を操作レバーの操作量に応じて減圧弁で減圧することで操作量を油圧パイロット信号に変換し、油圧パイロット方式の制御弁手段に設けた油圧駆動部へ供給し制御弁手段を切り換える。一方、電気レバー方式は、操作レバーの操作量を電気信号に置き換え出力するものであり、例えば操作レバーの回転運動を回転式のポテンショメータのセンサに連結して電気操作信号を出力し、この電気操作信号に対しコントローラ(制御装置)にて所定の演算処理や増幅を行った後、駆動信号としてソレノイド方式の制御弁手段に設けたソレノイド駆動部へ出力し制御弁手段を切り換えるようになっている。
【0004】
ところで、このような油圧ショベルは、例えば崖崩れ等のおそれがある場所での作業を行う場合等の操作者が危険回避のためショベル本体よりも作業箇所から遠ざかりたいとき等において、運転室からでなく運転室外から無線にて油圧ショベルを遠隔操作したいというニーズがあった。そこで、これに対応するため、操縦レバーの操作方向及び操作量に応じて無線信号を送信する送信機と、この送信機からの無線信号を受信しシリアル信号として出力する受信機と、この受信機からのシリアル信号又は電気レバー方式の操作手段からの電気操作信号に応じて駆動信号を生成し制御弁手段(油圧バルブ及び電磁比例弁)のソレノイド駆動部に出力するコントローラとを備えた建設機械の無線操縦装置が提唱されている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、操縦レバーの操作量に応じた動作速度で油圧アクチュエータを遠隔操作することが可能になっている。
【0005】
【特許文献1】特許第3233573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術には以下のような改善の余地があった。
すなわち、上記従来技術においては、送信機の操縦レバーの操作量に応じた動作速度で油圧アクチュエータを遠隔操作するようになっている。ここで、例えば作業機の先端に吊り具を備えたクレーン兼用油圧ショベルにおいて吊り荷作業を行う場合等の操作者がショベル本体よりも作業箇所に近づきたいようなときにおいても、運転室外から無線にて遠隔操作したいというニーズがあった。ところが、このような場合、油圧アクチュエータの動作速度を操作するまでの操作性がかならずしも必要ではなく、操縦レバーを有する送信機では、操縦レバーの操作量を検出するレバー変位検出器等を有し非常に高価となるため、装備しがたいものとなっていた。
【0007】
本発明は、上記事柄に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価で装備しやすい建設機械の無線操縦装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出された圧油により駆動する複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御し電気信号によって制御される制御弁手段と、前記油圧アクチュエータを操作するための電気操作信号を出力する操作手段と、前記操作手段からの電気操作信号又は外部から前記油圧アクチュエータを操縦するためのシリアル信号に応じて駆動信号を生成し前記制御弁手段に出力する制御装置とを備えた建設機械の無線操縦装置において、前記油圧アクチュエータを操縦する操縦スイッチを有し、前記操縦スイッチのON操作に応じて無線信号を送信する送信機と、前記送信機からの無線信号を受信してON/OFF信号を出力する受信機と、前記受信機からのON/OFF信号をシリアル信号に変換して前記制御装置に出力する変換器とを備える。
【0009】
例えば建設機械の無線操縦装置においては操縦レバーの操作方向及び操作量に応じて無線信号を送信する送信機を備えたものが知られており、その無線信号を受信した受信機からはシリアル信号が出力される。そして、受信機からのシリアル信号が制御装置に入力されて対応する駆動信号が生成され、この駆動信号が制御弁手段に出力され、これによって油圧アクチュエータが駆動するようになっている。このような構成における操縦レバーを有する送信機に代えて、本発明においては操縦スイッチを有する送信機を備える。また、送信機は操縦スイッチのON操作に応じて無線信号を送信し、その無線信号を受信した受信機からはON/OFF信号が出力されるので、ON/OFF信号をシリアル信号に変換して制御装置に出力する変換器を設ける。これにより、変換器からのシリアル信号が制御装置に入力されて対応する駆動信号が生成され、この駆動信号が制御弁手段に出力されて、油圧アクチュエータが駆動する。
【0010】
このようにして本発明においては、送信機の操縦スイッチのON操作により油圧アクチュエータを駆動させることができる。また、操縦スイッチを有する送信機は、例えば操縦レバーを有する送信機に比べ、コスト低減を図ることができる。また、受信機からのON/OFF信号をシリアル信号に変換する変換器を設けることにより、制御装置はシリアル信号を入力することができ、例えば送信機の種類を変更するような場合(例えば操縦スイッチタイプ及び操縦レバータイプのうちの一方から他方へ変更する場合)でも制御装置を兼用させることが容易になる。したがって本発明においては、安価で装備しやすい建設機械の無線操縦装置を実現することができる。
【0011】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記操縦スイッチは、複数の作業機用の油圧アクチュエータによって駆動される作業機の所定部位の移動方向を指示するものであり、前記制御装置は、前記操縦スイッチがON操作されたときに前記変換器から入力したシリアル信号に応じ、前記作業機の所定部位が指示方向に移動するように前記複数の作業機用油圧アクチュエータを駆動させる駆動信号を生成し出力する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、安価で装備しやすい建設機械の無線操縦装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図6により説明する。
【0014】
図1は、本発明の適用対象となる建設機械の一例であるクレーン兼用油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。なお、以降、油圧ショベルが図1に示す状態にて操作者が運転席に着座した場合における操作者の前側(図1中左側)、後側(図1中右側)、左側(図1中紙面に向かって手前側)、右側(図1中紙面に向かって奥側)を、単に前側、後側、左側、右側と称する。
【0015】
図1において、この油圧ショベルは、走行手段としての左・右の無限軌道履体(クローラ)1L,1R(但し1Lのみ図1に図示)を備えた下部走行体2と、この下部走行体2の上部に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、この上部旋回体3の基礎下部構造をなす旋回フレーム4に垂直ピン(図示せず)を中心にして水平方向に回動可能に取り付けられたスイングポスト5と、このスイングポスト5に回動可能に(俯仰可能に)取り付けられた多関節型の作業機6と、旋回フレーム4上に設けられたいわゆるキャノピータイプの運転室7と、旋回フレーム4上の運転室7以外の大部分を覆う上部カバー8とを備えている。
【0016】
下部走行体2は、略H字形状のトラックフレーム9と、このトラックフレーム9の左・右両側の後端近傍に回転自在に支持された駆動輪10L,10R(但し10Lのみ図1に図示)と、駆動輪10L,10Rをそれぞれ駆動する左・右走行用油圧モータ11L,11R(但し11Lのみ図1に図示)と、トラックフレーム9の左・右両側の前端近傍に回転自在に支持され、履帯1L,1Rを介し駆動輪10L,10Rの駆動力でそれぞれ回転される従動輪(アイドラ)12L,12R(但し12Lのみ図1に図示)と、トラックフレーム9の前方側に上下動可能に設けられ、ブレード用油圧シリンダ13により上下動する排土用のブレード14とを備えている。また、下部走行体2の中央部に旋回台軸受(旋回輪)15が配置され、この旋回輪15の中心近傍に下部走行体2に対し旋回フレーム4を旋回させる旋回用油圧モータ16(後述の図2参照)が内蔵されている。
【0017】
スイングポスト5は、垂直ピン(図示せず)を介し旋回フレーム4に対し水平に回動可能となっている。またスイングポスト5は、旋回フレーム4に設けられたスイング用油圧シリンダ17に、連結ピン(図示せず)を介して連結されており、スイング用油圧シリンダ17の伸縮でスイングポスト5全体が鉛直方向の軸心まわりに回動することによって、作業機6が左・右にスイングするようになっている。
【0018】
作業機6は、ブーム18と、ブーム18に回動可能に結合されたアーム19と、アーム19に回動可能に結合されたバケット20とを備えている。そして、ブーム18、アーム19、及びバケット20は、それぞれブーム用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、及びバケット用油圧シリンダ23により動作する。また、アーム19の先端部付近には、後述する吊り荷作業時に吊り荷24のロープ25を掛けるフック26が設けられている。但し通常、吊り荷作業時には、バケット用油圧シリンダ23は駆動しない。
【0019】
また、ブーム18の回動基部には、旋回フレーム4に対するブーム18の回動角度αを検出するブーム角度センサ27(後述の図2参照)が取り付けられ、アーム19の回動基部には、ブーム18に対するアーム19の回動角度βを検出するアーム角度センサ28(後述の図2参照)が取り付けられている。また、上記ブーム用油圧シリンダ21のロッド側(図1中上方)油室及びボトム側(図1中下方)油室には、それぞれの内圧Pr,Pbを検出する圧力センサ29,30(後述の図2参照)が取り付けられている。これらブーム18及びアーム19の回動角度α,β、ブーム用油圧シリンダ21のロッド側及びボトム側の内圧Pr,Pb等の検出信号は、運転室7内に設けたコントローラ31(制御装置、後述の図2参照)に出力されるようになっている。
【0020】
運転室7は、上記した旋回フレーム4上の左側に設けられており、操作者が着座する座席(運転席)32と、この座席32の上方に設けられたルーフ33と、このルーフ33を支持する支柱34とを有している。
【0021】
上記運転室7内の操作者が着座する座席32より前方には、左・右走行用油圧モータ11L,11Rをそれぞれ駆動し油圧ショベルの前進又は後進走行等をさせるための手でも足でも操作可能な左・右走行用操作レバー35L,35R(但し35Lのみ図1に図示)を備えている。また、右走行用操作レバー35Rのさらに右側足元部分には、スイング用油圧シリンダ17を駆動しスイングポスト5(言い換えれば作業機6全体)を左・右にスイングさせるためのスイング用操作ペダル(図示せず)が設けられている。
【0022】
座席32の左側には、左側又は右側に操作することで旋回用油圧モータ16を駆動し上部旋回体3を左側又は右側に旋回させるとともに、前側又は後側に操作することでアーム用油圧シリンダ22を駆動しアーム19をダンプ(押し)又はクラウド(引き)させる十字操作式の旋回・アーム用手動操作レバー36Lを備えた操作装置37L(後述の図2参照)を備えている。座席32の右側には、左側又は右側に操作することでバケット用油圧シリンダ23を駆動しバケット20をクラウド又はダンプさせるとともに、前側又は後側に操作することでブーム用油圧シリンダ21を駆動しブーム18を下げ又は上げる十字操作式のバケット・ブーム用手動操作レバー36R(後述の図2参照)を備えた操作装置37R(後述の図2参照)を備えている。また、座席18の右側には、前側又は後側に操作することでブレード用油圧シリンダ13を駆動しブレード14を上下動させるためのブレード用操作レバー(図示せず)を備えている。
【0023】
上部カバー7は、その内部に、エンジン(図示せず)、このエンジンに駆動される油圧ポンプ38(後述の図2参照)、エンジンの燃料を貯留する燃料タンク(図示せず)、及び油圧ポンプ38の圧油源となる作動油タンク(図示せず)等の機器を収納している。
【0024】
以上説明した構成において、左・右履帯1L,1R、上部旋回体3、スイングポスト5、ブレード14、ブーム18、アーム19、及びバケット20は、この油圧ショベルに備えられた油圧駆動装置により駆動される被駆動部材を構成している。
【0025】
図2は、本実施形態による建設機械の無線操縦装置を関連する油圧駆動装置の要部構成とともに表す油圧回路図である。図3は、送信機の外観を表す概略図であり、図4は、受信機の機能構成を変換器とともに表す図である。
【0026】
図2において、上記油圧ポンプ38と、この油圧ポンプ38から吐出された圧油により駆動する例えば上記ブーム用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、及び旋回用油圧モータ16と、油圧ポンプ38からそれらブーム用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、及び旋回用油圧モータ16への圧油の流れをそれぞれ制御する例えば電気−油圧変換弁タイプのブーム用コントロールバルブ39、アーム用コントロールバルブ40、及び旋回用コントロールバルブ41を含む弁ユニット42と、アーム19の屈曲動作及び上部旋回体3の旋回動作を指示する上記十字操作式操作レバー36Lを備えた電気レバー方式の操作装置37Lと、ブーム18の上下動作等を指示する上記十字操作式の手動操作レバー36Rを備えた上記操作装置37Rと、上記コントローラ31とが設けられている。また、上記ブーム角度センサ27と、上記アーム角度センサ28と、上記ブーム用油圧シリンダ21のロッド側及びボトム側圧力センサ29,30と、操作者が掘削作業を行う掘削モード又は吊り荷作業を行う吊り荷モードのどちらかを選択しその選択信号をコントローラ31へ出力するモードスイッチ43、各種表示(吊り荷24の位置、定格荷重、吊り荷重等の表示)を行う表示部44等を備えたモニタ装置45と、吊り荷重が定格荷重以上となったときに駆動され警報を発する警報器(例えば警報ランプや警報ブザー等)46とが設けられている。
【0027】
操作装置37Lは、前後方向及び左右方向に変位可能な上記操作レバー36Lと、その変位を検出するレバー変位検出器(図示せず)とを備えており、レバー変位検出器は操作レバー36Lの操作方向及び操作量をそれぞれ検出し、これに応じた電気操作信号をコントローラ31に出力するようになっている。同様に、操作装置37Rは、前後方向及び左右方向に変位可能な上記操作レバー36Rと、その変位を検出するレバー変位検出器(図示せず)とを備えており、レバー変位検出器は操作レバー36Rの操作方向及び操作量をそれぞれ検出し、これに応じた電気操作信号をコントローラ31に出力するようになっている。
【0028】
コントローラ31は、第1の機能として、操作装置37L,37Rからの電気操作信号に対しそれぞれ所定の演算処理(詳細には、操作レバーの操作量に応じて変動する電磁比例減圧弁の出力値を演算すること)を行い、生成した駆動信号をブーム用コントロールバルブ39の電磁比例減圧弁39a,39b、アーム用コントロールバルブ40の電磁比例減圧弁40a,40b、及び旋回用コントロールバルブ41の電磁比例減圧弁41a,41bにそれぞれ出力する。
【0029】
そして、ブーム用電磁比例減圧弁39a,39b、アーム用電磁比例減圧弁40a,40b、及び旋回用電磁比例減圧弁41a,41bは、それらコントローラ31からの駆動信号に応じて、パイロットポンプ等の油圧源(図示せず)からの1次パイロット圧を減圧して操作パイロット圧を生成し、それぞれ、ブーム用コントロールバルブ39のパイロット操作部、アーム用コントロールバルブ40のパイロット操作部、及び旋回用コントロールバルブ41のパイロット操作部へ出力し、これによってブーム用コントロールバルブ39、アーム用コントロールバルブ40、及び旋回用コントロールバルブ41を切り換えるようになっている。
【0030】
また、コントローラ31は、第2の機能として、モードスイッチ43で吊り荷モードが選択された場合には、ブーム角度センサ27からのブーム角度α、アーム角度センサ28からのアーム角度β、ブーム用油圧シリンダ21の圧力センサ29,30からのロッド側内圧Pr及びボトム側内圧Pbに基づき所定の演算処理を行い(詳細には、ロッド側内圧Pr及びボトム側内圧Pbからブーム用油圧シリンダ21の保持力モーメントを算出し、ブーム角度α及びアーム角度β等から作業機6のモーメント及び吊り荷24の水平距離を算出する。そして、保持力モーメントと作業機6のモーメントとの差が吊り荷24のモーメントとなり、このモーメントにより)吊り荷24の重量を算出する。
【0031】
そして、この算出した吊り荷24の位置、定格荷重(吊り荷24の位置に応じて定められた所定の最大許容荷重で、内部メモリ等の記憶部に予め設定記憶されている)、吊り荷重等の数値は表示信号として出力されてモニタ装置45の表示部44に表示される。また、吊り荷重と所定の制限荷重(例えば定格荷重、あるいは定格荷重を基準に設定した荷重等)とを比較し、吊り荷重が所定の制限荷重を越えるときには、駆動信号が警報器46に出力されて警報を発するようになっている。
【0032】
ここで本実施形態の大きな特徴として、ブーム18の動作態様(上げ・下げ)、アーム19の動作態様(引き・押し)、及び上部旋回体3の動作態様(左旋回・右旋回)にそれぞれ対応する例えばモーメンタリ式の操縦スイッチ47A〜47Fを有し、これら操縦スイッチ47A〜47FのON操作に応じて無線信号を送信する送信機48と、この送信機48からの無線信号を受信してON/OFF信号を出力する受信機49と、この受信機49からのON/OFF信号をシリアル信号に変換してコントローラ31に出力する変換器50とが設けられている。
【0033】
送信機48は、上記操縦スイッチ47A〜47Fと、操縦スイッチ47A〜47Fのうちのいずれかが押されているときにその無線信号を送信する送信回路(図示せず)と、無線信号の送信時に点灯するパイロットランプ51と、送信機48の電源ON/OFFを切り替える電源スイッチ52とを備えている。
【0034】
受信機49は、送信機48からの無線信号を受信する受信回路53と、この受信回路53で受信した無線信号(詳細には、送信機48の操縦スイッチ47A〜47FのうちのいずれかのON操作)に応じて接点54a〜54fのうちのいずれかを閉じ状態としてON/OFF信号を出力する出力回路54とを備えている。そして、変換器50は、受信機49からのON/OFF信号を図5に示すようなシリアルデータ(詳細には、接点54a〜54fからのON/OFF信号にそれぞれ対応し、ON信号を表す“0”又はOFF信号を表す“1”が入るデータD0〜D5と、ブランクのデータD6,D7とを有するデータ)に変換してコントローラ31に出力するようになっている。
【0035】
コントローラ31は、第3の機能として、モードスイッチ43で吊り荷モードが選択された場合に、変換器50からのシリアル信号に対し所定の演算処理(詳細には、操縦スイッチ47A〜47FのうちのいずれかのON操作に応じて、予め設定された電磁比例減圧弁の所定の出力値を読み込むこと)を行い、生成した駆動信号をブーム用コントロールバルブ39の電磁比例減圧弁39a,39b、アーム用コントロールバルブ40の電磁比例減圧弁40a,40b、旋回用コントロールバルブ41の電磁比例減圧弁41a,41bにそれぞれ出力するようになっている。
【0036】
次に、上記コントローラ31の制御手順について説明する。図6は、コントローラ31の制御処理内容を表すフローチャートである。
【0037】
この図6において、まずステップ100において、吊り荷モードであるかどうかを、モードスイッチ43からの選択信号により判定する。例えばモードスイッチ43にて吊り荷モードが選択されている場合は、ステップ100の判定が満たされ、ステップ110に移る。ステップ110では、上述したようにブーム角度α、アーム角度β、ブーム用油圧シリンダ21のロッド側内圧Pr及びボトム側内圧Pbに基づき所定の演算処理が行われて吊り荷重が算出され、この吊り荷重等が表示信号として出力されてモニタ装置45の表示部44に表示される。このとき、例えば吊り荷重が所定の制限荷重より大きい場合は、駆動信号が警報器46に出力されて警報を発する。
【0038】
その後、ステップ120に進み、送信機48の操縦スイッチ47A〜47FのうちのいずれかがON操作されたかどうかを、変換器50からのシリアル信号により判定する。例えば送信機48の操縦スイッチ47A〜47FのうちのいずれかがON操作された場合は、ステップ120の判定が満たされ、ステップ130に移る。ステップ130では、上述したように変換器50からのシリアル信号に対し所定の演算処理が行われ、生成した駆動信号(詳細には、予め設定された所定の出力値)を出力する。ステップ130が終了すると、ステップ100に戻って同様の手順を繰り返す。
【0039】
一方、ステップ100で、モードスイッチ43にて掘削モードが選択されている場合は、その判定が満たされず、ステップ140に移る。また、ステップ120で、送信機48の操縦スイッチ47A〜47FがON操作されていない場合は、その判定が満たされず、ステップ140に移る。ステップ140では、上述したように操作装置37L,37Rからの電気操作信号に対し所定の演算処理が行われ、生成した駆動信号(詳細には、操作レバーの操作量に応じて変動する出力値)を出力する。ステップ140が終了すると、ステップ100に戻って同様の手順を繰り返す。
【0040】
なお、上記において、ブーム用コントロールバルブ39、アーム用コントロールバルブ40、及び旋回用コントロールバルブ41は、特許請求の範囲記載の油圧ポンプから油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御し電気信号によって制御される制御弁手段を構成する。また、操作装置37L,37Rは、油圧アクチュエータを操作するための電気操作信号を出力する操作手段を構成する。
【0041】
次に、本実施形態の動作及び作用効果を説明する。
【0042】
例えば吊り荷作業を行う場合、作業者がモードスイッチ43を吊り荷モードに選択した後、作業機6のフック26近傍へ移動する。そして、例えばブーム18を上げさせることを意図して作業者が送信機48の操縦スイッチ47Aを操作すると、その無線信号が送信機48から送信され、無線信号を受信した受信機49からはON/OFF信号が出力される。そして、変換器50によりON/OFF信号がシリアル信号に変換され、コントローラ31に入力されて対応する駆動信号(詳細には、予め設定された所定の出力値)が生成され、この駆動信号が電磁比例減圧弁39aに出力される。そして、電磁比例減圧弁39aからの操作パイロット圧によってブーム用コントロールバルブ39が切り換えられる。その結果、ブーム用油圧シリンダ21が駆動され、ブーム18が上がる。
【0043】
このようにして本実施形態においては、送信機48の操縦スイッチ47A〜47FのON操作によりブーム用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、及び旋回用油圧モータ16を駆動させることができる。また、操縦スイッチ47A〜47Fを有する送信機48は、例えば操縦レバーを有する送信機に比べ、コスト低減を図ることができる。また、受信機49からのON/OFF信号をシリアル信号に変換する変換器50を設けることにより、コントローラ31はシリアル信号を入力することができ、例えば送信機の種類を変更するような場合(例えば操縦スイッチタイプ及び操縦レバータイプのうちの一方から他方へ変更する場合)でもコントローラ31を兼用させることが容易になる。したがって本実施形態においては、安価で装備しやすい建設機械の無線操縦装置を実現することができる。
【0044】
また、例えば変換器50を設けず、送信機49からのON/OFF信号をそのままコントローラ31に入力するような場合は、操縦スイッチ47A〜47Fの数だけ信号線を設けなければならない。これに対し、本実施形態では、変換器50によりシリアル信号に変換するので、変換器50とコントローラ31との間の信号線を簡素化することができる。また、操作装置37L,37R又は送信機48による操作の切り替えはコントローラ31で自動処理するため、切替スイッチ等の入力手段を設ける必要をなくすことができる。これにより、設置スペースの低減を図ることができる。
【0045】
なお、上記第1の実施形態においては、送信機48は、ブーム18、アーム19、及び上部旋回体4の動作態様にそれぞれ対応する操縦スイッチ47A〜47Fを設けた場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば左・右走行用操作レバー35L,35R、スイング用操作ペダル、又はブレード用操作レバーを備えた操作装置はいわゆる電気レバー方式とし、送信機には、左・右履帯1L,1R、スイングポスト5、ブレード14、又はバケット20の動作態様にそれぞれ対応する操縦スイッチを設けてもよい。この場合も、上記第1の実施形態同様の効果を得ることができる。
【0046】
本発明の第2の実施形態を図7〜図9により説明する。本実施形態は、送信機の操縦スイッチのON操作によりアーム19の先端の移動方向を指示する実施形態である。
【0047】
図7は、本実施形態による送信機の外観を表す概略図である。なお、本実施形態において、上記第1の実施形態と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0048】
本実施形態では、送信機48’は、アーム19の先端の垂直上げ・垂直下げ・水平引き・水平押しを指示する例えばモーメンタリ式の操縦スイッチ55A〜55Dと、上記操縦スイッチ47E,47Fと同様に上部旋回体3の左旋回・右旋回を指示する例えばモーメンタリ式の操縦スイッチ55E,55Fとを有し、これら操縦スイッチ55A〜55FのON操作に応じて無線信号を送信するようになっている。そして、上記第1の実施形態同様、送信機48‘からの無線信号を受信した受信機49からはON/OFF信号が出力され、変換器50によりON/OFF信号がシリアル信号に変換されてコントローラ31’に出力される。
【0049】
コントローラ31’は、モードスイッチ43で吊り荷モードが選択され、かつ操縦スイッチ55E又は55FがON操作された場合、変換器50からのシリアル信号に対し所定の演算処理(詳細には、操縦スイッチ55E又は55FのON操作に応じて、予め設定された電磁比例減圧弁の所定の出力値の読み込むこと)を行い、生成した駆動信号を旋回用コントロールバルブ41の電磁比例減圧弁41a,41bにそれぞれ出力する。また、モードスイッチ43で吊り荷モードが選択され、かつ操縦スイッチ55A〜55DのうちのいずれかがON操作された場合に、ブーム角度α及びアーム角度βに基づきブーム18の先端位置及びアーム19の先端位置をそれぞれ演算し、これら演算したブーム18の先端位置又はアーム19の先端位置に応じた制御テーブル(詳細は後述)に基づき変換器50からのシリアル信号に対し所定の演算処理を行い、生成した駆動信号をブーム用コントロールバルブ39の電磁比例減圧弁39a,39b及びアーム用コントロールバルブ40の電磁比例減圧弁40a,40bにそれぞれ出力するようになっている。以下、詳細を説明する。
【0050】
(1)アーム19の先端の垂直上げ・垂直下げ
図8は、アーム19の先端の垂直上げ・垂直下げ時の制御テーブルを表す図である。
【0051】
例えばアーム19の先端の垂直上げを行うことを意図して送信機48’の操縦スイッチ55AがON操作された場合、コントローラ31’は、そのシリアル信号に対しブーム18を上げさせる駆動信号(詳細には、予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁39aに出力する。これと同時に、ブーム18の先端位置がブーム18の起端位置より上であるか下であるかが判定され、例えばブーム18の先端位置がブーム18の起端位置より上である場合はアーム19の押しを行う駆動信号(詳細には、前述したブーム18を上げさせる駆動信号の出力値より小さくなるように予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40aに出力し、一方、例えばブーム18の先端位置がブーム18の起端位置より下である場合はアーム19の引き動作を行う駆動信号(詳細には、前述したブーム18を上げさせる駆動信号の出力値より小さくなるように予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40bに出力する。これにより、ブーム用コントロールバルブ39及びアーム用コントロールバルブ40がそれぞれ切り換えられ、ブーム用油圧シリンダ21及びアーム用シリンダ22が駆動する。その結果、アーム19の先端がほぼ垂直上げする。
【0052】
また、例えばアーム19の先端の垂直下げを行うことを意図して送信機48’の操縦スイッチ55BがON操作された場合、コントローラ31’は、そのシリアル信号に対しブーム18を下げさせる駆動信号(詳細には、予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁39bに出力する。これと同時に、ブーム18の先端位置がブーム18の起端位置より上であるか下であるかが判定され、例えばブーム18の先端位置がブーム18の起端位置より上である場合はアーム19の引きを行う駆動信号(詳細には、前述したブーム18を下げさせる駆動信号の出力値より小さくなるように予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40bに出力し、一方、例えばブーム18の先端位置がブーム18の起端位置より下である場合はアーム19の押し動作を行う駆動信号(詳細には、前述したブーム18を下げさせる駆動信号の出力値より小さくなるように予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40aに出力する。これにより、ブーム用コントロールバルブ39及びアーム用コントロールバルブ40がそれぞれ切り換えられ、ブーム用油圧シリンダ21及びアーム用シリンダ22が駆動する。その結果、アーム19の先端がほぼ垂直下げする。
【0053】
(2)アーム19の先端の水平引き・水平押し
図9は、アーム19の先端の水平引き・水平押し時の制御テーブルを表す図である。
【0054】
例えばアーム19の先端の水平引きを行うことを意図して送信機48’の操縦スイッチ55CがON操作された場合、コントローラ31’は、そのシリアル信号に対しアーム19の引き動作を行う駆動信号(詳細には、予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40bに出力する。これと同時に、アーム19の先端位置がアーム19の起端位置より前であるか後であるかが判定され、例えばアーム19の先端位置がアーム19の起端位置より前である場合はブーム18を上げさせる駆動信号(詳細には、前述したアーム19の引き動作を行う駆動信号の出力値より小さくなるように予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40aに出力し、一方、例えばアーム19の先端位置がアーム19の起端位置より後である場合はブーム19を下げさせる駆動信号(詳細には、前述したアーム19の引き動作を行う駆動信号の出力値より小さくなるように予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40bに出力する。これにより、ブーム用コントロールバルブ39及びアーム用コントロールバルブ40がそれぞれ切り換えられ、ブーム用油圧シリンダ21及びアーム用シリンダ22が駆動する。その結果、アーム19の先端がほぼ水平方向引きする。
【0055】
また、例えばアーム19の先端の水平押しを行うことを意図して送信機48’の操縦スイッチ55DがON操作された場合、コントローラ31’は、そのシリアル信号に対しアーム19の押し動作を行う駆動信号(詳細には、予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40aに出力する。これと同時に、アーム19の先端位置がアーム19の起端位置より前であるか後であるかが判定され、例えばアーム19の先端位置がアーム19の起端位置より前である場合はブーム18を下げさせる駆動信号(詳細には、前述したアーム19の押し動作を行う駆動信号の出力値より小さくなるように予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40bに出力し、一方、例えばアーム19の先端位置がアーム19の起端位置より後である場合はブーム19を上げさせる駆動信号(詳細には、前述したアーム19の押し動作を行う駆動信号の出力値より小さくなるように予め設定された出力値)を生成して電磁比例減圧弁40aに出力する。これにより、ブーム用コントロールバルブ39及びアーム用コントロールバルブ40がそれぞれ切り換えられ、ブーム用油圧シリンダ21及びアーム用シリンダ22が駆動する。その結果、アーム19の先端がほぼ水平方向押しする。
【0056】
以上のように構成された本実施形態においても、上記第1の実施形態同様、送信機48’の操縦スイッチ55A〜55FのON操作によりブーム用油圧シリンダ21、アーム用油圧シリンダ22、及び旋回用油圧モータ16を駆動させることができ、安価で装備しやすい建設機械の無線操縦装置を実現することができる。また本実施形態では、操作者の熟練度に関係なく、送信機の操縦スイッチ55A〜55DのON操作によりアーム19の先端(すなわち、吊り荷24)の垂直上げ・垂直下げ・水平引き・水平押しを容易に行うことができる。
【0057】
なお、上記第2の実施形態においては、特に説明しなかったが、コントローラ31’は、例えばアーム19の先端(又はフック26でもよい)が制御対象領域から外れないようにブーム18又はアーム19の動作を禁止する軌跡制御機能を有してもよい。このような変形例の詳細を以下説明する。
【0058】
(1)アーム19の先端の垂直上げ・垂直下げ
図10は、アーム19の先端の垂直上げ・垂直下げ時の制御対象領域を表す概略図である。例えばアーム19の先端の垂直上げ又は垂直下げを行うことを意図して送信機48’の操縦スイッチ55A又は55BがON操作された場合、コントローラ31’は、操縦スイッチ55A又は55BのON操作開始時におけるアーム19の先端位置を含む基準鉛直面P1を基準として作動許可領域X1を設定するとともに、この作動許可領域X1の前後に作動抑制領域Y1,Z1をそれぞれ設定する。そして、アーム19の先端が作動許可領域X1から外れて作動抑制領域Y1又はZ1に侵入したとき、アーム19の先端が作動許可領域X1から離れる方向へのアーム19の動作を禁止するように制御する。すなわち、例えばアーム19の先端が作動抑制領域Y1に侵入したときにアーム19の押し動作を禁止し、例えばアーム19の先端が作動抑制領域Z1に侵入したとき、アーム19の引き動作を禁止するように制御する。
【0059】
(2)アーム19の先端の水平引き・水平押し
図11は、アーム19の先端の水平引き・水平押し時の制御対象領域を表す概略図である。例えばアーム19の先端の水平引き又は水平押しを行うことを意図して送信機48’の操縦スイッチ55C又は55DがON操作された場合、コントローラ31’は、操縦スイッチ55C又は55DのON操作開始時におけるアーム19の先端位置を含む基準水平面P2を基準として作動許可領域X2を設定するとともに、この作動許可領域X2の上下に作動抑制領域Y2,Z2をそれぞれ設定する。そして、アーム19の先端が作動許可領域X2から外れて作動抑制領域Y2又はZ2に侵入したとき、アーム19の先端が作動許可領域X2から離れる方向へのブーム18の動作を禁止するように制御する。すなわち、例えばアーム19の先端が作動抑制領域Y2に侵入したときにブーム18の上げ動作を禁止し、例えばアーム19の先端が作動抑制領域Z2に侵入したとき、ブーム18の下げ動作を禁止するように制御する。
【0060】
以上のような変形例においても、上記第2の実施形態同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の適用対象となる建設機械の一例であるクレーン兼用油圧ショベルの全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の建設機械の無線操縦装置の第1の実施形態を関連する油圧駆動装置の要部構成とともに表す回路図である。
【図3】本発明の建設機械の無線操縦装置の第1の実施形態を構成する送信機の外観を表す概略図である。
【図4】本発明の建設機械の無線操縦装置の第1の実施形態を構成する受信機の機能構成を変換器とともに表す回路図である。
【図5】本発明の建設機械の無線操縦装置の第1の実施形態を構成する変換器から出力するシリアルデータの詳細を表す図である。
【図6】本発明の建設機械の無線操縦装置の第1の実施形態を構成するコントローラの制御処理内容を表すフローチャートである。
【図7】本発明の建設機械の無線操縦装置の第2の実施形態を構成する送信機の外観を表す概略図である。
【図8】本発明の建設機械の無線操縦装置の第2の実施形態を構成するコントローラの制御テーブルの詳細を表す図である。
【図9】本発明の建設機械の無線操縦装置の第2の実施形態を構成するコントローラの制御テーブルの詳細を表す図である。
【図10】本発明の建設機械の無線操縦装置の一変形例を構成するコントローラの制御対象領域の詳細を表す概略図である。
【図11】本発明の建設機械の無線操縦装置の一変形例を構成するコントローラの制御対象領域の詳細を表す概略図である。
【符号の説明】
【0062】
6 作業機
16 旋回用油圧モータ
21 ブーム用油圧シリンダ
22 アーム用油圧シリンダ
31 コントローラ(制御装置)
37L 操作装置(操作手段)
37R 操作装置(操作手段)
38 油圧ポンプ
39 ブーム用コントロールバルブ(制御弁手段)
40 アーム用コントロールバルブ(制御弁手段)
41 旋回用コントロールバルブ(制御弁手段)
47A〜47F スイッチ
48 送信機
49 受信機
50 変換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出された圧油により駆動する複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記油圧アクチュエータへの圧油の流れを制御し電気信号によって制御される制御弁手段と、前記油圧アクチュエータを操作するための電気操作信号を出力する操作手段と、前記操作手段からの電気操作信号又は前記油圧アクチュエータを操縦するためのシリアル信号に応じて駆動信号を生成し前記制御弁手段に出力する制御装置とを備えた建設機械の無線操縦装置において、
前記油圧アクチュエータを操縦する操縦スイッチを有し、前記操縦スイッチのON操作に応じて無線信号を送信する送信機と、
前記送信機からの無線信号を受信してON/OFF信号を出力する受信機と、
前記受信機からのON/OFF信号をシリアル信号に変換して前記制御装置に出力する変換器とを備えたことを特徴とする建設機械の無線操縦装置。
【請求項2】
請求項1記載の建設機械において、前記操縦スイッチは、複数の作業機用の油圧アクチュエータによって駆動される作業機の所定部位の移動方向を指示するものであり、前記制御装置は、前記操縦スイッチがON操作されたときに前記変換器から入力したシリアル信号に応じ、前記作業機の所定部位が指示方向に移動するように前記複数の作業機用油圧アクチュエータを駆動させる駆動信号を生成し出力することを特徴とする建設機械の無線操縦装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−101343(P2008−101343A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−282632(P2006−282632)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】