説明

建設機械の燃料タンク固定構造

【課題】ベルトを要することなく、燃料タンクを車体上に安定して固定することができる建設機械の燃料タンク固定構造の提供。
【解決手段】本発明は、例えば合成樹脂製の燃料タンク11をミニショベルの旋回体2の旋回フレーム2aに固定する際に、旋回フレーム2aに立設状態に固定される支持部材11、鉄製の作動油タンク10、及び鉄製の固定ブラケット14を含む立設部材と、この立設部材に連結され、燃料タンク11に設けられた燃料の供給口11aを保持する保持具、例えば鉄製の保持ブラケット13とを備えるようにした。保持ブラケット13の平板部13aに形成した穴部13a1には、ブッシング15を嵌着させてあり、このブッシング15の穴部15aに燃料タンク11の供給口11aを挿入させ、ブッシング15を介して保持ブラケット13が燃料タンク11の供給口11aを保持する構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミニショベル等の建設機械に備えられ、エンジンの燃料が蓄えられる燃料タンクを車体上に固定する燃料タンク固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は従来の燃料タンク固定構造を示す斜視図、図9は図8に示す従来の燃料タンク固定構造の要部拡大平面図、図10は図8に示す従来の燃料タンク固定構造の要部拡大正面図である。
【0003】
図8−10に示す燃料タンク固定構造は、従来のミニショベルで実施されているものである。この従来技術は、図8に示すように、車体を構成する旋回体の旋回フレーム32aに固定した一対の支持部材40上に鉄製の作動油タンク41を固定してあり、この作動油タンク41に隣接させて、作動油タンク41よりも前側位置に、すなわち図示しない作業装置が取り付けられる作業装置取り付け部34に近い側の位置に、エンジンに供給される燃料が蓄えられる燃料タンク43が配置されている。この燃料タンク43は旋回フレーム32aに固定した一対のベース部材42上に載置されている。
【0004】
燃料タンク43は、例えば合成樹脂製タンクによって構成されている。燃料タンクを鉄製タンクとした場合には、大きな剛性を確保できる利点があるが、外形形状が固定化され、制約を受けやすい。これに対して、燃料タンク43を合成樹脂製タンクとすると、鉄製タンクよりも強度が劣るものの、ミニショベルのように機器配置領域がきわめて狭い場合に、周辺機器の配置を考慮した比較的自由な形状とすることができる。
【0005】
このように合成樹脂製タンクから成る燃料タンク43には、図9にも示すように、側面から上面にわたって、収容される燃料の内部への供給を可能にする供給口43bを避けるようにして、溝部43aが形成されている。この燃料タンク43の溝部43aに嵌着させるようにして、燃料タンク43を締め付けて旋回フレーム32a上に固定するベルト35が備えられている。
【0006】
図9,10に示すように、ベルト35は、薄板状の鉄製の帯状部材35aと、この帯状部材35aと燃料タンク43の溝部43aとの間に配置されるラバー部材35bとを有している。また、ベルト35は、図9に示すように、上端側に帯状部材35aに溶接されたボルト35cを有し、図10に示すように、下端側に帯状部材35aに溶接されたボルト35dを有している。図9に示すように、ベルト35の上端側のボルト35cは、作動油タンク41の側面41aに固定した固定ブラケット36に形成された穴に挿入され、このボルト35cに螺合するナット37によって固定ブラケット36に締め付け固定されている。図10に示すように、ベルト35の下端側のボルト35dは、旋回フレーム32aに固定した上述のベース部材42に形成された穴に挿入され、このボルト35dに螺合するナット38によってベース部材42に締め付け固定されている。
【0007】
上述のように、図8−10に示す従来技術は、合成樹脂製タンクから成る燃料タンク43に溝部43aを形成するとともに、鉄製の帯状部材35a、ラバー部材35b、ボルト35c、及びボルト35dを含み、溝部43aに嵌着されるベルト35を備えることによって、燃料タンク43を車体すなわち旋回体の旋回フレーム32a上に固定する燃料タンク固定構造が構成されている。この種のベルトを備えた燃料タンク固定構造が特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3650884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した図8−10に示す従来技術は、燃料タンク43が合成樹脂製タンクであることからベルト35の張力の調整、すなわちボルト35c,35dの締め付けトルクの管理が難しい。この締め付けトルクが大き過ぎると、燃料タンク43の変形や破損、あるいはボルト35c,35dと帯状部材35aの接続部などの破損を招く。また、締め付けトルクが小さ過ぎると、ベルト35に緩みを生じ、燃料タンク43を安定した状態に保持できなくなる。特にミニショベルにあっては、土砂の掘削作業等の作業に伴う走行、旋回、作業装置の駆動によって、燃料タンク43にあらゆる方向からの外力が加えられる。ベルト35が緩んでいると燃料タンク43が外力によって揺動したり、滑動したりして不安定に保持された状態となる。このように図8−10に示す従来技術は、ベルト35によって燃料タンク43を旋回フレーム32a上に固定するようにしてあることから、燃料タンク43を安定して旋回フレーム32a上に固定できなくなる懸念があり、また、上述した締め付けトルクの管理を要することに伴って燃料タンク固定作業が煩雑になりやすい問題があった。
【0010】
また、図8−10に示した従来技術は、合成樹脂製タンクから成る燃料タンク43にベルト35が嵌着される溝部43aを設ける必要があることから、溝部43aの形成によって燃料タンク43の内部に溝部43aに対応する凸部が形成されてしまう。これにより従来技術では、燃料タンク43の容量が小さくなりやすい。なお、これらの問題は、特許文献1に示される従来技術においても同様に存在する。
【0011】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、ベルトを要することなく、燃料タンクを車体上に安定して固定することができる建設機械の燃料タンク固定構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するために、本発明は、車体と、この車体に取り付けられた作業装置と、上記車体に搭載されたエンジンと、このエンジンに供給される燃料が蓄えられる燃料タンクとを有する建設機械に備えられ、上記燃料タンクを上記車体上に固定する建設機械の燃料タンク固定構造において、上記車体に立設状態に固定される立設部材と、この立設部材に連結され、上記燃料タンクに設けられた燃料の供給口を保持する保持具とを備えたことを特徴としている。
【0013】
このように構成した本発明は、燃料タンクに作業装置による作業等に伴う外力が与えられたときに最も揺れが大きくなる燃料タンクの上部に位置する供給口を保持具によって保持し、この保持具を車体上に固定される立設部材に連結してあるので、ベルトを要することなく燃料タンクを車体上に安定して固定できる。これに伴って、ベルトの張力調整のためのボルトの締め付けトルクの管理が不要になる。
【0014】
また本発明は、上記発明において、上記燃料タンクは、合成樹脂製タンクから成ることを特徴としている。
【0015】
このように構成した本発明は、合成樹脂製タンクから成る燃料タンクであっても、比較的強度の大きい供給口を保持具が保持するので、燃料タンクの変形や破損を防ぐことができる。また、燃料タンクにベルトを嵌着させるための溝部を形成しないで済む。
【0016】
また本発明は、上記発明において、上記保持具は、穴部が形成された鉄製の保持ブラケットから成り、上記保持ブラケットの上記穴部の縁部に嵌着されるリング状のブッシングを備え、上記保持ブラケットの上記穴部の縁部に嵌着させた上記ブッシングの穴部に上記燃料タンクの上記供給口を挿入させて、上記ブッシングを介して上記燃料タンクの供給口を上記保持ブラケットによって保持することを特徴としている。
【0017】
このように構成した本発明は、保持具を鉄製の保持ブラケットによって構成したことから、保持具の強度を確保することができる。また、保持ブラケットに形成した穴部の縁部によって合成樹脂製タンクから成る燃料タンクの供給口が損傷することを、ブッシングによって防止することができる。
【0018】
また本発明は、上記発明において、当該建設機械が、旋回体を備えたミニショベルから成り、上記立設部材が、上記旋回体の旋回フレームに固定される支持部材と、この支持部材上に固定される鉄製の作動油タンクと、この作動油タンクに固定した固定ブラケットとを含み、上記保持ブラケットと上記固定ブラケットとを締結具により固定したことを特徴としている。
【0019】
このように構成した本発明は、作動油タンクを燃料タンクを固定する部材の一部として活用することができる。また、作動油タンクの高さ寸法に応じて支持部材の高さ寸法を考慮することにより、作動油タンクに固定される固定ブラケットの高さ位置を保持ブラケットの高さ位置に一致させることができる。したがって、このように高さ位置を一致させた保持ブラケットと固定ブラケットとを締結具によって固定することにより、燃料タンクの供給口を容易に、しかも堅固に固定することができる。
【0020】
また本発明は、上記発明において、上記保持ブラケットは、上記燃料タンクの側面に対向してこの燃料タンクの動きを規制する規制部を有することを特徴としている。
【0021】
このように構成した本発明は、保持ブラケットの規制部によって燃料タンクの側面の動きを規制できるので、より安定して燃料タンクを車体上に固定することができる。また、燃料タンクに与えられる外力を保持ブラケットの穴部に嵌着されるブッシングの部分と、規制部とに分散させることができ、ブッシングに対する外力の影響を軽減させることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、車体に立設状態に固定される立設部材と、この立設部材に連結され、燃料タンクに設けられた燃料の供給口を保持する保持具とを備えたことから、ベルトを要することなく、燃料タンクを車体上に安定して固定することができる。これにより、燃料タンクの固定作業が簡単になり、この燃料タンク固定作業の作業能率を従来よりも向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る燃料タンク固定構造の一実施形態が備えられる建設機械の一例として挙げたミニショベルの側面図である。
【図2】図1に示すミニショベルの平面図である。
【図3】図1に示すミニショベルに備えられる本発明に係る燃料タンク固定構造の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】図3の要部分解斜視図である。
【図5】図3に示す燃料タンク固定構造の一実施形態の要部拡大側面図である。
【図6】図3に示す状態から燃料タンク及び保持ブラケットを除いた状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の別の実施形態を示す斜視図である。
【図8】従来の燃料タンク固定構造を示す斜視図である。
【図9】図8に示す従来の燃料タンク固定構造の要部拡大平面図である。
【図10】図8に示す従来の燃料タンク固定構造の要部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る建設機械の燃料タンク固定構造の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0025】
本発明の一実施形態に係る燃料タンク固定構造が備えられる建設機械は、例えば機器の配置領域が狭くて制約を受けやすいミニショベルである。このミニショベルは、図2に示すように、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2とを備えている。これらの走行体1及び旋回体2によって車体が構成されている。旋回体2の旋回フレーム2a上には、運転室3が配置されている。旋回体2の前側位置に設けられた作業装置取り付け部4には、ブーム6、アーム7、バケット8、ブーム6を駆動するブームシリンダ6a、アーム7を駆動するアームシリンダ7a、バケット8を駆動するバケットシリンダ8a等を含む作業装置5が取り付けられている。図2に示す旋回体2に設けられた外装カバー9の内部には、本実施形態の固定対象物である後述の燃料タンク11が配置されている。
【0026】
図3に示すように、旋回体2の旋回フレーム2aに固定され、鋼材から成る一対の支持部材17上に例えば鉄製の作動油タンク10を固定してあり、この作動油タンク10に隣接させて、作動油タンク10よりも前側位置に、すなわち作業装置5が取り付けられる作業装置取り付け部4に近い側の位置に、図示しないエンジンに供給される燃料が蓄えられる燃料タンク11を配置してある。この燃料タンク11は、旋回フレーム2aに固定した鋼材から成る一対のベース部材12上に載置させてある。燃料タンク11は、例えば合成樹脂製タンクから成っている。
【0027】
本実施形態に係る燃料タンク固定構造は、車体を構成する旋回体2の旋回フレーム2aに立設状態に固定される立設部材と、この立設部材に連結され、燃料タンク11に設けられた図3に示す燃料タンク11の供給口11aを保持する保持具とを備えている。
【0028】
図4に示すように、保持具は、穴部13a1が形成された平板部13aと、この平板部13aから上方に折り曲げ形成された立設部13bとを有する鉄製の保持ブラケット13から成っている。また、本実施形態は、保持ブラケット13の縁部に装着され弾性部材であるラバー部材から成るリング状のブッシング15を備えている。図3に示すように、保持ブラケット13の平板部13aに形成した穴部13a1の縁部に嵌着させたブッシング15の穴部15aに、燃料タンク11の供給口11aを挿入させて、ブッシング15を介して燃料タンク11の供給口11aを保持ブラケット13によって保持させるようになっている。
【0029】
上述した立設部材は、旋回体2の旋回フレーム2aに固定される上述の支持部材17と、この支持部材17上に固定される作動油タンク10と、この作動油タンク10に固定した図3,4に示す鉄製の固定ブラケット14とを含んでいる。
【0030】
燃料タンク11の供給口11aを保持する保持ブラケット13の立設部13bと、作動油タンク10に設けた固定ブラケット14とは、図5に示すように、締結具によって、例えば保持ブラケット13の立設部13bに形成した穴に挿入されるボルト16と、このボルト16に螺合する図示しないナットとによって固定してある。
【0031】
本実施形態は、図5,6に示すように、鉄製の作動油タンク10の側面10aと、この側面10aに対向する合成樹脂製タンクから成る燃料タンク11の側面との間に、作動油タンク10と燃料タンク11との接触による燃料タンク11の損傷を防ぐ保護ラバー18を設けてある。この保護ラバー18は、例えば作動油タンク10の側面10aに貼着してある。
【0032】
このように構成した本実施形態は、燃料タンク11に、作業装置5による作業等に伴う外力が与えられたときに最も揺れが大きくなる燃料タンク11の上部に位置する供給口11aを保持ブラケット13によって保持し、この保持ブラケット13を、旋回フレーム2a上に固定される支持部材17、この支持部材17に載置される作動油タンク10、及びこの作動油タンク10に固定される固定ブラケット14を含む立設部材に連結してあるので、ベルトを要することなく燃料タンク11を旋回フレーム2a上に安定して固定できる。これに伴って、ベルトの張力を調整するためのボルトの締め付けトルクの管理が不要になる。これにより、作動油タンク11の固定作業が簡単になり、この作動油タンク11の固定作業の作業能率を向上させることができる。
【0033】
また本実施形態によれば、合成樹脂製タンクから成る燃料タンク11であっても、比較的強度の大きい供給口11aを保持ブラケット13が保持するので、燃料タンク11の変形や破損を防ぐことができる。これにより燃料タンク11の耐久性を向上させることができる。また、燃料タンク11にベルトを嵌着させるための溝部を形成しないで済むことから、燃料タンク11の容量を大きくすることができる。これにより、作業装置5等によって実施される作業性、走行体1の走行性等を向上させることができる。また、従来の燃料タンクと同等の容量とする場合には、この燃料タンク11の小型化を実現でき、燃料タンク11の周囲に配置される機器の配置設計の自由度を大きくすることができる。
【0034】
また本実施形態は、燃料タンク11の供給口11aを保持する保持具を、鉄製の保持ブラケット13によって構成したことから、保持具の強度を確保することができる。また、保持ブラケット13の平板部13aに形成した穴部13a1の縁部によって燃料タンク11の供給口11aが損傷することを、ラバー部材から成るブッシング15によって防止することができる。これにより、信頼性の高い燃料タンク固定構造を実現できる。
【0035】
また本実施形態は、作動油タンク10を、燃料タンク11を固定する部材の一部として活用することができる。また、作動油タンク10の高さ寸法に応じて支持部材17の高さ寸法を考慮することにより、作動油タンク10に固定される固定ブラケット11の高さ位置を保持ブラケット13の立設部13bの高さ位置に一致させることができる。したがって、このように高さ位置を一致させた保持ブラケット13の立設部13bと固定ブラケット14とをボルト16、及びこのボルト16に螺合する図示しないナットによって固定することにより、燃料タンク11の供給口11aを容易に、しかも堅固に固定することができる。これらの構成は、信頼性の高い燃料タンク固定構造の実現に貢献する。
【0036】
図7は本発明の別の実施形態を示す斜視図である。この図7に示す別の実施形態のように、燃料タンク11の供給口11aを保持する保持具である保持ブラケット20を、供給口11aを有する平板部20aと、この平板部20aから上方に折り曲げ形成され、固定ブラケット10に固定される立設部20bを有するとともに、平板部20aから下方に折り曲げ形成され、燃料タンク11の側面11bに対向して、この燃料タンク11の動きを規制する規制部20cを有する構成にしてもよい。なお、この別の実施形態における他の構成は、上述した実施形態と同等である。
【0037】
このように構成した別の実施形態では、保持ブラケット20の規制部20cによって燃料タンク11の側面11bの動きを規制できるので、より安定して燃料タンク11を旋回フレーム2a上に固定することができる。また、燃料タンク11に与えられる外力を保持ブラケット20の平板部20aの穴部に嵌着されるブッシング15の部分と、規制部20cとに分散させることができ、ブッシング15に対する外力の影響を軽減させることが可能となる。これにより、さらに優れた耐久性と安定性を確保できる。
【0038】
なお、上記各実施形態は、燃料タンク11を合成樹脂製タンクによって構成してあるが、本発明は、このように燃料タンクを合成樹脂製タンクによって構成することには限られず、燃料タンクの設置領域が広く、設置の自由度が大きい場合などにあっては、燃料タンクを鉄製タンクによって構成することもできる。この場合には、鉄製タンクの供給口を保持具で保持し、その保持具を例えば旋回フレーム2aに固定した立設部材に保持具を連結させる構成となる。
【0039】
また上記各実施形態は、保持ブラケット13,20が連結される立設部材が、旋回フレーム2aに固定した支持部材17と、鉄製の作動油タンク10と、固定ブラケット14とを含む構成にしてあるが、本発明は、立設部材をこのように構成することには限られない。例えば立設部材として、旋回フレーム2aに固定され、上下方向に延設されるとともに十分な強度を有する鉄製の支柱状部材を設け、この支柱状部材に燃料タンク11の供給口11aを保持する保持ブラケット13,20を連結するように構成してもよい。このように構成する場合には、作動油タンク10が燃料タンク11の固定に直接には関与しないことから、この作動油タンク10を合成樹脂製タンクとすることもできる。
【0040】
また、上述のように立設部材を例えば支柱状部材によって構成する場合、その支柱状部材の上端部分を折り曲げ形成して保持ブラケットとしてもよい。すなわち、立設部材と保持具とを一体構成してもよい。
【符号の説明】
【0041】
2 旋回体(車体)
2a 旋回フレーム
4 作業装置取付け部
5 作業装置
10 作動油タンク(立設部材)
10a 側面
11 燃料タンク
11a 供給口
11b 側面
12 ベース部材
13 保持ブラケット(保持具)
13a 平板部
13a1 穴部
13b 立設部
14 固定ブラケット(立設部材)
15 ブッシング
15a 穴部
16 ボルト(締結具)
17 支持部材(立設部材)
18 保護ラバー
20 保持ブラケット
20a 平板部
20b 立設部
20c 規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、この車体に取り付けられた作業装置と、上記車体に搭載されたエンジンと、このエンジンに供給される燃料が蓄えられる燃料タンクとを有する建設機械に備えられ、
上記燃料タンクを上記車体上に固定する建設機械の燃料タンク固定構造において、
上記車体に立設状態に固定される立設部材と、この立設部材に連結され、上記燃料タンクに設けられた燃料の供給口を保持する保持具とを備えたことを特徴とする建設機械の燃料タンク固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の燃料タンク固定構造において、
上記燃料タンクは、合成樹脂製タンクから成ることを特徴とする建設機械の燃料タンク固定構造。
【請求項3】
請求項2に記載の建設機械の燃料タンク固定構造において、
上記保持具は、穴部が形成された鉄製の保持ブラケットから成り、
上記保持ブラケットの上記穴部の縁部に嵌着されるリング状のブッシングを備え、
上記保持ブラケットの上記穴部の縁部に嵌着させた上記ブッシングの穴部に上記燃料タンクの上記供給口を挿入させて、上記ブッシングを介して上記燃料タンクの供給口を上記保持ブラケットによって保持することを特徴とする建設機械の燃料タンク固定構造。
【請求項4】
請求項3に記載の建設機械の燃料タンク固定構造において、
当該建設機械が、旋回体を備えたミニショベルから成り、
上記立設部材が、上記旋回体の旋回フレームに固定される支持部材と、この支持部材上に固定される鉄製の作動油タンクと、この作動油タンクに固定した固定ブラケットとを含み、
上記保持ブラケットと上記固定ブラケットとを締結具により固定したことを特徴とする建設機械の燃料タンク固定構造。
【請求項5】
請求項4に記載の建設機械の燃料タンク固定構造において、
上記保持ブラケットは、上記燃料タンクの側面に対向してこの燃料タンクの動きを規制する規制部を有することを特徴とする建設機械の燃料タンク固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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