説明

建設機械の表示装置

【課題】建設機械の表示装置の利便性を向上する。
【解決手段】前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面または干渉防止機能画面であれば、今回キースイッチ126がオンされたときに当該画面と同じ種類の表示画面がモニタ13に表示されるように構成した。これにより、今回キースイッチ126をオンした際に、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面を呼び出すための操作が不要になるので、利便性が高い。また、作業に関わる重要な項目に関して容易に視認でき、作業上都合がよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械の動作状態などを表示する建設機械の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械の運転室には、オペレータに建設機械の作動状況等を視認させるための表示装置が設けられている。この表示装置では、表示される画面の切り替え操作が行われると、表示される画面の種類が変更され、水温や油温などの建設機械の各部の状況を表示する画面や、メンテナンスに関する画面、モーメントリミッタに関する画面、干渉防止機能に関する画面など種々の画面が表示される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−16916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の建設機械の表示装置では、エンジンキースイッチがオフされる際に、たとえば干渉防止機能に関する画面のように、水温や油温などの建設機械の各部の状況を表示する画面(基本画面)以外の画面が表示されていても、エンジンキースイッチがオフされて再びオンされると、表示される画面が基本画面に戻ってしまう。そのため、たとえば、前回エンジンキースイッチがオフされる直前に干渉防止機能に関する設定を行っており、今回エンジンキースイッチがオンされた後、前回に引き続いて干渉防止機能に関する設定を行う場合には、基本画面から干渉防止機能に関する画面へと、表示画面の切り替え操作を行わなければならず、操作が煩雑になり作業性が悪かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による建設機械の表示装置は、少なくとも建設機械の動作状態を表示する表示画面を含む、複数の種類の表示画面を切り替えて表示する表示器と、建設機械が作業状態にあるか否かを検出する作業状態検出手段と、少なくとも作業状態検出手段により建設機械が作業状態から非作業状態にとなったことが検出されると非作業状態となる直前の作業状態のときに表示器に表示されていた表示画面に関する情報を記憶する記憶手段と、建設機械が始動されたことを検出する始動検出手段と、始動検出手段により建設機械が始動されたことが検出されると、記憶手段に記憶されている情報に基づき、その情報と同じ種類の表示画面を表示器に表示するように表示器を制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の建設機械の表示装置において、始動検出手段により建設機械の始動が検出されると記憶手段に記憶されている情報が所定の種類の表示画面に関する情報か否かを判断する表示画像種類判断手段をさらに備え、表示制御手段は、表示画像種類判断手段が記憶手段に記憶された情報が所定の種類の表示画面に関する情報であると判断すると、始動検出手段により建設機械の始動が検出されたときに、記憶手段に記憶されている情報と同じ種類の表示画面を表示器に表示するように制御することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の建設機械の表示装置において、建設機械が始動された際に表示器に優先して表示すべき事項(優先表示事項)があるか否かを判断する優先表示有無判断手段をさらに備え、表示制御手段は、始動検出手段により建設機械の始動が検出された際、優先表示有無判断手段により優先表示事項があることが判断されると、記憶手段に記憶された情報と同じ種類の表示画面の表示に先立ち、優先表示事項に関する表示画面を表示器に表示することを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建設機械の表示装置において、作業状態検出手段は、操作レバーの操作信号および/またはゲートロックレバーの操作信号に基づいて、建設機械が作業状態にあるか否かを検出することを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項3に記載の建設機械の表示装置において、優先表示事項は、建設機械のメンテナンスに関する事項であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、建設機械が前回始動されていたときであって作業状態にあると判断されていたときに表示器で最後に表示された表示画面の種類と同じ種類の表示画面を表示器に表示させるための操作が不要になるので、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】建設機械の一例としての油圧ショベルの外観を示す図である。
【図2】表示制御装置140の構成を示す図である。
【図3】基本画面が表示されたモニタ13を示す図である。
【図4】ML機能画面が表示されたモニタ13を示す図である。
【図5】オフセット式建設機械(油圧ショベル200)の外観を示す図である。
【図6】干渉防止機能画面が表示されたモニタ13を示す図である。
【図7】時刻設定画面が表示されたモニタ13を示す図である。
【図8】メンテナンス画面の一例が表示されたモニタ13を示す図である。
【図9】キースイッチ126がオンされたときのモニタ13の表示画面の制御についてのフローチャートである。
【図10】変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜9を参照して、本発明による建設機械の表示装置の一実施の形態を説明する。図1は、本発明による建設機械の一例としての油圧ショベルの外観を示す図である。この油圧ショベル100は、無限軌道式の下部走行体101上に、旋回輪110を介して上部旋回体102が旋回自由に装架されている。上部旋回体102は、構造体をなす旋回フレーム103が設けられ、旋回フレーム103の前部左側には運転室104が、旋回フレーム103の前部中央にはフロント作業腕105が、旋回フレーム103の後部側には、フロント作業腕105とのバランスをとるためのカウンタウエイト106が設置されている。
【0009】
運転室104には、運転席104aと、表示装置(モニタ)13とが設けられている。旋回フレーム103上の運転室104とカウンタウエイト106との間には、機械室を画成した建屋カバー107が設置されている。機械室にはエンジン1や、エンジン1によって駆動される油圧ポンプ(メインポンプ)7などが設置されている。
【0010】
フロント作業腕105は、ブームシリンダ114により上下方向に回動可能に上部旋回体102に取り付けられたブーム113と、ブーム113に連結されてアームシリンダ116により上下方向に回動可能に取り付けられたアーム115と、アーム115の先端部分に連結されてバケットシリンダ118により上下方向に回動可能に取り付けられた作業具(バケット)117とを有する。
【0011】
表示装置(モニタ)13は、油圧ショベル100のオペレータに視認されやすいように、かつ、オペレータの視界を妨げないように、たとえば不図示のピラーなどに取り付けられている。モニタ13には、後述するように油圧ショベル100の各部の状態が表示されるほか、モーメントリミッタや作業範囲制限などの設定に関する内容も表示される。後述するキースイッチ126がアクセサリ位置(ACC位置)に操作されても、モニタ13には画面表示がなされないが、キースイッチ126がオン位置に操作されると(キースイッチ126がオンされると)、不図示のゲートロックレバーの操作位置にかかわらず、モニタ13には、たとえば油圧ショベル100の各部の状態等についての情報が表示される。モニタ13およびモニタ13に表示される表示画面については後に詳述する。モニタ13に表示される表示画面については、図2に示す表示制御装置140が制御する。表示制御装置140は、制御部141と、センサ信号入力部142と、キースイッチ信号検出部143と、ゲートロックレバー信号検出部144と、操作レバー信号検出部145と、スイッチ信号検出部146と、作業状態画面記憶部147と、設定・稼働状態記憶部148とを有する。
【0012】
制御部141は、CPUおよびROMやRAM等の周辺回路から成り、モニタ13に所定の表示画面が表示されるように各部を制御する。センサ信号入力部142は、このセンサ信号入力部142に接続されている各センサから出力される信号を受信して、制御部141に送信する。センサ信号入力部142には、角度センサ121と、圧力センサ122と、燃料残量センサ123と、水温センサ124と、油温センサ125とが接続されている。
【0013】
なお、角度センサ121は、ブーム113、アーム115およびバケット117の角度を検出するセンサであり、圧力センサ122は、ブームシリンダ114、アームシリンダ116およびバケットシリンダ118の各油室の圧油の圧力を検出するセンサである。燃料残量センサ123は、油圧ショベル100の燃料の残量を検出するセンサであり、水温センサ124は、エンジン1の冷却水温を検出するセンサであり、油温センサ125は、各油圧アクチュエータを駆動する油圧回路の作動油温度を検出するセンサである。
【0014】
キースイッチ信号検出部143は、キースイッチ(エンジンキースイッチ)126の操作状態を検出して、検出した操作状態の情報を制御部141に出力する。ゲートロックレバー信号検出部144は、不図示のゲートロックレバーの操作状態を検出するゲートロックレバースイッチ127の検出信号を受信して、ゲートロックレバーの操作状態の情報を制御部141に出力する。操作レバー信号検出部145は、フロント作業腕105の操作や、走行操作や旋回操作のための各操作レバー128の操作状態を検出して、検出した操作状態の情報を制御部141に出力する。スイッチ信号検出部146は、モニタ13の表示画面の切り替えや、各種設定値の入力などのための各スイッチ129から出力される信号を受信して、各スイッチ129の操作状態の情報を制御部141に出力する。
【0015】
作業状態画面記憶部147は、油圧ショベル100の「作業状態」において、制御部141がモニタ13に表示させる表示画面の種類を順次記憶する。ここで、「作業状態」とは、たとえば本実施の形態では、キースイッチ126がオンされてエンジン1が始動した状態で、かつ、ゲートロックが解除されて油圧ショベル100を動かすことができる状態であり、実際に操作レバーを操作して作業をしている状態のほか、即作業に取りかることができる状態が含まれている。設定・稼働状態記憶部148は、後述する干渉防止機能に関する設定値のように、オペレータによって設定、変更された設定値や、当該設定値の設定、変更があったか否かの情報、たとえば作動油交換後の稼働時間のように油圧ショベル100の稼働状態に関する情報、たとえば作動油交換時期が近づいているなどのオペレータに通知すべきメンテナンス上の重要な通知の有無などを記憶する。
【0016】
次に、モニタ13について説明する。モニタ13は液晶画面等で構成され、図3に示されるように、各種情報を表示するための画面部13Aと、この画面部13Aに近接した位置にオペレータが操作するためのボタン部13Bとを有して構成される表示器である。そして、画面部13Aは第1の表示領域FAと第2の表示領域SAとに分割され、第2の表示領域SAは画面部13Aの下部に細い帯状の領域として形成され、この細い帯状の領域は複数の区画に分割されている。通常時において、第1の表示領域FAには、水温計M1、油温計M2および燃料残量計M3の計器類がアナログ形式で表示されており、上部には現在の時間を示す時計M4、建設機械の作動時間であるアワーメータM5が表示されている。本実施形態では、これらの情報が表示されている画面を機械状態画面または基本画面というが、油温計M2、時計M4およびアワーメータM5は必ずしも必要なものではないため、基本画面は少なくとも水温計M1および燃料残量計M3を有していればよい。
【0017】
そして、本実施形態では、図3に示されるように、第2の表示領域SAは7つの区画に分割されるものとし、これら分割された各区画を区画形成部D1乃至D7とする。そして、この細い帯状の領域である第2の表示領域SA以外の画面部13Aの領域は第1の表示領域FAに割り当てられている。
【0018】
ボタン部13Bはオペレータにより押下されるボタンであり、図3に示されるように、画面部13Aの下部に位置し、9個のボタンF1乃至F9を有して構成される。すなわち、ボタンF1乃至F7は画面部13Aの直下に一列に配置され、ボタンF8およびF9はボタン部F1乃至F7のさらに直下に一列に配置されている。9個のボタンF1乃至F9には、各ボタンに対応するスイッチ129がそれぞれ設けられている。ボタンF8は初期の設定を行うための機能を立ち上げるためのボタンであり、ボタンF9は建設機械の後方の視野を確保するために不図示の後方カメラの映像を映すためのボタンであるが、これらボタンF8やF9は必ずしも必須のボタンではない。
【0019】
一方、ボタンF1乃至F7は、これらボタンF1乃至F7の直上にある区画形成部D1乃至D7に夫々対応するように設けられる。これら区画形成部D1乃至D7には、直下にあるボタンF1乃至F7の夫々のボタンが果たす役割を意味するアイコンが表示される。たとえば、図3に例示されているものは、区画形成部D6に表示される「ML」というアイコンIC6は後述するモーメントリミッタ(ML)機能画面を呼び出すためのアイコンであり、区画形成部D7に表示される「干渉」というアイコンIC7は後述する干渉防止機能(作業範囲制限機能)画面を呼び出すためのアイコンである。すなわち、この場合においては、ボタンF6はML機能画面を呼び出すための役割を果たし、ボタンF7は干渉防止機能画面を呼び出すための役割を果たすことになる。オペレータは、ML機能画面を呼び出すときには、「ML」というアイコンIC6の直下にあるボタンF6を押下し、干渉防止機能画面を呼び出すときには「干渉」というアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下する。これにより、オペレータは、アイコンに対応する直下のボタンを押下すればよいので、直感的に且つ迅速に押下すべきボタンを把握することができる。
【0020】
また、区画形成部D5に表示される「時刻」というアイコンIC5は後述する時刻設定画面を呼び出すためのアイコンであり、区画形成部D4に表示される「メンテ」というアイコンIC4は後述するメンテナンス画面を呼び出すためのアイコンである。
【0021】
モーメントリミッタ(ML)機能は、たとえばバケット117にクレーン作業を行うためフック付きアタッチメントを装着することによりクレーン作業を行うことができるが、このクレーン作業時の転倒を防止する目的として設けられるものである。そして、ML機能画面としては、定格荷重、実荷重、作業半径および吊り荷の高さの4つの情報が表示される。これらのうち、定格荷重は吊り荷の荷重の制限値をいい、実荷重は実際の吊り荷の荷重をいう。
【0022】
制御部141は、センサ信号入力部142を介して受信する角度センサ121の角度検出信号、および、あらかじめ記憶しているフロント作業腕105の各部の寸法に基づいてフロント作業腕105の姿勢を算出するとともに、定格荷重や作業半径、吊り荷の高さを算出する。また、制御部141は、センサ信号入力部142を介して受信する圧力センサ122の圧力検出信号、および、算出したフロント作業腕105の姿勢に基づいて、実荷重を算出する。制御部141は、算出した定格荷重や実荷重、作業半径、吊り荷の高さの情報を、ML機能画面内でモニタ13に表示させる。
【0023】
ML機能画面をモニタ13に表示させるには、上述したように、たとえば図3に示した基本画面の区画形成部D6に表示されている「ML」というアイコンIC6の直下にあるボタンF6を押下すればよい。ボタンF6が押下されると、ボタンF6に対応するスイッチ129の操作信号がスイッチ信号検出部146へ出力され、当該スイッチ129が操作された旨の情報がスイッチ信号検出部146から制御部141へ出力される。制御部141は、当該情報を受信すると、図4に示すように、ML機能画面をモニタ13に表示させ、ML機能画面の所定の表示領域に、算出した定格荷重や実荷重、作業半径、吊り荷の高さの各値を表示させる。
【0024】
クレーン作業を行っている間、ML機能画面を表示させておくことで、オペレータは、定格荷重、実荷重、作業半径および吊り荷の高さを把握できる。そして、クレーン作業が終了したとき等のML機能画面を表示する必要がなくなった場合、区画形成部D1に表示されている「表示切替」というアイコンIC8の直下にあるボタンF7を押下する。ボタンF7が押下されると、ボタンF7に対応するスイッチ129の操作信号がスイッチ信号検出部146へ出力され、当該スイッチ129が操作された旨の情報がスイッチ信号検出部146から制御部141へ出力される。制御部141は、当該情報を受信すると、図3に示されるような基本画面をモニタ13に表示させる。ボタンF7が押下されない場合は、引き続きML機能画面が表示されるが、制御部141は、所定周期毎に定格荷重や実荷重、作業半径、吊り荷の高さを算出して、算出した各値をML機能画面の所定の表示領域に表示させる。
【0025】
次に、干渉防止機能について説明する。たとえば、側溝掘りを行うときには、図5に示されるようなオフセット式建設機械を使用して作業を行う。図5において、オフセット式建設機械(油圧ショベル200)は図1のような建設機械と下部走行体101および上部旋回体102は同じものであるが、フロント作業腕205が異なっている。すなわち、油圧ショベル200のフロント作業腕205は、ブームシリンダ214Lにより上下方向に回動可能に設けられたロアブーム213L、このロアブーム213Lの先端に揺動シリンダ214Uにより左右方向に揺動可能に連結されたアッパブーム213Uと、アッパブーム213Uの先端に左右方向に揺動可能に設けられたアーム接続部213Jとを有する。油圧ショベル200のフロント作業腕205は、アーム接続部213Jに連結されてアームシリンダ216により上下方向に回動可能に取り付けられたアーム215と、アーム215の先端部分に連結されてバケットシリンダ218により上下方向に回動可能に取り付けられたバケット117とを有する。
【0026】
油圧ショベル200には、ロアブーム213L、アッパブーム213U、アーム215およびバケット117の角度をそれぞれ検出するための角度センサ121が設けられている。このような油圧ショベル200においては、フロント作業腕205が運転室104に衝突することを防止するために、オフセットすることができる最大値を設定し、この最大値を超えて行われる作業を制限する。このとき、作業の制限は油圧をカットすることにより、ブームシリンダ214L、揺動シリンダ214U、アームシリンダ216およびバケットシリンダ218をロックするようにする。
【0027】
また、作業現場によっては、フロント作業腕205の高さ制限がある場合がある。たとえば、屋内で作業を行う場合や電線等の障害物がある場合は、フロント作業腕205に高さ制限を設ける必要がある。また、作業現場によっては、フロント作業腕205の深さ制限がある場合がある。たとえば、作業現場に埋設配管等の障害物がある場合は、フロント作業腕205に深さ制限を設ける必要がある。
【0028】
このとき、深さ方向においては、バケット117の位置が最も深くなるが、高さ方向においては、フロント作業腕205の姿勢によって、アーム215の基端部が最も高い位置に位置する場合とバケット117が最も高い位置に位置する場合とがある。従って、バケット117の位置が深さ制限を越えて作業を行わないように、またバケット117の位置またはアーム215の基端部の位置が高さ制限を越えて作業を行うように制御する必要がある。そのため、制限を超えた場合には、油圧をカットすることにより、ブームシリンダ214L、アームシリンダ216およびバケットシリンダ218をロックするようにする。
【0029】
このように、フロント作業腕205が運転室104に衝突することや障害物に接触することを防止するために、フロント作業腕205のオフセット制限、高さ制限および深さ制限を設定する必要がある。制御部141は、上述した角度センサ121とアーム215、アッパブーム213Uおよびロアブーム213Lの長さとから常にオフセットの値、アーム215の基端部の位置およびバケット117の位置を算出し、設定されたオフセット制限、高さ制限および深さ制限の範囲を超えたときには、油圧をカットすることにより、ブームシリンダ214L、アームシリンダ216およびバケットシリンダ218をロックするようにする。
【0030】
干渉防止機能を使用するときには、オペレータはモニタ13を使用して、オフセット制限、高さ制限および深さ制限を設定して作業を行う。このとき、オフセット制限、高さ制限および深さ制限の設定は、設定を行うときのフロント作業腕205の姿勢、すなわち設定を行うときアーム215の基端部の位置、バケット117の位置およびオフセットの値により行われる。
【0031】
干渉防止機能画面をモニタ13に表示させるには、上述したように、たとえば図3に示した基本画面の区画形成部D7に表示されている「干渉」というアイコンIC7の直下にあるボタンF7を押下すればよい。ボタンF7が押下されると、ボタンF7に対応するスイッチ129の操作信号がスイッチ信号検出部146へ出力され、当該スイッチ129が操作された旨の情報がスイッチ信号検出部146から制御部141へ出力される。制御部141は、当該情報を受信すると、図6に示すように、干渉防止機能画面をモニタ13に表示させ、干渉防止機能画面の所定の表示領域に、算出した高さ、深さ、オフセットの3種類の情報を表示させる。これら3種類の情報のうち、深さとしてはその時点でのバケット117の位置であり、オフセットとしてはその時点でのフロント作業腕205のオフセットの値である。一方、高さとしては、バケット117の位置とアーム215の基端部の位置とのうち高い方の位置である。
【0032】
制御部141は、図3における区画形成部D6およびD7に夫々表示されていた「ML」というアイコンIC6および「干渉」というアイコンIC7を非表示状態にし、新たに区画形成部D1に「高さ制限」というアイコンIC9を、区画形成部D2に「深さ制限」というアイコンIC10を、区画形成部D3に「オフセット制限」というアイコンIC11を、区画形成部D7に「表示切替」というアイコンIC8を表示させる。
【0033】
干渉防止機能ではML機能とは異なり、高さ制限、深さ制限およびオフセット制限の設定を行う必要がある。オペレータはボタンF1乃至F3を使用することでこれらの設定を行うことができる。なお、高さ制限、深さ制限およびオフセット制限の設定は、予め判明している数値を入力する場合とフロント作業機3を動作させて設定する場合とがあるが、詳細については公知であるので省略する。なお、設定値は、設定・稼働状態記憶部148に記憶される。
【0034】
時刻設定画面をモニタ13に表示させるには、たとえば図3に示した基本画面の区画形成部D5に表示されている「時刻」というアイコンIC5の直下にあるボタンF5を押下すればよい。ボタンF5が押下されると、ボタンF5に対応するスイッチ129の操作信号がスイッチ信号検出部146へ出力され、当該スイッチ129が操作された旨の情報がスイッチ信号検出部146から制御部141へ出力される。制御部141は、当該情報を受信すると、図7に示すように、時刻設定画面をモニタ13に表示させる。
【0035】
図7に示す時刻設定画面では、ボタンF1,F2を押圧することで設定する(変更する)項目を順次変更可能であり、ボタンF3,F4を押圧することで、選択されている項目の値を増減できる。ボタンF5を押圧することで設定値を確定して登録できる。図7では、「年」、「月」、「日」および「時」、「分」の各項目のうち、「分」の項目が選択されている状態を示している。
【0036】
メンテナンス画面をモニタ13に表示させるには、たとえば図3に示した基本画面の区画形成部D4に表示されている「メンテ」というアイコンIC4の直下にあるボタンF4を押下すればよい。ボタンF4が押下されると、ボタンF4に対応するスイッチ129の操作信号がスイッチ信号検出部146へ出力され、当該スイッチ129が操作された旨の情報がスイッチ信号検出部146から制御部141へ出力される。制御部141は、当該情報を受信すると、図8に示すように、メンテナンス画面をモニタ13に表示させる。
【0037】
図8に示された画面は、メンテナンス画面の一例としての作動油の交換時期に関する設定画面である。ボタンF1,F2を押圧することで設定する(変更する)項目を順次変更可能であり、ボタンF3,F4を押圧することで、選択されている項目の値の増減やオンオフの変更がでる。ボタンF5を押圧することで設定値を確定して登録できる。図8では、各項目のうち、作動油の交換間隔の項目が選択されている状態を示している。
【0038】
本実施の形態の油圧ショベル100,200では、キースイッチ126がオフされた後、再び油圧ショベル100,200が始動されると(たとえばキースイッチ126がオンされ、エンジン1が再始動されると)、モニタ13には次の(A)〜(D)で述べる種類の表示画面が表示される。以下の説明では、前回キースイッチ126がオフされる前であって、油圧ショベル100,200が「作業状態」であったときのことを、単に前回の作業状態と呼ぶ。また、作業状態においてモニタ13に表示されていた表示画面のうち、キースイッチがオフされるか、あるいはゲートロックレバーがロック位置に操作される直前に表示されていた表示画面、すなわち作業状態から非作業状態へ変化する際の、非作業状態となる直前の作業状態において表示されていた表示画面を最後にモニタ13に表示された表示画面と呼ぶ。
【0039】
(A) 前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面または干渉防止機能画面であれば、当該画面と同じ種類の表示画面がモニタ13に表示される。
(B) 上記(A)の場合であって、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、干渉防止機能画面であって、設定値が変更されていた場合には、干渉防止機能画面中の変更された設定値の表示箇所が一定時間点滅されてモニタ13に表示される。
(C) 前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面および干渉防止機能画面のいずれでもなければ、基本画面がモニタ13に表示される。
(D) 上記(A)〜(C)の場合であっても、たとえば、作動油の交換時期が近づいているなどのメンテナンス上の重要な通知のように、優先して表示すべき事項(優先表示事項)がある場合には、ML機能画面、干渉防止機能画面または基本画面の表示に先だって、メンテナンス画面が一定時間モニタ13に表示される。このとき、メンテナンス上の重要な通知に係る項目(たとえば作動油交換時期までの残り時間)が点滅するなど、強調的に表示される。
【0040】
このように、キースイッチ126がオンされたときのモニタ13の表示画面の制御について、図9のフローチャートに基づいて説明する。キースイッチ126がオンされると、この処理を行うプログラムが起動されて、制御部141で実行される。すなわち、制御部141は、キースイッチ126がオンされた情報(信号)をキースイッチ信号検出部143から受信すると、設定・稼働状態記憶部148にメンテナンス上の重要な通知が有る旨の情報が記憶されているか否かを判断する(ステップS1)。
【0041】
設定・稼働状態記憶部148にメンテナンス上の重要な通知が有る旨の情報が記憶されている場合(ステップS1肯定判断)、制御部141は、メンテナンス画面をモニタ13に表示し、メンテナンス上の重要な通知に係る項目が点滅するように各部を制御する(ステップS3)。そして、制御部141は、一定時間が経過するまで待機し(ステップS5)、一定時間が経過すると(ステップS5肯定判断)、作業状態画面記憶部147で記憶されている情報に基づいて、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類(すなわち、作業状態画面記憶部147で記憶されている最新の表示画面の種類)がML機能画面であったか否かを判断する(ステップS7)。一方、設定・稼働状態記憶部148にメンテナンス上の重要な通知が有る旨の情報が記憶されていない場合(ステップS1否定判断)も同様に、制御部141は、作業状態画面記憶部147で記憶されている情報に基づいて、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類がML機能画面であったか否かを判断する(ステップS7)。
【0042】
前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類がML機能画面であった場合(ステップS7肯定判断)、制御部141は、ML機能画面をモニタ13に表示させる(ステップS13)。ML機能画面をモニタ13に表示させると本プログラムを終了し、以降は、従来の建設機械と同様に、制御部141は、オペレータの操作にしたがって表示画面を切り替えるよう各部を制御する。
【0043】
前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類がML機能画面ではなかった場合(ステップS7否定判断)、制御部141は、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が干渉防止機能画面であったか否かを判断する(ステップS9)。前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が干渉防止機能画面であった場合(ステップS9肯定判断)、制御部141は、設定・稼働状態記憶部148に記憶されている情報に基づいて、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された干渉防止機能画面上で干渉防止機能の設定値の変更が行われたか否かを判断する(ステップS15)。
【0044】
前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された干渉防止機能画面上で干渉防止機能の設定値の変更が行われたと判断されると(ステップS15肯定判断)、制御部141は、干渉防止機能画面をモニタ13に表示し、変更された設定値の表示箇所が点滅するように各部を制御する(ステップS17)。そして、制御部141は、一定時間が経過するまで待機し(ステップS19)、一定時間が経過すると(ステップS19肯定判断)、上述した表示の点滅を中止して、干渉防止機能画面をモニタ13に表示させる(ステップS21)。一方、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された干渉防止機能画面上で干渉防止機能の設定値の変更が行われなかったと判断された場合(ステップS15否定判断)も同様に、制御部141は、干渉防止機能画面をモニタ13に表示させる(ステップS21)。干渉防止機能画面をモニタ13に表示させると本プログラムを終了し、以降は、従来の建設機械と同様に、制御部141は、オペレータの操作にしたがって表示画面を切り替えるよう各部を制御する。
【0045】
前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が干渉防止機能画面ではなかった場合(ステップS9否定判断)、制御部141は、基本画面をモニタ13に表示させる(ステップS11)。基本画面をモニタ13に表示させると本プログラムを終了し、以降は、従来の建設機械と同様に、制御部141は、オペレータの操作にしたがって表示画面を切り替えるよう各部を制御する。
【0046】
本実施の形態の油圧ショベルでは、次の作用効果を奏する。
(1) 前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面または干渉防止機能画面であれば、今回キースイッチ126がオンされたときに当該画面と同じ種類の表示画面がモニタ13に表示されるように構成した。これにより、今回キースイッチ126をオンした際に、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面を呼び出すための操作が不要になるので、利便性が高い。また、作業に関わる重要な項目に関して容易に視認でき、作業上都合がよい。たとえば、クレーン作業を行っているときに、休憩のためオペレータが一旦キースイッチ126をオフして降車し、作業再開のために再び乗車してキースイッチ126をオンすると、特に表示画面の切り替え操作を行わなくてもML機能画面がモニタ13に表示されるので、作業再開時に便利である。また、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、干渉防止機能画面であれば、今回キースイッチ126がオンされたときに干渉防止機能画面がモニタ13に表示されるように構成したので、作業に関わる重要な設定の変更等が反映されているか否かを容易に判断できる。
【0047】
(2) 前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、干渉防止機能画面であって、設定値が変更されていた場合には、今回キースイッチ126がオンされたときには、干渉防止機能画面中の変更された設定値の表示箇所が一定時間点滅されてモニタ13に表示されるように構成した。これにより、作業に関わる重要な設定の変更があったことをオペレータに報知できるので、オペレータに注意を促すことができる。
【0048】
(3) 前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面および干渉防止機能画面ではなければ、今回キースイッチ126がオンされたときには基本画面がモニタ13に表示されるように構成した。これにより、たとえば、時刻設定画面やメンテナンス画面のように、作業に直接関わる画面ではない表示画面が今回キースイッチ126がオンされたときにモニタ13に再び表示されることがないので、基本画面を表示させるための操作が不要であり、使い勝手がよい。
【0049】
(4) 前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面または干渉防止機能画面であっても、優先表示事項がある場合には、今回キースイッチ126がオンされたときにはメンテナンス画面が一定時間モニタ13に表示されるように構成した。これにより、優先表示事項を優先的に表示できるので、オペレータに優先表示事項に関して注意を促すことができる。
【0050】
(5) キースイッチ126およびゲートロックレバースイッチ127の状態に基づいて作業状態であるか否かを判断するように構成した。したがって、単にキースイッチ126のオンオフ状態だけを検出した場合と比べて、作業をしようとしている状態(作業に臨む状態)であるか否かの判断がより正確になる。これにより、たとえば、前回キースイッチ126をオフする直前にゲートロックを掛けた降車直前の状態で確認のためだけにオペレータが基本画面から干渉防止機能画面やML機能画面を表示させた場合にように、次回キースイッチ126がオンされた際にあえて最初に干渉防止機能画面やML機能画面を表示させる必要がない場合には、次回キースイッチ126がオンされると、干渉防止機能画面やML機能画面ではなく基本画面が表示される。このように、キースイッチ126がオンされた際にモニタ13に表示させる表示画面の種類をより適したものにできるので、不必要な表示画面切り替え操作を抑制できる。
【0051】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、作業状態とは、キースイッチ126がオンされ、かつ、ゲートロックが解除されている状態として説明しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、キースイッチ126がオンされ、かつ、いずれかの操作レバーの操作がされている状態を作業状態として判定してもよく、キースイッチ126がオンされ、かつ、ゲートロックが解除され、かつ、いずれかの操作レバーの操作がされている状態を作業状態として判定してもよい。また、キースイッチ126がオンされ、かつ、たとえば不図示のアイドルアップつまみの操作によってエンジン1の回転数が通常のアイドリングよりも高い回転数に保たれている状態を作業状態として判定してもよい。すなわち、油圧ショベル100,200の各部の状態を適宜検出し、検出した結果に基づいて作業状態であるか否か判定するようにすればよい。なお、作業状態とは、実際に操作レバーを操作して作業をしている状態のほか、作業をしようとしている状態、作業に臨む状態、即作業に取りかかれる状態などを含むものとする。
【0052】
(2) 上述の説明では、キースイッチ126がオンされるとモニタ13が上述したように表示制御されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、キースイッチ126がオンされた後であってエンジン1が始動された直後や、エンジン1が始動され、かつ、ゲートロックが解除されたときにモニタ13が上述したように表示制御されるように構成してもよい。すなわち、エンジン1の始動が検出されたとき、またはエンジン1が始動され、かつ、ゲートロックが解除されたことを検出したときに、図9にフローチャートを示すプログラムが実行されるように構成してもよい。また、図9にフローチャートを示すプログラムの実行開始条件を、上述した作業状態の判定に係る条件と同様の条件としてもよい。
【0053】
(3) 上述の説明では、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面または干渉防止機能画面であれば、今回キースイッチ126がオンされたときに当該画面と同じ種類の表示画面がモニタ13に表示されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面または干渉防止機能画面であれば、今回キースイッチ126がオンされたときに一旦基本画面が一定時間表示され、その後、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類と同じ種類の表示画面がモニタ13に表示されるように構成してもよい。
【0054】
(4) 上述の説明では、優先表示事項がある場合には、今回キースイッチ126がオンされたときにメンテナンス画面が一定時間モニタ13に表示されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、優先表示事項がある場合には、今回キースイッチ126がオンされたときに、オペレータによる表示画面の切り替え操作が行われるまでメンテナンス画面をモニタ13に表示し続けるように構成してもよい。また、たとえば、優先表示事項がある場合には、今回キースイッチ126がオンされたときに、エンジン1の回転数が所定の回転数以下であれば、メンテナンス画面をモニタ13に表示し続け、エンジン1の回転数が所定の回転数を超えれば、すぐに作業に取りかかる状態であると判断して、数秒後にメンテナンス画面の表示をやめるように構成してもよい。
【0055】
(5) 上述の説明では、優先表示事項の例として、作動油交換時期が迫っている旨の通知を挙げているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、エンジンオイルの交換時期が迫っている旨の通知や、排気ガス中に含まれる粒子状物資を捕集するフィルタ(Diesel Particulate Filter)の交換時期を知らせる旨の通知などのメンテナンス上の重要な事項も含まれる。また、メンテナンス関連の項目以外であっても、ML機能画面または干渉防止機能画面の表示に先だって表示すべき重要な事項があれば、これを優先表示事項としてもよい。
【0056】
(6) 上述の説明では、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面または干渉防止機能画面であれば、今回キースイッチ126がオンされたときに当該画面と同じ種類の表示画面がモニタ13に表示されるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、前回の作業状態において最後にモニタ13に表示された表示画面の種類が、ML機能画面および干渉防止機能画面以外の画面であっても、作業のための設定画面など、作業を行う上で必要な情報を表示する画面であれば、今回キースイッチ126がオンされたときに当該画面と同じ種類の表示画面がモニタ13に表示されるように構成してもよい。作業を行う上で必要な情報を表示する画面の例としては、たとえば図10に示すような、ポンプ流量を調整するアタッチメント調整画面などが挙げられる。
(7) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、少なくとも建設機械の動作状態を表示する表示画面を含む、複数の種類の表示画面を切り替えて表示する表示器と、建設機械が作業状態にあるか否かを検出する作業状態検出手段と、少なくとも作業状態検出手段により建設機械が作業状態から非作業状態にとなったことが検出されると非作業状態となる直前の作業状態のときに表示器に表示されていた表示画面に関する情報を記憶する記憶手段と、建設機械が始動されたことを検出する始動検出手段と、始動検出手段により建設機械が始動されたことが検出されると、記憶手段に記憶されている情報に基づき、その情報と同じ種類の表示画面を表示器に表示するように表示器を制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする各種構造の建設機械の表示装置を含むものである。
【符号の説明】
【0058】
13 表示装置(モニタ) 100,200 油圧ショベル
101 下部走行体 103 旋回フレーム
105 フロント作業腕 140 表示制御装置
141 制御部 142 センサ信号入力部
143 キースイッチ信号検出部 144 ゲートロックレバー信号検出部
145 操作レバー信号検出部 146 スイッチ信号検出部
147 作業状態画面記憶部 148 設定・稼働状態記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも建設機械の動作状態を表示する表示画面を含む、複数の種類の表示画面を切り替えて表示する表示器と、
前記建設機械が作業状態にあるか否かを検出する作業状態検出手段と、
少なくとも前記作業状態検出手段により前記建設機械が作業状態から非作業状態にとなったことが検出されると前記非作業状態となる直前の作業状態のときに前記表示器に表示されていた表示画面に関する情報を記憶する記憶手段と、
前記建設機械が始動されたことを検出する始動検出手段と、
前記始動検出手段により前記建設機械が始動されたことが検出されると、前記記憶手段に記憶されている前記情報に基づき、その情報と同じ種類の表示画面を前記表示器に表示するように前記表示器を制御する表示制御手段とを備えることを特徴とする建設機械の表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の表示装置において、
前記始動検出手段により前記建設機械の始動が検出されると前記記憶手段に記憶されている前記情報が所定の種類の表示画面に関する情報か否かを判断する表示画像種類判断手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記表示画像種類判断手段が前記記憶手段に記憶された前記情報が所定の種類の表示画面に関する情報であると判断すると、前記始動検出手段により前記建設機械の始動が検出されたときに、前記記憶手段に記憶されている前記情報と同じ種類の表示画面を前記表示器に表示するように制御することを特徴とする建設機械の表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の建設機械の表示装置において、
前記建設機械が始動された際に前記表示器に優先して表示すべき事項(優先表示事項)があるか否かを判断する優先表示有無判断手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記始動検出手段により前記建設機械の始動が検出された際、前記優先表示有無判断手段により前記優先表示事項があることが判断されると、前記記憶手段に記憶された前記情報と同じ種類の表示画面の表示に先立ち、前記優先表示事項に関する表示画面を前記表示器に表示することを特徴とする建設機械の表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の建設機械の表示装置において、
前記作業状態検出手段は、操作レバーの操作信号および/またはゲートロックレバーの操作信号に基づいて、前記建設機械が作業状態にあるか否かを検出することを特徴とする建設機械の表示装置。
【請求項5】
請求項3に記載の建設機械の表示装置において、
前記優先表示事項は、前記建設機械のメンテナンスに関する事項であることを特徴とする建設機械の表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2011−6936(P2011−6936A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151868(P2009−151868)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】