説明

建設機械

【課題】 フレーム上に弾性体を介して床板を取付けるときの作業性を高める。
【解決手段】 床板19の建屋取付板22を取付ける床板取付板33を、ベース板部34と、ベース板部34の下面側に設けられた左,右の弾性体取付部35,36と、これら左,右の弾性体取付部35,36の近傍に位置してベース板部34の下面側に設けられた左,右のストッパ部37,38とを備えた鋳造部品として一体形成する。これにより、支持部材13の支持ベース14上に上側弾性体40を介して床板取付板33を取付けるだけで、この上側弾性体40の近傍に左,右のストッパ部37,38を配置することができる。従って、例えば上側弾性体40の近傍にそれぞれ単体のストッパ部材を取付ける場合に比較して、支持ベース14上に上側弾性体40等を介して床板19の建屋取付板22を取付けるときの作業性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば油圧ショベル、油圧クレーン等の建設建設に関し、特に、フレームに対して床板が傾転可能となった建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより構成されている。また、上部旋回体は、前部側に作業装置が取付けられた旋回フレームと、該旋回フレーム上に設けられた床板と、該床板上に設けられ運転者が着席する運転席と、該運転席を上方から覆うキャノピ、または運転席の周囲を取囲むキャブ等とにより大略構成されている。
【0003】
ところで、油圧ショベルには、狭い作業現場での作業に適したミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルがあり、この小型の油圧ショベルでは、コントロールバルブ、旋回モータ等の機器類を設置するスペースが少ないため、これらの機器類を旋回フレームのうち床板の下側に配設している。
【0004】
これに対し、従来技術による小型の油圧ショベルとして、床板の前側部位が旋回フレームに傾転可能に取付けられ、床板の前側部位を支点として床板の後部側を運転席と一緒に旋回フレームに対して傾転(チルトアップ)させることにより、床板の下側に配設されたコントロールバルブ等の機器類に対して容易にメンテナンス作業を行なうことができるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2000−72048号公報
【0006】
また、一般的な油圧ショベルでは、旋回フレームから床板に伝わる振動を緩和してオペレータの作業環境を良好にするために、旋回フレームと床板との間に複数の弾性体を設けている。そして、これらの弾性体は、例えば床板の前側部位と後側部位に左,右方向に離間して配置され、旋回フレームと床板との間で弾性変形することにより旋回フレームから床板に伝わる振動を緩和するものである。
【0007】
ここで、旋回フレームと床板との間に複数の弾性体を設けた油圧ショベルは、掘削作業時等において旋回フレームが大きく振動することにより、旋回フレームと床板との間で弾性体が過剰に弾性変形するのを抑えるため、通常、各弾性体の近傍にそれぞれストッパ部材を設けている。そして、旋回フレームと床板との間で弾性体が過剰に弾性変形したときには、ストッパ部材が旋回フレーム等に当接することにより、弾性体がそれ以上に変形するのを抑え、該弾性体を保護することができる構成となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、複数の弾性体に対して上述の如きストッパ部材をそれぞれ設けた場合には、複数の弾性体を介して旋回フレーム上に床板を取付けるときに、各弾性体毎にストッパ部材を取付ける作業が必要となり、床板を取付けるときの作業性が低下してしまうという問題がある。
【0009】
また、複数の弾性体に対してストッパ部材をそれぞれ別個に設けた場合には、ストッパ部材の分だけ部品点数が増大してしまい、部品管理が煩雑化するだけでなく、製造コストの上昇を招くという問題がある。
【0010】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、フレーム上に弾性体を介して床板を取付けるときの作業性を高めることができ、かつ、部品点数を削減することができるようにした建設機械を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するため本発明は、作業装置が取付けられるフレームと、該フレーム上に前側部位を支点として傾転可能に設けられた床板と、該床板上に設けられ運転者が着席する運転席とを備えてなる建設機械に適用される。
【0012】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、フレームの後部側に設けられ床板の後側部位を支持する支持部材と、該支持部材の上側に設けられ床板の後側部位が取付けられる床板取付板と、該床板取付板と支持部材との間に設けられフレームから支持部材を介して床板取付板に伝わる振動を弾性変形しつつ緩和する弾性体とを備え、床板取付板には、弾性体が過剰に変形したときに支持部材に当接することにより弾性体を保護するストッパ部を一体形成したことにある。
【0013】
請求項2の発明は、支持部材は、フレームの上方に配設された支持ベースと、該支持ベースをフレームに固定する複数本の支柱とにより構成し、床板取付板は、支持ベース上に配置され上面側に床板の後側部位が取付けられるベース板部と、該ベース板部の下面側に設けられ弾性体が取付けられる弾性体取付部と、該弾性体取付部の近傍に位置してベース板部の下面側に設けられ支持ベースに向けて突出したストッパ部とを備えた鋳造部品として一体形成する構成としたことにある。
【0014】
請求項3の発明は、床板取付板のストッパ部は、弾性体取付部に取付けられた弾性体の周囲を取囲んで形成したことにある。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、フレームの後部側に設けられた支持部材と床板の後側部位が取付けられる床板取付板との間に弾性体を設け、床板取付板には、弾性体の過剰な変形を抑えるストッパ部を一体形成している。従って、支持部材と床板取付板との間で弾性体が過剰に変形したとしても、ストッパ部が支持部材に当接することにより弾性体がそれ以上に変形するのを抑えることができ、該弾性体を保護することができる。しかも、ストッパ部は床板取付板に一体形成されているので、支持部材上に弾性体を介して床板取付板を取付けるだけで、この弾性体の近傍にストッパ部を配置することができる。従って、フレーム上に弾性体を介して床板を取付けるときの作業性を高めることができる。また、複数の弾性体に対してそれぞれ単体のストッパ部材を用いる必要がなくなる分、部品点数を削減することができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、床板取付板を、上面側に床板の後側部位が取付けられるベース板部と、該ベース板部の下面側に設けられた弾性体取付部と、該弾性体取付部の近傍に位置してベース板部の下面側に設けられたストッパ部とを備えた鋳造部品として一体形成している。これにより、ベース板部をストッパ部によって補強することができ、床板取付板全体の強度を高めることができる。また、例えば床板取付板とは別部材からなるストッパ部材に比較して、床板取付板に一体形成されたストッパ部の強度を高めることができるので、このストッパ部によって弾性体を確実に保護することができる。さらに、床板取付板を鋳造部品として一体形成することにより、該床板取付板に設けられるストッパ部を、弾性体の形状に適した自由な形状に形成することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、床板取付板のストッパ部を、弾性体取付部に取付けられた弾性体の周囲を取囲んで形成している。これにより、弾性体が過剰な変形を生じたときに、ストッパ部は大きな面積をもって支持部材の支持ベースに当接することができる。従って、ストッパ部が支持ベースに当接したときに両者に対して局部的な大きな荷重が作用するのを抑えることができ、これらストッパ部や支持ベースを保護することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る建設機械の実施の形態を小型の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図17を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
図中、1は建設機械としてのキャノピ仕様の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とにより大略構成され、上部旋回体3の前部側には後述の作業装置48が設けられている。
【0020】
ここで、上部旋回体3は、図2に示すように、下部走行体2の車幅内でほぼ旋回できるように上方からみて略円形状に形成されている。そして、上部旋回体3は、後述の旋回フレーム4、支持部材13、床板19、運転席25、キャノピ28、床板支持機構31、床板傾転機構32、床板取付板33等により構成されている。
【0021】
4は上部旋回体3のベースとなる旋回フレームで、該旋回フレーム4は、図3および図4に示すように、後述のセンタフレーム5、左サイドフレーム6、右サイドフレーム7等により強固な支持構造体として構成されている。
【0022】
5は旋回フレーム4の中央部分を構成するセンタフレームで、該センタフレーム5は、平板状に形成され前,後方向に延びた底板5Aと、該底板5Aの上面側に立設され前,後方向に延びた左縦板5Bおよび右縦板5Cと、左,右の縦板5B,5Cの前端部に設けられ後述の作業装置48を支持する円筒状の支持ブラケット5Dと、底板5Aの前,後方向の中間部に位置して該底板5A上に立設され左,右方向に延びた後横梁5Eと、左,右の縦板5B,5Cの前部上端側に設けられ左,右方向に延びた前横梁5F等とにより大略構成されている。そして、前横梁5F上には、後述する床板支持機構31のフレーム側ブラケット31Aが取付けられている。また、図4に示すように、底板5Aと左,右のサイドフレーム6,7との間には平板状のアンダカバー5Gが設けられ、該アンダカバー5Gの上面側には、後述のコントロールバルブ12等が配置されている。
【0023】
6はセンタフレーム5の左側に配置された左サイドフレームで、該左サイドフレーム6は、円弧状に湾曲しつつ前,後方向に延びる左枠部6Aと、該左枠部6Aの前端側から右方へと折曲げられセンタフレーム5に向けて直線的に延びる前枠部6Bとにより大略構成されている。
【0024】
7はセンタフレーム5の右側に配置された右サイドフレームで、該右サイドフレーム7は、円弧状に湾曲しつつ前,後方向に延びる右枠部7Aと、該右枠部7Aの前端側から左方へと折曲げられセンタフレーム5に向けて直線的に延びる前枠部7Bとにより大略構成されている。
【0025】
8は旋回フレーム4の後部側に搭載されたエンジンで、該エンジン8は、図4に示すように、旋回フレーム4を構成する後横梁5Eの後側に位置し、左,右方向に延在する横置き状態に配置されている。そして、エンジン8は、図5および図6に示すように、後述する床板19の下側に入り込むように配設されている。また、エンジン8の右側にはラジエータ、オイルクーラ等の熱交換器9が配設され、エンジン8の左側には、該エンジン8によって駆動される油圧ポンプ10が設けられている。
【0026】
11は旋回フレーム4の右側に設けられたタンクで、該タンク11は、図4に示すように、熱交換器9の前側に配置された作動油タンク11Aと、該作動油タンク11Aの前側に配置された燃料タンク11Bとにより構成されている。12は旋回フレーム4の左側に設けられたコントロールバルブで、該コントロールバルブ12は、旋回フレーム4の底板5Aと左サイドフレーム6との間に設けられたアンダカバー5G上に配置され、油圧ショベル1に設けられた各種の油圧機器に対する作動油の給排を制御するものである。
【0027】
13はエンジン8を跨いで旋回フレーム4の後部側に設けられた支持部材で、該支持部材13は、旋回フレーム4の一部を構成し、後述する床板19の後側部位を支持するものである。そして、支持部材13は、図8および図9等に示すように、後述の支持ベース14、左前支柱15、左後支柱16、右前支柱17、右後支柱18等により構成されている。
【0028】
14は旋回フレーム4の上方に配置された支持ベースで、該支持ベース14は、旋回フレーム4上に搭載されたエンジン8の上方を左,右方向に延びている(図4、図5参照)。ここで、支持ベース14は、図9に示すように、逆U字状に折り曲げられたベース板14Aと、該ベース板14Aの下側に固着された下板14Bとによって左,右方向に延びる中空な角筒形状に形成されている。また、ベース板14Aには、左,右方向に離間して後述の防振マウント39を取付ける防振マウント取付穴14Cが形成されている。
【0029】
15は支持ベース14の左端部から前方下向きに延びた左前支柱、16は左前支柱15の後側に位置して支持ベース14の左端部から下向きに延びた左後支柱を示している。また、17は支持ベース14の右端部から略L字状に屈曲しつつ前方下向きに延びた右前支柱、18は右前支柱17の後側に位置して支持ベース14の右端部から下向きに延びた右後支柱を示している。
【0030】
そして、これら各支柱15,16,17,18は、上端側がボルト等を用いて支持ベース14に取付けられ、下端側がボルト等を用いて旋回フレーム4に取付けられている。また、右前支柱17の途中部位には、図2、図6、図7に示すように、後述する床板傾転機構32の取付ブラケット32Aが取付けられている。
【0031】
19は旋回フレーム4上の左側寄りに設けられた床板で、該床板19は、図5および図6に示すように、その前側部位が後述の床板支持機構31を介して旋回フレーム4の前側部位(前横梁5F)に傾転可能に支持され、後側部位が支持部材13の支持ベース14に着脱可能に取付けられるものである。
【0032】
ここで、床板19は、図10等に示すように、後述の運転席25に着席したオペレータの足乗せ場となる足乗せ板20と、該足乗せ板20の後側に設けられ運転席25とエンジン8とを隔てる隔壁板21と、該隔壁板21の上端側から後側に張出した建屋取付板22と、足乗せ板20の右側部位から立上った側面板23とにより大略構成されている。
【0033】
そして、足乗せ板20の前端側には、L型の断面形状をもって左,右方向に延びる支持機構取付板20Aが設けられ、該支持機構取付板20Aの下面側には、後述する床板支持機構31の床板側ブラケット31Bが固定されている。
【0034】
また、隔壁板21は、足乗せ板20の後端側から上向きに立上った立上り壁21Aと、該立上り壁21Aの上端側から後向きに延びた運転席支持台21Bと、該運転席支持台21Bの後端側から斜め上向きに延びた背板部21Cと、運転席支持台21Bの右側に位置する計器類取付部21Dとにより構成されている。そして、運転席支持台21B上には運転席25が搭載され、計器類取付部21Dにはスイッチ、モニタ等の計器類(図示せず)が取付けられる構成となっている。
【0035】
また、建屋取付板22は、隔壁板21の上端側から後側に張出した円弧状の板体として形成されている。そして、建屋取付板22には、後述の床板取付ボルト47が挿通される3個のボルト挿通穴22Aが左,右方向に離間して形成され、建屋取付板22の下面側には、後述のキャノピ取付ボルト30が螺着される2個の溶接ナット22Bが左,右方向に離間して固着されている。なお、溶接ナット22Bは、ボルト挿通穴22Aよりも前側に配置されている。
【0036】
さらに、側面板23は、足乗せ板20の後部右側から隔壁板21の計器類取付部21Dに沿って立上がる略長方形状の板体として形成されている。そして、側面板23の上端側には、後述する床板傾転機構32の移動部材32Dを取付けるためのスリーブ23Aが固定されている。
【0037】
24は床板19を構成する隔壁板21の立上り壁21A前面に取付けられた台座部材で、該台座部材24は、隔壁板21の運転席支持台21Bと一緒に後述の運転席25を支持するものである。
【0038】
25は床板19上に設けられた運転席で、該運転席25は、図5ないし図7に示すように、床板19を構成する隔壁板21の運転席支持台21Bと台座部材24の上側に設けられ、油圧ショベル1を操縦するオペレータが着席するものである。そして、運転席25の左,右両側には作業操作レバー26が配設され、運転席25の前側には左,右一対の走行操作レバー・ペダル27が配設されている。
【0039】
28は運転席25の周囲を取囲んで床板19に設けられたキャノピで、該キャノピ28は、図2、図5、図7等に示すように、左前柱28A、左後柱28B、右前柱28C、右後柱28Dおよび天井部28Eからなる4柱キャノピとして形成され、運転席25を上方から覆うものである。ここで、図8および図14に示すように、左後柱28Bと右後柱28Dの下端部には、左,右方向に延びる平板状の基板29が固定され、該基板29には、床板19の建屋取付板22に穿設された3個のボルト挿通穴22Aに対応する3個のボルト挿通穴29Aが穿設されると共に、建屋取付板22の下面側に固着した2個の溶接ナット22Bに対応する2個のボルト挿通穴29Bが穿設されている。
【0040】
そして、キャノピ28の左前柱28Aと右前柱28Cとは、図5および図7に示すように、床板19を構成する足乗せ板20の支持機構取付板20Aにボルト等(図示せず)を用いて取付けられている。一方、キャノピ28の左後柱28Bと右後柱28Dとが固定された基板29は、図8および図14に示すように、ボルト挿通穴29Bに挿通した2本のキャノピ取付ボルト30を、床板19の建屋取付板22に固着した溶接ナット22Bに螺着することにより、建屋取付板22上に取付けられている。
【0041】
ここで、図5および図6に示すように、上述の床板19、運転席25、作業操作レバー26、走行操作レバー・ペダル27、キャノピ28等は、旋回フレーム4上に搭載された一つのユニットを構成している。そして、当該ユニットのベースとなる床板19は、その前側部位が後述の床板支持機構31を介して旋回フレーム4の前側部位に支持され、前方ないし上方となるチルトアップ方向(図6中の矢示A方向)と、後方ないし下方となるチルトダウン方向(図6中の矢示B方向)とに傾転することができる構成となっている。
【0042】
31,31は旋回フレーム4の前側部位と床板19の前側部位との間に設けられた左,右の床板支持機構で、該床板支持機構31は、図5および図6に示すように、床板19をその前側部位を支点として旋回フレーム4に対して傾転可能に支持するものである。
【0043】
ここで、床板支持機構31は、図10等に示すように、旋回フレーム4を構成する前横梁5Fの上面側に固定されたフレーム側ブラケット31Aと、床板19の足乗せ板20を構成する支持機構取付板20Aの下面側に固定され、フレーム側ブラケット31Aを左,右方向から挟込む二又状の床板側ブラケット31Bと、左,右方向に延びてフレーム側ブラケット31Aと床板側ブラケット31Bとの間を回動可能(傾転可能)に連結する連結ピン31Cとにより大略構成されている。
【0044】
そして、左,右の床板支持機構31は、連結ピン31Cを支点として、床板19を前方ないし上方となるチルトアップ方向(図6中の矢示A方向)と、後方ないし下方となるチルトダウン方向(図6中の矢示B方向)とに傾転させるものである。この場合、フレーム側ブラケット31Aと連結ピン31Cとの間には、ゴム等からなる弾性体(図示せず)が設けられ、当該弾性体によって、旋回フレーム4の振動がフレーム側ブラケット31Aから連結ピン31C、床板側ブラケット31Bを通じて床板19に伝わるのを抑える構成となっている。
【0045】
32は床板支持機構31よりも後側に位置して旋回フレーム4と床板19との間に設けられた床板傾転機構で、該床板傾転機構32は、図2、図6、図7に示すように、床板19の右側方に前,後方向に伸長して設けられている。
【0046】
ここで、床板傾転機構32は、旋回フレーム4の後部側に位置する支持部材13の右前支柱17に取付けられた取付ブラケット32Aと、基端側が該取付ブラケット32Aに上,下方向に回動可能に取付けられ、先端側が自由端となって前方に延びたガイドレール32Bと、該ガイドレール32Bに軸方向に位置決めされた状態で回転可能に取付けられたねじ軸32Cと、該ねじ軸32Cに螺合した状態で前記ガイドレール32Bに沿って移動する移動部材32Dとにより大略構成されている。そして、移動部材32Dは、図10中に示す床板19の側面板23に固定されたスリーブ23Aに回動可能に取付けられる構成となっている。
【0047】
従って、床板傾転機構32のねじ軸32Cを外部から回転させることにより、移動部材32Dは、ガイドレール32Bに沿って前方または後方に変位し、この移動部材32Dの前,後方向への変位が、スリーブ23A等を介して床板19に伝わる。これにより、床板19は、移動部材32Dの移動方向および変位量に応じて、図6に示すように床板支持機構31の連結ピン31Cを支点として、運転席25、キャノピ28等と一緒にチルトアップ方向(矢示A方向)またはチルトダウン方向(矢示B方向)に傾転される構成となっている。
【0048】
そして、床板傾転機構32によって床板19を最大にチルトアップした状態では、図6に示すように、床板19は旋回フレーム4に対して傾転角度αだけ前傾し、床板19と旋回フレーム4との間には、床板19の下側に配置されたエンジン8、油圧ポンプ10、コントロールバルブ12等に対するメンテナンス作業を容易に行うための大きな作業スペースを確保することができる。
【0049】
33は旋回フレーム4の後部側に位置する支持部材13上に設けられた床板取付板で、該床板取付板33は、図11に示すように、後述の防振マウント39を介して支持部材13の支持ベース14上に取付けられている。そして、床板取付板33は、図8および図14に示すように、床板19の後側部位を構成する建屋取付板22が取付けられるものである。
【0050】
ここで、床板取付板33は、図11ないし図16に示すように、後述のベース板部34、左弾性体取付部35、右弾性体取付部36、左ストッパ部37、右ストッパ部38等により構成され、例えば鋳鋼等の材料を用いた鋳造部品として一体形成されている。
【0051】
34は支持部材13を構成する支持ベース14の上面側に配置されるベース板部で、該ベース板部34は、支持ベース14に沿って左,右方向に延びる略長方形の平板状に形成され、その上面側に床板19の建屋取付板22が取付けられるものである。そして、ベース板部34には、床板19の建屋取付板22に穿設された各ボルト挿通穴22Aに対応する位置に3個の雌ねじ穴34Aが螺設されている。また、ベース板部34の下面34B側には、左,右の弾性体取付部35,36、左,右のストッパ部37,38が一体形成されている。
【0052】
35はベース板部34の左端側に設けられた左弾性体取付部で、該左弾性体取付部35は、後述の上側弾性体40が取付けられるものである。ここで、左弾性体取付部35は、図13および図15に示すように、ベース板部34の下面34Bから下向きに突出する円筒状に形成されている。そして、左弾性体取付部35は、その外周側に上側弾性体40のスリーブ挿通穴40Aを挿通することにより、該上側弾性体40を径方向に位置決めした状態で取付けるものである。また、左弾性体取付部35の内周側には、後述のボルト43が螺着される雌ねじ穴35Aが螺設され、左弾性体取付部35の下端部は、後述のスリーブ42が固定されるスリーブ固定座35Bとなっている。
【0053】
36はベース板部34の右端側に設けられた右弾性体取付部で、該右弾性体取付部36も、ベース板部34の下面34Bから下向きに突出する円筒状に形成されている。そして、右弾性体取付部36は、その外周側に上側弾性体40のスリーブ挿通穴40Aを挿通することにより、該上側弾性体40を径方向に位置決めした状態で取付けるものである。また、右弾性体取付部36の内周側には、ボルト43が螺着される雌ねじ穴36Aが螺設され、右弾性体取付部36の下端部は、スリーブ42が固定されるスリーブ固定座36Bとなっている。
【0054】
37は左弾性体取付部35の近傍に位置してベース板部34の下面34B側に設けられた左ストッパ部で、該左ストッパ部37は、図13および図15に示すように、左弾性体取付部35に取付けられた上側弾性体40を外周側から全周に亘って取囲む円筒状に形成されている。
【0055】
ここで、図15に示すように、左ストッパ部37の下端部は環状の当接面37Aとなり、該当接面37Aは、支持ベース14を構成するベース板14Aの上面と高さ寸法H1の間隔をもって対面している。そして、左ストッパ部37は、旋回フレーム4の振動によって上側弾性体40が過剰に弾性変形したときに、当接面37Aをベース板14Aに当接させることにより、上側弾性体40がそれ以上に変形してしまうのを抑えるものである。
【0056】
38は右弾性体取付部36の近傍に位置してベース板部34の下面34B側に設けられた右ストッパ部で、該右ストッパ部38は、図13および図15に示すように、右弾性体取付部36に取付けられた上側弾性体40の左半分を外周側から取囲むU字型(馬蹄型)の枠状に形成されている。
【0057】
ここで、図15に示すように、右ストッパ部38の下端部はU字状の当接面38Aとなり、該当接面38Aは、ベース板14Aの上面と高さ寸法H1の間隔をもって対面している。そして、右ストッパ部38は、旋回フレーム4の振動によって上側弾性体40が過剰に弾性変形したときに、当接面38Aをベース板14Aに当接させることにより、上側弾性体40がそれ以上に変形してしまうのを抑えるものである。
【0058】
39,39は床板取付板33を支持ベース14上に取付ける左,右の防振マウントで、該防振マウント39は、図11、図15、図16に示すように、後述の上側弾性体40、下側弾性体41、スリーブ42、ボルト43、ストッパ板44等により構成されている。
【0059】
40は床板取付板33と支持ベース14のベース板14Aとの間に設けられた上側弾性体で、該上側弾性体は、例えばゴム等の弾性材料を用いて円筒状に形成され、その内周側はスリーブ挿通穴40Aとなっている。そして、上側弾性体40は、図15および図16に示すように、床板取付板33の左,右の弾性体取付部35,36にスリーブ挿通穴40Aを挿通することにより、これら左,右の弾性体取付部35,36に取付けられるものである。
【0060】
41は支持ベース14のベース板14A下面側に設けられた下側弾性体で、該下側弾性体41は、ベース板14Aを挟んで上側弾性体40と上,下方向で対をなすものである。そして、下側弾性体41は、上側弾性体40と同様にゴム等の弾性材料を用いて円筒状に形成され、その内周側はスリーブ挿通穴41Aとなっている。
【0061】
42は上,下の弾性体40,41のスリーブ挿通穴40A,41Aに挿通された円筒状のスリーブで、該スリーブ42は、その内周側に挿通したボルト43を左,右の弾性体取付部35,36の雌ねじ穴35A,36Aに螺着することにより、これら左,右の弾性体取付部35,36のスリーブ固定座35B,36Bに固定されるものである。
【0062】
44は下側弾性体41の下側に配置されたストッパ板で、該ストッパ板44は、下側弾性体41の下端部が当接する弾性体当接面44Aと、該弾性体当接面44Aの両端側から上向きに立上る一対の立上り面44Bとからなるコ字型の板体として形成されている。そして、ストッパ板44は、図15および図16に示すように、弾性体当接面44Aの中心部に挿通されたボルト43の頭部とスリーブ42との間で挟持され、各立上り面44Bの上端部は、ベース板14Aの下面と高さ寸法H2の間隔をもって対面している。
【0063】
なお、45はベース板14Aの上面側に配置された上側ワッシャ、46はベース板14Aの下面側に配置された下側ワッシャで、上側ワッシャ45は上側弾性体40の下端部が当接し、下側ワッシャ46は下側弾性体41の上端部が当接するものである。
【0064】
このように、床板取付板33は、上述の防振マウント39を介して支持部材13の支持ベース14上に防振状態に取付けられている。即ち、防振マウント39は、油圧ショベル1の作業時等において旋回フレーム4から伝わる振動を、上側弾性体40、下側弾性体41の弾性変形によって吸収することにより、この振動が床板取付板33に伝わるのを緩和するものである。
【0065】
そして、旋回フレーム4の振動によって上側弾性体40が過剰に弾性変形したときには、図15に示すように、床板取付板33に一体形成された左,右のストッパ部37,38の当接面37A,38Aが、支持ベース14のベース板14Aに当接することにより、上側弾性体40がそれ以上に変形するのを抑え、下側弾性体41が過剰に弾性変形したときには、ストッパ板44を構成する立上り面44Bの上端部が、ベース板14Aに当接することにより、下側弾性体41がそれ以上に変形するのを抑える構成となっている。
【0066】
47は床板19の建屋取付板22を床板取付板33に取付ける3本の床板取付ボルトで、該各床板取付ボルト47は、図8および図14に示すように、キャノピ28の基板29に穿設されたボルト挿通穴29Aと、床板19の建屋取付板22に穿設されたボルト挿通穴22Aとに挿通された後、床板取付板33のベース板部34に螺設された雌ねじ穴34Aに螺着されるものである。即ち、床板取付ボルト47は、キャノピ28の基板29と床板19の建屋取付板22とを、床板取付板33に対して着脱可能に共締めしている。
【0067】
これにより、床板19の後側部位を構成する建屋取付板22は、床板取付板33を介して支持部材13の支持ベース14上に支持されている。この場合、床板取付板33は、防振マウント39を介して支持ベース14に取付けられているので、油圧ショベル1の作業時等において旋回フレーム4が振動したとしても、この振動が床板取付板33から床板19に伝わるのを緩和することができる構成となっている。
【0068】
また、キャノピ28の基板29は、図8および図14に示すように、キャノピ取付ボルト30によって建屋取付板22に固定されているので、床板取付ボルト47のみを取外すことにより、図6に示すように、床板19を、運転席25、キャノピ28等と一緒にチルトアップ方向(矢示A方向)またはチルトダウン方向(矢示B方向)に傾転することができる構成となっている。
【0069】
なお、図1および図2中の48は上部旋回体3の前部側に設けられたスイング式の作業装置で、該作業装置48は、旋回フレーム4の支持ブラケット5Dに取付けられ、土砂等の掘削作業を行うものである。また、49は旋回フレーム4の後端部に取付けられたカウンタウエイトで、該カウンタウエイト49は、作業装置48との重量バランスをとるものである。さらに、50はキャノピ28の周囲に設けられた外装カバーで、該外装カバー50は、旋回フレーム4上に配設されたエンジン8、熱交換器9、油圧ポンプ10、タンク11等を覆うものである。
【0070】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、この油圧ショベル1を用いて掘削作業等を行う場合には、まず、床板19上に設けられた運転席25にオペレータが着席し、該オペレータが走行操作レバー・ペダル27を操作することにより、油圧ショベル1を作業現場まで自走させる。そして、オペレータが作業操作レバー26を操作し、上部旋回体3を旋回させつつ作業装置48を俯仰動させることにより、土砂の掘削作業等を行なう。
【0071】
ここで、油圧ショベル1の走行時、掘削作業時には、下部走行体2上に搭載された旋回フレーム4が振動を発生するが、本実施の形態による油圧ショベル1は、図14および図15に示すように、旋回フレーム4の後部側に設けられた支持部材13の支持ベース14上に防振マウント39を介して床板取付板33を取付け、この床板取付板33上に床板19の後側部位(建屋取付板22)を取付ける構成としている。
【0072】
このため、旋回フレーム4が振動したとしても、防振マウント39を構成する上側弾性体40、下側弾性体41が弾性変形しつつ振動を緩和することにより、旋回フレーム4から床板取付板33に伝わる振動を抑えることができる。この結果、旋回フレーム4の振動が、床板取付板33から床板19に伝わるのを抑えることができ、オペレータの作業環境を良好に保つことができる。
【0073】
そして、旋回フレーム4の振動によって上側弾性体40が過剰に弾性変形したときには、床板取付板33に一体形成した左,右のストッパ部37,38の当接面37A,38Aが、支持部材13(支持ベース14)のベース板14Aに当接することにより、上側弾性体40がそれ以上に変形してしまうのを抑え、該上側弾性体40を保護することができる。
【0074】
また、旋回フレーム4の振動によって下側弾性体41が過剰に弾性変形したときには、ストッパ板44を構成する立上り面44Bの上端部が、ベース板14Aに当接することにより、下側弾性体41がそれ以上に変形してしまうのを抑え、該上側弾性体40を保護することができる。
【0075】
この場合、本実施の形態によれば、上側弾性体40を保護する左,右のストッパ部37,38を、床板取付板33に一体形成している。これにより、支持部材13の支持ベース14上に上側弾性体40を介して床板取付板33を取付けるだけで、この上側弾性体40の近傍に左,右のストッパ部37,38を配置することができる。
【0076】
このため、例えば上側弾性体40の近傍にそれぞれ単体のストッパ部材を取付ける場合に比較して、支持ベース14上に上側弾性体40等を介して床板19の建屋取付板22を取付けるときの作業性を高めることができる。また、2個の上側弾性体40に対してそれぞれ単体のストッパ部材を用いる必要がなくなる分、部品点数を削減することができ、製造コストの低減にも寄与することができる。
【0077】
また、本実施の形態によれば、床板取付板33を、ベース板部34と、該ベース板部34の下面側に設けられた左,右の弾性体取付部35,36と、これら左,右の弾性体取付部35,36の近傍に位置してベース板部34の下面側に設けられた左,右のストッパ部37,38とを備えた鋳造部品として一体形成している。
【0078】
これにより、ベース板部34を左,右のストッパ部37,38によって補強することができ、床板取付板33全体の強度を高めることができるので、該床板取付板33によって床板19の後側部位(建屋取付板22)を強固に支持することができる。また、例えば床板取付板とは別部材からなるストッパ部材を用いる場合に比較して、床板取付板33に一体形成された左,右のストッパ部37,38自体の強度を高めることができるので、左,右のストッパ部37,38によって上側弾性体40を確実に保護することができる。
【0079】
さらに、床板取付板33を鋳造部品として一体形成することにより、該床板取付板33に設けられる左,右のストッパ部37,38の形状を自由に設定することができる。これにより、例えば上側弾性体40の形状を変更したとしても、左,右のストッパ部37,38を上側弾性体40の形状に適した自由な形状に形成することができる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、左ストッパ部37を、上側弾性体40を外周側から全周に亘って取囲む円筒状に形成し、右ストッパ部38を、上側弾性体40の左半分を外周側から取囲むU字型の枠状に形成している。
【0081】
これにより、左ストッパ部37に環状の当接面37Aを形成すると共に、右ストッパ部38にU字型の当接面38Aを形成することができるので、上側弾性体40が過剰な変形を生じたときに、左ストッパ部37の当接面37Aと右ストッパ部38の当接面38Aとは、それぞれ大きな面積をもって支持ベース14に当接することができる。
【0082】
このため、左ストッパ部37の当接面37Aと支持ベース14とに局部的な大きな荷重が作用するのを抑えると共に、右ストッパ部38の当接面38Aと支持ベース14とに局部的な大きな荷重が作用するのを抑えることができ、これら左,右のストッパ部37,38や支持ベース14を保護することができる。
【0083】
なお、上述した実施の形態では、床板取付板33に一体形成された左ストッパ部37を、上側弾性体40を取囲む円筒状に形成し、右ストッパ部38をU字型の枠状に形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図17に示す変形例による床板取付板33′のように、右ストッパ部38′を左ストッパ部37と同様な円筒状に形成してもよい。また、これとは逆に、左ストッパ部を右ストッパ部38と同様なU字型の枠状に形成してもよい。
【0084】
また、上述した実施の形態では、床板取付板33の左ストッパ部37を、上側弾性体40を取囲む円筒状に形成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば上側弾性体40を取囲む角筒状に形成してもよく、また、例えば上側弾性体40を径方向から挟込む二又状に形成してもよい。このことは、右ストッパ部38についても同様である。
【0085】
また、上述した実施の形態では、支持部材13の支持ベース14と床板取付板33との間に2個の上側弾性体40を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば支持部材13の支持ベース14と床板取付板33との間に3個以上の上側弾性体40を設け、床板取付板33に3個以上のストッパ部を一体形成する構成としてもよい。
【0086】
また、上述した実施の形態では、運転席25を上方から覆うキャノピ28を備えたキャノピ仕様の油圧ショベル1を例に挙げて説明している。しかし、本発明はこれに限らず、運転席の周囲を覆うキャブを備えたキャブ仕様の油圧ショベル、床板上に運転席のみが搭載された形式の油圧ショベルに適用してもよい。
【0087】
さらに、上述した実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例示したが、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベル、油圧クレーン等の他の建設機械に広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態が適用されたキャノピ仕様の油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】油圧ショベルを上方からみた平面図である。
【図3】油圧ショベルの旋回フレームを単体で示す斜視図である。
【図4】旋回フレームにエンジン、支持部材等を配置した状態を示す平面図である。
【図5】外装カバーを取外した上部旋回体を示す正面図である。
【図6】床板、キャノピ等を床板傾転機構によってチルトアップした状態を図5と同様位置からみた上部旋回体の正面図である。
【図7】図5の上部旋回体を拡大して示す左側面図である。
【図8】支持部材上に設けた床板取付板に床板の建屋取付板、キャノピの基板を取付けた状態を示す斜視図である。
【図9】支持部材を単体で示す斜視図である。
【図10】床板、台座部材、床板支持機構を示す分解斜視図である。
【図11】支持部材、床板取付板、防振マウントを示す分解斜視図である。
【図12】床板取付板を単体で上面側から示す斜視図である。
【図13】床板取付板を単体で下面側から示す斜視図である。
【図14】支持部材、床板取付板、床板の建屋取付板、キャノピの基板等を示す分解斜視図である。
【図15】支持部材の支持ベース、床板取付板、防振マウント等の要部を図14中の矢示XV−XV方向からみた一部破断の拡大断面図である。
【図16】支持部材、床板取付板、防振マウント、床板の建屋取付板等の要部を図8中の矢示XVI−XVI方向からみた拡大断面図である。
【図17】床板取付板の変形例を示す図13と同様な斜視図である。
【符号の説明】
【0089】
4 旋回フレーム
13 支持部材
14 支持ベース
19 床板
22 建屋取付板
25 運転席
28 キャノピ
31 床板支持機構
32 床板傾転機構
33,33′ 床板取付板
34 ベース板部
35 左弾性体取付部
36 右弾性体取付部
37 左ストッパ部
38,38′ 右ストッパ部
39 防振マウント
40 上側弾性体
48 作業装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業装置が取付けられるフレームと、該フレーム上に前側部位を支点として傾転可能に設けられた床板と、該床板上に設けられ運転者が着席する運転席とを備えてなる建設機械において、
前記フレームの後部側に設けられ前記床板の後側部位を支持する支持部材と、該支持部材の上側に設けられ前記床板の後側部位が取付けられる床板取付板と、該床板取付板と前記支持部材との間に設けられ前記フレームから前記支持部材を介して前記床板取付板に伝わる振動を弾性変形しつつ緩和する弾性体とを備え、
前記床板取付板には、前記弾性体が過剰に変形したときに前記支持部材に当接することにより前記弾性体を保護するストッパ部を一体形成したことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
前記支持部材は、前記フレームの上方に配設された支持ベースと、該支持ベースを前記フレームに固定する複数本の支柱とにより構成し、
前記床板取付板は、前記支持ベース上に配置され上面側に前記床板の後側部位が取付けられるベース板部と、該ベース板部の下面側に設けられ前記弾性体が取付けられる弾性体取付部と、該弾性体取付部の近傍に位置して前記ベース板部の下面側に設けられ前記支持ベースに向けて突出した前記ストッパ部とを備えた鋳造部品として一体形成する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
【請求項3】
前記床板取付板の前記ストッパ部は、前記弾性体取付部に取付けられた前記弾性体の周囲を取囲んで形成してなる請求項2に記載の建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−2480(P2006−2480A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181428(P2004−181428)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】