説明

建設機械

【課題】作業者がメンテナンス作業時に足場として使用する足場部材がエンジンの輻射熱によって高温になってしまうのを抑える。
【解決手段】ボンネット52と排気管カバー60との間には、前後方向に延びる板状の足場部材40が配設されている。足場部材40と嵩上げ部材51との間には、スペーサ部材42が介在し、足場部材40が締結ボルト41で締結固定される。これにより、足場部材40の踏み面と嵩上げ部材51の上面との間には、スペーサ部材42の高さ分の空気層43が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、下部走行体と、下部走行体上に搭載された上部旋回体と、上部旋回体に搭載されたエンジンとを備えた建設機械が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。エンジンの周囲は、エンジンカバーによって覆われており、エンジンカバーの上面には、メンテナンス用の開口部が形成されている。そして、特許文献1,2では、エンジンとボンネットとの間に、作業者が足場として使用するためのステッププレートが開口部に跨って配設されている。作業者は、エンジンカバーやステッププレートに乗って開口部からエンジン等のメンテナンス作業を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−257115号公報
【特許文献2】特開2007−284864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ステッププレートやエンジンカバーは、エンジンの輻射熱によってその表面が高温になる。しかしながら、従来の建設機械では、ステッププレートやエンジンカバーについて、何ら遮熱対策が施されておらず、メンテナンス作業中に、作業者が誤って高温のステッププレートやエンジンカバーに手を触れてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、作業者がメンテナンス作業時に足場として使用する足場部材がエンジンの輻射熱によって高温になってしまうのを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下部走行体と、該下部走行体上に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に搭載されたエンジンとを備えた建設機械を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0007】
すなわち、第1の発明は、前記エンジンの周囲を覆うとともに、その上面に該エンジンを視認可能なメンテナンス孔が形成された機械室カバーと、
前記機械室カバーの前記メンテナンス孔を開閉自在に塞ぐボンネットと、
前記機械室カバーよりも上方に突出して延び、前記エンジンの排気ガスを該機械室カバー外部に排気するための排気管と、
前記ボンネットと前記排気管との間に配設され、前記機械室カバーの上面に対して所定の隙間を存して踏み面が設けられた足場部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
第1の発明では、エンジンの周囲が機械室カバーで覆われる。機械室カバーの上面には、エンジンを視認可能なメンテナンス孔が形成される。機械室カバーのメンテナンス孔は、ボンネットによって開閉自在に塞がれる。機械室カバーよりも上方には、排気管が突出して延びている。排気管は、エンジンの排気ガスを機械室カバー外部に排気させる。ボンネットと排気管との間には、足場部材が配設される。足場部材の踏み面は、機械室カバーの上面に対して所定の隙間を存して設けられる。
【0009】
このような構成とすれば、足場部材の踏み面と機械室カバーの上面との間に所定の隙間、すなわち、空気の層が設けられることとなるため、エンジンの輻射熱によって機械室カバーが高温となっても、その熱が足場部材に到達するのを空気層によって遮熱することができる。これにより、作業者の歩行面や作業面として使用される足場部材が高温となるのを抑えることができ、作業者の安全を確保することができる。
【0010】
なお、機械室カバーにおけるエンジン側の表面に耐熱性のグラスウールを配設することで、機械室カバーがエンジンの輻射熱で高温となるのを抑えることも考えられるが、グラスウールを取り付けるための部材が別途必要となり、コストアップにつながる。これに対し、本発明では、機械室カバーの上面に所定の隙間を存して足場部材を配設するだけという比較的簡単な構成で、足場部材の遮熱効果を得ることができる。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、
前記ボンネット及び前記排気管は、前記上部旋回体の左右方向に並ぶように配設され、
前記機械室カバーにおける前記足場部材よりも車両後側には、エンジンオイルの油面ゲージを視認可能な点検孔が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
第2の発明では、ボンネット及び排気管は、上部旋回体の左右方向に並ぶように配設される。機械室カバーにおける足場部材よりも車両後側には、点検孔が形成される。点検孔からは、エンジンオイルの油面ゲージを視認可能となっている。
【0013】
このような構成とすれば、作業者が1つの足場部材に乗って、ボンネットの開閉作業とエンジンオイルの油面ゲージの点検作業とを両方とも行うことができ、作業性が向上する。
【0014】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記機械室カバーの上面に取り付けられ、該機械室カバーを部分的に嵩上げする枠状の嵩上げ部材を備え、
前記機械室カバーには、前記嵩上げ部材の内周縁に沿って開口する開口孔が形成される一方、前記メンテナンス孔は、該嵩上げ部材の上面に形成され、
前記ボンネットは、前記嵩上げ部材の上部に開閉自在に取り付けられ、
前記足場部材は、踏み面と前記嵩上げ部材の上面とが所定の隙間を存するように配設されていることを特徴とするものである。
【0015】
第3の発明では、機械室カバーの上面に嵩上げ部材が取り付けられ、部分的に嵩上げされる。機械室カバーには、嵩上げ部材の内周縁に沿って開口する開口孔が形成される。嵩上げ部材の上面には、メンテナンス孔が形成される。嵩上げ部材の上部には、ボンネットが開閉自在に取り付けられる。足場部材は、踏み面と嵩上げ部材の上面とが所定の隙間を存するように配設される。
【0016】
このような構成とすれば、機械室内に収容するエンジンや冷却器等が大きくて、その上端が機械室カバーの外側に突き出してしまうような場合に、嵩上げ部材によって機械室カバーを部分的に嵩上げすることで、大型のエンジンや冷却器等を収容することができる。また、この場合には、嵩上げ部材の上面に所定に隙間を存して足場部材を配設することで、作業者は、階段状となった機械室カバー上面の足場部材に昇降してメンテナンス作業を行うことができる。
【0017】
第4の発明は、第1乃至第3の発明のうち何れか1つにおいて、
前記足場部材における前記排気管側の側縁部には、上方に延びるガード部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
第4の発明では、足場部材における排気管側の側縁部には、上方に延びるガード部材が設けられる。
【0019】
このような構成とすれば、作業者が足場部材に乗ってかがんだ姿勢のままメンテナンス作業を行う際に、作業者の手や腰などが高温の排気管に誤って触れてしまうことを防止でき、作業者の安全を確保することができる。
【0020】
第5の発明は、第1乃至第4の発明のうち何れか1つにおいて、
前記排気管の周囲を覆う排気管カバーと、
前記排気管カバーの上部に取り付けられた手摺り部材とを備えたことを特徴とするものである。
【0021】
第5の発明では、排気管の周囲は、排気管カバーで覆われる。排気管カバーの上部には、手摺り部材が取り付けられる。
【0022】
このような構成とすれば、作業者が足場部材に乗ってメンテナンス作業を行う際に、手摺り部材を把持しながら作業を行うことができるため、作業者の安全を確保することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、足場部材の踏み面と機械室カバーの上面との間に所定の隙間、すなわち、空気の層が設けられることとなるため、エンジンの輻射熱によって機械室カバーが高温となっても、その熱が足場部材に到達するのを空気層によって遮熱することができる。これにより、作業者の歩行面や作業面として使用される足場部材が高温となるのを抑えることができ、作業者の安全を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態1に係る建設機械の全体構成を示す側面図である。
【図2】建設機械の全体構成を示す平面図である。
【図3】ボンネットを開いた状態を示す斜視図である。
【図4】足場部材の構成を示す背面図である。
【図5】本実施形態2に係る足場部材の構成を示す背面図である。
【図6】本変形例1に係る足場部材の構成を示す平面図である。
【図7】本変形例2に係る足場部材の構成を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0026】
《実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る建設機械の全体構成を示す側面図、図2は平面図である。図1及び図2に示すように、この建設機械10は、クローラ式の下部走行体1の上に、旋回可能な上部旋回体2が搭載された油圧ショベルである。
【0027】
上部旋回体2は、車体フレームとしての旋回フレーム3と、旋回フレーム3の前端側に設けられて土砂等の掘削作業を行うアタッチメント4と、キャブ5と、機械室6と、旋回フレーム3の後端側に設けられてアタッチメント4との重量バランスを取るためのカウンターウエイト7とを備えている。
【0028】
なお、本実施形態では、図1において、図面左側のアタッチメント4が配置された側を車両前側、紙面手前側のキャブ5が配置された側を車両左側とし、以下の説明では前後左右等の方向は特に言及しない限り、これに従うものとする。また、図2では、下部走行体1及びアタッチメント4の記載を省略している。
【0029】
アタッチメント4は、基端側が旋回フレーム3に設けられた一対の縦板3a(図2参照)に回動可能に取り付けられたブーム11と、ブーム11の先端側に回動可能に取り付けられたアーム12と、アーム12の先端側に回動可能に取り付けられたバケット13とを備えている。
【0030】
キャブ5は、その内部に運転シートや各種制御機器、操作機器等が装備された矩形箱型の運転室であり、アタッチメント4の左側に隣接して位置するように上部旋回体2の前部左側に配設されている。
【0031】
機械室6は、その周囲が機械室カバー6aによって覆われている。機械室6内の後側には、冷却器19、エンジン20、及び排気浄化装置21が左側から順に配設されている。排気浄化装置21は、エンジン20の排気管22の管路途中に接続され、排気ガスを浄化する。
【0032】
機械室6内におけるアタッチメント4の右側には、作動油を貯留する作動油タンク31が配設されている。作動油タンク31の前側には、燃料を貯留する燃料タンク32が配設されている。燃料タンク32の前側には、備品等の収納が可能なトランクルーム33が配設されている。トランクルーム33の前方下部に位置する旋回フレーム3の部分には、踏み台34が前方に突出するように設けられている。そして、作業者の昇降を補助するために、ハンドレール35が前後方向に延びるように設けられている。
【0033】
ここで、建設機械10が大型の機種であれば、それだけ大きな出力が必要となるため、搭載される冷却器19やエンジン20等(これらをエンジン関連機器ともいう)も大型化することとなる。その結果、建設機械10では、エンジン関連機器の一部が機械室カバー6aの上面からはみ出る。そこで、本実施形態では、嵩上げ部材51を設けることによって機械室6を部分的に嵩上げし、はみ出した部分を覆うようにしている。
【0034】
図3は、ボンネットを開いた状態を示す斜視図である。図3に示すように、機械室カバー6a上面の後部には、幅方向に延びる矩形状の開口孔6bが形成されている。
【0035】
嵩上げ部材51は、鋼板をプレス加工等して形成された複数の要素部材を組み合わせることで、左右方向に長い枠状に構成されている。嵩上げ部材51の下面は、開口孔6bの周縁に沿って開放されている。嵩上げ部材51は、開口孔6bを覆うように機械室カバー6aに組み付けられ、機械室カバー6aの一部を構成している。
【0036】
嵩上げ部材51の上面には、エンジン20を視認可能な矩形状のメンテナンス孔51aと、エンジン20の排気管22(図2参照)を挿通させる挿通孔51bとが、幅方向に間隔をあけて形成されている。また、メンテナンス孔51aと挿通孔51bとの間には、後述する足場部材40が配設されている。足場部材40よりも車両後側には、エンジンオイルの油面ゲージを視認可能な点検孔51c(図2参照)が形成されている。点検孔51cは、点検扉45によって開閉自在に塞がれている。点検扉45には、取っ手45a(図4参照)が取り付けられている。
【0037】
メンテナンス孔51aは、ボンネット52によって開閉自在に塞がれている。ボンネット52は、周囲がメンテナンス孔51aよりも一回り大きく形成されたドーム状の部材である。ボンネット52は、嵩上げ部材51の長手方向におけるメンテナンス孔51a側の端部に、ヒンジ52aを介して開閉自在に支持されている。また、ボンネット52には、その開閉動作をロックするためのボンネットロック52bが設けられている。
【0038】
ボンネット52は、ステー53によって開かれた状態で支持される。ボンネット52を開けることで、開口孔6bの一部が開放される。これにより、作業者は、メンテナンス孔51a及び開口孔6bを通じて、エンジン関連機器の定期点検等の作業を行うことができる。メンテナンス孔51aの下側には、定期的に行われる点検部位が集約して配置されており、点検作業が効率的に行えるようになっている。
【0039】
挿通孔51bは、排気管カバー60によって塞がれている。排気管カバー60は、排気管22の周囲を覆うように上方に膨出している。排気管カバー60の車両右側の側壁には、外方に延びる排気ダクト61が取り付けられている。エンジン20の排気ガスは、排気浄化装置21で浄化された後、排気管22及び排気ダクト61を介して機械室カバー6a外部に排気される。なお、排気浄化装置21で浄化された後の排気ガスが流れる排気管22の管路途中には、図示しないマフラが接続されている。
【0040】
ボンネット52と排気管カバー60との間には、前後方向に延びる板状の足場部材40が配設されている。図4に示すように、足場部材40は、筒状のスペーサ部材42を介して嵩上げ部材51の上面に取り付けられている。具体的に、足場部材40と嵩上げ部材51との間にスペーサ部材42を介在させ、締結ボルト41で足場部材40を締結固定するようにしている。これにより、足場部材40の踏み面と嵩上げ部材51の上面との間には、スペーサ部材42の高さ分の空気層43が設けられることとなる。
【0041】
このような構成とすれば、エンジン20の輻射熱によって、機械室カバー6aの一部を構成する嵩上げ部材51の上面が高温となっても、その熱が足場部材40に到達するのを空気層43によって遮熱することができる。これにより、作業者の歩行面や作業面として使用される足場部材40が高温となるのを抑えることができ、作業者の安全を確保することができる。
【0042】
また、足場部材40は、締結ボルト41によって嵩上げ部材51の上面に締結固定されているから、足場部材40と嵩上げ部材51との隙間に泥や砂等が堆積しても、締結ボルト41を緩めて足場部材40を取り外すことで、容易に清掃作業を行うことができる。
【0043】
なお、スペーサ部材42は、別体部品として足場部材40と嵩上げ部材51との間に介在させて締結ボルト41で共締めしてもよいし、嵩上げ部材51の上面側又は足場部材40の踏み面の裏面側に溶接等して一体部品としてもよい。
【0044】
足場部材40の踏み面には、複数の踏面孔40aが形成されている。これらの踏面孔40aは、踏み面の裏面側から打ち抜かれることによって形成され、踏面孔40aの周縁は表面側に突出しており、作業者が足場部材40の踏み面に乗り降りする際の滑り止めとして機能する。そして、エンジン20の輻射熱を複数の踏面孔40aから逃がすことができるので、足場部材40が高温となるのを抑えることができる。
【0045】
《実施形態2》
図5は、本実施形態2に係る足場部材の構成を示す背面図である。前記実施形態1との違いは、ガード部材46及び手摺り部材47を設けた点であるため、以下、実施形態1と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0046】
図5に示すように、足場部材40における排気管カバー60側の側縁部には、排気管カバー60の側壁に沿って上方に延びる板状のガード部材46が設けられている。これにより、作業者が足場部材40に乗ってかがんだ姿勢のままメンテナンス作業を行う際に、作業者の手や腰などが高温の排気管カバー60に誤って触れてしまうことを防止でき、作業者の安全を確保することができる。
【0047】
また、排気管カバー60の上部には、パイプを屈曲させる等して形成した手摺り部材47が取り付けられている。これにより、作業者が足場部材40に乗ってメンテナンス作業を行う際に、手摺り部材47を把持しながら作業を行うことができるため、作業者の安全を確保することができる。
【0048】
《変形例1》
図6は、本変形例1に係る足場部材の構成を示す平面図である。図6に示すように、足場部材40は、その踏み面が平面視で点検孔51cに重なり合う位置まで車両後側に延びている。そして、足場部材40における点検孔51cに重なり合う位置には、点検扉45が開閉自在に取り付けられている。
【0049】
このような構成とすれば、足場部材40の踏み面の表面積が増えて作業者の作業範囲が広くなり、安全性や作業性を高めることができる。また、足場部材40に点検扉45を取り付けて一体化することで、足場部材40側に溶接部品を集約することができ、装置全体として製造コストを低減することができる。
【0050】
《変形例2》
図7は、本変形例2に係る足場部材の構成を示す背面図である。図7に示すように、足場部材40には、踏み面の一部が段差状に窪んだ凹部48が設けられている。凹部48は、車両前後方向及び幅方向に間隔をあけて複数配設されている。凹部48の底板は、嵩上げ部材51の上面に当接している。凹部48内には、締結ボルト41が収容されており、締結ボルト41の頭部が踏み面よりも上方に突出しないようになっている。足場部材40は、締結ボルト41によって嵩上げ部材51の上面に締結固定されている。
【0051】
ここで、足場部材40の凹部48の底板が嵩上げ部材51の上面に当接しているから、足場部材40の踏み面と嵩上げ部材51の上面との間には、凹部48の段差分の空気層43が設けられることとなる。
【0052】
このような構成とすれば、足場部材40を締結固定する締結ボルト41の頭部が、足場部材40の踏み面よりも上方に突出しないので、作業者が足場部材40に乗り降りする際に、締結ボルト41の頭部に躓くことがなく、安全性や作業性を高めることができる。
【0053】
《その他の実施形態》
前記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0054】
本実施形態では、足場部材40の踏み面に複数の踏面孔40aを形成した形態について説明したが、この形態に限定するものではない。例えば、足場部材40の踏み面に踏面孔40aを形成しない形態としてもよい。このようにすれば、踏面孔40aを介して泥や砂等が嵩上げ部材51の上面に堆積しにくくなるため、清掃作業を行う頻度が少なくて済む。
【0055】
また、足場部材40の踏み面に粘着性の滑り止めシートを貼着した形態としてもよい。ここで、足場部材40の踏み面と嵩上げ部材51上面との間には空気層43が設けられ、十分な遮熱効果が得られていることから、足場部材40の踏み面が高温にならず、滑り止めシートの粘着面が剥離しにくい。
【0056】
また、足場部材40を嵩上げ部材51と異なる色で塗装する等しておけば、作業者が足場部材40の存在を視覚的に認識して作業範囲を把握しやすくなり、安全性や作業性を高めることができる。
【0057】
また、本実施形態では、足場部材40を締結ボルト41で嵩上げ部材51の上面に締結固定しているが、足場部材40を溶接等によって接合固定しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上説明したように、本発明は、作業者がメンテナンス作業時に足場として使用する足場部材がエンジンの輻射熱によって高温になってしまうのを抑えることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0059】
1 下部走行体
2 上部旋回体
6a 機械室カバー
6b 開口孔
10 建設機械
20 エンジン
22 排気管
40 足場部材
46 ガード部材
47 手摺り部材
51 嵩上げ部材
51a メンテナンス孔
51c 点検孔
52 ボンネット
60 排気管カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、該下部走行体上に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体に搭載されたエンジンとを備えた建設機械であって、
前記エンジンの周囲を覆うとともに、その上面に該エンジンを視認可能なメンテナンス孔が形成された機械室カバーと、
前記機械室カバーの前記メンテナンス孔を開閉自在に塞ぐボンネットと、
前記機械室カバーよりも上方に突出して延び、前記エンジンの排気ガスを該機械室カバー外部に排気するための排気管と、
前記ボンネットと前記排気管との間に配設され、前記機械室カバーの上面に対して所定の隙間を存して踏み面が設けられた足場部材とを備えたことを特徴とする建設機械。
【請求項2】
請求項1において、
前記ボンネット及び前記排気管は、前記上部旋回体の左右方向に並ぶように配設され、
前記機械室カバーにおける前記足場部材よりも車両後側には、エンジンオイルの油面ゲージを視認可能な点検孔が形成されていることを特徴とする建設機械。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記機械室カバーの上面に取り付けられ、該機械室カバーを部分的に嵩上げする枠状の嵩上げ部材を備え、
前記機械室カバーには、前記嵩上げ部材の内周縁に沿って開口する開口孔が形成される一方、前記メンテナンス孔は、該嵩上げ部材の上面に形成され、
前記ボンネットは、前記嵩上げ部材の上部に開閉自在に取り付けられ、
前記足場部材は、踏み面と前記嵩上げ部材の上面とが所定の隙間を存するように配設されていることを特徴とする建設機械。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1つにおいて、
前記足場部材における前記排気管側の側縁部には、上方に延びるガード部材が設けられていることを特徴とする建設機械。
【請求項5】
請求項1乃至4のうち何れか1つにおいて、
前記排気管の周囲を覆う排気管カバーと、
前記排気管カバーの上部に取り付けられた手摺り部材とを備えたことを特徴とする建設機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−76264(P2013−76264A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216798(P2011−216798)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】