説明

弁及び弁を備える給湯機

【課題】所謂スナップフィットによるレバーの取り付けの容易性を確保しつつ、レバーをケースに良好に支持させることのできる弁及びそのような弁を備えた給湯機を提供する。
【解決手段】流体の流入口4と流出口5とを備えたケース1,2と、ケース内にあって流入口から流出口に流れる流体の流れを制御する弁体25と、弁体を駆動するレバー7とを備え、ケースは、レバーを回転可能に支持する支持部9を備え、レバーは、ケースに対して回転可能に支持される回転部を備え、回転部又は支持部の一方に回転支軸11が設けられ、回転部又は支持部の他方に回転支軸の軸受10が設けられ、レバーの回転部は、回転軸線に沿う方向に外力が作用すると、回転軸線に沿う方向に変位するように弾性変形可能に構成され、回転支軸と軸受とを対向させ且つ回転部を弾性変形させた状態で外力が解除されると、回転部の復元に伴って回転支軸が軸受に支持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弁及び弁を備える給湯機に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2010−242903号公報(特許文献1)がある。この公報には、ダイアフラムと同軸に弁座が設けられ、ダイアフラムに対して軸方向に移動可能に、かつバネで弁座に対して付勢された弁体が設けられ、流入口の一次側圧力が上昇するとダイアフラムが押圧バネ力に抗って二次側に移動し、一次側圧力が所定の圧力を超えると弁体を備えたシャフトの一端がピストンに当接して弁体が弁座から離れることで開弁する圧力逃がし弁の構成が開示されている。本公知例ではさらに手動レバーを立てる方向に操作すると、手動レバーがピストンを押し下げ、ピストンがシャフトを押し下げると弁体が弁座から離れることで強制的に開弁する圧力逃がし弁の構成が開示されている。
【0003】
さらに、特許文献1においては、手動レバーの軸は、ケーシング(上ケース)の頭部に対応して設けた一対の切り欠き状の軸穴に圧入される構成であり、手動レバー組立時にはケース側の切り欠きを押し広げて弾性変形させながら軸を嵌めこむ、所謂スナップフィット構成である。このスナップフィット構造の採用によりレバーの回転中心軸が一体部品となるため、この点からも部品点数を削減した構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−242903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、軸受は、本来回転支軸の径方向から回転支軸を支持するものである。しかしながら、上記特許文献1の圧力逃がし弁では、レバーを取り付ける際に、回転支軸が軸受を逆に径外方向に押し広げることになる。従って、レバーの取り付け後には、軸受が広がったり変形したりして、軸受が回転支軸を良好に支持できなくなってしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、所謂スナップフィットによるレバーの取り付けの容易性を確保しつつ、レバーをケースに良好に支持させることのできる弁及びそのような弁を備えた給湯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、流体の流入口と流出口とを備えたケースと、前記ケース内にあって流入口から流出口に流れる流体の流れを制御する弁体と、前記弁体を駆動するレバーとを備え、前記ケースは、前記レバーを回転可能に支持する支持部を備え、前記レバーは、前記ケースに対して回転可能に支持される回転部を備え、前記回転部又は支持部の一方に回転支軸が設けられ、前記回転部又は支持部の他方に前記回転支軸の軸受が設けられ、前記レバーの回転部は、回転軸線に沿う方向に外力が作用すると、前記回転軸線に沿う方向に変位するように弾性変形可能に構成され、前記回転支軸と軸受とを対向させ且つ前記回転部を弾性変形させた状態で前記外力が解除されると、前記回転部の復元に伴って前記回転支軸が前記軸受に支持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、所謂スナップフィットによるレバーの取り付けの容易性を確保しつつ、レバーをケースに良好に支持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示す側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示す上面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示す背面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示す背面図であり、レバーを立てた第二の位置を示す。
【図6】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示すA−A断面図であり、一次側圧力が小で弁が閉鎖した状態を示す。
【図7】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示すA−A断面図であり、一次側圧力が大で開弁した状態を示す。
【図8】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示すA−A断面図であり、レバーを立てた第二の位置で開弁した状態を示す。
【図9】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示すB−B断面図であり、レバーを立てた第二の位置で開弁した状態を示す。
【図10】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示すA−A断面図であり、レバーを逆方向に操作した第三の位置で開弁した状態を示す。
【図11】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁のケースの構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁のレバーの構成を示す斜視図である。
【図13】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁のレバーの別の構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁を備えた貯湯タンクの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【0011】
図14は、本発明の実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁を備えた貯湯タンクの構成の一例を示す簡易図である。図14において、図示しない加熱手段を備えた貯湯タンク42の下端には開閉可能な排水弁43を介して排水管44が設けられている。貯湯タンク42の上端には給湯出口管45の一端が接続され、給湯出口管45の他端は給湯管46となって、図示しないシャワーや湯船に接続される構成である。給湯管46は分岐して、レバー7の操作によって開閉可能な逃し弁47を介して外気開放口48に接続される。
【0012】
なお、レバー7は、手動で操作される手動レバーであるが、これに限定されるものではなく、別の部材を介して手動操作が間接的に伝達されることにより操作されるものであってもよい。
【0013】
通常時、排水弁43および逃し弁47は閉弁されており、貯湯タンク42内の湯は給湯管を介して図示しないシャワーや湯船に供給される。
【0014】
温水の温度は例えば最高80℃程度まで加熱されるので、ケーシングはほぼ同様な温度となり、レバーも回動する支軸などの接触部分を介して加熱される。ここで、レバーを樹脂成型部品とすれば、金属と比べて熱伝導係数が小さいために熱が伝わりにくく、温度上昇が抑制されるために低温を維持して操作性が良い、という効果がある。
【0015】
貯湯タンク内の水圧が所定の圧力よりも大なるときは逃し弁47が開弁し、圧力の過大な湯や蒸気を外気に開放する。
【0016】
貯湯タンク内の湯を排水する際には、排水弁43を開弁することで貯湯タンク42の底面を開放するとともに、逃し弁47のレバー7を操作して逃し弁47を開弁して大気と連通させ、大気を逃し弁47を経由して貯湯タンク42内に導入しながら排水弁43を介して排水管44から排水することで、貯湯タンク内の湯を全て排水できる。このように、逃し弁47は、大気を導入するという機能の観点からは、大気開放弁と称することができる。
【0017】
逃し弁47を開弁して外気を連通させずに排水弁43を開弁しただけでは、外気が貯湯タンク42内に導入されないので、排水されない。
【0018】
図1は本実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示す斜視図、図2は側面図、図3は上面図、図4は背面図であり、レバーを操作しない閉弁状態を示す。図5は図4と同様に本実施形態に係る圧力逃がし弁の構成を示す背面図であって、図4と異なるところはレバーを操作して第二の位置である立位とした強制開弁状態を示している。
【0019】
図1から図5において、上ケース1と下ケース2は止めネジ3によって周囲を水密に密閉されており、下ケース2の底面には上ケース1から離反する向きの図示下方向に流入口4が開口して、流体の高圧側である一次側に接続される。
【0020】
上ケース1と下ケース2とはともに樹脂成型部品とすれば、安価に構成できる。
【0021】
上ケース1は下ケース2から離反する方向に略円筒状をなしており、前記円筒状の上ケース1の側面には流出口5が開口して、流体の低圧側ないし大気開放された二次側に接続される。
【0022】
上ケース1の円筒状をなした上面6には、詳細は後述するが利用者が手動で流入口4と流出口5とを連通して一次側圧力を強制的に開放するための樹脂製のレバー7が設けられており、その一端を拡幅して指かけ部8として開閉操作をしやすくしている。レバー7は、上ケース1の上面6を凸して上ケース1と一体に設けられた軸受基部9に開口された軸穴10に回転支軸11を嵌合して回転自在に軸支されている。軸穴10は、回転支軸11と同軸に設けられた貫通穴であるが、凹部であってもよい。また、軸受基部9は一対設けられ、軸線方向にレバー7を挟んで相対して配置されている。
【0023】
なお、本実施形態では、回転支軸11がレバー7に設けられ、上ケース1に回転支軸11の軸穴10が設けられている。また、回転支軸11を受ける軸受は、軸穴10によって構成されている。なお、軸受は、穴形状のものに限られず、一部が切り欠かれた形状のものであってもよい。
【0024】
また、本実施形態では、軸受基部9がレバー7を回転可能に支持する支持部となっている。この軸受基部9は、レバー7と面する上ケース1の上面6から上方に向かって延伸するように設けられている。
【0025】
図1から図4に示したレバー7が上ケース1と下ケース2の分割面に略平行に配した第一の位置では、一次側圧力が所定の圧力を超えた際には一次側と二次側とを連通する圧力逃がし弁として作用し、図2の破線ないし図5に示すようにレバー7を第一の位置から第二の位置に移動することによってレバー7の指かけ部8とは反対側であるレバー後端部12はカムとして作用し、上ケース1の上面6から上ケース1の円筒と同心に突出した略円筒状の調整ナット13をその軸方向に移動して、強制的に弁を開放して一次側と二次側とを連通させるのであるが、その詳細は後述する。なお、調整ナット13は、レバー7と弁体25との間に配置されて前記レバーの操作に伴って移動する移動体である。この移動体は、弁体25と連結され、レバー7の回転と連動してレバー7に対して近接および離反する方向に移動可能に支持され、弁体25とともに移動する。また、レバー7は前記回転支軸11のまわりに第一の位置と第二の位置との間を回転自在に軸支された構成である。
【0026】
また、レバー7は、上ケース1に対する所定の回転角度位置において調整ナット13の移動軸上を通るように設けられた貫通部を備える。詳細に説明すると、図3において、レバー7は第一の位置において上面から流入口4に向けて前記貫通部としての貫通穴14が設けられており、例えばネジ回しなどの工具を貫通可能な構成である。
【0027】
ここで、レバー7を樹脂成型部品とするとともに、レバー7の回動支軸を軸支する軸穴10を設けた軸受基部9は上ケース1と一体に設けられているので樹脂成型部品の一部であり、さらに調整ナット13も樹脂成型部品であるとすれば、レバー7自体とレバー7が接する相手部品とを全て樹脂成型部品となすことで、弁内部の温水からの熱伝導による熱量を低減でき、レバーの温度を低下できるので操作性が向上する、という効果がある。
【0028】
さらに、指かけ部8を薄板状に延伸したので放熱効果が大であり、よって指かけ部8は特に温度が低下するのでさらに好適である。
【0029】
図6から図8および図10は本実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成を示すA−A断面図であって、図6は一次側圧力が小で弁が閉鎖した状態であり、図7は一次側圧力が大で開弁した状態を示し、図8はレバー7を立てた第二の位置で開弁した状態を示し、図10はレバー7を逆方向に操作した第三の位置で開弁した状態を示している。図9はレバー7を立てた第二の位置で開弁した状態のB−B断面図である。
【0030】
図6から図10により本実施形態に係る給湯機に設けられた圧力逃がし弁の構成と動作を詳細に説明する。上ケース1と下ケース2との間にはダイアフラム15の外周を挟み込むことによって水密シールされ、ダイアフラム15の内周は、略円筒状であってその一部をフランジ状に拡大したシリンダ16と、外周の一部をフランジ状に拡大したナット17で挟み込まれて水密シールされている。ナット17の外周を拡大したフランジ部と、上ケース1の上面内側との間には圧縮バネである第一のバネ19が設けられており、ナット17とシリンダ16とに挟まれたダイアフラム15の内周部とを流入口4の方向に付勢している。図6に示した弁が閉鎖した状態では、シリンダ16の最下面は下ケース2の底面ストッパ18に当接する。
【0031】
シリンダ16の流入口4に面した側は弁座20が設けられる。シリンダ16の内周内側にはシリンダ16軸に沿って移動可能な弁軸21が設けられ、その流入口4の側には弁体25が設けられ、弁押え22と弁軸21との間でネジ23により締結されている。第二のバネ24はシリンダ16の内周に設けられた段差部と、弁軸21の弁体25とは対面側にあって弁軸21方向に部分的に流体が通過できる空隙26が設けられた外周拡大部39との間に張架され、弁体25を弁座20に対して押圧するよう荷重を付与して弁を閉鎖している。
【0032】
第一のバネ19がナット17に加える流入口4方向の力よりも、ダイアフラム15および弁体25に加わる流入口4からの一次側圧力による荷重が小なる範囲においては、弁は閉鎖される構成である。
【0033】
調整ナット13は上ケース1に設けられたスライド穴49と嵌合して軸方向に移動自在に支持されており、調整ナット13と調整ネジ28はかみあっており、調整ネジ28を回転させると調整ナット13に対して調整ネジ28が軸方向に移動し、調整ネジ28と一体であって流入口4に向けて延伸した調整軸27を上下微動させる。調整軸27はシール材29を介して上ケース1に設けられた円筒状の穴であるボア30に対して水密を保ちかつ軸方向に摺動自在に設けられている。調整軸27の下端と弁軸21の上端とは、所定の隙間を隔てて配置されており、調整ネジ28を回転させて調整軸27を微動させることで、その隙間の大小を調整する構成である。調整ナット13と上ケース1のボア30上端に設けられた段差との間には圧縮バネである第三のバネ31が設けられ、調整ナット13と調整軸27とを一体として図示上方の、レバー7に向けて付勢している。
【0034】
軸穴10に対して回転自在に軸支されたレバー7は指かけ部8が流出口5と略平行な第一の位置にあり、調整ナット13を介して第三のバネ31からの付勢力を受け、図示上方に付勢される構成である。ここで、上ケース1の上面6から軸穴10までの距離をh0、軸穴10からレバー7の下端までの距離をh1とすると、調整ナット13の上面が上ケース1の上面6から凸する量h3はh3=h0−h1であり、このとき調整軸27の下端と弁軸21の上端には所定の隙間tが生じるようにしている。レバー7の図示右側面と軸穴10との距離をh2とすると、h2>h1でありかつh2≒h0となるようにしている。
【0035】
次に図7を用いて一次側圧力が増加して開弁した状態について説明する。図7において、一次側圧力が増大するに従ってダイアフラム15、シリンダ16、弁体25が流入口4側から受ける反力は圧力に比例して増加し、その反力が第一のバネ19による付勢力より大となると、ダイアフラム15が変形してシリンダ16は底面ストッパ18から浮き上がって図示上方に移動し、調整軸27の下端と弁軸21の上端との隙間は減少する。一次側圧力が所定の圧力になると調整軸27の下端と弁軸21の上端とは接し、弁軸21はそれ以上図示上方には移動できない。一次側圧力がさらに大となるとダイアフラム15はさらに変形し、シリンダ16とナット17は第一のバネ19をさらに押し縮めながら図示上方に移動する。一方、弁軸21は弁体25、弁押え22とともに移動できないから弁体25とシリンダ16に設けられた弁座20とは隙間が開いて開弁する。弁体25と弁座20との間を通った流体は、シリンダ16の内周と弁軸21との隙間、さらに弁軸21に設けられた空隙26を通って二次側と連通して流出口5から排出される。
【0036】
このように構成したので、調整ネジ28を用いて調整軸27を上下微動させることにより、調整軸27の下端と弁軸21の上端との隙間tを変更することで、隙間tを大とすれば開弁するまでの一次側圧力を大とし、隙間tを小とすれば開弁するまでの一次側圧力を小とするよう調整可能な構成である。
【0037】
次に、図8と図9を用いてレバー7を操作して立位である第二の位置に回動し、強制的に開弁した状態について説明する。図8と図9において、レバー7を立位としたことで、h2≒h0となるようにしているからレバー7は調整ナット13を第三のバネ31に抗って図6のh3寸法だけ図示下方に押し下げる。調整軸27は調整ネジ28を介して調整ナット13とともに押し下げられ、調整軸27の下端は弁軸21の上端に接して弁軸21を第二のバネ24に抗って押し下げ、弁軸21に固定された弁押え22とともに弁体25を押し下げることで弁体25と弁座20との間に隙間を設けて開弁し、一次側と二次側とを連通する。流体は一次側である流入口4から流入し、弁体25と弁座20との隙間を介して弁軸21とシリンダ16の内周との間を経由して二次側に設けられた流出口5から流出する。
【0038】
このように、レバー7を操作して立位である第二の位置に回動することで、流体を一次側から二次側に流出できる。
【0039】
<スナップフィット>
次に、レバー7を弾性変形させて、所謂スナップフィットで上ケース1に回転(揺動)可能に取り付ける構成について図1、図11および図12、さらに適宜図9も参照しながら説明する。図11は図1と同様な斜視図であって、レバー7のみを取り外した状態を示している。図12はレバー7の外観を示す斜視図で、図12(a)は図1と同方向からみた斜視図、図12(b)は反対側の上ケース1の側からみた斜視図である。図1に示すように、レバー7は上ケース1の上面6から突出した軸受基部9に設けられた軸穴10のまわりに回転自在に支持される構成である。レバー7は樹脂成型部品とすれば、レバー7を弾性変形させて所謂スナップフィットにより上ケース1に取り付けることが可能である。
【0040】
レバー7は、上ケース1に対して回転可能に支持される回転部50を備える。回転部50は、回転軸線に沿う方向に外力が作用すると、この回転軸線に沿う方向に変位するように弾性変形可能に構成されている。そして、レバー7の回転支軸11と上ケース1の軸受としての軸穴10とを対向させ且つ前記回転部50を弾性変形させた状態で前記外力が解除されると、回転部50の復元に伴って回転支軸11が軸穴10に支持されることとなる。
【0041】
上記のようなレバー7の回転部50は、前記回転軸線と交差する方向に延びる二つの突出部51を有して構成され、この二つの突出部51の間には、回転部50が弾性変形する際に、突出部51が撓むのを許容する空間部が設けられる。なお、本実施形態では、前記空間部は、後述するスリット35によって構成されている。また、回転支軸11は、回転部50の突出部51に備えられ、突出部51が有する面のうち、スリット35側の面とは反対側の外側側面に配置されている。この外側側面は、回転支軸11に直交して互いに外側を向いて設けられている。また、回転支軸11は、この回転支軸11と同軸で外側側面から外側に向けて相対して凸状に突出した一対の円筒状の支軸である。また、スリット35は、回転支軸11に直交して回転支軸11の間に設けられた隙間である。取り付けの際には、スリット35を狭める方向に突出部51を弾性変形させる。
【0042】
また、レバー7は、回転部50を軸受基部9の上方側から押し込むことによって上ケース1に取り付けられる。そして、上ケース1の軸受基部9には、レバー7を上ケース1に取り付ける際、回転支軸11を軸穴10まで案内するガイド部が設けられている。このガイド部は、軸受基部9の上方側から下方側に向かうにつれて軸受基部9の内側に向かって傾斜する。
【0043】
以下、詳細に説明する。図11において、調整ナット13を挟んで対面に互いに平行に上ケース1と一体に樹脂成型して設けられた軸受基部9には同心で軸穴10が設けられる。一対の軸受基部9同士の向かい合った面の距離は、レバー7の回転支軸11根元間の間隔よりも広く隙間を設け、レバー7がスムーズに回動できるようにしている。軸穴10の内側面は、図9にも示すように上方にいくほど広がるよう切り欠かれて第一の斜面32を形成し、第一の斜面32と軸受基部9の内側面との間は上方にいくほど広がるよう切り欠かれて第二の斜面33を形成する。
【0044】
第一の斜面32と第二の斜面33とは、組立の際にレバー7の回転支軸11を挿入する際のガイドとなる。
【0045】
図12において、レバー7の一端は薄板状に延伸されて開放動作の際の指かけ部8となっている。レバー7の両側面には回転支軸11が互いに外側に凸しており、レバー7を開閉する際の回転支軸となる。回転支軸11の先端部は斜面34をなし、軸受基部9の第一の斜面32に沿わせることで組立を容易にしている。
【0046】
軸穴10は軸受基部9の外周との間に切り欠きがない丸穴であって、片持ち梁形状ではないために、軸を嵌め込む際の変形やレバーを開放した際のモーメント荷重が片持ち梁の根元に加わって根元の曲げ応力が拡大する、という問題が生じることがなく、強度や信頼性が高い、という効果がある。
【0047】
指かけ部8および回転支軸11と直交して、貫通穴14が設けられており、図1から図4に示すようにレバー7を第一の位置としたときに、ねじ回しを貫通させて調整ネジ28を回転させて開弁するまでの一次側圧力の大小を調整できる構成である。
【0048】
レバー7の指かけ部8に対する貫通穴14の反対側には幅gap1のスリット35が貫通穴14と連通して設けられ、概ねΩ字形の溝を形成している。回転支軸11の近傍から指かけ部8にかけては補強のためのリブ36が設けられ、その間隔はgap2であって、gap2>gap1の寸法関係としている。レバー7を樹脂成型部品とするとともにスリット35を設けることによって、回転支軸11を互いに押し縮める方向に弾性変形しやすく撓み易くスナップフィットを容易にしている。
【0049】
組立動作の際には両側の回転支軸11同士を軸方向に互いに押し縮める方向の圧縮力を付与すると、スリット35と貫通穴14によるΩ字形の溝が変形し、回転支軸11先端同士が押し縮められ、さらに斜面34を上ケース1の軸受基部9に設けられた第一の斜面32と当接して上ケース1に向けて回転支軸11が軸穴10に嵌合するまで押し込むと、レバー7の弾性変形は開放されて回転支軸11は弾性変形前の寸法に復帰し、図9に示すように軸穴10に回転自在に嵌合する。いうまでもなく、弾性変形量は最大でgap1なので、回転支軸11が軸穴10に嵌合している長さも最大でgap1となる。
【0050】
<ストッパによる外れ止め>
次に、レバー7と調整ナット13とストッパ37との関係について説明する。ストッパ37は、レバー7が上ケース1に取り付けられると、レバー7のスリット35内に位置し、レバー7の回転部50の弾性変形を妨げるものである。以下詳細に説明する。
【0051】
ストッパ37は調整ナット13の一部からレバー7に近接する方向に設けられた突起であり、レバー7の回転する面内に調整ネジ28を挟んで一対に2ヶ所設けられている。ストッパ37の幅は、レバー7に設けられたスリット35の幅gap1よりも小なる寸法である。
【0052】
図4で示したレバー7が第一の位置にある場合、および図5に示した第二の位置にある場合、スリット35の内側にストッパ37が嵌合され、第三のバネ31の付勢力によって調整ナット13はレバー7に対して付勢される。すると、調整ナット13よりも凸して設けられたストッパ37がスリット35の内側に挿入されているので、レバー7の回転支軸11を軸方向に押し縮めて軸穴10から外す方向の力を加えたとしても、スリット35の内側がストッパ37に当接してレバー7の弾性変形を防止するので、レバー7が外れることがない。すなわち、回転支軸11を軸方向に押し縮めたとしても回転支軸11が軸穴10から外れることがなく、安定して動作して好適である。すなわち、レバー7を第一の位置と第二の位置との間で回転させて、手動動作で開弁と弁閉鎖とを繰り返し行っても、スナップフィットで取り付けたレバー7が外れない構成となっている。そのため、レバー7を取り付けるのに際して、別の取付部品や抜け止め部品が不要な構成であり、簡単な構成で回転可能なレバー7を実現できる。
【0053】
またさらに、図11に示すように、調整ナット13と上ケース1との間には調整ナット13の軸まわりに180゜ごとに互いに隙間をもって嵌合する凹部40と凸部41とが設けられ、調整ナット13の外周には凹部40、上ケース1のスライド穴49内周には凸部41が設けられ、前記凹部40と凸部41とが嵌合した状態で軸方向に移動可能に形成したので、調整ナット13を上ケース1に組み込む際には180゜回転させるごとに、1周のうち2ヶ所で嵌合するので組立易いとともに、調整ナット13から凸して設けられたストッパ37を180゜ごとに2ヶ所設け、調整ナット13を上ケース1に組み込んだ際の2つのストッパ37のうち片側のストッパ37の位置がレバー7のスリット35位置と合致するように配置すれば、スリット35の位置とストッパ37の位置とが常に合致するので、レバー7を取り付ける際にストッパ37は引っかかることなく確実にスリット35の隙間に入り込むので組立易く好都合である。
【0054】
この調整ナット13の外周に設けられた凹部40とストッパ37とは調整ナット13の外周の互いに異なる位置に配置すれば、凹部40によってストッパ37が切り欠かれることがないので好適である。
【0055】
<第三の位置>
次に、図10により、レバー7の指かけ部8を矢印方向に押し、図5、図8、図9にて示した第二の位置とは逆方向に回動し、第三の位置まで回動した状態を示す。第三の位置においては、調整ナット13とレバー7とはストッパ37のうち指かけ部8に近接した側のストッパ37の近傍で接し、第三のバネ31の付勢力に抗って調整ナット13を押し込み、図8に示したと同様に弁体25を動作して開弁する。ただし、第三の位置においては、指かけ部8に加える矢印方向の力を除けば第三のバネ31の付勢力によってレバー7は図6に示した第一の位置に復帰するので、第三の位置を保持することはできない。ここで、第三の位置においては、2ヶ所のストッパ37のうち、図示右方、すなわち指かけ部8よりも遠方のストッパ37(a)においては、調整ナット13は押し下げられ、一方レバー7の図示右端は押し上げられるのでストッパ37(a)はスリット35の隙間には位置しない。
【0056】
他方のストッパ37(b)は、指かけ部8の間に位置したリブ36の間に位置する。図12(b)に示すように、リブ36の間にはgap2の隙間が設けられ、gap2>gap1としている。さらにgap2>(2×gap1)とすれば、図10においてレバー7の回転支軸11を軸方向にリブ36の内側がストッパ37(b)に当接するまで押し縮めると、ストッパ37の幅はgap1より小としているから回転支軸11の移動量はgap1よりも大となり、回転支軸11は軸穴10から外れる。すなわち、図10に示すようにレバー7を第三の位置に保持したままで回転支軸11を軸方向に押し縮めれば、レバー7を取り外すことができる。
【0057】
先に説明したように、第三の位置においては、指かけ部8に加える矢印方向の力を除けば第三のバネ31の付勢力によってレバー7は図6に示した第一の位置に復帰するように構成されているので、第一の位置から第二の位置までにいたるレバー7の動作範囲においては、調整ナット13に設けられたストッパ37が作用するので回転支軸11が外れることがなく、レバー7が安定して支持される、という効果がある。
【0058】
本実施形態の別の実施例について図13により説明する。図13が図12と異なるところは、貫通穴14から指かけ部8に向けて第二のスリット38が設けられていることである。第二のスリット38を設けることで回転支軸11が軸方向に変形し易く、レバー7をスナップフィットで取り付けるのがさらに容易になる、という効果がある。
【0059】
本実施形態では、レバー7を取り付ける際には、レバー7の回転部50を軸線方向に弾性変形させる。このため、レバーを取り付ける際の弾性変形の方向は軸線に沿う方向となる。これに対し、軸穴10が回転支軸11を支持する際に作用する力の方向は回転支軸11の径方向となる。即ち、レバー7の取り付けの際と支持の際とで力の作用する方向を異なる方向とすることができる。このため、軸穴10が回転支軸11を良好に保持することができる。従って、所謂スナップフィットによるレバーの取り付けの容易性を確保しつつ、レバーをケースに良好に支持させることができる。
【0060】
また、レバー7を樹脂で成型するとともに回転支軸11を縮める方向の弾性変形を容易とするためのスリット35を設けるとともに、レバー7の回転支軸11の先端面には面取り状の斜面34を設け、さらに上ケース1に設けられた軸受基部9には先端が広がった斜面上の切り欠きを備え、レバー7をスナップフィットで組み立てる際には回転支軸11と軸穴10の斜面同士が互いに呼び込むように作用することでレバー7が弾性変形し易いので、レバー7を上ケース1に対して回動自在にスナップフィットで容易に取り付けることができる、という効果がある。
【0061】
また、軸穴10は軸受基部9の外周との間に切り欠きがない丸穴であって、片持ち梁形状ではないために、回転支軸11を嵌め込む際の変形やレバー7を開放した際のモーメント荷重が片持ち梁の根元に加わって根元の曲げ応力が拡大する、というおそれがなく、強度や信頼性が高い、という効果がある。さらに、軸穴10が回転支軸11の外周を円周の一部分ではなく全周で支持するため、回転支軸11を安定的に支持することができる。
【0062】
また、レバー7を回転自在に軸支してかつ抜け止めを確実に行うのに、上ケース1とレバー7以外の部品が不要であって簡素な構成である。さらに、軸方向に移動可能な調整ナット13から凸状に突出したストッパ37がレバー7をスナップフィット時の弾性変形を容易にするためのスリット35の内側に挿入した構成とし、かつ前記調整ナット13はバネによって常時レバー7に向けて付勢されるので、レバー7の回転支軸11を軸方向に押し縮めて軸穴10から外す方向の力を加えたとしても、スリット35の内側がストッパ37に当接してレバー7の変形は制限されるので、回転支軸11が軸方向に押し縮められたとしても軸穴10から外れることがなく、レバー7は安定して支持される、という効果がある。
【0063】
またさらに、調整ナット13と上ケース1との間には軸まわりに180゜ごとに互いに嵌合する凹部40と凸部41とが設けられ、凹部40と凸部41とが嵌合した状態で軸方向に移動可能に形成したので、調整ナット13を上ケース1に組み込む際には180゜回転させれば嵌合するので組立易いとともに、調整ナット13から凸して設けられたストッパ37を180゜ごとに2ヶ所設け、調整ナット13を上ケース1に組み込んだ際のストッパ37の位置がレバー7のスリット35位置と合致するように配置すれば、スリット35の位置とストッパ37の位置とが常に合致するので、レバー7を取り付ける際にストッパ37は引っかかることなく確実にスリット35の隙間に入り込むので組立易く好都合である。
【0064】
また、レバー7を弁を閉鎖した第一の位置に対して、レバー7を立位に配して弁を開放した第二の位置とは反対側に傾斜した第三の位置においては、レバー7を第三の位置に保持したままで回転支軸11を軸方向に押し縮めれば、調整ナット13から凸状に突出したストッパ37はレバー7のスリット35の間に位置しない構成としたので、レバー7を弾性変形させて取り外すこともできる、という効果がある。
【0065】
また、レバー7を樹脂で成形したので、熱伝導係数が金属より小さいため温水によってケーシングが高温になったとしてもレバー7の温度上昇は少なく低温なので操作しやすい、という効果がある。
【0066】
またさらに、レバー7の回動支軸11を軸支する軸穴10を設けた軸受基部9は上ケース1と一体に設けられた樹脂成型部品の一部であり、さらに調整ナット13も樹脂成型部品である。ここで、タンクに貯留された温水の温度は例えば80℃程度であるので、従来の金属製の構造であれば、ケーシングもほぼ同様な温度となり、レバーも回動する支軸などの接触部分を介して加熱されてしまうおそれがある。一方、本実施形態によれば、レバー7自体とレバー7の接する相手部品とを全て樹脂成型部品とすることで、弁内部の温水からの熱伝導による熱量を低減できるので、レバー7の温度を低下できるため、操作性がさらに向上する、という効果がある。またさらに、レバー7から指かけ部8を薄板状に延伸したので放熱効果が大であり、指かけ部8は特に温度が低下するのでさらに好適である。
【0067】
なお、本発明に係る弁は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【0068】
例えば、本実施形態では、レバーの回転部に回転支軸が設けられ、ケースの支持部に軸受が設けられるものを例に説明したが、これとは逆に、レバーの回転部に軸受が設けられ、ケースの支持部に軸受が設けられるものであってもよい。
【0069】
また、本実施形態では、レバーによって操作される弁の一例として圧力逃がし弁について説明したが、圧力逃がし弁に限られるものではなく、弁を動作するレバーを備えた弁であればよく、たとえばレバーの動作によって弁を開閉する開閉弁であってもよく、複数の流出口をレバーの操作で切り替える切替弁であってもよく、レバーの動作によって流体の流量の多少を制御する流量制御弁であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 上ケース
2 下ケース
3 止めネジ
4 流入口
5 流出口
6 上面
7 レバー
8 指かけ部
9 軸受基部
10 軸穴
11 回転支軸
12 レバー後端部
13 調整ナット
14 貫通穴
15 ダイアフラム
16 シリンダ
17 ナット
18 底面ストッパ
19 第一のバネ
20 弁座
21 弁軸
22 弁押え
23 ネジ
24 第二のバネ
25 弁体
26 空隙
27 調整軸
28 調整ネジ
29 シール材
30 ボア
31 第三のバネ
32 第一の斜面
33 第二の斜面
34 斜面
35 スリット
36 リブ
37 ストッパ
38 第二のスリット
39 外周拡大部
40 凹部
41 凸部
42 貯湯タンク
43 排水弁
44 排水管
45 給湯出口管
46 給湯管
47 逃し弁
48 外気開放口
49 スライド穴
50 回転部
51 突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流入口と流出口とを備えたケースと、前記ケース内にあって流入口から流出口に流れる流体の流れを制御する弁体と、前記弁体を駆動するレバーとを備え、
前記ケースは、前記レバーを回転可能に支持する支持部を備え、
前記レバーは、前記ケースに対して回転可能に支持される回転部を備え、
前記回転部又は支持部の一方に回転支軸が設けられ、前記回転部又は支持部の他方に前記回転支軸の軸受が設けられ、
前記レバーの回転部は、回転軸線に沿う方向に外力が作用すると、前記回転軸線に沿う方向に変位するように弾性変形可能に構成され、
前記回転支軸と軸受とを対向させ且つ前記回転部を弾性変形させた状態で前記外力が解除されると、前記回転部の復元に伴って前記回転支軸が前記軸受に支持されることを特徴とする弁。
【請求項2】
前記レバーの回転部は、前記回転軸線と交差する方向に延びる二つの突出部を有して構成され、
前記二つの突出部の間には、回転部が弾性変形する際に、前記突出部が撓むのを許容する空間部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記支持部は、前記レバーと面する前記ケースの上面から上方に向かって延伸するように設けられることを特徴とする請求項1に記載の弁。
【請求項4】
前記レバーと前記弁体との間に配置されて前記レバーの操作に伴って移動する移動体と、前記移動体を前記レバーに向けて付勢する付勢手段とを備え、
前記移動体は、前記レバーと対向する面に突起状のストッパを有し、
前記レバーが前記ケースに取り付けられると、前記ストッパが前記レバーの空間部内に位置し、前記レバーの回転部の弾性変形を妨げることを特徴とする、請求項2に記載の弁。
【請求項5】
前記回転支軸は、前記回転部の突出部に備えられ、前記突出部が有する面のうち、前記空間部側の面とは反対側の外側側面に配置されることを特徴とする請求項2に記載の弁。
【請求項6】
前記レバーは、前記回転部を前記支持部の上方側から押し込むことによって前記ケースに取り付けられ、
前記ケースの支持部には、前記レバーを前記ケースに取り付ける際、前記回転支軸を前記軸受まで案内するガイド部が設けられ、
前記ガイド部は、前記支持部の上方側から下方側に向かうにつれて前記支持部の内側に向かって傾斜することを特徴とする、請求項5に記載の弁。
【請求項7】
前記レバーと前記弁体との間に配置されて前記レバーの操作に伴って移動する移動体を備え、
前記レバーは、前記ケースに対する所定の回転角度位置において前記移動体の移動軸上を通るように設けられた貫通部を備え、
前記貫通部は、前記空間部と連通することを特徴とする請求項2に記載の弁。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の弁を有する給湯機。
【請求項9】
給湯に用いられる液体を貯留するタンクと、前記タンク内の液体を外部に排出する排出弁と、前記タンク内を大気開放する大気開放弁とを備え、
前記大気開放弁は、流体の流入口と流出口とを備えたケースと、前記ケース内にあって流入口から流出口に流れる流体の流れを制御する弁体と、前記弁体を駆動するレバーとを備え、
前記ケースは、前記レバーを回転可能に支持する支持部を備え、
前記レバーは、前記ケースに対して回転可能に支持される回転部を備え、
前記支持部又は回転部の一方に回転支軸が設けられ、前記支持部又は回転部の他方に前記回転支軸の軸受が設けられ、
前記レバーの回転部は、回転軸線に沿う方向に外力が作用すると、前記回転軸線に沿う方向に変位するように弾性変形可能に構成され、
前記回転支軸と軸受とを対向させ且つ前記回転部を弾性変形させた状態で前記外力が解除されると、前記回転部の復元に伴って前記回転支軸が前記軸受に支持されることを特徴とする給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−100868(P2013−100868A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245043(P2011−245043)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】