説明

弁当箱収納袋

【課題】 カバン等に収容する場合に、縦向きと横向きとの両方に収容しても、飯器および菜器が良好な収納姿勢を維持できるようにする。
【解決手段】 ご飯を収納する飯器を出し入れ自在に収納する保温容器1とおかずを収納する菜器3とからなる弁当箱セットZを収納する弁当箱収納袋において、前記保温容器1と前記菜器3とを共に開口部1c,3aを上面として縦置きとする縦置き収納形態と、前記保温容器1と前記菜器3とを共に開口部1c,3aを上面として横置きとする横置き収納形態とを取り得るように構成して、弁当箱セットZを縦置き収納形態および横置き収納形態で収納した場合であっても、保温容器1および菜器3の開口部1c,3aが共に上向きとなり、菜器3に収納されたおかずが偏ったり、汁漏れを生じたりすることがなくなるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、弁当箱収納袋に関し、さらに詳しくは縦置きにも横置きにも対応できる弁当箱収納袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、飯器および菜器からなる弁当箱セットを一つの収納容器内に収納し得るように構成した弁当箱収納容器は、良く知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第4301204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、弁当箱収納容器をカバン等に収容する場合、カバン等の内容積の大きさやカバンに他に入れるものによって、縦置きに収容したい場合と横置きに収容したい場合とがあり、一方向だけの収容では不便であるという問題があった。例えば、縦置き用の収納容器を横向きに収容したり、横置き用の収納容器を縦向きに収容すると、菜器が横向き(即ち、開口部が横向き)となってしまい、菜器内に収納されたおかずが下方に偏ってしまってつぶれるおそれがあるとともに、汁漏れしてしまうおそれがある。
【0005】
本願発明は、上記のような課題を解決するために行われたものであり、カバン等に収容する場合に、縦向きと横向きとの両方に収容しても、飯器および菜器が良好な収納姿勢を維持できるようにすることを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明では、上記課題を解決するための第1の手段として、ご飯を収納する飯器とおかずを収納する菜器とからなる弁当箱セットを収納する弁当箱収納袋において、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として縦置きとする縦置き収納形態と、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として横置きとする横置き収納形態とを取り得るように構成している。
【0007】
上記のように構成したことにより、弁当箱セットを縦置き収納形態および横置き収納形態で収納した場合であっても、飯器および菜器の開口部が共に上向きとなり、菜器に収納されたおかずが偏ったり、汁漏れを生じたりすることがなくなる。従って、カバン等に弁当箱収納袋を縦向きあるいは横向きに収納した場合であっても、飯器および菜器が常に良好な収納姿勢を維持することができる。
【0008】
本願発明では、上記課題を解決するための第2の手段として、ご飯を収納する飯器を出し入れ自在に収納する保温容器とおかずを収納する菜器とからなる弁当箱セットを収納する弁当箱収納袋において、前記保温容器と前記菜器とを共に開口部を上面として縦置きとする縦置き収納形態と、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として横置きとする横置き収納形態とを取り得るように構成している。
【0009】
上記のように構成したことにより、弁当箱セットを縦置き収納形態および横置き収納形態で収納した場合であっても、飯器を出し入れ自在に収納する保温容器および菜器の開口部が共に上向きとなり、菜器に収納されたおかずが偏ったり、汁漏れを生じたりすることがなくなる。従って、カバン等に弁当箱収納袋を縦向きあるいは横向きに収納した場合であっても、保温容器および菜器が常に良好な収納姿勢を維持することができる。しかも、保温容器および菜器を横置き収納形態で収納した場合や保温容器を菜器の上に載せた状態で収納した場合には、飯器の熱が菜器に伝わりにくくなり、菜器内のおかずの腐敗防止にも寄与する。
【0010】
本願発明では、さらに、上記課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2の手段を備えた弁当箱収納袋において、前記弁当箱収納袋に、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも前記飯器および前記菜器の開口部が上向きとなるように支持する1本の把持部を付設することもでき、そのように構成した場合、弁当箱収納袋に1本の把持部を付設するだけで、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも飯器および菜器の開口部が上向きとなるように支持することができることとなり、カバン等に対して弁当箱収納袋を、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも、飯器および菜器の開口部が上向きとなるように出し入れすることが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の第1の手段によれば、ご飯を収納する飯器とおかずを収納する菜器とからなる弁当箱セットを収納する弁当箱収納袋において、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として縦置きとする縦置き収納形態と、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として横置きとする横置き収納形態とを取り得るように構成して、弁当箱セットを縦置き収納形態および横置き収納形態で収納した場合であっても、飯器および菜器の開口部が共に上向きとなり、菜器に収納されたおかずが偏ったり、汁漏れを生じたりすることがなくなることとなり、カバン等に弁当箱収納袋を縦向きあるいは横向きに収納した場合であっても、飯器および菜器が常に良好な収納姿勢を維持することができるという効果がある。
【0012】
本願発明の第2の手段によれば、ご飯を収納する飯器を出し入れ自在に収納する保温容器とおかずを収納する菜器とからなる弁当箱セットを収納する弁当箱収納袋において、前記保温容器と前記菜器とを共に開口部を上面として縦置きとする縦置き収納形態と、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として横置きとする横置き収納形態とを取り得るように構成して、弁当箱セットを縦置き収納形態および横置き収納形態で収納した場合であっても、飯器を出し入れ自在に収納する保温容器および菜器の開口部が共に上向きとなり、菜器に収納されたおかずが偏ったり、汁漏れを生じたりすることがなくなるようにしたので、カバン等に弁当箱収納袋を縦向きあるいは横向きに収納した場合であっても、保温容器および菜器が常に良好な収納姿勢を維持することができるという効果がある。しかも、保温容器および菜器を横置き収納形態で収納した場合や保温容器を菜器の上に載せた状態で収納した場合には、飯器の熱が菜器に伝わりにくくなり、菜器内のおかずの腐敗防止にも寄与するという効果もある。
【0013】
本願発明の第3の手段におけるように、上記第1又は第2の手段を備えた弁当箱収納袋において、前記弁当箱収納袋に、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも前記飯器および前記菜器の開口部が上向きとなるように支持する1本の把持部を付設することもでき、そのように構成した場合、弁当箱収納袋に1本の把持部を付設するだけで、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも飯器および菜器の開口部が上向きとなるように支持することができることとなり、カバン等に対して弁当箱収納袋を、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも、飯器および菜器の開口部が上向きとなるように出し入れすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本願発明の実施の形態にかかる弁当箱収納袋の横置き収納形態を示す全体斜視図である。
【図2】本願発明の実施の形態にかかる弁当箱収納袋の縦置き収納形態を示す全体斜視図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図2のIV−IV断面図である。
【図5】図4において飯器と菜器とを逆の姿勢とした場合を示す断面図である。
【図6】本願発明の実施の形態にかかる弁当箱収納袋において蓋部を開蓋した状態を示す全体斜視図である。
【図7】本願発明の実施の形態にかかる弁当箱収納袋に収納される保温容器の拡大断面図である。
【図8】本願発明の実施の形態にかかる弁当箱収納袋に収納される菜器の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、本願発明の実施の形態について説明する。
【0016】
この弁当箱収納袋Aは、図1〜図4に示すように、ご飯を収納する飯器2(図7参照)を出し入れ自在に収納する保温容器1とおかずを収納する二つの菜器3,3とからなる弁当箱セットZを収納するために使用されるものである。
【0017】
前記保温容器1は、図7に示すように、ステンレス鋼等からなる内筒1aと外筒1bとの間を真空状態とした円筒形状の真空二重容器からなっており、その上部に設けられた開口部1cに対してご飯Xを収納する金属製あるいは合成樹脂製の飯器2を出し入れ自在とされている。符号2bは飯器2の上部に設けられた開口部2aに対して着脱自在とされた非断熱構造の蓋体である。他の実施の形態においては、飯器2自体を真空二重容器からなる断熱構造の保温容器で構成する場合もある。
【0018】
前記菜器3は、図8に示すように、合成樹脂製の非断熱構造の直方体形状の容器からなっており、内部には、おかずYが収納されることとなっている。符号3bは菜器3の上部に設けられた開口部3aに対して着脱自在とされた非断熱構造の蓋体である。
【0019】
本実施の形態においては、二つの菜器3,3が使用されているので、1個の菜器3の高さH2は、保温容器1の高さH1の半分(即ち、H1=2H2)とするのが望ましい。なお、3個の菜器を使用する場合には、1個の菜器3の高さは、保温容器1の1/3とされる。また、菜器3の平面視形状は、前記保温容器1の直径Rと略等しい一辺の長さを有する正方形とするのが望ましい。
【0020】
前記弁当箱収納袋Aは、合成樹脂製の織物からなる略直方体形状の収納袋本体4と該収納袋本体4の一側面4aを構成するとともにファスナー6を介して開閉自在とされた蓋部とからなっている(図6参照)。該ファスナー6は、前記収納袋本体4における一側面4aの端部において横置き収納形態(図3に示す収納形態)時に上部となる部分から縦置き収納形態(図4および図5に示す収納形態)時に上部および下部となる部分にかけて設けられており、該ファスナー6を全開したときには、一側面4a(換言すれば、蓋部)が全開されることとなっている。また、前記ファスナー6は、通常の使用形態と相異しており、裏面側が表に向くように前記収納袋本体4の端部に取り付けられている。このようにすると、ファスナー6のギザギサ状の刃の部分が表側に現れないので、弁当箱収納袋Aを鞄等に出し入れする際にも、鞄等の内面や鞄等に入っている収納物を傷つけるおそれがなくなる。さらに、この場合、ファスナー6を開閉するためのツマミ(スラスダー)6aは、両開きが可能なように2個使用されている。このようにすると、ファスナー6を両開きとすることができ、使い勝手が良くなる。なお、前記ファスナー6の取付位置は、収納袋本体4における一側面4aの端部に限定されるものではなく、ファスナー6を全開したときに収納袋本体4の一側面4a(換言すれば、蓋部)が全開され得る位置であれば、収納袋本体4の側端よりやや内側(換言すれば、収納袋本体4側に寄った位置)であってもよい。前記一側面4aの長辺寸法L1は、前記保温容器1(飯器と保温容器とが一体構造の場合は飯器)と前記菜器3,3とを共に開口部を上面として縦置きとする縦置き収納形態(図4および図5に示す収納形態)を取り得る寸法(即ち、2H1)とされ、前記一側面4aの短辺寸法L2は、前記保温容器1(飯器と保温容器とが一体構造の場合は飯器)と前記菜器3,3とを共に開口部を上面として横置きとする横置き収納形態(図3に示す収納形態)とを取り得る寸法(即ち、H1)とされる。また、前記弁当箱収納袋Aの幅寸法Dは、保温容器1(飯器と保温容器とが一体構造の場合は飯器)の直径R(および菜器3の平面視における一辺の寸法)と略等しくされている。
【0021】
さらにまた、前記弁当箱収納袋Aにおけるコーナー部(例えば、収納袋本体4および蓋部となる一側面4aのコーナー部)には、パイプ形状の樹脂の芯が施されている。このようにすると、コーナー部の強度が増大し、弁当箱収納袋Aの保形性が向上することとなる。
【0022】
上記のように構成したことにより、弁当箱セットZを縦置き収納形態および横置き収納形態で収納した場合であっても、飯器2(および、飯器2を出し入れ自在に収納する保温容器1)および菜器3,3の開口部が共に上向きとなり、菜器3,3に収納されたおかずYが偏ったり、汁漏れを生じたりすることがなくなることとなり、カバン等に弁当箱収納袋Aを縦向きあるいは横向きに収納した場合であっても、飯器2(および、飯器2を出し入れ自在に収納する保温容器1)および菜器3,3を常に良好な収納姿勢で維持することができる。しかも、飯器2を出し入れ自在に収納する保温容器1および菜器3,3を横置き収納形態で収納した場合や保温容器1を菜器3,3の上に載せた状態で収納した場合(図4参照)、飯器2の熱が菜器3に伝わりにくくなり、菜器3,3内のおかずYの腐敗防止にも寄与する。また、飯器2(および、飯器2を出し入れ自在に収納する保温容器1)の上に菜器3,3を載せた状態で収納した場合(図5参照)、菜器3内のおかずYの種類によっては(熱を加えた方が美味しく食べられるものの場合)、好ましくなる。また、前記弁当箱収納袋Aを、合成樹脂製の織物からなる略直方体形状の収納袋本体4と該収納袋本体4の一側面4aを構成するとともにファスナー6を介して開閉自在とされた一側面4a(換言すれば、蓋部)とによって構成したことにより、一側面4aを開放状態としたとき、図6に示すように、収納袋本体4の一側面4a全体が開放されることとなり、前記保温容器1(飯器と保温容器とが一体構造の場合は飯器)と前記菜器3,3とを共に開口部を上面として縦置きとする縦置き収納形態(図4および図5に示す収納形態)とした場合においても、前記保温容器1(飯器と保温容器とが一体構造の場合は飯器)と前記菜器3,3とを共に開口部を上面として横置きとする横置き収納形態(図3に示す収納形態)とした場合においても、前記保温容器1(飯器と保温容器とが一体構造の場合は飯器)と前記菜器3,3とを容易に出し入れすることが可能となる。
【0023】
さらに、前記収納袋本体4には、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも前記飯器2および前記菜器3の開口部2a,3aが上向きとなるように支持する1本の把持部7が付設されている。該把持部7は、収納袋本体4と同質の材料からなる1本の帯状体からなっており、幅寸法は、収納袋本体4の幅寸法の略1/3とされている。
【0024】
そして、この把持部7の一端側7aは、横置き収納形態時に上面となる部分4bの端部側(即ち、縦置き収納形態時に下端となる部位)に対して縫い付け等により固定される一方、把持部7の他端側7bは、縦置き収納形態時に上面となる部分4cの他端側(即ち、横置き収納形態時に下端となる部位)に対して縫い付け等により固定されており、途中部分は、収納袋本体4とは分離可能となっている。このようにすると、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも飯器2および菜器3,3の開口部が上向きとなるように支持することができることとなり、カバン等に対して弁当箱収納袋Aを、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも、飯器2および菜器3,3の開口部が上向きとなるように出し入れすることが可能となるとともに、横置き収納形態時においても、縦置き収納形態時においても、収納袋本体4における上下面を外観目視において明確に見分けることが可能となる。
【0025】
なお、本願発明は、上記実施の形態において説明したものに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0026】
1は保温容器
1cは開口部
2は飯器
2aは開口部
3は菜器
3aは開口部
4は収納袋本体
4aは一側面
5は蓋部
6はファスナー
7は把持部
Aは弁当箱収納袋
Xはご飯
Yはおかず
Zは弁当箱セット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ご飯を収納する飯器とおかずを収納する菜器とからなる弁当箱セットを収納する弁当箱収納袋であって、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として縦置きとする縦置き収納形態と、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として横置きとする横置き収納形態とを取り得るように構成したことを特徴とする弁当箱収納袋。
【請求項2】
ご飯を収納する飯器を出し入れ自在に収納する保温容器とおかずを収納する菜器とからなる弁当箱セットを収納する弁当箱収納袋であって、前記保温容器と前記菜器とを共に開口部を上面として縦置きとする縦置き収納形態と、前記飯器と前記菜器とを共に開口部を上面として横置きとする横置き収納形態とを取り得るように構成したことを特徴とする弁当箱収納袋。
【請求項3】
前記弁当箱収納袋には、横置き収納形態時にも縦置き収納形態時にも前記飯器および前記菜器の開口部が上向きとなるように支持する1本の把持部を付設したことを特徴請求項1および2のいずれか一項記載の弁当箱収納袋。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate