引上げ式カーテン用のループ付織物テープ
【課題】カーテン面に、各種形態の小襞が寄せ集められてなる種々の襞状装飾部を、引き紐の簡易な引き絞り操作によって形成し得るループ付織物テープを提供する。
【解決手段】引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着されるループ付織物テープであって、テープ基材7の一面に、長さ方向に所要間隔でループ11が突設されている。ループ11に、操作紐を挿通させ得る案内リング27を取り付ける。テープ基材7の一面に、その長さ方向に紐挿通部13が設けられ、該紐挿通部13に引き紐12が配置されている。紐挿通部13は、隣り合うループ11,11間を繋ぐように連続して形成され、引き紐12の引出し口となる開口15が各ループ近傍に設けられている。引き紐12を引き絞ることによって、カーテン4に襞状装飾部を形成できる。
【解決手段】引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着されるループ付織物テープであって、テープ基材7の一面に、長さ方向に所要間隔でループ11が突設されている。ループ11に、操作紐を挿通させ得る案内リング27を取り付ける。テープ基材7の一面に、その長さ方向に紐挿通部13が設けられ、該紐挿通部13に引き紐12が配置されている。紐挿通部13は、隣り合うループ11,11間を繋ぐように連続して形成され、引き紐12の引出し口となる開口15が各ループ近傍に設けられている。引き紐12を引き絞ることによって、カーテン4に襞状装飾部を形成できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折返し部が多段に形成される状態で引上げ可能となされた引上げ式カーテンを構成するために用いられるものであり、該カーテンが完全に下ろされた状態においてカーテン面に所要の襞状装飾部を形成することができて、カーテンのデザイン的な多様化を図ることが容易な引上げ式カーテン用のループ付織物テープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、折返し部が多段に形成される状態で引上げ可能となされた引上げ式カーテン装置が好評を博しているが、この種のカーテン装置にあっては、カーテンが完全に下ろされた状態においては、該カーテンが垂直方向で完全に延び切って平面状を呈するものが一般的であった。かかるカーテン装置によるときは、下ろされたカーテンの外観が単調となる問題があった。
【0003】
このような問題点を解決せんとして、実公平6−46384号公報が開示するカーテン用テープが提案されている。該カーテン用テープはカーテン生地に縦方向に縫着されるテープ基材に、その長さ方向に、例えば2〜5cm程度の間隔で交絡箇所(紐挿通部)を設けると共に、絞用糸条(引き紐)を、テープ基材の長さ方向に配置されている前記各交絡箇所(紐挿通部)に挿通させた構成を有していた。そして前記カーテン用テープをカーテン地の長さ方向に縫着した状態で、前記絞用糸条(引き紐)の一部をテープ基材から引き出してテープ基材よりも短くし、その長短差に応じてテープ基材に生ずるU字状乃至V字状に屈曲した横皺を長さ方向に絞り集めて横襞を形成し、この状態をフックで固定することにより、下ろされたカーテンの外観を前記横襞で装飾するものであった。
【0004】
しかしながら、かかる構成のカーテン用テープによるときは、前記絞用糸条(引き紐)の引き絞りによって、隣り合う交絡箇所(紐挿通部)間に形成されたU字状に屈曲する横皺の集合によって横襞を形成することはできるが、該横皺の突出長さは、隣り合う交絡箇所(紐挿通部)の間隔によって一律に決まってしまうものであり、絞り集められた横皺の大きさを種々に変化させるということができず、下ろされた状態にあるカーテンの外観を種々の襞状装飾部によって変化させるということができない問題があった。
【0005】
なお、カーテンに、大きさの異なる小襞を寄せ集めてなる襞状装飾部を縫製により形成することは可能であるが、このような縫製手段によるときは多大の手間を要し、カーテンの製造コストの上昇を招く問題があった。
【0006】
又、絞用糸条(引き紐)が、間隔を置いて配置された交絡箇所(紐挿通部)を挿通するため、該交絡箇所間で絞用糸条が露出状態にある。かかることから、該露出状態にある絞用糸条が物に引っ掛かる問題もあった。
【特許文献1】実公平6−46384号公報(第2頁、図1−2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決し得る引上げ式カーテン用のループ付織物テープの提供を課題とするものであり、より具体的には、引き紐の簡易な引き絞り操作によって、各種形態の小襞が密集状態に寄せ集められてなる種々の襞状装飾部をカーテン面に能率的に且つコスト低減を図って形成可能とする引上げ式カーテン用のループ付織物テープの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る引上げ式カーテン用のループ付織物テープ(以下ループ付織物テープという)は、折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、織物として形成されたテープ基材の表面に、長さ方向に所要間隔で、該テープ基材を形成する縦糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされている。又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材にその長さ方向に且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係るループ付織物テープのより具体的な態様は、折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、織物として形成されたテープ基材の表面の長手中央線に沿って、所要間隔で、前記テープ基材を形成する経糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされている。又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材の長手中央線に沿って且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とするものである。
【0010】
又本発明に係るループ付織物テープのより具体的な他の態様は、折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、織物として形成されたテープ基材の表面の一側縁寄りにおいて、該一側縁に沿って、所要間隔で、前記テープ基材を形成する経糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされている。又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材の前記一側縁に沿って且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とするものである。
【0011】
又前記各ループ付織物テープにおいて、前記テープ基材の裏面を平坦面に形成するのがよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1)本発明に係るループ付織物テープによるときは、これがカーテンに上下方向で取着されることにより、隣り合うループ間を繋ぐように連続状態に形成された紐挿通部に挿通せしめられた引き紐を、開口で引き出して引き絞ることにより、引き紐の引き絞りの程度に応じて、突出の程度や突出部分の長さが異なる種々の小皺をテープ基材の長さ方向に寄せ集められた状態で形成でき、多様な襞状装飾部をカーテンに形成できる。
このように本発明によるときは、前記従来のループ付織物テープにおけるような単一形態の襞の集合からなる襞状装飾部ではなく、大小様々の小襞の集合からなるデザイン的に多様な襞状装飾部を形成できる利点がある。
そしてこれらの襞状装飾部は、引き紐の引き絞り操作だけによって形成できるため、従来のように縫製手段によって襞状装飾部を形成する場合に比し、その形成が容易である。
【0013】
(2)又本発明に係るループ付織物テープは、引き紐の引出し口となる開口を、各ループの近傍において前記紐挿通部に設けているので、引き絞った引き紐の端部の固定のために例えば図7に示すように該開口部分で引き紐を結んで結び玉を形成したとき、該結び玉が、テープ基材から突出状態にあるループに近接して配置されることとなる。かかることから、該結び目が目立ちにくい利点がある。
又、各ループの近傍に開口を設けているため、両端の開口の選択の仕方(隣り合う開口の選択や1つ飛び等の間隔を置いた開口の選択等)によって、該両端の開口間に所要形態の襞状装飾部を形成できる。
【0014】
(3)又本発明に係るループ付織物テープは、引き紐が、前記開口を除いて略全体が紐挿通部に内蔵されているため、絞用糸条が、間隔を置いて配置された交絡箇所を挿通する前記従来のカーテン用テープとは異なり、交絡箇所間で露出する絞用糸条が物に引っ掛かる等の従来の問題点を解消できる。
【実施例1】
【0015】
図1〜2、図3〜4、図5において本発明に係るループ付織物テープ1は、例えばポリエステル糸を用いて形成されており、図20に示すような折返し部2が多段に形成される状態で引上げられる引上げ式カーテン3を構成するに際し、その裏面5をカーテン裏面6に当接させた状態で該カーテン4に取着されるものであり(図2)、織物として形成されたテープ基材7の表面9に、その長手中央線に沿って、所要間隔で、織物組織を有するループ11が突出形成されている。又、前記テープ基材7の前記表面9に、その長さ方向に引き紐12が配置され、該引き紐12は、該テープ基材7の長手中央線に沿って且つ隣り合うループ11,11間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部13に挿通せしめられている。そして該紐挿通部13には、前記引き紐12の引出し口となる開口15が、本実施例においては、前記各ループ11の、テープ基材長さ方向で見た一側近傍に設けられている。そして該引き紐12を該開口15から引き出して引き絞ることにより、図6〜7に示すにように、所要形態の小皺16がテープ基材7の長さ方向に寄せ集められた状態を形成でき、これによって図6〜8、図9に示すように、前記カーテン4に、小襞の集合からなる所要形態の襞状装飾部18を形成可能となされている。
【0016】
図10〜14は、本発明に係るループ付織物テープ1の組織を説明する説明図であり、前記テープ基材7の両端で順次折り返される横糸20と縦糸21とが交錯されている。該横糸20は、前記紐挿通部13が形成されるテープ基材7の長手中央部分19においては、直線状を呈する裏側横糸部20aと弧状を呈する表側横糸部20bが交互に配置されている。そして図11に示すように、該裏側横糸部20aが、第1縦糸21aと交錯せしめられると共に、該長手中央部分19の両側部分では、第2縦糸21bが直線状の両側横糸部20cに交錯せしめられている。又図12に示すように、該表側横糸部20bが、第1縦糸21aと交錯せしめられると共に、該長手中央部分19の両側部分では、第2縦糸21bが直線状の両側横糸部20cに交錯せしめられている。
【0017】
又図13は、前記ループ11を形成する組織を説明する説明図であり、前記第2縦糸21bの進行が停止された状態で前記第1縦糸21aのみを進行させ、前記横糸20と該第1縦糸21aのみを交錯させることによって管状織物組織としての前記ループ11が形成されている。そして該ループ11の形成が完了した後、前記第1縦糸21aと前記裏側横糸部20a及び前記表側横糸部20bとが交錯せしめられ、且つ、前記第2縦糸21bと前記両側横糸部20cとが交錯せしめられて、前記テープ基材7と前記紐挿通部13とが一体に製織されている。そして本実施例においては、該紐挿通部13の形成と同時に該紐挿通部13に前記引き紐12が挿入状態とされ、前記ループ11の根元側においては、該引き紐12が前記第1縦糸21aのうちの裏側に存するものの間を通過してテープ基材7の裏側に露出している。このように形成されたループ付織物テープ1の各ループ11には、必要に応じ、図3、図7に示す如く円環状の案内リング27が取り付けられる。
【0018】
図14は、前記開口15を形成する組織を説明する説明図であり、該開口15の長さに相当する部分、例えば10mm程度の長さの部分においては、直線状に変わった前記表側横糸部20b及び前記裏側横糸部20aが、前記引き紐12の裏面側で、前記第1縦糸21aと交錯せしめられ、該開口15で前記引き紐12が露出状態となっている。
【0019】
このように構成されたループ付織物テープ1は、例えば図15に示す如く、引上げ式カーテン3を形成するカーテン4の裏面適部位に縫着、溶着等の手段によって取着される。図15においては、2本のループ付織物テープ1,1がカーテン4の裏面6の両側に寄せて取着されている。
【0020】
その取着は、該ループ付織物テープ1のテープ基材7の裏面5をカーテン裏面6に当接させた状態で、例えば図2に示すように、該テープ基材7の長手両側部分29,30で該カーテン4に縫着31して行う。なお各ループ11には、縫着に先立って前記案内リング27を取り付けておく。
【0021】
この状態のカーテン4に、図6〜9に示すように、前記ループ付織物テープ1が存在する部分で前記襞状装飾部18,18を形成する。該襞状装飾部18を形成する要領は、例えば図7〜8に示すように、ループ付織物テープ1に設けられている上下隣り合う開口15a,15b間において、前記紐挿通部13に挿通状態にある前記引き紐12を引き絞ることによって行う。
【0022】
そのために本実施例においては、図6、図8、図16に示すように、上の開口15aにおいて、前記引き紐12をカーテン4に縫製により固定する。その後、前記下の開口15bから引き紐12を引き出すことによって、上下の開口15a,15b間に存する紐挿通部13を引き絞る。これにより図16に示すように、該紐挿通部13に小皺16が寄せ集められた状態になるが、前記のように、テープ基材7がその全長に亘ってカーテン4に取着されていることから、図6、図9、図16に示すように、カーテン4に、テープ基材7の長さ方向に小襞17を寄せ集め状態に形成でき前記襞状装飾部18を形成できることになる。
【0023】
引き紐12を所要に引き絞ると、図16に示すように、前記下の開口15bから引き紐12がループ状に突出する。その後、該突出したループ状部分39を図17に示すように結んで結び玉40を形成する。該結び玉40の大きさは、前記下の開口15bよりも上側に位置する紐挿通部13の下端開放部41を通過できない程度とする。その後図7〜8に示すように、前記結び玉40を残して前記ループ状部分39を切断する。これにより、襞状装飾部18の形成作業が完了する。
【0024】
なお本実施例においては、カーテン4の両側部分で襞状装飾部18が形成されるため、図18〜19に示すように、該襞状装飾部18,18が存在する部分でカーテン両側部分42,42が内側縁部で窪んだ状態となって襞状が変形され、下ろされたカーテンのデザイン上のアクセントとなっている。そして本実施例においては、左右の襞状装飾部18,18が略同高さに存するため、該襞状装飾部18,18間において、カーテン4が、図19に示すように下に突の波打ち襞状模様43を形成している。
【0025】
なお、カーテンの両側が前記のように内側に窪んだ状態とならないように、即ち、カーテンの両側縁部が、襞状装飾部18を形成した状態でも略直線状を呈するように、該襞状装飾部18に対応する部分でカーテン4を外側に膨らんだ形態に形成しておくこともできる。
【0026】
このようにして襞状装飾部18が形成されたカーテン4を形成して後、図20に示すように、その上縁部分に設けられた一方の面状ファスナ45を操作ボックス46の前面に設けられた他方の面状ファスナ47に係着することによって該カーテン4を該操作ボックス46に取着し、カーテン4が垂れた状態とする。本実施例においては、垂れた状態のカーテン4の両側の上側部分と下側部分に前記襞状装飾部18が形成されている。なお、該カーテン4の下端部分は袋状に形成され、図15に示すように、該袋部49内にウエイトバー50が収容されている。
【0027】
然して、図18、図20に示すように、引上げ式カーテン3の上げ下げを操作する操作紐32を前記案内リング27に挿通せしめると共にその下端部33をカーテン4の下端側51に固定し、或いは、最下端に位置する案内リングに固定或いは係合せしめ、且つ、カーテン上端に設けられた操作ボックス46における巻上げ装置52によって該操作紐32を巻上げ、巻戻し操作可能とする。これにより、該操作紐32の操作に応じて上げ下げされる引上げ式カーテン3が構成されることとなる。
【0028】
図18〜19は、該引上げ式カーテン3が下ろされた状態を示すものであり、前記操作紐32を巻き上げると、カーテン4は図20に示す如く、折返し部2が多段に形成された状態で引上げられることとなる。
【実施例2】
【0029】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0030】
(1)図21は本発明に係るループ付織物テープ1の他の実施例を示すものであり、テープ基材7の一側53に寄せて前記紐挿通部13を設けた場合を示すものである。
このように構成することにより、テープ基材7をカーテン4に取着するに際し、該テープ基材の長手中央線に沿う縫製部54の1か所だけ縫製31を行えばよい利点がある。
【0031】
(2)前記開口15は、前記ループ11の両側に設けてもよい。
【0032】
(3)図22は、引き紐12の引き絞りの程度を変化させて形成された襞状装飾部18の他の態様を示すものである。
【0033】
(4)前記引き紐12の引き絞りに際しては、前記とは逆に、前記下の開口15bにおいて引き紐12をカーテン4に縫着してもよい。又引き紐12の引き絞り工程は、前記したものに限らず、上下の開口間で引き絞るものであれば各種の仕方で行なうことができる。
【0034】
(5)前記ループは、管状織物組織としての他、平織物組織等として形成されることもある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るループ付織物テープをその使用状態で示す斜視図である。
【図2】その部分拡大図である。
【図3】本発明に係るループ付織物テープをその表側から見た斜視図である。
【図4】その部分拡大図である。
【図5】ループ付織物テープを裏側から見た斜視図である。
【図6】引き紐の引き絞りによって形成された襞状装飾部を示す斜視図である。
【図7】その部分拡大図である。
【図8】その側面図である。
【図9】その斜視図である。
【図10】ループ付織物テープの組織を説明する斜視図である。
【図11】ループ付織物テープの挿通部の組織を説明する斜視図である。
【図12】ループ付織物テープの挿通部の組織を説明する斜視図である。
【図13】ループ付織物テープのループ部分の組織を説明する斜視図である。
【図14】ループ付織物テープの開口部分の組織を説明する斜視図である。
【図15】カーテンの裏面両側にループ付織物テープを縫着した状態を示す斜視図である。
【図16】該縫着状態で引き紐を引き絞って、下の開口で引き紐をループ状に突出させた状態を示す側面図である。
【図17】突出したループ状部分に結び玉を形成した状態を示す側面図である。
【図18】ループ付織物テープの引き絞りによって形成された襞状装飾部を具えるカーテンを用いて構成された引上げ式カーテンをその裏側で示す斜視図である。
【図19】その表側で示す斜視図である。
【図20】引上げ式カーテンを稍引上げた状態を示す側面図である。
【図21】本発明に係るループ付織物テープの他の実施例をその使用状態で示す斜視図である。
【図22】引き紐の引き絞りによって形成された襞状装飾部の他の態様を示す側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 ループ付織物テープ
2 折返し部
3 カーテン
7 テープ基材
11 ループ
12 引き紐
13 紐挿通部
15 開口
16 小皺
18 襞状装飾部
20 横糸
21 縦糸
27 案内リング
【技術分野】
【0001】
本発明は、折返し部が多段に形成される状態で引上げ可能となされた引上げ式カーテンを構成するために用いられるものであり、該カーテンが完全に下ろされた状態においてカーテン面に所要の襞状装飾部を形成することができて、カーテンのデザイン的な多様化を図ることが容易な引上げ式カーテン用のループ付織物テープに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、折返し部が多段に形成される状態で引上げ可能となされた引上げ式カーテン装置が好評を博しているが、この種のカーテン装置にあっては、カーテンが完全に下ろされた状態においては、該カーテンが垂直方向で完全に延び切って平面状を呈するものが一般的であった。かかるカーテン装置によるときは、下ろされたカーテンの外観が単調となる問題があった。
【0003】
このような問題点を解決せんとして、実公平6−46384号公報が開示するカーテン用テープが提案されている。該カーテン用テープはカーテン生地に縦方向に縫着されるテープ基材に、その長さ方向に、例えば2〜5cm程度の間隔で交絡箇所(紐挿通部)を設けると共に、絞用糸条(引き紐)を、テープ基材の長さ方向に配置されている前記各交絡箇所(紐挿通部)に挿通させた構成を有していた。そして前記カーテン用テープをカーテン地の長さ方向に縫着した状態で、前記絞用糸条(引き紐)の一部をテープ基材から引き出してテープ基材よりも短くし、その長短差に応じてテープ基材に生ずるU字状乃至V字状に屈曲した横皺を長さ方向に絞り集めて横襞を形成し、この状態をフックで固定することにより、下ろされたカーテンの外観を前記横襞で装飾するものであった。
【0004】
しかしながら、かかる構成のカーテン用テープによるときは、前記絞用糸条(引き紐)の引き絞りによって、隣り合う交絡箇所(紐挿通部)間に形成されたU字状に屈曲する横皺の集合によって横襞を形成することはできるが、該横皺の突出長さは、隣り合う交絡箇所(紐挿通部)の間隔によって一律に決まってしまうものであり、絞り集められた横皺の大きさを種々に変化させるということができず、下ろされた状態にあるカーテンの外観を種々の襞状装飾部によって変化させるということができない問題があった。
【0005】
なお、カーテンに、大きさの異なる小襞を寄せ集めてなる襞状装飾部を縫製により形成することは可能であるが、このような縫製手段によるときは多大の手間を要し、カーテンの製造コストの上昇を招く問題があった。
【0006】
又、絞用糸条(引き紐)が、間隔を置いて配置された交絡箇所(紐挿通部)を挿通するため、該交絡箇所間で絞用糸条が露出状態にある。かかることから、該露出状態にある絞用糸条が物に引っ掛かる問題もあった。
【特許文献1】実公平6−46384号公報(第2頁、図1−2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決し得る引上げ式カーテン用のループ付織物テープの提供を課題とするものであり、より具体的には、引き紐の簡易な引き絞り操作によって、各種形態の小襞が密集状態に寄せ集められてなる種々の襞状装飾部をカーテン面に能率的に且つコスト低減を図って形成可能とする引上げ式カーテン用のループ付織物テープの提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
即ち本発明に係る引上げ式カーテン用のループ付織物テープ(以下ループ付織物テープという)は、折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、織物として形成されたテープ基材の表面に、長さ方向に所要間隔で、該テープ基材を形成する縦糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされている。又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材にその長さ方向に且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係るループ付織物テープのより具体的な態様は、折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、織物として形成されたテープ基材の表面の長手中央線に沿って、所要間隔で、前記テープ基材を形成する経糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされている。又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材の長手中央線に沿って且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とするものである。
【0010】
又本発明に係るループ付織物テープのより具体的な他の態様は、折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、織物として形成されたテープ基材の表面の一側縁寄りにおいて、該一側縁に沿って、所要間隔で、前記テープ基材を形成する経糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされている。又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材の前記一側縁に沿って且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とするものである。
【0011】
又前記各ループ付織物テープにおいて、前記テープ基材の裏面を平坦面に形成するのがよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は以下の如き優れた効果を奏する。
(1)本発明に係るループ付織物テープによるときは、これがカーテンに上下方向で取着されることにより、隣り合うループ間を繋ぐように連続状態に形成された紐挿通部に挿通せしめられた引き紐を、開口で引き出して引き絞ることにより、引き紐の引き絞りの程度に応じて、突出の程度や突出部分の長さが異なる種々の小皺をテープ基材の長さ方向に寄せ集められた状態で形成でき、多様な襞状装飾部をカーテンに形成できる。
このように本発明によるときは、前記従来のループ付織物テープにおけるような単一形態の襞の集合からなる襞状装飾部ではなく、大小様々の小襞の集合からなるデザイン的に多様な襞状装飾部を形成できる利点がある。
そしてこれらの襞状装飾部は、引き紐の引き絞り操作だけによって形成できるため、従来のように縫製手段によって襞状装飾部を形成する場合に比し、その形成が容易である。
【0013】
(2)又本発明に係るループ付織物テープは、引き紐の引出し口となる開口を、各ループの近傍において前記紐挿通部に設けているので、引き絞った引き紐の端部の固定のために例えば図7に示すように該開口部分で引き紐を結んで結び玉を形成したとき、該結び玉が、テープ基材から突出状態にあるループに近接して配置されることとなる。かかることから、該結び目が目立ちにくい利点がある。
又、各ループの近傍に開口を設けているため、両端の開口の選択の仕方(隣り合う開口の選択や1つ飛び等の間隔を置いた開口の選択等)によって、該両端の開口間に所要形態の襞状装飾部を形成できる。
【0014】
(3)又本発明に係るループ付織物テープは、引き紐が、前記開口を除いて略全体が紐挿通部に内蔵されているため、絞用糸条が、間隔を置いて配置された交絡箇所を挿通する前記従来のカーテン用テープとは異なり、交絡箇所間で露出する絞用糸条が物に引っ掛かる等の従来の問題点を解消できる。
【実施例1】
【0015】
図1〜2、図3〜4、図5において本発明に係るループ付織物テープ1は、例えばポリエステル糸を用いて形成されており、図20に示すような折返し部2が多段に形成される状態で引上げられる引上げ式カーテン3を構成するに際し、その裏面5をカーテン裏面6に当接させた状態で該カーテン4に取着されるものであり(図2)、織物として形成されたテープ基材7の表面9に、その長手中央線に沿って、所要間隔で、織物組織を有するループ11が突出形成されている。又、前記テープ基材7の前記表面9に、その長さ方向に引き紐12が配置され、該引き紐12は、該テープ基材7の長手中央線に沿って且つ隣り合うループ11,11間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部13に挿通せしめられている。そして該紐挿通部13には、前記引き紐12の引出し口となる開口15が、本実施例においては、前記各ループ11の、テープ基材長さ方向で見た一側近傍に設けられている。そして該引き紐12を該開口15から引き出して引き絞ることにより、図6〜7に示すにように、所要形態の小皺16がテープ基材7の長さ方向に寄せ集められた状態を形成でき、これによって図6〜8、図9に示すように、前記カーテン4に、小襞の集合からなる所要形態の襞状装飾部18を形成可能となされている。
【0016】
図10〜14は、本発明に係るループ付織物テープ1の組織を説明する説明図であり、前記テープ基材7の両端で順次折り返される横糸20と縦糸21とが交錯されている。該横糸20は、前記紐挿通部13が形成されるテープ基材7の長手中央部分19においては、直線状を呈する裏側横糸部20aと弧状を呈する表側横糸部20bが交互に配置されている。そして図11に示すように、該裏側横糸部20aが、第1縦糸21aと交錯せしめられると共に、該長手中央部分19の両側部分では、第2縦糸21bが直線状の両側横糸部20cに交錯せしめられている。又図12に示すように、該表側横糸部20bが、第1縦糸21aと交錯せしめられると共に、該長手中央部分19の両側部分では、第2縦糸21bが直線状の両側横糸部20cに交錯せしめられている。
【0017】
又図13は、前記ループ11を形成する組織を説明する説明図であり、前記第2縦糸21bの進行が停止された状態で前記第1縦糸21aのみを進行させ、前記横糸20と該第1縦糸21aのみを交錯させることによって管状織物組織としての前記ループ11が形成されている。そして該ループ11の形成が完了した後、前記第1縦糸21aと前記裏側横糸部20a及び前記表側横糸部20bとが交錯せしめられ、且つ、前記第2縦糸21bと前記両側横糸部20cとが交錯せしめられて、前記テープ基材7と前記紐挿通部13とが一体に製織されている。そして本実施例においては、該紐挿通部13の形成と同時に該紐挿通部13に前記引き紐12が挿入状態とされ、前記ループ11の根元側においては、該引き紐12が前記第1縦糸21aのうちの裏側に存するものの間を通過してテープ基材7の裏側に露出している。このように形成されたループ付織物テープ1の各ループ11には、必要に応じ、図3、図7に示す如く円環状の案内リング27が取り付けられる。
【0018】
図14は、前記開口15を形成する組織を説明する説明図であり、該開口15の長さに相当する部分、例えば10mm程度の長さの部分においては、直線状に変わった前記表側横糸部20b及び前記裏側横糸部20aが、前記引き紐12の裏面側で、前記第1縦糸21aと交錯せしめられ、該開口15で前記引き紐12が露出状態となっている。
【0019】
このように構成されたループ付織物テープ1は、例えば図15に示す如く、引上げ式カーテン3を形成するカーテン4の裏面適部位に縫着、溶着等の手段によって取着される。図15においては、2本のループ付織物テープ1,1がカーテン4の裏面6の両側に寄せて取着されている。
【0020】
その取着は、該ループ付織物テープ1のテープ基材7の裏面5をカーテン裏面6に当接させた状態で、例えば図2に示すように、該テープ基材7の長手両側部分29,30で該カーテン4に縫着31して行う。なお各ループ11には、縫着に先立って前記案内リング27を取り付けておく。
【0021】
この状態のカーテン4に、図6〜9に示すように、前記ループ付織物テープ1が存在する部分で前記襞状装飾部18,18を形成する。該襞状装飾部18を形成する要領は、例えば図7〜8に示すように、ループ付織物テープ1に設けられている上下隣り合う開口15a,15b間において、前記紐挿通部13に挿通状態にある前記引き紐12を引き絞ることによって行う。
【0022】
そのために本実施例においては、図6、図8、図16に示すように、上の開口15aにおいて、前記引き紐12をカーテン4に縫製により固定する。その後、前記下の開口15bから引き紐12を引き出すことによって、上下の開口15a,15b間に存する紐挿通部13を引き絞る。これにより図16に示すように、該紐挿通部13に小皺16が寄せ集められた状態になるが、前記のように、テープ基材7がその全長に亘ってカーテン4に取着されていることから、図6、図9、図16に示すように、カーテン4に、テープ基材7の長さ方向に小襞17を寄せ集め状態に形成でき前記襞状装飾部18を形成できることになる。
【0023】
引き紐12を所要に引き絞ると、図16に示すように、前記下の開口15bから引き紐12がループ状に突出する。その後、該突出したループ状部分39を図17に示すように結んで結び玉40を形成する。該結び玉40の大きさは、前記下の開口15bよりも上側に位置する紐挿通部13の下端開放部41を通過できない程度とする。その後図7〜8に示すように、前記結び玉40を残して前記ループ状部分39を切断する。これにより、襞状装飾部18の形成作業が完了する。
【0024】
なお本実施例においては、カーテン4の両側部分で襞状装飾部18が形成されるため、図18〜19に示すように、該襞状装飾部18,18が存在する部分でカーテン両側部分42,42が内側縁部で窪んだ状態となって襞状が変形され、下ろされたカーテンのデザイン上のアクセントとなっている。そして本実施例においては、左右の襞状装飾部18,18が略同高さに存するため、該襞状装飾部18,18間において、カーテン4が、図19に示すように下に突の波打ち襞状模様43を形成している。
【0025】
なお、カーテンの両側が前記のように内側に窪んだ状態とならないように、即ち、カーテンの両側縁部が、襞状装飾部18を形成した状態でも略直線状を呈するように、該襞状装飾部18に対応する部分でカーテン4を外側に膨らんだ形態に形成しておくこともできる。
【0026】
このようにして襞状装飾部18が形成されたカーテン4を形成して後、図20に示すように、その上縁部分に設けられた一方の面状ファスナ45を操作ボックス46の前面に設けられた他方の面状ファスナ47に係着することによって該カーテン4を該操作ボックス46に取着し、カーテン4が垂れた状態とする。本実施例においては、垂れた状態のカーテン4の両側の上側部分と下側部分に前記襞状装飾部18が形成されている。なお、該カーテン4の下端部分は袋状に形成され、図15に示すように、該袋部49内にウエイトバー50が収容されている。
【0027】
然して、図18、図20に示すように、引上げ式カーテン3の上げ下げを操作する操作紐32を前記案内リング27に挿通せしめると共にその下端部33をカーテン4の下端側51に固定し、或いは、最下端に位置する案内リングに固定或いは係合せしめ、且つ、カーテン上端に設けられた操作ボックス46における巻上げ装置52によって該操作紐32を巻上げ、巻戻し操作可能とする。これにより、該操作紐32の操作に応じて上げ下げされる引上げ式カーテン3が構成されることとなる。
【0028】
図18〜19は、該引上げ式カーテン3が下ろされた状態を示すものであり、前記操作紐32を巻き上げると、カーテン4は図20に示す如く、折返し部2が多段に形成された状態で引上げられることとなる。
【実施例2】
【0029】
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
【0030】
(1)図21は本発明に係るループ付織物テープ1の他の実施例を示すものであり、テープ基材7の一側53に寄せて前記紐挿通部13を設けた場合を示すものである。
このように構成することにより、テープ基材7をカーテン4に取着するに際し、該テープ基材の長手中央線に沿う縫製部54の1か所だけ縫製31を行えばよい利点がある。
【0031】
(2)前記開口15は、前記ループ11の両側に設けてもよい。
【0032】
(3)図22は、引き紐12の引き絞りの程度を変化させて形成された襞状装飾部18の他の態様を示すものである。
【0033】
(4)前記引き紐12の引き絞りに際しては、前記とは逆に、前記下の開口15bにおいて引き紐12をカーテン4に縫着してもよい。又引き紐12の引き絞り工程は、前記したものに限らず、上下の開口間で引き絞るものであれば各種の仕方で行なうことができる。
【0034】
(5)前記ループは、管状織物組織としての他、平織物組織等として形成されることもある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係るループ付織物テープをその使用状態で示す斜視図である。
【図2】その部分拡大図である。
【図3】本発明に係るループ付織物テープをその表側から見た斜視図である。
【図4】その部分拡大図である。
【図5】ループ付織物テープを裏側から見た斜視図である。
【図6】引き紐の引き絞りによって形成された襞状装飾部を示す斜視図である。
【図7】その部分拡大図である。
【図8】その側面図である。
【図9】その斜視図である。
【図10】ループ付織物テープの組織を説明する斜視図である。
【図11】ループ付織物テープの挿通部の組織を説明する斜視図である。
【図12】ループ付織物テープの挿通部の組織を説明する斜視図である。
【図13】ループ付織物テープのループ部分の組織を説明する斜視図である。
【図14】ループ付織物テープの開口部分の組織を説明する斜視図である。
【図15】カーテンの裏面両側にループ付織物テープを縫着した状態を示す斜視図である。
【図16】該縫着状態で引き紐を引き絞って、下の開口で引き紐をループ状に突出させた状態を示す側面図である。
【図17】突出したループ状部分に結び玉を形成した状態を示す側面図である。
【図18】ループ付織物テープの引き絞りによって形成された襞状装飾部を具えるカーテンを用いて構成された引上げ式カーテンをその裏側で示す斜視図である。
【図19】その表側で示す斜視図である。
【図20】引上げ式カーテンを稍引上げた状態を示す側面図である。
【図21】本発明に係るループ付織物テープの他の実施例をその使用状態で示す斜視図である。
【図22】引き紐の引き絞りによって形成された襞状装飾部の他の態様を示す側面図である。
【符号の説明】
【0036】
1 ループ付織物テープ
2 折返し部
3 カーテン
7 テープ基材
11 ループ
12 引き紐
13 紐挿通部
15 開口
16 小皺
18 襞状装飾部
20 横糸
21 縦糸
27 案内リング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、
織物として形成されたテープ基材の表面に、長さ方向に所要間隔で、該テープ基材を形成する縦糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされており、
又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材にその長さ方向に且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とする引上げ式カーテン用のループ付織物テープ。
【請求項2】
折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、
織物として形成されたテープ基材の表面の長手中央線に沿って、所要間隔で、前記テープ基材を形成する経糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされており、
又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材の長手中央線に沿って且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とする引上げ式カーテン用のループ付織物テープ。
【請求項3】
折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、
織物として形成されたテープ基材の表面の一側縁寄りにおいて、該一側縁に沿って、所要間隔で、前記テープ基材を形成する経糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされており、
又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材の前記一側縁に沿って且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とする引上げ式カーテン用のループ付織物テープ。
【請求項4】
前記テープ基材の裏面は平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の引上げ式カーテン用のループ付織物テープ。
【請求項1】
折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、
織物として形成されたテープ基材の表面に、長さ方向に所要間隔で、該テープ基材を形成する縦糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされており、
又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材にその長さ方向に且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とする引上げ式カーテン用のループ付織物テープ。
【請求項2】
折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、
織物として形成されたテープ基材の表面の長手中央線に沿って、所要間隔で、前記テープ基材を形成する経糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされており、
又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材の長手中央線に沿って且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とする引上げ式カーテン用のループ付織物テープ。
【請求項3】
折り返し部が多段に形成される状態で引き上げられる引上げ式カーテンを構成するに際してカーテンに取着される引上げ式カーテン用のループ付織物テープであり、
織物として形成されたテープ基材の表面の一側縁寄りにおいて、該一側縁に沿って、所要間隔で、前記テープ基材を形成する経糸を用いて織物組織を有するループが突出形成されてなり、該ループは、引上げ式カーテンの上げ下げを操作する操作紐を挿通させるために、或いは該操作紐を挿通させ得る案内リングを取り付けるために利用可能となされており、
又前記テープ基材の前記表面に、該テープ基材の長さ方向に引き紐が配置され、該引き紐は、該テープ基材の前記一側縁に沿って且つ隣り合う前記ループ間を繋ぐように連続して形成された紐挿通部に挿通せしめられており、又該紐挿通部には、前記引き紐の引出し口となる開口が各ループの近傍に設けられており、該引き紐を引き絞ることによって、所要形態の小皺を前記テープ基材の長さ方向に形成でき、これによりカーテンに襞状装飾部を形成可能となされていることを特徴とする引上げ式カーテン用のループ付織物テープ。
【請求項4】
前記テープ基材の裏面は平坦面に形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の引上げ式カーテン用のループ付織物テープ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−285(P2006−285A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178306(P2004−178306)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(392026833)株式会社米澤物産 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(392026833)株式会社米澤物産 (3)
【Fターム(参考)】
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