説明

引戸連動装置

【課題】引戸の戸幅に応じて長さ寸法を柔軟に変更することができ、汎用性や設置時の取り扱い性をより向上させる。
【解決手段】引戸上端部に取り付けられ隣接引戸に係合してこの引戸と連動開閉する。基体2とプーリ5〜9と無端状ワイヤ10とスライダ11とを備える。基体2は、第1基体3とこれにスライド可能に取り付けられる第2基体4とを有し、開閉方向に伸縮できる。プーリ5〜9には、第1基体3の左右両端部に取り付けられた第1および第2外側プーリ5,7と、第2基体4の左側端部に取り付けられた第2外側プーリ7と、このプーリ6よりも右側で第1内外両プーリ5,7間の第2基体4に取り付けられた第2内側プーリ8とを含む。ワイヤ10は、第2内側プーリ8から第1内外両プーリ7,5に順に掛け回されて第2外側プーリ7に延びる。スライダ11は第1及び第2外側プーリ5,7間に架け渡された無端状ワイヤ10に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物や家具などの構造物の開口部を複数枚の引戸で開閉する場合に、開閉操作に伴って引戸を連動させる引戸連動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物などにおける開口部においては、間口の有効利用等のため、引戸を複数枚設けることがある。このように複数枚の引戸を設けた場合には、一枚一枚の引戸を開閉操作することが面倒である等の理由から、一枚の引戸の開閉操作に伴い他の引戸を連動させる引戸連動装置が設置されるものが見受けられるようになっている。
【0003】
このような引戸連動装置の中に、引戸連動機構をユニット化して取り扱い利便性を高めたものがある(特許文献1参照)。
【0004】
具体的には、この引戸連動装置は、引戸の開閉方向に沿って延びるとともにこの引戸の上端面または下端面に掘込みして取り付けられる掘込ベースと、掘込ベースの内部の長手方向両端部にそれぞれ回転自在に設けられるプーリと、これらのプーリ間に掛け渡される無端状ワイヤと、このワイヤに固定され隣接引戸に係合されるスライダとが一体組付されてユニット化されたものが知られている。
【0005】
この引戸連動装置においては、このユニットを例えば3枚引戸のうち真ん中の引戸に掘込み設置して、プーリ間に掛け渡されたワイヤのそれぞれに固定されたスライダを前後の引戸に係合させるだけで、これらの3枚の引戸を連動開閉することができ、設置時の取り扱い性、汎用性、操作性を向上させることができる点で有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−82933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、開口部の間口は、住宅事情等により様々あり、またこの開口部に嵌め込まれる引戸の戸幅や枚数も状況に応じて広狭種々存在する。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1記載の引戸連動装置においては、ユニット化されている点で便利ではあるものの、掘込ベースの長さが決まっているので、引戸の戸幅に応じて種々の寸法の装置を用意しなければならず、汎用性の面で十分に満足のいくものではなかった。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、引戸の戸幅に応じて柔軟に対応することができ、汎用性や設置時の取り扱い性をより向上させた引戸連動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、この発明に係る引戸連動装置は、引戸に取り付けられ隣接する引戸に係合してこの隣接引戸と連動開閉する装置であって、上記引戸の開閉方向に沿って延びる筒状の基体と、この基体の内部に収納された複数のガイド体と、これらの複数のガイド体の間に移動可能に張設された無端状体と、この無端状体に固定され上記隣接引戸に係合されるスライダとを備えた引戸連動装置において、上記基体は、第1基体と、この第1基体に対して上記開閉方向にスライド移動可能に取り付けられる第2基体とを有することにより、上記開閉方向に伸縮可能に構成され、上記複数のガイド体には、上記第1基体の外側端部に取り付けられた第1外側ガイド体と、この第1外側ガイド体よりも内側の第1基体に取り付けられた第1内側ガイド体と、上記第2基体の外側端部に取り付けられた第2外側ガイド体と、この第2外側ガイド体よりも内側であって上記第1内側及び外側ガイド体の間における第2基体に取り付けられた第2内側ガイド体とを少なくとも含み、上記無端状体は、上記第1及び第2の内外両ガイド体における張設ついて、第2内側ガイド体から第1内側ガイド体に延び、この第1内側ガイド体及び第1外側ガイド体に順に掛け回されることによりそれぞれ反対方向に折り返されて第2外側ガイド体に延びており、上記スライダは、第1及び第2外側ガイド体間に架け渡された上記無端状体に取り付けられていることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、筒状の上記基体は、第1基体と、この第1基体に対して上記開閉方向にスライド移動可能に取り付けられる第2基体とを有することにより、上記引戸の開閉方向に伸縮可能に構成されているので、引戸の戸幅に応じて基体を伸縮することによりこの戸幅に柔軟に対応することができ、汎用性及び設置時の取り扱い性をより高めることができる。
【0012】
このように基体を伸縮させた場合には、スライダの可動範囲をも伸縮させる必要があるが、この発明によれば、上記のように、4個のガイド体が所定位置に取り付けられているとともにこれらのガイド体に無端状体が張設され、スライダが第1及び第2外側ガイド体間に架け渡された無端状体に取り付けられているので、スライダの可動範囲である第1及び第2外側ガイド体間に架け渡された無端状体(厳密には無端状体の対応部位)の長さをも適切に調節することができる。すなわち、基体の伸縮に伴い、第1及び第2内側ガイド体の相対位置関係が接離(例えば基体の伸長に伴い接近)するとともに、これとは逆に第1及び第2外側ガイド体の相対位置関係が離接(例えば基体の伸長に伴い離反)する。従って、例えば、基体の伸長に応じて、第1及び第2内側ガイド体間の無端状体の対応部位が短くなり、その分、第1及び第2外側ガイド体間の無端状体の対応部位が長くなり、基体収縮時は逆に作用し、これにより第1及び第2外側ガイド体間に架け渡された無端状体の長さをも適切に調節することができる。
【0013】
このように、本発明によれば、引戸の戸幅に応じて基体を伸縮することができ、この伸縮に応じてスライダの可動範囲も適切に伸縮することができるので、引戸の戸幅に柔軟に対応することができ、引戸の戸幅に応じて種々の寸法設定の装置を用意する必要がなく、汎用性や設置時の取り扱い性をより高めることができる。
【0014】
ここで、上記複数のガイド体は、上記第1及び第2内側ないしは外側ガイド体の4個のガイド体だけにより構成されているものだけではなく、これらの4個のガイド体における張設経路の途中、或いは該張設経路と外れた部分に他のガイド体、例えば無端状体の張力増幅用等のガイド体を設けることを排斥するものではない。このように他のガイド体を設ける場合には、例えば、上記複数のガイド体には、上記第2外側ガイド体と第1内側ガイド体との間における第2基体に取り付けられた付設ガイド体を含み、上記無端状体は、一端部が上記第2内側ガイド体に掛けられ、他端部が上記第2外側ガイド体に掛け回されることにより反対方向に折り返されて上記付設ガイド体に掛けられるように構成されるのが好ましい。
【0015】
例えば、上記無端状体の他端部の輪状部分が上記第2外側ガイド体に掛けられている場合には、無端状体は、第1及び第2外側ガイド体間において一方経路部分と他方経路部分とが第2外側ガイド体の大きさに応じて第1外側ガイド体から二手に分かれることになる。このため、無端状体の各経路部分のそれぞれにスライダを取り付けた場合には、その位置(高さ方向または幅方向の位置)がずれることになり、このずれを修正するべく別途工夫が必要になる。しかしながら、上記のように構成すれば、無端状体の一端部の輪状部分は第2内側ガイド体に掛けられ、無端状体の他端部の輪状部分は付設ガイド体に掛けられているので、第1及び第2外側ガイド体間の無端状体の各経路部分の高さ方向(または幅方向)の位置関係を揃えることができる。このため、上記のように構成すれば、簡単な構成で無端状体の円滑な移動を確保でき、スライダと隣接引戸との適切な係合状態を一層確実に確保することができる。
【0016】
この場合、上記付設ガイド体は、他のガイド体と同様に構成されるものであってもよいが、上記付設ガイド体は、上記第2内側ガイド体側に付勢されることにより上記無端状体の張力を調節可能に構成されているのが好ましい。
【0017】
このように構成すれば、第1及び第2外側ガイド体間の無端状体に取り付けられたスライダの可動に影響を与えることなく、無端状体の張力を略一定に保つことができ、無端状体の移動を円滑に行うことができる。なお、第1及び第2外側ガイド体間に他のガイド体、例えば張力調整用ガイド体を配設してもよいが、この場合にはスライダの可動に影響を与えないように別途の工夫が必要になる。
【0018】
上記ガイド体は、無端状体に対して係合してその移動を円滑にガイドできるものであれば、具体的な構成を特に限定するものではなく、例えば無端状体に対して円滑に摺接する低摩擦体(例えば低摩擦円筒体)などを使用してもよいが、上記ガイド体は、上記基体に回転自在に取り付けられたプーリであるのが好ましい。
【0019】
またこの場合、上記プーリのうち、上記無端状体の途中経路におけるプーリは、軸心方向に重ね合わされるとともに各々に上記無端状体の各部位(一方経路部分と他方経路部分)が掛け回されて独立して回転可能な2連プーリであるのが好ましい。
【0020】
これらのように構成すれば、無端状体の円滑な移動を比較的簡単に構成することができる。
【0021】
また、上記基体は第1及び第2基体により伸縮可能に構成されていればその具体的構成について特に限定するものではないが、例えば、上記基体は、長手方向に半割構成された内外両筒状部を有し、上記第1基体は、上記基体の一方の半割内筒状部と、この半割内筒状部に対向する一方の半割外筒状部とを備え、これらの一方の半割内外両筒状部が上端部又は下端部の一部において連結されることにより筒状に構成され、上記第2基体は、上記基体の他方の半割内筒状部と、この半割内筒状部に対向する他方方の半割外筒状部とを備え、これらの他方の半割内外両筒状部が上端部又は下端部の一部において連結されることにより筒状に構成され、上記スライダは、上記基体の収縮状態において、第1または第2基体の上記半割内筒状部及び第2または第1基体の半割外筒状部の双方に当接して位置決めされているのが好ましい。
【0022】
このように構成すれば、基体を伸長させた場合でも、スライダはいずれかの基体の半割内筒状部または半割外筒状部に当接して、位置決めすることができ、この位置決めによりスライダの移動を確実かつ簡単にガイドすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る引戸連動装置によれば、引戸の戸幅に応じて基体を伸縮することができ、この伸縮に応じてスライダの可動範囲も適切に伸縮することができるので、引戸の戸幅に柔軟に対応することができ、引戸の戸幅に応じて種々の寸法設定の装置を用意する必要がなく、汎用性及び設置時の取り扱い性をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の引戸連動装置が適用される引戸の概略を示す斜視図である。
【図2】基体を収縮した状態で同装置を示す縦断面図である。
【図3】同装置の第1基体側を分離して示す縦断面図である。
【図4】同装置の第2基体側を分離して示す縦断面図である。
【図5】図2のV−V線断面に対応する同装置の取付け状態の横断面図である。
【図6】同装置の第1基体を分解した状態で示す斜視図である。
【図7】(a)は同装置の第1基体を示す平面図であり、(b)は同基体を示す正面図である。
【図8】同装置の第2基体を分解した状態で示す斜視図である。
【図9】同装置のスライダの主要部材を示す正面図である。
【図10】基体を伸長した状態で同装置を示す縦断面図である。
【図11】基体の伸縮を概念的に示した説明図であり、(a)は基体収縮状態を示し、(b)は基体伸長状態を示す。
【図12】同装置を4枚引戸に適用した場合の図5に対応する断面図である。
【図13】同装置の変形例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態の引戸連動装置は、上端部がガイドレールに案内支持される吊下式引戸について適用したものであるが、非吊下式の引戸等、複数枚の引戸があればその他引戸にも当然に適用することができる。
【0026】
図1は、本実施形態の引戸連動装置が適用される引戸構造を示す。なお、以下、便宜上、各図における+X方向を右方向、+Y方向を後方向、+Z方向を上方向として説明するが、これらの方向の表現については特に限定されるものではなく、単に本実施形態の装置における相対的な位置関係を表したものである。
【0027】
この引戸構造は、開口部に隣接する壁Wの前側に前方開放型の戸袋が設置され、この戸袋から2枚の引戸D1,D2が引き出されることにより開口部が閉塞されるものである。これらの引戸D1,D2は、全開状態で戸袋において完全に重複する状態に配置されており、全閉状態においても一部が重複する状態で配置されている。またこれらの引戸D1,D2は、それぞれ上端部に左右一対のガイドローラRが設けられ、このガイドローラRが、開口部の上部枠に取り付けられたガイドレール(不図示)に案内支持されて開口部を開閉する。これらの引戸D1,D2のうち、壁W側の引戸D2の下端部に、引戸D2の開閉方向(以下単に「開閉方向」という場合には引戸D2の開閉方向をいう)に沿った収納溝部が設けられ、この収納溝部に本実施形態の引戸連動装置1が収納状態に取り付けられている。なお、引戸D1には、図1に示すように、開閉操作用の取手D11が設けられている。
【0028】
図2は後述するように基体2の収縮状態で引戸連動装置を示す縦断面図であり、図3、図4は同装置の後述する第1基体側又は第2基体側を分離して示す縦断面図である。また、図5は、図2のV−V線断面に対応する同装置の取付け状態の横断面図である。
【0029】
この引戸連動装置1は、隣接する引戸D1に係合するとともに壁Wに係合して、隣接引戸D1の開閉操作に伴って引戸D2を連動開閉するものである。引戸連動装置1は、その基本構成として、開閉方向に沿って延びる基体2と、この基体2の内部に収納された複数プーリ5〜9(ガイド体に相当)と、これらのプーリ5〜9間に移動可能に張設された無端状ワイヤ10(無端状体に相当)と、このワイヤ10に固定され隣接引戸D1または壁Wに係合されるスライダ11,11とを備え、これらの基本構成2,5〜11がユニット化されている。
【0030】
基体2は、横断面視において縦長偏平矩形状の長尺筒状体であり、引戸D2の下端部に開閉方向に沿って設けられた収納溝部D12(図5参照)に収納される。この基体2は、開閉方向(引戸D2の戸幅方向)に伸縮可能に構成されている。
【0031】
すなわち、本実施形態の基体2は、内外2重筒状構造となっており、内外の各筒状部が、それぞれ長手縦方向に半分に分割されて、後方側の半割内筒状体及び前方側の半割外筒状体とが上端部の一部において連結された第1基体3と、前方側の半割内筒状体及び後方側の半割外筒状体とが上端部の一部において連結された第2基体4とを備え、これらの第1および第2基体3,4が、開閉方向に相対的に移動可能に取り付けられることにより伸縮可能に構成されている。以下、具体的に説明する。
【0032】
すなわち、基体2は、開閉方向に沿って延びる長尺筒状の第1基体3と、この第1基体3に対して開閉方向にスライド移動可能に取り付けられる長尺筒状の第2基体4と、基体2の両端部に対応する第1及び第2基体3,4の一端部に取り付けられたエンドキャップ12とを有する。これらの第1及び第2基体3,4は、基体2の収縮状態において、図2に示すように、全長(開閉方向の長さ)において重なり合うように構成されているとともに、基体2の伸長状態において、図10に示すように、それぞれ近接端部が重なり合うように構成されている。
【0033】
本実施形態では、上記のように、第1基体3と第2基体4とが略同様に構成されているため、まず第1基体3について説明し、続いて第2基体4について第1基体3と異なる点を含めつつ一部省略して説明する。
【0034】
図6は、第1基体を示す分解斜視図である。図7の(a)は第1基体の分解平面図であり、(b)は同基体の分解正面図である。
【0035】
第1基体3は、上記後方側の半割内筒状体を構成する第1半割内フレーム31(一方の半割内筒状部に相当)と、上記前方側の半割外筒状体を構成する第1半割外フレーム32(一方の半割外筒状部に相当)とを備え、これら31,32が対向配置されて上端部の一部において連結されることにより下方が溝状に開放された筒状に構成されている。
【0036】
具体的に、第1半割内フレーム31は、図6及び図7(b)に明示するように、正面視において略逆コ字状を呈する。すなわち、第1半割内フレーム31は、上下方向に延びる側壁部31aと、この側壁部31aの上端から前方に突出する上フランジ部31bと、この上フランジ部31bから更に前方に突出する一端側及び他端側連結舌片31c,31eと、側壁部31aの下端から前方に突出する下フランジ部31dとを備える。
【0037】
一端側連結舌片31cと他端側連結舌片31eとは、この第1半割内フレーム31と第1半割外フレーム32とを連結するためのものである。
【0038】
図7(b)に明示するように、第1半割内フレーム31の長手方向について、一端側連結舌片31cは、第1半割内フレーム31の左端部から突設され、他端側連結舌片31eは、第1半割内フレーム31の右端から上記長手方向について所定の長さ左側に変位した部分から突設されている。この長手方向の変位量は、後述する第2基体4の一端側連結舌片41c,42cの長さに対応して設定され、本実施形態では、この一端側連結舌片41c,42cの長さ(左右方向の寸法)に略一致するように設定されている。
【0039】
また、一端側連結舌片31cと他端側連結舌片31eの突出量は、後述する第2半割内フレーム41の上フランジ部41bを考慮して設定され、基体2の収縮状態において該上フランジ部41bに干渉しないようになされている。
【0040】
一方、第1半割外フレーム32は、図6及び図7(b)に明示するように、正面視において略コ字状を呈する。すなわち、第1半割外フレーム32は、上下方向に延びる側壁部32aと、この側壁部32aの上端から後方に突出する上フランジ部32bと、この上フランジ部32bから更に後方に突出する一端側及び他端側連結舌片32c,32eと、側壁部32aの下端から後方に突出する下フランジ部32dとを備える。
【0041】
この第1半割外フレーム32の側壁部32aは、第1半割内フレーム31の側壁部31aに比べて高さ方向の寸法が大きく設定され、各連結舌片31c,32c,31e,32eが各々重合された状態で、第1半割外フレーム32の下フランジ部32dが第1半割内フレーム31の下フランジ部31dよりも下方に配置される。
【0042】
一端側連結舌片32cと他端側連結舌片32eとは、第1半割内フレーム31の連結舌片31c,31eと同様に構成され、これらと同じ範囲及び長さにわたって突設されている。すなわち、図7(b)に明示するように、第1半割外フレーム32の長手方向について、一端側連結舌片32cは、第1半割内フレーム31の一端側連結舌片31cと同様に、第1半割外フレーム32の左端部から突設され、一方、他端側連結舌片32eは、第1半割内フレーム31の他端側連結舌片31eと同様に、第1半割外フレーム32の右端から上記長手方向について所定の長さ左側に変位した部分に突設されている。この変位量、および一端側連結舌片32cと他端側連結舌片32eの突出量については、上記半割内フレーム31の一端側連結舌片31cと他端側連結舌片31eと同様である。なお、上記突出量については、第2半割外フレーム42の上フランジ部42bを考慮して設定されている。
【0043】
これらの第1半割内外両フレーム31,32は、上端部の一部、すなわち各連結舌片31c,32c,31e,32eにおいて連結されている。具体的には、第1半割外フレーム32の各連結舌片32c,32eが、第1半割内フレーム31の対応する各連結舌片31c,31eに上側から重合され、これらが固定具35(例えばねじなど)によって締結されることにより、第1半割内外両フレーム31,32は互いに連結される。
【0044】
なお、図7(b)に二点鎖線で示すように、例えば一端側連結舌片31c,32cにそれぞれ突部31gまたはこの突部31gが挿入される切欠き部32gを設け、これらの突部31g、32gにより第1半割内外両フレーム31,32の連結時に位置決めするようにしてもよい。この点については、後述する第2基体4についても同様である。
【0045】
第1半割内外両フレーム31,32が連結された第1基体3は、上方における長手方向の一部および下方に開口した筒状体として構成されている。具体的には、第1基体3は、各上フランジ部31b,32bの先端が離間配置され、これらの間に、第2基体4の後述する連結舌片41c,42c,41e,42eがスライド移動可能に構成されている。
【0046】
次に、第2基体4について説明する。図8は、第2基体を分解した状態で示す斜視図である。
【0047】
第2基体4は、その基本構成としては垂直軸を中心に第1基体3を180度回転させたものであり、第1基体3と同様に、上記前方側の半割内筒状体を構成する第2半割内フレーム41(他方の半割内筒状部に相当)と、上記後方側の半割外筒状体を構成する第2半割外フレーム42(他方の半割外筒状部に相当)とを備え、これら41,42が上端部の一部において連結されることにより下方が溝状に開放された筒状に構成されている。この第2基体4において、第1基体3と異なる点は、後述する一端側連結舌片41c,42cの長さと、他端側連結舌片41e,42eの突出位置とである。上記第1基体3との重複部分もあるが、この点を含め簡単に説明する。
【0048】
すなわち、第2半割内フレーム41は、図8に示すように、上下方向に延びる側壁部41aと、この側壁部41aの上端から後方に突出する上フランジ部41bと、この上フランジ部31bから更に後方に突出する一端側及び他端側連結舌片41c,41eと、側壁部41aの下端から後方に突出する下フランジ部41dとを備える。
【0049】
図8に示すように、第2半割内フレーム41の長手方向について、一端側連結舌片41cは第2半割内フレーム41の右端部に突設され、第1半割内フレーム31の一端側連結舌片31cに比べて長く設定されている。これは、後述する付設プーリ9を設置するためであり、この付設プーリ9を省略する場合には、第1半割内フレーム31の一端側連結舌片31cと同様に構成してもよい。
【0050】
また、他端側連結舌片41eは第2半割内フレーム41の左端から上記長手方向について所定の長さ変位した部分に突設されている。この変位量は、第1基体3の一端側連結舌片31c,32cの長さに対応して設定され、本実施形態では、この一端側連結舌片31c,32cの長さに略一致するように設定されている。
【0051】
一方、第2半割外フレーム42は、図8に示すように、上下方向に延びる側壁部42aと、この側壁部42aの上端から前方に突出する上フランジ部42bと、この上フランジ部32bから更に前方に突出する一端側及び他端側連結舌片42c,42eと、側壁部42aの下端から前方に突出する下フランジ部42dとを備える。
【0052】
一端側連結舌片42cと他端側連結舌片42eとは、第2半割内フレーム41の連結舌片41c,41eと同様に構成され、これらと同じ範囲及び長さにわたって突設されている。
【0053】
これらの第2半割内外両フレーム41,42は、上端部の一部、すなわち各連結舌片41c,42c,41e,42eにおいて連結されている。これらの第2半割内外両フレーム41,42が連結された第2基体4は、上方の一部および下方に開口した筒状体として構成されている。具体的には、第2基体4は、各上フランジ部41b,42bの先端が離間配置され、基体2の収縮状態において、これらの間に第1基体3の連結舌片41c,42c,41e,42eが配置される。
【0054】
第2基体4を第1基体に対して開閉方向にスライド移動可能に取り付けるには、例えば次のようにして両基体3,4を組み付ける。
【0055】
すなわち、第1基体3の各第1半割内外フレーム31,32を組み付ける際に、長手方向についてこれらの左右の連結舌片31c,32c,31e,32eの間に、他端側連結舌片42eが位置するように第2基体4の半割内フレーム41を配置する。そして、この半割内フレーム41の一部を収容した状態で、第1基体3の各連結舌片31c,32c,31e,32eを相互に連結する。この状態では、長手方向について第1基体3の左右の連結舌片31c,32c,31e,32eの間であって、前後幅方向について各第1半割内外両フレーム31,32の上フランジ部31b、32bの間に、第2基体4の他端側連結舌片42eが位置し、この他端側連結舌片42eの先端面は上フランジ部31bの先端面に略突き合わされた状態となる。
【0056】
続いて、第1基体3に一部が収容された半割内フレーム41の各連結舌片41c,41eに、第2基体4の半割外フレーム42の対応する連結舌片42c,42eを重合して両者をねじなどの固定具46により連結する。これにより、第1基体3の一端側連結舌片31c、32cと他端側連結舌片31e,32eとの間において、第2基体4の他端側連結舌片41e,42が移動可能であり、この移動範囲において第2基体4は、第1基体に対して開閉方向にスライド移動することができる。
【0057】
この第1および第2基体3,4は、双方が組み付けられた基体2の収縮状態において、図5に一部示すように、第1半割内フレーム31の各連結状片31c、31eが、第2半割内フレーム41の上フランジ部41bに突き合わされた状態となり、逆に第2半割内フレーム41の各連結舌片41c、41eが、第1半割内フレーム31の上フランジ部31bに突き合わされた状態となる。また、第1半割外フレーム32の各連結状片32c、32eが、第2半割外フレーム42の上フランジ部42bに突き合わされた状態となり、第2半割外フレーム42の各連結状片42c、42eが、第1半割外フレーム32の上フランジ部32bに突き合わされた状態となる。
【0058】
一方、エンドキャップ12は、基体2の両端部を閉塞するもので、その具体的構成は特に限定されるものではないが、本実施形態では上記基体2の収縮状態を確保できるように構成されている。具体的には、本実施形態のエンドキャップ12は、一部を第1又は第2基体3,4に嵌入した状態で取り付けられているが、基体2の収縮状態において各基体3,4の半割内フレーム31,41との干渉を回避するために、該半割内フレーム31,41に対応する部位が切り欠かれている(不図示)。
【0059】
次に、基体2に収納された複数プーリ5〜9について説明する。
【0060】
プーリには、第1基体3における一端側連結舌片31c、32cに取り付けられた第1外側プーリ5と、第1基体3における他端側連結舌片31e,32eに取り付けられた第1内側プーリ6と、第2基体4における一端側連結舌片41c、42cに取り付けられた第2外側プーリ7と、第2基体4における他端側連結舌片41e,42eに取り付けられた第2内側プーリ8と、第2外側プーリ7と第1内側プーリ6との間に配置されるとともに第2基体4における一端側連結舌片41c、42cに取り付けられた付設プーリ9とを含む。
【0061】
この結果、第1基体4における長手方向外側端部(図2,3では左端部)に第1外側プーリ5が、この第1外側プーリ5よりも長手方向内側の第1基体3の右端部に第1内側プーリ6が位置する。また、第2基体4の長手方向外側端部(図2,3では右端部)に第2外側プーリ7が、この第2外側プーリ7よりも長手方向内側の近接位置(第2基体4の右端部)に付設プーリ9が、この付設プーリ9よりも更に長手方向内側であって第1内側及び外側プーリ5,6の間における第2基体4の左端部に第2内側プーリ8が位置する。各プーリ5〜9は、いずれも前後方向に沿った軸心を有する。
【0062】
また、各プーリ5〜9の軸の高さ方向の位置関係について、第1および第2外側プーリ5、7の軸は略同じ高さ位置に設けられ、第1および第2内側プーリ6,8および付設プーリ9の軸は略同じ高さ位置に設けられている。本実施形態では、厳密には、無端状ワイヤ10の配索の容易性等の観点から、上側から第2外側プーリ7、第1外側プーリ5、第1および第2内側プーリ6,8、付設プーリ9の順に高さ方向について各軸が並んでいる。なお、第1および第2内側プーリ6,8の軸は同一高さ位置に設けられている。以下、具体的に説明する。
【0063】
第1外側プーリ5と、第2外側プーリ7とは略同様に構成されているので、第1外側プーリ5について説明して、第2外側プーリ7については図3に第1外側プーリ5の符号に対応する符号を付して説明を省略する。
【0064】
第1外側プーリ5は、第1基体3の一端側連結舌片31c、32cに取り付けられる長尺フレーム51と、支軸53を中心に回転自在にこの長尺フレーム51に支持されるプーリホイール52とを備える。
【0065】
長尺フレーム51は、図示を省略しているが、矩形状の天板とこの天板の前後両縁から垂下される前後側壁部とを有する正面視逆U字状を呈する。この長尺フレーム51は、図3に示すように、上下方向について基体2の下部においてプーリホイール52を支持するものであり、第1内側プーリ6や第2内側プーリ8のフレームなどに比べて高さ方向に長尺に設定されている。
【0066】
プーリホイール52は、長尺フレーム51の先端部(下端部)において支軸53(軸心)を介して保持された円形ホイールである。このプーリホイール52は、軸心方向にホイールが重ね合わされた、いわゆる2連プーリであり、各ホイールが独立して回転可能に支軸53に支持されている。2連プーリの各ホイールの周面には、無端状ワイヤ10が掛け回されるV溝が刻設されている。
【0067】
この第1外側プーリ5は、長尺フレーム51の天板が第1基体3の一端側連結舌片31c、32cを連結するための固定具35によって固定されることにより、第1基体3に取り付けられている。
【0068】
第1内側プーリ6は、第1基体3の他端側連結舌片31e、32eに取り付けられる短尺フレーム61と、支軸63を中心に回転自在に短尺フレーム61に支持されるプーリホイール52とを備える。
【0069】
短尺フレーム61は、図示を省略しているが、矩形状の天板とこの天板の前後両縁から垂下される前後側壁部とを有する正面視逆U字状を呈する。この短尺フレーム61は、図3に示すように、上下方向について基体2の上部においてプーリホイール62を支持するものであり、第1外側プーリ5や第2外側プーリ7のフレームなどに比べて高さ方向に短尺に設定されている。
【0070】
プーリホイール62は、短尺フレーム61の先端部(下端部)において支軸63(軸心)を介して回転自在に保持された円形ホイールである。このプーリホイール62は、軸心方向にホイールが重ね合わされた、いわゆる2連プーリであり、各ホイールが独立して回転可能に支軸63に支持されている。2連プーリの各ホイールの周面には、無端状ワイヤ10が掛け回されるV溝が刻設されている。
【0071】
この第1内側プーリ6は、短尺フレーム61の天板が第1基体3の他端側連結舌片31e、32eを連結するための固定具35によって固定されることにより、第1基体3に取り付けられている。
【0072】
第2内側プーリ8は、単一のホイールのプーリであり、ホイールの両側における支軸83に設けられたスペーサ(不図示)により前後方向の位置決めがなされている点を除き、第1内側プーリ6と同様に構成されている。従って、第2内側プーリ8は、図4に示すように、短尺フレーム81とプーリホイール82とを備え、短尺フレーム81の天板が第2基体4の他端側連結舌片41e、42eを連結するための固定具45によって固定されることにより、第2基体4に取り付けられている。なお、このプーリホイール82は、第1内側プーリ6の各ホイールと共通のものが用いられている。
【0073】
付設プーリ9は、左右方向(開閉方向)に長く構成された横長フレーム91と、支軸93を中心に回転自在に横長フレーム91に支持されるプーリホイール92と、横長フレーム91を開閉方向に移動可能に第2基体4の一端側連結舌片41c、42cに取り付けるとともに該横長フレーム91を左方向(第1外側プーリ5側の方向)に付勢する取付ブロック94とを備える。
【0074】
横長フレーム91は、図4に示すように、矩形状の底板91aとこの底板91aの前後両縁から右方向に延出する前後側壁部91bとを有する平面視U字状を呈する。この横長フレーム91は、図4に示すように、上下方向について基体2の上部においてプーリホイール92を支持する。
【0075】
プーリホイール92は、横長フレーム91の先端部(右端部)において支軸93(軸心)を介して回転自在に保持された単一の円形ホイールである。このプーリホイール92の周面には、無端状ワイヤ10が掛け回されるV溝が刻設されている。なお、このプーリホイール92のホイールは、第2内側プーリ8のホイールと共通のものを用いており、支軸93に設けられたスペーサ(不図示)により前後方向の位置決めがなされている。
【0076】
取付ブロック94は、図4に示すように、横断面視偏平矩形状の角柱状であって左右方向に延びるブロック本体94aと、このブロック本体94aの左右端部から上方に延びる左右の角柱状の支柱94b,94cと、右側の支柱94cに支持され左右方向に弾性変形する弾性体95とを備え、側面視(前後方向から見て)略門形状を呈する。この取付ブロック94は、横長フレーム91を弾性体95により左方向に付勢しつつ、左右方向にスライド移動可能に第2基体4に取り付けるものである。
【0077】
具体的には、左右の各支柱94b,94cの上下方向の高さは、横長フレーム91における底板91aの上下方向の高さに略一致するように設定されている。また、ブロック本体94aと左側の支柱94bの前後幅は、第2基体4の一端側連結舌片41c、42cの突出量(前後幅)に略一致するように構成され、右側の支柱94cは、ブロック本体94aに比べて狭幅に構成されるとともに横長フレーム91の前後側壁部91b内面が摺接するように構成されている。すなわち、ブロック本体94aの上面および右側の支柱94cの前後側壁面によって、横長フレーム91が左右方向にスライド可能に案内支持される。
【0078】
右側の支柱94cの下端部における略中央部には、左方に開口する収納孔94dが穿設され、この収納孔94dに弾性体95の一端部が収納されている。この弾性体95は、他端部が横長フレーム91の底板91aにおける右側面に当接され、該横長フレーム91を左方に付勢する。また、この弾性体95は、左右方向に弾性変形するものであればその具体的構成は問わないが、本実施形態では左右方向に軸心を有するつる巻きバネが採用されている。
【0079】
この付設プーリ9は、取付ブロック94が第2基体4の一端側連結舌片41c、42cを連結するための固定具46によって固定されることにより、第2基体4に取り付けられている。
【0080】
具体的には、横長フレーム91が次のように取付ブロック94に組み付けられている。
【0081】
すなわち、横長フレーム91の底板91aを弾性体95の左端部に当接させた状態で、取付ブロック94の左右支柱94b,94c間に配置する。このとき、横長フレーム91の前後側壁部91bの間に取付ブロック94の右側の支柱94cが配置されるとともに、この支柱94cを挟んで底板91aと反対側にプーリホイール92が配置される。そして、この状態で、取付ブロック94を第2基体4の一端側連結舌片41c、42cの下面に配置して、上方から固定具46によって各舌片41c、42cとともに取付ブロック94を取り付ける。これにより、付設プーリ9は、プーリホイール92を左方、すなわち、第2内側プーリ8側に付勢した状態した状態で、第2基体4に取り付けられる。
【0082】
次に、図2、図10および図11を用いて、無端状ワイヤ10について説明する。
【0083】
無端状ワイヤ10は、鋼製ワイヤであり、一本の長尺ワイヤの両端部を連結することにより構成されている。この無端状ワイヤ10は、そのプーリ5〜10に対して張設されており、これらのプーリ5〜10の掛け渡し状態で周回移動可能に構成されている。また、無端状ワイヤ10は、そのプーリ5〜10に対する張設について、図2に示すように、一端部の輪状部分101が第2内側プーリ8に掛け回され、この第2内側プーリ8から順に第1内側プーリ6、第1外側プーリ5、第2外側プーリ7および付設プーリ9に掛け渡され、この付設プーリ9に他端部の輪状部分102が掛け回されている。
【0084】
具体的には、図11に明示するように、無端状ワイヤ10は、一端部101が第2内側プーリ8に掛け回され、この第2内側プーリ8から延びるワイヤ部分103,104が、第1内側プーリ6に対しそれぞれ上側から下側に掛け回されて反対方向に折り返される。この折り返されたワイヤ部分103,104は、第1外側プーリ5に対しそれぞれ上側から下側に掛け回されて更に反対方向に折り返され、それぞれ基体2の下部において第2外側プーリ7に延びる。そして、第2外側プーリ7に延びるワイヤ部分103,104は、それぞれ第2外側プーリ7に対し下側から上側に掛け回されて反対方向に折り返され、無端状ワイヤ10の他端部102が付設プーリ9に掛け回される。他端部102が付設プーリ9に掛け回されることにより、第2外側プーリ7から付設プーリ9にかけて、各ワイヤ部分103,104が分かれて延びている。
【0085】
なお、無端状ワイヤ10の途中経路に配設される第2内側プーリ8、第1および第2外側プーリ5,7は2連プーリであり、ワイヤ部分103,104は別個のホイールに掛け回されている。以下場合により、ワイヤ部分103,104をそれぞれ一方経路部分103、他方経路部分104ということがある。
【0086】
次に、図2,図5,図9を用いてスライダ11について説明する。
【0087】
図9は後述するスライダの一部を分解した状態で示す正面図である。
【0088】
スライダ11は、第1および第2外側プーリ5、7間に掛け渡された無端状ワイヤ10の各経路部分103,104にそれぞれ固定されている。これらのスライダ11のうち、図5に示すように、一方のスライダ11は隣接引戸D1の下部に戸側受け部材13を介して係止され、他方のスライダ11は壁Wの下部に壁側受け部材14を介して係止される。これらの各スライダ11は、同一の構成を有しているので、図5において右側のスライダ11について説明し、左側のスライダ11の説明は省略する。
【0089】
スライダ11は、基体2に摺接してスライダ11の移動をガイドするガイド部材110と、このガイド部材110との間で無端状ワイヤ10を挟着するカバー111と、ガイド部材110と壁側受け部材14とを連結する連結部材15とを備える。
【0090】
ガイド部材110は、合成樹脂の一体成形品であり、左方に開口するワイヤ収容溝110aが左右方向の全長に亘って設けられている。このワイヤ収容溝110aの深さは、上記カバー111との間で無端状ワイヤ10を挟着できる範囲に設定されている。このワイヤ収容溝110a沿いには、左右一対(不図示)の孔部110cが設けられ、カバー111の後述するワイヤ係合部111aが収容されるようになっている。また、ガイド部材110の左側部には、カバー111が嵌合される嵌合部110bが凹設されている。
【0091】
また、ガイド部材110の右側部には、図5および図9に明示するように、第2半割内フレーム41の下フランジ部41dが挿通される第1ガイド溝110dが左右方向の全長に亘って設けられている。詳細には、この第1ガイド溝110dは、下フランジ部41d先端に上方突出リブが設けられているため、この先端部形状に対応して屈曲形成されている。
【0092】
さらに、ガイド部材110の右側部には、第1ガイド溝110dの下方において、第1半割外フレーム32の下フランジ部32dが挿通される第2ガイド溝110eが左右方向の全長に亘って設けられている。詳細には、この第1ガイド溝110eは、下フランジ部32dの先端に下方突出リブが設けられているため、この先端部形状に対応して屈曲形成されている。
【0093】
これらの第1および第2ガイド溝110d,eの奥底面は、基体2の収縮状態において、各下フランジ部41d、32dの先端面の双方に摺接するように構成されている。また、図示していないが、これらのガイド溝110d,110eの左右方向両端部は、テーパー状に拡がって、基体2の伸長状態において第1基体3と第2基体4との重複部分に差し掛かる際に、各下フランジ部41d、32dが該ガイド溝110d,110e内に導入され易くなっている。
【0094】
カバー111は、合成樹脂の一体成形品であり、正面視逆L字状に構成された本体部111bと、本体部111bのガイド部材110側の側面に突設された左右一対(不図示)のワイヤ係合部111aと備える。このワイヤ係合部111aは、上方に鈎状に屈曲されて無端状ワイヤ10を抱持するように構成されている。
【0095】
カバー111は、ワイヤ係合部111aに無端状ワイヤ10を抱持させ、このワイヤ係合部111aが上記孔部110cに収容された状態で、ガイド部材110の嵌合部110bに取り付けられ、この状態でガイド部材110との間で無端状ワイヤ10が挟持される。
【0096】
なお、スライダ11と無端状ワイヤ10との取付は、両者が相対的に移動しないように取り付けられていれば良く、本実施形態のようにガイド部材110とカバー111との間に無端状ワイヤ10を挟持するものに限らず、例えば無端状ワイヤ10に係合部材を固設して該係合部材とガイド部材とを固定するものや、ワイヤの両端部をスライダを介して連結するもの、或いはワイヤの両端部を連結する前にスライダの所定の孔に挿通させてこの状態で固定するもの等であってもよい。
【0097】
連結部材15は、図5に示すように、金属板をコ字状に屈曲して構成され、一端部にガイド部材110がネジなどで取り付けられるとともに、他端部に壁側受け部材14にネジなどで取り付けられる。
【0098】
なお、戸側受け部材13は、隣接引戸D1の対向面下部における閉方向の端部(図1の右端部)に取り付けられ、壁側受け部材14は、壁Wの対向面下部における開方向の端部(図1の左端部)に取り付けられ、引戸D1,D2を連動させて開口部を閉塞、開放できるように構成されている。
【0099】
以上のように構成された引戸連動装置1は、引戸D2の幅に応じて伸縮することができる。この引戸連動装置1の作動について、図1,図2,図5,図10,図11を用いて説明する。
【0100】
図11は、基体の伸縮を概念的に示した説明図であり、(a)は基体収縮状態を示し、(b)は基体伸長状態を示す。
【0101】
図2に示すように、この引戸連動装置1は、第1基体3と第2基体4とが完全に重複した、基体2の収縮状態では、第1および第2外側プーリ5,7が最近接位置にある一方、第1および第2内側プーリ6,8が最離間位置にあり、比較的戸幅が狭い引戸D1,D2に適用することができる。
【0102】
引戸D2の収納溝部D12にこの引戸連動装置1が設置された引戸構造においては、隣接引戸D1の開閉操作に伴って、該隣接引戸D1側のスライダ11が移動する。このスライダ11の移動に伴って、無端状ワイヤ10の両端部が掛けられた第2内側プーリ8と付設プーリ9との間で周回移動するものの、壁W側のスライダ11が固設されているので、無端状ワイヤ10が掛け渡されているプーリ5〜10に開閉作動力が作用し、これにより引戸D2も開閉移動する。引戸連動装置1の各種プーリ5〜10の一部は動滑車に相当し、隣接引戸側スライダ11の移動量に対し半分の移動量となる。これにより、隣接引戸D1の戸幅の2倍の移動量に対し、引戸D2は戸幅分だけ移動することになるので、全開状態において戸袋において重ね合わされた引戸D1,D2は、全閉状態において開口部を閉塞することができる。
【0103】
このとき、無端状ワイヤ10が各プーリ5〜9に掛け回されているので、スライダ11の移動に伴い各プーリ5〜9が従動回転するので、無端状ワイヤ10の円滑な周回移動を確保することができる。しかも、無端状ワイヤ10の途中経路におけるプーリ6,5,7は、いわゆる2連プーリであるので、無端状ワイヤ10の一層円滑な移動を比較的簡単に構成することができる。
【0104】
また、このとき、各スライダ11は、図5に示すように、第1ガイド溝110dの奥底面に第1または第2半割内フレーム31,41の下フランジ部31d,41dが摺接されるとともに、第2ガイド溝110eの奥底面に第1または第2半割外フレーム32,42の下フランジ部31d、42dが摺接され、これによりそのスライド移動が案内される。また、これらの各スライダ11は、内側及び外側の両フレームに対応してガイド溝110d,110eが設けられているので、後述する基体2の伸長状態において、第1および第2基体3,4が互いに重なり合っていない領域(例えば、図10における基体2の左右各端部)に位置する場合でも、いずれかのガイド溝110d,110eに下フランジ部31d,32d,41d,42dが摺接されるので、基体2の伸縮に拘わらず、スライダ11の移動を確実かつ簡単にガイドすることができる。
【0105】
一方、引戸D1,D2の戸幅は住宅事情等により種々存在するが、この引戸連動装置1によれば、戸幅に応じて伸縮することができる。
【0106】
すなわち、基体2の収縮状態から第1および第2基体3,4を左右方向外側に相対移動、具体的には第2基体4を右方向にスライド移動させる。このとき、第2基体4の一端側連結舌片41c、42cが第1基体3の上フランジ部31b、32bの間から抜き出るとともに、第2基体4の他端側連結舌片41e、42eが第1基体3の上フランジ部31b、32bの間でスライド移動するため、各基体3,4が干渉して上記スライド移動が阻害されることはない。
【0107】
このスライド移動に伴い、図11に明示するように、第1および第2外側プーリ5,7は、離間移動する一方、第1および第2内側プーリ6,8は近接移動する。各外側プーリ5,7の相対変位量L2と各内側プーリ6,8の相対変位量L1は等しいので、各内側プーリ6,8間に掛け渡されている無端状ワイヤ10が、各外側プーリ5,7間に掛け渡されている無端状ワイヤ10に繰り出される。このため、第1および第2外側プーリ5,7間の無端状ワイヤ10が基体2の伸長に際して障害になることもなく、基体2の伸長操作を円滑に行うことができる。
【0108】
また、図10に示す基体2の伸長状態から収縮する場合でも、この引戸連動装置1は上記伸長時と逆に作動することにより、円滑に基体2の収縮操作をすることができる。
【0109】
なお、図10に示す基体2の伸長状態では、この引戸連動装置1は、第1基体3と第2基体4とが長手方向内側の端部が重複した状態になっており、第1および第2外側プーリ5,7が最離間位置にある一方、第1および第2内側プーリ6,8が最近接位置にあり、比較的戸幅が広い引戸D1,D2に適用することができる。
【0110】
このように、この引戸連動装置1によれば、引戸D2の開閉方向(各図において左右方向)に伸縮可能に構成され、この伸縮に応じてスライダ11の可動範囲である第1及び第2外側プーリ5,7間に架け渡された無端状ワイヤ10の対応部位の長さをも適切に調節することができるので、引戸D1,D2の戸幅に応じて基体2を伸縮することによりこの戸幅に柔軟に対応することができる。このため、引戸の戸幅に応じて各種寸法の引戸連動装置を用意する必要がなく、汎用性に優れているとともに、装置1の設置時に現場の引戸に応じて柔軟に長さ寸法を調整することができるので、その取り扱い性を高めることができる。
【0111】
また、各プーリ5〜9に、付設プーリ9を含み、この付設プーリ9が第2内側プーリ8側に付勢されているので、第1及び第2外側プーリ5,7間の無端状ワイヤ10に取り付けられたスライダ11の可動に影響を与えることなく、無端状ワイヤ10の張力を適切に保つことができ、無端状ワイヤ10の円滑な移動を担保することができる。
【0112】
なお、以上に説明した引戸連動装置1は、本発明の引戸連動装置の一実施形態であり、その具体的構成等についてはその趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0113】
(1)上記実施形態の引戸連動装置1は、開口部を2枚の引戸D1,D2で開閉する戸袋(前面開放型の戸袋)付きの引戸に適用したものであるが、引戸の枚数は複数枚であれば良く、枚数が多くなれば、引戸連動装置を複数設けることにより容易に全引戸を連動させることができる。
【0114】
例えば、図12に示すように、4枚の引戸D1〜D4にこの引戸連動装置1を適用する場合には、引戸D2,D3の下部に引戸連動装置1A,1Bが設置される。この場合、基本的には、上記引戸連動装置1と同様に構成されるが、各引戸連動装置1A,1Bに対向する側のスライダ11A,11Bの連結部材16は、前後方向に幅広に形成される。
【0115】
なお、図12に示すスライダ11A,11Bの連結部材15は、上記実施形態におけるスライダ11と異なり、直接引戸D1,D4の側面に連結されている。
【0116】
(2)上記実施形態では、基体2内に配置されるプーリ5〜9について、付設プーリ9が設けられているが、この付設プーリ9は省略してもよい。
【0117】
すなわち、上記実施形態のように、無端状ワイヤ10の他端部における両経路部分103,104を第2外側プーリ7にともに掛け回して折り返すのではなく、図13に示すように、無端状ワイヤ10の他端部を第2外側プーリ7に掛けるように構成してもよい。
【0118】
この場合、無端状ワイヤ10の各経路部分103,104のそれぞれにスライダを取り付けた場合には、その高さ方向の位置がスライド移動に伴いずれることが想定されるので、スライダに上記実施形態のようにガイド溝を設けるとともに、無端状ワイヤ10に張力調整用プーリを設けるなど別途の工夫が必要になる。
【0119】
従って、図11に模式的に示す実施形態のように、付設プーリ9を設ける方が、無端状ワイヤ10の他端部の輪状部分102をこの付設プーリ9に掛けられるので、第1及び第2外側プーリ5,7間の無端状ワイヤ10の各経路部分103,104の高さ方向の位置関係を揃えることができ、スライダ11の隣接引戸D1または壁Wとの適切な係合状態を一層確実に確保することができる。
【0120】
(3)上記実施形態では、高さ方向(上下方向)に細長い基体2が用いられ、前後方向に沿った軸心を有するプーリ5〜9が配設されているが、これに限定されるものではなく、例えば上記実施形態を横倒し状態に用いて、高さ方向に沿った軸心を有するプーリが配設されたものであってもよい。この場合、第1および第2外側プーリ、並びに第1および第2内側プーリ6,8の軸心は略前後方向に一直線上に配設されるようにすれば、前後方向の幅を抑えてコンパクトに形成することができる。
【0121】
(4)上記実施形態では、引戸連動装置1が引戸D2の下部(具体的には下端部)に設けられているが、引戸D2の上部(例えば上端部)に用いられるものであってもよい。この場合には、引戸連動装置1を上下反転して用いるだけでよく、これに応じて各部が適宜設計される。
【0122】
また、キッチンシンク周りなどに設置される家具等では、引戸の中央部に設ける場合も考えられる。この場合、引戸の対応箇所に溝状のスリットが設けられる。
【0123】
(5)上記実施形態では、無端状体として輪状の鋼製ワイヤ10を用いたものについて説明したが、無端状体は鋼製ワイヤに限らず、鉄製ワイヤなどその他のワイヤでもよく、またゴム製、合成樹脂製、化学繊維製の種々のベルトを用いるものであってもよい。
【0124】
(6)上記実施形態では、ガイド体として回転自在に基体2に取り付けられたプーリ5〜9が用いられているが、ガイド体としては無端状体に対して係合してその移動を円滑にガイドできるものであれば、具体的な構成を特に限定するものではなく、例えば無端状体に対して円滑に摺接する低摩擦円筒体などを使用してもよい。
【0125】
(7)上記実施形態では、第1および第2基体3,4について、内外両半割フレーム31,32,41,42から構成されるものが用いられているが、第1および第2基体3,4の具体的構成についてはこれに限定されるものではなく、例えば単に互いに嵌め合わされる内外筒状体から構成された第1および第2基体を用いるものであってもよい。この場合には、外筒体に取り付けられるガイド体を基体内部に突出させるために内筒体の対応箇所に溝状のガイド体挿通孔を設ける必要がある。
【0126】
(8)なお、上記実施形態では、ガイド体としてプーリ5〜9が用いられているが、上記(2)で説明したように、付設プーリ9を省略する場合の他、他のプーリ、例えば張力調整用プーリ(張り車)を増設するものであってもよい。
【符号の説明】
【0127】
D1 隣接引戸
D2 隣接引戸
1 引戸連動装置
2 基体
3 第1基体
4 第2基体
5 第1外側プーリ(第1外側ガイド体に相当)
6 第1内側プーリ(第1内側ガイド体に相当)
7 第2外側プーリ(第2外側ガイド体に相当)
8 第2内側プーリ(第2内側ガイド体に相当)
9 付設プーリ(付設ガイド体に相当)
10 無端状ワイヤ(無端状体に相当)
11 スライダ
31 半割内フレーム(一方の半割内筒状部に相当)
32 半割外フレーム(一方の半割外筒状部に相当)
41 半割内フレーム(他方の半割内筒状部に相当)
42 半割外フレーム(他方の半割外筒状部に相当)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸に取り付けられ隣接する引戸に係合してこの隣接引戸と連動開閉する装置であって、
上記引戸の開閉方向に沿って延びる筒状の基体と、この基体の内部に収納された複数のガイド体と、これらの複数のガイド体の間に移動可能に張設された無端状体と、この無端状体に固定され上記隣接引戸に係合されるスライダとを備えた引戸連動装置において、
上記基体は、第1基体と、この第1基体に対して上記開閉方向にスライド移動可能に取り付けられる第2基体とを有することにより、上記開閉方向に伸縮可能に構成され、
上記複数のガイド体には、上記第1基体の外側端部に取り付けられた第1外側ガイド体と、この第1外側ガイド体よりも内側の第1基体に取り付けられた第1内側ガイド体と、上記第2基体の外側端部に取り付けられた第2外側ガイド体と、この第2外側ガイド体よりも内側であって上記第1内側及び外側ガイド体の間における第2基体に取り付けられた第2内側ガイド体とを少なくとも含み、
上記無端状体は、上記第1及び第2の内外両ガイド体における張設ついて、第2内側ガイド体から第1内側ガイド体に延び、この第1内側ガイド体及び第1外側ガイド体に順に掛け回されることによりそれぞれ反対方向に折り返されて第2外側ガイド体に延びており、
上記スライダは、第1及び第2外側ガイド体間に架け渡された上記無端状体に取り付けられていることを特徴とする引戸連動装置。
【請求項2】
上記複数のガイド体には、上記第2外側ガイド体と第1内側ガイド体との間における第2基体に取り付けられた付設ガイド体を含み、
上記無端状体は、一端部が上記第2内側ガイド体に掛けられ、他端部が上記第2外側ガイド体に掛け回されることにより反対方向に折り返されて上記付設ガイド体に掛けられていることを特徴とする請求項1記載の引戸連動装置。
【請求項3】
上記付設ガイド体は、上記第2内側ガイド体側に付勢されることにより上記無端状体の張力を調節可能に構成されていることを特徴とする請求項2記載の引戸連動装置。
【請求項4】
上記ガイド体は、上記基体に回転自在に取り付けられたプーリであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の引戸連動装置。
【請求項5】
上記プーリのうち、上記無端状体の途中経路におけるプーリは、軸心方向に重ね合わされるとともに各々に上記無端状体の各部位が掛け回されて独立して回転可能な2連プーリであることを特徴とする請求項4記載の引戸連動装置。
【請求項6】
上記基体は、長手方向に半割構成された内外両筒状部を有し、
上記第1基体は、上記基体の一方の半割内筒状部と、この半割内筒状部に対向する一方の半割外筒状部とを備え、これらの一方の半割内外両筒状部が上端部又は下端部の一部において連結されることにより筒状に構成され、
上記第2基体は、上記基体の他方の半割内筒状部と、この半割内筒状部に対向する他方方の半割外筒状部とを備え、これらの他方の半割内外両筒状部が上端部又は下端部の一部において連結されることにより筒状に構成され、
上記スライダは、上記基体の収縮状態において、第1または第2基体の上記半割内筒状部及び第2または第1基体の半割外筒状部の双方に当接して位置決めされていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の引戸連動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−83093(P2013−83093A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223788(P2011−223788)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000145895)株式会社小林製作所 (21)
【出願人】(000169329)アトムリビンテック株式会社 (81)
【Fターム(参考)】