説明

引裂き不可の小児用安全ブリスターパッケージ

引裂き不可の小児用安全ブリスターパッケージ(10)および前記ブリスターパッケージ(10)を利用する方法が開示されている。パッケージ(10)は、単一のブリスターシート(12)と蓋材料の単一シート(14)とを備えている。蓋シート(14)は、好ましくはブリスターシート(12)に剥離可能な状態で密着しており、蓋材料(14)をブリスターシート(12)から剥離することを容易にする未密着領域(26)を備えている。これらの未密着領域(26)は、ブリスターパッケージ(10)の少なくとも一部を切断することによってのみアクセスされることが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2005年1月14日に出願された米国仮特許出願第60/644,263号の出願日の利得を主張するものであり、その開示内容は、参照することによって、ここに含まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
多くの人は日課の一部として様々な種類の薬剤を服用している。所定期間内に異なる数種類の医薬剤形を服用する人もいる。これらの医薬剤形としては、ピル、カプセル、錠剤、液体などが挙げられる。有形物である製品を販売する多くの業界と同様、このような分野でも包装については課題を有している。多くの場合、製品販売の形態が製品を購買するか否かを決定する要因となっている。このような事情は薬剤分野でも同様である。しかしながら、薬剤業界ではその他の懸念事項が包装の形式に影響している場合がある。
【0003】
包装に関する1つの懸念事項は剤形の性質にある。例えば、一部の錠剤は、壊れ易く、(同意語を用いて、さらに述べると)砕け易く、または破損しやすくなっている。このような剤形は、パッケージの輸送中およびユーザの開封時のいずれにおいても、簡単に損傷するおそれがある。本出願の譲受人に共通して譲渡された米国特許第5,178,878号および第5,223,264号(これらの特許は参照することによって、ここに含まれるものとする)は、この種の損傷を受け易い比較的軟質の錠剤を開示している。このようなカテゴリーに属する錠剤は低硬度となっている傾向にある。このような錠剤の例としては約15ニュートン(N)未満の硬度である極めて軟質の錠剤が挙げられる。
【0004】
標準的な剤形は典型的には剤形を収容するポケット、ブリスター、または壁部を有する多層の材料シートからなるブリスターシート内に包装されている。従来のブリスターパッケージの一種としては、箔層を有するパッケージが挙げられるが、このようなパッケージのユーザは錠剤を箔層内に押込むことによって箔を破らねばならない。このような従来のブリスターパッケージの例は、ホール(Hall、人名)などに付与された米国特許第4,158,411号に開示されている。この開示内容は参照することによって、ここに含まれるものとする。この種のパッケージは標準的な剤形を包装するのには十分であるが、このようなパッケージに壊れやすい剤形を包装した場合、この壊れやすい剤形を箔層内に押し込むときに、剤形に損傷をもたらすおそれがある。これらの種類のパッケージは、また一般的に小児にとって安全なようになっていない。
【0005】
医薬剤形の包装に関する他の懸念事項は安全に関するものである。小児には扱えないパッケージ、すなわち小児用安全パッケージは、多くの場合で剤形のパッケージとして強く望まれるものである。明らかなことではあるが、家庭に薬剤を置く場合の大きな懸念事項は、小児がその薬剤を手にする可能性にある。例えば、薬剤によっては小児がわずかな量を摂取した場合であっても、その小児にとって有害な影響を与えるおそれがある。この理由から、多くの場合、パッケージは5分以内に薬物を手にすることができた小児の人数に基づいて格付けされている。このような格付けを行なう試験手順の規格の一例が、米国連邦規則:16CFR §1700.20に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、小児には扱えず、さらに収容する剤形への損傷を防止するように構成されたパッケージであって、特に壊れ易く、または砕け易い剤形用のパッケージが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パッケージに関するものであって、制限するものではないが壊れやすい医薬剤形または錠剤用のパッケージを含むパッケージに関するものであり、さらに詳細には、本発明のパッケージは、パッケージを開いて内容物を取り出すための折り蓋を露呈させるのに、鋏によってパッケージを切断することを必要とするような引裂き不可の小児用安全パッケージである。
【0008】
本発明の第一態様は、壊れやすく、または壊れにくい医薬剤形用の引裂き不可のブリスターパッケージとなっている。このパッケージは、好ましくは複数のユニットパッケージ領域を画定する単一ブリスターシートを備え、各ユニットパッケージ領域は、上側開口部を有する凹部と、その凹部を取り囲むフランジとを備えている。各凹部は1つまたは複数の剤形を収容することが可能である。また、パッケージはフランジに剥離可能な状態で密着した蓋材料の単一シートを備えている。ブリスターシートおよび蓋材料のシートは、蓋材料をブリスターシートから剥離することを容易にする未密着領域を画定している。この未密着領域は、ブリスターパッケージの少なくとも一部を切断することによってのみ、アクセスされることが可能となっている。好ましい実施形態では、ブリスターパッケージは、特に小児により引裂かれ、または噛切られることによってアクセスされることを防止する材料からなると共に、そのようなアクセスを防止するように構成されている。他の態様では、ブリスターシートおよび/または蓋材料は、ブリスターを鋏または他の同様の道具によって切断する必要があることを表示するマークを備えている。
【0009】
特に好ましい実施形態では、ブリスターパッケージは、収容された状態にあり、かつ壊れ易く、または砕け易い錠剤の破損を低減するように設計されている。好ましい実施形態のブリスターの各凹部に配置された壊れやすい剤形は、好ましくは凹部の壁部と係合し、その結果、これらの壁部が剤形を凹部の底部から離間させ、かつ蓋材料と隣接させた状態で保持している。このような態様によって、運搬中に剤形が動くことを防止して、剤形が損傷しないように保護されることとなる。各剤形と、その剤形が配置された凹部の底部との間の隙間は、パッケージの落下時に剤形が受ける衝撃を緩和することとなる。パッケージの凹部およびその凹部に配置される剤形は、基本的にあらゆる形状をとることが可能である。例えば、剤形は、円板状錠剤、楕円形カプセル、または正方形ピルであってもよい。同様に、凹部の(ブリスターシートの面部における)形状としては、円形状、楕円形状、多角形状、または星形状が挙げられる。
【0010】
さらに、凹部の壁部および底部は、各凹部を取り囲むフランジに直交する垂直軸を中心として形成される回転面の形態となるような形状を画定するとよい。例えば、凹部が湾曲したカップ状形状を有するとよい。剤形が円板形状を有する場合、それらの剤形は、その剤形が配置される凹部の壁部と接触する縁部をそれぞれ有している。この縁部および壁部は、好ましくは、凹部の垂直軸と同軸の環状の接触領域を画定するとよい。このような円板状剤形の縁部は凹部の壁部と接触する斜面を備えてもよい。この環状の接触領域は、ブリスター内での剤形の動きを防止し、このような動きに付随して発生する剤形の損傷を防止することができる。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態におけるパッケージは、この業界内で「F4」、「F3」、「F2]、または「F1」と一般的に呼ばれるような極めて高いレベルの小児用安全パッケージとして格付けされている。これらの呼称は、いかに多くの小児が所定時間内にパッケージ内に収容された剤形にアクセス可能かということに関連した特定の試験について、合格したパッケージに対して与えられている。通常、「F」に続く数字は、体重25ポンド(11.34kg)の小児が摂取した場合にその小児に影響をもたらす錠剤の数となっている。例えば、このような試験の1つは、パッケージ内に収容された剤形にアクセスするように導かれた50人の小児によって開始される。小児らには、最初に剤形にアクセスするための説明をせずにパッケージが与えられ、アクセスを試みる時間として5分が与えられる。5分が経過した後に小児らの行動を停止させる、この時点で剤形にアクセスするために取るべき適切な措置が示されることとなる。この後、小児らに、パッケージを扱う時間として、さらに5分が与えられる。この試験によれば、F1パッケージは、5人未満の小児らが10分間に1つのピルにアクセスすることができるパッケージということとなる。もしも5人未満の小児らが2つのピルにアクセスすることができた場合、そのパッケージにF2ラベルが付されることとなる。F3パッケージは、5人未満の小児らが10分間に3つのピルにアクセスすることができるパッケージということになる。上述の試験は包装業界で利用されている1つの周知の試験であるが、適切にパッケージを格付けするためになされ得る多くの異なる試験が存在することは明らかである。これらの試験は、一般的に米国連邦規則:16CFR §1700.00〜1700.20に準拠してなされている。
【0012】
本発明の別の態様は、剤形をブリスターパッケージから取り出す方法となっている。この態様による方法は、ブリスターパッケージを設けるステップを含む。このブリスターパッケージは、複数のユニットパッケージ領域を画定するブリスターシートであって、ユニットパッケージ領域の各々が上側開口部を有する凹部、およびその凹部を取り囲むフランジを備えるブリスターシートと、フランジに剥離可能な状態で密着した蓋材料の単一シートであって、ブリスターシートおよび蓋材料のシートが蓋材料をブリスターシートから剥離することを容易にする未密着領域を画定し、かつこの未密着領域がブリスターパッケージの少なくとも一部を切断することによってのみアクセスされることが可能となる蓋材料の単一シートと、を備えている。また、この方法は、未密着領域の少なくとも1つを露呈させるために、ブリスターパッケージの少なくとも一部を切断するステップと、凹部に配置された少なくとも1つの剤形を露呈させるために、蓋材料の少なくとも一部を剥離するステップと、少なくとも1つの剤形を凹部から取り出すステップと、を含む。好ましい実施形態では、ブリスターパッケージは、特に小児により引裂かれ、噛切られ、破裂させられることなどによるアクセスを防止する材料からなると共に、そのようなアクセスを防止するように構成されている。他の態様では、ブリスターシートおよび/または蓋材料は、ブリスターが鋏または他の同様の道具によって切断する必要があることを表示するマークを備えている。特に好ましい実施形態では、ブリスターパッケージは収容された状態にあり、かつ壊れ易く、または砕け易い錠剤の破損を低減するように設計されている。
【0013】
本発明の別の実施形態は、剤形をブリスターパッケージから取り出すための別の方法となっている。この実施形態による方法は、ユニットパッケージ領域を備えるブリスターシートとそれらのユニットパッケージ領域を密封する蓋シートとを設けるステップであって、蓋材料が剥離可能な領域と剥離不可の領域とを備え、剥離不能の領域がパッケージの周囲を取り囲む、ステップを含む。また、この方法は鋏のような切断器具によって剥離可能な領域にアクセスするステップを含むことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態による引裂き不可の小児用安全ブリスターパッケージ10が図1〜3に示されている。図示されているブリスターパッケージ10は引裂くことができず、そのため、このパッケージ10内に含まれる剤形にアクセスするには特定の部分を切断することを必要とする錠剤用の小児用安全容器が提供されることとなる。ブリスターパッケージ10は、ブリスターシート12と蓋材料シート14とを備えている。ブリスターパッケージ10は、切断が通常の鋏または他の一般的な切断具を用いてなされることを意図して設計されている。
【0015】
ブリスターパッケージ10の全体的な設計は、有害な剤形に小児などが容易にアクセスすることを防止するものとなっている。このパッケージが引き裂かれる可能性を低減させるために、ブリスターシート12または蓋シート14の少なくとも1つは、その縁部(パッケージの周囲)に、刻み目、切れ目、切り込み線などの引裂きを容易にするような構造を備えていない。むしろ、この縁部は引裂きを困難にするために厚くするか、または補強されるとよい。つまり、蓋材料またはブリスターシートの少なくとも1つは引裂き難い材料から作製されるとよい。蓋材料またはブリスターシートの厚みもこの目的に対して役割を果たすこととなる。例えば、いくつかの好ましい実施形態では、ブリスターシート12は、ケンタッキー州のシェルビーブルのアルキャン・ファーマ・センター(Alcan Pharma Center)(以後、「アルキャン」と呼ぶ)から提供され、かつ約205μmの厚みを有するPCS技術・材料仕様No.92011(以後、「92011材料」と呼ぶ)として市販されている材料から構成されるとよい。92011材料は、いくつかの異なる個別の層、例えば、約60μmのPVCフィルム、約25μmのポリアミドフィルム、約60μmのアルミ箔、および約60μmの追加されたPVCフィルムを備えており、これらのフィルムは、好ましくは適切な接着剤によって少なくともお互いを接合している。一方、蓋材料シート14は、約37μmの厚みを有するPCS技術・材料仕様No.15144、または約37μmの厚みを有するPCS技術・材料仕様No.15127によって構成されるとよい。これらの材料は、いずれもアルキャンから市販され、好ましくは、紙の層、約12μm厚みのポリエステルフィルム、約25μm厚みのアルミ箔層、およびヒートシール皮膜を備えているとよい。No.4516の名称で市販されているアルキャン接着剤を用いて、図5に示される構造および上述した材料を用いて、いわゆる、「F1」パッケージを得ることができる。いくつかの好ましい実施形態では、図5に示されるパッケージは、約100mm、最も好ましくは104mmの長さと、約60mm、最も好ましくは68mmの幅と、を有することとよいことに留意されたい。しかしながら、信頼性の高い材料であっても、十分薄くなっている場合、引裂かれる可能性があることに留意されたい。また、引き裂かれることが見込まれる他の材料であっても、十分な厚さを有するか、または適切に補強されると、引き裂かれない場合もある。さらに、もしこれらの2つの層の1つが引裂きに対する耐性を有する場合、他の層は引裂きに対する耐性を有する必要がない。層は指による容易な破裂、および破断による錠剤の押出しのいずれをも防止することが好ましいが、層は成人にとって通常の家庭用鋏または他の一般的な切断具によって切断することを困難とするほど厚くなっていない限り、厚みの上限は通常重要とならない。
【0016】
引裂き不可のブリスターパッケージ10は、図1,図2にそれぞれ示されるようなブリスターシート12と、蓋材料シート14とによって形成されている。ブリスターシート12は、複数のユニットパッケージ領域16を備え、各ユニットパッケージ領域は(図1,図3に示される)凹部18と、この凹部を取り囲むフランジ20とを備えている。ブリスターシート12は6つのパッケージ領域16を備えているが、どのような数のパッケージ領域16が含まれていてもよい。図3に示されるように、各凹部18は、錠剤1を収容するのに適した寸法と形状を有し、上側開口部22と閉鎖底部24とを備えている。好ましくは、本発明による凹部は、円形であり、1インチ(25.40mm)以下、好ましくは、3/4インチ(19.05mm)以下、さらに好ましくは、11/16インチ(17.46mm)以下、最も好ましくは、1/2インチ(12.70mm)以下の直径を有しているとよい。さらに大きい凹部も実際には実現可能であるが、このような大きい凹部は容易に噛み切られるか、または穴を開けられて破損するおそれがある。
【0017】
ブリスターシート12は隆起領域26,28も備えている。隆起領域および/または未密着領域26は、隆起指区域30,32,34をさらに備え、隆起領域および/または未密着領域28は、隆起指区域36,38,40をさらに備えている。「隆起」という用語および「未密着」という用語は、全体を通してお互い取り換えても同じ意味で用いられるものである。隆起接続部42は隆起領域26,28を互いに接続し、これによって、各隆起領域とこの隆起領域の各々と対応する指区域との間に、連続的な隆起区域が形成されることとなる。図1〜図3に示される実施形態では、隆起領域および/または指区域のいずれも、ブリスターシート12の縁部まで延在していない。このような構成によって、引裂き不可のブリスターパッケージ10が形成されている。ブリスターパッケージ10の具体的な寸法および/または形状は、種々の実施形態において変更されてもよいことが意図されている。これらの隆起領域については、蓋材料の取外しと関連付けてさらに詳細を下記に説明する。
【0018】
蓋材料シート14は、凹部18を覆って、かつフランジ20に剥離可能に付着されており、そのために凹部内に収容された錠剤1を被覆することとなる単一シートとなっている。蓋材料シート14は、接着剤を用いることによって、フランジ20に取り付けられることが意図されており、このような接着材は、例えば、いくつかの実施形態ではアルキャンからNo.4563、または前述のNo.4516の名称で市販されているものである。しかしながら、蓋材料シート14をフランジ20に付着させるために他の方式が用いられてもよいこともまた意図されており、蓋材料を取り出す困難さを決定するために付着の強度が変更されてもよいこともまた意図されている。切断ライン44は、継目なしの印であってもよく、個々の蓋区域46を得るためにどこで切断されるべきかをユーザに指示するように設計されてもよい。これらの個々の蓋区域46は、ユニットパッケージ領域10に対応するように構成されている。切断ライン44に沿った切断によって、図3に最もよく示されるように、分離されたユニットパッケージ領域16がそれに付着して対応する蓋区域46と共に形成されることとなる。蓋材料シート14は、切断ライン44と共にどこをいかに切断するかをユーザに指示する切断マーク48をさらに備えていてもよい。これらのマークは文字による指示または記号であってもよい。また、蓋シートは、蓋区域46をその対応するユニットパッケージ領域16のどこからどのように剥離するかを指示する剥離マーク50を備えていてもよい。最後に、ブリスターパッケージ10は引裂きに対する耐性を高めるためにその隣接する縁部に切り込まれた補強領域60を備えていてもよい。これらの補強領域60は、肉厚となっている領域であってもよく、または構造にエンボス加工、または接着を施された領域であってもよい。
【0019】
図3に最良に示されるように、個々のユニットパッケージ領域16と、それらに対応する個々の蓋区域46とを切断し、次いで分離することによって、ユーザは前述の隆起領域にアクセスすることが可能となる。図3は隆起領域26を示しているが、他のユニットパッケージ領域16を他のユニットパッケージ領域16から分離することによって、任意の隆起領域または区域にアクセスすることが可能となることに留意されたい。図3に示されるように、隆起領域26はブリスターシート12と蓋材料シート14との間に非付着領域を構成することとなる。基本的に、隆起領域は、その全面積に渡って蓋シート14がブリスターシート12に剥離可能な状態で付着されることを防止し、これによって、ユーザが蓋材料を掴み、その蓋材料を剥ぎ取ることができる領域を構成している。上述の隆起指区域は、ユニットパッケージ領域の異なる長さに対応して、蓋材料を容易に剥ぎ取ることを可能にするように追加された未密着領域を構成している。隆起領域または隆起指区域のいずれもがブリスターシート12の縁部まで延在していないことによって、これらの未密着区域にアクセスするために、ユーザはブリスターパッケージ10の少なくとも一部を切断しなければならなくなっている。
【0020】
図1,図2に示される実施形態は、個々のユニットパッケージ領域16および対応する蓋区域46をブリスターパッケージ10から切り離すことによって、1つ以上の凹部18内に収容された剤形へ容易にアクセスすることができるような構成となっている。つまり、図1,図2に示される実施形態は、単一のユニットパッケージ領域を切り離すことにより、1つよりも多くの蓋区域46を容易に掴み、かつ剥ぎ取ることができるように構成されている。しかしながら、1つのユニットパッケージ領域を取り出すことによってのみ、単一の蓋区域がその対応するユニットパッケージ領域から剥ぎ取ることができるように構成された他の実施形態も考えられる。例えば、図4に示されているものでは、ブリスターパッケージ10とは異なった構成を有するブリスターパッケージ110が設けられている。このブリスターパッケージ110は、ブリスターパッケージ10と同じように構成されたブリスターシートを備えていてもよい。しかしながら、図4に示されているものでは、蓋シート114は異なって配置された切断ライン144を備えており、これによって、異なるように配置された蓋区域146が構成されることとなる。蓋シート114は、ブリスターシート14と同様に切断マーク148と剥離マーク150とを備えていてもよい。
【0021】
切断ライン144は、単一のユニットパッケージ領域を切り離すことによってのみ、その特定のユニットパッケージ領域に対応する蓋区域146が剥ぎ取ることができるように配置されている。図4に示されるように、個々のユニットパッケージ領域を切り離すことにより、残余区域152が残ることとなる。いくつかの実施形態では、これらの残余区域152がブリスターシート12の隆起指部の周囲に延在している。このことによって、他の蓋区域146が剥離されることが防止されることとなる。ユニットパッケージ領域を切り離した後に、ユーザは、隆起領域の一部にだけアクセスすることができるが、隆起指部にはアクセスすることができなくなっているためである。また一方で、他の実施形態では、蓋区域146を除去する場合に、隆起領域と指領域の両方にアクセスすることができるように構成されたブリスターシートを備えることが可能であることも意図されている。基本的に、これらのブリスターシートは蓋シート114に適合するような構成を有していることになる。
【0022】
ブリスターパッケージ10の設計は、壊れ易い剤形が運搬中に動くことを防止し、および/またはパッケージの落下によって受けた衝撃を緩和するように、このような剤形と協働して作用する凹部18を備えることによって、壊れ易い剤形を保護できるようにすることが意図されている。本出願の譲受人に共通して譲渡されたカッツナー(Katzner、人名)らに付与された米国特許第6,155,423号(’423特許)は、この問題に対する1つの解決策を示唆している。この開示内容は、参照することによってここに含まれるものとする。’423特許は、剥離可能な層を有するブリスターパッケージを開示している。この剥離可能な層が剥ぎ取られた場合、剤形にアクセスできることになる。従って、’423特許では、ユーザは壊れ易い剤形を損傷させることなく、このような剤形に容易にアクセスすることができる。’423特許のブリスターパッケージは、また貯蔵、出荷、および使用中に錠剤の保護を促すように設計されている。本発明は、これと同様の設計を利用できるものである。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態では、壊れ易い剤形はブリスターシート12の各凹部18内に配置されており、このとき、剤形は各凹部18の壁部と係合しており、壁部は、凹部18の閉鎖底部24から離間しながら蓋材料14と隣接した状態で、剤形を保持している。このような構成は、図3に最良に示されている。この態様によって、剤形は、運搬中にの動くことを防止して、損傷を防ぐように保護されている。各剤形とその剤形が配置される凹部18の閉鎖底部24との間の隙間によって、パッケージ10が落下し、またはそれ以外の理由で振動を受けた場合に剤形に加えられる衝撃が緩和されることとなる。凹部18およびその凹部18内に配置される対応する剤形は、基本的にあらゆる形状を取ることが可能である。例えば、剤形は、円板状錠剤、楕円形カプセル、または正方形ピルであってもよい。同様に、凹部18の(ブリスターシートの面部における)形状としては、円形状、楕円形状、多角形状、または星形状が挙げられる。
【0024】
さらに、凹部18の壁部および閉鎖底部24は、各凹部18を取り囲むフランジ29に直交する垂直軸を中心として形成された回転面の形態となるような形状を画定することができる。例えば、凹部18は、湾曲したカップ状の形状を有していてもよい。剤形が円板状の場合、それらの剤形は、それぞれ剤形が配置される凹部18の壁部と接触するような縁部を有しているとよい。この縁部および壁部は凹部18の垂直軸と同軸の環状の接触領域を画定している。このような円板状剤形の縁部は、凹部18の壁部と接触する斜面になっていてもよい。環状の接触領域によって、ブリスター内の剤形の動きが防止され、このような動きと付随して発生する剤形の損傷が防止されることとなる。
【0025】
本発明による錠剤のパッケージは、小児の安全が保たれるように設計されている。このパッケージは、極めて高い小児用の安全レベル、またはそれ以上の安全レベルを有するパッケージとして、格付けされている。実際、錠剤パッケージ10は、比較的多くの小児が所定時間内に薬物にアクセスすることを防止するように設計されている。本発明によるいくつかの実施形態は、上述したようにF1パッケージとして知られる周知の工業規格で格付けされるほど高いレベルで格付けされている。他の実施形態はF2またはF3に格付けされている。従って、さまざまな種類の剤形を収容する種々の実施形態が考えられる。本発明は壊れ易く、または砕け易い剤形に関して説明したが、他の種類の剤形が収容されてもよいことが意図されている。もっとも、ユーザは特定の対象に対して適切なパッケージを選択するべきであることに留意されたい。例えば、有害性のある剤形は極めて高い小児用の安全レベルで包装されるべきであるが、危険の少ない剤形は低い小児用の安全レベルで包装されてもよい。
【0026】
最後に、上述のブリスターパッケージ10,110を形成する好ましい1つの方法、および剤形1をこれらのパッケージ10,110内に包装する好ましいプロセスについて、説明する。多くの異なる適切なプロセスが本発明によって利用されてもよく、以下に説明する方法は、1つの好ましい方法に過ぎないことは理解されるべきである。このような方法/プロセスでは、ブリスターシート12および蓋材料14を形成する材料シートは、好ましくはロールの状態で準備され、次いで、ブリスター機械に送給され、または装填される。このような機械は、当技術分野においてよく知られていることに留意されたい。次いで、ブリスターシート12を形成する材料は、好ましくは成形ステーションに移動され、この成形ステーションにおいて、凹部18が成形プラグのような工具によって材料内に成形される。次いで、錠剤1が、好ましくはブリスターシート12の各開口凹部18内に配置される。
【0027】
凹部18の各々が1つまたは複数の錠剤1を収容した状態で、ブリスターシート12は、好ましくはシーリング・ステーションに移動され、このシーリング・ステーションにおいて上下シーリング板を用いて蓋材料14をブリスターシート12に密着する。上述のシーリング板は、好ましくは特定の滞留時間(サイクル/速度)の経過の全体に渡って熱および圧力の作用によって(上述したような)接着剤を加熱し、蓋材料14をブリスターシート12に密着する。このシーリングのステップに続いて、所望のミシン目がパッケージに形成され、(多数の凹部18を有する)個々のブリスターカード10が打ち抜き加工される。形成されたミシン目は、この打ち抜き手順において有利な効果を奏するが、上述したように最終的なブリスターパッケージ10には残されることとなることに留意されたい。最終的に、個々のパッケージ10は好ましくはコンベヤ等を介して最終包装ステーションに送給される。
【0028】
本発明を用いて包装され得る通常の錠剤の形態にある剤形は、ここで用いられる錠剤の種類または医薬品有効成分(API)の種類によって、制限されるものではない。これらのAPIの例として、制限するものではないが、鎮痛薬、抗炎症薬、解熱剤、抗生物質、抗菌剤、抗不安薬、下剤、食欲抑制薬、抗ヒスタミン剤、抗うつ剤、抗ぜんそく薬、抗利尿薬、整腸薬、抗片頭痛薬、抗痙攣剤、鎮痛剤、抗過活動薬、抗高血圧薬、精神安定剤、充血除去剤、β阻害薬、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、および生体起源の他の物質、ならびにこれらの組合せが挙げられる。また、マンテレ(Mantelle、人名)に付与された米国特許第5,234,957号明細書のコラム(column)18〜21に記載されている薬物および薬品有効成分も考えられる。このマンテレの特許の本文は、参照することによって、ここに含まれるものとする。上述のAPIのいずれも、どのような塩、水和物、溶媒和物、多形体、または個々の光学異性体、およびそれらの混合物の形態で用いられてもよい。
【0029】
具体的には、オピエート(opiate)、疼痛を治療するのに用いられる薬物、クロザピンのような精神医学に用いられるかまたは統合失調症の治療に用いられる薬物、および細胞毒性物質が、特に好ましい。また、高齢者の治療を目的とするどのようなAPI、または小児用の安全パッケージ、さらに具体的には、「F1]パッケージの使用を必要とするどのようなAPIであっても好ましい。
【0030】
本発明によって包装され得る合法的オピエートの例として、制限するものではないが、アルフェンタニル、αプロジン、アニレリジン、ベンジルモルヒネ、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ブトルファノール、クロニタゼン、コデイン、リン酸コデイン、デソモルヒネ、デキストロモラミド、デゾシン、ジアンプロミド、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノンエノールアセテート、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジオキサフェチルブチラート、ジピパノン、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルヒネ、ヒドロキシぺチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レボルファノール、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタゾシン、メタドン、メトポン、モルヒネ、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、オピウム、オキシコドン、オキシモルフォン、パプベレタム、ペンタゾシン、フェナドキソン、フェナゾシン、フェノペリジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロメドール、プロピルム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、およびチリジンのような処方薬物が挙げられる。一般的にオピエートとして知られる化合物の分類には、ヘロインおよびコカインのような違法薬物も含まれている。本発明によるオピエートには、上述したものおよび米国連邦規則:21CFR §1308.12に準拠した規制物質として列挙されているものが挙げられる。オピエートは、種々の理由として最も頻繁なものでは様々な種類の苦痛を緩和するために、患者に投与されている。
【0031】
細胞毒性物質は、細胞を死滅させるどのような作用物質も含んでいる。これらの物質は、一般的に、悪性疾患および他の疾患の治療に用いられている。これらの物質は、急速に成長する癌細胞を壊滅することを意図している。これらの物質は、治療投薬または動物実験および細菌分析のいずれかにおいて変異誘発性、発癌性、および/または催奇形性を呈することが分かっている。DNA、RNA、およびタンパク質の合成などの重要な細胞プロセスを妨げる細胞毒性薬は、抗体と共役されてから生体内治療に用いられている。このような薬物の例として、制限するものではないが、以下の薬物が挙げられる。
【0032】
i)挿入剤、特に、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ゾルビシン、アクラルビシン、ピラルビシン、アクリジン、ミトキサントロン、アクチノマイシンD、エプトイリニウムアセテート;
【0033】
ii)プラチナ誘導体から選択されるアルキル化剤(シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン);
【0034】
iii)シクロホスファミド、イホスファミド、クロルメトリン、メルファラン、クロラムブシル、エストラムスチン、ブスルファン、マイトマイシンC、ニトロソ尿素:BCNU(カルムスチン)、CCNU(ロムスチン)、フォテムスチン、ストレプトゾトシン、トリアジンまたは誘導体:プロカルバジン、ダカルバジン、ピポブロマン、エチレンイミン:アルトレタミン、トリエチレン−チオ−ホスホルアミドからなるアルキル化剤の他の群から選択される化合物;
【0035】
iv)葉酸代謝拮抗薬:メトトレキサート、ラルチトレックス(Raltitrex)、ピリミジン代謝拮抗薬:5−フルオロウラシル(5−FU)、シタラビン(Ara−C)、ヒドロキシウレア・プリン代謝拮抗薬:プリネトール、チオグアニン、ペントスタチン、クラドリビン、細胞毒性ヌクレオシド合成誘導因子:ゲムシタビンからなる代謝拮抗薬の他の群から選択される化合物;
【0036】
v)チューブリン親和性剤、紡錘体を分裂させるビンカ・アルカロイド:ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ナベルビン、紡錘体の脱重合を防止する作用剤:パクリタキセル、ドセタキセル、トポイソメラーゼIIの防止によるDNA開裂を誘発する作用剤:エトポシド、テニポシド、DNA開裂を誘発するトポイソメラーゼI抑制剤:トポテカン、イリノテカンからなる他の群から選択される化合物;
【0037】
vii)ブレオマイシンのようなDNA分離または分裂剤;
【0038】
viii)化合物:プリカマイシン、L−アスパラギナーゼ、ミトグアゾン、ダカルバジンの1つ;
【0039】
viii)抗癌プロゲステロンステロイド:メドロキシプロゲステロン、メゲストロール
【0040】
ix)抗癌エストロゲンステロイド:ジエチルスチルベストロール;ホスフェストロール四ナトリウム;
【0041】
x)抗エストロゲン剤:タモキシフェン、ドロロキシフェン、ラロキシフェン、アミノグルテチミド;および
【0042】
xi)ステロイド抗アンドロゲン剤(例えば、シプロテロン)または非ステロイド抗アンドロゲン剤(フルタミド、ニルタミド)。
【0043】
ここで述べたAPIに加えて本発明の剤形は、追加的または代替的にビタミン、ミネラル、および栄養補助食品を含むことができる。この開示で用いられる「ビタミン」という用語は、食事療法で必要とされる微量の有機物質を指している。本発明では、「ビタミン」という用語は、制限するものではないが、チアミン、リボフラビン、ニコチン酸、パントテン酸、ピリドキシン、ビオチン、葉酸、ビタミンB12、リポ酸、アスコルビン酸、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKを含んでいる。「ビタミン」という用語には、ビタミンの補酵素も含まれている。補酵素はビタミンの特定の化学形態である。補酵素の例としては、チアミンピロリン酸(TPP)、フラビンモノヌクレオチド(FMM)、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADP)、補酵素A(CoA)、リン酸ピリドキサール、ビオシチン、テトラヒドロ葉酸、補酵素B12、リポイルリシン、11−シス−レチナール、および1,25−ジヒドロキシコレカルシフェロームが挙げられる。また、「ビタミン」という用語には、コリン、カルニチン、およびα、β、およびγカロチンが含まれている。
【0044】
「ミネラル」という用語は、ヒトの食生活に必要な無機物質、金属などを指している。従って、ここで用いられる「ミネラル」という用語には、制限するものではないが、カルシウム、(炭酸カルシウム)、鉄、亜鉛、セリウム、銅、ヨウ素、マグネシウム、リン、クロムなど、およびそれらの混合物が含まれている。ここで用いられる「栄養補助食品」という用語は、少量投与された場合に適切な栄養効果を奏する物質を意味している。栄養補助食品の例としては、制限するものではないが、花粉、ぬか、小麦麦芽、昆布、冷肝油、朝鮮人参、および魚油のような材料、アミノ酸、タンパク質、およびそれらの混合物が挙げられる。十分に理解されているのであれば、栄養補助食品はビタミンおよびミネラルを含んでもよい。
【0045】
一般的に、各錠剤または剤形(API、ビタミン、ミネラル、栄養補助食品など)に含まれる有効成分の量は、薬学の周知の原則に準じて選択されるとよい。APIの有効量は、具体的に検討されている。「有効量」という用語は、例えば、「薬学的に有効な量」に基づいて検討されると理解されたい。「薬学的に有効な量」は、必要とされるまたは望ましい治療効果を得るのに十分な薬物またはAPIの量、つまり、患者が摂取したときに適切な生物学的な効果を得るのに十分な量となっている。ビタミンまたはミネラルに関して用いられる「有効量」という用語は、患者が必要とする特定成分の米国の一日当りの推奨摂取量(RDA)の少なくとも約10%の量を意味している。例えば、もし所望の成分がビタミンCの場合、ビタミンCの有効量はRDAの10%以上をもたらすのに十分なビタミンCの量となるであろう。典型的なものでは錠剤が、ミネラルまたはビタミンを含む場合、多量、好ましくは、適用されるRDAの約100%以上を含むこととなろう。
【0046】
用いられる有効成分の量は大幅に変更することができる。もちろん、剤形の大きさ、他の成分の要件、および一回に投与される、例えば、錠剤の数は全て用いられる薬理学的に有効な成分の量の上限に影響を及ぼすこととなる。しかしながら、一般的には、0よりも大きい量から最終的な錠剤の約80重量%、より好ましくは0よりも大きい量から最終的な錠剤の約60重量%の範囲内の有効成分が含まれている。つまり、剤形当り、すなわち、錠剤当り約1μg〜約2g、さらに好ましくは約0.01g〜約1000gの範囲内の有効成分が含まれている。
【0047】
本発明をここで特定の実施形態に関して説明したが、これらの実施形態は、本発明の原理および用途の単なる例示にすぎないことが理解されるべきである。従って、多くの修正が、例示的な実施形態に対してなされてもよいし、他の構成が、特許請求の範囲に定義されるような本発明の精神と範囲から逸脱することなく考案されてもよいことが理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、制限するものではないが特に錠剤の形態、さらには壊れ易い錠剤の形態にある薬剤のパッケージを含む広い産業上の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明によるブリスターパッケージの底面図である。
【図2】図1のブリスターパッケージの上面図である。
【図3】図1の線A−Aに沿ったブリスターパッケージのユニットパッケージ領域における側断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態によるブリスターパッケージの上面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態によるブリスターパッケージの底面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引裂き不可のブリスターパッケージにおいて、
複数のユニットパッケージ領域を画定する単一ブリスターシートであって、前記ユニットパッケージ領域の各々が、上側開口部を有する凹部と前記凹部を取り囲むフランジとを備える単一ブリスターシートと、
前記フランジに剥離可能な状態で密着する蓋材料の単一シートであって、前記ブリスターシートおよび前記蓋材料のシートが前記蓋材料を前記ブリスターシートから剥離することを容易にする未密着領域を画定して、前記未密着領域が前記ブリスターパッケージの少なくとも一部を切断することによってのみアクセスされることが可能となる蓋材料の単一シートと、
を備えていることを特徴とするブリスターパッケージ。
【請求項2】
前記ブリスターパッケージの切断を指示するマークをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項3】
前記ブリスターシートは、6つのユニットパッケージ領域を備えていることを特徴とする請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項4】
前記未密着領域の全てにアクセスするためには、少なくとも2箇所の切断が施されなければならないことを特徴とする請求項3に記載のブリスターパッケージ。
【請求項5】
前記凹部は、壁部と閉鎖底部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のブリスターパッケージ。
【請求項6】
剤形が、前記凹部内に配置され、前記凹部の前記壁部と係合して、その結果、前記壁部が前記閉鎖底部から離間し、かつ前記蓋材料に隣接した状態で前記剤形を保持し、これによって、前記剤形と前記凹部の前記閉鎖底部との間にそれぞれ隙間を生じさせていることを特徴とする請求項5に記載のブリスターパッケージ。
【請求項7】
請求項1に記載のパッケージと、前記凹部内に配置された複数の医薬剤形とを備えていることを特徴とする包装された調剤。
【請求項8】
前記医薬剤形がフェンタニルであることを特徴とする請求項7に記載の包装された調剤。
【請求項9】
ブリスターパッケージから壊れやすい剤形を取り出す方法において、
ブリスターパッケージを設けるステップであって、前記ブリスターパッケ−ジが、複数のユニットパッケージ領域を画定するブリスターシートであって、前記ユニットパッケージ領域の各々が上側開口部を有する凹部および前記凹部を取り囲むフランジを備える単一ブリスターシートと、前記フランジに剥離可能な状態で密着する蓋材料の単一シートであって、前記ブリスターシートおよび前記蓋材料のシートが前記蓋材料を前記ブリスターシートから剥離することを容易にする未密着領域を画定して、前記未密着領域が前記ブリスターパッケージの少なくとも一部を切断することによってのみアクセスされることが可能となる蓋材料の単一シートとを備えるステップと、
前記未密着領域の少なくとも1つを露呈させるために、前記ブリスターパッケージの少なくとも一部を切断するステップと、
前記凹部内に配置された少なくとも1つの剤形を露呈させるために、前記蓋材料の少なくとも一部を剥離するステップと、
前記凹部から前記少なくとも1つの剤形を取り出すステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記切断のためのステップは、切断を多数回に渡って行うことを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記切断のためのステップは、少なくとも1つのユニットパッケージ領域を他のユニットパッケージ領域から分離させることを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記切断のためのステップは、多数の未密着領域を露呈させることを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記剥離のためのステップは、前記ユニットパッケージ領域に対応している蓋材料の区域を剥離することを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
剤形をブリスターパッケージから取り出す方法において、
ユニットパッケージ領域を備えるブリスターシート、および前記ユニットパッケージ領域を密封する蓋シートを設けるステップであって、前記蓋シートが剥離可能な領域、および剥離不可である領域を備え、前記剥離不可である領域が前記パッケージの周囲を取り囲むステップと、
切断器具によって前記剥離可能な領域にアクセスするステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記蓋材料を剥離するステップをさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記剤形を取り出すステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記切断器具が鋏であることを特徴とする請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−526639(P2008−526639A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−551389(P2007−551389)
【出願日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/001188
【国際公開番号】WO2006/076552
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(500117347)シーマ・ラブス、インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】