説明

弾丸回収装置及び弾丸回収方法

【課題】 簡素な構成でありながらも、緩衝材に混入した弾丸を効果的に回収し、しかも、汎用性を有した弾丸回収装置及び弾丸回収方法を提供する。
【解決手段】 工程(a)において、吸引機18、排気ノズル19、回収容器17a及びノズル15及びノズル把持部16aからなる弾丸回収装置10は、ノズル把持部16aのX部分の吸込み口の開口面積が緩衝材12aのみを吸引できるように調節される。すると、停弾装置11内から緩衝材12aのみが回収容器17aに回収され、弾丸13aのみが残される。そして、次の工程(b)において、弾丸回収装置10の吸引機18が発生する吸引力は一定のままで、ノズル把持部16aのY部分の吸込み口の開口面積が弾丸13aを吸引できるように切り替えられる。そして、残った弾丸13aが回収容器17aに回収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は弾丸回収装置及び弾丸回収方法に関し、特に、緩衝機能を有するゴムチップ等の粉粒体により弾丸を捕捉した後の、弾丸が混入した粉粒体から弾丸を回収するための弾丸回収装置及び弾丸回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7は、特許文献1等に示されている従来の停弾装置を用いた射撃訓練場を示した斜視図である。
図を参照して、標的39を貫通し、また、標的39を逸れた弾丸13gは、標的39の後方に配置される停弾装置に捕らえられる。この停弾装置11は、筒状の構造体の中に緩衝機能を有するゴムチップ等の緩衝材12gが充填されている。これにより、飛んで来た弾丸13gの跳弾及び損傷を防止することができ、効果的に弾丸を捕捉することが可能である。これによって、弾丸を再使用することができる。図の停弾装置11の断面には、捕捉された弾丸13hが混入した緩衝材12gが示されている。
【0003】
しかし、このような停弾装置11において、内部に補足された弾丸を分離回収するには非常に大きな労力が必要となる。また、砂山に弾丸を撃ち込むバックストップなどでは、内部に捕らえられた弾丸の分離回収は更に困難である。そこで、従来は、粉粒体等の中に混入した弾丸を回収するために分別回収装置が用いられていた。
【0004】
図8は、特許文献1等に示されている従来の停弾装置用の分別回収装置を示した概略斜視図である。
【0005】
図を参照して、図7に示した停弾装置11内部から取り出された緩衝材12hが、その中に混入した弾丸13iと共に吸込み口40から吸引されている。吸引された緩衝材12h及び弾丸13iは、搬送ホース41a内を搬送され、弾丸分離器42に流入する。ここで弾丸13iはその重さで分離されて弾丸分離器42内に蓄積され、弾丸13i以外の緩衝材12h等が搬送ホース41bを介してチップ分離器43へ送られる。このチップ分離器43では、緩衝材12hがこれ以外の粉塵等から分離される。チップ分離器43は、立体の円筒体を上部から下部に向かって漸次縮径させた形状のサイクロンである。緩衝材12hは、このチップ分離器43のサイクロン内に生じた旋回流により旋回運動をしながら落下し、緩衝材12hに混入していた粉塵は旋回時に上方に巻き上げられ、搬送ホース41cへ排出される。そして、搬送ホース41cを運ばれてきた粉塵は集塵機45内で捕捉され、全て取り除かれた空気のみが搬送ホース41dを介して吸引機46へ吸引される。尚、チップ分離機43で捕らえられた緩衝材12hは、下部に設置されたタンク44に貯められる。そして、このタンク44内に貯えられた緩衝材12hは、タンク44の側方に設置された押込送風機47により吐出ホース48へ送り出される。この吐出ホース48を、図7で示した空の停弾装置11の内部等に繋いでおけば、弾丸13iや粉塵等を取り除いた緩衝材12hのみを戻すことが可能である。そして、このような分別回収装置を台板49の上に搭載しておけば、複数の停弾装置で兼用できる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−125221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の分別回収装置のような構成では、停弾装置と独立に分別回収装置を移動することができ、複数の停弾装置で兼用できるなど、汎用性を有しているものの、吸引力の設定や、この吸引力に基づき、弾丸と緩衝材とを分別する装置の設計及び、緩衝材と粉塵とを分別するサイクロンの設計等は単純なものではなく、装置全体も大掛かりなものとなる。
また、停弾装置内に充填される緩衝材には、ゴムチップ等のチップ材以外に砂土等を用いる場合もあり、このような停弾装置に対しては、それぞれの吸引対象に応じて弾丸分離器やチップ分離器の調整又は設計をやり直す必要がある。したがって、この点に関しては汎用性が高いとは言えない。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡素な構成でありながらも、緩衝材に混入した弾丸を効率良くに回収し、しかも、汎用性を有した弾丸回収装置及び弾丸回収方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、緩衝機能を有する粉粒体と粉粒体に捕捉された弾丸とが混入した混入物から弾丸を回収するための弾丸回収装置であって、所定の吸引力を発揮する吸引手段と、吸引手段に接続され、吸込み口を有するノズルと、ノズルに取り付けられ、吸込み口の吸込み力を粉粒体のみを吸込むことができる大きさと弾丸を吸込むことができる大きさとに切替える切替手段とを備えたものである。
このように構成すると、吸引手段の吸引力に基づいて、ノズル側において、吸い込む対象が粉粒体のみの場合と弾丸の場合とに切り替わる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、切替手段は、所定の吸引力に基づいて、吸込み力を粉粒体のみを吸い込むことができる大きさになるよう開口面積が設定され、ノズルの前記吸込み口に対して着脱自在な第1のキャップ部材と、所定の吸引力に基づいて、吸込み力を弾丸を吸込むことができる大きさになるよう開口面積が設定され、ノズルの吸込み口に対して着脱自在な第2のキャップ部材とを含むものである。
【0012】
このように構成すると、開口面積の異なる第1のキャップ部材及び第2のキャップ部材の付け替えにより、吸込流速が、粉粒体のみを吸い込むことができる流速と弾丸を吸い込むことができる流速とに切り替わる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、切替手段は、ノズルの胴部に形成された開口の開口度合いを調整することができる開口調整機構を含むものである。
【0014】
このように構成すると、吸込み口の開口面積が変化することなく吸引力が変化する。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、吸引手段は、所定の吸引力を発生する吸引機と、吸引機の吸引側に接続された排気ノズルと、ノズルと排気ノズルとの間に接続され、ノズルを介して吸込み口から吸引された粉粒体又は弾丸からなる搬送物と気体とを含む搬送気流を流入させ、搬送気流から搬送物を分離して回収すると共に、気体を排気ノズルに排出する回収容器とを備えたものである。
【0016】
このように構成すると、粉粒体又は弾丸は回収容器を通過時に回収される。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、回収容器は、その内部に着脱自在な袋体を備え、搬送物は袋体に回収されるものである。
【0018】
このように構成すると、搬送物が袋体と共に回収容器から分離自在となる。
【0019】
請求項6記載の発明は、緩衝機能を有する粉粒体と粉粒体に捕捉された弾丸とが混入した混入物から弾丸を回収するための弾丸回収方法であって、混入物から粉粒体のみを、ノズルを介して回収する粉粒体回収工程と、残存した弾丸を、ノズルを介して回収する弾丸回収工程とを備えたものである。
【0020】
このように構成すると、混入物から粉粒体のみを取り除いた後、同じノズルを用いて弾丸が回収される。
【0021】
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、吸引力をノズル側において調節できるので、吸引手段により生ずる所定の吸引力を一定状態に保ったまま、混入物から粉粒体と弾丸とを別々に回収することが可能となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、開口面積の異なるキャップ部材を付け替えるだけで混入物から弾丸を正確に選り分け、回収することが可能となるため使い勝手が良い。
【0023】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、弾丸を回収するために開口面積を小さくすることなく吸引力を上げることができるので、弾丸通過の際の弾丸の大きさの影響が少なくなる。
【0024】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、粉粒体又は弾丸は個別に回収容器に回収されることができるので、これらをこのまま回収容器に保存したり、回収容器と共に運搬することが可能となる。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、搬送物を袋体と共に回収容器から自在に分離することができるので、搬送物を回収容器から取り出しやすくなり、また、搬送物を袋体ごと運搬又は保管することが可能となる。
【0026】
請求項6記載の発明は、粉粒体と弾丸とを同じノズルにより別々に回収することができるので作業効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、この発明の第1の実施の形態による弾丸回収装置の概略断面図であって2つの工程を示しており、図2は図1(a)のX部分の拡大斜視図であり、図3は図1(b)のY部分の拡大斜視図である。
これらの図を参照して、図1の(a)は、図7に示した停弾装置11の上部から、弾丸回収装置10を用いて、ゴムチップなどの緩衝機能を有する緩衝材(粉粒体)12aとこの緩衝材12aに補足された弾丸13aとが混入した混入物のうち、緩衝材12aのみを回収する工程(粉粒体回収工程)を示している。弾丸回収装置10は、所定の吸引力を発生する吸引機18及び吸引した吸引物を回収する回収容器17aからなる吸引手段と、ノズル把持部16aが形成されたノズル15とから構成されている。
【0028】
図1の(b)は、(a)の緩衝材12aのみを回収する工程により、緩衝材12aが全て回収された後、残った弾丸13aを回収する工程(弾丸回収工程)を示している。この弾丸13aを回収する工程では、(a)の工程と同じ弾丸回収装置10を用いているが、ノズル把持部16aの吸込み口の構成のみが異なっている。
【0029】
(a)の工程における弾丸回収装置10のノズル把持部16aのX部分は、図2に示されるように、開口面積の大きい吸込み口26aが形成された脱着自在の緩衝材回収キャップ24が装着された構成になっている。一方、(b)の工程における弾丸回収装置10のノズル把持部16aのY部分は、図3に示されるように、開口面積の小さい吸込み口26bが形成された脱着自在の弾丸回収キャップ25が装着された構成になっている。すなわち、この発明の実施の形態では、吸引機18の吸引力は所定の吸引力に固定されている。そして、この所定の吸引力に基づいてノズル15の吸込み口側に、切替手段として緩衝材回収キャップ(第1のキャップ部材)24を装着した場合には、吸引力が弱い状態に調節されるので、比重の小さい方の緩衝材12aのみが吸引される。また、弾丸回収キャップ(第2のキャップ部材)25を装着した場合には、吸引力が強い状態に調節されるので、比重の大きい方の弾丸13aが吸引される。
【0030】
以上のような構成により、緩衝材回収キャップ24を装着した(a)の工程においては、吸引されてノズル15内を搬送されて来る搬送気流20aは緩衝材12aと気体とが混合した状態となっている。そして、この搬送気流20aは回収容器17aに流入し、その緩衝材12aのみが回収容器17a内に落下することにより分離され、残りの気体が、吸引機18に繋がる排気ノズル19へ排気流21aとして排出される。
【0031】
また、弾丸回収キャップ25を装着した(b)の工程においては、吸引されてノズル15内を搬送されて来る搬送気流20bは弾丸13aと気体とが混合された状態となっている。そして、この搬送気流20bは回収容器17aに流入し、その弾丸13aのみが回収容器17a内に落下することにより分離され、残りの気体が、排気ノズル19へ排気流21bとして排出される。
【0032】
このように、ここで用いる吸引機18は、ノズル把持部16aの吸込み口26の開口面積を変化させることにより、少なくとも、弾丸13を吸引できる一定の吸引力を発生する能力を有していれば良く、単純な構成でも構わない。
【0033】
したがって、この実施の形態による弾丸回収装置10を使用すれば、吸込み口26の開口面積をキャップにより変更するだけの簡素な構成からなるので設備費用の低減が可能であり、また、弾丸13以外の緩衝材12を除去してから弾丸13のみを吸引して回収することができるので、粉粒体をばら撒いたりすることなく効率の良い作業を行うことが可能となる。
【0034】
尚、ここでは、緩衝材又は弾丸を回収する回収容器を、同一のものを用いて使いまわす例を示したが、別々に回収容器を準備しても良い。
【0035】
図4は、この発明の第2の実施の形態による弾丸回収装置におけるノズルの開口調節機構を示した斜視図である。
【0036】
図を参照して、第1の実施の形態において図1に示したノズル把持部16aに相当するノズル15のノズル把持部16bには、この胴部の側面に側面開口部29が形成されている。
また、ノズル把持部16bよりも僅かに大きい径を有する側面開口調節リング27が、側面開口部29を覆うようにノズル把持部16bの回りに回動自在に備えられている。そして、この側面開口調節リング27の側面には、リング開口部28が形成されている。このような構成により、側面開口調節リング27を回転させ、リング開口部28と側面開口部29との重なりによる開口度合いを調節する。すなわち、ノズル把持部16bの吸込み口26c以外から吸引する気流の量を変化させる開口調整機構として、吸込み口26cからの吸引力を変化させることが可能となる。
【0037】
したがって、この実施の形態による弾丸回収装置を使用すれば、第1の実施の形態において図3に示した弾丸回収キャップ25を用いる場合のように、弾丸13を回収するための強い吸引力を得るために吸込み口26cの開口面積を小さくすることなく一定の大きさに保つことができる。すなわち、側面開口調節リング27を回転させてリング開口部28と側面開口部29とにより形成される開口を絞ることにより、吸込み口26cにおける吸引力を上げることができるので、吸込み口26cの開口面積はそのままで弾丸13を、その大きさにかかわらずスムーズに吸い込むことが可能となる。
【0038】
図5は、この発明の第3の実施の形態による弾丸回収装置における回収容器の側方断面図であって3つの工程が示されている。
【0039】
図を参照して、(a)には内部に着脱自在なコンテナバック(袋体)30を備えた回収容器17bに、緩衝材12cを含んだ搬送気流20eが流入し、その内部のコンテナバック30に緩衝材12cが落下することにより分離回収され、そして、緩衝材12cを含まない気体のみが排気流21eとして排出される工程が示されている。このように、この実施の形態による弾丸回収装置の回収容器17bには内部にゴム製などのコンテナバック30が備えられている点において、第1の実施の形態による回収容器の構成とは異なっている。
【0040】
(b)には、回収容器17bの蓋部36aに繋がるノズルを取り外すと共にその蓋部36aを開放して、(a)の工程において回収された緩衝材12cを、コンテナバック30ごと取り出す工程が示されている。
【0041】
また、(c)には、(b)の工程により取り出されたコンテナバック30を、フォークリフトや天井ホイスト等の吊具31により停弾装置11の上方まで移動させ、下方に備える下部投入口32から緩衝材12cを排出し、停弾装置11に戻す工程が示されている。
【0042】
したがって、この実施の形態による弾丸回収装置を使用すれば、回収容器17bを動かさずとも、内部に備えたコンテナバック30ごと緩衝材12cを移動させることができるので、停弾装置11への緩衝材12cの戻し作業が容易になる。また、コンテナバック30に緩衝材12cを詰めたまま、保管することも可能である。
【0043】
図6は、この発明の第4の実施の形態による弾丸回収装置における回収容器の側方断面図であって、3つの工程が示されている。
【0044】
図を参照して、(a)には支持部34が回転ヒンジ33を介して回動自在に固定された回収容器17cに、緩衝材12fを含んだ搬送気流20fが流入し、回収容器17cの内部に緩衝材12fが落下することにより分離回収され、そして、緩衝材12fを含まない気体のみが排気流21fとして排出される工程が示されている。
【0045】
そして、(b)には、(a)の工程において回収された緩衝材12fを取り出すために、回収容器17cの蓋部36bに繋がるノズルを取り外し、更にその蓋部36bを取り外す工程が示されている。
【0046】
また、(c)には、蓋部36bを取り去った後の回収容器17cを、回転ヒンジ33を中心として回転させ、支持部34の水平面上に設置した投入容器37に緩衝材12fを移す工程が示されている。
【0047】
このように、この実施の形態による弾丸回収装置を使用すれば、第3の実施の形態に示したような吊具31やフォークリフトが使用できない場所でも、人力で運搬し、停弾装置に投入することができる大きさの投入容器37に少しずつ緩衝材12fを移すことが可能となる。
【0048】
尚、上記の第1の実施の形態では、吸引力を調節するために、ノズルに着脱自在で開口面積の異なる吸込み口が形成された第1のキャップ部材及び第2のキャップ部材を交換する例を示した。また、第2の実施の形態では、吸引力を調節するために、ノズルの胴部に形成された開口の開口度合いをリング状の開口調整機構により調節する例を示した。しかし、これらの例に限らず、吸引手段又は吸引機の吸引力を所定の値に設定したままで、カメラのシャッタのようにノズルの吸込み口自体の大きさを変化させたり、吸込み口以外の胴部等に形成された開口を単に開閉させたりするなど、吸込み口における吸引力を調節するものであれば、他の構成でも構わない。
【0049】
また、上記の第1の実施の形態では、停弾装置内に弾丸回収装置のノズルを持ち込んで、粉粒体と弾丸との混入物から弾丸を回収する方法を示したが、従来例のように混入物を停弾装置から取り出した後に、混入物から弾丸を回収する方法であっても良い。
【0050】
更に、上記の各実施の形態では、回収容器に流入した粉粒体又は弾丸からなる搬送物と気体とを、搬送物のみを回収容器内に落下させることにより気体のみを排気ノズルから排出させて、搬送物を回収する例を示した。しかし、これに限らず、搬送物を分離して回収容器内に回収し、気体のみを排出できる他のトラップ構成であっても構わず、また、この回収容器はなくても良い。
【0051】
更に、上記の各実施の形態では、粉粒体としてゴムチップなどを用いる例を示したが、弾丸を捕えることが可能な緩衝機能を有していれば、砂などの粉粒体であっても良い。尚、この場合は、第1の実施の形態における切替手段として砂などの粉粒体のみを吸引することができる開口面積に設定された吸込み口が形成されたキャップ部材が備えられ、また、第2の実施の形態における切替手段としては、砂のみを吸引することができるように開口調整機構が調節されることは言うまでもない。
【0052】
更に、上記の第3の実施の形態では、回収容器の内側に着脱自在に備えられた袋体は、下端に下部投入口を備えている例を示したが、この下部投入口は必ずしも備えている必要はない。
【0053】
更に、上記の各実施の形態では、吸引機や回収容器を地面にそのまま配置して使用する例を示したが、従来例のように1つの台車などにセットし、射撃場内を人力又は機械力で運搬、移動可能な構造としてもよい。また、これらの台車への搭載高さは、射撃場の停弾装置の高さやノズルの長さ、作業性を考慮して適宜決定すればよく、更には、1つの台車ではなく、個々の装置にコロなどを設けて運搬、移動可能としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の第1の実施の形態による弾丸回収装置の概略断面図であって2つの工程を示した図である。
【図2】図1(a)のX部分の拡大斜視図である。
【図3】図1(b)のY部分の拡大斜視図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態による弾丸回収装置におけるノズルの開口調節機構を示した斜視図である。
【図5】この発明の第3の実施の形態による弾丸回収装置における回収容器の側方断面図である。
【図6】この発明の第4の実施の形態による弾丸回収装置における回収容器の側方断面図である。
【図7】従来の停弾装置を用いた射撃訓練場を示した斜視図である。
【図8】従来の停弾装置用の分別回収装置を示した概略斜視図である。
【符号の説明】
【0055】
10…弾丸回収装置
15…ノズル
16…ノズル把持部
17…回収容器
18…吸引機
19…排気ノズル
20…搬送気流
21…排気流
22…搬送物
24…緩衝材回収キャップ
25…弾丸回収キャップ
27…側面開口調節リング
28…リング開口部
29…側面開口部
30…コンテナバック
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
緩衝機能を有する粉粒体と前記粉粒体に捕捉された弾丸とが混入した混入物から前記弾丸を回収するための弾丸回収装置であって、
所定の吸引力を発揮する吸引手段と、
前記吸引手段に接続され、吸込み口を有するノズルと、
前記ノズルに取り付けられ、前記吸込み口の吸込み力を前記粉粒体のみを吸込むことができる大きさと前記弾丸を吸込むことができる大きさとに切替える切替手段とを備えた、弾丸回収装置。
【請求項2】
前記切替手段は、
前記所定の吸引力に基づいて、前記吸込み力を前記粉粒体のみを吸い込むことができる大きさになるよう開口面積が設定され、前記ノズルの前記吸込み口に対して着脱自在な第1のキャップ部材と、
前記所定の吸引力に基づいて、前記吸込み力を前記弾丸を吸込むことができる大きさになるよう開口面積が設定され、前記ノズルの前記吸込み口に対して着脱自在な第2のキャップ部材とを含む、請求項1記載の弾丸回収装置。
【請求項3】
前記切替手段は、
前記ノズルの胴部に形成された開口の開口度合いを調整することができる開口調整機構を含む、請求項1記載の弾丸回収装置。
【請求項4】
前記吸引手段は、
前記所定の吸引力を発生する吸引機と、
前記吸引機の吸引側に接続された排気ノズルと、
前記ノズルと前記排気ノズルとの間に接続され、前記ノズルを介して前記吸込み口から吸引された前記粉粒体又は前記弾丸からなる搬送物と気体とを含む搬送気流を流入させ、前記搬送気流から前記搬送物を分離して回収すると共に、前記気体を前記排気ノズルに排出する回収容器とを備えた、請求項1から請求項3のいずれかに記載の弾丸回収装置。
【請求項5】
前記回収容器は、その内部に着脱自在な袋体を備え、
前記搬送物は前記袋体に回収される、請求項4記載の弾丸回収装置。
【請求項6】
緩衝機能を有する粉粒体と前記粉粒体に捕捉された弾丸とが混入した混入物から前記弾丸を回収するための弾丸回収方法であって、
前記混入物から前記粉粒体のみを、ノズルを介して回収する粉粒体回収工程と、
残存した前記弾丸を、前記ノズルを介して回収する弾丸回収工程とを備えた、弾丸回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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