説明

弾性イメージング方法及び装置

医療診断超音波イメージング装置(14)を使い実行されるフリーハンド静的弾性イメージングの圧縮分析のための効果的な計算アルゴリズム(12)は、組織圧縮品質及びオペレータへの量的フィードバックを提供する。アルゴリズム(12)は、最適なダイナミックレンジ(DR)及び信号対雑音比(SNR)の弾性画像を届けるために最も有利な圧縮前フレーム及び圧縮後フレームのペアを自動的に選択するための基準を含む。アルゴリズム(12)をリアルタイムで使用することにより、オペレータトレーニングが容易になり、弾性画像内のアーティファクトの量が相当に低減され、計算の負荷が低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーハンド静的弾性イメージング用の組織圧縮分析のための効率的な計算アルゴリズムに関し、特に、歪み画像を生成する医療診断超音波イメージング装置を用いる弾性イメージングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
病理学上の状態がしばしば、生物的な組織の剛性に変化をもたらすことが証明されている。例えば、診断ツールとして触診を用いることに示されるように、腫瘍組織は、周りの組織とは異なる機械的な性質を有することが知られている。胸の腫瘍及び前立腺の腫瘍は特に、機械的な性質が変わりやすく、これは、T.A.クロウスコップ、T.M.ホイーラー、F.カレル、B.S.ガラ、及びT.ホール(T.A.Krouskop,T.M.Wheeler,F.Kallel,B.S.Garra,T.Hall)による記事”Elastic moduli of breast and prostate tissues under compression”,Ultrasonic Imaging,20:260−274,1998に示されており、この文献をここに参照し援用する。
【0003】
胸の硬性癌などの多くの癌は、非常に硬い結節として現れる。しかしながら、病気による組織の変形は、従来の診断超音波イメージングシステムによる検出を可能にする音響発生特性を有する場合もあり、有さない場合もある。よって、前立腺又は胸の腫瘍が周囲の組織よりも硬かったとしても、従来の超音波技術で識別することは難しい場合もあり、これは、B.S.ガラ,Iセスピーディス,J.オフィール,S.スプラット,R.A.ズウルビア,C.M.マグナント,及びM.F.ペンナネン(B.S.Garra,I Cespedes,J.Ophir,S.Spratt,R.A.Zuurbier,C.M.Magnant,M.F.Pennanen)による記事”Elastography of breast lesions; initial clinical results”,Radiology,202:79−−86,1997に報告されており、この文献をここに参照し援用する。組織の音響発生性及び剛性には、一般的には相関性がないため、ガラ等は、生物学的組織の硬さをイメージングすることで、病理学的な状態に関する新たな情報が得られると予測し、これにより、診断処理が容易になるであろうと述べている。
【0004】
実験によって得られた、通常の胸の組織及び異常な胸の組織の異なる周波数及び予め圧縮された歪みレベルでの弾性係数データが、前述の記事”Elastic moduli of breast and prostate tissues under compression”に報告されている。この記事におけるデータは、様々な胸の組織の弾性係数間の差が、良性の腫瘍と悪性の腫瘍とを区別するための方法を開発するために有効である可能性があることを示している。前立腺の癌もまた、通常の組織よりも相当に硬いため、前立腺の組織も検査された。通常の前立腺組織と異常な前立腺組織との弾性係数の差を示す同様のデータが報告されている。
【0005】
生物学的組織の機械的な性質の表示を容易にするイメージング物理療法は、エラストグラフィ(elastography)と呼ばれる。エラストグラフィの目的は、臨床的な応用法における組織の機械的な性質に関連する物理的なパラメータの分布の画像を表示することである。前述の胸及び前立腺へのエラストグラフィの応用法に加え、F.カレル,J.オフィール,K.マギー及びT.A.クロウスコップ(F.Kallel,J.Ophir,K.Magee,T.A.Krouskop)による記事”Elastographic imaging of low−contrast elastic modulus distributions in tissue”,Ultrasound in Med. & Biol,(409−425),1998及びE.E.コノファゴウ,J.ドゥージ,及びJ.オフィール(E.E.Konofagou,J.D’Hooge,J.Ophir)による記事”Myocardial elastography − a feasible study in vivo”,Ultrasound in Med. & Biol. 28(4):475−482,2002に、筋肉及び心筋への応用法に関して成功した結果が報告されており、これらの文献をここに参照し援用する。
【0006】
弾性イメージングは、外部又は内部の動きを生物学的な組織に引き起こし、従来の診断超音波イメージング及び相関技術を用いて組織からの応答を評価することを含む。イメージングモード及び組織の動きの性質に依って、弾性イメージング応用法は、3つの別個のカテゴリに分けられる。すなわち、(a)静的な変形下の生物学的な組織の内部の動きをイメージングすることを伴う静的弾性(歪みに基づく弾性又は再構成弾性としても知られる)と、(b)組織を通る剪断波の伝搬をイメージングすることを伴うダイナミック弾性(波に基づく弾性としても知られる)と、(c)組織の表面上の応力分布を測定することを伴う機械弾性(応力に基づく再構成弾性としても知られる)と、である。
【0007】
3つの弾性イメージング応用法の各々が、3つの主要な機能部分を有する。第1に、データは、外部又は内部に与えられた組織の動き又は変形の際に採られる。第2に、組織の応答が評価される。すなわち、変位、歪み、及び応力が決定される。最後に、組織の弾性係数が、弾性理論を用いて再構築される。最後のステップは、モデリングに弾性理論を実装し、歪み及び境界条件から弾性係数への逆問題を解くことを伴う。境界条件及び弾性理論のモデリングは、生物学的な組織の構造に大きく依存するので、最後のステップの実施は、厄介であり、通常は実行されない。さらに、第2のステップにおける組織の歪みの評価及び表示は、組織の機械的な性質を正確に再生するものと考えられている。
【0008】
静的弾性イメージング応用法は、最も頻繁に使われる物理療法である。この応用法では、超音波イメージングトランスデューサを使い、小さな準静的圧縮力が組織に与えられる。この力は、モータ化された圧力固定具を用いて与えられてもよく、又はフリーハンド走査により与えられてもよい。圧力前と圧力後のRFデータが記録され、相関方法を用いて、ローカル軸方向の動き及び横方向の動きが推定される。超音波の伝搬方向に沿った推定された動きが組織の軸方向の変位マップを表し、これを用いて軸方向の歪みマップが決定される。歪みマップは次に、グレイスケールの画像又は色コード化された画像として表示され、エラストグラムと呼ばれる。
【0009】
これまでは、弾性イメージングの仕事の大半が、オフライン処理に集中しており、概念の証明、方法の最適化、及びリアルタイム向けの応用法は、ようやく最近になって、Y.ツー及びT.J.ホール(Y.Zhu,T.J.Hall)による”A modified block matching method for real−time freehand strain imaging”,Ultrasonic Imaging,24:161−176,2002及びT.シイナ,M.ヤマカワ,N.ニッタ,E.ウエノ,T.マツムラ,S.タマノ,及びT.ミタケ(T.Shiina,M.Yamakawa,N.Nitta,E.Ueno,T.Matsumura,S.Tamano,T.Mitake)による”Clinical assessment of real−time, freehand elasticity imaging system based on the combined autocorrelation method”,2003 IEEE Ultrasonics Symposium, pages 664−667に報告された。これらの文献をここに参照し援用する。臨床的な環境におけるリアルタイム弾性イメージング応用法の必要性は、主に実用的な性質のものである。しかしながら、リアルタイム弾性イメージングは、実際に、患者走査時間が比較的短く、診断に重要な弾性画像が走査の際に即時に生成されるように超音波エコーデータを取得及び処理するために必要である。よって、このようなリアルタイム弾性イメージングシステムは、超音波Bモード画像及び歪み画像を、リアルタイムで同一画面に表示することが可能である。このような表示はまた、取得されている歪み画像の臨床的な重要性を評価することを容易にする。
【0010】
さらに、超音波エコーデータをリアルタイムで処理することにより、大きくて扱いにくく遅いモータ化された圧縮固定具を用いる代わりに、生物学的な組織のフリーハンド圧縮及び走査を可能にする。モータ化圧縮と異なり、フリーハンド圧縮は、より管理可能でユーザフレンドリな走査処理を容易にし、より多様な操作位置のバリエーションを可能にする。しかしながら、この方法の短所として、徹底的なオペレータのトレーニングがある。これは、超音波検査士(sonographer)が、常に圧縮技術を調整して、良好な品質の歪み画像を取得することが必要なためである。より詳しくは、矛盾のないダイナミックレンジ(「DR」)及び信号対雑音比(「SNR」)を有する歪み画像を取得するために、超音波検査士は、横方向及び平面外への組織の動きを回避しつつ、一定の圧縮率を保つ必要がある。さらに、圧縮は、特定の速度及び繰り返し周期を保ちつつ、イメージングトランスデューサの軸方向のみに対して実行される必要がある。
【0011】
まとめると、組織圧縮の非常に複雑な性質のため、矛盾のない品質の弾性画像を、フリーハンド歪みイメージングを用いて取得することは、ささいなことでもなく、良好な品質のBモード画像を取得するほど迅速ではない。よって、リアルタイム圧縮フィードバックは、確実にオペレータを適切にトレーニングするために必要である。
【0012】
上述の制限を解決する試みとして、いくつかの研究グループが、リアルタイム静的弾性イメージングシステムを提案し実施しており、これは、Y.ツー及びT.J.ホール(Y.Zhu,T.J.Hall)による”A modified block matching method for real−time freehand strain imaging”,Ultrasonic Imaging,24:161−176,2002及びT.シイナ,M.ヤマカワ,N.ニッタ,E.ウエノ,T.マツムラ,S.タマノ,及びT.ミタケ(T.Shiina,M.Yamakawa,N.Nitta,E.Ueno,T.Matsumura,S.Tamano,T.Mitake)による”Clinical assessment of real−time,freehand elasticity imaging system based on the combined autocorrelation method”,2003 IEEE Ultrasonics Symposium,pages 664−667に報告されており、これらの文献をここに参照し援用する。これに加え、ホール等(Hall et al.)による米国特許第6,508,768号(「’768号特許」)は、リアルタイム静的弾性イメージング処理及びその実施を詳しく説明している。しかしながら、これらの’768号特許及びツー等の記事及びシイナ等の記事に開示された実施は、上述の制限の全てを完全に考慮してはいない。
【0013】
より詳しくは、ズー等の記事又はシイナ等の記事又は’768号特許の開示は、いずれも、オペレータによって達成される圧縮の品質の量的な示度を示していない。さらに、オペレータがアーティファクトや低品質のSNRを含む可能性のある歪み画像のみを与えられた時に、圧縮の品質を高めるためのガイドを、オペレータが受けていない。いくつかの欠点の1つとして、歪み画像内に存在する可能性のあるアーティファクトを、圧縮の低品質に質的に関連づけられないことが挙げられる。また、現在の実施は、歪み画像を、圧縮品質から独立して又は圧縮無しの場合であっても、連続して計算及び表示する。したがって、イメージングシステムに課せられる計算の負担は非常に高いが、選択されたいくつかの歪み画像のみが、イメージングされた組織の機械的な性質を忠実に示し、アーティファクトが存在しない画像である。さらに、適用される圧縮率によっては、歪み画像が、可変(そして最適より低い)DR及びSNRで表示され、これによりアーティファクトが生じる可能性がある。
【0014】
リアルタイム組織圧縮品質及び量的なフィードバックをオペレータに提供することが可能な効率的な計算アルゴリズムが必要とされている。また、最適なダイナミックレンジ及び信号対雑音比の弾性画像を届けるために、最も有利な圧縮前フレーム及び圧縮後フレームのペアを自動的に選択する効率的な計算アルゴリズムも必要とされている。さらに、達成される圧縮の品質からは独立して圧縮品質フィードバックを生成する、効率的な計算アルゴリズムも必要とされている。また、組織の伸張の軸方向及び横方向の変位(正と負)の両方を測定し、分析し、視覚的に表示する、効率的な計算アルゴリズムも必要とされている。また、オフライン分析のために、弾性画像の生成に使う全ての情報を取り込みアーカイブする、効率的な計算アルゴリズムも必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
超音波システムを使い弾性イメージングを実行する方法は、超音波画像に対し、関心領域を設定し、生物学的組織を周期的に圧縮し、イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータの少なくとも1つを取得し、圧縮フィードバックアルゴリズムを使い、前記複数のRFフレームデータの少なくとも1つを分析し、少なくとも1つの変位における前記複数のRFフレームデータの少なくとも1つの量的な示度と、少なくとも1つの変位における閾値と、の比較を表示し、前記比較に基づき、許容できる圧縮値を決定し、前記圧縮が十分であることを決定し、前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の弾性画像を表示することを含む。
【0016】
超音波システムを使い弾性イメージングを実行する方法は、超音波画像に対し、関心領域を設定し、生物学的な組織を周期的に圧縮し、イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータの少なくとも1つを取得し、圧縮フィードバックアルゴリズムを使い、前記複数のRFフレームデータの少なくとも1つを分析し、蓄積された軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータの少なくとも1つの量的な示度と、前記蓄積された軸方向の変位における閾値と、の比較を表示し、蓄積された横方向の変位における前記複数のRFフレームデータの少なくとも1つの量的な示度と、前記蓄積された横方向の変位における閾値と、の比較を表示し、前記比較に基づき、許容できる圧縮閾値を決定し、前記圧縮が十分であることを決定し、前記比較に基づき、前記生物学的組織の弾性画像を生成し、前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の前記弾性画像を表示することを含む。
【0017】
超音波弾性イメージングシステムは、圧縮固定具と連絡する超音波システムと、bモード及び歪み画像表示部と連絡する弾性イメージングモジュールと、イメージングに関連したフレームレートで生物学的な組織の弾性画像を生成することができる圧縮フィードバックアルゴリズムであって、前記超音波システムと一体化され、前記超音波システム及び前記弾性イメージングモジュール及び前記組み合わせbモード及び歪み画像表示部と連絡する圧縮フィードバックアルゴリズムと、を含む。
【0018】
製品は、超音波画像に弾性イメージングを実行する一連の命令手段を組み入れて有するコンピュータが使用可能な媒体を含み、前記コンピュータが使用可能な媒体が、圧縮固定具を使い、超音波画像に対し、関心領域を設定する一連の命令と、前記圧縮固定具を使い、生物学的な組織を周期的に圧縮する一連の命令と、イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータの少なくとも1つを取得する一連の命令と、圧縮フィードバックアルゴリズムを使い、前記複数のRFフレームデータの少なくとも1つを分析する一連の命令と、少なくとも1つの変位における前記複数のRFフレームデータの少なくとも1つの量的な示度と、少なくとも1つの変位における閾値と、の比較を表示する一連の命令と、前記比較に基づき、許容できる圧縮値を決定する一連の命令と、前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の弾性画像を表示する一連の命令と、を有する。
【0019】
機械により読取り可能な、前記機械により実行可能な命令のプログラムであって超音波画像に対して弾性イメージングを実行するための方法ステップを実行するための命令プログラムが具体的に組み入れられた、プログラム記録装置は、圧縮固定具を使い、超音波画像に対し、関心領域を設定し、前記圧縮固定具を使い、生物学的な組織を周期的に圧縮し、イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータの少なくとも1つを取得し、圧縮フィードバックアルゴリズムを使い、前記複数のRFフレームデータの前記少なくとも1つを分析し、少なくとも1つの変位における前記複数のRFフレームデータの少なくとも1つの量的な示度と、前記少なくとも1つの変位における閾値と、の比較を表示し、前記比較に基づき、許容できる圧縮値を決定し、前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の弾性画像を表示することを含む。
【0020】
本発明の1つ又はそれ以上の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に示される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面と、請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
弾性イメージングシステム及びこれを使う方法は、医療診断超音波イメージング装置を使うフリーハンド静的弾性イメージングのための組織圧縮分析アルゴリズムを使う。アルゴリズムの応用は、組織圧縮品質を提供し、オペレータに品質フィードバックを与える。アルゴリズムは、最適なダイナミックレンジ及び信号対雑音比を有する弾性画像を届けるために最も有利な圧縮前フレームと圧縮後フレームとのペアを自動的に選択するための基準を含む。代替構成では、アルゴリズムは、最適なダイナミックレンジ及び信号対雑音比を有する弾性画像を届けるために最も有利な伸張前フレームと伸張後フレームとのペアを自動的に選択するための基準を含む。このアルゴリズムをリアルタイムで使用することにより、オペレータのトレーニングを容易にし、弾性画像内のアーティファクトの量を相当に低減させ、計算の負担を軽くする。また、弾性画像を生成するために使われた質的データや量的データなどのデータのいくつか及び/又は全てを単独又は組み合わせて視覚的に表示することにより、オペレータトレーニング及び弾性イメージング結果を超えるデータ品質の確認を評価できる。
【0022】
アルゴリズムはまず、受信されたRFデータの第1フレームを参照フレームとして考慮する。アルゴリズムは次に、ブロック一致処理ステップを使って連続したRFデータフレームを比較してもよい。ブロック一致処理ステップは一般的に、行数がXで列数がYの行列を用いることを含み、ここでX及びYの両方は奇数であるが、この構成に限定されるものではない。この比較は、制限された数の検索ブロックを使って実行できる。
【0023】
ブロック一致アルゴリズムは、正規化相関技術、より好適には相関係数技術を用いて実施される。各ブロックに対し、検索ゾーンが、RFデータの後続フレームの小さな部分に制限され、これにより、実行の速度を高める。検索は、軸方向及び横方向の両方に対して行ってもよい。連続したフレーム間で検出されるブロックの動きは、相関係数の最大包絡線を示す停滞(the lags)に対応する変位として与えられてもよい。検出された変位は、1つのフレームペアから次のフレームペアへと、蓄積される。組織圧縮の品質の量的な示度は、相関係数の包絡線の最大値によって与えられてもよい。ROIの同じ深さに位置するブロックの量的データの平均化され、考慮された深さの各々に対して、量的データが表示される。好適には、量的データは、ROIの一番上のライン、真ん中のライン、及び一番下のラインに対応する、3つの深さで与えられる。
【0024】
与えられたRFフレームデータに対応する圧縮は、量的示度が特定の閾値を超えた時、すなわち、蓄積された横方向の変位の絶対値が与えられた閾値より小さく、蓄積された軸方向の変位が正であって与えられた閾値よりも小さい時に、有効なものとして許容される。よって、軸方向の正の変位は、伸張の動きではなく、圧縮の動きを示す。
【0025】
許容できる圧縮に対し、蓄積された軸方向の変位が所定のイメージング閾値よりも大きい場合、元に保存されたRF参照フレーム及び与えられたRFフレームが、静的弾性イメージングモジュールに送られる。モジュールは、RF参照フレームのBモード画像と平行して歪み画像を計算して表示する。次に、与えられたRFフレームが参照フレームとして保存され、蓄積された軸方向の変位及び横方向の変位が再度初期設定され、アルゴリズムが再開される。しかしながら、蓄積された軸方向の変位が所定のイメージング閾値よりも大きくない場合、アルゴリズムは、次のRFフレームデータに対して繰り返され、以前に計算された変位に、新しい変位が蓄積される。
【0026】
一方、圧縮が許容できない場合、与えられたRFフレームは、参照として保存され、蓄積された軸方向の変位及び横方向の変位が再度初期設定され、歪み画像の表示を開始することなくアルゴリズムが再開される。量的示度、横方向閾値、及び軸方向閾値の選択は、Bモードイメージングパラメータ及び静的弾性イメージングモジュールの設定に依存する。
【0027】
以下により詳しく説明するように、許容できる圧縮又は許容できる伸張は、許容できる閾値の範囲内に位置する一連の点として量的に表示することができる。圧縮の動きは、正の圧縮値を示す一連の点を含んでいてもよい。圧縮の動きに対しては、範囲は、一般的に、最小閾値又は許容できる歪み画像を生成できるイメージング許容閾値を示す、下限閾値境界と、最大閾値又は許容できる歪み画像を生成できる最大の許容閾値を示す上限閾値境界と、を含んでいてもよい。これに対して、伸張は、負の圧縮値を示す一連の点を含んでいてもよい。伸張の動きに対しては、許容できる歪み画像を生成するための範囲は一般的に、最大閾値又は最大の許容閾値を示す下限閾値境界と、最小閾値又はイメージング許容閾値を示す上限閾値境界と、を含んでいてもよい。
【0028】
許容できる圧縮又は許容できる伸張を含む一連の点は、軸方向の変位又は横方向の変位において表示できる。同様に、許容できる閾値の範囲はまた、軸方向の変位又は横方向の変位のいずれにおいても表示できる。このような量的な表示は、正の圧縮値(圧縮の動き)及び負の圧縮値(伸張の動き)の両方に対して生成できる。例えば、図4から図8は、軸方向の変位における、正の圧縮値を使う、許容できる圧縮と許容できない圧縮との両方の量的な表示を示す。
【0029】
本発明は、リアルタイム・フリーハンド静的弾性イメージングに関して説明されるが、これに限定されるものではない。圧縮フィードバックアルゴリズムは、モータ化された圧縮固定具及びオフラインデータ処理を使う静的弾性イメージングシステムでも実施できる。これに加え、ここに企図する適切な変更により、圧縮フィードバックアルゴリズムは、動的弾性イメージングシステムにおいても実施できる。
【0030】
図1から図8を一般的に参照し、フリーハンド・リアルタイム静的弾性では、オペレータが、超音波診断システムにより得られたBモード画像の中に関心領域(ROI)を設定し、例えば、超音波トランスデューサプローブを使い、検査対象の生物学的な組織を周期的に圧縮する。超音波システムは、リアルタイム、すなわち、イメージングに関連したフレームレートでRFデータを取得し、圧縮フィードバックアルゴリズムに送る。
【0031】
図1を参照し、アルゴリズムは、静的フリーハンド・リアルタイム弾性イメージングシステム10に一体化されていてもよい。弾性イメージングシステム10は、圧縮フィードバックアルゴリズム12に加えて、上述の診断超音波システム14と、組み合わせBモード/歪み画像表示部16と、弾性イメージングモジュール18と、を含む。
【0032】
フリーハンド・リアルタイム静的弾性では、オペレータが、超音波診断システム14から得られたBモード画像内に関心領域(「ROI」)20を設定し、超音波トランスデューサプローブ22を使い、ROI内の検査対象の組織を周期的に圧縮する。超音波システム14は、イメージングに関連したフレームレート、すなわち、リアルタイムでRFデータ24を取得し、圧縮フィードバックアルゴリズム12に送る。
【0033】
診断超音波システム14は、コンソール入力(図示せず)と、送受ハードウェア26と、ビームフォーマモジュール28と、スキャンコンバータモジュール30と、を有していてもよい。スキャンコンバータ30によって生成されるBモード画像は、組み合わせBモード/歪み画像表示部16に送られる。ビームフォーマモジュール28は、連続モードでRFデータを圧縮フィードバックアルゴリズム12に提供する。圧縮の品質及び量に依って、圧縮フィードバックアルゴリズム12は、RFデータフレーム32の選択されたペアを弾性イメージングモジュール40に転送することにより、弾性イメージングを開始する。受信した各RFフレームに対して、圧縮フィードバックアルゴリズム12は、圧縮分析パラメータ34の和を組み合わせBモード/歪み画像表示部16が利用可能になるようにする。
【0034】
弾性イメージングモジュール18は、変位推定アルゴリズム36と、歪み計算モジュール38と、スキャンコンバータ40と、を有していてもよい。変位推定モジュール36は、圧縮フィードバックアルゴリズム12から受けたRFデータフレーム32間の組織の動きを評価する。歪み計算モジュール38は、軸方向の変位の空間微分を計算し、この計算結果が、弾性イメージングスキャンコンバータモジュール18によって、歪み画像42へと変換される。最後に、歪み画像42が、組み合わせBモード/歪み画像表示部16に送られ、歪み画像42が、対応するBモード画像と共に画面に表示される。
【0035】
図2を参照し、圧縮フィードバックアルゴリズム12をフローチャートとして示す。図示するように、圧縮フィードバックアルゴリズム12は、これに限定されないが、複数のバッファを含んでいてもよく、各々のバッファが、アルゴリズム12を実行するための命令を実行する。表1は一般的に、バッファと、その機能と、アルゴリズム12の実行における互いの関係と、を示す。
【0036】
【表1】


【0037】
フローチャートの開始点は、新しいRFデータフレームの取得と、このフレームのRF現在フレームバッファ44への保存と、を示す。表1に示すように、RF現在フレームバッファ44は、現在又は最新の取得されたRFフレームデータ24を保存してもよく、好適には、常に現在の取得されたRFフレームデータ24を保存する。RF現在フレームバッファ44は、圧縮の品質とは独立して、圧縮フィードバックアルゴリズム12が再開するたびに新しいデータを受ける。
【0038】
次に、RF参照フレームバッファ46が空の場合、RF現在フレームバッファ44からのデータが、RF参照フレームバッファ46に複製され、アルゴリズム12は、バッファを初期設定して、新しいRFフレームデータ24の取得と共に再開する。したがって、参照フレームが存在することが確実にされ、アルゴリズム12は、受信したRFデータの第1フレームを参照フレームとして使い、初期設定される。表1に示すように、RF参照フレームバッファ46が空の場合にはゼロに初期設定される参照軸方向変位バッファ48及び参照横方向変位バッファ50が、それぞれ、蓄積された軸方向の変位と蓄積された横方向の変位とを保存する。これらのバッファ48及び50は、RF現在フレームバッファ44とRF参照フレームバッファ46とのデータ間に検出された変位に対応する。RF前回フレームバッファ52はまた、この処理において、RF現在フレームバッファ44からのデータで初期設定されてもよい。RF前回フレームバッファ52は、1つ前のステップで取得されたRFフレームデータ24を含んでいてもよく、好適には常にこのデータを含む(表1を参照)。RF現在フレームバッファ44と同様に、RF前回フレームバッファ52は、圧縮の品質とは独立して、アルゴリズム12が再開するたびに新しいデータを受ける。
【0039】
圧縮フィードバックアルゴリズム12が再開し、RF参照フレームバッファ46は空でないことがわかると、連続したデータフレームを、ブロック一致アルゴリズム(図2を参照)を使って比較することができる。比較は、RF前回フレームバッファ52及びRF現在フレームバッファ44からの一連のデータ間で実行され、制限された数の検索ブロックのみを使って実行できる。例えば、ブロック一致行列は、3x3、3x5、5x3、5x5、3x7、7x3、7x5、7x7などの検索ブロックを含んでいてもよく、9、15、21、25、35、49などの検索ブロック行列を含んでいてもよい。好適には、ブロック一致処理ステップは、行列の中央検索ブロックがROIの中心と重なるように、ROIの中心に配置された3x3の行列を使い実行される。
【0040】
ブロック一致アルゴリズムは、正規化相関技術、好適には相関係数技術を用いて実施されてもよい。各ブロックに対し、検索ゾーンは、後続のRFデータフレームの小さな部分に限定されていてもよく、これにより、実行の速度を高める。検索は、軸方向及び横方向の両方に実行できる。好適には、検索ゾーンは、連続したRFデータフレーム間に見られる軸方向の変位及び横方向の変位の範囲を含むよう十分に大きいべきである。参照RFフレームと現在RFフレームとの間ではなく連続したRFデータフレーム24間で検索を実行することにより、検索ゾーンを相当に小さくでき、よって、アルゴリズムの計算速度を高めることができる。また、隣接したRFデータフレーム24間の非相関性は、参照RFフレームと現在RFフレームとの間に比べて非常に低い。連続フレーム間で検出されたブロックの動きは、当業者に知られているように、相関係数の最大包絡線を示す停滞(the lags)に対応する変位によって与えられる。検出された変位が1つのRFデータフレームペアから次のペアへと蓄積される間に、軸方向の変位のための参照軸方向変位バッファ48及び横方向の変位のための参照横方向変位バッファ50は更新される。次に、参照軸方向変位バッファ48及び参照横方向変位バッファ50からの更新された値は、組み合わせBモード/歪み画像表示モジュール16に送ることができる。
【0041】
図3を参照し、図3は、弾性イメージングシステム10の組み合わせBモード/歪み画像表示部16の好適な実施形態を示す。参照軸方向変位バッファ48及び参照横方向変位バッファ50によって生成された画像を、RF参照フレームバッファ46に含まれるRFフレームデータ24から生成されるBモード画像54上に重畳できる。圧縮画像20の前の選択された弾性イメージングROIを、透明で実質的な長方形の形状としてBモード画像に重畳できる。検索が実行された点は、参照軸方向変位バッファ48及び参照横方向変位バッファ50にそれぞれ含まれる、軸方向シフト及び横方向シフトに対応する座標に表示される。例示するためで、これに限定されるものではないが、例えば、これらの点は、水平軸及び垂直軸に沿った、圧縮後の変位した弾性イメージングROI56を示す12本の線によって接続されていてもよい。図3に示す画像は、変位したROI20の絶対座標を与え、圧縮の大きさ及び圧縮がおきた方向の視覚的な表示を提供する。しかしながら、ROI56の軸方向の変位及び横方向の変位は、変位したROIの大きさよりも相当に小さい場合もあり、よって、オペレータには明らかではない。これが、参照軸方向変位バッファ48を組み合わせBモード/歪み画像表示モジュール16にそれのみでも表示できることの理由である。
【0042】
図4を参照し、図4に、参照軸方向変位バッファ48の好適な表示を示す。水平軸は深さを表し、「深さA」、「深さB」、及び「深さC」は、図3の垂直軸上の深さに対応する。図4では、方位方向はつぶされ、これにより、同じ深さに位置する複数の点が、互いに並んで表示されている。チャートはまた、参照軸方向変位バッファのための最大イメージング許容閾値も示し、これについてはまた後述する。図4の参照軸方向変位バッファ48の表示と同様に、参照横方向変位バッファ50も、当業者には理解されるように、方位方角をつぶして、同様に表示することができる。
【0043】
組織圧縮品質の量的な示度が、圧縮スコアバッファ(表1を参照)に保存され、9つの検索ブロックの各々の相関係数の包絡線の最大値によって与えられてもよい。相関係数の包絡線は、相関係数計算を求める前に検索ゾーン内で検索中心部が移動された全ての位置で得られた相関係数結果の包絡線関数を示す。包絡線を計算することにより、正の値のみであることを確実にし、相関係数結果における変動を取り除く。量的データは、ROIの同じ深さに位置するブロックに関して平均化されてもよく、図5に示すように、考慮された個々の深さに対して表示されてもよい。
【0044】
図3及び図5を参照し、好適な実施形態では、量的データは、ROIの一番上のライン(「深さA」)、真ん中のライン(「深さB」)、及び一番下のライン(「深さC」)に対応する3つの深さに対して与えられてもよい。図3及び図5に表示される情報は、新しいRFデータフレームが取得され、圧縮フィードバックアルゴリズム12に利用可能にされる際に、リアルタイムで更新される。したがって、表示された情報は、リアルタイムの組織圧縮品質及びオペレータへの量的なフィードバックを与え、これに加え、表示された情報は、最も有利な圧縮前フレームと圧縮後フレームとのペアを自動的に選択することを可能にする。フレームペアの自動的な選択は、選択されたフレームのみが歪み画像の計算に使われるため、計算の負荷を低減させる。リアルタイム表示及び自動選択により、オペレータのトレーニングが容易になり、歪み画像の計算負荷が低減される。
【0045】
図2に戻り、量的データに基づいて行われるリアルタイム組織圧縮品質の第1の自動判断は、圧縮スコアバッファからの記録を使い計算できる(表1を参照)。すなわち、平均圧縮スコアが、どの深さにおいても、圧縮スコア最低許容閾値よりも低い場合、圧縮は、許容できないものとして考慮でき、圧縮フィードバックアルゴリズム12は、バッファを再度初期設定して、新しいRFフレームデータ24を取得して再開される。一方、圧縮スコアの最低許容閾値は、1つ又はそれ以上の圧縮によるアーティファクトを歪み画像から取り除くことができる程度に十分に大きくてもよく、また、他方で、許容できる歪み画像束(flux)を生成することを確実にする程度に十分に小さくてもよい。
【0046】
量的データに基づく第2の自動判断は、参照横方向変位バッファ50を使う。検索が行われた点のいずれかにおける横方向の変位の絶対値が、所定の最大許容横方向閾値よりも大きい場合、圧縮は許容できないと考慮される場合があり、圧縮フィードバックアルゴリズム12はバッファを再度初期設定し、新しいRFフレームデータ24を取得して再開される場合がある。最大許容横方向閾値は、一方では、歪み画像から圧縮によるアーティファクトを取り除ける程度に十分に小さいべきであり、また、他方では、許容できる歪み画像束を生成することを確実にするよう十分に大きいべきである。
【0047】
量的データに基づく第3の自動判断は、参照軸方向変位バッファ48を使う。検索が実行された点のいずれかにおいて、軸方向変位の値が所定の最大許容軸方向閾値より大きい又は負の値である場合、圧縮は許容できないと考慮される場合があり、アルゴリズムはバッファを再度初期設定し、新しいRFフレームデータ24を取得して再開される場合がある。正の軸方向の変位のみが、伸張ではなく圧縮の動きを示すため、許容される。この代わりに、負の軸方向の変位を許容し、圧縮ではなく伸張の動きを示すこともできる。このような代替実施形態は、オペレータを教育するため及び/又はより完全な組織の弾性イメージング分析を生成するために用いることができる。次に、伸張の動きを負のイメージング許容閾値及び負の最大許容閾値に対して測定することにより、伸張時の歪み画像を生成できる。
【0048】
図6を参照し、図6は、検索が実行された点のうちの1つの軸方向変位値が、例えば深さBの軸方向変位値が所定の最大許容軸方向閾値よりも大きく、よって、圧縮が許容できないと考慮される場合である例を示す。同様に、図7は、検索が実行された点の軸方向変位のうちのいくつかが負の値であり、ここでも圧縮が許容できないと考慮される場合である例を示す。
【0049】
図2を参照し、量的データに基づく第4の自動判断は、参照軸方向変位バッファ48を使ってもよい。検索が実行された点のうちのいずれかの軸方向変位の値が、所定のイメージング許容閾値よりも小さい場合、圧縮は許容できると考慮されることもあるが、図8に示すように、良好な品質の歪み画像を生成するためには十分に大きくない。この場合、圧縮フィードバックアルゴリズムは、バッファを再度初期設定することなく、新しいRFフレームデータ24を取得して再開されてもよい。
【0050】
図2に更に示すように、検索が実行された全ての点の軸方向変位が、所定のイメージング許容閾値と所定の最大許容軸方向閾値の間であれば、図4に示すように、歪み画像を計算し、組み合わせBモード/歪み画像表示部16に表示できる。歪み画像表示に続き、圧縮フィードバックアルゴリズム12は、バッファを再度初期設定し、新しいRFフレームデータ24を取得して再開される。
【0051】
これらの閾値の、例えば深さA、深さB及び深さCなどの深さに対する位置は、弾性イメージングが実行される組織歪みの範囲を規定することもあることに留意すべきである。典型的な弾性SNRは、歪み領域において、帯域フィルタのような挙動をし、これは、T.ヴァーギース及びJ.オフィール(T.Varghese,J.Ophir)による”A theoretical framework for performance characterization of elastography:the strain filter”,IEEE Transactions on UFFC,44(1):164−172、1997及びS.スリニヴァサン、R.リゲッティ、及びJ.オフィール(S.Srinivasan,R.Righetti,J.Ophir)による”Trade−offs between the axial resolution and the signal−to−noise ratio in elastography”,Ultrasound in Med. & Biol,29(6):847−966,2003に説明されており、これらの文献を参照しここに援用する。したがって、組織の歪み範囲を適切に選択することにより、十分な弾性信号対雑音比(SNR)を確実にし、よって、最適な弾性ダイナミックレンジ(DR)を確実にする。
【0052】
歪みイメージングDRは、所定のイメージング許容閾値を歪みフィルタの通過帯域領域の最初の部分近くに適切に設定し、所定の最大許容軸方向閾値を歪みフィルタの通過帯域領域の最後部近くに設定することにより最適化できる。弾性イメージングシステムの表示装置上に現れる歪み画像及び弾性画像の選択が、弾性SNR及び最適な弾性DRに関して最適化される。圧縮フィードバックアルゴリズム12は、弾性イメージングシステムを使う、このような表示のための歪み画像の決定及び選択のためのフィルタとして機能できる。このような歪み画像は、オペレータにより得られる結果品質を向上させるのみならず、オペレータのトレーニングをも向上させる場合もある。
【0053】
上述のように、弾性イメージングシステムによって、弾性イメージング結果を超えるオペレータトレーニング及びデータ品質の確認を評価し、フィードバックを提供することができる。オペレータトレーニングは、ここで説明及び企図するものに限られないが、これらの方法を含む1つ又はそれ以上の異なる方法を使い達成してもよい。
【0054】
例えば、許容できる弾性画像の生成が完了した時点で、オペレータが、弾性画像を生成する際のオペレータによる圧縮及び/又は伸張の品質に関してフィードバックを受けてもよい。統計的、質的、量的などのデータを、例えば履歴データとしてアーカイブし、オペレータがデータを振り返り圧縮又は伸張の品質を判断し、オペレータの圧縮及び/又は伸張技術を向上させるためにオペレータにフィードバックすることもできる。より詳しくは、弾性画像を生成するために使われた、統計的、量的、質的などの履歴又はアーカイブデータの全てと、弾性画像を形成するために使われた各参照データフレームとを、弾性画像と共に又は弾性画像無しに、当業者に知られる方法で、表、チャート、グラフなどの、統計的、量的、質的などの図に表示することができる。これに制限されるものではないが、例示するため、このような図は、各々が単体で又は互いに組み合わされる、図5−図8のグラフ及びチャートを含んでいてもよく、及び/又は結果の弾性画像又は関係する参照データフレームを含んでいてもよく、これらは、オペレータや責任者などのための表示部上に配置されていてもよい。
【0055】
オペレータ及び/又は責任者はまた、図以上のものを使うフィードバックを受けてもよい。例えば、これらの図はまた、圧縮の動き及び/又は伸張の動きのカラー及び/又はグレースケールの画像を含んでいてもよい。オペレータは、圧縮の動き中に見られる色の変化又は1つ又はそれ以上の色の変化、例えば、グレースケール又はカラー画像内で暗い領域が明るい領域へと明るくなるなどの変化又はグレースケールからカラーへの色の変化などを見ることにより、圧縮及び/又は伸張の品質を判断できる。このようなカラー画像及び/又は色変化を示す図はまた、例えば、履歴データとしてアーカイブでき、弾性画像の生成中及び/又は生成後に振り返ることができる。
【0056】
アーカイブ又は履歴データを図を使って表示することに加え、可聴ノイズを使い、アーカイブすることにより、オペレータにフィードバックをすることができる。音声記録及び再生装置を、弾性イメージングシステム10内に一体化させることができ、又はこのような装置を単体で使い、弾性イメージングを実行中に生成された可聴ノイズを捉えることもできる。ノイズは、圧縮の動き、伸張の動き、許容できる圧縮/伸張の動き、不十分な圧縮/伸張の動き、などに変換されてもよい。このようなノイズは、1つ又はそれ以上のピッチ、高調波、音量、リズム、ビート、前述の少なくとも1つを含む組み合わせなどを使い、情報を伝達できる。オペレータは、生物学的な組織を圧縮又は伸張しているときにこのようなノイズを聞く場合があり、これにより、動きが許容できる圧縮/伸張範囲内にあるかどうかを知ることができる。同様に、責任者が、記録されたノイズパターンを振り返り聞くことにより、オペレータが実行した圧縮/伸張の品質を判断できる。この結果、オペレータが、ここに企図する弾性イメージングシステムを使った実験的な運転の音声記録を聞くことにより、オペレータのスキルをどのように向上させるかを学習し続けることができる。
【0057】
本発明は、ここに説明され示されたものに限定されないことを理解されたい。ここに示したものは、本発明を実施するための最良の形態を例示するものであり、部品及び動作の詳細の形式、大きさ、及び構成は、変更できる。本発明は、請求項に規定された本発明の精神及び範囲内にある、そのような全ての変更を含むものとして意図される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】診断超音波システムを使い、本発明の圧縮フィードバックアルゴリズムを組み入れた、リアルタイム・フリーハンド静的弾性イメージングシステムのブロック図である。
【図2】圧縮フィードバックアルゴリズムの主要部及び機能を示すフローチャートである。
【図2−1】圧縮フィードバックアルゴリズムの主要部及び機能を示すフローチャートである。
【図3】RF参照フレームバッファのBモード画像表示、圧縮前の弾性イメージング関心領域(ROI)、及び圧縮後のROIを示す図である。
【図4】音響軸に沿った異なる深さの弾性イメージングROI参照点における蓄積された軸方向変位を示すグラフである。
【図5】異なる深さにおける組織圧縮品質の平均量的示度を示すチャートである。
【図6】弾性イメージング参照点の1つの軸方向の変位が所定の最大許容軸方向閾値を超えているための許容できない圧縮を示すグラフである。
【図7】弾性イメージング参照点のいくつかの軸方向変位が負の値を有するための許容できない圧縮を示すグラフである。
【図8】許容できる圧縮であるが、軸方向の変位がイメージング許容閾値よりも小さいため、良好な品質の歪み画像が生成できないものを示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波システム(14)を使い弾性イメージングを実行する方法であって、
超音波画像に対し、関心領域(20)を設定し、
生物学的な組織を周期的に圧縮し、
イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータ(24)の少なくとも1つを取得し、
圧縮フィードバックアルゴリズム(12)を使い、前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つを分析し、
少なくとも1つの変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つの量的な示度と、前記少なくとも1つの変位における閾値と、の比較を表示し、
前記比較に基づき、許容できる圧縮値を決定し、
前記圧縮が十分であることを決定し、
前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の弾性画像を表示する、ことを含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記関心領域(20)の設定が、フリーハンド圧縮固定具(22)を前記生物学的組織に作用させることを含む方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記フリーハンド圧縮固定具を作用させることが、超音波トランスデューサプローブを作用させることを含む方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記関心領域(20)の設定が、モータ化された圧縮固定具を作用させることを含む方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記圧縮フィードバックアルゴリズム(12)を使う前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つの分析が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の第1のRFフレームデータを前記複数のRFフレームデータ(24)の参照RFフレームとして選択し、
ブロック一致アルゴリズムを使い、前記参照RFフレームに続く前記複数のRFフレームデータと、前記参照RFフレームと、を比較し、
前記比較ステップを軸方向の変位及び横方向の変位において実行し、
横方向の変位及び軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の各々の組織圧縮品質の量的な示度を決定し、
前記横方向の変位及び前記軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記量的な示度を平均化し、前記複数のRFフレームデータ(24)の、蓄積された横方向の変位及び蓄積された軸方向の変位を生成する、ことを含む方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記比較の視覚的な表示が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位と横方向の変位における閾値との比較を表示し、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位と軸方向の変位における閾値との比較を表示することを含む方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記許容できる圧縮値の決定が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における上限閾値境界より小さく、下限閾値境界より大きい場合に、許容できる圧縮を達成することを含む方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記許容できる圧縮値の決定が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における下限閾値境界より小さく、前記蓄積された軸方向の変位が正の値である場合に、許容できる圧縮を達成することを含む方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記許容できる圧縮値の決定が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が、軸方向の変位における下限閾値境界より大きく、上限閾値境界より小さく、前記蓄積された軸方向の変位が負の値である場合に、許容できる圧縮を達成することを含む方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記許容できる圧縮値の決定が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が、軸方向の変位における上限閾値境界より大きく、前記蓄積された軸方向の変位が負の値である場合に、許容できる圧縮を達成することを含む方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記弾性画像及び前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、及び質的な図を表示することを含む方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記弾性画像及び前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、又は質的な図を表示することを含む方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記弾性画像又は前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、及び質的な図を表示することを含む方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記弾性画像又は前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、又は質的な図を表示することを含む方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つ及び前記弾性画像をアーカイブすることを含む方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記ステップの各々の音声記録を生成し、前記音声記録を保存することを含む方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記生物学的組織を周期的に伸張することを含む方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法であって、更に、
許容できる圧縮を達成することに基づき、前記弾性画像を表示する前に、前記生物学的組織の弾性画像を生成する追加のステップを含む方法。
【請求項19】
超音波システム(14)を使い弾性イメージングを実行する方法であって、
超音波画像に対し、関心領域(20)を設定し、
生物学的な組織を周期的に圧縮し、
イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータ(24)の少なくとも1つを取得し、
圧縮フィードバックアルゴリズムを使い、前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つを分析し、
蓄積された軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つの量的な示度と、前記蓄積された軸方向の変位における閾値と、の比較を表示し、
蓄積された横方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つの量的な示度と、前記蓄積された横方向の変位における閾値と、の比較を表示し、
前記比較に基づき、許容できる圧縮閾値を決定し、
前記比較が十分であることを決定し、
前記比較に基づき、前記生物学的組織の弾性画像を生成し、
前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の前記弾性画像を表示することを含む方法。
【請求項20】
超音波弾性イメージングシステムであって、
圧縮固定具(22)と連絡する超音波システム(14)と、
前記bモード及び歪み画像表示部(16)と連絡する弾性イメージングモジュール(18)と、
イメージングに関連したフレームレートで生物学的な組織の弾性画像を生成することができる圧縮フィードバックアルゴリズム(12)であって、前記超音波システム(14)と一体化され、前記超音波システム(14)及び前記弾性イメージングモジュール(18)及び前記組み合わせbモード及び歪み画像表示部(16)と連絡する圧縮フィードバックアルゴリズム(12)と、
を含む超音波弾性イメージングシステム。
【請求項21】
請求項20に記載の超音波弾性イメージングシステムであって、
前記圧縮固定具(22)が、フリーハンドの圧縮固定具である超音波弾性イメージングシステム。
【請求項22】
請求項20に記載の超音波弾性イメージングシステムであって、
前記圧縮固定具(22)が、モータ化された圧縮固定具である超音波弾性イメージングシステム。
【請求項23】
請求項20に記載の超音波弾性イメージングシステムであって、
前記超音波システム(14)が、組み合わせ送受ハードウェア(26)、ビームフォーマモジュール(28)、及びスキャンコンバータモジュール(30)を有する超音波弾性イメージングシステム。
【請求項24】
請求項20に記載の超音波弾性イメージングシステムであって、
前記弾性イメージングモジュール(18)が、変位推定アルゴリズム(36)、歪み計算モジュール(38)、及びスキャンコンバータ(40)を有する超音波弾性イメージングシステム。
【請求項25】
請求項20に記載の超音波弾性イメージングシステムであって、更に
前記弾性及び前記複数のRFフレームデータの前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、及び質的な図を表示できる表示部(16)を有する超音波弾性イメージングシステム。
【請求項26】
超音波画像に対して弾性イメージングを実行する装置であって、
弾性イメージングを実行するための一連の命令を含む、装置。
【請求項27】
請求項26に記載の装置であって、前記一連の命令が、
圧縮固定具(22)を使い、超音波画像に対し、関心領域(20)を設定する命令と、
前記圧縮固定具(22)を使い、生物学的な組織を周期的に圧縮する命令と、
イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータ(24)の少なくとも1つを取得する命令と、
圧縮フィードバックアルゴリズム(12)を使い、前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つを分析する命令と、
少なくとも1つの変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つの量的な示度と、前記少なくとも1つの変位における閾値と、の比較を表示する命令と、
前記比較に基づき、許容できる圧縮値を決定する命令と、
前記圧縮が十分であることを決定する命令と、
前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の弾性画像を表示する命令と、
を含む装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置であって、前記分析命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の第1のRFフレームデータを前記複数のRFフレームデータ(24)の参照RFフレームとして選択する命令と、
ブロック一致アルゴリズムを使い、前記参照RFフレームに続く前記複数のRFフレームデータと前記参照RFフレームとを比較する命令と、
前記比較ステップを軸方向の変位及び横方向の変位において実行する命令と、
横方向の変位及び軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の各々の組織圧縮品質の量的な示度を決定する命令と、
前記横方向の変位及び前記軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記量的な示度を平均化し、前記複数のRFフレームデータの蓄積された横方向の変位及び蓄積された軸方向の変位を生成する命令と、を含む装置。
【請求項29】
請求項27に記載の装置であって、前記比較の視覚的表示命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位と、横方向の変位における閾値と、の比較を表示する命令と、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位と、軸方向の変位における閾値と、の比較を表示する命令と、を含む装置。
【請求項30】
請求項27に記載の装置であって、前記許容できる圧縮値を決定する前記命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における上限閾値境界より小さく、下限閾値境界より大きい場合に、許容できる圧縮を達成する命令、を含む装置。
【請求項31】
請求項27に記載の装置であって、前記許容できる圧縮値を決定する前記命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記RFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が、軸方向の変位における下限閾値境界より小さく、前記蓄積された軸方向の変位が正の値である場合に、許容できる圧縮を達成する命令、を含む装置。
【請求項32】
請求項27に記載の装置であって、前記許容できる圧縮値を決定する前記命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における下限閾値境界より大きく、上限閾値境界より小さく、前記蓄積された軸方向の変位が負の値である場合に、許容できる圧縮を達成する命令、を含む装置。
【請求項33】
請求項27に記載の装置であって、前記許容できる圧縮値を決定する命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における上限閾値境界より大きく、前記蓄積された軸方向の変位が負の値である場合に、許容できる圧縮を達成する命令、を含む装置。
【請求項34】
請求項27に記載の装置であって、更に、
許容できる圧縮を達成したことに基づき、前記弾性画像を表示する前記命令を実行する前に、前記生物学的組織の弾性画像を生成する命令を含む装置。
【請求項35】
請求項27に記載の装置であって、更に、
前記弾性画像及び前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、及び質的な図を表示する命令を含む装置。
【請求項36】
請求項27に記載の装置であって、更に、
前記弾性画像及び前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、又は質的な図を表示する命令を含む装置。
【請求項37】
請求項27に記載の装置であって、更に、
前記弾性画像又は前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、及び質的な図を表示する命令を含む装置。
【請求項38】
請求項27に記載の装置であって、更に、
前記弾性画像又は前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つのデータの、1つ又はそれ以上の統計的、量的、又は質的な図を表示する命令を含む装置。
【請求項39】
請求項27に記載の装置であって、更に、
前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つ及び前記弾性画像をアーカイブする命令を含む装置。
【請求項40】
請求項27に記載の装置であって、更に、
前記ステップの各々の音声記録を生成し、前記音声記録を保存する命令を含む装置。
【請求項41】
請求項27に記載の装置であって、更に、
前記生物学的組織を周期的に伸張する命令を含む装置。
【請求項42】
製品であって、
超音波画像に弾性イメージングを実行する一連の命令手段を有するコンピュータが使用可能な媒体を含み、
前記コンピュータが使用可能な媒体が、
圧縮固定具(22)を使い、超音波画像に対し、関心領域(20)を設定する一連の命令と、
前記圧縮固定具(22)を使い、生物学的な組織を周期的に圧縮する一連の命令と、
イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータ(24)の少なくとも1つを取得する一連の命令と、
圧縮フィードバックアルゴリズム(12)を使い、前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つを分析する一連の命令と、
少なくとも1つの変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つの量的な示度と、前記少なくとも1つの変位における閾値と、の比較を表示する一連の命令と、
前記比較に基づき、許容できる圧縮値を決定する一連の命令と、
前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の弾性画像を表示する一連の命令と、
を有する製品。
【請求項43】
請求項42に記載の製品であって、前記分析する一連の命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の第1のRFフレームデータを前記複数のRFフレームデータ(24)の参照RFフレームとして選択する一連の命令と、
ブロック一致アルゴリズムを使い、前記参照RFフレームに続く前記複数のRFフレームデータと、前記参照RFフレームと、を比較する一連の命令と、
軸方向の変位及び横方向の変位において前記比較ステップを実行する一連の命令と、
横方向の変位及び軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の各々の組織圧縮品質の量的な示度を決定する一連の命令と、
前記横方向の変位及び前記軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記量的な示度を平均化し、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位及び蓄積された軸方向の変位を生成する一連の命令と、を含む製品。
【請求項44】
請求項42に記載の製品であって、前記比較を視覚的に表示する一連の命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位と、横方向の変位における閾値と、の比較を表示する一連の命令と、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位と、軸方向の変位における閾値と、の比較を表示する一連の命令と、を含む製品。
【請求項45】
請求項42に記載の製品であって、前記許容できる圧縮値を決定する前記一連の命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における上限閾値境界より小さく、下限閾値境界より大きい場合に、許容できる圧縮を達成する一連の命令を含む製品。
【請求項46】
請求項42に記載の製品であって、前記許容できる圧縮値を決定する前記一連の命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における下限閾値境界より小さく、前記蓄積された軸方向の変位が正の値である場合に、許容できる圧縮を達成する一連の命令を含む製品。
【請求項47】
請求項42に記載の製品であって、前記許容できる圧縮値を決定する前記一連の命令が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における下限閾値境界より大きく、上限閾値境界より小さく、前記蓄積された軸方向の変位が負の値である場合に、許容できる圧縮を達成する一連の命令を含む製品。
【請求項48】
請求項42に記載の製品であって、前記許容できる圧縮値を決定する前記一連の命令が、
前記複数のRFフレームデータの蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータの蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における上限閾値境界より大きく、前記蓄積された軸方向の変位が負の値である場合に、許容できる圧縮を達成する一連の命令を含む製品。
【請求項49】
請求項42に記載の製品であって、更に
許容できる圧縮が達成されたことに基づき、前記弾性画像を表示する前記命令を実行する前に、前記生物学的組織の弾性画像を生成する一連の命令を含む製品。
【請求項50】
機械により読取り可能な、前記機械により実行可能な命令のプログラムであって超音波画像に対して弾性イメージングを実行するための方法ステップを実行するための命令プログラムが具体的に組み入れられた、プログラム記録装置であって、
圧縮固定具(22)を使い、超音波画像に対し、関心領域(20)を設定し、
前記圧縮固定具(22)を使い、生物学的な組織を周期的に圧縮し、
イメージングに関連したフレームレートで複数のRFフレームデータ(24)の少なくとも1つを取得し、
圧縮フィードバックアルゴリズムを使い、前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つを分析し、
少なくとも1つの変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つの量的な示度と、前記少なくとも1つの変位における閾値と、の比較を表示し、
前記比較に基づき、許容できる圧縮値を決定し、
前記イメージングに関連したフレームレートで前記生物学的組織の弾性画像を表示することを含む、プログラム保存装置。
【請求項51】
請求項50に記載のプログラム保存装置であって、前記圧縮フィードバックアルゴリズム(12)を使う前記複数のRFフレームデータ(24)の前記少なくとも1つの分析が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の第1のRFフレームデータを前記複数のRFフレームデータ(24)の参照RFフレームとして選択し、
ブロック一致アルゴリズムを使い、前記参照RFフレームに続く前記複数のRFフレームデータと前記参照RFフレームとを比較し、
前記比較ステップを、軸方向の変位及び横方向の変位において実行し、
横方向の変位及び軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の各々の組織圧縮品質の量的な示度を決定し、
前記横方向の変位及び前記軸方向の変位における前記複数のRFフレームデータ(24)の前記量的な示度を平均化し、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位及び蓄積された軸方向の変位を生成することを含むプログラム保存装置。
【請求項52】
請求項50に記載のプログラム保存装置であって、前記比較を視覚的に表示することが、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位と、横方向の変位における閾値と、の比較を表示し、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位と、軸方向の変位における閾値と、の比較を表示することを含むプログラム保存装置。
【請求項53】
請求項50に記載のプログラム保存装置であって、前記許容できる圧縮値の決定が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が、軸方向の変位の上限閾値境界より小さく、下限閾値境界より大きい場合に、許容できる圧縮を達成することを含むプログラム保存装置。
【請求項54】
請求項50に記載のプログラム保存装置であって、前記許容できる圧縮値の決定が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における下限閾値境界より小さく、前記蓄積された軸方向の変位が正の値である場合に、許容できる圧縮を達成することを含むプログラム保存装置。
【請求項55】
請求項50に記載のプログラム保存装置であって、前記許容できる圧縮値の決定が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が、軸方向の変位における下限閾値境界より大きく、上限閾値境界より小さく、前記蓄積された軸方向の変位が負の値である場合に、許容できる圧縮を達成することを含むプログラム保存装置。
【請求項56】
請求項50に記載のプログラム保存装置であって、前記許容できる圧縮値の決定が、
前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された横方向の変位の絶対値が前記横方向の変位における閾値より小さく、前記複数のRFフレームデータ(24)の蓄積された軸方向の変位が軸方向の変位における上限閾値境界より大きく、前記蓄積された軸方向の変位が負の値である場合に、許容できる圧縮を達成することを含むプログラム保存装置。
【請求項57】
請求項50に記載のプログラム保存装置であって、更に、
許容できる圧縮が達成されたことに基づき、前記弾性画像の表示の前に、前記生物学的組織の弾性画像を生成する追加のステップを含むプログラム保存装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公表番号】特表2008−523898(P2008−523898A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−546760(P2007−546760)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/044407
【国際公開番号】WO2006/065615
【国際公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(390029791)アロカ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】